麦船橋句会

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ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/2/3 16:58 (No.93523)削除
630回 選句

〇海難碑背山は供花の寒椿
寒椿が供花の花に悲しさと海難の惨さを感じます。
〇海へ抛る貝殻ふたつ春隣
海へ抛られた貝殻ふたつにいろいろ想像させられますね、季語からも膨らみます。
〇海鳴りや鮟鱇嘆きの面構え
海鳴りと鮟鱇がなぜかピンときます、鮟鱇鍋は寒い時期食べごろで大洗海岸を想像しました。
◎湯気上げる畑の黒土春隣
郷に居た頃の景を思い出しました、土が靄り温かみを感じる。そろそろ種まきの準備もと春は動き出します。
〇足跡は鴉の絵文字春隣
鴉の足跡が絵文字に見える、春よ来いですね。句材の目の付け所に感動しました。
返信
返信0
まりさん (8md9x4e2)2024/1/21 23:09 (No.91468)削除
629回投句一覧&選句

「冬の草」
農道の轍の深さ冬の草
迂廻路の資材置き場や冬の草
骨埋める覚悟の住み処冬の草
冬草や海へと下る風の路
滅びゆく星日矢のさす冬の草
街角の瓦礫の山と冬青草
冬の草伸び放題の休耕地
冬草や百日閉ざす荒行堂
冬草の夫亡き家を青々と

「合」
合併す冬田囲める駐在所
試合前の国歌斉唱冬青空
足裏を合わせ前屈日脚伸ぶ
室の花電話の横の合言葉
大嚏して勤行の手を合わす
山は雪車迂回の合図灯
うるめ焼く日に二合半の手酌酒
冬の雨相合傘に濡れる袖
合鍵の無い日記帳雪催

「天気」
寒の雨家路へ急ぐ靴の音
リハビリのむすんでひらいて春の雷
北斗星筑波颪の殊更に
綿充す小さき棺朝の霜
三寒の写経四温の太極拳
ひい爺の昔話や外は霙
乗り継ぎの電車待つ間の寒落暉
砕かれるビルの老骨日脚伸ぶ
歓声と霙の中のノーサイド
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2024/2/1 16:01削除
麦っこ629選句
「冬の草」
○冬草や海へと下る風の路
「風の路」というのと「風の道」というのでは少しく意味合いが異なるようだが。

「合」
○山は雪車迂回の合図灯
 「山は雪」は、雰囲気のある謂である。「迂回」がやや軟焦点のような気がする。

「天気」
○三寒の写経四温の太極拳
 私などは、カラオケと日向ぼこになってしまうが。
◎歓声と霙の中のノーサイド
 降り頻る霙、スタンドを埋めて興奮の極限に達した観客の大歓声、その舞台装置の中で、今、試合終了のホイッスルが鳴る。一瞬、動きを止めたラガー・マン(和製英語)たちは、次の瞬間、勝者も敗者も汗と霙に濡れた体をぶつけ合い、言葉にならぬ声を挙げて抱き合っている。
「ノーサイド」という語は、日本以外では死語になって、「フルタイム」というのが普通らしい。が、試合が終われば自陣も敵陣もなく、勝った側も負けた側もないという“No Side”という語が私は好きである。
のんさん (8b8xe2bx)2024/1/28 21:46削除
第629回 選句

〇農道の轍の深さ冬の草
 車一台通れる程の未舗装の農道、両側に広がる眠ったような静かな農地が浮かびました。
◎綿充す小さき棺朝の霜
 ペットの棺かと思いました。幾ら綿を足しても寒いのではと思ってしまう、喪失感を感じます。
〇三寒の写経四温の太極拳
 寒い日は写経、温かければ身体を動かす。メリハリのある生活ぶり、見習いたいと思います。
〇ひい爺の昔話や外は霙
 昔話を読み聞かせているのでしょうか。外の寒さと室内の温かな様子の対比がほっこりします。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/1/28 18:53削除
629回 選句
○農道の轍の深さ冬の草
奥行きを感じる景の描写がいいですね。深さは深きとした方が感動が伝わるかと。新しみを求めて、農道では無い景を色々想像しています。

◎冬草の夫亡き家を青々と
ハッと胸を突かれる一句。
亡き人への思いが青々という色を敢えて加えた事で、
切々と伝わります。

○砕かれるビルの老骨日脚伸ぶ
廃ビルとなって、かなりの年月を経ているのでしょう。窓ガラスは割れ、壁もヒビ割れて。更に骨組みも露わに。
人生と重なり、骨を砕く音が何とも胸に痛い。
まりさん (8md9x4e2)2024/1/28 17:04削除
629回選句

〇農道の轍の深さ冬の草
寒さをじっと耐えている青い冬草。轍の深さは春の近づく証。

〇骨埋める覚悟の住み処冬の草
「住み処」は墓なのか家なのか不明ですが私は家ととりました。私も今の家が最後の家。私もしみじみそういうことを考えるようになりました。

◎うるめ焼く日に二合半の手酌酒
いい雰囲気の句。でもわざわざ字余りにするわけはないので調べましたヨ。二合半は「こなから」とも読むとか。一般的な二合五勺という意味と、少量のお酒という意味もあるようですね。少量として使いたかったのでしょうか。ふつーに「ひと日二合の」でも私はいただきましたヨ。炙ったイカもいいですがうるめもいい。

〇リハビリのむすんでひらいて春の雷
「春の雷」ではなく「春の雲」だったら?季語によってリハビリをしている作者の気持ちのありようが違います。不安が強ければ「雷」、ささやかな希望を込めるなら「雲」でしょうか。

〇三寒の写経四温の太極拳
なるほどね!優等生!!私にはどっちもムリ。

〇ひい爺の昔話や外は霙
これは「トはミゾレ」と読むのでしょうか?「ひい爺」は「祖父」よりもやわらかでいいですね。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/1/28 16:54削除
629回 選句

〇骨埋める覚悟の住み処冬の草
いつかは入るかもしれない墓地冬の草が想像を深めます
〇足裏を合わせ前屈日脚伸ぶ
そろそろ日脚が伸びて日々の活動も増えてきます、先ずは足腰鍛えて春を待ちます。
◎合鍵の無い日記帳雪催
 日記帳は自分だけのもの合鍵は誰に渡しましょう、日記帳に鍵は思いつきませんでした、発想が素晴らしい。
〇ひい爺の昔話や外は霙
曾孫にも昔話を聞かせられる幸せ、おじいさまの人生が語らいています。
〇乗り継ぎの電車待つ間の寒落暉
真っ赤に染まる西の空スート消える落暉少しの時間に美しい景をとらえてます。
〇砕かれるビルの老骨日脚伸ぶ
 古くなったビルの解体、またその地に新しい高層ビルが建てられるのでしょう日脚伸ぶが良いですね
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/1/28 10:14削除
629回選句
 ◎三寒の写経四温の太極拳
  寒暖の繰り返されるこの時季を、毎日どのように過ごしているのかを詠んだ、リズム感のある句。
 〇冬草や百日閉ざす荒行堂
  中山法華経寺の荒行堂。修行僧には冬草のような不撓不屈の精神が求められる。
 〇足裏を合わせ前屈日脚伸ぶ
  季語に込められた雰囲気がよく表現されています。
 〇ひい爺の昔話や外は霙
  「ひい爺」ともなると、吾子俳句を超えて作者の人生が語られているように思われます。
ふたばさん (8augfkle)2024/1/27 23:22削除
第629選句

