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のんさん (8b8xe2bx)2024/9/15 11:57 (No.115815)削除
第664回 お題

 季語     蜻蛉(傍題可)
 文字     前
 テーマ    ペット

   よろしくお願いいたします。
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/9/22 17:17削除
麦っこ664回投句

風渡る深き山襞赤蜻蛉
十六夜の門前町の古本屋
十五夜の膝に丸まり眠る猫
ちこりんさん (8mmormpc)2024/9/22 16:33削除
664回 投句

歳月や蜻蛉忘れし指の先

跳ね太鼓響く蔵前鳥渡る

愛鳥の知らぬ大海秋の空
天馬さん (99z2foco)2024/9/22 16:08削除
664投句

残照の端から端を群とんぼ
前列は手刈りの後のコンバイン
時を止めそうな老犬秋の雨
太郎さん (8aq3zcoi)2024/9/22 09:33削除
麦っこ664投句
赤蜻蛉見据えるブルーインパルス
爽やかに出前の寿司のガリ甘し
木槿垣したり顔して猫出づる
ふたばさん (8augfkle)2024/9/21 23:08削除
第664回投句

指先より帽子の好きな赤とんぼ
台風の前後の頭痛三日ほど
秋の朝出会う犬種のさまざまに
まりさん (8md9x4e2)2024/9/21 21:48削除
664回投句

湧水の途切れぬ水輪赤とんぼ
食前の一錠今日の月のぼる
暗闇に爪を研ぐ猫十六夜
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/9/21 21:17削除
第664回麦っこ投句

赤蜻蛉川を境に東京都
前置きの長い挨拶秋彼岸
猫好きと犬好きが居て宵の秋
こがめさん (8atk17xs)2024/9/21 20:28削除
第664回麦っこ投句
連れ蜻蛉堺田尾根の分水嶺

秋祭り看板の字は前衛書

老犬の粗相の始末花野道
のんさん (8b8xe2bx)2024/9/21 18:39削除
第664回投句

里山の既視感高く秋あかね
前菜の洒落た盛りつけ秋の声
水換えて秋の目高の機嫌よし
メイさん (99x70xpa)2024/9/21 08:42削除
664回投句

銀やんまひとり遊びの夕間暮れ
前略のあとの空白ピーナッツ
老犬は家の大老胡桃の実
不来方さん (8b8tdv36)2024/9/20 15:15削除
第664回投句

わたくしと替ってください赤とんぼ

飛び入りの人前式や草雲雀

縁側のリスやしづかに月祀る
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/17 18:20削除
664回投句
「もういいかい」ふりむけば赤とんぼ
 藪漕ぎや進む前々(さきざき)秋あかね
 秋灯や犬の位牌の抱き茗荷
返信12
まりさん (8md9x4e2)2024/9/8 23:04 (No.115355)削除
662回投句一覧&選句

天の川」
天の川合わなくなった眼鏡の度
もう伸びぬピノキオの鼻天の川
年齢は単なる数字天の川
方舟の行方銀河を遡る
街路樹は野鳥の寝床天の川
七千の地球の言語天の川
人類の小さき足跡銀河濃し
白秋の「砂山」の海天の川
運休す陸奥遠く天の川
天の川渡れば何が見えるだろう
墓守の居ぬ我が故郷天の川

「水」
人影なく水音すめる蛍草
佐原囃子や白壁の水陽炎
遊歩道たちまち飲まれ秋出水
水の秋神域の森深くする
渓谷のチバニアン層水の秋
水平に水切る小石雁渡る
門番の猫の居眠り水澄めり
水の音ばかり郡上の踊りあと
水の秋背中丸めて洗う鍬
爽やかや水泡をつつく鳥の声
案山子翁薄き眠りを水の音

雑詠
イアーゴーの憎悪果なし秋渇き
ビルの間の一叢の闇鐘叩
秋の昼おばちゃんの待つ移動販売車
葛の葉の目覚めるときの雫かな
青春の文一括り鰯雲
勝ち負けは二百十日の風任せ
水澄むや豊後竹田の画聖堂
大船小舟軋み合う台風圏
老犬の全身撫でて秋の風
下座から埋まる会合秋扇
充電を発す点滅風は秋

ふたばさんは欠席です。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2024/9/16 14:43削除
麦っこ662選句
「天の川」
○白秋の「砂山」の海天の川
 この句は、白秋の「砂山」を聴くなり歌うなりして佐渡に横たう天の川をイメージしているのか、現に新潟寄居浜に立って「砂山」に歌われている荒海の向こうに佐渡を望んでいるのか。後者であると思いたい。

「水」
○渓谷のチバニアン層水の秋
 海から生まれた房総、地殻変動による大隆起が生んだ奇跡!ともてはやされたチバニアンだが、まだお目にかかっていない。市原市の養老渓谷沿いにあるというチバニアン地層を一度は見てみたい。そろそろ水の秋も闌であろう。
○水の音ばかり郡上の踊りあと
 「郡上おどり」は、7月中旬から9月上旬まで延べ31夜開催される長期間のお祭りで、特に8月13日~16日の夕方から明方まで夜通し踊り続ける徹夜踊りが名高い。熱狂の踊りの果てた後の嘘のように静まり返った町は、ただせせらぎの音だけが聞こえて、一種の虚脱感に襲われるのだそうな。

「雑」
イアーゴーの憎悪果なし秋渇き
 イアーゴーは、シェイクスピアの四大悲劇の一つ『オセロー』に登場する。将軍オセロの旗手で、デズデモーナ夫人が副官と通じたと讒言してオセロを嫉妬に狂わせ,惨劇を引起す。「秋渇き」の季語が響き合っているようないないような微妙な具合ではある。
○青春の文一括り鰯雲
 古い手紙の類を大部分始末したのだが、青春時代の甘酸っぱい、ほろ苦い思い出に繋がる一括りがまだ捨てきれずに残っている。高空に広がる鰯雲の明るい景のもと、思い切ってさっぱりしてしまったらどうかと思うのだが…。
◎下座から埋まる会合秋扇
 懇親会などで、同じ職階の人同士が集まる会合でも、いろいろと序列を考えて、なるべく下座に座ろうとする傾向があった。そもそも、どこが上座でどこが下座かわからないことがあったりして、余分な神経をつかうものだと思ったこともあった。エアコンの効いた部屋でも、秋扇を出してパタパタと使う人もいたりした。そんな古い体質の集団がまだ残っている社会もあるらしい。
天馬さん (99p5ij3y)2024/9/16 13:23削除
662選句

○もう伸びぬピノキオの鼻天の川
◎七千の地球の言語天の川
○墓守の居ぬ我が故郷天の川
○水の音ばかり郡上の踊りあと
○ビルの間の一叢の闇鐘叩

コメントなしですみません。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/9/16 11:58削除
662回投句一覧&選句

◎もう伸びぬピノキオの鼻天の川
童話を読んでいる気持ちになりました、ピノキオと天の川の取り合わせドラマチックですね
〇年齢は単なる数字天の川
〇人類の小さき足跡銀河濃し
年齢の単なる数字、人類の小さな足跡、二句とも人生を感じます
〇水の音ばかり郡上の踊りあと
水の郷郡上本当に水がきれいです、郡上踊りの閑に過ぎてゆく宵を思い出しました。
〇青春の文一括り鰯雲
断捨離の景でしょうか大事に残していた青春の文一括りにしても中々処分できません、一括り思いを感じます。
まりさん (8md9x4e2)2024/9/15 23:29削除
662回選句

〇もう伸びぬピノキオの鼻天の川
改心をしてもう悪さをしないという意味のほかにも何かあるような気がします。
天の川との取り合わせがいいなあと思いました。

◎七千の地球の言語天の川
日本語はそのひとつにすぎないのです。せっかくの生命のある星なのに争いが絶えなくて。
天の川はただ天上にあるのみ。天の川との取り合わせで景や心情が大きく広がったと思います。

