麦船橋句会

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こがめさん (8atk17xs)2023/9/10 16:08 (No.71485)削除
611回 麦っこお題

季語  草の花

文字  豆

テーマ 水に関すること
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/18 14:53削除
麦っこ611投句
草の花九十九里浜潮けぶり
残炎や御浜御殿の海紅豆
滔滔と利根火の色の鰯雲
智美さん (8kfpafc0)2023/9/17 21:50削除
第611回  投句

草の花人見ていてもいなくても
豆を打つ埃の中に祖母がいる
椿の実沈んで水底明るくて
こがめさん (8atk17xs)2023/9/17 16:59削除
第611回麦っこ投句

草花に乳房浮いてる牧の山羊

秋彼岸父の遺影に豆ずり餅

灼くる園上向き蛇口水溢る
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/17 13:49削除
611回 投句
あとさきの棄てられぬ欲草の花 

罪深き話あれこれ月見豆


鳥渡る湧水の編む銀の紋
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/17 13:18削除
611投句

牧草のロール彩る草の花
指曲がるまで働いて豆筵
秋出水牛の鎖を解く解かぬ
まりさん (8md9x4e2)2023/9/17 08:49削除
611回投句

草の花ビルの鉄骨建ち上がる
豆名月窓に凭れるテディベア
水の秋電車傾きつつ走る
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/15 22:31削除
第611回投句

乗り鉄の愛でるホームの草の花

豆筵避けて郵便配達夫

本流も支流も豊かなる九月
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/12 13:26削除
611回投句
登校す秋の草花摘みためて
山を愛で宿を褒めては新豆腐
源流はカルスト台地秋あかね
返信8
まりさん (8md9x4e2)2023/9/4 12:21 (No.70939)削除
609回投句一覧&選句

「秋の蝉」
秋の蝉千代田区千代田1-1
ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
髪を切る初めての店蝉の声
夕かなかな揃い地球の挽歌とも
定型の喪主挨拶や秋の蝉
筆塚へお礼参りの秋の蝉
小さき宮照らす一燈秋の蝉
今生の声嗄るるまで残る蝉
ひぐらしや落葉松林縫う轍

「林」
林の中酸素豊かや虫の声
竹林の宿坊遠き蝉の声
馬産地をつなぐ林道蔦紅葉
秋の日の透け白樺林無音
諍いの果てて林檎を剥く夫
齧りかけの林檎第二次反抗期
タワマンの林立飛散する秋日
葛なだる看板だけの営林署
処暑の風書林に浮かぶ薄埃

「色」
秋装う黒きマネキン雨の街
万物の色なき風に緩びけり
図書館の銀の踏台処暑の雨
金色の海に乗り出すコンバイン
皿秤にひと房そっと黒葡萄
暁紅の褪せるはやさや秋愁
朝顔のきのうと少し違う青
青々と育つ徒歩圏の葡萄園
告白は重し黒葡萄は甘し

ふたばさんは、ご都合により一か月ほどお休みとなります。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/11 17:15削除
麦っこ609選句
「秋の蝉」
〇夕かなかな揃い地球の挽歌とも
 林間の空気を揺るがして壮大な蜩のカノン。地球の挽歌…。
「林」
〇馬産地をつなぐ林道蔦紅葉
 上五・中七は、日本にこんなに広い土地があるのだろうかと思わせる景。樹木に絡んだ蔦紅葉の鮮やかな色彩。
〇囓りかけの林檎第二次反抗期
 卓の上に置かれた林檎の歯痕と頑なに黙した少年の横顔。
「色」
◎金色の海に乗り出すコンバイン
 稲刈りに出動するコンバインの雄姿。「金色の海」は、句末まで読んでひろびろと広がる瑞穂の田であることを納得する、適切な比喩である。。
 「コンバイン」は麦や玉蜀黍の収穫にも使われるので、古い人は季語であるかどうかと迷うこともあるかもしれない。「稲刈り機」とでも言えば正確であるが、「コンバイン」の
方が語感もよく調べにも合いそうだ。「海に」の「に」は、「へ」もあるがどちらでもよさそうだ。
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/10 17:58削除
609選句

◎齧りかけの林檎第二次反抗期
持って行きどころのない感情がよく伝わってきます。
○図書館の銀の踏台処暑の雨
静かさの表し方、勉強になりました。
○暁紅の褪せるはやさや秋愁
姫神山の朝焼け、見慣れていてもその都度見とれます。雲もすっかり秋になりました。
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/9 19:15削除
第609選句

◎ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
 藤沢周平と言えばドラマにもなった「蝉しぐれ」を思い出します。地名が味わい深いです。

〇竹林の宿坊遠き蝉の声
 実際にある宿なのでしょうか?「竹林の宿坊」一度泊まってみたくなります。
 
〇図書館の銀の踏台処暑の雨
 今まで何気なく見ていた物を「銀の踏台」と言われると、確かにと納得させられます。

〇金色の海に乗り出すコンバイン
 稲刈りの風景をダイナミックに表現し、爽やかです。

〇暁紅の褪せるはやさや秋愁
 日の出も大分遅くなりました。作者の立ち位置のよく見える句です。
智美さん (8kfpafc0)2023/9/9 18:20削除
609回  選句

◎ひぐらしや落葉松林縫う轍
 くっきりと轍の跡が残る林。もう間もなく落葉松がきらきらと舞い始めるのでしょう。轍も埋もれていきます。
 なんとも美しい景色!馬車でなくとも荷車でもいいから走ってみたい!

