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まりさん (8md9x4e2)2023/10/8 19:57 (No.74427)削除
614回投句一覧&選句

「秋蚕」
子が走る天井裏の秋蚕棚
皇室の小石丸なる秋蚕かな
終バスは六時秋蚕の眠る村
指先に透ける秋蚕の重さかな
風の郷秋蚕と睡る宿しんしん
秋蚕の観察日記継続中
千年の系譜の山家秋蚕飼う
さわさわと桑食む秋蚕峡の暮
駐在に灯点る頃や秋蚕眠る
秋蚕飼う西に諏訪湖を望む村

「焚」
藁焚いて煙広がる苅田原
火を焚いて嬶ら迎える 秋刀魚船
焚き口の湯加減どうだの声良夜
懸崖の枯菊を焚く父の背ナ
風呂焚くもスイッチ一つ雁渡し
雁渡し風呂焚いている旅の宿
護摩焚きの読経一山曼殊沙華
暮れなずむ村籾殻を焚く煙
秋さぶや胸中深く焚く芥
秋冷の寝屋に焚きしむラベンダー

「雑詠」
秋水のひかりを違え音違え
叩き売る陶器の音や黄落期
観音の朱の唇に宿る秋
岩盤の湧水なるや新走り
何処とも知らず鳴く虫朽ちる虫
黄落や風を探せる風見鶏
一陣の風一服の昼の虫
野仏の崩れて坐る椿の実
対岸の声の近さや秋澄めり
秋思ふと動く歩道に身を委ね
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/10/22 07:02削除
第614回  選句

◯終バスは六時秋蚕の眠る村
 終バスが六時!遠い遠い村ですね。お蚕さんと一緒に自然の営みの中に暮らす村人を想像します。

◎指先に透ける秋蚕の重さかな
 蚕(子供の頃から「お蚕さん」と呼んでいました)は、しっかりとした柔らかさで、意外に冷たく、重さがあります。
 摘まみ上げた時、「生きもの」の柔らかさと重さを感じます。子供の頃の指先の感覚が今でもはっきり残っていることに
 今回気が付いてびっくりしています。桑の葉を食べる音も意外と大きくて、その「さわさわ」とした音も耳に残っています。
 棚からはみ出しそうなお蚕さんをよく桑の葉の中に戻していました。でもお蚕さんは棚から落ちません。

◯秋さぶや胸中深く焚く芥
 燃やしてしまいたい芥や大事にしまっておきたい宝ものやら・・・。人間は厄介です。

◯対岸の声の近さや秋澄めり
 川向こうの声や山道の奥からの声が思いがけず近くに聞こえてびっくりすることがあります。
 秋の爽やかさ、澄んだ空気を感じる時です。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/10/19 21:28削除
麦っこ614選句
「秋蚕」
○千年の系譜の山家秋蚕飼う
 「千年の系譜」は、およそ平安時代の末期頃に発するので、山奥の、先祖を落人とする平家谷伝説の伝わる集落などを想定するのが順当であろう。華やかではないが由緒ある家々が代々養蚕を生業のひとつとして暮らしているのである。
○さわさわと桑食む秋蚕峡の暮
 オノマトペが効果的で、軒並みに蚕を飼っている集落が眼に見えるようである。「暮」は、この場合日暮れ、夕、晩などの意であることは歴然としているのだが、幾分紛らわしいのは否めないだろう。、
「焚」
○暮れなずむ村籾殻を焚く煙
晩秋の夕方の、あの煙の匂いは未だに記憶の底にあり、掲句を読むと少年時代の田園風景が蘇ってくる。私の生まれたところは、令和になっても陸の孤島で、田畑や里山にこんな雰囲気がたっぷりと残っている。「村」は、少しく漠然としているので、眼に見えるモノを描写することも考えたい。
「雑」
◎対岸の声の近さ屋秋澄めり
 秋になって大陸から移動性高気圧がやってくると、空気が澄み、眼に入るものすべてがくっきりと鮮やかに見え、耳に入るもの全てがはっきりと聞こえる。対岸の人たちの声が思いがけない近さに聞こえてきたのである。結語は、「…澄める」と連体形にするところかもしれない。
○秋思ふと動く歩道に身を委ね
額に汗を滲ませ、せかせかと歩いてきて、動く歩道に身を置いた途端、そこはかとない秋思が湧き起こってきた。「身を委ね」が巧い表現だ。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/10/18 10:19削除
614回 選句

○終バスは六時秋蚕の眠る村
限界集落は全国各地に。そんな山深い地にもバスは日に何本か通ります。コミュニティバスかもしれませんね。緩やかな時間の流れを感じる一句。

○さわさわと桑食む秋蚕峡の暮
現在地が明らかなので、景が浮かびます。さわさわと蚕が桑を食む音が効いてます。

◎秋さぶや胸中深く焚く芥

中七に詩情が滲みます。
眼前の芥、そして来し方の心の芥…深みある一句。

○対岸の声の近さや秋澄めり
秋の透明感を感じる共感の一句です。
天馬さん (8uov4p4u)2023/10/16 10:33削除
614選句

○終バスは六時秋蚕の眠る村
夫の遊ぶ丸太小屋から数キロ先のバス停は一日に3便ですが、乗客はひとりいればよい方です…。
○指先に透ける秋蚕の重さかな
しっとりとした重さが伝わります。
○千年の系譜の山家秋蚕飼う
北上高地を走っていると、思いがけぬ大きさの旧家に出合うことがあり、集落の歴史を考えることがあります。
◎秋水のひかりを違え音違え
せせらぎをこんなふうに表すことが出来ると勉強になりました。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/10/15 15:05削除
614回選句
 ◎暮れなずむ村籾殻を焚く煙
  昭和の中頃までの農村の原風景でしょうか。籾殻を焚く煙と匂いまでも伝わってくる。
 〇指先に透ける秋蚕の重さかな
  実際に蚕を触ったことはないが、こんな感じなのかな。
 〇火を焚いて嬶ら迎える 秋刀魚船
  漁船が着いて水揚げした跡には焚火の跡が残っていた。秋刀魚が大漁であった頃が懐かしい。
 〇対岸の声の近さや秋澄めり
  秋気澄めば対岸の声さえも間近に聞こえてくる。
ふたばさん (8augfkle)2023/10/15 00:04削除
第614回選句
〇千年の系譜の山家秋蚕飼う
〇火を焚いて嬶ら迎える 秋刀魚船
〇護摩焚きの読経一山曼殊沙華
◎暮れなずむ村籾殻を焚く煙
〇対岸の声の近さや秋澄めり

(コメントなくてすみません)
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/14 11:51削除
第614回 選句
〇千年の系譜の山家秋蚕飼う
 山深い落人の村でしょうか。昔からの伝統的な暮らしが残っているようです。

〇秋蚕飼う西に諏訪湖を望む村
 村の場所が特定できそうですが、湖を望む澄んだ空気が感じられます。

〇護摩焚きの読経一山曼殊沙華
 護摩焚きで真っ先に浮かぶのは成田山ですが、護摩焚の炎と曼殊沙華の花の様子が響き合います。

◎暮れなずむ村籾殻を焚く煙
 ミレーの晩鐘を思わせる景でもありますが、そこに煙と匂いが加わり立体的な懐かしい日本の原風景となりました。
 
〇対岸の声の近さや秋澄めり
 秋になり、散歩するのにも心に余裕が出来ました。暑さの中では気付かなかった事、色々と発見しそうです。
まりさん (8md9x4e2)2023/10/13 10:45削除
614回選句