○農道の轍の深さ冬の草
 臨場感があります。霜がとけた後でしょうか。景が見えるようです。

○大嚏して勤行の手を合わす
 厳粛な場。緊張すればかえって鼻がむずむずしてしまう。おかしみがあります。

○綿充す小さき棺朝の霜
 「小さき棺」のいたわしさに胸を衝かれました。

◎ひい爺の昔話や外は霙
 「外は霙」に教えられました。雪であれば子どもは喜んで、外へ出たがるでしょう。
 昔話など聞かずに…。長生きの時代「ひい爺」がいいですね。
こがめさん (8atk17xs)2024/1/24 16:55削除
第629回麦っこ選句
○ 農道の轍の深さ冬の草
「轍の深さ」に焦点をあてた中七がいいなと思います。重いものを運んだり、トラクターらの機械の動きが浮かんできます。

○足裏を合わせ前屈日脚伸ぶ
○リハビリのむすんでひらいて春の雷
日常生活の中で無理のない範囲で身体をを動かすことが大切だそうです。テレビらでも言っています。二句とも自然と身体を動かしている景が浮かんできます。

○山は雪車迂回の合図灯
速めの対応ですね。事故が起きないように守ってほしいものです。タイヤにも気をつけたいものです。

◎ひい爺の昔話や外は霙
家庭での読み聞かせかな。ほっこりする景です。「外は霙」の季語がきいています。
不来方さん (8b8tdv36)2024/1/22 07:14削除
第629回選句

◯農道の轍の深さ冬の草
 冬耕の後の農道、雨後の農道等々。「轍の深さ」が冬ざれの田園の景を鮮明にしている。

◯ 足裏を合わせ前屈日脚伸ぶ
 毎日のヨガ若しくはストレッチ。日々柔らかくなってゆく身体と「日脚伸ぶ」が呼応し合って春の近いことを実感する。

◎合鍵の無い日記帳雪催
 合鍵は自分のための予備鍵又は信頼できる第三者に開けてもらう為の鍵のふた通りが考えられる。そんな合鍵の無い日記帳には、絶対人に見られたくない秘匿の内容が書かれているのだろう。鍵を失くせば焼却するしかない。少女期以来の繊細な自己愛の結晶の句。季語もいい。

◯ひい爺の昔話や外は霙
 折下の霙で、外に遊びに行けない曽孫に朴訥と昔話を語るひい爺の一所懸命さが微笑ましい。どんな話だろうか?

◯乗り継ぎの電車待つ間の寒落暉
 乗り継ぎの時間と、淡くも短い寒落暉の取合せの妙。
返信9
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/1/21 19:01 (No.91426)削除
麦っこ630出題
◇季 語   寒
◇文 字   海
◇テーマ   春
返信
天馬さん (8wo186pe)2024/1/28 18:30削除
630投句

肺胞まで寒の大気の仄青く
三陸の海と決めたる冬の旅
春遅し喧嘩の論点のずれて
まりさん (8md9x4e2)2024/1/28 17:14削除
630投句

黒々と太る里山寒落暉
海難碑供花は背山の寒椿
足跡は鴉の絵文字春隣
のんさん (8b8xe2bx)2024/1/28 15:09削除
第630回 投句

手に入れる小さき幸せ寒苺
鍋焼きに残る海老の尾割り勘す
内見の部屋は三階春近し
太郎さん (8aq3zcoi)2024/1/28 11:08削除
麦っこ630投句
大寒の縁なき人ら住む生家
海風に背なを丸めて枯銀杏
湯気上げる畑の黒土春隣
ちこりんさん (8mmormpc)2024/1/28 09:42削除
630回 投句
寒晴れや墓所に転がる欠け湯呑
海鳴りや鮟鱇嘆きの面構え
春近し脱皮促す雨の音
ふたばさん (8augfkle)2024/1/27 21:19削除
第630回麦っこ投句

嫂の早々届く寒晒
十本の歯の協力や海鼠噛む
盆栽に小石下げおり春隣
こがめさん (8atk17xs)2024/1/27 16:39削除
第630回麦っこ投句
写経する筆が止まれる寒の雷

冬帽子注文膳に海の幸

待春の通学シューズ真新し
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/1/27 10:43削除
第630回投句

コンビニの深夜の明かり寒鴉

海原の懐深し冬落暉

七曜の始まる朝や春の寺
不来方さん (8b8tdv36)2024/1/23 20:24削除
第630回投句

大寒の温和信士に会いに行く

海へ抛る貝殻ふたつ春隣

春を待つ三越前の令婦人
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/1/22 17:50削除
菜園に巡らす支柱寒の内
 海鼠腸や七尾に旨きもの一つ
 凍蝶や能登には未だ遠き春
返信10
まりさん (8md9x4e2)2024/1/14 22:01 (No.90462)削除
628回投句一覧&選句

「人日」
人日の鯉の大口空を食む
人日の敵か味方か吠えぬ犬
人日や花瓶に水を注ぎ足す
人日の角に開店美容院
人日や大吉神籤鳩ククと
人日の妻や阿吽のアレやコレ
人日や庭のノラ奴を恫喝す
人日や雀へ古米一握り
地震止まぬ人日無力なる我等

「明」
正面の山の明暗寒夕焼
薄明や白鳥ひそひそと覚める
園児らの明るき声や小雪舞う
初春の襷明暗分けゴール
焼失の街厳冬の月明り
弁明に幾ばくかの理日脚伸ぶ
明日ありと思う倖せ雪こんこ
凍星と分け合う明かり神戸の夜
薄雪の屋根燦々と夜明たり

「雑詠」
四溫晴牛追唄の美智也節
寒月光詩囊の襞が湿り出す
着膨れて歌声広場のパイプ椅子 
掘炬燵足を伸ばせば猫の髭
牛タンの駅弁美味し旅始
職引きて幾年人の日を忘れ
摘みたての冬菜足す粥一人膳
一月の言葉とろとろ豆を煮る
乾杯のグラスの高き新年会