◯馬産地をつなぐ林道蔦紅葉
 この林道を抜けるとまた大きな牧場にでるのでしょう。もう紅葉し始めた林道も間もなく雪に覆われて次の春まで・・・。

◯図書館の銀の踏み台処暑の雨
 そういえば図書館の踏み台、銀色でしたね。とてもそこまで目が?、気が?、想像力が行き届きません。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/8 13:29削除
609回 選句

○定型の喪主挨拶や秋の蝉
秋の蝉は場違いに鳴く油蝉なども含まれるといいます。
定型という言葉にも作者の満たされない思いが滲んでいるように感じます。

○図書館の銀の踏台処暑の雨
色のお題に銀の踏み台と処暑を合わせた所に、作者らしい独自性と視点の良さが見えます。図書館の奥行ある景。

○金色の海へ乗り出すコンバイン
黄金に稔った稲。喜び溢れる一句。乗り出すは省略しても分かるので、別の描写は?と考えましたが、上手くいきませんでした。

◎暁紅の褪せるはやさや秋愁
中七に作者の詩的な感性が色濃く表れています。
納得の一句でした。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/8 10:50削除
◎金色の海に乗り出すコンバイン
 色付いた稲田を、金色の海と表現したところが巧い。
〇小さき宮照らす一燈秋の蝉
 蝉は早朝より啼き始めるので、これは日の出前の光景だろうか。静かな境内に秋蝉の声が響き渡る。
〇暁紅の褪せるはやさや秋愁
 朝焼けの美しさは、日の出とともに消えて行く。秋は何かにつけて儚さを感じさせる。
こがめさん (8atk17xs)2023/9/7 21:49削除
第609回麦っこ選句

〇諍いの果てて林檎を剥く夫
〇齧りかけの林檎第二次反抗期
「林檎」の働きが拡がってきました。下記の句のような取り合わせの句を作ってみたいなと思っていますが難しいです。

〇図書館の銀の踏台処暑の雨
図書館の「銀の踏台」に焦点化したことで図書館の景が拡がってきます。図書館に行ってどんな本を借りているのかな。

◎金色の海に乗り出すコンバイン
故郷の稲刈りの様子を思い出しています。「金色の海」から稲田の広さが伝わってきます。そして「コンバイン」の音が聞こえてきます。
農家の繁栄を願っています。
まりさん (8md9x4e2)2023/9/5 14:36削除
609回選句

◎ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
架空の藩「海坂藩」藤沢周平をもってきておしゃれ。こういう句も楽しくて夢があっていいなあと思いました。

〇金色の海に乗り出すコンバイン
常套的ではありますが、その分力強い。この酷暑の中を乗り切っていいお米がとれるといいのですが。

〇暁紅の褪せるはやさや秋愁
こういうのをすんなりと作るのが太郎さん。暁に「褪せる」をもってくるとはびっくり。

〇告白は重し黒葡萄は甘し
黒葡萄は濃厚なので、「黒葡萄の甘さも重し」の感があります。どちらも重かったに違いありません。選りすぐりの黒葡萄の乗った濃厚なパフェを食べながらの告白?これはきっぱりとお断りするしかありませぬ。
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/4 13:42削除
第609回選句

◯ ひぐらしや落葉松林縫う轍
 夏休みの終わった別荘地帯の景であろうか。蜩の声だけの静謐な世界。「縫う」轍が巧い。

◯ 諍いの果てて林檎を剥く夫
◯齧りかけの林檎第二次反抗期
 林檎の人事句二句。好対照ながら前句は微妙な夫婦の折り合いを林檎が取り持つ俳諧味が、後句は繊細かつ一途な思春期の象徴としての「齧りかけの林檎」が味わい深い。

◯ 金色の海に乗り出すコンバイン
 「金色の海」が言い得て妙。

◎ 暁紅の褪せるはやさや秋愁
 清少納言は「秋は夕暮れ」。太郎さんは「秋はあかとき」なのだろう。秋の「暁紅」の移ろいには、そこはかとないもののあわれを感じる。
返信9
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/2 11:03 (No.70774)削除
610回 麦っこお題

季語 爽やか

文字 美

テーマ 動物
返信
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/10 17:36削除
610投句

立ち漕ぎて向う朝練風さやか
虫すだく一滴おとす美容液
赤とんぼ交む太古の息吹して
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/10 17:07削除
第610回投句

爽やかや平常気圧に戻る空
走り蕎麦美食家にして大食漢
やせ細る狸に出会う秋の暮
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/9 20:30削除
610回 投句
爽やかや海へ奏でる愛の鐘

雲疾る行き合いの空美し国

月光の廃墟彷徨う野犬かな
智美さん (8kfpafc0)2023/9/9 17:53削除
第610回  投句

爽やかや雲なき富士の黒々と
秋天や鋲美しき大手門
地蔵盆畏まりたるいぼむしり
こがめさん (8atk17xs)2023/9/9 12:08削除
第610回麦っこ投句

テニス部の練習さやかラリーの音

美肌湯の広告塔や秋桜

草々に潜む飛蝗や休耕田
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/9 09:06削除
第610回投句

爽やかや二百余文字の写経了え

美術展出てライオンの貌となる

白鳩の朝の定位置小鳥寄る
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/8 11:02削除
麦っこ610投句
爽やかや馬体を撫でて光る風
讃美歌のカノン月明の時計台
月天心黒猫よぎる広小路
まりさん (8md9x4e2)2023/9/6 21:50削除
610回投句

爽やかや男ばかりの貸農園
ゆるやかな稜線美男葛の実
かなかなのソプラノつくつくのアルト
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/5 10:07削除
爽やかやいつも変わらぬ友とゐて
「美女ありき」ビビアン・リーは秋の薔薇
 昔はもっと優しかったと鉦叩
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/8/27 20:37 (No.70344)削除
608回投句一覧&選句