◎終バスは六時秋蚕の眠る村
蚕。幼い頃、隣家で飼っていたのを見ていましたし、大人になってから卵から孵化したばかりの小さな蚕を20匹ほど頂いて蛾になるまで育てた経験はありますが、どうしても昔話から出られませんでした。その上「秋」という負荷のついた「蚕」にはもう降参。この句は、終バスとの取り合わせで「現代の蚕村」がくっきり出ていて成功していると思います。

○風の郷秋蚕と睡る宿しんしん
これも現代。風の郷が曖昧でもあり詩的でもあります。

○暮れなずむ村籾殻を焚く煙
古き良き時代のあたたかい景。今でも時折見かけますが、あの広い田んぼでの煙さえ規制されるようになってもうどれくらいたつのでしょうか。

○一陣の風一服の昼の虫
稲刈りの途中の畦道での一服でしょうか。軽トラから熱い珈琲とちょっとしたおやつ。蒸芋や果物もあるかもしれません。

○対岸の声の近さや秋澄めり
「秋澄む」の秋はかなり短そうです。五感をフルに使って楽しみたいものです。
こがめさん (8atk17xs)2023/10/12 11:42削除
題614回麦っこ選句

○子が走る天井裏の秋蚕棚
小さい頃に隣の家でよく遊んでいました。蚕の繭をとったりと。
でも蚕より「桑子の実」を食べたことが思い出に残っています。二階や隣の小屋で育てていました。遊んで怒られました。

○指先に透ける秋蚕の重さかな
透かしてみてカラカラしていた景を思い出します。

○暮れなずむ村籾殻を焚く煙
もみ殻をてんこ盛りにしていぶしていました。煙たかったけどいい匂いでしたよ。

◎秋水のひかりを違え音違え
中七、下五の表現がとてもいいです。よく見てよく聞いての表現です。

○秋思ふと動く歩道に身を委ね
納得です。歩く歩道があるとすぐ乗ってしまいます。「愁思」の季語がぴったしです。
不来方さん (8jrlsjab)2023/10/9 09:49削除
第614回選句

◯指先に透ける秋蚕の重さかな
 とにかくリアルな句。秋蚕の透明度、質感、肌ざわりまで伝わって来る。

◎火を焚いて嬶ら迎える 秋刀魚船
 これもリアルな句。未明の秋刀魚の水揚げ港の生活感が余すところなく表現されている。

◯暮れなずむ村籾殻を焚く煙
 こういう農村の原景は都会近郊では見られなくなって久しいが、地方ではたまに見かける。ホッとする。「籾殻」に焦点を合わせたのもいい。文字詠「焚」の効用かも。

◯秋水のひかりを違え音違え
 秋の水の透明感がモチーフ。ひかりの角度も水自身の音も微妙にずれる感覚に共鳴。

◯秋思ふと動く歩道に身を委ね
 考え事が先か後かはともかく「歩く歩道」に感じた秋思に新しみあり(秋思は何でも合いそうだが、類想の罠にはいりやすいので難しい)
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/10/2 17:01 (No.73773)削除
613回投句一覧&選句

「虫」
サイフォンの香り俄に虫の声
杖頼る手紙投函昼の虫
北の地に虫の骸という現
昼の虫縄文人の暗き家
昼ちちろ小人の消えた童話館
静けさや雑木林の虫の声
聞分けのよい子わるい子くつわ虫
起重機の孤高の角度昼の虫
満天の星へ往信虫しぐれ

「読」
秋の原風読み飛ばす紙飛行機
更けて冷ややか辿り読む歎異抄
積読のアウトドア本秋時雨
読みかけの本の進まず衣被
句読点無き電子メールやそぞろ寒
萩繚乱句読点無き離縁状
捨てるはずの本読み始め秋の雷
秋暁やキンドルで読む歎異抄
A Iの誤読棒読秋薔薇

「雑詠」
時折は無口になりぬ新走り
鵙の声機能訓練バー掴む
紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
林道の小闇分け合い虫時雨
コーヒー待つテラスの前に富有柿
深更の臨蘭亭帖茶立虫
思い出をたぐる鶏頭の零れ種
コオロギ科キリギリス科や天の川
新蕎麦ともっきりの酒宵の口
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/10/21 17:04削除
613階選句

◯昼の虫縄文人の暗き家
◯昼ちちろ小人の消えた童話館
◎萩繚乱句読点無き離縁状
◯時折は無口になりぬ新走り
◯紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
天馬さん (8uov4p4u)2023/10/10 16:01削除
613選句
○昼の虫縄文人の暗き家
○起重機の孤高の角度昼の虫
◎萩繚乱句読点無き離縁状
○時折は無口になりぬ新走り
○林道の小闇分け合い虫時雨

コメント無しで済みません。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/10/9 15:41削除
麦っこ613選句
「虫」
○昼の虫縄文人の暗き家
窓のない復元住居のなかは、幾分湿った空気と何やら懐かしい匂いが籠もっていて、昼の虫の声が大昔の人々の暮らしを眼前に蘇らせるようである。
◎満天の星へ往信虫しぐれ
 無数の虫のそれぞれが、無数の星のそれぞれへメッセージを発信し、星も清かな光で虫たちに応え、われわれ人間の眼や耳では感知できないメッセージの交信で宇宙空間が賑やかに満ち満ちているのである。この壮大なドラマを想像するだけで愉しい気分になるではないか。「虫しぐれ」の「しぐれ」が句柄をいくぶん湿っぽくしているような気がしないでもないが。
「雑詠「
○時折は無口になりぬ新走り
 現今「新酒」が秋のものであるというのは、異論があるところであるが、それはともかく、賑やかな呑兵衛も「新走り」には少しく思い入れがあって「時折」無口になるのである。「ぬ」の完了がよいかどうかは一考を要するが。
○新蕎麦ともっきりの酒宵の口
 かつて小腹の空くおやつ刻に蕎麦屋酒を愉しむ「蕎麦っ喰い」という人種がいたそうな。現代でも、「藪」や「更科」で蕎麦をたぐりながら一合程度の上酒をたしなむ蕎麦通を見かけることがある。わたしも時折そんな気障な真似をした時期があった。
 「もっきり」は、.枡の中にグラスを置いて酒を注ぐもので、枡が溢れる程注いでくれると客は大喜びする。蕎麦屋ではあまり見かけず、居酒屋などではこうして地酒を呑むのが大きな愉しみである。
 この句、下五にもう一工夫ほしいところではある。
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/8 15:25削除
第613回 選句

〇起重機の孤高の角度昼の虫
 「孤高の角度」起重機の角度に孤高を感じる視点に感服します。

〇更けて冷ややか辿り読む歎異抄
 時間経過があり、歎異抄とじっくりと向き合っている様子が感じ取れます。

〇萩繚乱句読点無き離縁状
 繚乱の萩と離縁状、心の内を見るようで響き合っていると思います。

◎紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
 秋が宿っているのは「神さぁ」という大らかな見解、固定観念に囚われない物の見方が良いですね。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/10/8 15:18削除
614回選句
◎萩繚乱句読点無き離縁状
 千々に乱れた思いが離縁状に投影されているが、それを読む者の心は如何ばかりか。
〇昼の虫縄文人の暗き家
 遺跡か何かに再現された縄文人の棲家。虫の音は縄文人の声か。
〇更けて冷ややか辿り読む歎異抄
 「辿り読む」に納得感がある。
〇時折は無口になりぬ新走り
 ひとくさり蘊蓄を述べ合ったところで、ようやく今年の新酒を味わう気分になったのだろう。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/10/7 10:54削除
613回 選句