〇水の音ばかり郡上の踊りあと
テレビでしか見たことの無い郡上踊り。延々と延々と延々と。踊りの過ぎた後の残像・ほてりに包まれている時の水の音。我に返ります。

〇秋の昼おばちゃんの待つ移動販売車
おばちゃんが2・3人いて、おしゃべりをしながら待っているのでしょう。いい雰囲気。ただ、たくさんの秋の季語の中から「秋の昼」を選んだのはなぜでしょう。春の昼・炎昼はわかりますが、秋の昼のイメージが私にはいまいちわかりません。「秋の昼」という季語に出会ったことがない気がして調べましたが、角川の大歳時記にはありました。「明るい秋の昼間のこと。仲秋・晩秋にふさわしい季語」そう理解すると、なるほどとも思うのですが…。天高し・秋風や・鳥渡る・穂芒や・秋桜…などとも比べて、移動販売車を待つ地域のおばちゃんたちをとりまく秋の気配の一番よくわかる季語(こういう場所に置きたいという願い)を再検討してもいいと思います。季語は大きな力を持ちます。

◇老犬の全身撫でて秋の風
心情がよく伝わってきますが、「撫でて」の「て」を消すことができないでしょうか。私も、やむを得ず「て」を使うことがありますが、「て」のある句はどこかピシッとしません。「て」を消して秋風を独立させた方が、心情に迫る句になると思います。

〇下座から埋まる会合秋扇
よくわかります。まだまだ暑い日の会合、できれば存在を隠して座っていたい気持ち。
先日、全員名前付きの席の会合に出席しました。緊張して秋扇を使うことも忘れていましたっけ。
のんさん (8b8xe2bx)2024/9/15 13:06削除
第662回 選句

◎七千の地球の言語天の川
 地球の言語数は知りませんでした。取合せの良さに感心しました。。
〇人類の小さき足跡銀河濃し
 銀河の歴史に比べたら人類の歴史は一瞬なのかもしれません。雄大な銀河の下での感慨でしょう。
〇水平に水切る小石雁渡る
 季語に何を置くか、私なら大いに迷うところですが、視線を空に向けた季語は句を大きく膨らませ、周りの景色迄見えて来ます。
〇水の音ばかり郡上の踊りあと
 今迄聞こえなかった水の音が、人の去った後の寂しさを伝え巧みです。
〇勝ち負けは二百十日の風任せ
 何の勝負でしょうか?この頃の台風の迷走ぶりは呆れるばかりです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/15 08:30削除
662回選句
◎イアーゴーの憎悪果なし秋渇き
 下五の季語への展開の意外性に惹かれます。秋に食欲が増すのは、このためだったのか?
〇もう伸びぬピノキオの鼻天の川
 澄み切った秋の夜空には、ロマンを掻き立てられます。
〇水の音ばかり郡上の踊りあと
 祭の去った淋しさと共に、日常に戻った安堵感が窺える。
〇下座から埋まる会合秋扇
 司会者が促しても中々前の方の列は埋まらない。どの会合もそうです。
メイさん (99nf0ibu)2024/9/14 12:27削除
662回選句

〇方舟の行方銀河を遡る
「銀河を遡る」と銀河の果がみえてくるのだろうか。その中で、方舟の行方を自由に想像できるところが壮大。
〇七千の地球の言語天の川
天の川を眺めながら、地球にある言語の多様性を思って感慨深い。絶滅していく言語も多いとのこと。
〇墓守の居ぬ我が故郷天の川
天の川を仰ぎながら、同じ思いの方は沢山いることでしょう。

◎佐原囃子や白壁の水陽炎
佐原囃子の大らかな調子が、白壁の水陽炎を際立たせているように感じました。
〇水の音ばかり郡上の踊りあと
激しい踊りの去ったあと、水の音だけが残っている。言葉の配置が効果的だと思いました。
こがめさん (8atk17xs)2024/9/12 19:33削除
第662回麦っこ選句
◎もう伸びぬピノキオの鼻天の川
ピノキオの物語を読み直しているのかな。ロマンチックで素敵な時間ですね。
こんな句をつくりたいな。

○遊歩道たちまち飲まれ秋出水
○大船小舟軋み合う台風圏
場所によって台風の様子が違う景が二つの句から伝わってきます。わたしの故郷は今でも復旧できず電車が動きません。

○水の秋背中丸めて洗う鍬
ご苦労様です。鍬を丁寧に洗っている景が浮かんできます。

○青春の文一括り鰯雲
いろんな手紙らなのかな。それとも日記かな。それらを纏めながらふり返っているのかな。きっといい思い出がいっぱい詰まっているのだろうな。季語「鰯雲」に作者の気持ちが現れているのだろう。
不来方さん (8b8tdv36)2024/9/9 09:02削除
第662回選句 

◎ もう伸びぬピノキオの鼻天の川
 こういう句を読むと、つくづく俳句は取合せだなぁ、と思ってしまう。嘘を付かず悪いこともしなくなったピノキオは人間になり、天の川に感謝しているのだろう。

◯ 年齢は単なる数字天の川
◯ 七千の地球の言語天の川
 「数字」「言語」と無機質な俳句では使いづらい言葉を使ったチャレンジの二句。前句は天の川のロマンを分かるのは年齢ではないよ、と教えてくれる。後句から想像できること。小さな地球ですら7000の言語があるなら、未知の天の川にはおそらく億の言語があり、無数の恋物語がありそうだ。

◯ 渓谷のチバニアン層水の秋
 固有名詞の句は難しい、と麦っこで何度か書きながら、つい選んでしまった「チバニアン層」の魅力。65万年変わらぬ水の秋は、大自然の不易の醍醐味。人の一生は(瞬間)とはいえ「水の秋」のような気持ちで終えたいものだ。

◯ 青春の文一括り鰯雲
「青春の文」は断捨離の最後のものかもしれない。恋、友情etc.「鰯雲」が切なくも甘酸っぱい。

今回は特に言葉の魔力に引き込まれて、沢山の佳句を見逃したのは間違いなし。
返信9
ふたばさん (8augfkle)2024/9/9 16:42 (No.115395)削除
第663回 お題

季語 :  秋の雲
文字 :  井
テーマ : 野

*お題の出し方を間違って、テーマを雑詠にしていました。気づいて変更しましたら、
 投句されていた句が消えてしまいました。
 お手数をお掛けして申し訳ありませんが、再度投句をお願いいたします。(スミマセン)
返信
天馬さん (99p5ij3y)2024/9/15 17:37削除
663投句

秋雲や旅に出でよと列車音
木の実降る賢治の井戸の重き蓋
柔らかく花野に分け入りし成猫
太郎さん (8aq3zcoi)2024/9/15 16:09削除
麦っこ663投句
秋の雲老いたる象の足鎖
秋日濃し一葉押しし井戸ポンプ
秋草や「球技を禁ず企業庁」
まきえっとさん (8rypn25h)2024/9/15 14:56削除
第663回投句
白線のなじまない土秋の雲
小鳥来る井戸をまっすぐ落ちる声
綻びのきれいな縫い目大花野
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/15 08:42削除
663回投句
棟上げの餅撒く少女秋の雲
秋めくや市井に古き洋食屋
奥多摩や野に湖に秋の声
まりさん (8md9x4e2)2024/9/15 08:18削除
663回投句

秋の雲来し方語り出す大樹
天井を流れる木目小鳥来る
行き違う測量の声真葛原
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/9/14 22:43削除
第663回 投句
朝練の走る掛け声秋の雲
井戸水と並ぶ県水いわし雲
一人旅行って見ようか野路の秋
のんさん (8b8xe2bx)2024/9/14 22:30削除
第663回 投句

秋の雲柵を出ること無き羊
新豆腐たっぷり沈め井戸の水
穂芒の光り一筋風の道
こがめさん (8atk17xs)2024/9/14 21:47削除
第663回麦っこ投句
指圧師に散歩いいよと秋の雲

井戸あります塀に看板秋彼岸

野の草の名札新し土手の原
ちこりんさん (8mmormpc)2024/9/14 13:11削除
663回 投句

水底に眠る零戦秋の雲

天井に動く龍の眼はたた神

コスモスや心翔けゆく地平線
メイさん (99nf0ibu)2024/9/14 12:28削除
663回投句

りんしょうのもりのくまさん秋のくも
天井の星のシールや秋彼岸
遠くからオーボエのソロ野路の秋
ふたばさん (8augfkle)2024/9/14 09:19削除
第663回 投句

点滴の窓を流れる秋の雲
天井無き厨に匂うさつま藷 
ハモニカの昭和の子ども秋野行く
ふたばさん (939u0aa7)2024/9/13 13:53削除
再度のご投句、有難うございました。
不来方さん (8b8tdv36)2024/9/12 08:34削除
第663回投句