「青蜜柑」
正論は人傷つけて青蜜柑
青蜜柑一人息子の反抗期
海鳴りや夜の冷たき青蜜柑
徒競走の入賞リボン青蜜柑
幼児のくしゃくしゃ顔や青蜜柑
青蜜柑少年初めての挫折
青蜜柑仏間に燭を灯しけり
尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
夢目指すいつも青春青蜜柑
団欒も三人家族青蜜柑

「守」
峰雲や守備の乱れが命取り
若き父の梨切り分ける肥後守
馬追も守備につかせし草野球
蜩やかつて鎮守の杜ありし
妣の声残る留守電風は秋
墓守の義姉は八十路や蚯蚓鳴く
守秘の義務残暑を隔つ会議室
稲光バッグの底の守り札
田も山も守る長子の水の秋
桐一葉詩集に母の守り札

「雑詠」
一山を統べる蜩浄土かな
草の実や戦に遭わず喜寿となる
観音の茅葺屋根の草は実に
新涼の庭草々のなすがまま
宿坊の厠に添いし杜鵑
さりげなく優しい言葉草の花
異次元の少子化対策猫じゃらし
アスファルトの油膜七色街残暑
暁の守宮張りつく厨窓
ひらひらと招く手浜の盆踊


蒸暑いですが気温はほんの少し下がりました。
昨日から夜はエアコンを切って扇風機に。
コオロギと鐘叩が元気に鳴くようになりました。
20年ほど前からアオマツムシに気が付いていましたが、この頃はまるで虫の王者。
雑食のようですが、木の葉を好んで食べるようで公園などでは頭上から降るように鳴いています。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/4 20:33削除
麦っこ608選句
◎草の実や戦に遭わず喜寿となる
 九月になっても猛暑、熱帯夜のつづく昨今、それでも季が至れば野山の雑草も実をつけ、小鳥に食べられたり種を遠くに飛ばしたりして、この世のある限り命を繋いでいく。
 戦後生まれの作者は、その後戦禍にも大災害にも遭わずに天寿を全うしつつあり、僥倖に恵まれたという思いをしみじみと噛み締めているのだろう。「草の実」は、そんな自分と引き比べてまことに似つかわしい季語と言えるのではなかろうか。

〇アスファルトの油膜七色街残暑
〇ひらひらと招く手浜の盆踊
智美さん (8kfpafc0)2023/9/4 14:38削除
第608回  選句

◎青蜜柑仏間に燭を灯しけり
 毎日の事なのでしょうか。それともこの日は特別の日だったのでしょうか。
 青蜜柑が句に緊張感をもたらしています。

◯尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
 今はもう枝折戸のある風景は数少なくなりました。尼寺と枝折戸はよく合います。
 「裏へ」がいいです。枝折戸は一つの「結界」。

◯馬追も守備につかせし草野球
 外野の守備に付いたら、馬追が一斉に鳴いている。応援してくれているような・・。

◯桐一葉詩集に母の守り札
 小さな薄いお守りの挟まっていたページにはどんな詩が書いてあったのでしょうか・・・。

◯一山を統べる蜩浄土かな
 願わくばコスモス浄土、秋のチングルマ浄土を・・・。
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/4 11:00削除
608選句

○海鳴りや夜の冷たき青蜜柑
柑橘類が育たない当地。買って来て置かれている景しか浮かばないですが、海に面した密柑山なのかなと想像しました。
◎青蜜柑仏間に燭を灯しけり
父母が逝き遠くなった実家ですが、花や果物を供えて仏壇を守っている兄夫婦には本当に感謝です。
○尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
静けさと青蜜柑の清々しさの組み合わせに惹かれました。
○一山を統べる蜩浄土かな
車を少し走らせると山また山というところで暮らしてますが、掲句のように整った俳句はなかなか出来ずにいます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/3 08:56削除
608回選句
◎桐一葉詩集に母の守り札
 守り札といっても、小さなお守りで栞代わりに使っていたのだろう。詩をこよなく愛した母上が偲ばれる。
〇青蜜柑少年初めての挫折
 濃い緑色の未熟の青蜜柑は、少年期の不安定な精神状態を彷彿させる。
〇草の実や戦に遭わず喜寿となる
 喜寿とは、戦後から現在までの経過期間か、はたまた作者の齢か?いずれにしてもお目出度いことです。
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/2 16:08削除
第608回 選句

〇正論は人傷つけて青蜜柑
 正論は確かに正しい、でもそれだけでは生きていけない、それを知るのが齢を重ねるという事ですね。

〇馬追も守備につかせし草野球
 守備についていたら傍で虫の声が聞こえる。長閑でユーモアのある句です。

〇一山を統べる蜩浄土かな
 当方今年の夏は蝉の声が少なかったように思います。油蝉より蜩が早かったりしました。すっかり蜩の声に覆われた山は浄土でしょう。

◎草の実や戦に遭わず喜寿となる
 戦後に生まれ戦争の無い時代を77年、豊かとはいえなかった時代から今日まで、季語に共感しました。

〇新涼の庭草々のなすがまま
 あまりの暑さに草取りもままならなかった日々、草は夏を謳歌したことでしょう。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/2 09:49削除
608回 選句
○尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
濃い葉の隙間に未だ黒みを帯びて成る蜜柑。一景として季感を感じさせます。

○一山を統べる蜩浄土かな
聴覚が全て蜩に奪われた感覚が伝わります。

◎新涼の庭草々のなすがまま
夏の名残りの草たちが覆う庭にも秋の気配が。
細やかな感性が伝わります。

○アスファルトの油膜七色街残暑
暑さとアスファルトの油膜の取り合わせがいいですね。
ふたばさん (8augfkle)2023/9/1 22:35削除
第608回麦っこ選句