○聞き分けのよい子わるい子くつわ虫
くつわ虫の鳴き声を調べてみました。何とも言えない騒々しさ。取り合わせに納得。

○積読のアウトドア本秋時雨
爽やかな高原も海も夢のまた夢。秋時雨に寄せる思いが伝わります。
因みに私は、今年の暑すぎる秋に予定が狂うばかりでした。

○萩繚乱句読点無き離縁状
萩の散る様はまさに繚乱。
下五と響き合っています。
発想の跳び方が上手い。

◎紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
静かな静かな秋の訪れ。
自然体の描写がいいですね。
こがめさん (8atk17xs)2023/10/5 22:16削除
第613回麦っこ選句

〇更けて冷ややか辿り読む歎異抄
○秋暁やキンドルで読む歎異抄
「歎異抄」を読む景をを読んでいる句だがその思いの表現が参考になりました。

〇捨てるはずの本読み始め秋の雷
なるほどと思う景です。私もそうだよと。。。

◎紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
「田の神さぁに」の表現に思いがこめられているし。「紙垂」の揺れている場所が浮かんできます。

○深更の臨蘭亭帖茶立虫
茶立虫から臨書している「蘭亭帖」はとても年季が入っているのだろう。そして何回も繰り返して練習しているのだろう。
まりさん (8md9x4e2)2023/10/4 13:54削除
613回選句

〇昼ちちろ小人の消えた童話館
きっかけはアンデルセン公園の童話館でしょうが、中七はなかなか言えません。

〇更けて冷ややか辿り読む歎異抄
〇秋暁やキンドルで読む歎異抄
真夜中や明け方に読む歎異抄。平和ボケの私には教えを正しく素直に読めるとはとても思えません。一読目、キンドルをキャンドルの間違いかと思い、いやいやそんなわけないでしょうと調べたそんな私なので。歎異抄は確かに「辿り読む」ものなのでしょう。

◎紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
秋に神が宿るのではなく、神様に秋が宿るという発想。深い。

〇思い出をたぐる鶏頭の零れ種
何の思い出がたぐり寄せられるのか全くわからないので、一読目はスルーしたのですが、鶏頭の零れ種との取り合わせが何とも魅力的でした。限りなく出て来るあの小さな種。字余りは気になります。
不来方さん (8b8tdv36)2023/10/2 20:55削除
第613回選句

◯ 杖頼る手紙投函昼の虫
 淡々と客観的に自身の老化と人に対する変わらぬ思いが詠まれていて共感。

○更けて冷ややか辿り読む歎異抄
 七七五のリズムで季語「冷ややか」を真ん中に置く独特の表現が「歎異抄」の深さを詠んで説得力あり。

◎萩繚乱句読点無き離縁状
 かなり激しい句材に「萩繚乱」という、これまた激しい季語が取合せられていて一瞬たじろいだが、何回か読むと、逆にこの激しさに引き込まれてしまった。

◯ 紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
何と言っても田の神さぁ(タノカンサア)がいい。宮崎のえびの地方の田の神を思い出した。豊かな言葉だ。「宿る秋」も田の神にピッタリ。
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/9/24 22:38 (No.72916)削除
612回投句一覧&選句
「鰯雲」
鰯雲津波到達地点の碑
突堤に消えた灯台鰯雲
鰯雲ホームベースへ滑り込む
畑仕舞いの腰とんとんと鰯雲
鰯雲明日はいづくに帰らんか
エプロンは保母の制服鰯雲
トランペットの高音月明の鰯雲
雑踏へPOLICEの背中鰯雲
銀座には横文字ばかり鰯雲

「車」
敬老日車の免許返す話  
秋風をすり抜けていく一輪車
秋澄めりドアマン辞儀の車寄せ
起震車の試乗体験曼殊沙華
旧道の廃車置場や虫時雨
未だ秋噛めぬ歯車九月尽
休日のSL列車芒原
車座の氏子総会新走り
戦場の長き車塵や雁渡し

「趣味」
ひるの憩いの「楽興の時」秋うらら
末成りの糸瓜十七文字の詩語
播磨屋の見得眼裏に秀山祭
連衆と競う恋の座月見舟
絵手紙にまだら模様の柿紅葉
客迎える茶室根〆の秋海棠
巡礼の幽けき調べ寺の秋
長き夜旅の写真のマリア像
新刊の帯を外してより夜長
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/10/21 16:43削除
612回  選句

◯雑踏へPOLICEの背中鰯雲
 もう間もなく渋谷交差点での光景が思い浮かびます。
 こういう句、縦書きにした時どうなるのでしょうね。
◯車座の氏子総会新走り 
 こんな幸せな、楽しい瞬間はありません。
◎末成りの糸瓜十七文字の詩語
 組み合わせが絶妙。きっとみんなの心根に添っているから。
◯連衆と競う恋の座月見船
 何度か連句の席に参加しましたが、難しい・・・。
 でももっと学んでおけばよかったと・・凄く思います!
◯新刊の帯を外してより夜長
 新刊を買ったのは・・いつだったか。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/10/2 16:31削除
麦っこ612選句
「鰯雲」
○鰯雲津波到達地点の碑
 船橋大神宮の裏門の階段には、どんな旱の日でも ある高さの所に黒く湿ったところがある。地下水の沁み出たところであろうが、関東大震災の時にここまで津波が来たという言い伝えがある。
 掲句は、思いがけない陸の奥にある記念碑に、過ぐる日の災禍を偲んでいるのだ。大きな災害は、何代も後の人々の心に残っているものである。

◎雑踏へPOLICEの背中鰯雲
 群衆の中に入り込み、人混みに紛れてそそくさと消えていく警察官の姿、その顔や表情、人となりはわからないが、背中に太文字で書かれた「POLICE」の横文字が強い印象となって見る者の目に残るのである。
 前句もこの句も、空高く展開する鰯雲が、超然と人間世界を見下ろしているようで、効果的な背景の仕事をしているのである。

○銀座には横文字ばかり鰯雲
この句も、賑やかで雑多な地上の世界との対比で鰯雲の存在が印象的である。繁華街は、多種多彩な看板や標識が見られるが、銀座は、特に横文字や外来語の掲示物が多いところであろう。モノや店などの名前は外国語や和製英語などが多く、日本人の多くは、英語を少々理解する程度の人でも、看板・標識などのいろいろな国の言葉を読んだり理解したりすることができるものでもある。
 銀座は、ほんとに横文字ばかりの町であるのだ。

「趣味」
○連衆と競う恋の座月見舟
 連句は、いろいろな決まりがあり知識も豊かでないと楽しめないのだが、慣れてくると長丁場でも夢中になってはまってしまう。「月の座」「恋の座」などは、直接経験がなくても、文学的な経験で句をものしたりできるので、掲句は、恋愛の経験が淺くても読書量の多寡で競うことができるのである。大川に浮かべた月見船の上で月を見、酒肴を味わいながら連句を巻くという贅沢を、たまには味わってみたいものである。向島の音締めも聞こえてきたりして…。

○新刊の帯を外してより夜長
 新刊の帯は、やがて折れ曲がったり破れたりして、以外に始末の悪いものであるからして、読む前に外してしまう人も少なからずいる。新刊の帯を外してさあこれから読もうという時から、昼間の雑事から解放されて落ち着いた時間が始まるのである。この「夜長」は、そんな愉しい時間なのである。
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/1 19:33削除
第612回 選句

