ま
まりさん (8md9x4e2)2023/10/30 15:54 (No.77122)削除617回投句一覧&選句
「柿」
柿吊す家族の簡易郵便局
熟柿落つ犬の鳴かない峡の村
竹籠に飴色の艶柿を盛る
柿たわわ一揆の哀史残る村
伝説の太郎と次郎柿は実に
島の子は十人木守柿高し
渋抜きの身不知柿や里便り
故郷から届き直ぐ剥く庄内柿
円相の汝(な)へ福相の富有柿
柿捥ぐやオヤツなど無き少年期
「結」
菰巻の結び目揃う松並木
直会の結びの言葉雁渡る
クラフトの固き結び目今年米
里芋の煮え結論の出ぬ話
結界はこれより先と烏瓜
黄落や作務衣の紐の片結び
靴の紐結ぶ練習秋高し
冬近し南の窓にもう結露
結末を見逃すドラマ夜長かな
末枯や虚線で結ぶ国と国
「雑詠」
切株の重なり合いて初なめこ
マイク持つジャズメンの皺秋深し
別院はビル一階やうそ寒し
十三夜針孔探る刺繡糸
吾影の両手の荷物十三夜
濁声の「日なたの道で」首都晩秋
声明の怒りにも似て紅葉寺
秋惜しむ四方を山に囲まれて
下の名で呼び合う奴と酌む新酒
秋深む夜明けの町や虹が立つ
ふたばさんはしばらくの間お休みです。