麦船橋句会

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まりさん (8md9x4e2)2025/8/10 20:17 (No.140255)削除
710回投句一覧&選句

八月
八月や未だ軍刀眠る蔵
八月のサイズの合わぬ靴を履く
八月のジャンケンのグー天を突け
八月や冷めきっている火焔土器
八月の水平線に消える船
八月や生家に揃う甥や姪
八月は先手先手の水を酌め
八月や漂流壜にキリル文字
八月来傷痍軍人だった父
八月や書棚に遺るカントの書
ボブデイラン聴く八月の喫茶店


梨園のバイトの売り子訛り声
声明の高まる御堂秋は来ぬ
産声の4000g盆さなか
母の声消せぬ留守電夕焼雲
今生の声を限りに蝉時雨
拝殿に人影蝉の声消える
夕暮れの声かけあう子ちちろ鳴く
神木に耳を当てれば秋の声
夕風や激しく競う虫の声
風も木も声を失う町残暑
戦場に子の遊ぶ声星の恋

雑詠
声にする「天声人語」原爆忌
冥府への片道切符遠き雷
山の神祀る水源青胡桃
老犬の背をまず撫でし盆帰省
晩夏光浜辺に探すシーグラス
語部の八十年や原爆忌
ミストシャワーで子等がきゃーきゃー直売所
にわとりの影うつくしき秋はじめ
八月の水たっぷりの青磁壺
合意へのほそ道険し秋の雨
原爆忌プリンの揺れる硝子皿

ふたばさん欠席です
返信
こがめさん (8atk17xs)2025/8/14 10:54削除
第710回麦っこ選句
〇八月や未だ軍刀眠る蔵
〇八月来傷痍軍人だった父
二句とも父親像が浮かんできます。実家にも軍刀がありました。たまに何処に行ったらを話していましたが詳しくは・・・・八月になると思い出します。

◎母の声消せぬ留守電夕焼雲
母の声が残っているなんていいな。季語「夕焼雲」に作者の母への気持ちが出ているように感じます。

〇山の神祀る水源青胡桃
水源がある場所の景が浮かんできます。今でもその地域の大切な水だろうな。

〇老犬の背をまず撫でし盆帰省
犬が苦手な私ですが羨ましいです。生家での犬との生活と犬と仲良しだったのだろうな。
不来方さん (9msax4te)2025/8/11 11:08削除
第710回選句
〇八月のサイズの合わぬ靴を履く
 この「サイズ」とは何だろう。八月は日本人にとって終戦・原爆という思いイメージから離れられないが、その思いは千差万別。
八月に対する思いの「サイズ」を詠んでいるような気がする。なかなかピッタリとした靴はない。そんなテーマの句かと。

〇産声の4000g盆さなか
 盂蘭盆会の最中なのでしょう。「4000g」の力に参った。私も昔むかし盆さなかに生まれたが重さは不詳。

◎ボブデイラン聴く八月の喫茶店
 固有名詞の句は難しいが、これは全共闘世代の反戦句。「純喫茶」ではと思ったが「ボブディラン」は流れていないかも。

〇母の声消せぬ留守電夕焼雲
 「夕焼雲」は感傷的になりやすい。消せぬ母の留守電に共感。

〇声にする「天声人語」原爆忌
 句意と「声」のリフレインがうまく呼応しあっている。「原爆忌」「終戦日」「震災忌」なら天声人語の音読はピッタリ。
返信2
まりさん (8md9x4e2)2025/7/27 19:53 (No.139431)削除
708回投句一覧&選句

向日葵
衛兵のごとく褐色の向日葵
向日葵の大輪常に喉渇く
向日葵によく似たひとの笑顔かな
大向日葵善行人に言わぬもの
向日葵の海に歓声観覧車
向日葵の人の背越して杖の音
向日葵の影立ちつくす鎮魂碑
向日葵の一茎一花風さわぐ  
と見こう見して向日葵の一反歩
向日葵の迎える郷の無人駅
一本の夜のひまわり俯かず
欧州の戦火向日葵乱れ咲く


晩夏光我が青春の上野駅
青山を需(もと)めて米寿夏の果て
青田波体を抜ける風の吹く
阿武隈の高原の風青田波
青い目の力士浴衣を粋に着て
夕風の形を見たり青簾
いつだって「うん」か「うううん」青林檎
青春の綻びを縫う夏休み
青春の真っ只中を麦わら帽
峰雲や青海原の波荒らし
とうすみの青き一閃水面打つ
青群れて群青色の晩夏かな

雑詠
焼け顔や配達員のバイクの音
なお軋む吐噶喇の島や旱星
塒へと呼び合う鴉夕焼雲
出船入船夕焼のホリゾント
白靴の駈けるグランド岩瀬砂
尖閣も国後島もきょう大暑
夏灯しお櫃に移すちらし寿司
轟々と牧草刈機真炎天
空蝉のふところに置く風柔し
遠雷や出迎えの駅送る駅
手花火や闇に広がる硫黄の香
地下足袋の遠き日の父青田かな
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2025/8/12 11:06削除
第708回麦っこ選句

◎向日葵の影立ちつくす鎮魂碑
 「影立ちつくす」からさまざまなことを想像できます。

○とうすみの青き一閃水面打つ
 糸蜻蛉のはかなげな感じとでも強さも伝わってきます。

○遠雷や出迎えの駅送る駅
 駅はどんなときも見送って出迎えてくれる場所ですね。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2025/8/5 10:09削除
708回 選句

〇向日葵の影立ちつくす鎮魂碑  
〇と見こう見して向日葵の一反歩
〇いつだって「うん」か「うううん」青林檎
◎とうすみの青き一閃水面打つ
情景が美しい、すがすがしさを感じます。
〇尖閣も国後島もきょう大暑
天馬さん (9ew8kwc6)2025/8/4 18:53削除
708回選句