〇トランペットの高音月明の鰯雲
 「月明の鰯雲」皓皓と輝く月、澄んだ空気も感じられます。

〇秋風をすり抜けていく一輪車
 爽やかに髪をなびかせ走り抜けていく子が見えるようです。

〇車座の氏子総会新走り
 車座を回る一升瓶、収穫後の総会なのですね。

◎末成りの糸瓜十七文字の詩語
 ただの糸瓜でなく「末成の糸瓜」に作者の心が読み取れます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/30 17:14削除
612回選句
 ◎新刊の帯を外してより夜長
  読みたかった本を手に入れ、秋の夜長に読みふける。作者の喜びが伝わってくる。
 〇エプロンは保母の制服鰯雲
  エプロンが保母さんの制服、成る程。
 〇起震車の試乗体験曼殊沙華
  仮設住宅の中での地震体験はあるが、起震車というものがあるとは・・
 〇秋風をすり抜けていく一輪車
  秋らしい爽やかな一句です。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/29 19:24削除
512回 選句
○車座の氏子総会新走り
一升瓶を回しつつ氏子総会。今でも残る地域の姿。馴染みの人々の笑い声が聞こえるようです。

◎末成りの糸瓜十七文字の詩語
取り合わせが何とも言えない味わい。俳句が趣味?というより人生の友なのでしょう。詩語て締めた所に余韻があります。

○新刊の帯を外してより夜長
読書の秋。中七の措辞がいいですね。共感の一句です。
こがめさん (8atk17xs)2023/9/28 09:44削除
第612回麦っこ選句

〇起震車の試乗体験曼殊沙華
体験したことがありますが怖かったです。「曼珠沙華」の季語に作者の思いがこめられているのだろう。「命」を守るためにどうすればよいか考えてほしい願いがこめられているように感じます羽。

〇休日のSL列車芒原
「SL列車 」にまた乗ってみたいな。走っている長閑な景が「芒原」から浮かんできます。

◎末成りの糸瓜十七文字の詩語
「末成りの糸瓜」と「十七文字の詩語」の取り合わせが俳句の形と作る時の心が伝わってきます。

〇新刊の帯を外してより夜長
どんな本だろうか。でも読書の大好きな方だろうな。心を落ち着けて本のないように入り込んでいるように感じま
まりさん (8md9x4e2)2023/9/27 21:41削除
612回選句

◎エプロンは保母の制服鰯雲
シンプルでイメージがくっきり。保育士さんの元気な声とピンクのエプロン。鰯雲の季語もさりげなく爽やか。

〇車座の氏子総会新走り
今年再会の祭りは多かったことでしょう。これは氏子総代会なのでしょうか。3年前と同じように、寄付や人を集めて賑やかに執り行うのは大変なこと。新走りですから、祭りの後のほっとした車座かもしれません。

〇戦場の長き車塵や雁渡し
現実でもあり心象風景でもあるでしょう。プーチンには無論ゼレンスキーにも頷くことはできません。どちらが強く出ても同じく死者が出ます。留鳥かもしれませんが、最近三か所で鴨を見ました。そろそろ雁もわたってくるでしょう。

〇新刊の帯を外してより夜長
至福の時間。調べがいい。
不来方さん (8jrlsjab)2023/9/25 10:56削除
第612回選句

◯エプロンは保母の制服鰯雲
 保育園の散歩カーに付添う保母さんをよく見かける。今日も偶々四人の保母さんと出会った。全員エプロン姿。大空に鰯雲が広がっていく。

◯起震車の試乗体験曼殊沙華
 取合せの巧い句。起震車は知らなかった。怖いものみたさに是非試乗してみたい。

◯戦場の長き車塵や雁渡し
 戦前の新興俳句の戦火想望俳句につながるようなリアルな句。他国とはいえウクライナ戦争は他人ごとではない。「長き車塵」の斡旋が見事。

◎末成りの糸瓜十七文字の詩語
 一連の趣味の句はそれぞれの分野で具象が効いていて、知らない趣味でもイメージがハッキリと浮かぶ。掲句は難しい「コト」と「モノ」の取合せにチャレンジして成功している。俳句は確かに末成りの糸瓜のようなものかもしれない。
返信8
管理人さん (8aq3zcoi)2023/6/5 11:37 (No.61916)削除
mgPOST Part―V
返信
まりさん (8md9x4e2)2023/10/19 19:33削除
ようこそ!ハナハナさん。
「投句した週の選句をする」というだけが決まりです。
選句数は自由ですが、特選◎はひとつつけてください。
楽しく参りましょう~。
天馬さん (8uov4p4u)2023/10/16 17:12削除
先日の名月♪
写真左下の少し尖って見えるのは姫神山です。
当地、稲はコンバインであっという間に刈られます。
学校田だけは、子供達に伝承するため掛稲です。
不来方さん (8b8tdv36)2023/10/16 15:54削除
今年の稲架掛けです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/14 08:23削除
出題回数訂正(お詫び)
607回とすべきところ、誤って606回と表示してしまいました。削除用パスワード未入力で訂正できません。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。
ふたばさん (8augfkle)2023/8/14 00:05削除
まりさん。
 猛暑の中、秀句をまとめていただきまして有難うございました。
 今回のお題で、広島忌は夏の季語、長崎忌は秋の季語ということを初めて知りました。
 勉強不足でした。しばらくこの暑さが続くようです。皆様ご自愛ください。
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/4 18:21削除
まりさん
 暑さの中、秀句取り纏めありがとうございます。
 それにしても日本はいつから熱帯の国になったのでしょうか?
 皆様お体大切にお過ごし下さい。
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/2 17:19削除
太郎さん いすみ鉄道の「キハ」型気動車、機会を見つけて是非乗ってみたいです。
まりさん 秀句取りまとめありがとうございました。
太郎さん (8oylunww)2023/8/2 12:55削除
キハ型気動車
県内のいすみ鉄道では今も運行しているというので、見るなり乗るなりしたいのですが、かないそうもありません。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/1 14:19削除
麦っこ秀句 20230205~20230716

  太郎
天 紅の病葉花の匂いあり
地 家書売りし夜の一杯の黒ビール
人 駘蕩として山羊の目の一文字
  墨東のペンシルビルやつちぐもり
  退院の少女目深に春帽子
  はつなつの虚空を掴む瓜の蔓
  要介護3の烙印若葉寒
  街薄暑人みな疎く見ゆる日の
  夏は来ぬ大川渡る触れ太鼓
  黴匂う「阿部一族」の蔵書印

  天馬
天 夏草の薙ぎ倒されてより香る
地 一樹揺れやがて全山春時雨
人 火葬炉の分厚き鉄扉木の芽雨
  春光や金管楽器に緋のクロス
  廃校の百葉箱や木の根明く
  残雪の山の見下ろす野辺送り
  集合は田打ち桜や堰普請
  青葉冷白熱灯に子豚たち
  秋田蕗ならばこの嘘隠せるか
  幣束の音渡りゆく山開

  ふたば
天 輪になって後ろの正面春の風
地 本箱に手垢の村史春の雨
人 解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
  早春や干潟をめぐる双眼鏡
  小流を跳んで菜の花畑かな
  春風をかき混ぜているドッグラン
  地蔵尊のたわしの乾く長閑さよ
  馬乳酒の味の記憶や黄沙来る
  逃水を追って天山一路かな
  病葉や白木の柵のご神木

