麦船橋句会

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掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
まりさん (8md9x4e2)2024/8/18 21:36 (No.113619)削除
出題 お願いいたします。

 8月25日  メイ
 9月 1日  天馬
 9月 8日  ふたば
 9月15日  のん
 9月22日  ジュピター
 9月29日  こがめ
10月 6日  太郎
10月13日  不来方
10月20日  ハナハナ
10月27日  ちこりん
11月 3日  まきえっと
返信
返信0
太郎さん (8aq3zcoi)2024/8/9 10:04 (No.112806)削除
麦っこ659出題
◇季 語  立秋
◇文 字  山
◇テーマ  花
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/8/18 14:07削除
不揃いの皿の重なり秋立てり
台風過紙放り込む山羊の口
公園の正午の時報牽牛花
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/17 10:04削除
659回 投句
秋立つや明日を占うコイントス

大雪の蒼き山肌ちんぐるま

八海の風は気まぐれ稲の花
メイさん (98j8xtlt)2024/8/17 09:46削除
659回 投句

立秋の半音低き靴の音
六階へ覚悟の登山菊日和
千振の花身を尽し谷の中
ふたばさん (8augfkle)2024/8/16 21:43削除
第659回 投句

二の腕に新しき風けさの秋
山里の寂れし厩舎あかのまま
花煙草浜に下れば空広し
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/8/16 17:30削除
第659回 投句
具沢山刻む俎板今朝の秋
蜩のよく鳴く夕べ山の宿
母の忌や空き瓶に挿す女郎花
まりさん (8md9x4e2)2024/8/16 16:12削除
659回投句

新生児らしき泣き声今朝の秋
一山のひぐらし閼伽桶に水 
山襞を離れゆく雲葛の花
太郎さん (8aq3zcoi)2024/8/16 14:10削除
麦っこ659投句
風鐸の音のかそけき今朝の秋
百号古墳山百合に覆われて
カンナの黄連れて国道16号
不来方さん (8b8tdv36)2024/8/15 17:00削除
第659回投句

秋立つと風が囁く草千里

捨てに来て捨て切れぬもの山薊

白木槿咲く平凡に平凡に
こがめさん (8atk17xs)2024/8/14 21:13削除
第659回麦っこ投句
秋立つや細き走り根垂れる鉢

神室山の清水引きよす御神水

盆花摘み庭を巡るも朝のうち
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/8/11 15:56削除
659回投句
 茄子紺のランチョンマット今朝の秋
 山の気をはらみ熟れゆく通草かな
 闇に咲き闇に鎮もる烏瓜
返信10
まりさん (8md9x4e2)2024/8/4 21:41 (No.112399)削除
657回投句一覧&選句

天の川
母の郷に伝わる踊り天の川
父母兄亡く実家遠のく天の川
無常なる泡沫の韻天の川
母の歳超えて未知なり天の川
シンデレラ銀河の道をひた戻る
見つめ合うゴリラの無言銀河濃し
銀漢や心配ばかりしてた母
木曽節の太鼓誘う天の川
せっかちは誰に似たのか天の川
待つという自由不自由天の川
銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
掌に貝殻二つ天の川


夏見舞千代紙ちぎりメロンパン
千切りの人参牛蒡山清水
夕顔や千年前の物語
新札の千円で買う桃二つ
渡し場に浴衣の左千夫夕まぐれ
宿の名も千畳敷や星涼し
千体の地蔵へ夏の霧時雨  
蜩や横に斜めに千社札
よく見える三千世界サングラス
神木の樹齢千年蝉時雨
寂光を放つ千手や夜の秋
流灯や千鳥ヶ淵の暮れかかる


盆さなか産声4000g女児
Xに句友の受賞夜の秋
天清和句友が受賞との知らせ
君登る一つの頂点霧霽るる
訥々と祝いのことばさくらんぼ
ネクタイのシャンパンゴールド晩夏光
代表の卒寿を祝う夏座敷
晩夏光こつこつ繋ぐ真珠貝
乾杯と受賞喜び麦酒酌む
虹立つや真珠の詠う海讃歌
百年を祝う母校や里の夏
天上に大きな花火祝意とす
返信
のんさん (8b8xe2bx)2024/8/13 13:18削除
第657回 選句

〇銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
 スケールの大きな句です。「八ヶ岳」の置き方が素敵です。

〇新札の千円で買う桃二つ
 林檎や蜜柑を買うのとは違う、桃を買うという行為、家まで丁寧に持って帰ります。

〇蜩や横に斜めに千社札
 沢山貼られた千社札「横に斜めに」で想像出来ます。

◎君登る一つの頂点霧霽るる
「晴るる」を「霽るる」の字を使う事により、格調の高い句となり、祝う気持ちがより強く感じられます。

〇ネクタイのシャンパンゴールド晩夏光
 言っていることは誠にシンプルなのに、「祝」という兼題にピッタリな句です。珠子さんおめでとうございます。

  選句遅くなり申し訳ありません。
ふたばさん (8augfkle)2024/8/12 00:13削除
第657回選句

○母の歳超えて未知なり天の川
 私が母の歳を超えるには、あと二十年(無理だと思います)。母がよく言っていた言葉「お前たちも私の歳になった
 らわかるよ」母が80代の頃からよく言ってました。年老いていくことの心身の大変さを。今は日々、母の言葉を
 実感しています。 *「未知なり=希望なり」まりさんの感想に同感です。

○銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
 雄大な景に圧倒されました。

○蜩や横に斜めに千社札
 数えきれないほどの千社札。蜩が古寺の佇まいを際立たせているように感じました。

◎君登る一つの頂点霧霽るる 
 これからも飽くなき挑戦を続けて、次の頂点を目指す(に違いない)まりさんへの熱い応援歌ですね。「霧霽るる」
 が晴れ晴れとした感じで、素適です。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/8/11 15:52削除
◎蜩や横に斜めに千社札
 千社札の賑わいと蜩の対比が絶妙。
〇待つという自由不自由天の川
 句のリズム感に一票。
〇新札の千円で買う桃二つ
 正に時宜を得た一句。
〇盆さなか産声4000g女児
 何はともあれおめでとうございます。 
〇ネクタイのシャンパンゴールド晩夏光
 こういうネクタイを一度締めてみたい。
まきえっとさん (8rypn25h)2024/8/11 15:14削除
第657回選句

〇無常なる泡沫の韻天の川
「泡沫の韻」という言葉をさらりと使っているところに感心いたしました。
◎銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
大きな景です。「尾に触れたる」から八ヶ岳の広大さが伝わってきます。
〇寂光を放つ千手や夜の秋
美しい光景です。静かな雰囲気を感じます。
〇ネクタイのシャンパンゴールド晩夏光
まさしくお祝いですね。

こつこつと俳句に向き合っている珠子さん、おめでとうございます!
目標です。
天馬さん (98ax6eur)2024/8/11 13:55削除
657選句

○銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
○千体の地蔵へ夏の霧時雨  
◎蜩や横に斜めに千社札
千社札で作りたかったのですが出来ませんでした。千社札のようす、季語の斡旋勉強になりました。
○訥々と祝いのことばさくらんぼ
○ネクタイのシャンパンゴールド晩夏光

コメント短くてすみません。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/8/11 11:10削除
麦っこ657選句
「天の川」
○銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
 天の川は、海、山、島などと取り合わせて雄大な景をつくる。掲句は、高く、広がりのある八ヶ岳に覆い被さるように光る銀河の「尾に触れている」山岳を詠んでいる。八ヶ岳が銀漢の尾に触れている、銀漢の尾が八ヶ岳に触れている、と両様の詠み方ができるところである。

「千」
○千体の地蔵へ夏の霧時雨
 全国各地に千体地蔵や千体石仏群が存在するようだが、まだ見たことがない。千体の地蔵尊に降りかかる霧時雨は、やさしい音をたてて、蕭蕭と降るのであろう。「夏の霧時雨」は、その辺の描写としては成功していると思うが、季語としては、幾分曖昧模糊の感を免れない。