天馬さんは今回欠席です。
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/1/25 19:30削除
麦っこ628選句
「人日」
○人日や雀へ古米一握り
人日は、五節供の一。陰暦正月七日。七種粥を食べて祝う。餌不足からかこの頃頓に少なくなった雀に、わが家でも時折米、飯、パン屑などをふるまっているが、人日という特別の日に古米を提供して雀と親しんでいるのだ。
「明」
◎焼失の街厳冬の月明り
 大地震による火災が街を舐めつくして、一面瓦礫の原になってしまった。「厳冬の月明り」がなんとも切ない景である。
○明日ありと思う倖せ雪こんこ
 人は、己の命終の期を知らない。傍の人は勿論、余命を宣告する医師だって、正確な期日を予告できるものではない。若いうちは、五年先、十年先に目標や予定を設定するが、ある程度の年齢に達すると一年先、半年先になり、米寿目前の私は、月間予定がせいぜい、とりあえず明日はこれをしようと言うことになる。悪いところだらけで、明日の命も知れない身なのだが、明日はこの句稿を仕上げようと思って寝床につけるのは、明日はまだこの命を燃焼させられると思えるのは、これも倖せの内なのだ、といまは思うことにしている。
○薄雪の屋根燦々と夜明たり
 雪国の人には申し訳ないのだが、われわれの住む地域で、年に一、二度2~3㎝程度の雪が降ると、翌朝朝日に映える雪景色は、なんとも趣深いものがあるのだ。「燦々と」はまったくその通りだが、「夜明たり」は、もう少し吟味したい表現である。
○摘みたての冬菜足す粥一人膳
 あえて七種粥といおうか。何種か入っている既製の粥に、家庭菜園かベランダでつくている冬菜を摘んで足したのである。一人膳は、淋しげであるが、そうした生活にも慣れ、料理の出来栄えなども気にせずに、思いついて間引き菜などを放りこめる気楽さもあるだろう。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/1/21 09:46削除
628回選句
 ◎四溫晴牛追唄の美智也節
  三橋美智也の南部牛追唄、あの澄んだ高音が懐かしい。ゆっくりと寒さが緩ぶ中で、春を待つ日常が偲ばれます。
 〇人日や雀へ古米一握り
  年末年始の慌ただしさも一区切り、身の回りの草花や小動物にふと目が行くのも人日の頃か。
 〇凍星と分け合う明かり神戸の夜
  阪神淡路大震災の被災者を弔い、地上には竹灯篭、空には凍星が夜の神戸を照らしている。
 〇園児らの明るき声や小雪舞う
 〇明日ありと思う倖せ雪こんこ
  ほのぼのとした気持ちにさせられる二句です。
ふたばさん (8augfkle)2024/1/21 00:27削除
第628回 選句

◎地震止まぬ人日無力なる我等
 過去の地震も甦り言葉を失うばかりです。本当に無力であることは実感としてありま
 すが、私はその実感に妙な浮遊感があるような気がしています。うまく言えませんが。

○凍星と分け合う明かり神戸の夜
 鎮魂の明かりですね。「これは戦争です!」といった神戸の詩人の言葉を思い出しました。
 
〇四溫晴牛追唄の美智也節
 三橋美智也の高音の美しさ。懐かしいです。

○摘みたての冬菜足す粥一人膳
 「幸せはささやかなるが極上」この言葉を思い出しました。
のんさん (8b8xe2bx)2024/1/20 11:58削除
第628回 選句
◎地震止まぬ人日無力なる我等
 人類は生態系の頂点などと言いますが、災害の前では全く無力、辛い年明けです
〇焼失の街厳冬の月明り
 輪島を思いました。大災害の後にも陽は登り月は町を照らす。事実だけの切なさです。
〇四溫晴牛追唄の美智也節
 三橋美智也さんの張りのある歌声、暗くなりがちな世の中、懐かしくほっとする句です。
〇着膨れて歌声広場のパイプ椅子
 駅前の無料イベント、明るい歌声に寄り道してしまったのでしょう、周り皆が着膨れです。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/1/19 19:17削除
628回 選句
○人日や雀へ古米一握り
お題が人日でなければ、寒雀を持って来たい所でしょう。古来中国では人日は人を占う日であったとか。
季語を生かすのは、難しいとつくづく思いました。

◎凍星と分け合う明かり神戸の夜
震災から30年余り。神戸の慰霊の火を思い浮かべました。中七がいいですね。

○摘みたての冬菜足す粥一人膳
一人膳が効いています。ささやかな幸せが伝わってきました。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/1/19 10:22削除
628回投句一覧&選句

◎地震地震止まぬ人日無力なる我等
自然災害の句上手く詠んでいます、無力なる我らに同じ気持ちになります
〇焼失の街厳冬の月明り
厳冬の月明かりが焼失の街を浮かびだしている
〇明日ありと思う倖せ雪こんこ
〇四溫晴牛追唄の美智也節
昭和をかえり見る温かい気持ちになります
こがめさん (8atk17xs)2024/1/18 16:23削除
第628回麦っこ選句
○地震止まぬ人日無力なる我等
自然現象の句は難しいです。現在の気持ちを表現していると思います。早く日常生活に戻ってほしいものです。

○人日や雀へ古米一握り
優しさが伝わってきます。古米をどうしようか迷っています。雀にあげればいいかと思いました。

◎四?晴牛追唄の美智也節
三橋美智也の歌は好きです。気持ち良さそうに唄っている景が浮かんできます。
「四温晴」の季語があっていると思います。

○掘炬燵足を伸ばせば猫の髭
掘炬燵懐かしいです。猫との生活が自然体だったのですね。「猫の髭」に足が触れても猫は逃げなかったのかな。きっといつも触れあっているから逃げなかったのですね。
まりさん (8md9x4e2)2024/1/17 22:02削除
628回選句

〇地震止まぬ人日無力なる我等
人日どころか半月以上たってもライフラインが復旧しません。復旧したとしてもこの先どうやって生活してゆくのか考えることもできないでしょう。災害そのものは間接体験ですが、「こちら側」に居て感じる重い痛み、無力だと感じる心は確かに自分のものです。かなり難しいですが、間接体験だから詠めることはあると思います。
「焼失の街厳冬の月明り」は直接見ている表現方法。無駄な言葉がなく姿かたちが整っていますが、「こちら側の今の我」を詠んだ方に〇をと思いました。

〇凍星と分け合う明かり神戸の夜
星と分け合うのですから、この明かりは神戸の街灯りでしょうか。街のど真ん中にいると凍星は見えにくいと思いますので、街の灯を少し離れて見ているのかなと思いました。街の灯を星と分け合うという視点に惹かれましたが、少しわかりにくいので読みが違うかもしれません。