  こがめ
天 紅梅や百葉箱に陽の温み
地 春の雪落ちては消える法の庭
人 たんぽぽや風が攫いし野球帽
  風光る丘に人魚のモニュメント
  噴水の広場を通り動物園
  母の忌や夫と一緒に柏餅
  睡蓮をゆっくり揺らす鯉の背
  草笛や共に吹きたる兄は逝く
  夏萩の風に触れたるかえる石
  夏空へ一打逆転ホームラン

  のん
天 気負いなき暮らし目高が少し増え
地 十六の夏カルピスの不透明
人 青梅雨の古都回廊のエンタシス
  薄氷を割き朝刊のオートバイ
  今朝の幸せ道の辺の犬ふぐり
  上京と帰郷の交差春の月
  制服のセンタープレス草青む
  付き合いは長しクローバー凹むほど
  梧桐の本家より来るお赤飯
  病葉に葉脈のあり光あり

  ジュピター
天 路線バス炎暑の町の時刻む
地 春ショールヘップバーンに憧れて
人 神楽笛おらほの村に春が来た
  春昼の光を返す三番瀬
  踊り出すブリキのおもちゃ百千鳥
  裏腹な言葉吐きけり花薊
  花水木店主ひとりの理髪店
  実桜や芋坂下の団子茶屋
  火蛾を呼び村の集会始まりぬ
  大汗をかいてひと風呂ひと眠り

  まり
天 沢音が包む湯治場朴の花
地 我楽多のままのふるさと青山河
人 立春の空山彦の放物線
  蕗味噌や母の忌過ぎて父の忌来
  惜春を巻きこんでゆく卵焼き
  温かくふくらむ言葉豆ご飯
  死者生者噴水虹を生むばかり
  はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
  汗拭う五百羅漢の百あたり
  カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日

  智美
天 早春の疎林鳥影の鋭角
地 利根川がのらりとくねり初蝶来
人 春の雨涙流さず泣くことも
  飛びそこなう輪ゴム鉄砲チューリップ
  山桜中辺路から行く熊野道
  涅槃図に猫門開いたままの寺
  長閑なり「昼のいこい」のテーマ曲
  出開帳菩薩の御衣(おんぞ)の襞の紅
  焦げすぎた朝の食パン黄砂来る
  紫陽花の雨に解けて青い道

  不来方
天 六月の父あるがまゝ黙のまゝ
地 黄砂来る羊の涕引き連れて
人 照り降りて影がきれいになる四月
  風光る輪中の里の大畷
  寝ころびて春の雲追う草千里
  長閑さや仏足石に眠る猫
  山の神そして田の神さくら時
  若葉風ぬた場に残る獣臭
  子燕やシャッター街の日曜日
  多国語に慣れて大和の袋角

  ちこりん
天 逃水に歪む砂丘の空の蒼
天 天鵞絨の蕾の疼き大辛夷
人 はつなつのモビールの綺羅通り雨
  石打って生まるる水輪春愁
  初蝶や独りっきりの母の墓
  薫風やクルスの眠る古戦場
  文脈の捻れ捻れて青嵐
  青東風やマザーグースの月曜日
  黴生きる母の形見の腕時計
  潮騒の駅や黒衣のひかる汗

膨大な量からの抽出なので間違いがあるかもしれません。
他人の句が混じっていたらご連絡ください。
天・地・人 は得点の多かった順になっています。
同点句の場合はまり選です。ご了承ください。

こちら嬉しい嬉しい雷ごろごろ。
雨はちょっとしか降っていませんがそれでもつかの間の涼しさです。
明日から再び酷暑の予報。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/31 21:35削除
不来方さん ありがとうございます。
 俳句は、ドキュメンタリーではない、というのが私の持論で、吟行句に実際には無かった季語を合わせて一句を完成するのは度々しています。
 東京発の大垣行きは、見送ったことはあっても乗ったことはありません。いつかはと思っているうちに過去のものとなってしまいました。
 学生の頃から夜行の普通列車が好きで、思い出もたくさんあります。夜中に矢板駅に停車し、駅前の矢板百貨店(当時は木造の九尺二間的な建物)の佇まいに感じ、帰りに途中下車して立ち寄りました。
 「実景」などに拘らずに作句することが多く、顰蹙ものかもしれませんが、御海容の上お付き合いください。
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/31 10:03削除
太郎さん 603回の御句「逝く夏の大垣行きの最終便」大好きな句ですが、東京発大垣行きムーンライトながら号はコロナ禍の2020年3月で実質廃止されました。残念です。新幹線で名古屋乗り換えの大垣行き最終便なら句材にはなりませんね。
こがめさん (8atk17xs)2023/7/28 12:40削除
美味しそうな野菜。そして涼しさいいな。
田舎に電話したら34度だよ・・・。びっくりしました。
涼しいと思っていたのに。田舎の湧水で食べた水かけご飯懐かしいです。
鎌ケ谷は毎日暑いです。体調管理が大変です。
山小屋の涼しさ分けてほしいです・・・・
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/23 10:03削除
山小屋に向かう途中の農家から
ストーブの煙が見えない時期は、ほぼないです。
ネットで今朝の山小屋近くの気温を見たら17℃でした。
山小屋は寒さ厳しい地ですが、災害はない所です。
遊びに来て下さい♪
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/23 08:47削除
天馬さん クーラーを殆ど使わない生活も、色・艶・かたち共素晴らしい野菜も羨ましい限りです。山小屋の雨の被害はなかったでょうか?
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/23 07:54削除
朝採り♪

昨日午後、老トイプードルのためにこの夏はじめてクーラー作動。関東の暑さは想像外ですが、なにせ5ヶ月は冬だし…これくらいの恩恵あってもよいかなの昨今です(^o^)
まりさん (8md9x4e2)2023/7/16 21:34削除
坐骨神経痛

ジュピターさん。とにかく休むしかありません。
エアコンの効いた部屋でゆっくりしましょう~。

私も数年に一度?坐骨神経痛の痛みが来ます。
病院に行っても、痛み止めをどっさり渡されて二週間ぐらいは静養しましょう~と言われるだけ。
医師が、これほどひどいのは先天性だろうという第五腰椎分離すべり症はここ20年ぐらい?は悪さをしません。
何事も、だましだましだましだまし。。。
お大事に。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/6/28 19:38削除
みなさん、ありがとうございます。
本当に信じられない思いでしたが、メッセージを頂いて、じわじわと実感が湧いてきました。
麦っこでの互いの句評がいつも学びになっています。
これからも宜しくお願い致します!
ふたばさん (8augfkle)2023/6/27 22:09削除
ちこりんさん。
作家賞おめでとうございます。
まりさんから『麦』をいただきました。
「麦っこ」は実力者ぞろいですね。
毎回気づきがあり、学ばせていただいております。
まきえっとさん (8rypn25h)2023/6/26 22:15削除
ちこりんさん。
作家賞おめでとうございます。
とても嬉しいです。
のんさん (8b8xe2bx)2023/6/26 17:13削除
ちこりんさん
作家賞おめでとうございます。益々のご活躍を‼
不来方さん (8b8tdv36)2023/6/26 17:01削除
ちこりんさん 麦作家賞おめでとうございます㊗️それにしても麦っこはすごい方々ばかり。
智美さん (8kfpafc0)2023/6/26 06:06削除
ちこりんさん
おめでとう!!!
遠からずこの日が来ると確信してました!!!
まりさん (8md9x4e2)2023/6/24 21:57削除
ちこりんさん
congratulation !!!
返信23
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/8 09:27 (No.74338)削除
第615回麦っこ お題