◎蜩や横に斜めに千社札
 深い木立の中に、古びた堂宇、山門や手水舎などが建ち、その一帯の静寂の中で、蜩の金属的な澄んだ声が、ゆっくりしたテンポで余韻を残して響きわたる。木目の出た、がっしりとした梁や柱に、古いのや新しいのや、さまざまな千社札が、あるいは横にあるいは斜めに、思い思いに張られている。森の中の蜩も、建物も、千社札も、極めて日本的な景と情緒を創り出している。

「祝」
○訥々と祝いのことばさくらんぼ
 近頃は、弁舌さわやかな人が増えたような気がするが、かつては、巻紙に書いた原稿を、訥々と読む人が多かった。前者が、やや軽く感じるのに対して、後者は、重厚、実直に感じると言えば言い過ぎだろうか。
 とまれ、祝辞に立った人が、意を尽くすべく慎重に訥々と述べている。一方、卓上のガラス器に盛られたさくらんぼが、あっち向いたりこっち向いたりして聞き入っている。そんな取り合わせが面白い。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/10 10:22削除
657回 選句

○シンデレラ銀河の道をひた戻る

ファンタジーな一句。銀河は様々なストーリーを想像させます。煌めきの中のシンデレラ。素敵です。

◎掌に貝殻二つ天の川

中七の貝殻二つに、想像が膨らみます。宇宙に生まれ落ちた小さな生命。大切な誰かかもしれません。
対比の効いた雄大な一句。

○渡し場に浴衣の左千夫夕まぐれ
 
矢切の渡し場に立つ左千夫。野菊の墓の舞台を訪れた時の心象風景ですね。
松戸からネギ畠を歩き訪れた時の事が甦りました。

○晩夏光こつこつ繋ぐ真珠貝

中七がいいですね。珠子さんの句に向かう姿勢と思い。目標にしています。
メイさん (9897mpxw)2024/8/10 09:13削除
657回選句

◎無常なる泡沫の韻天の川
天の川に無常観を託した「泡沫の韻」に圧倒されました。
 
〇蜩や横に斜めに千社札
千社札のクローズアップから参拝の景色が広がって、蜩が聞こえてくるのが心地よい。

〇寂光を放つ千手や夜の秋
「寂光」という言葉の美しさが、夜の秋の千手観音を際立たせています。

〇盆さなか産声4000g女児
強弱のはっきりしたリズムに、誕生を祝う高揚感が伝わってきます。

〇晩夏光こつこつ繋ぐ真珠貝
〇虹立つや真珠の詠う海讃歌
「珠」を詠み込んだ二句。お祝いの気持ちが伝わってきます。私も詠み込もうと四苦八苦したのですが叶いませんでした
こがめさん (8atk17xs)2024/8/9 19:24削除
第657回麦っこ選句
○待つという自由不自由天の川
中七のリズムがいいです。
○銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
山登りが大好きなかたかな。または八ケ岳の近くで見ている景かな。自然の雄大さを感じます。

○新札の千円で買う桃二つ
初物で新鮮で美味しい桃だろうな。

○君登る一つの頂点霧霽るる
◎ネクタイのシャンパンゴールド晩夏光
おめでとうの気持ちが出ています。「シャンパンゴールド」の言葉がぴったしです。
珠子さんおめでとう。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/8/9 11:57削除
第657回選句

〇待つという自由不自由天の川
待つことの感情が季語に響いています
〇新札の千円で買う桃二つ
新札のピカピカ、大きな桃の輝き桃もデパートでは千円で二個しか買えません
〇寂光を放つ千手や夜の秋
千手観音の手の上下景が見えます
◎ネクタイのシャンパンゴールド晩夏光
おめでとうございます。黄金に輝いています
まりさん (8md9x4e2)2024/8/7 11:26削除
657回選句

○母の歳超えて未知なり天の川
「未知なり=希望なり」ですね。私が母を越えるにはあと10年かあ…

○銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
中七に臨場感があります。雄大。いつかの清里三泊吟行は連日の晴天。星が美しかった…野菜がおいしかった…

○新札の千円で買う桃二つ
わお。新札で買うにはぴったり!立派な福島の桃が買えたことでしょう。新札の使い方も俳句にすれば記念になりますね。真似しよ!
先日、新札がでてくるかなと期待してお金をおろしたのですが全部旧紙幣でした。買い物はほぼカードですし気長に待ちましょう。友人の持っている新紙幣を三種見せてもらいましたが、どれもちょっとチャライ感じ。重みを感じるには時間がかかりそうです。

〇渡し場に浴衣の左千夫夕まぐれ
江戸川に立つ佐千夫の後ろ姿でしょう。こういう発想の句はいいですね。浴衣が効いています。夕まぐれもいい。

○寂光を放つ千手や夜の秋
二年連続で二泊の奈良吟行。寺から寺へまた寺へ。
千手観音の神々しさを思い出します。夜はさらに神々しいことでしょう。

◎君登る一つの頂点霧霽るる
私???ありがとうございます。さりげなく愛たっぷりの措辞。「霧霽るる」が本当にうまい。
不来方さん (8b8tdv36)2024/8/5 14:25削除
第657回選句

◯銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
 壮大な山の夜景二圧倒される。槍穂高でなく「八ヶ岳」に広がりがある。

◯掌に貝殻二つ天の川
 「二つ」が甘そうでいて「天の川」と呼応し合っている。

◯神木の樹齢千年蝉時雨
 詠み尽くされた句材かも知れないが、儚い蝉と千年の取合せがとてもいい。格調も高い。

◯寂光を放つ千手や夜の秋
 何となく時制のアンバランスに惹かれた。千手観音を観る作者の心模様が時制を超えているような感じ。

◯君登る一つの頂点霧霽るる
 この「頂点」は幅広く読める。文字通り目標とした山の三角点でも、資格や入試の合格点でもいい。努力の途中には必ず視界不良がある。「霽るる」の斡旋が見事。

◎ネクタイのシャンパンゴールド晩夏光
 「シャンパンゴールド」が言い尽くしている。おめでとうございます。
返信12
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/8/4 08:06 (No.112267)削除
658回 お題

季語 芙蓉
文字 葉
テーマ 水

宜しくお願い致します
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/8/11 16:46削除
翳る日を丸く閉じ込め白芙蓉
野を駆ける葉書一枚星月夜
水際のこぼれる光涼新た
天馬さん (98ax6eur)2024/8/11 16:36削除
658投句

墓碑銘の享年1歳白芙蓉
秋出水立木の葉ごと流されて
水面燃ゆる盛岡舟っこ流しかな
のんさん (8b8xe2bx)2024/8/10 19:45削除
第658回 麦っこ

句作りに未だ折る指酔芙蓉
絵葉書の懐かしき街夏の果
菊を生けたっぷりの水供養とす
こがめさん (8atk17xs)2024/8/10 14:39削除
第658回麦っこ投句
古民家の客を見守る白芙蓉

色重ね葉っぱ版画の夏見舞

洗濯機止まる合間に蝉の声
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/10 11:49削除
やっぱり元のままで、お願いします。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/10 11:48削除
一句め差し替えです。

長崎の海のざらつき花芙蓉
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/10 11:45削除
658回 投句

長崎の海を見下す花芙蓉
天辺は夕日の滴葉鶏頭
四肢浸す八月の水反射光
メイさん (9897mpxw)2024/8/10 09:12削除
658回投句

一心に天の声きく花芙蓉
葉っぱのフレディ色なき風の中に舞う
恋愛の水入りタイム秋の蝉
ふたばさん (8augfkle)2024/8/9 22:59削除
第658回 投句

酔芙蓉鉢に咲きたる新居かな
海軍の慰霊碑に降る夏落葉
水切って酢の塩梅やところてん
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/8/9 11:19削除
第658回 投句

子の家に越した隣人酔芙蓉
店員の言葉の巧み梨を買う
水筒の水のカタカタ盆踊り
不来方さん (8b8tdv36)2024/8/8 09:32削除
第658回投句

川風に山風集め白芙蓉

いちまいの病葉いちにちの旅路

ぷかぷかと波と水母と夕雲と
まりさん (8md9x4e2)2024/8/7 11:27削除
658回投句

広島市長の平和宣言白芙蓉
過去形の言葉あたたか盂蘭盆会  
水の秋塩気の欲しくなる海馬
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/8/5 21:45削除
658回投句
 名脇役の訃を聞く夕べ白芙蓉
 短か目の言葉を交わす夕涼み
 端麗辛口初ものですと新生姜
太郎さん (8aq3zcoi)2024/8/5 20:41削除
麦っこ658投句
良寛の大字の茶掛酔芙蓉
紅の病葉咳きこむ聖職者
夕焼や水琴窟のモノローグ
返信14
まりさん (8md9x4e2)2024/7/28 13:02 (No.111197)削除
656回投句一覧&選句