大空のかすかな愁い秋の雲

城の井にあまたの口碑ちちろ鳴く

本当の花野を探す余生かな
返信13
まりさん (8md9x4e2)2024/9/1 19:15 (No.114853)削除
661回投句一覧&選句

青蜜柑
きっかけの見つからない間青蜜柑
青蜜柑物欲しそうな馬の貌
山の子に初めての海青蜜柑
不機嫌な三半規管青蜜柑
妹はいつまでも下青蜜柑
気が付くといつもしんがり青蜜柑
青蜜柑酸っぱし来し方ほろ苦し
一斉に守備に散る子ら青蜜柑
青蜜柑義姉の電話の兄のこと
青蜜柑ようやく戻る子等の声
潮騒の届く山づら青蜜柑
球児等を育みし町青蜜柑


休暇明け白墨の音戻り来る
白靴の汚れ上野に着きし夜
白帝や田の神という停留所
実つぶしの指の記憶や白粉花
白鷺の鳴き声知らず虫の声
行く夏や妻は白髪を染めもせで
大皿の余白の矜持青葡萄
大西日白紙の街へ流れ込む
秋めくや余白の美(は)しき一行詩
白杖の渡る歩道や今朝の秋
飛蝗とぶ腕白気取る少年期
仮の世をもう少し白曼殊沙華

テーマ:歩く
歩き詰めの広がる野原蛍草
秋気澄む古道の口の石畳
溽暑てふ関所越え来て秋の風
台風一過歩行器の軋む朝
峠まで一里のしるベ秋遍路
街残暑埃うっすら万歩計
引潮の砂に足跡八月尽
玄関の隅の長靴九月来て
新蕎麦や目標満たぬ万歩計
手を貸して横断歩道秋の蝶
神護寺の長き石段秋の雲
新米のありがたきかな歩み寄る
返信
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/9/11 18:58削除
661回投句 選句

〇 きっかけの見つからない間青蜜柑
  きっかけを見つけそこに入りたく思うこと確かにあります酸っぱい青蜜柑が効いてます
〇 潮騒の届く山づら青蜜柑
  海岸に沿う山、青蜜柑が沢山なっている景。海の無い地で育ちましたので初めて見たときは感動しました
〇 実つぶしの指の記憶や白粉花
  白粉花の実は黒く少し硬いつぶですが白い粉を取り出して遊んだ頃を思い出しました
〇 台風一過歩行器の軋む朝
  台風の去った朝歩行器を出し散歩でしょうかすがすがしさを感じます
◎ 引潮の砂に足跡八月尽
  引潮にも消えぬ足跡、海で思う存分楽しんだ名残が八月尽に詰まっています。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/9/10 10:30削除
661回 選句

◎山の子に初めての海青蜜柑

海に育った私には分からないほどの感動があるのでしょうね。ドラマを感じます。

○行く夏や妻は白髪を染めもせで

侘しさと少しの哀しみも伝わり、季語との相性もよろしいかと思います。

○台風一過歩行器の軋む朝

軋む音と朝の清々しさに心の動きが見えてきます。

○引潮の砂に足跡八月尽

行く夏を惜しみつつ、来し方をたどっているのでしょうか。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/9/8 20:00削除
麦っこ661選句
「青蜜柑」
○山の子に初めての海青蜜柑
 小学校の修学旅行は修善寺だった。それまでに見慣れていた船橋の海とはまったく違う海を見て、胸が躍ったのを覚えている。折しも伊豆の山には青蜜柑が実っていたのだった。
○潮騒の届く山づら青蜜柑
 この句も、小学校時代の思い出につながるのだが、千葉県御宿町の記念塔のやサンドスキー場のある山面が眼に浮かぶ。こちらは、青蜜柑でなく、桑の実のくせのないさっぱりとした甘さの思い出に繋がるのであるが。

「白」
○白帝や田の神という停留所
 田の神は、全国至る所にある農耕神だが、この停留所は固有名詞と考えてよいだろう。「白帝」は、五行説で、白を西・秋にあてるところから西方の神、秋をつかさどる神のことで、また、秋の異称としても使われる。中七・下五に相応しい季語である。

「歩く」
○峠まで一里のしるベ秋遍路
 古い道標が峠までの道のりと方角を示している。「秋遍路」は作者自身かもしれぬが、それらしい身支度をしたお遍路さんを見かけて詠んだものと考えてよいだろう。
◎引潮の砂に足跡八月尽
 遠浅の浜が干潮となり、前に誰かが歩いた足跡が残っているのを見て、この浜を行きし人あり、と思って見ているのだ。これも「秋思」の一形態であろう。
 俳句で「八月」というとき、通常陽暦の八月をいい、秋の季語とする。「八月尽」は、いつ頃のどんな季節感わ表しているのか。秋には違いないと思うのだが。月の名を季語として使う時は心遣いが悩ましい。
 私の持っている季寄せでは、九月、九月尽は秋。十一月、十二月は冬、十月は目次にも索引にも見当たらない。
のんさん (8b8xe2bx)2024/9/8 18:51削除
第661回 選句

〇潮騒の届く山づら青蜜柑
 海を見下ろす斜面に育っていく蜜柑、ミカン狩りを思い出しました。
◎白靴の汚れ上野に着し夜
 夜に着いた上野駅、靴が汚れて居た事、それしか言っていないのに、読み手それぞれの思い出を呼び覚ます句です。
〇大皿の余白の矜持青葡萄
 色彩が鮮やかで爽やかです。
〇秋気澄む古道の口の石畳
 熊野古道かなとおもいましたが、先人の優しさと先の険しさを季語から感じます。
〇引潮の砂に足跡八月尽
 賑わいの季節はあっと言う間に去り足跡の残る浜、人生の一端を見ているようです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/8 11:25削除
661回選句
 ◎引潮の砂に足跡八月尽
  砂に残った足跡に、過ぎ去った夏をしみじみと振り返る様子がうかがえます。
 〇気が付くといつもしんがり青蜜柑
  幼いころの悔しい思い出か?青蜜柑の甘酸っぱい味のようにいつまでも記憶の底に残る。
 〇白靴の汚れ上野に着きし夜
  若かりし頃の上京時の思い出。故郷の田舎道は舗装されておらず、よくぬかるんでいた。
 〇白帝や田の神という停留所
  田の神様は農耕神。村人は大切にお守りし、身近に寄り添いながら生活しているのだろう。
天馬さん (99en6u1f)2024/9/8 09:24削除
661選句

○不機嫌な三半規管青蜜柑
酸っぱさが伝わるのが不思議です。
○潮騒の届く山づら青蜜柑
瀬戸内海の島々を想像し頂きました。
◎白靴の汚れ上野に着きし夜
集団就職列車が真っ先に浮かびました。クラスで二人いました。どうしてるかな。
○台風一過歩行器の軋む朝
さて活動開始するかという独り言が聞こえてきそうです。
まきえっとさん (8rypn25h)2024/9/7 16:42削除
第661回選句

〇潮騒の届く山づら青蜜柑
 「みかんの花咲く丘」を思い出しました。
◎白靴の汚れ上野に着きし夜
 上野は郷愁を誘いますね。心は汚れないでほしいです。
〇大皿の余白の矜持青葡萄
 大は小を兼ねるとも言いますが、お皿の余白って結構大事です。
〇引潮の砂に足跡八月尽
 充実した夏だったでしょうか?名残惜しさを感じます。
メイさん (99d97udh)2024/9/7 09:47削除
661回選句

〇青蜜柑酸っぱし来し方ほろ苦し
酸っぱさとほろ苦さの対が、青蜜柑に交差する。

〇青蜜柑義姉の電話の兄のこと
何の知らせか相談か。青蜜柑を見ながら「義姉」の声にちょっと緊張。

◎白靴の汚れ上野に着きし夜
白靴を履いてどこから来て、夜の上野はどう迎えてくれたのか。昭和の集団就職の心細さを思いました。

〇大皿の余白の矜持青葡萄
白い大皿に盛られた青葡萄の余白。それを「矜持」と認めると世界が違って見えてくるのが不思議です。

〇大西日白紙の街へ流れ込む
夕方の街の高台から眺める、大西日の大胆な動きが壮観。

〇秋気澄む古道の口の石畳
音の残響と表記の美しさが、秋の古道の景につながっているようです。
まりさん (8md9x4e2)2024/9/7 00:01削除
661回選句