 季語     無花果
 文字     端
 当季雑詠

  よろしくお願いいたします。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/10/16 20:59削除
麦っこ615投句
無花果熟れ牛らひたすら草を食む
後の月銀座の端の定食屋
碧空や無花果熟るる法学部
智美さん (8kfpafc0)2023/10/16 18:42削除
第615回 投句

食べ頃の無花果探す朝の庭
山の端に月登り来る弥陀ヶ原
満月や瓦礫の街の子の涙
ちこりんさん (8mmormpc)2023/10/16 14:54削除
615回 投句
無花果や種の数ほど愛がある

終点は島の突端秋深む

鯖雲へ生るる若き波しぶき
ふたばさん (8augfkle)2023/10/14 23:52削除
第615回投句

仏壇の無花果下げて話継ぐ
端座して虫の音を聞く猫の居て
病得て木偶の眼にひつじ雲
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/14 10:55削除
第615回 投句

おもちゃで喧嘩いちじくを半分こ
夢の端に母どこまでも秋桜
水枯れた井戸がそのまま金木犀
まりさん (8md9x4e2)2023/10/13 10:49削除
615回投句

無花果やものは平たく良いほうに
十三夜端切れの眠る小抽斗
鳥影は塒へ筑波まで刈田

615回の投句一覧発表は16日(月)の深夜になります。
不来方さん (8b8tdv36)2023/10/13 08:21削除
第615回投句

無花果啜る少年の日の飢餓に似て

秋深し村に秘蔵の木端仏

鴉鳴く釣瓶落しのノッポビル
こがめさん (8atk17xs)2023/10/12 20:18削除
第615回麦っこ投句

無花果や跡取りが来て味見する

マフラーの端が絡まるリュックサック

黄落や金網錆びし焼却所
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/10/10 08:31削除
615回投句
 無花果や跡継ぎのゐぬ産土社
 鈴本の跳ねて夜長の池之端
 明王の背負う火焔や秋深し
返信9
ふたばさん (8augfkle)2023/10/1 15:59 (No.73643)削除
第614回 出題

季語 : 秋蚕
文字 : 焚
雑詠
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/10/8 18:32削除
第614回 投句

子が走る天井裏の秋蚕棚
暮れなずむ村籾殻を焚く煙
野仏の崩れて坐る椿の実
天馬さん (8uov4p4u)2023/10/8 16:53削除
614投句

皇室の小石丸なる秋蚕かな
焚き口の湯加減どうだの声良夜
対岸の声の近さや秋澄めり
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/8 14:59削除
第614回 投句

終バスは六時秋蚕の眠る村
風呂焚くもスイッチ一つ雁渡し
秋思ふと動く歩道に身を委ね
ふたばさん (8augfkle)2023/10/7 14:32削除
第614回投句

指先に透ける秋蚕の重さかな
懸崖の枯菊を焚く父の背ナ
岩盤の湧水なるや新走り
ちこりんさん (8mmormpc)2023/10/7 11:53削除
614回 投句

風の郷秋蚕と睡る宿しんしん

秋冷の寝屋に焚きしむラベンダー

何処とも知らず鳴く虫朽ちる虫
こがめさん (8atk17xs)2023/10/6 19:05削除
第614回麦っこ投句

秋蚕の観察日記継続中

藁焚いて煙広がる苅田原

黄落や風を探せる風見鶏
不来方さん (8b8tdv36)2023/10/6 12:51削除
第614回投句

千年の系譜の山家秋蚕飼う

秋さぶや胸中深く焚く芥

一陣の風一服の昼の虫
まりさん (8md9x4e2)2023/10/4 21:59削除
614回投句

さわさわと桑食む秋蚕峡の暮
護摩焚きの読経一山曼殊沙華
秋水のひかりを違え音違え
太郎さん (8oylunww)2023/10/4 12:30削除
麦っこ614投句
駐在に灯点る頃や秋蚕眠る
火を焚いて嬶ら迎える 秋刀魚船
叩き売る陶器の音や黄落期
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/10/2 12:19削除
614回投句
秋蚕飼う西に諏訪湖を望む村

雁渡し風呂焚いている旅の宿

観音の朱の唇に宿る秋
返信10
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/24 14:56 (No.72869)削除
613お題

季語 : 虫
文字 : 読
雑詠
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/10/2 14:52削除
麦っこ613投句
サイフォンの香り俄に虫の声
更けて冷ややか辿り読む歎異抄
深更の臨蘭亭帖茶立虫
智美さん (8kfpafc0)2023/10/2 08:19削除
第613回  投句

杖頼る手紙投函昼の虫
捨てるはずの本読み始め秋の雷
思い出をたぐる鶏頭の零れ種
天馬さん (8uov4p4u)2023/10/1 18:04削除
613投句

北の地に虫の骸という現
積読のアウトドア本秋時雨
コオロギ科キリギリス科や天の川
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/1 17:34削除
第613回 投句

昼の虫縄文人の暗き家
読みかけの本の進まず衣被
新蕎麦ともっきりの酒宵の口
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/30 15:43削除
613回 投句
昼ちちろ小人の消えた童話館

A Iの誤読棒読秋薔薇

林道の小闇分け合い虫時雨
こがめさん (8atk17xs)2023/9/29 22:10削除
第613回麦っこ投句

静けさや雑木林の虫の声

秋の原風読み飛ばす紙飛行機

コーヒー待つテラスの前に富有柿
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/28 10:49削除
聞分けのよい子わるい子くつわ虫

秋暁やキンドルで読む歎異抄

時折は無口になりぬ新走り
まりさん (8md9x4e2)2023/9/27 22:34削除
613回投句

起重機の孤高の角度昼の虫
萩繚乱句読点無き離縁状
鵙の声機能訓練バー掴む
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/25 20:35削除
613回投句
 満天の星へ往信虫しぐれ
 句読点無き電子メールやそぞろ寒
 紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/9/18 15:09 (No.72295)削除
611回投句一覧&選句

「草の花」
草の花九十九里浜潮けぶり
草の花人見ていてもいなくても
草花に乳房浮いてる牧の山羊
あとさきの棄てられぬ欲草の花 
牧草のロール彩る草の花
草の花ビルの鉄骨建ち上がる
乗り鉄の愛でるホームの草の花
登校す秋の草花摘みためて

「豆」
秋彼岸父の遺影に豆ずり餅
残炎や御浜御殿の海紅豆
指曲がるまで働いて豆筵
山を愛で宿を褒めては新豆腐
豆名月窓に凭れるテディベア
豆を打つ埃の中に祖母がいる
豆筵避けて郵便配達夫
罪深き話あれこれ月見豆

「水に関すること」
本流も支流も豊かなる九月
源流はカルスト台地秋あかね  
椿の実沈んで水底明るくて
秋出水牛の鎖を解く解かぬ
水の秋電車傾きつつ走る
滔滔と利根火の色の鰯雲
灼くる園上向き蛇口水溢る
鳥渡る湧水の編む銀の紋
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/28 20:56削除
麦っこ611選句
「草の花」
○牧草のロール彩る草の花
 乾いた草をぐるぐる巻きににした牧草ロールは、重さが300kgにもなるという。その生彩を失った乾草に混じって散見される「草の花」が、未だに鮮やかな色と微かな香りを残していることに驚きもし、哀れをも感じているのである。

「豆」
○指曲がるまで働いて豆筵
 上五・中七0の説明は、長い生涯をひたすら働いてきた高齢の農業従事者の姿を如実に語って読み手の共感を呼ぶ。
 ただ、俳句の生命である「描写」という観点から見ると「指曲がるまで」は、いささか物足りない気もしないではない。