唖蝉や目覚めぬ母の白き耳
空蝉や終の住処と子と同居
葉裏より太古の息吹蝉の羽化
夕静寂遠近に蝉墜つる音
蟬時雨余熱の籠る子供部屋
駅前に競う三味線蝉の殻
蝉時雨真中を通る散歩カート
表札の墨書のはね字蝉時雨
沖縄の蝉聞き慣れぬ声ばかり
蝉しぐれ鉄扉の間を司祭服
朝蝉の地上一尺にて啼けり
樹木葬承ります蝉時雨


火を落とすいよいよキャンプ終りかな
百の首右に左にキャンプの火
三々五々小さき橋より遠花火
おかっぱと腕白の子ら花火の輪
胸中に残る螢火旅の果て
実朝の海に一閃揚花火
火の国の絶えぬ水音稲の花
漁火の引き寄せる波明易し
揚花火闇より生まれ闇に消ゆ
運の良き車窓一駅大花火
めくるめく一夜の舞や火取虫
赤白の火鍋のスープ夏惜しむ

テーマ 夏の星
鳴沙山の駱駝の背ナや星凉し
星涼し語尾やわらかき杣ことば
この星の土の匂いや高菜摘む
川に沿う道を帰ろう夏銀河
心太人差し指の夜空へと
梅雨の星数えローソンテラス席
夏の夜の星の一つに友の名を
我しし座汝はかに座明易し
被爆地の満天の星夏の果て
麒麟座を探す子の指日焼け顔
砂浜に残る火照りや星涼し
蠍座の起き上がる刻夕かなかな
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/8/11 14:46削除
第656回麦っこ選句

〇葉裏より太古の息吹蝉の羽化
太古の息吹がいいですね。蝉は幼虫として地中で3~7年過ごしているといわれています。この木はどのくらいの年月でしょうか?
〇蝉しぐれ鉄扉の間を司祭服
物語みたいですね。
◎実朝の海に一閃揚花火
「実朝の海」が効果的ですね。鎌倉の海を想像しました。一閃が人を表現しているように思いました。
〇星涼し語尾やわらかき杣ことば
杣ことばを知らないのですが、季語と中七・下五の取り合せがいいですね。
〇蠍座の起き上がる刻夕かなかな
発想が新鮮です。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/8/7 10:20削除
656回投句一覧&選句


◎葉裏より太古の息吹蝉の羽化
地中で永く過ごし地上ではほんの一瞬、太古の息吹に◎
〇実朝の海に一閃揚花火
〇揚花火闇より生まれ闇に消ゆ
〇めくるめく一夜の舞や火取虫
〇星涼し語尾やわらかき杣ことば
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/8/4 20:53削除
◎星涼し語尾やわらかき杣ことば
 樵たちの夜の語らいだろうか。多弁ではないが、十分に意が通い合うのが杣ことばなのだろう。
〇葉裏より太古の息吹蝉の羽化
 永き日を地中に過ごし、羽化する時間はほんの一瞬。それを太古の息吹と捉えた感性に脱帽。
〇表札の墨書のはね字蝉時雨
 大きな旧家の表札。蝉時雨に不易を感じる。
〇麒麟座を探す子の指日焼け顔
 子供に寄り添う親の姿が偲ばれます。
太郎さん (923uhctl)2024/8/4 19:07削除
麦っこ656選句
「蝉」
○蝉しぐれ鉄扉の間を司祭服
 ひとしきり蝉時雨の盛んに聞こえる林間の教会。その門の半開きの鉄扉をすり抜けて、祭服の司祭が出てくる。蝉声と鉄扉の閉まる音以外は何もきこえない。フランス映画の一シーンのような光景である。

「火」
○胸中に残る螢火旅の果て
昔、私の属していた劇団が、四国地方の小・中学校の巡演の途次、伊予大洲の小学校を訪れた。その夜、肱川に出て見たら、おびただしい数の螢が乱舞していて、その光景は旅の間中はもとより、今に至るも脳裏や胸中に残っている。掲句は、旅の途中で出会った蛍火の印象が、幾ばくかの旅愁とともに、旅の終わりに胸中に蘇ってきたのである。
○火の国の絶えぬ水音稲の花
 熊本の白水村に、環境省の名水百選に選ばれた白川水源があり、かつて出張の途中に訪れて、白水で醸した酒やビールを賞味した。その水は白川となって、緑川とともに熊本平野を潤している。火の国熊本の、太古から絶えることなく流れる川の水音を聞き、稲の花の匂いに稔りの秋を予感しているのである。

「星」
◎星涼し語尾やわらかき杣ことば
一日の仕事を終えて、仲間と労いの言葉をかけ合う杣人の、意外とも思われる「語尾やわらかき」話しぶりは、山仕事のレジェンドの人柄をしのばせる。
○被爆地の満天の星夏の果て
 原爆忌すなわち立秋前後の被爆地は、日中はまだ炎暑の盛りである。しかし、夏の終わりの夜空に輝く星は、鮮やかさを増して、見上げる人の心に涼しさと一時の安らぎをもたらすのである。「夏の果て」は、日本人が季節の変わり目に味わうもの悲しさの漂う季である。
○砂浜に残る火照りや星涼し
 海風が陸風にかわる頃、砂浜や地表に近い空気は、灼熱の太陽の余熱を残して火照っている。掲句は、満天に輝く星空に涼しさを見いだし、昼間の暑さを思いながら一息ついているのだろう。
のんさん (8b8xe2bx)2024/8/4 13:42削除
第656回 選句

○表札の墨書のはね字蝉時雨
 個人情報保護の為か近所の新しい家に表札は一切ありません。昔からの墨書の立派な表札、植木も大きく育っていそうな家です。

◎実朝の海に一閃揚花火
 「実朝の海」端的な表現で場所を特定し、歴史を思い起こさせます。季語も響きます。

〇運の良き車窓一駅大花火
 利根川を渡る常磐線が橋の上で停車するのを良く見ました。「運の良き車窓」共感しました。

〇砂浜に残る火照りや星涼し
 足元だけに昼の名残があるが、夜の浜辺を散歩する心地良さの伝わってくる句です

〇蠍座の起き上がる刻夕かなかな
 時刻と共に見えてくる星座を「起き上がる」、星に全く詳しくない者にとり納得の表現です。
天馬さん (97y8bhxz)2024/8/3 16:26削除
656選句

○表札の墨書のはね字蝉時雨
墨書に旧家を感じ、季語から屋敷内の庭木の様子や広さが伝わります。
○樹木葬承ります蝉時雨
お墓、作っても作らなくても後悔しそう。中七の丁寧さが葬儀の重々しさと相まっています。
○実朝の海に一閃揚花火
歴史上の人物で俳句を作ったことがあまりなく勉強になりました。
◎蠍座の起き上がる刻夕かなかな
中七に惹かれました。夕暮れのかなかなも効いていると思いました。
こがめさん (8atk17xs)2024/8/3 16:10削除
第656回麦っこ選句
○表札の墨書のはね字蝉時雨
季語蝉時雨から「表札の墨書」は大きな屋敷かなと。
「はね字」からどんな字かなと想像しています。

○樹木葬承ります蝉時雨
なるほど。樹木葬のある場所が浮かんできます。「蝉時雨」がぴったりです。

○おかっぱと腕白の子ら花火の輪
楽しそうでいいですね。こんな景をたくさんみたいですね。

◎運の良き車窓一駅大花火
ラッキーですね。
ホテルに泊まったときに偶然に花火が打ち上げられていました。幸せな気分になりました。

○蠍座の起き上がる刻夕かなかな
蠍座のことをよく見ているな。星のこと詳しいのですね。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/3 09:43削除
656回 選句
○葉裏より太古の息吹き蝶の羽化