◎四溫晴牛追唄の美智也節
こういう動詞のない句は本当にここちよいリズムを生みます。季語の力もこの上なし!三橋美智也の伸びやかな高音が思い出されます。
 
〇掘炬燵足を伸ばせば猫の髭
昔のなつかしい記憶なのでしょうが現在もあるあるの景。猫は足に慣れきっていて「うざいなあ」と顔をそむけるぐらいなのでしょう。「髭」に着地したのがいいと思います。
不来方さん (8jrlsjab)2024/1/16 20:13削除
第628回選句

◎地震止まぬ人日無力なる我等
◯焼失の街厳冬の月明り
 何れも生々しい能登半島地震の句。連句風にいえば前句は人事句、後句は場の句。前句は本意を掴みにくい初節句の季語「人日」をうまく使っている。世界の運勢を占い邪鬼を祓うべき「人日」に、能登の被災者の方々に何も出来ず平穏な暮しを満喫している我ら。何を如何すれば被災者の力になれるのだろうか?せめて寄付ぐらいだろうか。でもそれだけなら自己満足にすぎないのでは?問いかけであると同時に言いようのない「無力」感がよく伝わって来る。
 後句は一点大自然の厳しさだけが淡々と詠まれている。すべては「厳冬の月」が見ている。自然は助けてはくれない。ただ億年の瞬間を照らすだけという無常観がモチーフの句。裏に被災者の厳しい避難生活が見え隠れする。

◯四溫晴牛追唄の美智也節
 季語がとてもいい。三橋美智也の澄んだ美しい南部牛追い歌の調べが響いて来るかのようだ。

◯寒月光詩囊の襞が湿り出す
 「詩嚢の襞」が眼目。しかも「湿り出す」とは中々言えない。詩人の紡ぎ出す詩語が一筋の寒月光に煌めいている。

◯摘みたての冬菜足す粥一人膳
 自然と一体となった質素な暮しぶりに共感。味わい深い座五の「一人膳」は、積み重ねた孤独との対話から自ずと出て来た言葉だろう。
返信9
まりさん (8md9x4e2)2024/1/23 14:01 (No.91639)削除
麦っこ秀句 2023年7月~12月


太郎

天 暁紅の褪せるはやさや秋愁
地 無職二十年勤労感謝の日
人 着膨れて身ぬちに癌奴を飼い慣らす
  田園をゆくキハ20雲の峰
更けて冷ややか辿り読む歎異抄
  後の月銀座の端の定食屋
  ひさびさに雀来て鳴く一茶の忌
  切り貼りの花の増えたる白障子
  またひとり昭和一桁逝く小春
  御慶吹き出すみどり児の大欠伸


不来方

天 ドラム缶風呂に柚子足し星を足し
地 こんな夜は父子相伝の根深汁
人 蓮の実の飛んで風音生まれけり
  ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
  無花果啜る少年の日の飢餓に似て
  はつがらす人間の列へいげいす
  勤行を了え立冬の香を聞く
  水の国近江あまねく青田風
  一山を統べる蜩浄土かな
  車座の氏子総会新走り


天馬

天 地吹雪に衛兵めきし屋敷林
地 金色の海に乗り出すコンバイン
人 まあ長いこと連れ添いて菊日和
  黄落期馬搬の深き轍跡
  息白し一塊の放牧牛
  赤とんぼ交む太古の息吹して
  指曲がるまで働いて豆筵
  新刊の帯を外してより夜長
  寒北斗延長保育室灯る
  過呼吸になりそう止まぬ止まぬ雪


ふたば

天 指先に透ける秋蚕の重さかな
地 昼寝覚あかき畳にひとりぼち
人 美容師の鋏軽やか水中花
  原爆忌赤い背中を忘るまじ
  幼児のくしゃくしゃ顔や青蜜柑
  開運のだるま千体12月
  長火鉢灰を均すは祖母の役
  連続の深夜のドラマ葛湯吹く
  またあした手を振る少女寒夕焼
  寒林の先祖の墓石陽をためて 


こがめ

天 エプロンは保母の制服鰯雲
地 健筆な祝儀袋や七五三
人 頓挫する巨大クレーン冬の星
  菰巻の結び目揃う松並木
  小春日や揮毫の構え流れ出す
  北風にがらがら回る風見鶏
  写経会の墨の匂いや石蕗の花
  切株の重なり合いて初なめこ
  米笑う塩引鮭の茶漬飯
  駐在さん迷子をあやす夏祭


のん

天 雲速き日の反戦集会暮の秋
地 合掌のお洒落なネイル原爆忌
人 冬もみじ戦無き世に生きて喜寿
  昼の虫縄文人の暗き家
  終バスは六時秋蚕の眠る村
  一面は爆撃の記事日向ぼこ
  午後という短き時間十二月
  青空の果ても青空去年今年
  秋思ふと動く歩道に身を委ね
  夢の端に母どこまでも秋桜
 

ジュピター

天 枯柏鳴るや高炉の消えた街
地 紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
人 交番のスチール机水仙花
  子の知らぬ親のロマンスソーダ水
  福助の耳朶長し秋日和
  原発の稼働する街鶴渡る
  寒林に入りて哲学者となりぬ
  不器用な男の手品初笑い
  鈴本の跳ねて夜長の池之端
  真鴨二羽小さき川に帰りきぬ


まり

天 立ち退きのコンビニ冬の大三角
地 歳晩の路掘り返し埋め返し
人 銀杏ちるひらひら手話の十の指
  萩繚乱句読点無き離縁状
  うわばみの一族手酌初笑い
  納豆に七味一振り今朝の秋
  送盆翅あるものは翅畳み 
  末成りの糸瓜十七文字の詩語
  黒富士の空の朱鷺色冬来る
  十六で嫁した母の史虎落笛


智美

天 残照の秋夕雲へ入る機影
地 暮れなずむ村籾殻を焚く煙
人 豆を打つ埃の中に祖母がいる
  折鶴の嘴ずれて原爆忌
  満月や瓦礫の街の子の涙
  母許へ弟が逝く星月夜
  榾爆ぜて山家に残る子守唄
  盆用意畑の胡瓜庭の花
  錦秋の山の音聞く長湯かな
  声明の怒りにも似て紅葉寺


ハナハナ

天 母の香の残る離れ家星月夜
地 吾影の両手の荷物十三夜
人 傘立ての底に穴あり小夜時雨
  床面を走るルンバの初仕事
  黄落や公衆電話の消えた駅
  蒸しあがる赤飯香る小六月
  鈍くなる裏木戸の鍵暮れ早し
  晴れ渡る空の海から白鳥来
  ふる里は母の懐おでん酒
  子等が去り寝具重ねて冬座敷