〇正論は人傷つけて青蜜柑
 正論は怖いですね。突きつけられると逃げ場がありませんから。季語が的確です。

◎妣の声残る留守電風は秋
 気が付いてみると、何度も聞き返している。消すに消せない気持ちが風の秋と響き合っています。

〇田も山も守る長子の水の秋
 農家を継いでいく責任と誇り。季語が効いています。

〇草の実や戦に遭わず喜寿となる
 戦争がなかった歳月に感謝して。これからも平和が続いてほしいという祈りがあります。
こがめさん (8atk17xs)2023/9/1 09:02削除
第608回麦っこ選句

〇幼児のくしゃくしゃ顔や青蜜柑
幼子の成長が楽しみです。「青蜜柑」に願いが籠っているように感じます。

〇馬追も守備につかせし草野球
草野球をやっている場所が浮かんできます。「馬追」も一緒に楽しんでいるような自然っていいな。

〇墓守の義姉は八十路や蚯蚓鳴く
〇田も山も守る長子の水の秋
田舎の実家のことを思い出します。「蜥蜴鳴く」「水の秋」から大変さや自然への感謝の気持ちが伺えます。自然だけでなく兄、姉に感謝しているのだろう。

◎草の実や戦に遭わず喜寿となる
幸せな時間です。これからもそうであって欲しいもです。「草の実」の季語がいいですね。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/29 14:29削除
608回選句

〇海鳴りや夜の冷たき青蜜柑
青蜜柑には、未熟な蜜柑という意味と、食べられるのに青い蜜柑という意味があり、とても使いにくい季語ですが、意外な効果を発揮すると思いました。
まだ少し酸っぱいけれど、仏壇用にと買った青蜜柑と解釈しました。背景の海鳴りは故郷、中七が雄弁です。
「桐一葉詩集に母の守り札」は取り合わせにも詩情がありいいなとは思ったのですが、「詩集」に引っ掛かりました。あの時代の自分の母を思うとね。無論これはこちらの勝手な思い。すみません。

◎青蜜柑仏間に燭を灯しけり
これはお題・青蜜柑で成功していると思いました。仏間に灯りをともすという展開がお見事。普通の蜜柑ではありきたり。白桃を持ってきても青蜜柑にはかなわない気がします。お題がなければ使わなかっただろう(多分)青蜜柑との取り合わせによって新鮮な景になったと思いました。それはお題俳句の「偶然の力・瞬発力」でもありますネ。

〇馬追も守備につかせし草野球
一読では職業の「馬追」が面白いと思いましたが(何せ南部馬の里ですから)、その後、アレこれは季語で虫の「馬追」かあと。つまりスイッチョン。岩手ではお盆とともにやってくる虫です。それもまた面白い視点です。「つかせし」の「し」には太郎さんのお考えを伺いたいと思います。

〇妣の声残る留守電風は秋
風は秋がぴったり。しっとりとしていて身につまされます。何年か前の句会に、「元気け」というお母さんの留守電の声を詠んだ句があって、その臨場感に感動しました。さりげなく「残る」にしたのかもしれませんが「遺る」も有りかな。
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/28 09:59削除
第608回選句

◯ 幼児のくしゃくしゃ顔や青蜜柑
 写実を下敷きに幼児の前途に馳せる思いがあたたかい。

◯ 妣の声残る留守電風は秋
 留守電に残っていた妣の声と季語が微妙に響き合っている。

◎ 桐一葉詩集に母の守り札
「桐一葉」の醸し出す詩情と、歳月を積み重ねた詩集の守り札の取合せがとてもいい。

◯ 草の実や戦に遭わず喜寿となる
 何事もなく喜寿おめでとうございます。「草の実」の斡旋が見事。

◯ アスファルトの油膜七色街残暑
 描写がリアル。それとアスファルトの油膜と残暑の長い長い歴史に共感。

「青蜜柑」と人事の取合せはとても相性がいいようで、今回も佳句揃い。絞り切れませんでした。
返信10
不来方さん (8jrlsjab)2023/8/27 11:27 (No.70295)削除
第609回出題

題詠   秋の蟬(傍題可)

文字詠  林

テーマ詠 色
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/4 09:18削除
麦っこ609投句
秋の蝉千代田区千代田1-1
竹林の宿坊遠き蝉の声
暁紅の褪せるはやさや秋愁
智美さん (8kfpafc0)2023/9/3 20:59削除
第609回  投句

ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
タワマンの林立飛散する秋日
朝顔のきのうと少し違う青
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/3 16:54削除
第609回 投句

髪を切る初めての店蝉の声

秋の日の透け白樺林無音

青々と育つ徒歩圏の葡萄園
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/3 16:05削除
第609回投句(一句目一字訂正)

夕かなかな揃い地球の挽歌とも

葛なだる看板だけの営林署

告白は重し黒葡萄は甘し
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/3 14:50削除
609投句

定型の喪主挨拶や秋の蝉
馬産地をつなぐ林道蔦紅葉
金色の海に乗り出すコンバイン
こがめさん (8atk17xs)2023/9/2 16:10削除
第609回麦っこ投句

筆塚へお礼参りの秋の蝉

林の中酸素豊かや虫の声

皿秤にひと房そっと黒葡萄
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/2 10:30削除
609回 投句

小さき宮照らす一燈秋の蝉

処暑の風書林に浮かぶ薄埃

秋装う黒きマネキン雨の街
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/29 21:51削除
609回投句