○向日葵の海に歓声観覧車

○向日葵の影立ちつくす鎮魂碑

◎とうすみの青き一閃水面打つ

○なお軋む吐噶喇の島や旱星

○尖閣も国後島もきょう大暑

コメントなしですみません!
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/8/3 18:29削除
708回選句
◎とうすみの青き一閃水面打つ
 情景が鮮やかに詠まれている。
〇向日葵の影立ちつくす鎮魂碑
 立ちつくすのは、向日葵の影か鎮魂碑かそれとも作者自身か?
〇と見こう見して向日葵の一反歩
 雄大な自然の中に居ながら、作者の孤独感が伝わってくる。
〇青春の綻びを縫う夏休み
 夏休みは、将来のことなどいろいろと迷うことの多い日々でした。
のんさん (9m61e6rp)2025/8/3 15:16削除
第708回 選句

〇衛兵のごとく褐色の向日葵
 枯れてゆく向日葵は大きいだけに様々に見えます。「衛兵」平和には不要のものですね。
◎向日葵の影立ちつくす鎮魂碑
 向日葵、鎮魂碑、作者の三者が立ち尽くしている。全てが焼ける日差しの中に居るような厳しさを感じます。
〇と見こう見して向日葵の一反歩
 思わず見回してしまう程の向日葵畑、「と見こう見して」素敵な使い方です。
〇「うん」か「うううん」青林檎
 孫のあるあるかなと、季語が瑞々しく愛があります。
〇地下足袋の遠き日の父青田かな
 晩年よりも若い頃の両親も思い出に残っています。季語の清々しさが思いを深くします。
太郎さん (923uhctl)2025/8/3 15:12削除
麦っこ708選句

向日葵
○向日葵の海に歓声観覧車
 頂点近く上りつめた観覧車の乗客が、地上に広がる向日葵畑を見渡して、思わず歓声を挙げている。「観覧車」と客体化しているので、乗っているのではなく、地上から見聞きしているのであろうか。蛇足だが、あまり高くない観覧車なのだろう。
◎一本の夜のひまわり俯かず   
 「一本の」は、一本だけ立っているのではなく、たくさんの中の一本と解すべきであろう。花弁は枯れて、種子が充実して膨れ上がった向日葵は、みな俯いている。その中の一本だけが俯かず、闇の奥を見詰めるように首を挙げている。何か意思を持った人間の姿のように思えるのだ。  


○青い目の力士浴衣を粋に着て
 長いこと厳しい稽古に耐えぬいて幕内まで上った外国人力士は、挙措も言葉遣いも日本人になりきって、軟弱な日本人の若者よりはるかに日本的である。だから、和服の着こなしも堂に入って、「浴衣を粋に着る」のである。
・とうすみの青き一閃水面打つ
中七・下五は美しい表現である。青の一閃の速さ、鋭さは、例えばカワセミなどの狩りの動作だとよく似合う。水面近くをゆったりと、優雅ともいえる飛び方でゆくトウスミトンボが、産卵の動作として「水面打つ」へ続く表現としては、幾分イメージを異にすると思う。

雑詠
・焼け顔や配達員のバイクの音
 日焼けした顔や腕を「焼け顔」「焼け腕」などという造語はどうか。
 造語には、一般に受け入れられて広まり、定着するものもあるが、無闇矢鱈に作り出して語法を混乱させたり日本語の品格を損ねたりするものは造らないようにしたい。
○なお軋む吐噶喇の島や旱星
 いつまでも続く地震を、現地の人々はどんな気持ちで過ごしているのだろうか。赤く燃えるようなイメージのある旱の夜の星が不安続きの人々の心情を象徴しているような。読むのも書くのも難しい「吐噶喇」の文字をあえて使うメリットは何だろう。カタカナではいけないのだろうか。
○尖閣も国後島もきょう大暑
 海に囲まれた日本は、陸上に他国との国境を持たないが、北方四島、尖閣諸島、竹島などの領有権をめぐって問題が起きている。掲句は、南北に長く気候条件に大差のある日本の国の、今日は北海道から沖縄までなべて大暑の日だというところを、尖閣から国後までと言っている。そうして、大暑の季節感とともに、この日の尖閣や国後の領土問題に思いを馳せているのである。
・遠雷や出迎えの駅送る駅
 掲句は、出迎える人もいれば見送る人もいる一つの駅なのだろうが、二つの駅ととれないこともない。少し難しいが、駅を二つ言うのではなく、「出迎える人(顔)」「送る人(顔)」などと人の方を二つ言うことも考えたい。
・地下足袋の遠き日の父青田かな
語の係り受けを考えると、「遠き日の地下足袋の父」「遠き日の父の地下足袋」などと
言うほうがよいと思う。その場合、「青田かな」は避けて青田風、青田波などとしたい。
メイさん (9krcygtf)2025/8/3 10:24削除
708回選句
〇向日葵の大輪常に喉渇く
「常に喉渇く」は躰が納得。

〇向日葵の一茎一花風さわぐ
一面の向日葵を想像しがちなところを、一茎一花と捉えたのが新鮮。

〇青山を需(もと)めて米寿夏の果て 
米寿の夏の果まで需め続ける気概が光っています。

〇青田波体を抜ける風の吹く
〇阿武隈の高原の風青田波
青田の中に立って風に吹かれている二句を同時に味わうのは贅沢の極みです。

◎とうすみの青き一閃水面打つ 
「青き一閃」の映像美と、句を読み下したときの音のやわらかさ、文字の美しさが際立っています。

〇夏灯しお櫃に移すちらし寿司
 いつか見た風景のような懐かしさを覚えたのは、季語の働きでしょうか。
ふたばさん (8augfkle)2025/8/2 17:36削除
708回 選句

◎向日葵の影立ちつくす鎮魂碑
 「影立ちつくす」の措辞に惹かれました。勉強になりました。

〇向日葵の迎える郷の無人駅
 しんと静まり返った駅のホームの柵に並んで咲いている向日葵。郷愁を感じます。いつかどこかで見たような…。

〇青山を需(もと)めて米寿夏の果て 
 生涯、志をもって自由に生きる姿が伝わってきました。(上手く言えませんが。)

〇青春の綻びを縫う夏休み
 夏休みに心の修復をする。上五中七が巧みです。

〇手花火や闇に広がる硫黄の香
 手花火は親しい人達が集まっての楽しみ。東京からの土産に必ず入っていた花火セット。花火の終ったあとの
 寂しさ。忘れていた夏のひとときを思い出しました。懐かしいですね。