○豆を打つ埃の中に祖母がいる
 脱穀や豆打ちの作業からは煙のように埃が舞い立つ。その中で無心に立ち働く祖母には、前句と通じるような肉親への親しみと同時に逞しく生きる祖先への尊敬の念を禁じ得ないのである。
「いる」に表される老農婦の存在感は見る者の心を打つものがある。

「水」
◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
 湧水が水面に展開する澄明で微妙な文様を「銀の紋」という。この暗喩や擬人が流れるような調べと共に一句を立ち姿のよい佳句に仕立てている。
 遥か上空をゆく渡り鳥の声や姿と呼応して、深まりゆく秋の季節感をしみじみと読む者の心に伝えてくるのである。
智美さん (8kfpafc0)2023/9/24 22:02削除
第611回  選句

◯草の花ビルの鉄骨建ち上がる
 鉄骨のビルが建ち上がっていく。その足元のコンクリートの隙間に咲いた小さな草の花。
 人工物と自然、硬と軟、大と小などの対比がいいなと・・・。

◯指曲がるまで働いて豆筵
◯豆筵避けて郵便配達夫
 小学生の頃、戦後すぐです!食料の買い出しに父の田舎によく連れて行かれました。
 祖母や伯母がよく働いていました。タバコや蚕や豆や・・。豆の筵は子ども心にも
 絶対踏んではいけないと思って歩いていたのを思い出します。

◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
 湧き出る水の輪に「湧水が編む」という喩えが素晴らしい。しかも実景として
 きちんと立ち上がって見えてくるのがいいと思います。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/23 20:41削除
611回 選句
○草の花人見ていてもいなくても
草の花に人としての有り様を見出した一句と思います。自身を信じて行動する事の大切さや美しさとは何かを考えさせてくれます。

◎豆を打つ埃の中に祖母がいる
私自身は祖母と暮らした事はなく、親しく話をした事もありません。祖母との縁は薄いのですが、埃の中の祖母の姿は、タバコ畑での祖母の姿に重なりました。あの時代の女性の姿。生き様。共感の一句です。

○秋出水牛の鎖を解く解かぬ
究極の選択をしなければならない、土壇場の臨場感が伝わります。下五がいいですね。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/23 11:51削除
611回選句
◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
 湧水の波紋が光を帯びて広がっていく様を、このように表現したところが巧い。
〇指曲がるまで働いて豆筵
 指曲がるまでとはなかなか詠めない。
〇豆筵避けて郵便配達夫
 庭一杯広げられた豆筵を避けながら郵便配達夫がやってくる。日常の何気ない景色の中に詩情がある。
〇滔滔と利根火の色の鰯雲
 雄大な利根川の流れ、空に目を転じると真っ赤に染まった鰯雲。大きな景が一句の中に収められている。
こがめさん (8atk17xs)2023/9/20 11:25削除
第611回麦っこ選句

〇乗り鉄の愛でるホームの草の花
〇水の秋電車傾きつつ走る
故郷のローカル線を思い出しています。帰りたいな。
無人駅でも地域の方がきれいに清掃しているようです。
「傾きつつ走る」表現が線路のある景の広がってきます。一番に新京成を思い出しましたが、「水の秋」からローカル線だろうな。

◎指曲がるまで働いて豆筵
〇豆を打つ埃の中に祖母がいる
「指曲がる」か、確かに曲がっているかたがいたな。どうしてかなと思いました。
二句とも働いている方への景をじっと見つめてる句だなと思います。
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/19 15:35削除
611選句

○草の花ビルの鉄骨建ち上がる
建設現場のきびきびした様子とそっと咲いている対比に惹かれました。
○豆を打つ埃の中に祖母がいる
祖母が農作業をしていた記憶は曖昧ですが、母と置き換えて頂きました。
○水の秋電車傾きつつ走る
やっと暑さの和らいだ当地です。涼しげな様子が伝わります。
◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
車で10分程の所にいくつも水の膨れている湧口があり、見るたびに夫が「落ちれば死ぬなー」と。銀の紋がすてきです。
まりさん (8md9x4e2)2023/9/18 21:13削除
611回選句

◎指曲がるまで働いて豆筵
こういう景が身近にあり、頭にあるから出て来る句。経験値がモノを言います。こういう句を大事にしてほしいと思います。「指曲がるまで働いて」リアルで身につまされます。事実は「腰曲がるまで」だったとしても、それでは平凡。

〇豆を打つ埃の中に祖母がいる
〇豆筵避けて郵便配達夫
豆を叩いている埃の中の祖母、豆筵をよけて郵便を届ける郵便夫、その地で、やさしくたくましく働いている人たちがイメージされます。こういう景は私の奥底にもあるのに引き出せず、豆名月などに逃げ込んだのをハンセイしているところです。
 
〇鳥渡る湧水の編む銀の紋
湧水の句には何度も挑戦しましたが、なかなか納得できませんでした。銀の紋かあ。季語もいい。
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/18 20:55削除
第611回選句

◯ あとさきの棄てられぬ欲草の花 
 「草の花」には人間のやることや思いは全てお見通し。

◯指曲がるまで働いて豆筵
◯豆を打つ埃の中に祖母がいる 
 2句とも大豆の取入から貯蔵までの作業をする人間像がリアル。遠き日の記憶が蘇って来た。

◯山を愛で宿を褒めては新豆腐
 新豆腐は何と言っても水が一番大事。清流の地の山宿の新豆腐はさぞかし美味、至福の時だろう。

◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
 湧水の織りなす波紋の美を見下ろす渡り鳥。中七の措辞に惹かれた。
返信8
太郎さん (8oylunww)2023/9/16 12:55 (No.72066)削除
麦っこ612出題
◇季 語   鰯雲
◇文 字   車
◇テーマ   趣味
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/9/24 22:08削除
第612回4投句

鰯雲津波到達地点の碑
休日のSL列車芒原
客迎える茶室根〆の秋海棠
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/24 21:09削除
612回 投句

突堤に消えた灯台鰯雲

戦場の長き車塵や雁渡し

巡礼の幽けき調べ寺の秋
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/24 18:10削除
第612回 投句

鰯雲ホームベースへ滑り込む
起震車の試乗体験曼殊沙華
長き夜旅の写真のマリア像
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/24 16:27削除
612投句

畑仕舞いの腰とんとんと鰯雲
秋澄めりドアマン辞儀の車寄せ
新刊の帯を外してより夜長
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/22 17:04削除
第612回投句

鰯雲明日はいづくに帰らんか

車座の氏子総会新走り

連衆と競う恋の座月見舟
こがめさん (8atk17xs)2023/9/20 23:27削除
第612回麦っこ投句

エプロンは保母の制服鰯雲

敬老日車の免許返す話  

絵手紙にまだら模様の柿紅葉
太郎さん (8oylunww)2023/9/20 13:42削除
麦っこ612投句
トランペットの高音月明の鰯雲
秋風をすり抜けていく一輪車
ひるの憩いの「楽興の時」秋うらら
まりさん (8md9x4e2)2023/9/19 10:48削除
612回投句

雑踏へPOLICEの背中鰯雲
未だ秋噛めぬ歯車九月尽
末成りの糸瓜十七文字の詩語
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/18 08:45削除
612回投句
銀座には横文字ばかり鰯雲
旧道の廃車置場や虫時雨
播磨屋の見得眼裏に秀山祭
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/9/10 20:50 (No.71502)削除
610回投句一覧&選句