今生の声嗄るるまで残る蝉
諍いの果てて林檎を剥く夫
万物の色なき風に緩びけり
まりさん (8md9x4e2)2023/8/29 14:44削除
609回投句

ひぐらしや落葉松林縫う轍
齧りかけの林檎第二次反抗期
図書館の銀の踏台処暑の雨 

(船橋句会では、席題の文字詠では、その文字の入った季語は使わない、
季語以外の言葉で頑張るという暗黙の了解がありますが、「林檎」と使いました。)
返信9
智美さん (8kfpafc0)2023/9/3 20:54 (No.70897)削除
第609回  投句

ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
タワマンの林立飛散する秋日
朝顔のきのうと少し違う青
返信
返信0
まりさん (8md9x4e2)2023/8/21 09:59 (No.69795)削除
607回投句一覧&選句

「盆」
灯籠に揺れる野の花送盆
耳の形似たもの集う盂蘭盆会
盆休み前に数える薬箱
盆休み孫子あまたの隣家かな
盆用意畑の胡瓜庭の花
盆過ぎの空広々と雲流れ
真っ直ぐな胡瓜スーパーの草の市
義姉ひとり住む我が実家盆帰省
送盆翅あるものは翅畳み 

「実」
幼子の桑の実食べたベロをベー
青墨の実朝の歌七夕竹
玄関に散歩のたびの木の実かな
朝顔の摘まれ色水実験中
実柘榴たわわ村人誰も振りむかず
先生は園児の歩幅草は実に
草の実の飛んで子供の帰る道
蓮の実の飛んで風音生まれけり
実椿や御不動さんの裏通り

「雑詠」
汗飛ばすドラムロールの老楽士
原爆忌「はだしのゲン」は隣の子
椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
筋肉の震え美し洗い馬
身を灼いて五百羅漢の火照り顔
あぶれ蚊に血を与うるも生きること
敗戦忌無声フィルムの逆回転
「実はね」と始まる話秋暑し
揚げ立ての紫蘇巻の膳夏座敷 

天馬さんは欠席です。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/27 19:35削除
麦っこ607選句
〇送盆翅あるものは翅畳み
〇蓮の実の飛んで風音生まれけり
◎椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
 かくたわいもない事を繰り返している余生、まさに余輩のくらし、心境そのものである。
〇敗戦忌無声フィルムの逆回転
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/27 11:58削除
◎送盆翅あるものは翅畳み
 送り火を焚いてご先祖の御霊をあの世へ送る送盆。この時ばかりは翅をもつ小さな生き物も、威儀を正して霊送りに加わる。
〇盆用意畑の胡瓜庭の花
 こういった素朴な風習が今ではどのくらい残っているだろうか。
〇汗飛ばすドラムロールの老楽士
 老楽士の姿に自分を重ねて、「まだまだ」と闘志を奮い立たせているのだろう。
智美さん (8kfpafc0)2023/8/27 11:19削除
第607回  選句

◎送盆翅あるものは翅畳み
 先祖代々親から子へと伝わるお盆のしきたり。
 いつも通りやることをやり終え、安堵と静謐に満たされた作者がいる。
 「翅あるものは翅畳み」・・象徴的だが凄みがある。

○蓮の実の飛んで風音生まれけり
 視覚が刺激され、聴覚が動く。五感がよく働くようなゆったりとした暮らしがいいですね。
 そういえば、きのう今日、動く風が少し違ってきたような。

○汗とばすドラムロールの老楽士
○椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
 全く形の違う二句に引かれました。
 どちらも「季語」がしっかりと句の中で存在感を持っていて、人物像や情景がよく理解できる。
 一句目のきちんとした定型、二句目は自然体の語り口をそのまま仕立て上げたような句。
 つぶやきや語り口がそのまま「詩」になるのはむずかしいです。
ふたばさん (8augfkle)2023/8/26 22:20削除
第607回選句

○盆過ぎの空広々と雲流れ
 賑やかなお盆も過ぎ、空には秋の気配。中七から解放感が伝わってきます。

〇先生は園児の歩幅草は実に
 「園児の歩幅」の措辞に魅かれました。周囲に注意を怠りなく、園児の目線、園児の速度で散歩する。先生の優しさと心配りが感じられます。季語が効いています。

◎椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
 当たり前のようですが、このような句に仕立てるのは難しいと思いました。自然体で生きる姿勢がさりげなく表現されていて、魅力的です。

〇蓮の実の飛んで風音生まれけり
 とても繊細ですね。「風音生まれ」が絶妙です。
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/26 13:55削除
第607回 選句

〇盆用意畑の胡瓜庭の花
 今は何でも簡単に買える時代、ご先祖様が喜びそうな心の籠った品々です。
◎送盆翅あるものは翅畳み
 送り火を焚いた後の空っぽになった心、寂しさを感じます。
〇先生は園児の歩幅草は実に
 園外保育の様子、先生は頑張っているなと見掛ける度に思います。
〇蓮の実の飛んで風音生まれけり
 小さな風でも揺れる蓮の葉、「風音」が生まれたという表現に詩があります。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/26 10:04削除
607回 選句
○盆用意畑の胡瓜庭の花

故郷の盆迎えを思い出します。花は盆花と言われるポンポンダリアだったかなぁ。山歩きして草花を摘んできて供えたり。
懐かしい思い出が蘇ります。

◎盆過ぎの空広々と雲流れ

盆が過ぎると夏休みも終わる故郷。海辺もひっそりとし、水も風も冷たさを感じさせます。空も高くなり秋の雲が流れていく。
特別感のない一句ですが、永遠を感じます。

○椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
○あぶれ蚊に血を与うるも生きること

客観的に人の営みを詠まれており、人生とは?と振り返させる作品。
生きることとは?哲学的でもあるような。
こがめさん (8atk17xs)2023/8/23 22:10削除
第607回麦っこ選句