○山の子に初めての海青蜜柑
家族で旅行など皆無だった時代のこと。私が初めて海を見たのは6年生の松島修学旅行でした。嵐の後だったのでしょうか、桂島で初めて触れた海水が土色だったのを覚えています。

○青蜜柑酸っぱし来し方ほろ苦し
ほんとですね。時間がたてば思い出は美しくなるとはいいますが、いまでもちくちく胸の痛む・後悔する思い出はたくさんあります。

〇白帝や田の神という停留所
私には懐かしい停留所。シンプルは締まる。

〇白杖の渡る歩道や今朝の秋
例えば「白杖と渡る歩道や今朝の秋」ならどうだろうかと思いました。自分を主語に。
しかし、白杖を持つのが自分ともとれるのでやはりややこしい。助詞は本当に難しい。

○仮の世をもう少し白曼殊沙華
これだけ寿命が延びてもこの世は「仮の世」というのでしょうね。あの世の長さは永遠ですから。
「もう少し」の少しには個人差がありますが。

◎台風一過歩行器の軋む朝
いつ始まったのか終わったのかわからない迷走台風も過ぎて青空。
歩行器も五体も軋みますが、今日も始まります!
こがめさん (8atk17xs)2024/9/4 21:08削除
第661回麦っこ選句
○潮騒の届く山づら青蜜柑
「山づら」から青蜜柑の育っている場所の景が浮かんできます。

◎白靴の汚れ上野に着きし夜
懐かしいです。私は夜行できて朝上野につきました。「白靴の汚れ」に作者の思いが詰まっているように感じます。

○引潮の砂に足跡八月尽
「足跡」に焦点を絞って入る表現が参考になります。足跡が残っている景がいいですね。なにか考えながら歩いているのか元気に夏を惜しんでいるのかどっちだろうな。

○新米のありがたきかな歩み寄る
新米が店で売っていたので早く買おう。今年も美味しい米が食べられる。嬉しさが浮かんできます。私は故郷から新米が早く送ってこないかなと待っています。
と・
ふたばさん (8augfkle)2024/9/4 00:51削除
第661回選句

○山の子に初めての海青蜜柑
 上五中七の措辞に惹かれました。私が間近に海を見たのは三年生でした。遠足で山頂から見た海は遥か遠く、
 山と山の間に小指のような船を浮かべていました。

○白靴の汚れ上野に着きし夜
 昔は汽車に乗ると石炭殻が膝にたまって払ったものでした。長旅で、新しい靴が汚れてしまったのでしょう。
 不安な気持ちも感じられ、共感の一句です。

○秋気澄む古道の口の石畳
 熊野古道や箱根古道が思い浮かびました。清澄な空気が肌に感じられます。季語が効いています。

◎引潮の砂に足跡八月尽
 潮の引いた後の足跡。その足跡もすぐ次の波に消されてしまう。一瞬を切り取っ景。夏の終わりの寂寥感も
 伝わってきます。
不来方さん (8b8tdv36)2024/9/1 22:31削除
第661回選句

◯ 山の子に初めての海青蜜柑
 十八歳まで山の子。初めて海を見た時の驚きは忘れられない。(多少青蜜柑はは海のイメージと近いかも)

◯ 不機嫌な三半規管青蜜柑
 取り合せがユニーク。上五中七はメニエール病のような感覚なのだろうか。青蜜柑が心の処方箋みたい。

◯ 白帝や田の神という停留所
 停留所名の「白帝」=中国古来の秋の神なので「田の神」は通過点なのかも。「水の神」も見え隠れする。

◯ 台風一過歩行器の軋む朝
 「歩行器の軋む朝」には、不自由な体にめげず、数日ぶりの外出をしようという気力が滲み出ている。特に今年の台風10号は迷走度合いが半端じゃなかった。

◎ 引潮の砂に足跡八月尽
 引き潮にも攫われなかった足跡。どんなことがあったのだろうか。「八月尽」という重くも深い時間軸に想像力が刺激される。
返信12
天馬さん (9929oaxz)2024/9/1 16:18 (No.114842)削除
662お題

季語 天の川

文字 水

雑詠
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/9/8 22:31削除
662回

天の川合わなくなった眼鏡の度
門番の猫の居眠り水澄めり
充電を発す点滅風は秋
太郎さん (8aq3zcoi)2024/9/8 16:22削除
麦っこ662投句
もう伸びぬピノキオの鼻天の川
佐原囃子や白壁の水陽炎
大船小舟軋み合う台風圏
天馬さん (99en6u1f)2024/9/8 09:06削除
662投句

年齢は単なる数字天の川
遊歩道たちまち飲まれ秋出水
老犬の全身撫でて秋の風
のんさん (8b8xe2bx)2024/9/7 22:00削除
第662回 投句

方舟の行方銀河を遡る
水の秋神域の森深くする
下座から埋まる会合秋扇
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/9/7 21:30削除
第662回 投句
街路樹は野鳥の寝床天の川
水の秋背中丸めて洗う鍬
葛の葉の目覚めるときの雫かな
ちこりんさん (8mmormpc)2024/9/7 14:01削除
662回 投句
七千の地球の言語天の川
爽やかや水泡をつつく鳥の声
青春の文一括り鰯雲
メイさん (99d97udh)2024/9/7 09:48削除
662回投句

人類の小さき足跡銀河濃し
案山子翁薄き眠りを水の音
イアーゴーの憎悪果なし秋渇き
まりさん (8md9x4e2)2024/9/6 23:54削除
662回投句

白秋の「砂山」の海天の川
水平に水切る小石雁渡る
ビルの間の一叢の闇鐘叩
こがめさん (8atk17xs)2024/9/6 21:58削除
第662回麦っこ投句
運休す陸奥遠く天の川

人影なく水音すめる蛍草

秋の昼おばちゃんの待つ移動販売車
不来方さん (8b8tdv36)2024/9/6 16:59削除
第662回投句

天の川渡れば何が見えるだろう

水の音ばかり郡上の踊りあと

勝ち負けは二百十日の風任せ
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/2 22:35削除
662回投句
 墓守の居ぬ我が故郷天の川
 渓谷のチバニアン層水の秋
 水澄むや豊後竹田の画聖堂
返信11
まりさん (8md9x4e2)2024/8/25 19:45 (No.114220)削除
660回投句一覧&選句


芋の露杭一本の村境
カンダタの額へコロリと芋の露
ブロンズの俯く少女露を抱く
遠山のきりりと蒼し露の玉
愛犬のぶるると払う朝の露
露けしや寸土の墓地に石一つ
朝露や顔撫でている野良の猫
露の玉心理小説最終章
朝露や杖つく音の山の寺
相続に売られる噂芋の露
庭の花露置くままにみ仏へ


風一字絵の具を飛ばす残暑見舞
飛魚とんで人工海浜涼しうす
飛び石の庭を巡りて萩の花
若冲の雄鶏が飛ぶ秋の声
飛鳥仏お在す古刹や稲の秋
枝豆を飛ばし鉄道好きばかり
新涼の斜め前後へ飛車の駒
飛石に光の如く秋の蝶
飛び上がる優勝球児夏の果て
秋天へペガサス飛翔白昼夢
宙返りの小型飛行機九月かな