  *まりさん、「水を切る」についてのアドバイス、有難うございました。
ちこりんさん (8mmormpc)2025/8/2 10:31削除
708回 選句

○向日葵の海に歓声観覧車
広大な向日葵畑。人々の笑顔と明るさがいい。

◎と見こう見して向日葵の一反歩
左見右見と漢字表記にしなかったのは?とは思うものの、表現力に惹かれます。

○青春の綻びを縫う夏休み
青春の綻びは人それぞれに。傷としないところが上手いし救いですね。

◇空蝉のふところに置く風柔し
何度も読み返してみましたが、中七のイメージが結べませんでした。詩情は感じるのですが。
まりさん (8md9x4e2)2025/8/1 13:39削除
708回選句

〇衛兵のごとく褐色の向日葵
同じ方向を向いた褐色の衛兵の顔。兵馬俑のようでもあります。

◎向日葵の影立ちつくす鎮魂碑
「影」に惹かれます。影には「形」と「陰(影)」の意味があるのですが、立ち尽くすのは、そのどちらもというイメージで読みました。
作者を考えると海難碑でしょうか。

○一本の夜のひまわり俯かず
「一本」と「夜」に何を語らせたかったのでしょう。それが「俯かず」ですから…
私は、一斉に俯く向日葵を詠みたくて苦心惨憺、結果諦めました。俯かない向日葵という視点もあったか~。

○晩夏光我が青春の上野駅
かなり言い古された言葉ではありますが、季語の潔さがいいと思います。

◎とうすみの青き一閃水面打つ
「青き一閃」が糸蜻蛉にぴたり。瞬間描写がいい。蜻蛉で好きなのは、糸蜻蛉とオハグロ蜻蛉。あの尾の碧は魅力的です。
全く水辺のない住宅地の我家にも毎年・数回蜻蛉が現れ、こんなところで生きてゆけるのかと勝手にはらはらします。
数年前にオハグロトンボが現れたのには感激しました。

○手花火や闇に広がる硫黄の香
よくある句かもしれませんが、花火が散って暗くなった時の硫黄の香、そしてその静けさがとても懐かしくなりました。今日は末孫の13歳の誕生日ですから、手花火をしなくなってもう10年近くたっていると思います。
こがめさん (8atk17xs)2025/7/30 23:14削除
第708回麦っこ選句
〇向日葵の海に歓声観覧車
観覧車の下に向日葵が咲きほこっているのかな。素敵な景で気持ちよさそうですね。

◎いつだって「うん」か「うううん」青林檎
「うん」か「うううん」のリズムがいいですね。「青林檎」の季語の使い方が参考になりました。

〇塒へと呼び合う鴉夕焼雲
夕方の鴉の鳴き声が聞こえてきます。自然界はいいですね。

〇夏灯しお櫃に移すちらし寿司
母親のちらし寿司を作っていた時の景が浮かんできます。家族揃って美味しく頂いただろうな。
不来方さん (8b8tdv36)2025/7/28 10:40削除
第708回選句

◎向日葵の影立ちつくす鎮魂碑
 鎮魂碑の句はとても多いので、何を配しどう表現するかが個性の発揮どころ。立ち尽くす向日葵の、しかも「影」には参った。平和への祈願の強さの為せる術だろう。

◯と見こう見して向日葵の一反歩
 「と見こう見」の措辞は久しぶり。映画の名作「ひまわり」の撮影舞台となったウクライナまでとはいかなくとも「一反歩」ほどの向日葵畑とは壮観だ。

◯ 向日葵の迎える郷の無人駅
 好きなテーマ(日本の原風景)。今では殆どが限界集落になっている。切ない景だが向日葵に救われる。

◯ いつだって「うん」か「うううん」青林檎
 「青林檎」には人の記憶を巻き戻させる力がある。幼馴染か幼姉妹の素朴な会話が時空を切り取って眼前に蘇ってきたかのような句。

◯ 青春の綻びを縫う夏休み
 甘酸っぱいテーマだが、「綻びを縫う」が巧い。

◯ 夏灯しお櫃に移すちらし寿司
 春秋冬に「灯し」なら定番。「夏灯し」の句は初めて拝見。盛夏の夕餉には酢の気が欲しいところ。「ちらし寿司」がさっぱりとして味わい深い。何と言っても「夏灯し」が意外とピッタリ。
返信12
まりさん (8md9x4e2)2025/8/3 20:01 (No.139940)削除
709回投句一覧&選句

夜の秋
老犬の浅き眠りや夜の秋
夜の秋カバーを頼む文庫本
ぎらついた光鎮もる夜の秋
PCの更新待ちぬ夜の秋
一椀の粥温めおる夜の秋
夜の秋包丁試す指の腹
酒を酌む父と子の距離夜の秋
モノクロの写真の記憶夜の秋
活版の詩集をひらく夜の秋
千字文習う墨の香夜の秋
大谷選手の記事の切り抜き夜の秋
長旅の夢あきらめて夜の秋


リビングに干し梅匂う夕の家
夕呼べば夕の声来る秋の山
ひび割れし田に喝采の大夕立
夕焼けの林立するやビルの街
乾ききる八月の街夕落暉
隣人はみんな息災夕涼み
そのむかし缶蹴りの声夕焼雲
夕焼の包む一村明日は晴れ
夕蝉のちからのぬけてゆくからだ
日本語の巧みな異人夕涼み
女医の眼の語る真実夕の蝉
約束の夕刻近しうすごろも


乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ
新しき黒板塀や虎が雨
天気予報の通り雨待つ梨農家
一雨のそろそろ来そう大豆蒔く
鈴の音のごと白雨来る石畳
胃カメラの予約うつうつ夏の雨
立ち漕ぎで帰る少年喜雨となる
通り雨後を追うよな蝉時雨
雨乞いの鈴振る巫女の一つ髪
空梅雨のあとの旱天空仰ぐ
耳たぶの表面温度晩夏光
八月のあの日の雨は黒い雨
返信
のんさん (9m61e6rp)2025/8/11 21:14削除
第709回 選句