ちこりん

天 望郷や鮭をぶっ込む漁師鍋
地 星屑を抱えて沈む柚子の風呂
人 鳥渡る湧水の編む銀の紋
  鳥影の消えた電線街大暑
  空砲の轟音駐屯地晩夏
  たっぷりの水で洗う手原爆忌
  風の夜のホットミルクと文庫本
  黄落の鴨場や江戸の風渡る
  冬ざれの野辺逆光の斜陽館
  徒然の旅のアルバム日向ぼこ


どうぞお楽しみください。
間違いはお知らせください。

地震にも津波にも火事にも遭わずに俳句を作っていられる今の幸せ……
返信
返信0
こがめさん (8atk17xs)2024/1/14 11:23 (No.90328)削除
第629回麦っこ 題

季語 冬の草

文字 合

テーマ詠  天気
返信
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/1/21 09:16削除
第629投句

農道の轍の深さ冬の草
冬の雨相合傘に濡れる袖
寒の雨家路へ急ぐ靴の音
ふたばさん (8augfkle)2024/1/21 00:36削除
第629投句

迂廻路の資材置き場や冬の草
足裏を合わせ前屈日脚伸ぶ
リハビリのむすんでひらいて春の雷
のんさん (8b8xe2bx)2024/1/20 23:30削除
第629回 投句

骨埋める覚悟の住み処冬の草
室の花電話の横の合言葉
北斗星筑波颪の殊更に
ちこりんさん (8mmormpc)2024/1/19 20:07削除
629回 投句
冬草や海へと下る風の路
合鍵の無い日記帳雪催
綿充す小さき棺朝の霜
不来方さん (8b8tdv36)2024/1/19 15:28削除
第629回投句

滅びゆく星日矢のさす冬の草

うるめ焼く日に二合半の手酌酒

三寒の写経四温の太極拳
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/1/19 14:52削除
麦っこ629投句
街角の瓦礫の山と冬青草
試合前の国歌斉唱冬青空
ひい爺の昔話や外は霙
こがめさん (8atk17xs)2024/1/18 22:11削除
第629回麦っこ投句
冬の草伸び放題の休耕地

合併す冬田囲める駐在所

乗り継ぎの電車待つ間の寒落暉
まりさん (8md9x4e2)2024/1/17 22:13削除
629回投句

冬草や百日閉ざす荒行堂
山は雪車迂回の合図灯
砕かれるビルの老骨日脚伸ぶ
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/1/15 17:04削除
629回投句
 冬草の夫亡き家を青々と
 大嚏して勤行の手を合わす
 歓声と霙の中のノーサイド
返信9
まりさん (8md9x4e2)2024/1/7 16:27 (No.89109)削除
627回投句一覧&選句

「初笑」
学校長訓話満堂初笑
家電で探す携帯初笑い
元気かとビデオ通話の初笑い
四世代のビンゴ大会初笑い
ブギウギに合わす体操初笑
婆抜きの婆を引かせて初笑い
うわばみの一族手酌初笑い
ラインしながら方言出たと初笑い
尻取りの野菜しばりや初笑い
不器用な男の手品初笑い

「仕」
実家へと送る荷作り初仕事
屠蘇ぐいと干して長老仕事唄
割烹着は白の仕度の女正月
お譲りを仕立て直して半コート
子等を待つ雑煮の仕度整えて
仕舞湯を落としてよりの晦日蕎麦
空蒼し仕事始めのパスワード
辰年や仕手の蠢く大発会
床面を走るルンバの初仕事
雪しんしんさあさ酔んせと仕込み唄

「雑詠」
よもやま話ストーブに背な炙り
日替わりで具材を替える雑煮餅
はつがらす人間の列へいげいす
丹田込め南部火消しの出初式
初空へすっくと伸びる背骨かな
子等が去り寝具重ねて冬座敷
「元気だ」「元気だ」「元気だ」と発す大旦
御慶吹き出すみどり児の大欠伸
青空の果ても青空去年今年
カルシウム不足によろし日向ぼこ
返信
天馬さん (8wo186pe)2024/1/15 09:20削除
627選句

◎うわばみの一族手酌初笑い
酒飲みにとっては手酌が一番。まして一族がうわばみとは…気兼ねない笑いが伝わってくる。
○不器用な男の手品初笑い
夫が時々孫相手に披露しますが、大方は見破られています。
○子等が去り寝具重ねて冬座敷
亡き母を思い出します。
○青空の果ても青空去年今年
夜中に除雪車の轟音で目が覚めてしまい、少々ぼんやりとしていますが、深雪晴れが美しい!
空の奥の奥まで真っ青。
不来方さん (8b8tdv36)2024/1/15 09:09削除
ちこりんさん、こがめさん、まりさん、太郎さん

弊「はつがらす」の句の表記についてアドバイスありがとうございました。
作者としては、初詣の列を高みから睥睨する(嫌われ者の)鴉をせめて元旦くらい平仮名表記で柔らかく表現したかったのですが、この句のポイントは矢張り「睥睨す」なので漢字表記の方が断然いいですね。逆に「人間」の表記を平仮名か片仮名に変えてみようかと思案中。
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/1/14 18:59削除
麦っこ627選句
○うわばみの一族手酌初笑
◎不器用な男の手品初笑い
○仕舞湯を落としてよりの晦日蕎麦
○はつがらす人間の列へいげいす
 漢字で表記せずにあえて仮名書きにするのは、何らかの意図があって、効果が期待できる時で、さもなくば漢字で表記するほうが読みやすくわかりやすいと思う。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/1/14 14:45削除
627回選句

◎うわばみの一族手酌初笑い
大酒のみの家系、集まれば酒を交わし誰に遠慮することもなく手酌で飲むものも、自然に笑いも出てきます。うわばみが良いです
〇割烹着は白の仕度の女正月
やっと女たちが一息を付けるとき白い割烹着が初々しい
〇空蒼し仕事始めのパスワード
何をするのもパスワードが必要、忘れてしまうことが多く大変ですが仕事始めお疲れ様です。
〇初空へすっくと伸びる背骨かな
すっきりした新年らしい景、背骨が伸びます。
〇御慶吹き出すみどり児の大欠伸
無心に欠伸をする赤ちゃんホットする幸せ、づーとづーと平和でありますように。
ふたばさん (8augfkle)2024/1/13 22:17削除
第627回選句

〇うわばみの一族手酌初笑い
 新年に親戚一同集まって、差しつ差されつ。そのうち面倒になって好きなだけ
 手酌で飲んで。昔の郷里の新年会を思い出しました。「うわばみ」がいいですね。
 実感がこもっています。