中七の捉え方が悠久を感じさせます。

◎夕静寂遠近に蝉墜つる音

聴覚に焦点化し、対比を生かした一句。墜つるの描写に生命への鎮魂が感じられます。

○漁火の引き寄せる波明易し

夜明け前の暗黒の海。漁火に生命の光りを感じます。

○蠍座の起き上がる刻夕かなかな

夕方南の空に現れる蠍座。
なかなか見ることが出来ずにいます。蠍座の尾の句はありますが、姿が変わっていく動きを描写したところが魅力的。実際は立ち上がる姿ですが、作者の独自性を感じました。
メイさん (97z833m5)2024/8/3 09:27削除
656回選句
〇唖蝉や目覚めぬ母の白き耳
最後まで残ると言われる聴覚。「白き耳」に凝縮した哀しみを感じます。

〇樹木葬承ります蝉時雨
簡潔でいて、しみじみと胸に迫ります。

◎実朝の海に一閃揚花火
ゆったりと語り出し、一転しての「一閃揚花火」は実朝その人を象徴しているかのようです。

〇川に沿う道を帰ろう夏銀河
気負いのない表現の中に、健やかな日常が伝わってきます。

〇蠍座の起き上がる刻夕かなかな
音調の美しさに痺れます。私たちは、こんな美しい星に住んでいるのですね。
ふたばさん (8augfkle)2024/7/31 19:31削除
656回選句

○葉裏より太古の息吹蝉の羽化
 「太古の息吹」に想像が広がります。羽化したときの蝉の繊細な美しさも思い浮かびます。

◎樹木葬承ります蝉時雨
 一読して、納得。すっきりとしていて無駄がなくお手本にしたい一句です。

○揚花火闇より生まれ闇に消ゆ
 やさしい表現の中に、生きとし生けるものの命を象徴していて深い味わいがあります。

○蠍座の起き上がる刻夕かなかな
 「起き上がる」という独特な捉え方に魅かれました。夕かなかなが素敵です。
まりさん (8md9x4e2)2024/7/29 13:41削除
656回選句

○表札の墨書のはね字蝉時雨
これは大きな立派な表札でしょう。むろん、庭も広くて樹木が茂り蝉時雨。こういう広い庭は虫たちのオアシス・貴重です。遺産相続で分割されませんようにと願います。

〇樹木葬承ります蝉時雨
この省略の清々しさには惹かれます。無駄な説明は全くありません。二つの◎が許されるならこれも◎です。
(選句に決まりはありませんので◎ふたつもアリですが)
娘から、墓と遺影は準備しておいてネと言われています。身近な方の樹木葬に3回(3人)も立ち会っていますので、一代ぽっきりの樹木葬にしたい気持ちが強いのですが、結局墓を建てることになるのかな…

〇実朝の海に一閃揚花火
「実朝の海」の句は多いですが、一閃・揚花火が引き締めています。

〇鳴沙山の駱駝の背ナや星凉し
旅行されたことがあるからできた句でしょう。雄大さ・星の美しさは想像できますが、想像だけはなかなか句はできません。
海外旅行中にラクダから落ちて骨折、チャーター機で帰国したという知人がいます。(旅行保険で!)

〇砂浜に残る火照りや星涼し
昼間の火照りが残る砂浜でキャンプをしたのかもしれません。ビールを飲んで…

◎蠍座の起き上がる刻夕かなかな
取り合わせが魅力的。両者の正確な時間軸はわかりませんが、「起き上がる」がミソ、うまい。多少の時間のずれを解消してくれます。夕かなかなが美しい。
私も、蠍座で作りたかったのですが挫折しました。
不来方さん (8jrlsjab)2024/7/29 10:03削除
第656回選句

◯葉裏より太古の息吹蝉の羽化
 蝉の羽化は起点をどうとるかにもよるが2~3時間と云われる。掲句は「太古の息吹」と捉える。このギャップにロマンがある。はるかなる時空を思う。
◯樹木葬承ります蝉時雨
 文語に染まると口語俳句は意外と難しい。この「樹木葬承ります」は蝉の呟きであろう、時雨なので繰り返し繰り返し「樹木葬・・・・」つい「お願いします」と応えたくなりような句である。
◎実朝の海に一閃揚花火
 「鎌倉の海」や「湘南の海」ではなく「実朝の海」が眼目。この一語で壮大な歴史ドラマが浮かんで来る。「一閃」が儚くも美しい。
◯星涼し語尾やわらかき杣ことば
 杣ことばは聞いたことはないが、荒々しい仕事とは違い思いのほかやさしい言葉なのかもそれない。「語尾」が効いている。
◯被爆地の満天の星夏の果て
「被災地」でも充分読めるが、夏の終わりになると矢張り八月六日九日を避けて通るわけにはいかない。「満天の星」が被爆後79年間の時空を見つめている。
◯蠍座の起き上がる刻夕かなかな
 「蠍座の起き上がる」という視点がユニーク。視覚聴覚がフル稼働して、秋の夕暮れの景が動画のように浮かび上がって来る。
返信12
ちこりんさん (8mmormpc)2024/7/27 07:58 (No.111042)削除
657回 お題

今朝未明、パリオリンピックを観ました。屋外での開会式は、一段とダイナミック。

みなさま、既にご存知かも知れませんが、我らが
珠子さんが、現俳年度賞に選ばれました。さすがの珠子さん。
おめでとうございます㊗️🎉

というわけで、さて、お題です。

季語  天の川

文字  千

テーマ お祝い

宜しくお願いします。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2024/8/4 21:01削除
麦っこ657投句
母の郷に伝わる踊り天の川
千切りの人参牛蒡山清水
君登る一つの頂点霧霽るる
まきえっとさん (8rypn25h)2024/8/4 17:11削除
第657回麦っこ

掌に貝殻二つ天の川
蜩や横に斜めに千社札
晩夏光こつこつ繋ぐ真珠貝
こがめさん (8atk17xs)2024/8/4 11:17削除
第657回麦っこ投句
父母兄亡く実家遠のく天の川

夏見舞千代紙ちぎりメロンパン

乾杯と受賞喜び麦酒酌む
ちこりんさん (8mmormpc)2024/8/3 21:39削除
657回 投句
無常なる泡沫の韻天の川

寂光を放つ千手や夜の秋

虹立つや真珠の詠う海讃歌
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/8/3 17:15削除
第657回 投句

母の歳超えて未知なり天の川
神木の樹齢千年蝉時雨
百年を祝う母校や里の夏
のんさん (8b8xe2bx)2024/8/3 15:33削除
第657回 投句

シンデレラ銀河の道をひた戻る
渡し場に浴衣の左千夫夕まぐれ
天上に大きな花火祝意とす
メイさん (97z833m5)2024/8/3 09:28削除
657回投句

見つめ合うゴリラの無言銀河濃し
流灯や千鳥ヶ淵の暮れかかる
訥々と祝いのことばさくらんぼ
まりさん (8md9x4e2)2024/8/3 08:52削除
657回投句

銀漢や心配ばかりしてた母
千体の地蔵へ夏の霧時雨  
ネクタイのシャンパンゴールド晩夏光

賞・びっくりですよね。
「指定の一年間の作品なら既発表でよし」とする敷居の低さは私に合っていましたので
自分の俳句の整理も兼ねて、楽しいイベント参加のような気持で応募し続けてきただけのこと。
宝くじと同じ、応募しなければ何もおこりません。
ただ。
「麦っこ」でこれだけの数を作っているのに、応募作30句の中に3句しか入っていませんでした。
テの抜きすぎと反省もしますが、緊張しないで参加できるよさはあります。
ふたばさん (8augfkle)2024/8/2 22:48削除
第657回投句

木曽節の太鼓誘う天の川
新札の千円で買う桃二つ
代表の卒寿を祝う夏座敷
天馬さん (97y8bhxz)2024/8/2 16:46削除
657投句

せっかちは誰に似たのか天の川
夕顔や千年前の物語
盆さなか産声4000g女児
不来方さん (8b8tdv36)2024/7/31 15:07削除
第657回投句

待つという自由不自由天の川

よく見える三千世界サングラス

Xに句友の受賞夜の秋
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/7/28 15:48削除
657回投句
 銀漢の尾に触れたるや八ケ岳
 宿の名も千畳敷や星涼し
 天清和句友が受賞との知らせ
返信12
まりさん (8md9x4e2)2024/7/21 15:31 (No.110297)削除
655回投句一覧&選句