◎酒を酌む父と子の距離夜の秋
 子は娘というより息子と思いました。二人で過ごす良い時間は、二人の距離をより親密にしてくれそうです。
〇千字文習う墨の香夜の秋
 熱帯夜から解放され秋を感じる夜、香りにも敏感になるのでしょう。繊細な感覚の句です。
○夕呼べば夕の声来る秋の山
 秋は日暮れが早くなりますが、山間の地ではことさらなのでしょう。夕のリフレインが思いを深くします。
〇乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ
 することも無くフォームから見る夕立ち、物が洗われていく様は気持ちがよさそうです。
〇立ち漕ぎで帰る少年喜雨となる
 見通しの良い雨の中を、元気に走り抜けていく様子がよく見える清々し句です。
天馬さん (9ew8kwc6)2025/8/11 16:42削除
709回選句

○酒を酌む父と子の距離夜の秋
盆帰省の息子と話す夫の景かなと思いました。

○活版の詩集をひらく夜の秋
インクの滲みや少し黄ばんだ詩集が見えてきます。

○夕呼べば夕の声来る秋の山
秋は音が良く聞こえます。立ち話している人がいるので、何気なく見たら田んぼのずっと向こうでびっくり。

○乾ききる八月の街夕落暉
農家の嘆きを耳にし、今年ほど雨を願う夏はありませんでした。

◎立ち漕ぎで帰る少年喜雨となる
立ち漕ぎと少年は元気の出る組み合わせです。雨を受けて坂をぐんぐん進む景が浮かびます。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2025/8/11 10:43削除
709回 選句

◎酒を酌む父と子の距離夜の秋
寡黙な親子の距離感秋の夜にぴったり、心は通じあいほほえましいです
〇千字文習う墨の香夜の秋
墨のさわやかな香りが夜の秋に、美しい文字がかけたと思います
〇乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ
プラットフォームにたたずむ姿がドラマを見ているよう
〇ひび割れし田に喝采の大夕立
暑さにからからになった田がやっと夕立が来てホットしている農夫の姿が見えてきます
〇隣人はみんな息災夕涼み
私の隣人も老老の暮らしが多くなりました、元気に夕涼みしながらの会話が聞こえてきます
ふたばさん (8augfkle)2025/8/10 23:10削除
709回選句

〇酒を酌む父と子の距離夜の秋
 親子で久しぶりに酒を酌み交わす。「距離」に微妙な味わいがあります。

◎夕呼べば夕の声来る秋の山
 「夕呼べば夕の声来る」が魅力的。「夕」の重なり、リズムの良さ。句の醸し出す抒情性に惹かれました。

〇女医の眼の語る真実夕の蝉
 「眼の語る真実」にドキッとさせられます。「夕の蝉」が効いています。

〇乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ
 この雨が続くといいのになぁ~。そんな思いで眺めている姿が想像されました。
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/8/10 16:56削除
709回選句
◎夕呼べば夕の声来る秋の山
 秋の声というほど、秋には色々な物音が聞こえてくる。夕方には、夕の声も聞こえて来そうだ。
〇酒を酌む父と子の距離夜の秋
 父親と息子の距離程測りきれぬものはないが、酒を酌み交わすことで、その距離は幾分縮まったか。
〇夜の秋包丁試す指の腹
 研ぎたての包丁の切れ味を指の腹で試す緊張の一瞬。
〇乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ
 旅の途中か?プラットフォームで白雨の通り過ぎるのを眺めている。雰囲気のある一句。
メイさん (9krcygtf)2025/8/10 09:46削除
709回選句
◎老犬の浅き眠りや夜の秋
老犬も老人も同類と思うと、慰められる。季語の力を感じます。

〇酒を酌む父と子の距離夜の秋
父と子と周りの景まで見えてくる平和な時間。

〇リビングに干し梅匂う夕の家
素敵なリビングにひとり佇むのは作者でしょうか。

〇ひび割れし田に喝采の大夕立
喝采の声が大夕立の中から聞こえてきます。

〇女医の眼の語る真実夕の蝉
怖い真実を予感させます。蝉は無き止まず。

〇乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ
さり気ない景がすっきりと描写されていて、清々しい。

〇立ち漕ぎで帰る少年喜雨となる
喜雨が少年の未来を暗示しているようです。
ちこりんさん (8mmormpc)2025/8/9 16:25削除
709回 選句

○酒を酌む父と子の距離夜の秋

ドラマ性のある一句。様々な親子の関係と酒のある風景に距離感を持ってきたところが巧い。

○夕呼べば夕の声来る秋の山

町ではなく、山という設定に初めは戸惑いましたが、自然に囲まれ、自然から受ける幸福感のようなものを感じます。

○ひび割れし田に喝采の雨大夕立

喝采がこの句を生き生きとさせています。ただ喝采しているのは田という設定もあると思いますし、雨と夕立は重複しているので、
ひび割れし田の喝采や大夕立
の語順にしてもいいかもしれません。

◎乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ

プラットフォームという定点と過ぎゆく雨の取り合わせがいいですね。掲句も雨を見つめる人物の心情に想像が膨らみ、ドラマを感じます。
こがめさん (8atk17xs)2025/8/6 11:02削除
第709回麦っこ選句
〇酒を酌む父と子の距離夜の秋
家族の団欒。お酒を呑みながら会話。いいな。「父と子の距離」からいろいろな様子を想像できそう。

〇千字文習う墨の香夜の秋
私も千字文の句を作ろうとしましたが、できませんでした。「習う墨の香」の中七が参考になりました。

〇ひび割れし田に喝采の大夕立
速くそうなってほしいな。自然は酷なときがあります。恵みの雨はいいな。

〇隣人はみんな息災夕涼み
「夕涼み」をしている隣近所の景はいいな。そじて元気なんていいな。

◎胃カメラの予約うつうつ夏の雨
「予約」うつうつ」から心配している心情がでています。「季語」の夏 の雨が効いています。私も人間ドックを予約しているので・・・。どきどきしています。
まりさん (8md9x4e2)2025/8/5 16:38削除
709回選句

〇モノクロの写真の記憶夜の秋
「夜の秋」の景として、私には一番これがぴったり来ました。古い写真の整理をしようか…という気になる気候。

◎夕呼べば夕の声来る秋の山
呼んでいるのは何者?何物?けれど、「夕呼べば夕の声来る」って、何かいい。とても惹かれます。こういう気持ちになれる気候はいつくるのでしょう。