〇床面を走るルンバの初仕事
 掃除はルンバにお任せ。「ルンバの初仕事」におかしみがあります。

◎御慶吹き出すみどり児の大欠伸
 幸せな光景です。みどり児はいつもまわりに幸せを運んできますね。

〇青空の果ても青空去年今年
 世界情勢も、新年からの日本の地震、飛行機事故と不穏な幕開け。この句は平和
 への願いがこめられています。シンプルですが、説得力があります。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/1/13 16:00削除
627回選句
 ◎雪しんしんさあさ酔んせと仕込み唄
  仕込み唄は真冬に夜っぴて酒蔵で働いた人達の労働歌。蔵元の数だけ唄が残っていると思うが、最近は機械化されて
  杜氏などの職人を置かないところが増えており、酒造りの文化が消えていくのではないかと心配です。
 〇学校長訓話満堂初笑
  人目を気にせず大声で笑えるのは、親しい仲間や友人がいる場所。校長先生は真面目な顔をして、急におかしなことを
  言ったのだろう。
 〇はつがらす人間の列へいげいす
  確かに鴉はこういった態度をとっているように見えます。
 〇青空の果ても青空去年今年
  世の中もいつまでもこうあって欲しいと願うばかりです。
のんさん (8b8xe2bx)2024/1/13 12:54削除
第627回 選句

〇うわばみの一族手酌初笑い
 「うわばみ」この頃あまり聞かない言葉が懐かしく、明るいお酒は体にも良さそうです。

〇不器用な男の手品初笑い
 「下手の横好き」見る方も心得ているのでしょう。笑い声が聞こえて来ます。

〇空蒼し仕事始めのパスワード
〇床面を走るルンバの初仕事
 二句とも現代的な仕事始め、令和ですね。
 
◎御慶吹き出すみどり児の大欠伸
 嬰児の何気ない仕草に笑える世は幸せな事、世界中がそうあって欲しいものです。
まりさん (8md9x4e2)2024/1/12 13:51削除
627回選句

〇ブギウギに合わす体操初笑
朝ドラに合わせて軽快?に体操をする作者を想像してしまいました。
新年ですから「明るさ」を真っ先にいただきます。

〇床面を走るルンバの初仕事
家電にも「初仕事」があります。ルンバが鼻歌を歌いながら縦横に走りまわっているのでしょう。段差の多い我が家でも使えるのなら使ってみたいのですが。

〇はつがらす人間の列へいげいす 
視点に惹かれました。鴉は単に生きるために必死なわけで、鴉にかこつけて初詣や初売の列を睥睨しているのは作者とも言えます。
しかし、初鴉をひらがなにした理由が私にはわかりません。「へいげい」のひらがなとのバランスをとった「はつがらす」かなとも思いましたが。へいげいも漢字がいいと思います。わからなかったら辞書をひいて理解しますので。

◎御慶吹き出すみどり児の大欠伸
曽爺様になられたとか。これ以上のめでたさはありません。「御慶吹き出す」がたまらなく嬉しそう。
こがめさん (8atk17xs)2024/1/11 20:14削除
第627回麦っこ選句
〇空蒼し仕事始めのパスワード
いろいろな機器を起動させるのにパスワードを入れてくださいということが多い今日このごろです。機器に強い方なんだろうな。いいな。「空蒼し」で気持ちのよい仕事始めですね。

◎はつがらす人間の列へいげいす
人間と鴉の景が浮かんできます。 漢字の表記がいいかなと思いましたが、平仮名にすることの意味はなんだろうなと思います。

〇初空へすっくと伸びる背骨かな
〇カルシウム不足によろし日向ぼこ
○ 「元気だ」「元気だ」「元気だ」と発す大旦
健康第一と思う毎日です。そういう思いが伺えます。「元気だ」の繰り返しの言葉を発している景が浮かんできます。背伸びしたり、栄養素を気にしながら生活をしてる日常が伺えます。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/1/11 19:15削除
627回 選句
○不器用な男の手品初笑い
自身の出題なのに?初笑いの句には、四苦八苦しました。どうしても理由付けで終わりがち。軽みを狙うも今ひとつでした。
掲句は、屈折感があり、作者の目線が温かく感じられ、頂きました。

○「元気だ」「元気だ」「元気だ」と発す大旦
頂いた賀状には、元気の文字が踊っていました。
元気に染まった元旦の句に共感です。

◎はつがらす人間の列へいげいす
睥睨は平仮名でなく、漢字表記が良いのでは?と思いつつ、頂きました。
群れる参拝者を威圧する鴉の眼力が浮かび、人間との対比も効いています。
不来方さん (8jrlsjab)2024/1/8 10:07削除
第627回選句

◯うわばみの一族手酌初笑い
 作者の言葉のストックは膨大。「うわばみ」と助詞「の」以外名詞だけで「イ」音の韻律でつないだ構成で頂いた。

◯屠蘇ぐいと干して長老仕事唄
 元旦早々の仕事唄とは?しかも長老。木挽き唄であろうか?興味津々。

◎雪しんしんさあさ酔んせと仕込み唄
 音読してすっと心に入って来る。中七の呼びかけ言葉、特に「酔んせ」に勢いと気持ちがこもっている。南部美人の寒仕込みであろうか。

◯「元気だ」「元気だ」「元気だ」と発す大旦
 大胆な冒険句だが、「大旦」の留めで成功している。

◯青空の果ても青空去年今年
 シンプルで分かりやすい言葉のリフレインが佳い。平和な良い年でありますように、という願いがよく伝わって来る。
返信11
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/1/7 09:14 (No.89043)削除
628回
お題
季語 人日
文字 明
雑詠
返信
のんさん (8b8xe2bx)2024/1/14 14:58削除
第628回 投句

人日の鯉の大口空を食む
初春の襷明暗分けゴール
摘みたての冬菜足す粥一人膳
ちこりんさん (8mmormpc)2024/1/14 14:31削除
628回 投句
人日の敵か味方か吠えぬ犬

薄雪の屋根燦々と夜明たり

一月の言葉とろとろ豆を煮る
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/1/13 22:42削除
第628回投句
人日や花瓶に水を注ぎ足す
凍星と分け合う明かり神戸の夜
乾杯のグラスの高き新年会
ふたばさん (8augfkle)2024/1/13 21:23削除
第628回麦っこ投句

人日の角に開店美容院
園児らの明るき声や小雪舞う
掘炬燵足を伸ばせば猫の髭
こがめさん (8atk17xs)2024/1/13 14:47削除
第628回麦っこ投句
人日や大吉神籤鳩ククと

正面の山の明暗寒夕焼

牛タンの駅弁美味し旅始
不来方さん (8b8tdv36)2024/1/13 11:45削除
第628回投句

人日の妻や阿吽のアレやコレ

明日ありと思う倖せ雪こんこ

職引きて幾年人の日を忘れ
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/1/12 17:38削除
麦っこ628投句
人日や庭のノラ奴を恫喝す
薄明や白鳥ひそひそと覚める
四溫晴牛追唄の美智也節
まりさん (8md9x4e2)2024/1/12 13:53削除
628回投句