バナナ
海峡へバナナの叩き売りの声
父の忌の台湾バナナ房で来る
盛籠にバナナの房の見栄えかな
行きずりの母に似た背バナナ買う
バーコードの読み取るおやつバナナかな
バナナ剥く幼き日々の匂いなお
バナナ一房子も齢五十超え
寅さんの啖呵聞こえる房バナナ
バナナ旨し南洋雄飛夢はるか
ブランチのバナナ山鳩くぐもれる
朝食のバナナ一本栄養元
マドロスの叔父の土産は青バナナ


峰雲や蔵王のお釜エメラルド
蔵元の古りし杉玉晩夏光
蔵書印の朱の薄れゆく曝書かな
白壁の蔵に風鈴みやげ店
酒蔵の長き板塀百日紅
夕涼や土蔵造りの甘味茶屋
昼ビール明治を魅せる蔵の梁
酔芙蓉明かりの灯る蔵の街
葉柳やみづかげろうの蔵の町
長持ちの蔵に残され晩夏光
冷蔵庫ペットボトルの渋滞中
土蔵のみ残る焼け跡夏帽子

家庭菜園
クロックスつっかけ朝採りのトマト
ドアノブの袋に茄子と回覧板
末生りのトマトの無聊貸農園
朝の虹収穫あとの種を蒔く
朗々と収穫の汗土の汗
菜園を囲う向日葵飛行機雲
分け合って始まる会話茄子の紺
垣根より溢るる胡瓜摘みにけり
ゴーヤ来るお返しに捥ぐトマト五個
夫の留守茄子の育つプランタン
棘のある茄子を貰いし柵越しに
水運ぶ菜園胡瓜大曲り
返信
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/8/2 14:56削除
655回投句一覧&選句

〇寅さんの啖呵聞こえる房バナナ
〇マドロスの叔父の土産は青バナナ
二句とも寅さんのドラマを見ているよう
◎蔵書印の朱の薄れゆく曝書かな
大切に残されていた蔵書の虫干し思いが深いです
〇夕涼や土蔵造りの甘味茶屋
昭和を思わせる甘味茶屋、ゆっくり涼をとりたいですね
〇葉柳やみづかげろうの蔵の町
のんさん (8b8xe2bx)2024/7/28 19:00削除
第655回 選句

○マドロスの叔父の土産は青バナナ
 たまに帰って来る叔父さんの土産のバナナ、遠い昔の事でも忘れられない程印象深い出来事だったのでしょう。私も父が買ってきてくれた新聞紙に包まれたバナナ、憶えています。

◎蔵書印の朱の薄れゆく曝書かな
 人から譲られたか、頂いた特別な本なのかなと思いました。大切に扱っているのでしょう。

○夕涼や土蔵造りの甘味茶屋
 城下町などで時折見かけますが、ひんやりとした店は居心地が良さそうです。

○土蔵のみ残る焼け跡夏帽子
 復興の遅い能登を思いました。この夏帽子は当事者というよりゆかりのある人の様に感じます。

○ドアノブの袋に茄子と回覧板
 昭和の様な関係が続いているご近所、住み心地が良さそうです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/7/28 15:37削除
655回選句
 ◎酒蔵の長き板塀百日紅
  上五中七まではモノクロの世界、そこに紅い(白いものもあるが)百日紅の花が強烈なインパクトを与えている。
 〇行きずりの母に似た背バナナ買う
 〇蔵書印の朱の薄れゆく曝書かな
 〇葉柳やみづかげろうの蔵の町
 〇ドアノブの袋に茄子と回覧板
太郎さん (8aq3zcoi)2024/7/28 12:18削除
麦っこ655選句
「バナナ」
○ブランチのバナナ山鳩くぐもれる
 三食規則正しく食している身は、ブランチの実感がないが、朝ゆっくり寝て、バナナで簡単な食事を済ます暮らしも魅力を感じる。クーラーの効いた部屋に聞こえる山鳩のくぐもる声も悪くない。「山鳩がくぐもっている」という言いは、少し舌足らずの感があるが…。
「蔵」
◎酒蔵の長き板塀百日紅
 句材、表記も適切で、形・調べ・韻きもよい。現代俳句としては、古風に属する感もあるが、わたし好みの句である。
○夕涼や土蔵作りの甘味茶屋
○葉柳やみづかげろうの蔵の町
 吟行などで何度か訪れた佐原の町を思い出す。
 「夕涼」「葉柳」の季語が効いている。
 「水陽炎」は、季語とする説もあるが、例句としては他の季語と併用するほうが多いようだ。
 「あしかびや白壁のぼる水陽炎 神蔵器」
 「研物師水陽炎をこぼしゆく 野中亮介」
○土蔵のみ残る焼け跡夏帽子
 土蔵は、本来そういうものなのだが、一面の焼野原にぽつんと残る土蔵を見ると、よくぞ残ったと思う。焼け跡に呆然と立つ人の夏帽子が、何かその場にふさわしくない、異質のもののような気がしてくる。
○ドアノブの袋に茄子と回覧板
 わが家でも、インターホンへの反応が遅れて、ドアの前にトマトや卵がぽつんと置かれていることがある。掲句は、留守中に訪れた隣人が、大きめのレジ袋に回覧板と茄子を入れて、ドアノブに下げて行ったのだ。 隣近所の付き合いが疎遠になる傾向が進んでいるが、近頃嬉しい話を聞くものである。「の」「に」の助詞の使い方を吟味したい。
△夫の留守茄子の育つプランタン
 「茄子」は、「なすび」と読ませるのであろう。一日、二日の留守でも成立する句であるが、これは、一定期間留守にしているのであろう。「プランタン」は、「プランター」の誤りではないかと思うが、「プランタン」の方が発想の飛躍があって面白いとも言える。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/7/28 11:50削除
655回 選句
○行きずりの母に似た背バナナ買う

そうだ、そうしようと思う瞬間はだれしもありますが。展開が面白く、お母さんへの愛情も伝わります。

○蔵書印の朱の薄れゆく曝書かな

義父から譲り受けた古い蔵書印かありますが、最近は使わずに。さまざな意匠もあり好きな一品です。おそらく古書に押された印に焦点を当てたところがいいですね。

◎葉柳やみずかげろうの蔵の町

青さ極まる柳と炎天下の白壁に揺れるみずかげろうの対比が美しい。

○末生りのトマトの無聊貸農園

トマトの無聊と言い切る作者の思いはいかに?
天馬さん (97e3ygo3)2024/7/27 15:54削除
655選句
◎酒蔵の長き板塀百日紅
長く親しまれた酒造蔵がマンションに変わる話が持ち上がり反対運動が起きています。時代の流れもあるのでしょうが、掲句のように残っていて欲しいと思います。
○末生りのトマトの無聊貸農園
当地には蕎麦の貸し農園があります。蕎麦の手打ちがブームの頃は活気がありましたが、寂れかけています。句の景とは異なりますが、無聊という言葉に関連つけてしまいました。
○分け合って始まる会話茄子の紺
野菜も採れはじめはこんな景が見受けられます。共感です。
メイさん (97pio8vo)2024/7/27 14:26削除
655回選句

〇ブランチのバナナ山鳩くぐもれる
「くぐもれる」からブランチの気分が想像できました。

〇蔵書印の朱の薄れゆく曝書かな
蔵書印も曝書もなつかしい風景です。

◎葉柳やみづかげろうの蔵の町
文字と音調の美しさが共鳴しています。

〇末生りのトマトの無聊貸農園
貸農園の片隅の「トマトの無聊」がいじらしい。

〇分け合って始まる会話茄子の紺
「茄子の紺」を下五にした語順から、爽やかな会話を連想しました
まきえっとさん (8rypn25h)2024/7/27 11:36削除
第655回選句