テーマ 祭
とびっきりの笑顔の続く盆踊り
宙を舞う志功の天女ねぷた果つ
親子三代祭太鼓に祭笛
風の盆泊まるところはなかりけり
秋祭り綿菓子にある昭和
あの家も開けっ放しや秋まつり
つま先の闇へ動かす盆踊
残炎の江東の街神輿渡御
船霊へ捧ぐ盆の輪なにゃどやら
いびつな輪だんだん丸く秋祭
兄死して鴨居に古し祭笛
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/9/7 16:29削除
第660回選句
〇露けしや寸土の墓地に石一つ
 「寸土」「石一つ」が付いている感じもしますが、季語と合っています。
〇若冲の雄鶏が飛ぶ秋の声
 秋の声への展開がいいと思います。
◎宙を舞う志功の天女ねぷた果つ
 ねぷたの図柄でしょうか?壮大ですね。もう来年に向けて動いているのでしょう。一度は見てみたいです。
〇あの家も開けっ放しや秋まつり
 こういうことが平気な世の中になるといいですね。
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/9/1 19:04削除
麦っこ660選句
「露」
○芋の露杭一本の村境
○遠山のきりりと蒼し露の玉
◎露けしや寸土の墓地に石一つ
 母の実家のある集落の或る「らんとば」(卵塔場)は、一つ一つの墓地に境界が無く、まさに「寸土の墓地」そのものである。古い墓は、朽ちた木の墓標や小さな石塔、自然石や丸石などが置かれているだけのものも、かつてはあったらしい。中七・下五の表現は、そうした古い墓、施主の誰かもはっきりしないような淋しい墓なのだろう。「露けし」の季語は、二物の距離が幾分近すぎる感もないではないが、暗い、淋しい墓地の様相を余すところなく伝えていると思う。
「祭」
○宙を舞う志功の天女ねぷた果つ
『ねぷた祭り』と『ねぶた祭り』は、日本の夏祭りであり、地域ごとに呼び方や行事の内容に違いがある。青森県では『ねぷた祭り』が、秋田県では『ねぶた祭り』が行われているという。
 それとは別に、青森県の中で、弘前市、五所川原市では「ねぷた」、青森市では「ねぶた」という呼称が使われている。「弘前ねぷた」と「青森ねぶた」の違いをわかりやすく説明する際に、立体的な人形の灯篭が出るのは「青森ねぶた」、ねぷた絵が描かれた扇型の灯篭「扇ねぷた」が運行するのが「弘前ねぷた」という。掲句は、棟方志功の天女の絵を描いた「扇ねぷた」が舞ってねぷたまつりが終熄したことを詠んだものであろう。
○あの家も開けっ放しや秋まつり
のんさん (8b8xe2bx)2024/9/1 17:29削除
第660選句

〇ブロンズの俯く少女露を抱く
 「露を抱く」ブロンズの少女の心情を感じさせる表現です。

〇朝露や杖つく音の山の寺
 17音の中に情景がありありと浮かんできます。

〇飛鳥仏お在す古刹や稲の秋
 季語の置き方が良いです。稲作の長い歴史も感じさせます。

〇宙を舞う志功の天女ねぷた果つ
 志功さんのふくよかな天女が夜空を舞う、ねぷたは見た事がないのですが、ぜひ見てみたいと想像が膨らみます。

◎あの家も開けっ放しや秋まつり
 「寄っていきなよ」と声が掛かりそうな大らかな日本の原風景、今も何処かにありそうです。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/9/1 13:34削除
第660回選句

〇相続に売られる噂芋の露
寂しいうわさですね、相続の為に農地を売るのですね、ころりと転がるいもの露季語が良いですね
◎庭の花露置くままにみ仏へ
早朝に庭の花を摘み仏壇に供える、中七の表現が良いですね
〇飛魚とんで人工海浜涼しうす
お台場の海が浮かんできます
〇飛石に光の如く秋の蝶
秋蝶の動きが爽やか
〇つま先の闇へ動かす盆踊
つま先の動きまで観察されて映像が浮かんできます
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/8/31 21:34削除
660回選句
◎あの家も開けっ放しや秋まつり
 そういえば昔は皆こうだった。すっきりした句です。
〇ブロンズの俯く少女露を抱く
 下五の措辞に惹かれました。
〇露けしや寸土の墓地に石一つ
〇飛石に光の如く秋の蝶
〇宙を舞う志功の天女ねぷた果つ
ふたばさん (8augfkle)2024/8/31 17:51削除
第660回選句

○庭の花露置くままにみ仏へ
 「露置くままに」の表現がいいですね。清浄な朝の空気と仏さまに手を合わせる姿まで想像されます。

○飛石に光の如く秋の蝶
 秋の蝶を光の如くと捉えた感性が素敵です。ひたっと張り付くような蝶の姿に静寂感も伝わってきます。 

◎宙を舞う志功の天女ねぷた果つ
 エネルギッシュなねぷた祭。志功ならではの迫力のある天女を想像しました。祭が終わることへの寂しさは
 格別なものがありますね。五所川原の立佞武多を見たときの感動を思い出しました。

○つま先の闇へ動かす盆踊
 よく観察されていて感じ入ってしまいました。盆踊り特有の足取り。下駄の音まで響いてくるようです。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/31 12:56削除
660回 選句

◎露けしや寸土の墓地に石一つ

石一つの醸し出す空気感、何とも言えない詩情を感じます。

○若冲の雄鶏が飛ぶ秋の声

若冲の絵の躍動感と季語の対比がいいですね。

○宙を舞う志功の天女ねぷた果つ

見送り絵の妖艶な天女。武者絵の動との対比が魅せるねぷた。若い時には感じ取れなかった情緒がありますね。
メイさん (9937qx99)2024/8/31 09:09削除
660回選句

〇ブロンズの俯く少女露を抱く
偶然出会った少女像、「露を抱く」に少女の内面を想像させます。

〇枝豆を飛ばし鉄道好きばかり
鉄道好きが集まって、話は尽きない。景の中で「飛」が活きています。

〇飛石に光の如く秋の蝶
清々しく、秋の蝶の美しさを捉えています。

◎宙を舞う志功の天女ねぷた果つ
豊かな臨場感。「ねぷた果つ」の祭が終わってしまう一抹の淋しさも魅力。

〇残炎の江東の街神輿渡御
硬い漢字の並びから、江東の街を進む神輿の景が立ち上がります。残炎にはリアルな熱さを感じました。
まりさん (8md9x4e2)2024/8/30 15:22削除
◎カンダタの額へコロリと芋の露
カンダタが何が何でもよじ登ろうとする「額へ」、「コロリと芋の露」ですから参りました。お題に触発されてできた句なのでしょうが、こういう句も楽しい。

〇遠山のきりりと蒼し露の玉
奥羽山脈を眺めながら育ちましたので「蒼し」はよくわかります。近い山と遠い山では色合いが違います。現地にいたとしたら、「きりりと」ではない他の言葉が浮かぶようなきがします。
中学校校歌の2番は
駒ケ岳朝日に映えて 紫に明けゆくところ 若草の露踏み分けて 天地のこころ~~

○露けしや寸土の墓地に石一つ
もう守るひとの居ない墓石でしょうか。意味は知っていても「寸土」は私にはなかなか使えない言葉、太郎さんの句かと思いました~。

○朝露や顔撫でている野良の猫
猫は濡れるの嫌い。何気ない句ですがまなざしがあたたかい。

〇若冲の雄鶏が飛ぶ秋の声
若冲のあの雄鶏が飛ぶ姿を想像するのは楽しい。季語への落とし方がいいなと思いました。夕方になると、放し飼いの鶏がバタバタ飛んで小屋の棚の上で眠るのを見て育ちました。不格好な飛び方ですが結構な高さまで飛ぶのですよ。

〇あの家も開けっ放しや秋まつり
どこもかしこも開けっ放しで祭りを楽しんでいる。ザ・昭和。説明感のないのがいい。

○船霊へ捧ぐ盆の輪なにゃどやら
海難事故はいつまでも語り継がれ、鎮魂の踊りとなったのでしょう。稲作地域の盆踊りとはどこか違うと思います。
こがめさん (8atk17xs)2024/8/29 17:01削除
第660回麦っこ選句
○愛犬のぶるると払う朝の露
○朝露や顔撫でている野良の猫
犬・猫の様子をよくみていますね。じっと見つめると寄ってくる犬・猫もいますけど。
朝に散歩等をしている日常の景が浮かんできます。「朝露」が合っています。

○若冲の雄鶏が飛ぶ秋の声
○宙を舞う志功の天女ねぷた果つ
私は実際に見たのは新庄祭の山車しかないけど、地域に会った山車の景ですね。写真とかテレビでは見ているけど・・・・

◎あの家も開けっ放しや秋まつり
懐かしい景です。「開けっ放し」から平和でおおらかな秋祭りですね。いいな。地域全体で祝っているかのようですね。
私の田舎もそうでしたが、今はどうかな。
不来方さん (8jrlsjab)2024/8/26 11:11削除
第660回選句
◯遠山のきりりと蒼し露の玉
 遠景の山脈、眼前の露の玉という構図。秋晴れの早朝、遠山がまるで露の玉を通して空の蒼に染まっているかのようだ。

◯朝露や顔撫でている野良の猫
 取合せではなく一物仕立の二句一章の句と読んだ。朝露の空気感と早起きの野良猫の風情がとても合っている。

◯飛魚とんで人工海浜涼しうす
 飛魚も夏の季語だが掲句はもちろん「涼し」が主季語。人工海浜という人間世界のモノと飛魚という自然界のモノとが融合して季節感をうまく表現している。人工海浜は全国至る所にあるが、「飛魚」は九州のように(あご)と読みたい。