〇ひび割れし田に喝采の大夕立
ダムの保水率0%に来る夕立ほどありがたいものはありません。まさに喝采。

〇女医の眼の語る真実夕の蝉
医師からの「結果宣告」は怖い。この先、そういう怖さを感じることが多くなるのでしょうね。

〇乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ
カラカラの列島。どこの駅だったとしても雨の音はとても嬉しい。

〇一雨のそろそろ来そう大豆蒔く
ちょっと遅いけれど今蒔かないとね。天気予報の雨に期待して。
不来方さん (9mi99iwy)2025/8/4 10:24削除
第709回選句

◯ PCの更新待ちぬ夜の秋
 PC終了時の「更新してシャットダウン」だろうか。最近意外と時間がかかる。時季は問わない作業だが如何にも現代的な「夜の秋」の雰囲気。その後ゆっくりとした団欒が待っている。或いは読書かも。

◯ 酒を酌む父と子の距離夜の秋
 やや秋の気配を感じた父子の夜の盃。「距離」感がとても佳い。

◯千字文習う墨の香夜の秋
 習字のことには疎いが、日本の教育の原点を感じさせる「千字文」の斡旋が見事。「墨の香」が昼間の猛暑を消して余りある。

◎夕焼けの林立するやビルの街
 ビルの林立ではなく「夕焼けの林立」が眼目。高層ビル街の夕焼けがありありと眼に浮かぶ。

◯ 一雨のそろそろ来そう大豆蒔く
 何気ない光景だが、繊細な農人の心模様がうまく表現されていて、作者の晴耕雨読の生活スタイルが自ずと伝わってくる。


「夜の秋」の句の選はとても難しかった。何に季節の変化を感じるかは人それぞれ。特にこの極暑の中での「夜の秋」は句を読むタイミングによっても違いそう。佳句ばかりでした。
返信10
ちこりんさん (8mmormpc)2025/8/9 15:00 (No.140207)削除
711回 お題

季語   カンナ
文字   決
雑詠   自由
返信
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/8/11 18:24削除
711回投句
裏通り無きニュータウンカンナ燃ゆ
墳墓の地未だ決まらず秋あかね
丁寧に生きむと思ふ秋立つ日
返信1
まりさん (8md9x4e2)2025/3/22 20:34 (No.130663)削除
mg POST partⅥ -2025-


やっと 春らしくなってきました。
コロナ休校と同時に飼った目高の子?孫?
2年目からは増えないようにしていたので、昨年の秋には1匹に。
その1匹が元気に冬を越しました。
飼い始めてから丸5年、最期まで見届けます。
返信
不来方さん (8b8tdv36)2025/7/13 05:38削除
太郎さんが句会のデータをパソコンに打ち込むのを止められた時期に、私も麦っこの記録のデータ化を止めました。
するとそれまでの皆さんの佳句を見返す習慣がなくなりました。それなりに勉強になったつもりですが、もう後戻りをする気力が残っていません。
これからは淡々と書き淡々と読むのみ。
まりさんがよく仰っている「いつか量が質に変わる」ことを信じて‼️
メイさん (9krcygtf)2025/6/21 10:09削除
みなさま 久しぶりに投句させていただきました。
始めて投句した去年の五月は入院中でしたが、その時よりも緊張してドキドキしています。
お休みを入れながらこれからも「麦っ子」に参加させていただきたいと願っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
最後になりましたが、「麦っ子」700回おめでとうございます。
太郎さん (923uhctl)2025/5/27 09:41削除
Mugikko 700th Anniversary
皆さん、 ありがとうございます。「むぎっこ」もよく続いたと思いますが、わたしもよく続いたと思います。
わたしの参加しているすべての句会の句会記録、兼題等の記録をパソコンに打ち込んできたのですが、最近眼の衰えもあり作業が辛くなったので、断念することにしました。俳句は、私に残された唯一の愉しみなので、作句、投句は怠らずに続けようと思います。これからも、よろしくお願いします。
不来方さん (8b8tdv36)2025/5/26 14:02削除
麦っこ700回おめでとうございます。お題も記念に相応しい稔りの「麦秋」
本当にこの俳縁に感謝です。
まりさん (8md9x4e2)2025/5/24 22:24削除
麦っこは700回に。

13年以上続いたということになります。
継続は力。(多分)
出会いは力。ここで出会えたご縁に感謝します。
この先も淡々と。
疲れたときは休憩を入れながら、マイペースでお付き合いくださいませ。
まりさん (8md9x4e2)2025/5/18 14:40削除
マルメロ!

懐かしい。花は林檎にそっくり。
実家の庭にあって毎年豊潤な匂いの実がたくさん生りました。
実を箪笥の中に入れておくと開けるときにいい匂い。
こちらではマルメロと表示して花梨を売っていることもあり、
私の知っている本物のマルメロには出会えません。
酸っぱくって、そのまま食べるには勇気がいりますから商品にはならないのでしょう。
本物の熟したマルメロの実に出会いたいです。
天馬さん (9ew8kwc6)2025/5/18 14:12削除
庭のマルメロの花♪
鳥に食べられる前にパチリ。
天馬さん (9ew8kwc6)2025/4/19 17:14削除
辛夷です。
県北部の当地はこれから花にあふれます♪
今日は今年始めてストーブをつけない一日でした。
列島長いですね…
不来方さん (8b8tdv36)2025/4/18 12:16削除
天馬さん すいません🙇‍♂️辛夷ですか?白蓮ですか?
天馬さん (9ew8kwc6)2025/4/17 14:16削除
田打ち桜とも言われる訳が分かります。あちらこちらで田打ちが始まりました。
不来方さん (8b8tdv36)2025/4/7 05:50削除
もう一枚さくら。
不来方さん (8b8tdv36)2025/4/4 06:00削除
花曇り・花冷えが続いてようやく晴れました。例年より長く桜が楽しめそうです。
不来方さん (8b8tdv36)2025/3/31 08:19削除
3月26日の開花と二日後の同じ場所の桜
返信13
まりさん (8md9x4e2)2025/6/14 13:20 (No.134351)削除
出題 お願いいたします。