◎盆用意畑の胡瓜庭の花
実家の景を思い出します。畑で用意できるものはいつも育てていました。
普段の供花は花壇で育てていました。盆の時にお墓に供えるのは田んぼの畦道でみそはぎを取ってきたり、竜胆は近くの山で取ってきました。
今でも知り合いの方は花壇で育てて供花らにしています。

〇朝顔の摘まれ色水実験中
色水遊びを思い出しました。「実験中」からどんなことを調べているのかな。すてきな記録集ができるだろうな。

〇草の実の飛んで子供の帰る道
元気にあるいている子供の景が浮かんできます。草の実に触れながら、楽しそうに歩いているのだろう。

〇汗飛ばすドラムロールの老楽士
ドラムが大好きな方だろうな。「汗飛ばす」から身体全体で奏して素敵なメロデイーが流れている景が浮かんできます。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/22 08:42削除
607回選句

◎盆過ぎの空広々と雲流れ
共感。ここ千葉では感じませんが、故郷では盆を過ぎると空も景色も音も変わるのです。(今年はムリでしょうが。)この蒸し暑さから解放されて思い切り空を仰ぎたいものです。
稲刈って鳥入れかはる甲斐の空  福田甲子雄  
私の好きなこの句の雰囲気・景色に通じるものを感じました。

〇真っ直ぐな胡瓜スーパーの草の市
現代を切り取った句。草の市が盆の市であることを初めて知りました。確かに現代の草の市はスーパーや道の駅などの一角です。
智美さんの句「盆用意畑の胡瓜庭の花」には、実家の盆用意を思いました。3年ぶりに実家の墓参りをしましたが、野菜は無論、仏壇と墓への十数種類の花はすべて庭に咲いているものでした。母が植えた花も今年も咲いて。実家が今でもこういうかたちの中にあることを改めてありがたいと思いました。

〇蓮の実の飛んで風音生まれけり
蓮の実が木道に落ちて渇いた音を立てるのを何度も聞いたことがあります。実の落ちる音とともに秋らしい風に気が付いた…というところでしょうか。
「蓮の実飛ぶ」といいますが、蓮の実は鳳仙花のように弾け飛ぶ力は持っていないので、乾燥して穴がゆるゆるになり、風などで転がり落ちるのだと思います。しかしなぜか「飛んだぐらいの距離」にも落ちるのですよ。転がり落ちる瞬間を見てみたいものです。

〇敗戦忌無声フィルムの逆回転
「無声フィルムの逆回転」なるほどうまいなあと思いました。この句を◎にするか悩みましたが、私の”どこかが”足を引っ張ります。
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/21 10:39削除
第607回選句  

◯送盆翅あるものは翅畳み 
蜻蛉や蝶の翅を休めてある姿は人間の黙祷に通ずる。生きとし生けるものはみな代々の命の繋がりで今があるという思いがよく伝わってくる。

◯玄関に散歩のたびの木の実かな
何気ない行為のようでありながら、散歩の度に木の実を拾って帰る人は少ない。その自然との一体感ある日常に共感。

◯朝顔の摘まれ色水実験中
「色水実験」に記憶が数十年巻き戻った。懐かしい自由研究。

◯汗飛ばすドラムロールの老楽士
 どこのダンスホールであろうか。皺の手や眼差しなど老ドラマーの立ち居振舞いだけでなく、歩んで来た人生も見えるようだ。

◎敗戦忌無声フィルムの逆回転
第二次世界大戦は正に時間を巻き戻してみたい負の歴史。「逆回転」に強い反戦意識が込められている。
返信9
智美さん (8kfpafc0)2023/8/20 06:36 (No.69707)削除
第608回  出題

 季語   青蜜柑

 文字   守

 雑詠
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/27 18:33削除
608投句

正論は人傷つけて青蜜柑
馬追も守備につかせし草野球
アスファルトの油膜七色街残暑
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/27 17:04削除
麦っこ608投句
青蜜柑一人息子の反抗期
若き父の梨切り分ける肥後守
暁の守宮張りつく厨窓
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/27 11:59削除
608回 投句

海鳴りや夜の冷たき青蜜柑

桐一葉詩集に母の守り札

ひらひらと招く手浜の盆踊
智美さん (8kfpafc0)2023/8/27 11:25削除
第608回  投句

徒競走の入賞リボン青蜜柑
稲光バッグの底の守り札
新涼の庭草々のなすがまま
ふたばさん (8augfkle)2023/8/26 21:29削除
第608回麦っこ投句

幼児のくしゃくしゃ顔や青蜜柑
蜩やかつて鎮守の杜ありし
宿坊の厠に添いし杜鵑
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/26 19:04削除
第608回 投句

青蜜柑少年初めての挫折
妣の声残る留守電風は秋
さりげなく優しい言葉草の花
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/25 17:04削除
投稿者不来方さん******使い方
第608回投句

青蜜柑仏間に燭を灯しけり

田も山も守る長子の水の秋

一山を統べる蜩浄土かな
まりさん (8md9x4e2)2023/8/25 09:01削除
608回投句

尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
守秘の義務残暑を隔つ会議室
草の実や戦に遭わず喜寿となる
こがめさん (8atk17xs)2023/8/24 21:38削除
第608回麦っこ投句

夢目指すいつも青春青蜜柑

峰雲や守備の乱れが命取り

観音の茅葺屋根の草は実に
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/22 09:28削除
608回投句
団欒も三人家族青蜜柑

墓守の義姉は八十路や蚯蚓鳴く

異次元の少子化対策猫じゃらし
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/8/13 22:04 (No.69253)削除
606回投句一覧&選句