〇寅さんの啖呵聞こえる房バナナ
ぱっと情景が目に浮かびます。

〇蔵元の古りし杉玉晩夏光
〇酒蔵の長き板塀百日紅
少しありがちな景ですが、この先もずっと見ていたい景です。

◎ドアノブの袋に茄子と回覧板
よくご近所から庭で採れた野菜をいただきます。さりげなくて本当に嬉しいです。
ふたばさん (8augfkle)2024/7/26 18:18削除
第655回麦っこ選句

○バナナ一房子も齢五十超え
 バナナを通して昔のことを思い出し、感慨に耽っているのでしょう。「齢五十超え」に、実感がこもっています。
 
◎酒蔵の長き板塀百日紅
 映像が鮮やかに立ち上がってきます。ゆるぎない季語。抒情性もあり、勉強になりました。 
 
○冷蔵庫ペットボトルの渋滞中
 「渋滞中」という表現に惹かれました。猛暑続きが肌で感じるような一句です。

○ドアノブの袋に茄子と回覧板
 近所づきあいの親しさが感じられて、心が和みます。
こがめさん (8atk17xs)2024/7/26 16:38削除
第655回麦っこ選句

○バーコードの読み取るおやつバナナかな
○寅さんの啖呵聞こえる房バナナ
バナナの売っている景に時代を感じます。

◎冷蔵庫ペットボトルの渋滞中
渋滞中の表現がいいなと思います。ギュウギュウとたくさん入っている景が見えます。

○クロックスつっかけ朝採りのトマト
きっと家の近くの畑で朝取りしたのだろう。おいしそうです。

○ドアノブの袋に茄子と回覧板
近所の繋がりを感じます。たくさん採れたので食べてくださいと・・・。

○菜園を囲う向日葵飛行機雲
菜園の景の広がりを感じます。飛行機雲でさらに自然の雄大さを感じます。
まりさん (8md9x4e2)2024/7/23 16:03削除
655回選句


〇行きずりの母に似た背バナナ買う
既視感はありますがそれだけに共感もします。この物価高の中、比較的値の安定しているバナナ。それがこの場面では効いている気がします。

◎酒蔵の長き板塀百日紅
特別なインパクトはありませんが、形が整っていて落ち着いた叙情があります。

〇クロックスつっかけ朝採りのトマト
あるあるの景。クロックスと庭の菜園との取り合わせに納得しました。あれだけ流行ったクロックスもトンと見かけなくなりましたが、自宅まわりでとても便利に使われているのでしょう。

〇ドアノブの袋に茄子と回覧板
これもあるあるの景。ドアノブに回覧板と袋に入ったお届けもんという句には何度か出会っている気がしますが、家庭菜園の野菜というお題にはとても合っていると思いました。

朝日新聞歌壇より
社会的であるという点のみで短歌は評価されるべきではない。
社会的なテーマを、比喩によって描写によって韻律によって文体によって文学に昇華してはじめて優れた作品と言える。
人々の生き方が多様化し、テーマ偏重の傾向が高まっていくなかで、短歌が文学であるという初心にくりかえし立ち返りたい。 小島なお(抜粋)
「俳句は詩」ということを忘れがちな自分への戒めとして読みました。

それにしても暑い・暑い!籠っているしかありません。
不来方さん (8jrlsjab)2024/7/22 11:02削除
第655回選句

◯バーコードの読み取るおやつバナナかな
◯マドロスの叔父の土産は青バナナ
 バナナは昔は高級品、特に台湾バナナ。今はそれこそおやつ程度の値段。新旧好対照の二句。前句は昔の実体験かもしれない。「マドロス」が洒落ていて如何にも高級な土産の青バナナという感じがする。後句は「バーコード」が如何にも現代の日常。安価なバナナ感がよく出ている。

◎行きずりの母に似た背バナナ買う
 買い物に行く途中に出会った母似の人に触発されて作者がバナナを買ったのだろうか。あるいはスーパーですれ違った母似の人がバナナを買ったのだろうか。中七で切れがある前者のように読みたい。母似とバナナに何の脈絡もないのがいい。妙に言い知れぬ懐かしさのようなものを覚えた。

◯冷蔵庫ペットボトルの渋滞中
 冷蔵庫に入りきれない程詰め込んだペットボトルが「渋滞中」とは巧い。リアルであり俳味あり。連日のこの猛暑、何とかして欲しい。

◯菜園を囲う向日葵飛行機雲
 菜園の大きさ、周囲の雰囲気、大空の広がり、が目に浮かぶ。直接書かれていない緑・黄・白の対比が佳い。
返信12
不来方さん (8b8tdv36)2024/7/21 09:25 (No.110285)削除
第656回出題

季語 蝉

文字 火 

テーマ 星
返信
ちこりんさん (8mmormpc)2024/7/28 11:21削除
656回 投句
唖蝉や目覚めぬ母の白き耳

めくるめく一夜の舞や火取虫

被爆地の満天の星夏の果て
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/7/27 22:17削除
第656回 投句

空蝉や終の住処と子と同居

運の良き車窓一駅大花火

麒麟座を探す子の指日焼け顔
のんさん (8b8xe2bx)2024/7/27 18:45削除
第656回 投句

樹木葬承ります蝉時雨
胸中に残る螢火旅の果て
川に沿う道を帰ろう夏銀河
天馬さん (97e3ygo3)2024/7/27 15:37削除
656投句

葉裏より太古の息吹蝉の羽化
三々五々小さき橋より遠花火
砂浜に残る火照りや星涼し
太郎さん (911fickt)2024/7/27 14:45削除
麦っこ656投句
夕静寂遠近に蝉墜つる音
百の首右に左にキャンプの火
蠍座の起き上がる刻夕かなかな
まきえっとさん (8rypn25h)2024/7/27 14:34削除
656回投句

蟬時雨余熱の籠る子供部屋
漁火の引き寄せる波明易し
心太人差し指の夜空へと
メイさん (97pio8vo)2024/7/27 14:26削除
656回投句

駅前に競う三味線蝉の殻
赤白の火鍋のスープ夏惜しむ
梅雨の星数えローソンテラス席
こがめさん (8atk17xs)2024/7/26 22:22削除
第656回麦っこ投句
蝉時雨真中を通る散歩カート

火を落とすいよいよキャンプ終りかな

夏の夜の星の一つに友の名を
不来方さん (8b8tdv36)2024/7/26 16:20削除
第656回投句

表札の墨書のはね字蝉時雨

揚花火闇より生まれ闇に消ゆ

我しし座汝はかに座明易し
ふたばさん (8augfkle)2024/7/25 22:49削除
第656回投句

沖縄の蝉聞き慣れぬ声ばかり
おかっぱと腕白の子ら花火の輪
鳴沙山の駱駝の背ナや星凉し
まりさん (8md9x4e2)2024/7/24 10:22削除
656回投句(再)

蝉しぐれ鉄扉の間を司祭服
火の国の絶えぬ水音稲の花
星涼し語尾やわらかき杣ことば
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/7/24 08:39削除
656回投句(訂正)

 朝蝉の地上一尺にて啼けり
実朝の海に一閃揚花火
 この星の土の匂いや高菜摘む
返信12
まりさん (8md9x4e2)2024/7/15 08:53 (No.109736)削除
654回投句一覧&選句

合歓の花
足跡は記憶の深さ合歓の花
合歓の花北上川に被さりぬ
境界線越えて箒目合歓の花
伝えゆく海の惨禍や合歓の花
父の忌や郷へ道々合歓の花
吊橋の揺れる足取り合歓の花
禿筆の大家の色紙合歓の花
合歓咲くや街道沿いの宿屋跡
ちちははの不在底なし合歓の花
合歓の花恋は時間を惜しむなり
河童淵伝説合歓の花点る
合歓の花仰いで夢に見た未来


玄関に置く杖立と夏帽子
通販の関鯖通販の地酒
夏休みパピコ半分この関係
機関車の引き込み線や夏薊
はたた神関八州を駆け抜ける
関アジの鰭がぴくつく夏料理
半世紀据わる機関車雲の峰
蟬時雨鉄滓埋まる関の址
梅雨の蝶関守石を越えて来し
関取の締込みきりり夏稽古
風浚う勿来関や夏帽子
燕子花身づくろいする関所前