人日や雀へ古米一握り
弁明に幾ばくかの理日脚伸ぶ
寒月光詩囊の襞が湿り出す
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/1/8 16:32削除
628回投句
 地震止まぬ人日無力なる我等
 焼失の街厳冬の月明り
 着膨れて歌声広場のパイプ椅子 
返信9
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/30 11:12 (No.87703)削除
627回 お題
季語 初笑い
文字 仕
雑詠 自由

今年も色々ありました。
来年もどうぞ宜しくお願いします。
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/1/7 14:52削除
麦っこ627投句
学校長訓話満堂初笑
屠蘇ぐいと干して長老仕事唄
御慶吹き出すみどり児の大欠伸
のんさん (8b8xe2bx)2024/1/7 12:26削除
第627回 投句

家電で探す携帯初笑い
子等を待つ雑煮の仕度整えて
青空の果ても青空去年今年

多難な新年となりましたが、今年もどうぞよろしくお願いします。
ふたばさん (8augfkle)2024/1/7 08:41削除
627投句
元気かとビデオ通話の初笑い
お譲りを仕立て直して半コート
カルシウム不足によろし日向ぼこ
天馬さん (8wo186pe)2024/1/6 11:34削除
627投句

四世代のビンゴ大会初笑い
割烹着は白の仕度の女正月
丹田込め南部火消しの出初式
ちこりんさん (8mmormpc)2024/1/5 10:56削除
ブギウギに合わす体操初笑

雪しんしんさあさ酔んせと仕込み唄

初空へすっくと伸びる背骨かな

令和6年、どんな1年になるか不安な幕開けですね。
被災地の報道に胸が痛みます。
皆様にとって良き年となりますよう、心よりお祈りします。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/1/5 07:25削除
婆抜きの婆を引かせて初笑い
床面を走るルンバの初仕事
子等が去り寝具重ねて冬座敷

元旦から大変な震災ニュース、何処で何が起こるのか不安な日々石川県の皆様頑張って
まりさん (8md9x4e2)2024/1/3 22:12削除
627回投句

うわばみの一族手酌初笑い
空蒼し仕事始めのパスワード
よもやま話ストーブに背な炙り(差し替え)
 
元日・二日と続く大惨事は辛いですね。
こういう時代に年齢を重ねてゆく厳しさを思わずにはいられません。
でも。初笑い・初笑い~。明るい句も作っていきましょう。
こがめさん (8atk17xs)2024/1/3 16:13削除
第627回麦っこ投句
ラインしながら方言出たと初笑い
実家へと送る荷作り初仕事
日替わりで具材を替える雑煮餅
不来方さん (8b8tdv36)2024/1/3 11:29削除
第627回投句

尻取りの野菜しばりや初笑い

辰年や仕手の蠢く大発会

はつがらす人間の列へいげいす

大地震に航空機火災等々大変な年の始まりとなりましたが、今年もよろしくお願いします。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/1/1 15:16削除
不器用な男の手品初笑い
仕舞湯を落としてよりの晦日蕎麦
「元気だ」「元気だ」「元気だ」と発す大旦

本年もよろしくお願いします。
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/12/31 13:16 (No.87871)削除
626回投句一覧&選句

「年の暮」
還暦の子がすぐ帰る年の暮
手土産を品定めする年の暮
鳩時計の鎖を引きて年暮るる
年暮の洗濯槽の渦の中
留守宅の犬の遠吠え年の暮
歳晩や取っ手古びしエコバッグ
日溜りに雀のいない年の暮
よっこいしょと立つこと多い年の暮
歳晩の路掘り返し埋め返し
富士塚の頂にゐる年の暮

「林」
冬晴や屋敷を囲む杉林
山毛欅林の奥の金精月冴ゆる
地吹雪に衛兵めきし屋敷林
寒林の先祖の墓石陽をためて 
遠景に林立のビル冬夕焼
寒林に入りて哲学者となりぬ
母業は天職だろか冬林檎
寒林に我が墓銘碑や朱のはね字
木漏れ日や林道ほろり冬の蝶
夢幻へと昇る林道寒落暉

「あたたかいもの」
こんな夜は父子相伝の根深汁
納豆汁口すぼめ語る兄忌日
冬日向今年最後という研師
徒然の旅のアルバム日向ぼこ
ふる里は母の懐おでん酒
おでん煮えクシッと開ける缶ビール
四十路過ぎ身ごもる娘羽根布団
家苞の鯛焼紙袋の湿り
風呂吹きを煮る窓ガラス曇るまで
連続の深夜のドラマ葛湯吹く
返信
のんさん (8b8xe2bx)2024/1/7 10:52削除
第626回 選句

〇歳晩や取っ手古びしエコバッグ
「エコバッグ」沢山持っていても使いやすいのは限られるので、取っ手から傷んでくる事、共感しました。
 何気ない日常の一ページを切り取っています。

〇地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 地吹雪は経験がありませんが、雪国の厳しさを感じます。「衛兵」大きな屋敷林が浮かびました。

〇寒林に入りて哲学者となりぬ
 人の気配の無い林、「哲学者となりぬ」断定が良いです。

◎こんな夜は父子相伝の根深汁
 「こんな夜」が想像力を膨らませ、思いを広げています。

〇徒然の旅のアルバム日向ぼこ
 若い頃の旅のあれこれ、ほっとさせてくれる句です。
ふたばさん (8augfkle)2024/1/7 00:46削除
第626回選句

〇歳晩の路掘り返し埋め返し
 暮れになるといつも見られる光景ですね。予算を使い切るため?なんて考えてしまいます。

〇山毛欅林の奥の金精月冴ゆる
 きりっと締っている空気。冴えわたる月。こんな光景に出会ってみたいものです。

◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 雪国の厳しい暮らし。屋敷林を衛兵と捉えたところが、素晴らしいです。

○徒然の旅のアルバム日向ぼこ
 日向ぼこをしながら旅の思い出を繰っている。ゆったりとした幸せなひととき。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/1/6 20:04削除
◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 丹念に切り揃えられた屋敷の樹々が、雪を覆って地吹雪の中に立ち並んでいる。これを衛兵ととらえた
 感性が素晴らしい。
〇歳晩の路掘り返し埋め返し
 暮れの慌ただしい街の風景が詠まれている。
〇山毛欅林の奥の金精月冴ゆる
 金精は山毛欅林の奥に光っている冬の月。月の光が一入輝いて見える。
〇こんな夜は父子相伝の根深汁
 父子相伝に作者の思いが込められている。
〇風呂吹きを煮る窓ガラス曇るまで
 冬の厨の静かな時の移ろいが感じられます。
天馬さん (8wo186pe)2024/1/6 15:54削除
626選句