◯宙を舞う志功の天女ねぷた果つ
 志功の吉祥天女が佞武多の絵柄なのだろう。風土性と普遍性の一体化を追求した句材がいい。

◎船霊へ捧ぐ盆の輪なにゃどやら
 「なにゃどやら」が謎だらけで何とも魅力的な言葉。旧南部藩周辺での盆踊の「はやし歌」からとられた歌詞のようだが、意味については柳田国男の「恋歌」説・川守田英二牧師の「ヘブライ語の進軍歌」等々諸説紛々。掲句の場合、みちのくの小さな港町の盆踊り、漁師たちが航行の安全と恋の成就をひたすら海の女神に祈って踊り続けている景と読みたい。
返信11
まりさん (8md9x4e2)2024/8/18 21:21 (No.113617)削除
659回投句一覧&選句

立秋
不揃いの皿の重なり秋立てり
秋立つや明日を占うコイントス
立秋の半音低き靴の音
二の腕に新しき風けさの秋
具沢山刻む俎板今朝の秋
新生児らしき泣き声今朝の秋
風鐸の音のかそけき今朝の秋
秋立つと風が囁く草千里
秋立つや細き走り根垂れる鉢
茄子紺のランチョンマット今朝の秋


神室山の清水引きよす御神水
百号古墳山百合に覆われて
山里の寂れし厩舎あかのまま
山の気をはらみ熟れゆく通草かな
一山のひぐらし閼伽桶に水 
台風過紙放り込む山羊の口
捨てに来て捨て切れぬもの山薊
蜩のよく鳴く夕べ山の宿
大雪の蒼き山肌ちんぐるま
六階へ覚悟の登山菊日和

テーマ:花
白木槿咲く平凡に平凡に
盆花摘み庭を巡るも朝のうち
闇に咲き闇に鎮もる烏瓜
花煙草浜に下れば空広し
母の忌や空き瓶に挿す女郎花
山襞を離れゆく雲葛の花
カンナの黄連れて国道16号
公園の正午の時報牽牛花
八海の風は気まぐれ稲の花
千振の花身を尽し谷の中

 のんさんと天馬さんはお休みです。
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/9/7 16:09削除
第659回選句

〇具沢山刻む俎板今朝の秋
 暑さから解放された秋の朝。包丁の調べも心地よさそうです。
〇山の気をはらみ熟れゆく通草かな
 静かに熟れていく様子が伝わってきます。
〇母の忌や空き瓶に挿す女郎花
 ちょっとした工夫。母を思う優しさが滲み出ています。「女郎花」がいいですね。
◎山襞を離れゆく雲葛の花
 太陽が出て湿度が下がり、雲も離れていく様子。今日も晴れ。暑くなるぞ。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/8/27 18:58削除
659回 選句

○立秋の半音低き靴の音
中七に詩的さを感じ秋の訪れを感じます
◎新生児らしき泣き声今朝の秋
マンションからか赤子の鳴き声が何か新鮮な感じが立秋に、少子化の時代うれしいです
○百号古墳山百合に覆われて
山百合に覆われた古墳塚、お墓には山百合がやさしく慰められます
○捨てに来て捨て切れぬもの山薊
捨てるものに一つ一つ深い思い出が心象的句に感動山薊が良いですね
○大雪の蒼き山肌ちんぐるま
北海道の大雪山のちんぐるま、晩夏の旅は小さな白い花に心奪われます景が雄大
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/8/25 18:21削除
◎大雪の蒼き山肌ちんぐるま
 ちんぐるまは白い可憐な花を咲かせるが、散った後は想像外のエグイ姿に変貌する。北国の高山植物ですね。
〇立秋の半音低き靴の音
 秋の訪れを中7の措辞で捉えた感性が素晴らしい。
〇一山のひぐらし閼伽桶に水
 大から小への展開が見事。
〇捨てに来て捨て切れぬもの山薊
 演歌の歌詞のような一句。これぞ日本人の心を抉る、いいじゃないですか。
太郎さん (923uhctl)2024/8/25 11:56削除
麦っこ659選句
「立秋」
○立秋の半音低き靴の音

「山」
○山の気をはらみ熟れゆく通草かな
◎大雪の蒼き山肌ちんぐるま
 近距離でもなく遠距離でもなく、でも視野いっぱいに広がる大きな山、その「蒼き山肌」が美しい。足下に咲く「ちんぐるま」の花が可憐で、その対照が詩因である。
 「大雪」は、「大雪山(たいせつざん)」と書いて「たいせつ」と読ませる俳句独特の手法がある。

「花」
○山襞を離れゆく雲葛の花
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/25 10:25削除
659回 選句
○具沢山刻む俎板今朝の秋

トントンと刻む心地良い音。いつもと同じ朝餉の準備にも秋の気配を感じ取っている。取り合せの良い一句ですね。

○山里の寂れし厩舎あかのまま

被災地や限界集落の実景に重なります。自然は変わらぬ姿を見せて…赤のままが優しいですね。

◎山の気をはらみ熟れゆく通草かな

中七に惹かれました。通草はとんと見る機会がなくなりましたが、優しい温もりを感じます。


○一山のひぐらし閼伽桶に水

静かに先祖を迎える夕べが浮かびます。
閼伽水は、本来弁天に捧ぐ特別な水。掲句は、山間にある小さな墓地でしょう。
故郷の墓域に昔は水道が引かれておらず、近くの井戸から水を運んだことを思い出します。まさに実景。
ふたばさん (8augfkle)2024/8/25 00:34削除
659回選句
○立秋の半音低き靴の音
 靴の音にそのときの心のありようが表れているように感じました。

◎新生児らしき泣き声今朝の秋
 しばらく耳にしていない新生児の泣き声。胸がきゅんとしました。生の声が聴きたいですね。

○捨てに来て捨て切れぬもの山薊
 心象風景でしょうか。逡巡している様子に共感しました。山薊が効いています。

〇盆花摘み庭を巡るも朝のうち
 暑くならないうちに、お供えの花をあれこれ迷いながら摘んでいる朝のひととき。豊かな時間が伝わってきました。

○母の忌や空き瓶に挿す女郎花
 お母様の好きな女郎花を見つけ、とりあえず空き瓶に挿しておく。何気ない行いがいいですね。
メイさん (98t82slo)2024/8/24 09:21削除
659回選句

〇一山のひぐらし閼伽桶に水
「一山の」と言い切る潔さが、句に品格を与えています。

〇大雪の蒼き山肌ちんぐるま
大雪が残る「蒼き山肌」に咲く可憐なちんぐるま。「蒼」にリアリティを感じました。

◎盆花摘み庭を巡るも朝のうち
盆花を選びながら巡るのはどんな庭なんでしょう。朝のうちの豊かな時間が伝わってきました。

〇闇に咲き闇に鎮もる烏瓜
闇の深さのなかに、烏瓜が浮かび上がります。

〇母の忌や空き瓶に挿す女郎花
空き瓶にさりげなく挿す女郎花。「母の忌や」の言い尽くせない思いを託して。
こがめさん (8atk17xs)2024/8/22 15:44削除
第659回麦っこ選句
◎秋立つや明日を占うコイントス
下駄をあげて天気を占ったことはあるけど「コイントス」はありません。ロマンチックですね。どんな占いかな。

○立秋の半音低き靴の音
「靴の音」を聞きわけるなんて素敵ですね。季節によって違うのかな。

○山の気をはらみ熟れゆく通草かな
○闇に咲き闇に鎮もる烏瓜
「通草」「烏瓜」の実をよく見ているな。そして愛着を持っている表現だなと思います。

○山里の寂れし厩舎あかのまま
山里で「あかのまま」が咲いている景から「厩舎」のある場所が浮かんできます。
まりさん (8md9x4e2)2024/8/20 19:53削除
659回選句

○秋立つや明日を占うコイントス
ゲタだとまずは天気占いと思うのですが、コインだとは天気ではないと思うから不思議です。未来ではなく翌日の些細な何かを占いたかったのでしょう。

◎立秋の半音低き靴の音
私の歌の先生は絶対音感を持っているので、私たちのヘタクソな歌の指導は辛いだろうなあと時々思うのですヨ。これは心理的な半音の変化ととりました。普段履きではない靴。ちょっと気の重い用事とか、久しぶりに仕事にゆく時の革靴。立秋とはいえ連日猛暑日、靴音も重い。外出というだけで覚悟が要ります。

○二の腕に新しき風けさの秋
確かに二の腕は敏感に風を感じるなあと思いました。現実の秋風はいつのこと?