夏の空(テーマ)
まるい地球まるい大空二重虹
鋭角に空切る翼晩夏光
夏の大三角宇宙は未知のままであれ
知らぬ間に稚の片言ほたるの夜
円陣の高校野球入道雲
夏空へ転校の子と逆上がり
雨上がる筑波の嶺や積乱雲
単線の汽笛と煙雲の峰
夏空や四肢伸びやかに変声期
魂の色は七色遠花火
炎天や乾涸びてゆく街の音
「完売」の大きな二文字雲旺ん
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/7/27 11:27削除
第654回選句

〇河童淵伝説合歓の花点る
河童淵というと遠野を思い出します。釣り竿やえさになるきゅうりが置いてあったりして、好きな場所です。「伝説」から「点る」への展開がいいと思いました。

〇機関車の引き込み線や夏薊
線路だと神経質になるのでしょうが、引き込み線だと薊が咲いていても、それほど気にはならないのでしょう。夏の暑さを感じます。

◎風浚う勿来関や夏帽子
「風浚う」がいいですね。いろいろな風がありますが、「勿来関」には「浚う」が合っていると思います。

〇夏空や四肢伸びやかに変声期
健やかな大人になってほしいです。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/7/25 19:30削除
654回選句


〇足跡は記憶の深さ合歓の花
〇河童淵伝説合歓の花点る
◎はたた神関八州を駆け抜ける
関東を駆け抜ける雷、真夏の午後急に雷が暴れあっという間に通り過ぎてゆく景が良く出ています
〇梅雨の蝶関守石を越えて来し
〇知らぬ間に稚の片言ほたるの夜
太郎さん (8aq3zcoi)2024/7/23 16:33削除
麦っこ654選句
「合歓の花」
○父の忌や郷へ道々合歓の花
○河童淵伝説合歓の花点る

「関」
◎はたた神関八州を駆け抜ける
 上空を荒らし回る雷鳴の轟音。思わず口を衝く大仰な表現が好ましい。

「夏の空」(テーマ)
○夏空や四肢伸びやかに変声期
○炎天や乾涸びてゆく街の音
天馬さん (97e3ygo3)2024/7/23 13:53削除
654選句

○境界線越えて箒目合歓の花
良好なご近所関係が伺えます。
○河童淵伝説合歓の花点る
点るが合歓の花を良く現していると思いました。
○はたた神関八州を駆け抜ける
景が大きく勉強になりました。
◎炎天や乾涸びてゆく街の音
都会の夏、想像していただきました。
のんさん (8b8xe2bx)2024/7/22 16:00削除
第654回 選句

○伝えゆく海の惨禍や合歓の花
 海難碑でしょうか。動かぬ石碑に揺れる合歓の花、青い空と海、悲しく美しい景です。

○合歓の花恋は時間を惜しむなり
 そんな時代があったような、、、季語の合歓の花の優しいさが良いなと思います。

○夏休みパピコ半分この関係
 兄弟姉妹、従妹でしょうか。夏休み楽しそうです。

○夏空や四肢伸びやかに変声期
 変声期は身体も成長の時期、季語の大らかさが良いです。

◎炎天や乾涸びてゆく街の音
 音までが乾涸びるというとらえ方が、素晴らしいと思います。
ふたばさん (8augfkle)2024/7/22 00:54削除
654回選句

○禿筆の大家の色紙合歓の花
 「禿筆の大家」と言われている書家は?どのような言葉が書いてあるのかしら?想像するしかありませんが
 紅刷毛のような合歓の花と禿筆の取り合わせに惹かれました。

〇河童淵伝説合歓の花点る
 淡い合歓の花と伝説が相まって、情緒を醸し出しています。「点る」が魅力的。

◎梅雨の蝶関守石を越えて来し
 進入禁止を越えてきた「梅雨の蝶」に詩情を感じました。

○夏空や四肢伸びやかに変声期
 少年から青年への成長していく健康な姿。読んで気持ちの良い句。夏空が効いています。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/7/21 18:06削除
654回選句
 ◎炎天や乾涸びてゆく街の音
  街の音までも乾涸びて行くという着眼点が素晴らしい。
 〇河童淵伝説合歓の花点る
  河童淵伝説は、伝説の河童淵。合歓の花にはどことなく神秘的な趣がある。
 〇梅雨の蝶関守石を越えて来し
  侵入禁止の領域を超えてきた蝶。それが梅雨時の蝶と言ったところに作者の心情が窺える。
 〇蟬時雨鉄滓埋まる関の址
  どこの関所跡かは分らぬが中七で読者は夫々に検討をつける。確かなことは、作者がそこを訪れた時の蝉時雨。
メイさん (97feym2m)2024/7/20 12:45削除
654回選句

〇境界線越えて箒目合歓の花
早朝、合歓の花を見ながら、お隣との境界線を越えての掃き掃除。かけがえのない日常の風景。

〇河童淵伝説合歓の花点る
遠野のカッパ淵伝説の川の流れに、合歓の花が「点る」のが美しい。

〇はたた神関八州を駆け抜ける
壮大なはたた神の姿をリズミカルに捉えている。「関八州」の開放感が効果的。

◎梅雨の蝶関守石を越えて来し
出入り禁止の関守石をやすやすと超えて来る蝶。「梅雨の蝶」としたことで、情緒が深まりました。

〇鋭角に空切る翼晩夏光
凝縮した表現に、生き物の生命力と晩夏光のもたらす影が立体的に伝わってきました。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/7/20 09:54削除
654回 選句

○合歓咲くや街道沿いの宿屋跡

街道の宿場町。古びた建物か、それとも石碑のみが残っているのか。
合歓の古木が見守っているよう。

◎梅雨の蝶関守石を越えて来し

関守石は立ち入り禁止を示す石。インテリアともなっているとか。中七に配したことで詩情が生まれました。

○まるい地球まるい大空二重虹

やや三段に切れているかとは思いますが、大胆に切り取り描写した景が気持ちよい。
まりさん (8md9x4e2)2024/7/18 10:40削除
654回選句


◎蟬時雨鉄滓埋まる関の址
鉄滓と関の址の因果関係はわかりませんが、特に何もないのかもしれません。私にとって初めてのことば「鉄滓」にはインパクトがありました。長く重い歴史が閉じ込められているのでしょう。

〇風浚う勿来関や夏帽子
あえて史跡の特徴を外したところがお見事。そういうテがあったか~

〇単線の汽笛と煙雲の峰
旅行へいきたいなあ。モノだけのシンプルさが素直にそう思わせてくれます。

〇夏空や四肢伸びやかに変声期
「少年よ、そのまま伸びやかに」と願わないではいられません。既視感はありますが。

〇炎天や乾涸びてゆく街の音
この夏は何もかも乾涸びます。雑多な街の騒音さえも乾涸びる。「街の『音』」への着地がいい。梅雨明けの空が恐ろしい!
例年よりひどい日光皮膚炎に悩まされています。「気候が変わっていますから」と皮膚科の医師。そうか、トシのせいだけではないのね。

◇夏空へ転校の子と逆上がり
「へ」が説明調を強くしています。「夏の空」と上五で切る。(個人的にはもっと絞って「夏の雲・積乱雲」などが好きですが)一旦関係を断ち切って二物のぶつかり合いによって生じるひろがり・余韻を楽しむ…他人には言えます…スミマセン。

先日の例会で、
「純白のあやとり烏瓜の花」という句を投句。
会長選にも入ったのですが、重鎮お二人に「純白は説明的すぎて取れない」と言われました。
その時は、素直に純白を言いたかったんだし…と、他の言葉は考えられなかったのですが。
帰宅してから、
「暗闇のあやとり烏瓜の花」だとどうだろうと思いました。
「暗闇であやとり・暗闇をあやとり・暗闇があやとり」幾通りもの読み方ができるので危うくはありますが、雰囲気は変わります。
これが俳句の面白くおそろしいところですね。
こがめさん (8atk17xs)2024/7/17 20:08削除
第654回麦っこ選句
○禿筆の大家の色紙合歓の花
どんな文字かなと想像しています。動きのあり、見ていて感動する字形だろうな。