「原爆忌」
折鶴の嘴ずれて原爆忌
合掌のお洒落なネイル原爆忌
長崎忌オランダ坂に臨む海
許すまじの激しい書体広島忌
原爆忌赤い背中を忘るまじ
界隈の雀減りたる原爆忌
八月六日黙祷の空の碧 
原爆忌にはだしのゲンを読み返す
原爆忌コールタールがたぶたぶと
語り部のまた一人減り広島忌

「親」
親と子は酔いて一緒に蚊帳の中
五歳子の親友という汗疹の子
秋暑し検査結果に親展と
母親に抱きつく坊や日雷
蜩の近し両親眠る墓
子の知らぬ親のロマンスソーダ水
稲光父に呼ばれて逝った母
工作の親方は父夏休み
親権の話さらりとソーダ水
親指のハンドサインや雲は秋

「食べ物」
盆の膳の焼き紫蘇巻は母の味
ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
パリパリの羽根つき餃子今朝の秋
かき氷頭の芯を叩きつつ
心太話の接穂なくなりて
納豆に七味一振り今朝の秋
大筆に似たオクラ採る今朝の秋
大ぶりの三色御萩秋彼岸
順番の小さい子より西瓜割
白玉のまだほのぬるし母のこと

智美さん おかえりなさい!
嬉しいです。
ご無理のない範囲でご参加ください。
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/8/27 10:30削除
第606回  選句

◯長崎忌オランダ坂に臨む海
 あの日も今も、オランダ坂から望む海は同じ。穏やかで豊か・・・。

◯界隈の雀減りたる原爆忌
 環境がどんなに変わっても、あの悲しみと怒りは消えることはない。

◯子の知らぬ親のロマンスソーダ水
 私は親のロマンスをさんざん聞かされて育ちました。母と両親を知る周りの大人達から。
 ひるがえって、夫と息子の中が険悪な時代、息子からは、なんであんな親父と結婚したんだと・・。
 「ソーダ水」がいいです。

◎納豆に七味一振り今朝の秋
 「麦」誌8月号平山道子氏の文に
  『俳句は食べ物が一句のメインになる稀有な詩型であり、食べるという日常的な行動が
   そのまま詩になる文芸』とある。そして『食の句は先ず美味しそうであること』とある。
  納得の一句。作者の「七味」の句はどれもお洒落です。
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/23 19:59削除
606選句

◎折鶴の嘴ずれて原爆忌
○原爆忌赤い背中を忘るまじ
○稲光父に呼ばれて逝った母
○心太話の接穂なくなりて

コメントなしですみません。
ふたばさん (8augfkle)2023/8/19 21:02削除
第606回選

◎折り鶴の嘴ずれて原爆忌
 平和の象徴である折り鶴。広島サミットを下敷きに核廃絶がいかに難しいか。「嘴ずれて」が物語っているように思いました。(バイデン大統領が折り鶴を持参したとのニューもありました。)

〇親指のハンドサインや雲は秋
 ハンドサインと秋の雲の取り合わせに爽やかさを感じます。

〇ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ 
 「ラ・フランス」と詩が相まって素敵です。

〇納豆に七味一振り今朝の秋
 朝ごはんに納豆。七味一振りが効いています。(因みに私が最後に食べたいものは、
 炊き立てのご飯。熱々の味噌汁。そして納豆です)今朝の秋がいいですね。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/19 14:47削除
606回選句 
 ◎合掌のお洒落なネイル原爆忌
  戦後77年という時間の経過を感じさせられる句です。
 〇親指のハンドサインや雲は秋
  サムズアップはOKサイン。空のほうから秋がやって来た喜びのサインでしょうか。
 〇ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
  ラ・フランスには人知れぬ不思議な力が宿っており、子どもの能力を引き出している。
こがめさん (8atk17xs)2023/8/18 23:57削除
第606回麦っこ選句
◎合掌のお洒落なネイル原爆忌
原爆忌に合掌している女性の指は「お洒落なネイル」から現在の平和を実感できる。
当時の女性との対比しながら想像が膨らみます。

〇子の知らぬ親のロマンスソーダ水
〇親権の話さらりとソーダ水
「ソーダ水」の取り合わせを参考にしたいです。今度「ソーダ水」を飲んでみてイメージを膨らませたいです。

〇大筆に似たオクラ採る今朝の秋
家庭菜園でのオクラかな。「筆」の形に似ていますね。美味しいだろうな。
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/18 12:04削除
第606回 選句
 〇折鶴の嘴ずれて原爆忌
  千羽鶴の中の一羽でしょうか。幼子が折ったような出来かなと思いながらも一生懸命さを感じたのでしょう。
 
 〇子の知らぬ親のロマンスソーダ水
 〇親権の話さらりとソーダ水
  一方は軽く明るい、一方は重く暗いテーマですが、どちらも季語の「ソーダ水」が受け止めています。

 ◎ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
  思いがけない子の成長に戸惑が見えます。ラ・フランスと詩は響き合っていると思います。
 
 〇納豆に七味一振り今朝の秋
  納豆に七味、やったことはありませんが、立秋の朝には合いそうです。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/17 15:47削除
麦っこ606選句

「原爆忌」
◎合掌のおしゃれなネイル原爆忌
原爆忌の意義も内容も、78年の歳月を経て様変わりしているのは否めない事実であろう。それでも、惨禍としかいいようのないできごとをいつまでも忘れずに、核兵器の廃絶を願い、真の平和を希求するこころを引き継いで未来に伝え続けていかなければならない。その精神と行動を表現する形の上では、令和には令和の追悼のしかたがあってよいのだと思う。
「親」
〇親指のハンドサインや雲は秋
 爽やかに澄みきった空を流れる雲は、もうすでに秋の雲の佇まいである。“great”とか“fantastic”とか言って親指を立てたい気分である。親指のハンドサインとしては、“good” “OK”の意味のサムズアップがよく使われているが、国や地域によってはよくない意味に使われることもあるので注意が必要である。
「食べ物」
〇パリパリの羽根つき餃子今朝の秋
 休日の早めの昼食に行きつけの中華料理店でオーダーしたら、家庭ではなかなかできないような「羽根つき餃子」が出てきた。その模範的な餃子の見た目や食感を楽しみながら、今朝秋の季節感に浸っているのである。
〇納豆に七味一振り今朝の秋
 古人は、風の音や日の光の色のかすかな変化に、忍び寄る季節を感じとった。この句の作者も空の雲の色や空気の感触から秋の訪れを感じている。その気持ちが、納豆に七味を一振りという行動を引きおこしているのである。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/17 14:24削除
606回 選句