◎歳晩の路掘り返し埋め返し
当地の道路誘導員は大変。吹雪の中に立っているのを見ると、青赤の信号でいいのにと思いますが、規則でそうはいかないらしいです。
○こんな夜は父子相伝の根深汁
夫もその兄弟も料理が上手いですが、我が息子はからっきしです。残念。
○徒然の旅のアルバム日向ぼこ
取っておきたい写真はスマホに保存して、後は処分…と思いつつそのままになっています。
太郎さん (8oylunww)2024/1/6 12:51削除
麦っこ626選句
〇歳晩の路掘り返し埋め返し
◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 厳冬の大景が目に見えるようだ。上五は「や」で切ることも。中七・下五は魅力的な表現だが、「衛兵めきし」は議論の余地あり。
〇寒林の先祖の墓石陽をためて
〇寒林に入りて哲学者となりぬ
〇こんな夜は父子相伝の根深汁
ちこりんさん (8mmormpc)2024/1/5 12:06削除
626回 選句
○日溜りに雀のいない年の暮
いつもはあるべき場所にあるべきものがないというのは、単なる発見ではなく、作者の穏やかならぬ心情が伝わります。
鴉も見えぬ年末年始です。
ちょっと心配?

◎山毛欅林の奥の金精月冴ゆる
ブナ林は、既に葉を落とし、裸木となっているのでしょう。背景の月の輝きを金精(万物の魂の輝き?)と捉えた感性に惹かれました。

○地吹雪に衛兵めきし屋敷林
しっかと田の中の家を囲む屋敷林をみた事がありますが、激しい冬の最中、正に番兵となっているのでしょう。

○寒林に入りて哲学者となりぬ
四季のうち寒林ならではの発想かと思います。断定が効いています。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/1/5 08:03削除
626回投句一覧&選句

〇歳晩の路掘り返し埋め返し
掘り返し埋め返しフレーズに情景が見えてきます
〇遠景に林立のビル冬夕焼
林立のビルと冬夕焼けの対比
◎徒然の旅のアルバム日向ぼこ
旅の写真をみながら思いにふけている、今は旅もままならぬ。自分のような共感
〇連続の深夜のドラマ葛湯吹く
連続ドラマ、眠れぬ夜は深夜まで次回が気になりつつ。葛湯が温かい
まりさん (8md9x4e2)2024/1/3 15:36削除
626回選句

〇鳩時計の鎖を引きて年暮るる
手巻き式の鳩時計は錘のついた鎖を定期的に元に戻す必要があるのでしょう。「年暮るる」には幅がありそうですが、大晦日のこととしていただきました。

◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
積雪量よりも地吹雪の酷い地域らしい句。「に」だと因果関係がくっきりしすぎませんか。キレを入れたほうがいい気もしますが。
嘗て実家の屋敷林(林?囲い)は杉でした。分家されたという江戸時代の終わりか明治の初めごろに植えられたらしいかなりの大木で、風の強い日は、倒れたら家が潰されると怖かったのを覚えています。

〇遠景に林立のビル冬夕焼
平凡ですが、こちらに住んでいると「冬夕焼」で連想する真っ先の景です。実は私も「ビルの林立」で作りました。

〇寒林に入りて哲学者となりぬ
これ以上そぎ落とすもののないピリリとした寒林の中で感じたもの。断定がいい。まあ、この哲学者はすぐにいつもの我にもどるですが…

〇こんな夜は父子相伝の根深汁
根深汁にも相伝の極意があるのでしょうか。「こんな夜」ともったいぶってさらに「相伝」の大袈裟感へ。楽しい。(ではないのかもしれませんが)

〇徒然の旅のアルバム日向ぼこ
一枚一枚丁寧に貼られてメモもある昔々の写真。おおむね幸せな人生だったという心境が感じられます。私も、おおむね運のいい人生だったとは思うのですが、昔の写真を見るのはちょっと重たい…かも。
それにしても、皆様、膨大なアルバムの処分どうしますか???
こがめさん (8atk17xs)2024/1/1 18:10削除
第626回麦っこ選句
◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
屋敷林の句を作ろうとしました。「衛兵めきし」の表現がいいなと思いました。
故郷の小さいころの実家の景を思い出しました。杉林が多かったのに杉花粉に負けなかったのが不思議です。

〇こんな夜は父子相伝の根深汁
〇ふる里は母の懐おでん酒
〇おでん煮えクシッと開ける缶ビール
〇家苞の鯛焼紙袋の湿り
〇風呂吹きを煮る窓ガラス曇るまで
上記五句はどの句も心が温まります。こんな幸せな景があるなんていいですね。そして続くことを願っています。

明けましておめでとう御座います。今年もよろしくお願いします。
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/31 23:25削除
第626回選句
◯歳晩の路掘り返し埋め返し
 都会では年初から今日大晦日まで建設機械をみない日はないほど、彼方此方で工事をやっていたような気がする。特に道路工事は同じようなことを繰り返して、税金の無駄遣いでは、と思いたくなるのは私ひとりではなかったので一安心(実際の工事内容はそれどれに理屈はあるのだろうが)「掘り返し埋め返し」のリフレインに共感。

◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 ほとんど視界のない吹雪の中、わずかに屋敷林が見える。白と鼠色だけの世界。地吹雪の動きと音がリアルに迫って来る。「衛兵めきし」の比喩がとても効いている。

◯徒然の旅のアルバム日向ぼこ
 何といっても「徒然の旅」がいい。広辞苑の「徒然」には四つの意味が書かれているが、この旅は四つすべてを含んでいる気がする。季語「日向ぼこ」の為せるわざかもしれない。①つくづく物思いにふけること②することもなく退屈で、もの寂しいさま③長々と変わることなく続くさま④つくづく。つらつら。

◯風呂吹きを煮る窓ガラス曇るまで
◯連続の深夜のドラマ葛湯吹く
 「風呂吹き」や「葛湯吹く」という私にとって好きだが使いづらい季語。それに合う生活実感がないからであろう。前句は「窓ガラス曇るまで」という措辞が巧い。風呂吹きを煮た経験のない一読者にも丁寧な食生活ぶりがよく伝わって来る。後句はテレビドラマを殆どみない読み手にも、どんな深夜ドラマだろうか、という興味を惹かせる力が「葛湯吹く」にある。両句ともに季語が名脇役。

皆さん 元旦に選句一覧がアップされると思い込んでいましたが、お忙しいまりさんは今年の事は今年中に終わらせたかったのでしょう。令和5年ももう少しで終わろうとしています。佳いお正月をお迎えください。
返信10