6月15日  天馬
6月22日  太郎
6月29日  のん
7月 6日  ジュピター
7月13日  ふたば
7月20日  まきえっと
7月27日  不来方
8月 3日  ハナハナ
8月10日  ちこりん
8月17日  こがめ
8月24日  太郎
8月31日  天馬
返信
返信0
不来方さん (8b8tdv36)2025/7/27 05:46 (No.139338)削除
第709回出題

季語  夜の秋
文字  夕
テーマ 雨
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2025/8/12 11:21削除
第709回麦っこ選句

○PCの更新待ちぬ夜の秋
 つい最近、経験しました。

○活版の詩集をひらく夜の秋
 手触りやインクの滲み具合を想像できます。季語と合っています。

○夕焼けの林立するやビルの街
 普段、こういう景を見ても何も感じていない自分に反省です。

◎乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ
 乗り継いで降りる駅はきっと青空が待っているだろう。今は雨ですが明るい気持ちになれます。
天馬さん (9ew8kwc6)2025/8/3 17:41削除
709回投句

老犬の浅き眠りや夜の秋
ひび割れし田に喝采の大夕立
雨乞いの鈴振る巫女の一つ髪
のんさん (9m61e6rp)2025/8/3 14:13削除
第709回 投句

夜の秋カバーを頼む文庫本
乾ききる八月の街夕落暉
空梅雨のあとの旱天空仰ぐ
まきえっとさん (8rypn25h)2025/8/3 11:57削除
第709回麦っこ投句
ぎらついた光鎮もる夜の秋
夕焼の包む一村明日は晴れ
耳たぶの表面温度晩夏光
まきえっとさん (8rypn25h)2025/8/3 11:55削除
第709回麦っこ投句
ぎらついた光鎮もる夜の秋
夕焼の包む一村明日は晴れ
耳たぶの表面温度夏の果
メイさん (9krcygtf)2025/8/3 10:22削除
709回投句

PCの更新待ちぬ夜の秋
約束の夕刻近しうすごろも
八月のあの日の雨は黒い雨
ちこりんさん (8mmormpc)2025/8/2 16:58削除
709回 投句

一椀の粥温めおる夜の秋

女医の眼の語る真実夕の蝉

鈴の音のごと白雨来る石畳
ふたばさん (8augfkle)2025/8/2 15:42削除
第709回 投句

夜の秋包丁試す指の腹
夕焼けの林立するやビルの街
胃カメラの予約うつうつ夏の雨
まりさん (8md9x4e2)2025/8/2 10:02削除
709回投句

酒を酌む父と子の距離夜の秋
そのむかし缶蹴りの声夕焼雲
立ち漕ぎで帰る少年喜雨となる
ハナハナさん (8wiupmvi)2025/8/1 19:11削除
第 709回 投句

モノクロの写真の記憶夜の秋
日本語の巧みな異人夕涼み
通り雨後を追うよな蝉時雨
不来方さん (9me91d0y)2025/8/1 15:06削除
第709回投句

活版の詩集をひらく夜の秋

夕蝉のちからのぬけてゆくからだ

乗り継ぎのプラットフォーム白雨過ぐ
太郎さん (923uhctl)2025/8/1 13:38削除
麦っこ709投句
千字文習う墨の香夜の秋
夕呼べば夕の声来る秋の山
新しき黒板塀や虎が雨
こがめさん (8atk17xs)2025/7/31 22:59削除
第709回麦っこ投句
大谷選手の記事の切り抜き夜の秋

リビングに干し梅匂う夕の家

天気予報の通り雨待つ梨農家
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/7/29 10:14削除
709回投句
長旅の夢あきらめて夜の秋
隣人はみんな息災夕涼み
一雨のそろそろ来そう大豆蒔く
返信14
ハナハナさん (8ws7lb4p)2025/8/3 07:42 (No.139896)削除
第710 出題

季語 八月
文字 声
雑詠
返信
天馬さん (9ew8kwc6)2025/8/10 16:36削除
710回投句

八月や未だ軍刀眠る蔵
産声の4000g盆さなか
老犬の背をまず撫でし盆帰省
まきえっとさん (8rypn25h)2025/8/10 16:06削除
第710回麦っこ投句
八月のサイズの合わぬ靴を履く
夕暮れの声かけあう子ちちろ鳴く
八月の水たっぷりの青磁壺
メイさん (9krcygtf)2025/8/10 09:36削除
710回投句
八月のジャンケンのグー天を突け
戦場に子の遊ぶ声星の恋
合意へのほそ道険し秋の雨
ちこりんさん (8mmormpc)2025/8/10 06:24削除
710回 投句

八月や冷めきっている火焔土器

風も木も声を失う町残暑

原爆忌プリンの揺れる硝子皿
のんさん (9m61e6rp)2025/8/9 19:49削除
第710回 投句

八月の水平線に消える船
母の声消せぬ留守電夕焼雲
晩夏光浜辺に探すシーグラス
ハナハナさん (8wiupmvi)2025/8/8 17:31削除
第 710 投句
八月や生家に揃う甥や姪
夕風や激しく競う虫の声
語部の八十年や原爆忌
こがめさん (8atk17xs)2025/8/8 14:13削除
第」710回麦っこ投句
八月は先手先手の水を酌め

梨園のバイトの売り子訛り声

ミストシャワーで子等がきゃーきゃー直売所
不来方さん (9mo1g0ww)2025/8/8 11:31削除
第710回投句

八月や漂流壜にキリル文字
神木に耳を当てれば秋の声
にわとりの影うつくしき秋はじめ
まりさん (8md9x4e2)2025/8/6 09:32削除
710回投句

八月来傷痍軍人だった父
拝殿に人影蝉の声消える
声にする「天声人語」原爆忌
太郎さん (923uhctl)2025/8/5 16:09削除
麦っこ710投句
八月や書棚に遺るカントの書
声明の高まる御堂秋は来ぬ
冥府への片道切符遠き雷
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/8/4 15:02削除
710回投句
ボブデイラン聴く八月の喫茶店
今生の声を限りに蝉時雨
山の神祀る水源青胡桃
返信11
まりさん (8md9x4e2)2025/7/20 22:37 (No.138949)削除
707回投句一覧&選句