○原爆忌赤い背中を忘るまじ
ストレートな叫びが胸に痛い。30年以上前に平和記念館に初めて行った時の衝撃が蘇ります。

○五歳子の親友という汗疹の子
親友という大人びたことを言う汗疹の子に一票。
何とも言えない味のある一句。

◎ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
成長した子への戸惑いと喜びが伝わります。ラフランスのようなほの甘さがいいですね。

○納豆に七味一振り今朝の秋
食べ物の句は苦手でいつも悩みます。肩に力をいれずにさりげない日常を詠めばいいのですね。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/16 09:39削除
606回選句


◎折鶴の嘴ずれて原爆忌
中七のオリジナリティ(夏井いつきさんがよく使う言葉を借りて)がこの句を決めています。さすがの視点と落ち着き。

〇合掌のお洒落なネイル原爆忌
中七が現代的。原爆忌との落差。お洒落の「お」はどうしても句を甘くしてしまいますが、現代生活にとってはごくごく普通の言葉。伝統的な17文字の中の現代(流行)語は、どう使ってもしっくり収まらず手ごわいですが、私は使ってみたい。

〇長崎忌オランダ坂に臨む海
折鶴や合掌から離れて、こういう視点での原爆忌はすっと心に入ります。アタマを柔らかくしたいと思いました。

〇ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
半分は嬉しく、半分はやれやれ似てしまったか…?ラ・フランスにはまだ早いですが、ここはこの季語でなくっちゃ!俳句ではないのです。シャンソンのような詩を書いているのかもしれませんし。

〇パリパリの羽根つき餃子今朝の秋
こういう素っ気ないからっとした詩情も好き。秋がパリパリと渇いた音を立ててやってきた感じ。(現実は未だ飽和状態に近い湿度の蒸し暑さですが。ま、朝から餃子?とは思いましたよ。)
不来方さん (8jrlsjab)2023/8/14 09:37削除
第606回選句

◎折鶴の嘴ずれて原爆忌
 折鶴と原爆忌の取合せの句は比較的よくみるが、この句は「嘴ずれて」と諧謔的に折鶴を詠んだ。却って祈りの深さ強さがよく分かる。同じ取合せでも七音でこんな個性的な「原爆忌」になるとは正しく俳句の醍醐味。

◯合掌のお洒落なネイル原爆忌
 この原爆忌の句は、「現代現在今日」の原爆忌。当時なら考えられなかったようなお洒落な時代を生きる現代人も「反原爆」の思いは同じ。時代を超えた祈りの句である。

◯秋暑し検査結果に親展と
 「親展」に、一寸した驚きと安堵感の入り混じった俳味が込められている。

◯子の知らぬ親のロマンスソーダ水
 親のロマンスは(私も含めて)一般的には余り語り継がれない。「ソーダ水」は世代を超えた愛の飲み物かも知れない。どんな愛かはそれぞれ。


◯心太話の接穂なくなりて
 「心太」は人事句との相性はピッタリだがそれゆえ類想の罠に嵌りやすい。掲句はさりげない「接穂」を添えるだけで類想を超えている。誰しも人生の一場面で経験していることを詠んで味わい深い。
返信10
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/14 08:18 (No.69271)削除
607回出題(回数訂正)
季語 盆(傍題可)
文字 実
雑詠
返信
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/21 06:10削除
607回 投句
遅れてすみません。

灯籠に揺れる野の花送盆

実椿や御不動さんの裏通り

敗戦忌無声フィルムの逆回転
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/20 18:34削除
第607回投句

耳の形似たもの集う盂蘭盆会
朝顔の摘まれ色水実験中
「実はね」と始まる話秋暑し
こがめさん (8atk17xs)2023/8/20 14:36削除
第607回麦っこ投句

盆休み前に数える薬箱

幼子の桑の実食べたベロをベー

揚げ立ての紫蘇巻の膳夏座敷
ふたばさん (8augfkle)2023/8/19 21:52削除
第607回 

盆休み孫子あまたの隣家かな
玄関に散歩のたびの木の実かな
筋肉の震え美し洗い馬
智美さん (8kfpafc0)2023/8/19 13:58削除
第607回  投句

盆用意畑の胡瓜庭の花
草の実の飛んで子供の帰る道
身を灼いて五百羅漢の火照り顔
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/19 12:21削除
第607回投句

盆過ぎの空広々と雲流れ

蓮の実の飛んで風音生まれけり

あぶれ蚊に血を与うるも生きること
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/17 16:15削除
麦っこ607投句
真っ直ぐな胡瓜スーパーの草の市
青墨の実朝の歌七夕竹
汗飛ばすドラムロールの老楽士
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/16 17:50削除
607回投句

義姉ひとり住む我が実家盆帰省

実柘榴たわわ村人誰も振りむかず

原爆忌「はだしのゲン」は隣の子
まりさん (8md9x4e2)2023/8/16 09:37削除
607回投句

送盆翅あるものは翅畳み 
先生は園児の歩幅草は実に
椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
返信9