○母の忌や空き瓶に挿す女郎花
今日は命日だった…と、とっておいたおしゃれな空瓶に挿す秋の花。女郎花は日本古来の花らしい落ち着いた黄で、お母様にぴったり。わかりやすすぎとも思うのですが、私の日常でもあり即共感します。ハナハナさんは生け花の巨匠ですので、実際には花瓶だったのかもしれませんが、ここでは空瓶がいいですね。
「嘘のように書かれた嘘には共感できないが、本当のことを本当に書いただけのものはもっとつまらない。『本当のことを言うための嘘を』 対馬康子」
「本当」をより本当らしく詠むために嘘のトッピングが必要であることはよくわかります。その嘘の匙加減はとてもむずかしい。失敗しては「してやったり感が出てるよ」と言われること多々。

秋立つと風が囁く草千里
捨てに来て捨て切れぬもの山薊
白木槿咲く平凡に平凡に
戴こうかどうしようかと悩んだ3句はともに不来方さんの句でした。私の句の弱さと似ている何かにひっかかりました。船橋句会のFさんなら一刀両断で「何か」を言うと思います。
不来方さん (8b8tdv36)2024/8/19 10:20削除
第659回麦っこ

◯ 秋立つや明日を占うコイントス
 自然の移ろいではなく心の移ろいから詠んだ立秋に共感。

◯ 立秋の半音低き靴の音
 此方はちょっとした気分の変化から詠んだ立秋。微靴音の微妙な音階の変化に焦点を合わせたのが佳い。

◎山の気をはらみ熟れゆく通草かな
 「山の気をはらみ」が巧い。通草の熟れ具合の変化を想像しながら読ませて頂いた。

◯母の忌や空き瓶に挿す女郎花
 東京一極集中ではない時代の、自然豊かな地方の母娘関係が「女郎花」に凝縮されている。作者は都会で母を想いながら女郎花を空き瓶に挿しているのだろう。
 
◯山襞を離れゆく雲葛の花
 眼前の旺盛な葛の花と遠景の雲の動きが山襞を介して見事に描かれている。
返信10
まりさん (8md9x4e2)2024/8/12 10:20 (No.113070)削除
658回投句一覧&選句

芙蓉
翳る日を丸く閉じ込め白芙蓉
墓碑銘の享年1歳白芙蓉
句作りに未だ折る指酔芙蓉
古民家の客を見守る白芙蓉
長崎の海を見下す花芙蓉
一心に天の声きく花芙蓉
酔芙蓉鉢に咲きたる新居かな
子の家に越した隣人酔芙蓉
川風に山風集め白芙蓉
広島市長の平和宣言白芙蓉
名脇役の訃を聞く夕べ白芙蓉
良寛の大字の茶掛酔芙蓉


色重ね葉っぱ版画の夏見舞
紅の病葉咳きこむ聖職者
秋出水立木の葉ごと流されて
海軍の慰霊碑に降る夏落葉
絵葉書の懐かしき街夏の果
短か目の言葉を交わす夕涼み
過去形の言葉あたたか盂蘭盆会  
野を駆ける葉書一枚星月夜
いちまいの病葉いちにちの旅路
店員の言葉の巧み梨を買う
天辺は夕日の滴葉鶏頭
葉っぱのフレディ色なき風の中に舞う

テーマ;水
ぷかぷかと波と水母と夕雲と
水の秋塩気の欲しくなる海馬
端麗辛口初ものですと新生姜
夕焼や水琴窟のモノローグ
四肢浸す八月の水反射光
恋愛の水入りタイム秋の蝉
水切って酢の塩梅やところてん
水筒の水のカタカタ盆踊り
水際のこぼれる光涼新た
水面燃ゆる盛岡舟っこ流しかな
菊を生けたっぷりの水供養とす
洗濯機止まる合間に蝉の声
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/9/7 15:58削除
第658回選句

◎広島市長の平和宣言白芙蓉
 無駄な言葉がないですね。

〇過去形の言葉あたたか盂蘭盆会
 盂蘭盆会と過去形の取り合せがいいですね。

〇夕焼や水琴窟のモノローグ
 水琴窟の音を「モノローグ」という言葉を使って表したのがいいですね。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/8/24 18:27削除
658回選句

〇墓碑銘の享年1歳白芙蓉
〇句作りに未だ折る指酔芙蓉
〇色重ね葉っぱ版画の夏見舞
〇過去形の言葉あたたか盂蘭盆会  
◎夕焼や水琴窟のモノローグ

暑さに負けてしまいました。選句遅くなりました。
のんさん (8b8xe2bx)2024/8/19 15:18削除
第658回 選句

〇墓碑銘の享年1歳白芙蓉
 家族の悲しみが伝わってくる芙蓉です。

〇過去形の言葉あたたか盂蘭盆会
 過去形の言葉とは、季語から故人を偲ぶ言葉なのかなと思います。良い所ばかり思い出します。

〇天辺は夕日の滴葉鶏頭
「夕日の滴」繊細な把握です。

◎夕焼や水琴窟のモノローグ
 優しく不思議な音色が独り言であったとは、胸に落ちました。
ふたばさん (8augfkle)2024/8/18 16:53削除
658回選句

〇墓碑銘の享年1歳白芙蓉
 「享年Ⅰ歳」に胸を衝かれました。白芙蓉に家族の悲しみが表白されています。

○長崎の海を見下す花芙蓉
 この時期に長崎が詠まれていると、やはり、まっ先に原爆が思い浮かびます。長崎は坂の町。高台にある山王神社
 の被曝の大楠と、半分吹き飛ばされて立っている鳥居を思い出しました。

〇過去形の言葉あたたか盂蘭盆会 
 「過去形の言葉あたたか」の措辞に魅かれました。亡き人を偲ぶ思いが伝わってきます。

◎夕焼や水琴窟のモノローグ
 水琴窟の透明感のある音。美しい夕焼け。静寂な情景がありありと浮かんできます。「モノローグ」が巧みです。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/8/18 15:54削除
麦っこ658選句
「芙蓉」
○墓碑銘の享年1歳白芙蓉
 わが家の墓碑には、当歳か二歳で夭折した5人の弟妹の名が刻まれている。墓地には白芙蓉のかわりに、どこからか飛んできた高砂百合が咲いていて、亡き者たちを慰めてくれる。みな生きていたらさぞかし賑やかで楽しかろうと思う。
 
「葉」
○絵葉書の懐かしき街夏の果
 もう何年も前から、旅行などできなくなってしまったので、絵葉書や撮り溜めたスナップ写真などで、かつて訪れた古都や小京都、門前町や宿場町、方言や地方色豊かな食文化の町や村にタイム・スリップして懐かしんでいる。「夏の果て」は、そんな気分に誘われる季節である。

◎過去形の言葉あたたか盂蘭盆会
 盂蘭盆に、出自の家に寄った人々は、亡き人の人柄や生前の足跡、出来事などを語り合う。当然、話は過去形で語られ、当時は悲しく痛ましかったできごとも、今は懐かしい思い出であり、語る言葉にもあたたかいひびきが籠もるのである。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/8/18 14:33削除
658回選句
 ◎夕焼や水琴窟のモノローグ
  水琴窟の音に人の声を聞く。聞く者により様々な声は、永遠に響く不変の声である。
 〇墓碑銘の享年1歳白芙蓉
  紅芙蓉、花芙蓉、酔芙蓉と色々あるが、ここは白芙蓉。夭折した子の面影は、儚くも清らかで美しい。
  1歳→一歳?
 〇過去形の言葉あたたか盂蘭盆会
  故人を語るときの言葉は、どこまでもあたたかい。
 〇天辺は夕日の滴葉鶏頭
  葉鶏頭の先端の特に赤い部分を、夕日の滴と呼んだところが巧い。
メイさん (98j8xtlt)2024/8/17 09:47削除
658回選句

〇墓碑銘の享年1歳白芙蓉
痛いほど美しい白芙蓉に、遺された家族の哀しみを思います。

〇川風に山風集め白芙蓉
白芙蓉を主人公に、大きな景色が表現されています。

◎広島市長の平和宣言白芙蓉
今年の夏の記録として、覚えておきたい句。

〇過去形の言葉あたたか盂蘭盆会  
亡きひとの思い出を語るときに過去形になる、そのあたたかな盂蘭盆会の様子が目に見えるようです。

〇夕焼や水琴窟のモノローグ
モノローグがぴったり、この空間に身を置いていたくなりました。
まりさん (8md9x4e2)2024/8/16 16:08削除
658回選句

○墓碑銘の享年1歳白芙蓉
句としては既視感はありますが俳句らしい俳句。「先祖代々の墓」に後年父が立てた墓誌碑のたくさんの名を思いました。父の兄弟の半数は幼いままに亡くなっており、それをまず墓誌に刻みたかったのでしょう。気が強く働き者だった祖母の慟哭を思えるようになったのは祖母が亡くなってからです。

○いちまいの病葉いちにちの旅路
動詞の無い句の清々しさ。

◇葉っぱのフレディ色なき風の中に舞う
冗長感・説明感は否めません。破調ではありますが「葉っぱのフレディ色なき風の中」と比べてみるといかが?