夕焼
がむしゃらに走る校庭大夕焼
大夕焼キャッチボールの影ふたつ
夕焼けてカラスも帰り「またあした」
夕焼へ少年飽かず水を切る
教会は百年未完夕焼空
海夕焼幼と犬の影絵劇
交番の夕焼色の尋ね人
ゆうやけこやけ杖立てて立ち話
夕焼へ錆びたハモニカ吹き鳴らす
突然にどよめく機内夕焼富士


果樹園のホースむくむく炎天下
物質に還る日近き夏の果て
雲の峰主将果敢な滑り込み
祭果て耳底に残る下駄の音
玫瑰や目路の果てなる七ツ島
祭果て猫の右足左足
果物の籠のずっしり夏座敷
夏の果水平線の果てしなく
果てしない水平線や夏の蝶
果てしなく膨らむ宇宙晩夏かな

雑詠
飛び交わす燕子燕雨あがる
今日のこと白紙に戻す遠き雷
茹だる街すぐ舞い戻る選挙カー
正面は海の公園大花火
夏場所や不惑手前の勝名乗り
尾花沢の西瓜シャリシャリ笑顔の子
少年の時間に戻る海の家
背番号四番の顔や光る汗
カード下げラジオ体操子等の夏
金魚すくい膝っ小僧を伸ばしけり
返信
天馬さん (9ew8kwc6)2025/7/28 11:15削除
707回選句

○突然にどよめく機内夕焼富士
久しく飛行機に乗ってません。どよめくほどの夕焼けの富士山を見てみたい。
○果樹園のホースむくむく炎天下
炎天下、多忙な果樹園の消毒ホースでしょうか。作動しているようすが目に浮かびます。
○物質に還る日近き夏の果て
そうですね…誰にとってもいつかですね。
○祭果て耳底に残る下駄の音
余韻をこうやって表すのだなと勉強になりました。
◎果物の籠のずっしり夏座敷
お盆の頃の夏座敷が目に浮かびます。パイナップルも入っているどーんとした籠、確かにありました。
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/7/27 18:13削除
707回選句
◎物質に還る日近き夏の果て
 夏の終わりには、哲学的な思いに駆り立てられる。この世はすべて輪廻転生。
〇大夕焼キャッチボールの影ふたつ
 すぐに情景が思い浮かぶ、すっきりした句。
〇祭果て耳底に残る下駄の音
 祭が終わった後の余韻が伝わってくるようだ。
〇夏場所や不惑手前の勝名乗り
 こういう力士が相撲人気を支えている。相撲は単なるスポーツにあらず。
太郎さん (923uhctl)2025/7/27 17:14削除
麦っこ707選句
「夕焼 」
◎突然にどよめく機内夕焼富士
着陸態勢に入った機窓にくっきりと浮かぶ夕焼け富士。窓の外を覗いていた人々がまず声を上げ、反対側の座席の人たちも寄って来て歓声を上げる。富士山は、あらゆるTPOで見る人を驚かす。不意に上がったどよめきは、飛行機が着陸のため、方向を変えるまでの少しの間続いてすぐに収まるのである。
 上五・中七で問い、下五で応える調子がよい。

「果」
○祭果て耳底に残る下駄の音
祭が終わり、人通りが無くなった大路は静まり返って空から遠い街騒だけが聞こえる。わたしの耳の奥に、からころと甲高い下駄の音が残っている。それは、絵柄の浴衣のお下げ髪の少女であった。
 「耳底(じてい)」のような音読みの漢字熟語は、俳句に馴染まないような気がすることが多い。何度も音読すると違和感が残るのである。
○祭果て猫の右足左足
祭が済んで、人影の絶えた広場に猫が出てくるというのは、時折見かける俳句の構図である。この句は、静けさの広場へ歩み出した猫が、右、左と足を運ぶ様子に注目している。対象を描写しているところが、この句の強みである。
○果物の籠のずっしり夏座敷
来客が持参した中元かなにかの品物が、この家の主の前に出される。それは、豊かに実った果物の籠で、出す方も受ける方も少し力が必要である。ずっしりという果物籠の重さが、主客の人間関係を表しているように思われる。
まきえっとさん (8rypn25h)2025/7/27 11:50削除
第707回麦っこ選句

○大夕焼キャッチボールの影ふたつ
 「影ふたつ」は親と子でしょうか?こういう親子のふれあいっていいですよね。私も父とよくキャッチボールをしました。

○物質に還る日近き夏の果て
 「物質」が硬い表現ですが気持ちは伝わってきます。

○祭果て耳底に残る下駄の音
 余韻を感じます。

○果てしなく膨らむ宇宙晩夏かな
 「果て」を上手に使っております。

◎正面は海の公園大花火
 素直な句で景が大きく、そこからいろいろなことを想像させてくれます。
メイさん (9krcygtf)2025/7/27 10:18削除
707回選句

〇がむしゃらに走る校庭大夕焼
「がむしゃら」という言葉が懐かしく、子どもたちの声を運んでくるようです。

〇果樹園のホースむくむく炎天下
炎天下の果樹園の水まきが、活き活きと伝わってきました。

〇物質に還る日近き夏の果て
大胆な視点が夏の果てに均衡しています。

◎玫瑰や目路の果てなる七ツ島 
七ツ島は埋め立てられて、父島だけが保存されているとか。玫瑰から海に眼を転じて目路の果てに埋め立て前の島の歴史が見えてくるようです。

〇茹だる街すぐ舞い戻る選挙カー
救いがないほどの熱さを感じます。
ふたばさん (8augfkle)2025/7/27 00:20削除
第707回 選句

〇大夕焼キャッチボールの影ふたつ
 夕食の声がかかるまで、父と子のキャッチボールでしょうか。大夕焼けが効いています。映像が鮮やか。

〇ゆうやけこやけ杖立てて立ち話
 そろそろ帰る時間と思いながら、つい話が長くなって…立ち話ができる元気がいいですね。

◎物質に還る日近き夏の果て
 諦念の心が感じられる上五中七が胸に迫ってきました。自分自身のことを考えさせられました。

〇少年の時間に戻る海の家
 楽しかった少年時代への郷愁を感じました。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2025/7/26 16:49削除
707回投 選句
〇大夕焼キャッチボールの影ふたつ
影ふたつは父と子かしら背景に夕焼け良いですね
〇夕焼へ少年飽かず水を切る
水切をしている少年トントンと水面を石の飛ぶのが見えてきます
◎祭果て耳底に残る下駄の音
盆踊りの下駄の蹴る音と思いました大きな輪になり楽しんだ余韻を感じます
〇正面は海の公園大花火
海を背に花火を揚げている人それを見ている人たち景が見えてきます
まりさん (8md9x4e2)2025/7/26 14:05削除
707回選句