「爽やか」
立ち漕ぎて向う朝練風さやか
爽やかや平常気圧に戻る空
爽やかや海へ奏でる愛の鐘
爽やかや雲なき富士の黒々と
テニス部の練習さやかラリーの音
爽やかや二百余文字の写経了え
爽やかや馬体を撫でて光る風
爽やかや男ばかりの貸農園
爽やかやいつも変わらぬ友とゐて

「美」
美肌湯の広告塔や秋桜
讃美歌のカノン月明の時計台
虫すだく一滴おとす美容液
走り蕎麦美食家にして大食漢
「美女ありき」ビビアン・リーは秋の薔薇
ゆるやかな稜線美男葛の実
秋天や鋲美しき大手門
美術展出てライオンの貌となる
雲疾る行き合いの空美し国

「動物」
月天心黒猫よぎる広小路
かなかなのソプラノつくつくのアルト
昔はもっと優しかったと鉦叩
地蔵盆畏まりたるいぼむしり
草々に潜む飛蝗や休耕田
白鳩の朝の定位置小鳥寄る
赤とんぼ交む太古の息吹して
やせ細る狸に出会う秋の暮
月光の廃墟彷徨う野犬かな
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/9/24 21:32削除
第610回  選句

◯爽やかや二百余文字の写経了え

◯讃美歌のカノン月明の時計台

◯月天心黒猫よぎる広小路

◎赤とんぼ交む太古の息吹して
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/24 19:28削除
麦っこ610選句
○爽やかや男バリの貸農園
 NPO法人船橋市時活村は、定年後に誰もが持つ10万時間の余暇時間ををはずんで生きるための事業を行い、生涯学習の実践に寄与している。令和4年度は、コロナ禍のなかとはいえ、約40の一人一活行事に延べ6,600人が参加して活発な活動を展開した。一活行事の中に「自由農園」もあって掲句のような様相を呈している。数的に男性の方が多く、年齢層も高齢者や後期高齢者が多いのだが、爽やかな秋空の下、快い汗を流している。
◎雲疾る行き合いの空美し国
 「行き合い」は、二つの季節にまたがる時季で、「雲疾る」と「美し国」と併せると夏が過ぎて秋らしくなる頃の季節感がぴったりである。無季句であるが、春、夏、冬の感じはなく、秋そのものの感じが横溢している句である。
○地蔵盆畏まりたるいぼむしり
 六道の衆生を教化し救済するという地蔵の縁日は、いぼむしりも畏まっているのである。私にとって「いぼむしり」は、威嚇の姿勢しか印象になく、どうしても好きになれない生き物である。掲句の作者は、そんな蟷螂を暖かい、親しみの籠もった眼差しで見ているようである。
○赤とんぼ交む太古の息吹して
 とんぼがその発生の時以来永永と生命をつないできた営為を目の当たりにして「太古の息吹して」という。この世に存在する全ての生物の死生きる姿は、計り知れない程の「不思議」と「感動に満ちている。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/17 17:19削除
610回選句
◎赤とんぼ交む太古の息吹して
 後段の表現で、掲句の深みと広がりを感じます。
〇爽やかや雲なき富士の黒々と
 富士は夏の間は水蒸気を纏って姿を現さないが、秋に入ると急に黒々とした雄姿を見せ、爽やかな季節の訪れを感じさせる。
〇月天心黒猫よぎる広小路
 絵本に出てくるような懐かしい情景です。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/17 11:01削除
610回 選句
◎讃美歌のカノン月明の時計台
詩的な取り合わせ。カノンの調べが月明かりと響きあい、幸福感を感じます。
時計台はどこか暗示的です。

○ゆるやかな稜線美男葛の実
真っ赤な実と青む稜線の対比が美しい。日本に住んでこそ味わえる美しい秋。

○赤とんぼ交む太古の息吹きして
神武天皇?がかつて秋津国と謳った日本。時空を超えて変わらぬものを愛おしむ思いが伝わりました。
まりさん (8md9x4e2)2023/9/17 09:03削除
610選句

◎爽やかや馬体を撫でて光る風
「風光る」という春の季語(春の陽光の中をそよそよと吹き渡る風)ではないので、つやつやと光る馬体を撫でた風が光る…ということですよね。
こういうのを詩というのでしょう。詩の心を持つのは難しいですね。今日の句会で、わかりやすさだけではだめだ、「抽象性」「重層性」「飛躍」を、と言われました。現在の私にとって「抽象性」は背伸びすることでもあり、馴染まなくてコケルことでもあり。
ちこりんさんの
「樺太の父の風骨蜃気楼」 が好きで。 
どっしりとした明確な事実があっての「蜃気楼」という抽象性・重層性・飛躍、それを目指せたらなあ~。

〇秋天や鋲美しき大手門
大手門のあの大きな乳鋲。「美しき」はお題がないとなかなか使えない言葉だと思います。「そのまんま」とも言えますから。
しかし、シンプルに言い切った感が秋天にマッチして清々しいと思います。平明で仕立てのよい句には元気をもらいます。
句会では重層的な詩情を見逃していないかきばってしまうのでどっと疲れます。結果、あああの平明さが好きと思った句はやっぱりいい句だった・素直に頂けばよかったと思うことは多いのですが。

〇赤とんぼ交む太古の息吹して
正確にイメージはできませんが、「太古の息吹」を感じるのに正確である必要もないかとも思いました。
「赤とんぼ交む」は眼前の事実、後半は大いなる飛躍。蜻蛉の起源は何億年も前のようですが、その間、絶えることなく子孫を残す営みを続けてきたわけで、それはもうロマンというほかはありません。
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/16 14:37削除
610選句

○爽やかや雲なき富士の黒々と
◎爽やかや馬体を撫でて光る風
馬のしなやかさが良く伝わってきます。そして、丘陵に点在する馬、初秋の風、揺れる草の景が見えてきます。
○爽やかや男ばかりの貸農園
○ゆるやかな稜線美男葛の実
こがめさん (8atk17xs)2023/9/15 18:05削除
第610回麦っこ選句

〇爽やかや二百余文字の写経了え
心をこめて書いたのだろう。緊張感から開放された気持ちが伝わってきます。

◎爽やかや馬体を撫でて光る風
馬を大切にしている愛情がつたっわてきます。きれいに背等を拭いてあげているのだろう。「光る風」で伝わってきます。

〇月天心黒猫よぎる広小路
猫も月をみているのだるか。静けさをかんじます。

〇やせ細る狸に出会う秋の暮
びっくりしただろうな。狸の餌がないのだろうか。またはこの暑さで狸も夏痩せかな。
不来方さん (8jrlsjab)2023/9/11 09:53削除
第610回選句

◯爽やかや雲なき富士の黒々と
 富士山のシルエットがくっきりと見える。秋晴の大景。

◯ゆるやかな稜線美男葛の実
 「ゆるやか」「びなん」の言葉の響きに惹かれた。景もよく分かる。

◯月天心黒猫よぎる広小路
◯月光の廃墟彷徨う野犬かな
 月の光の織りなす動物の影が魅力的な二句。前句は「広小路」後句は「廃墟」の背景設定が(よぎる黒猫)と(彷徨う野犬)とうまくコラボしている。

◎赤とんぼ交む太古の息吹して
 蜻蛉は弥生時代の銅鐸の絵柄に遺っていると角川大歳時記にある。壮大な「太古の息吹」が無理なく心に響いてくる。
返信8