◎夕焼や水琴窟のモノローグ
納得しました。水琴窟のあの音は独白。こういう斡旋は太郎さんの底力です。

○四肢浸す八月の水反射光
「八月」に寄りかかりすぎとは思うのですが、八月にはそれだけの重さがある特別の月。「四肢浸す」が効いています。戦争は始めたら終われない・終わらない悲惨さ。
こがめさん (8atk17xs)2024/8/15 21:56削除
第658回麦っこ選句
○墓碑銘の享年1歳白芙蓉
白芙蓉が見守っているように感じます。

○句作りに未だ折る指酔芙蓉
「酔芙蓉」の花に今の気持ちを託して句を作っているように感じます。

○過去形の言葉あたたか盂蘭盆会  
どんな思い出を話しているのだろうか。ご先祖様のことを思い出しているのだろうな。

◎夕焼や水琴窟のモノローグ
切れ「や」の使い方が参考になります。

○水切って酢の塩梅やところてん
小さい頃に食べた「ところてん」を思い出しました。酢を入れすぎて酸っぱかったな・・・・。
不来方さん (8b8tdv36)2024/8/12 18:14削除
第658回選句

◯墓碑銘の享年1歳白芙蓉
◯ 名脇役の訃を聞く夕べ白芙蓉
 悼句二句。前句の「享年1歳」は身内ではなくても切ない。後句の「名脇役」は中村靖日だろうか。何れにして白芙蓉の「白」が悼む心を象徴している。

◯ 色重ね葉っぱ版画の夏見舞
 丁寧な夏見舞。葉っぱ版画は涼しさを届けるにふさわしい。どんな色に仕上がったのだろうか。

◯ 天辺は夕日の滴葉鶏頭
 「夕日の滴」の詩語が巧い。「雫」ではなく「滴」の選択の妙。

◎ 夕焼や水琴窟のモノローグ
 王道の「や」切れ・名詞止めの模範のような格調高い句。何と言っても17音全体の醸し出す静謐感がいい。
返信10
メイさん (98uk70bo)2024/8/25 07:47 (No.114132)削除
661回 お題

季語 青蜜柑
文字 白
テーマ 歩く

宜しくお願い致します。
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/9/1 11:26削除
麦っこ611投句
青蜜柑物欲しそうな馬の貌
白靴の汚れ上野に着きし夜
台風一過歩行器の軋む朝
まきえっとさん (8rypn25h)2024/9/1 11:22削除
第661回投句

きっかけの見つからない間青蜜柑
大西日白紙の街へ流れ込む
玄関の隅の長靴九月来て
のんさん (8b8xe2bx)2024/8/31 21:30削除
第611回 投句

山の子に初めての海青蜜柑
白鷺の鳴き声知らず虫の声
新蕎麦や目標満たぬ万歩計
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/8/31 20:11削除
第661回 投句

不機嫌な三半規管青蜜柑
白杖の渡る歩道や今朝の秋
手を貸して横断歩道秋の蝶
ふたばさん (8augfkle)2024/8/31 16:52削除
第661回投句

妹はいつまでも下青蜜柑
実つぶしの指の記憶や白粉花
神護寺の長き石段秋の雲
メイさん (9937qx99)2024/8/31 09:08削除
661回投句

気が付くといつもしんがり青蜜柑
仮の世をもう少し白曼殊沙華
新米のありがたきかな歩み寄る
不来方さん (8b8tdv36)2024/8/30 17:54削除
第661回投句

青蜜柑酸っぱし来し方ほろ苦し

秋めくや余白の美(は)しき一行詩

峠まで一里のしるベ秋遍路



自己模倣の長患いに悩んでいます。不来方
天馬さん (9929oaxz)2024/8/30 17:15削除
661投句

一斉に守備に散る子ら青蜜柑
白帝や田の神という停留所
街残暑埃うっすら万歩計
まりさん (8md9x4e2)2024/8/30 15:24削除
661回投句

青蜜柑義姉の電話の兄のこと
大皿の余白の矜持青葡萄
引潮の砂に足跡八月尽
こがめさん (8atk17xs)2024/8/30 13:50削除
第661回麦っこ投句
青蜜柑ようやく戻る子等の声

休暇明け白墨の音戻り来る

歩き詰めの広がる野原蛍草
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/30 11:27削除
661回 投句

潮騒の届く山づら青蜜柑

飛蝗とぶ腕白気取る少年期

秋気澄む古道の口の石畳
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/8/26 18:05削除
661回投句
 球児等を育みし町青蜜柑
 行く夏や妻は白髪を染めもせで
 溽暑てふ関所越え来て秋の風
返信12
まきえっとさん (8rypn25h)2024/8/18 10:34 (No.113520)削除
第660回 お題

季語 露
文字 飛
テーマ 祭

宜しくお願い致します。
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/8/25 16:05削除
第660投句

芋の露杭一本の村境
新涼の斜め前後へ飛車の駒
つま先の闇へ動かす盆踊
太郎さん (923uhctl)2024/8/25 12:56削除
麦っこ660投句
カンダタの額へコロリと芋の露
飛魚とんで人工海浜涼しうす
残炎の江東の街神輿渡御
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/25 09:53削除
660回 投句

ブロンズの俯く少女露を抱く

秋天へペガサス飛翔白昼夢

船霊へ捧ぐ盆の輪なにゃどやら
のんさん (8b8xe2bx)2024/8/25 07:59削除
第660回 投句

遠山のきりりと蒼し露の玉
若冲の雄鶏が飛ぶ秋の声
いびつな輪だんだん丸く秋祭
ふたばさん (8augfkle)2024/8/24 23:07削除
第660回投句

愛犬のぶるると払う朝の露
飛び石の庭を巡りて萩の花
兄死して鴨居に古し祭笛
不来方さん (8b8tdv36)2024/8/24 21:41削除
第660回投句

露けしや寸土の墓地に石一つ

飛石に光の如く秋の蝶

風の盆泊まるところはなかりけり
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/8/24 21:40削除
第660回 投句
朝露や顔撫でている野良の猫
飛び上がる優勝球児夏の果て
秋祭り綿菓子にある昭和
メイさん (98t82slo)2024/8/24 09:20削除
660回投句

露の玉心理小説最終章
宙返りの小型飛行機九月かな
あの家も開けっ放しや秋まつり
こがめさん (8atk17xs)2024/8/22 15:40削除
第660回麦っこ投句
朝露や杖つく音の山の寺

風一字絵の具を飛ばす残暑見舞

とびっきりの笑顔の続く盆踊り
まりさん (8md9x4e2)2024/8/21 10:34削除
660回投句

相続に売られる噂芋の露
枝豆を飛ばし鉄道好きばかり
宙を舞う志功の天女ねぷた果つ

エアコン無しの部屋はあぶないですヨ。
私は温度計を見ながらエアコンを使うようにしています。
数年前、畑で熱中症直前までゆき「熱中症は予告なしに来る。突然に動けなくなる」を体感していますので。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/8/19 18:10削除
660回投句
 庭の花露置くままにみ仏へ
 飛鳥仏お在す古刹や稲の秋
 親子三代祭太鼓に祭笛

 パソコンを前に推敲ること30分、頭がクラクラしてきました。私の部屋には、クーラーがありません。
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