〇大夕焼キャッチボールの影ふたつ
父と子か、友人同士か。部活後の二人かもしれません。
この辺ではキャッチボールのできる空地は皆無。
近所のバスケ部の兄弟は、自宅前の狭い路で、車が来るのを避けながらドリブルの練習をしています。

・夕焼へ少年飽かず水を切る
「水切り」という遊びを「水を切る」としたのだと思いますが、やや無理がある気がします。(「水切りの少年」ならわかるのですが)
とてもいい景なので再考を!

〇物質に還る日近き夏の果て
切ない。どきりとします。私もあと何年?どういう形で?と思うことが多くなりました。それが現実。

◎祭果て耳底に残る下駄の音
下駄の音を立てて踊る祭だったのでしょう。耳の奥にいつまでも残る下駄の乾いた音。大きな祭りの「何とか連」の踊りは草履や足袋が多いので、地域の祭りの、たまに着る浴衣の娘たちの下駄の音かもしれません。

〇少年の時間に戻る海の家
結構な壮年かもしれませんが、いい時間。少年(少女)はご自身なのでしょう。
こがめさん (8atk17xs)2025/7/23 13:47削除
第707回麦っこ選句
〇大夕焼キャッチボールの影ふたつ
キャッチボールをしている景が浮かんできますが、誰とやっているのかなと・・
こんな場所があるといいな。

〇ゆうやけこやけ杖立てて立ち話
「いつ、どこで、誰と」でも話ができるなんていいですね。「ゆうやけこやけ」のメロデーが流れているのなかな。

〇祭果て耳底に残る下駄の音
「下駄の音」で浴衣らの着物をきて歩いている景、楽しかったひと時、賑やかだった景が浮かんできます。いいですね。

◎果物の籠のずっしり夏座敷
故郷の仏壇のある座敷を思い出します。籠に入った果物、箱に入ったお菓子らがありました。懐かしいです。座敷からいろんな香りが。。。。
「籠のずっしり」の表現が参考になりました。

〇正面は海の公園大花火
「正面は海の公園」の表現から花火を打ち上げている場所と作者が見ている位置が想像出来ます。
不来方さん (8b8tdv36)2025/7/23 05:13削除
第707回選句

◯ ゆうやけこやけ杖立てて立ち話
 今は知らないが十数年前品川駅周辺では17時に童謡「夕焼け小焼け」が流れていた。童心と元気な老人の対比が面白い。

◎ 物質に還る日近き夏の果て
 「物質」が無機質で生々しくもある。夏の終わりには人生の感慨を覚えやすいのかも。「近し」ではなく「近き」と「夏」に繋げたところに晩年の季節感がよく伝わってくる。

◯ 祭果て耳底に残る下駄の音
 臨場感あり。「下駄の音」に余韻あり。

◯ 果てしない水平線や夏の蝶
 遠近と大小の構図が巧い。景も大きい。

◯ 正面は海の公園大花火
 客観写生というよりも一幅の俳画のような句。
返信10
まきえっとさん (8rypn25h)2025/7/20 09:22 (No.138915)削除
第708回出題

季語 : 向日葵
文字 : 青
雑詠
返信
天馬さん (9ew8kwc6)2025/7/27 17:56削除
708投句

衛兵のごとく褐色の向日葵
青田波体を抜ける風の吹く
轟々と牧草刈機真炎天
まきえっとさん (8rypn25h)2025/7/27 10:39削除
第708回投句

向日葵の大輪常に喉渇く
青春の綻びを縫う夏休み
空蝉のふところに置く風柔し
メイさん (9krcygtf)2025/7/27 10:14削除
708回投句

向日葵によく似たひとの笑顔かな
青群れて群青色の晩夏かな
遠雷や出迎えの駅送る駅
のんさん (9m61e6rp)2025/7/26 21:10削除
第708回 投句

大向日葵善行人に言わぬもの
青い目の力士浴衣を粋に着て
手花火や闇に広がる硫黄の香
ふたばさん (8augfkle)2025/7/26 17:04削除
708回 麦っこ投句

向日葵の海に歓声観覧車
阿武隈の高原の風青田波
地下足袋の遠き日の父青田かな
ハナハナさん (8ws7lb4p)2025/7/26 16:14削除
708回 投句

向日葵の人の背越して杖の音

峰雲や青海原の波荒らし

焼け顔や配達員のバイクの音
ちこりんさん (8mmormpc)2025/7/26 15:35削除
708回 投句

向日葵の影立ちつくす鎮魂碑

とうすみの青き一閃水面打つ

なお軋む吐噶喇の島や旱星
まりさん (8md9x4e2)2025/7/26 14:00削除
708回投句

向日葵の一茎一花風さわぐ  
いつだって「うん」か「うううん」青林檎
塒へと呼び合う鴉夕焼雲
太郎さん (923uhctl)2025/7/25 12:53削除
麦っこ708投句
と見こう見して向日葵の一反歩
青山を需(もと)めて米寿夏の果て
出船入船夕焼のホリゾント
こがめさん (8atk17xs)2025/7/24 22:03削除
第708回麦っこ投句

向日葵の迎える郷の無人駅

晩夏光我が青春の上野駅

白靴の駈けるグランド岩瀬砂
不来方さん (8b8tdv36)2025/7/23 05:21削除
第708回投句

一本の夜のひまわり俯かず
青春の真っ只中を麦わら帽
尖閣も国後島もきょう大暑
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/7/22 11:15削除
708回投句
欧州の戦火向日葵乱れ咲く
夕風の形を見たり青簾
夏灯しお櫃に移すちらし寿司
返信12