○半世紀据わる機関車雲の峰
鎌ケ谷市の公園の機関車を今日みてきました。「据わる機関車」の表現から動かないで展示されて入る景が浮かんできます。

○知らぬ間に稚の片言ほたるの夜
ほたるの夜の景が素敵で自然と言葉を発したのだろう。いいですね。

○単線の汽笛と煙雲の峰
汽笛と煙から蒸気機関車かな。実家は線路が近いのでよく機関車の汽笛が鳴っていました。懐かしいです。

◎夏空や四肢伸びやかに変声期
中七の「四肢伸びやかに」の表現がいいなと思います。心だけでなく身体も素敵に成長しているお孫さんかな。
不来方さん (8jrlsjab)2024/7/15 10:45削除
第654回選句

◯禿筆の大家の色紙合歓の花
 格調高い取合せの句。「禿筆」を使いこなすのは正しく大家、その色紙に書かれた内容はこの句の眼目ではない。合歓の花から想像するだけでも楽しい。

◯河童淵伝説合歓の花点る
 河童伝説は遠野に限らず日本全国あちこちにあるが、どこも川の側には合歓の花が咲いていそうな気がする。しかも「灯る」なのでかなりの山里であろう。

◎蟬時雨鉄滓埋まる関の址
 どこの関所跡であろうか?鉄滓なので砂鉄の滓か、たたら製鉄の取れ残った鉄滓か、何れにしても弥生以来どの時代でも鉄は生活の大切な道具の材料。歴史の流れを蟬時雨が語っているような構成がいい。

◯夏空や四肢伸びやかに変声期
 「変声期」でいただいた。中学の部活(屋外スポーツでお互い声を掛け合う場面)を思い浮かべる。変声期の大声が夏空に吸い込まれてゆく。

◯炎天や乾涸びてゆく街の音
 一読末語の抽象的な「声」に戸惑ったが、二読三読、逆にその抽象性が良い。クレーン車の音・車の音・サイレンの音・少なくとも人間の声ではない。それぞれのイメージで読めばいい。その「音」が炎暑で乾涸びてゆく街の疲弊感を増幅させているようだ。
返信12
まりさん (8md9x4e2)2024/7/18 16:01 (No.110086)削除
麦っこ秀句
2024年1月~6月16日


どうぞお楽しみください。
ただし、
いつものように粗っぽい作業で、見直しもしておりません。
(見直しできるような作業工程ではないので)
ミスがあったらごめんなさい。
ただ、ご自分の句ではないものが入っていた場合はお知らせください。


太郎

天 四溫晴牛追唄の美智也節
地 ひい爺の昔話や外は霙
人 日雷CT検査報告書
  梅三分志学の頃のラブレター
  かわたれの砂場に残る紫雲英束
  書割のビル街大き春の月
  モカの香とチェロの低音春惜しむ
  見つめくる骨格模型青嵐
  また昭和逝く中空に春満月
  二つめは大川見遣り桜餅


天馬

天 老犬に流れる時間春の昼
地 春満月誰とも比べない暮らし
人 背番号が決まる日なんだ風光る
  種牛の泰然春光の牧野
  身綺麗に独りを生きて紫木蓮
  おにぎりを作りたくなる若葉風
  アルパカの遠き眼差し青嵐
  未来という時間ばかりの種袋
  跳んで跳んで春光の仔牛
  獣骨の押し出されたる雪解川


ふたば

天 パレットに春爛漫を絞り出す
地 ひといろとなりて廻るや風車
人 故郷までトンネル十五山笑う
  部首忘れ春の便りをひら仮名で
  少年の透る口笛麦の秋
  足裏を合わせ前屈日脚伸ぶ
  眠草ねむらせて入る散髪屋
  掘炬燵足を伸ばせば猫の髭
  リハビリのむすんでひらいて春の雷
  春疾風行書草書に足乱れ


こがめ

天 春の雪一歩一歩の杖の跡
地 新たなる紙垂三月の風の中
人 乗り継ぎの電車待つ間の寒落暉
  卒業の証書押印部屋静か
  浅春や田風入りこむ駐在所
  馬追いの名残の土手の山蒜
  郷思い父母の遺影に草団子
  白木蓮首に提げてる職員札
  絵手紙のモデルとなりし浅蜊殻
  雷鳴や居眠り覚める下戸の夫


のん

天 ふらここに帽子中也の忘れ物
地 さくらさくら残り時間が軽くなる
人 復唱の口腔体操走り梅雨
  俯瞰する地球の歪み揚雲雀
  摘みたての冬菜足す粥一人膳
  ペンギンの見果てぬ野望鳥雲に
  花冷えの朝の軍港無彩色
  サングラス掛けわたしでは無い私
  結界を越えて戻らず黒揚羽
  軽やかに未来予報図たね袋


まきえっと

天 練り切りの色の濃淡風光る
地 蜃気楼カーブミラーの映す明日
人 緑蔭の風のふくらみ地図閉じる
  行く春のエンドロールの余韻なお
  毎日を束ねおく紐若葉風
  口笛の深く吸う息青葉風
  運動で始まる一日花卯木
  間食に錠剤ひとつ新樹光
  手のひらに黄河の歴史麦の秋
  梅は実に手によく馴染む文庫本


ジュピター

天 分娩の牛舎煌々蚊遣香
地 若葉風オープンカフェのカツサンド
人 代搔きのあと天空の真青なる
  地震止まぬ人日無力なる我等
  浅春の砂場より砂あふれ出し
  焼失の街厳冬の月明り
  寡黙では居れぬ浅蜊や砂を吐く
  古寺のペット供養墓草青む
  耕して鳥の集まる春田かな
  束髪の自動車整備士夏近し


ハナハナ

天 農道の轍の深さ冬の草
地 凍星と分け合う明かり神戸の夜
人 桃の花男二人の宵の酒
  春浅し水琴窟の音乱れ
  卵黄の目玉が二つ走り梅雨
  背を押され同居の決意花は葉に
  青信号蝶はくらりと風を受け
  ステップの揃わぬダンス夕薄暑
  遮断機の降りて夏蝶風に乗る
  門灯の火蛾騒がしき留守の家


不来方

天 青梅雨の青にとけこむ農学部
地 湖国いま春の光の曼荼羅絵
人 適温のおとことおんな桜東風
  鮎の眼のかっと開きしまゝ烟る
  板粕を炙る香ほのと春の雨
  三寒の写経四温の太極拳
  産土を生涯出でぬ人朧
  雲雀野に寝転んでいる独りかな
  放哉の呟きに似て五月病
  老人も鳩も解散青嵐


ちこりん

天 芽おこしの雨や硝子の万華鏡
地 余寒なおソナタは雨を連れて来る
人 笑わない長押の父よ糸桜
  焼跡の果ての港や浮かれ猫
  夕映の風を束ねる麦の波
  家族散り散り夕焼が粘っこい
  無窮へと運ぶ伝言揚雲雀
  剥落の仏の朱唇麦の秋
  巨木へと溺れゆく鳥花の雲
  潮騒のララバイ浜の夕薄暑


まり

天 狛犬のふくらむ鼻腔春一番
地 春光を弾いて車夫の脹脛
人 黄熟の梅の実空が重くなる
  幼年を手繰れば桐の花高し
  パレットに溶く緑陰の風の色
  遠雷や猫は瞼を閉じしまま
  ジャスミンの風や凸凹にも筆順
  橘の花の香太子生誕地
  一坪のわが家の大地種袋
  高架線ホーム薄暑の街動く 


メイ

天 散り散りの同期のうわさ緑の夜
地 駅前に教え説くひと青あらし
人 遠雷や途中で止まるオルゴール
  緑陰や卒然として子規の句碑
  号泣のあとの復活蝉の声
  青葉風交代で抱く新生児


お詫び
最初、この秀句一覧を「麦っこポスト」に入れたのですが、作業途中で、うっかりとポスト記事全削除してしまいました。
特に、素敵な写真をたくさん載せてくださった天馬さん・不来方さん、本当に申し訳ありません。
返信
まりさん (8md9x4e2)2024/7/21 13:19削除
☆ トップ賞 ☆

分娩の牛舎煌々蚊遣香  ジュピター 11点(◎5)
ふたばさん (8augfkle)2024/7/20 18:25削除
暑さの中、この度も秀句をまとめていただきまして、ありがとうございました。
事務作業が全く不得手なので、まりさんの手際の良さにはいつもながら、感じ入っています。
本当にお世話様でした。
返信2