麦船橋句会

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掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/8 09:27 (No.74338)削除
第615回麦っこ お題

 季語     無花果
 文字     端
 当季雑詠

  よろしくお願いいたします。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/10/16 20:59削除
麦っこ615投句
無花果熟れ牛らひたすら草を食む
後の月銀座の端の定食屋
碧空や無花果熟るる法学部
智美さん (8kfpafc0)2023/10/16 18:42削除
第615回 投句

食べ頃の無花果探す朝の庭
山の端に月登り来る弥陀ヶ原
満月や瓦礫の街の子の涙
ちこりんさん (8mmormpc)2023/10/16 14:54削除
615回 投句
無花果や種の数ほど愛がある

終点は島の突端秋深む

鯖雲へ生るる若き波しぶき
ふたばさん (8augfkle)2023/10/14 23:52削除
第615回投句

仏壇の無花果下げて話継ぐ
端座して虫の音を聞く猫の居て
病得て木偶の眼にひつじ雲
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/14 10:55削除
第615回 投句

おもちゃで喧嘩いちじくを半分こ
夢の端に母どこまでも秋桜
水枯れた井戸がそのまま金木犀
まりさん (8md9x4e2)2023/10/13 10:49削除
615回投句

無花果やものは平たく良いほうに
十三夜端切れの眠る小抽斗
鳥影は塒へ筑波まで刈田

615回の投句一覧発表は16日(月)の深夜になります。
不来方さん (8b8tdv36)2023/10/13 08:21削除
第615回投句

無花果啜る少年の日の飢餓に似て

秋深し村に秘蔵の木端仏

鴉鳴く釣瓶落しのノッポビル
こがめさん (8atk17xs)2023/10/12 20:18削除
第615回麦っこ投句

無花果や跡取りが来て味見する

マフラーの端が絡まるリュックサック

黄落や金網錆びし焼却所
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/10/10 08:31削除
615回投句
 無花果や跡継ぎのゐぬ産土社
 鈴本の跳ねて夜長の池之端
 明王の背負う火焔や秋深し
返信9
ふたばさん (8augfkle)2023/10/1 15:59 (No.73643)削除
第614回 出題

季語 : 秋蚕
文字 : 焚
雑詠
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/10/8 18:32削除
第614回 投句

子が走る天井裏の秋蚕棚
暮れなずむ村籾殻を焚く煙
野仏の崩れて坐る椿の実
天馬さん (8uov4p4u)2023/10/8 16:53削除
614投句

皇室の小石丸なる秋蚕かな
焚き口の湯加減どうだの声良夜
対岸の声の近さや秋澄めり
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/8 14:59削除
第614回 投句

終バスは六時秋蚕の眠る村
風呂焚くもスイッチ一つ雁渡し
秋思ふと動く歩道に身を委ね
ふたばさん (8augfkle)2023/10/7 14:32削除
第614回投句

指先に透ける秋蚕の重さかな
懸崖の枯菊を焚く父の背ナ
岩盤の湧水なるや新走り
ちこりんさん (8mmormpc)2023/10/7 11:53削除
614回 投句

風の郷秋蚕と睡る宿しんしん

秋冷の寝屋に焚きしむラベンダー

何処とも知らず鳴く虫朽ちる虫
こがめさん (8atk17xs)2023/10/6 19:05削除
第614回麦っこ投句

秋蚕の観察日記継続中

藁焚いて煙広がる苅田原

黄落や風を探せる風見鶏
不来方さん (8b8tdv36)2023/10/6 12:51削除
第614回投句

千年の系譜の山家秋蚕飼う

秋さぶや胸中深く焚く芥

一陣の風一服の昼の虫
まりさん (8md9x4e2)2023/10/4 21:59削除
614回投句

さわさわと桑食む秋蚕峡の暮
護摩焚きの読経一山曼殊沙華
秋水のひかりを違え音違え
太郎さん (8oylunww)2023/10/4 12:30削除
麦っこ614投句
駐在に灯点る頃や秋蚕眠る
火を焚いて嬶ら迎える 秋刀魚船
叩き売る陶器の音や黄落期
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/10/2 12:19削除
614回投句
秋蚕飼う西に諏訪湖を望む村

雁渡し風呂焚いている旅の宿

観音の朱の唇に宿る秋
返信10
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/24 14:56 (No.72869)削除
613お題

季語 : 虫
文字 : 読
雑詠
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/10/2 14:52削除
麦っこ613投句
サイフォンの香り俄に虫の声
更けて冷ややか辿り読む歎異抄
深更の臨蘭亭帖茶立虫
智美さん (8kfpafc0)2023/10/2 08:19削除
第613回  投句

杖頼る手紙投函昼の虫
捨てるはずの本読み始め秋の雷
思い出をたぐる鶏頭の零れ種
天馬さん (8uov4p4u)2023/10/1 18:04削除
613投句

北の地に虫の骸という現
積読のアウトドア本秋時雨
コオロギ科キリギリス科や天の川
のんさん (8b8xe2bx)2023/10/1 17:34削除
第613回 投句

昼の虫縄文人の暗き家
読みかけの本の進まず衣被
新蕎麦ともっきりの酒宵の口
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/30 15:43削除
613回 投句
昼ちちろ小人の消えた童話館

A Iの誤読棒読秋薔薇

林道の小闇分け合い虫時雨
こがめさん (8atk17xs)2023/9/29 22:10削除
第613回麦っこ投句

静けさや雑木林の虫の声

秋の原風読み飛ばす紙飛行機

コーヒー待つテラスの前に富有柿
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/28 10:49削除
聞分けのよい子わるい子くつわ虫

秋暁やキンドルで読む歎異抄

時折は無口になりぬ新走り
まりさん (8md9x4e2)2023/9/27 22:34削除
613回投句

起重機の孤高の角度昼の虫
萩繚乱句読点無き離縁状
鵙の声機能訓練バー掴む
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/25 20:35削除
613回投句
 満天の星へ往信虫しぐれ
 句読点無き電子メールやそぞろ寒
 紙垂ゆらぐ田の神さぁに宿る秋
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/9/18 15:09 (No.72295)削除
611回投句一覧&選句

「草の花」
草の花九十九里浜潮けぶり
草の花人見ていてもいなくても
草花に乳房浮いてる牧の山羊
あとさきの棄てられぬ欲草の花 
牧草のロール彩る草の花
草の花ビルの鉄骨建ち上がる
乗り鉄の愛でるホームの草の花
登校す秋の草花摘みためて

「豆」
秋彼岸父の遺影に豆ずり餅
残炎や御浜御殿の海紅豆
指曲がるまで働いて豆筵
山を愛で宿を褒めては新豆腐
豆名月窓に凭れるテディベア
豆を打つ埃の中に祖母がいる
豆筵避けて郵便配達夫
罪深き話あれこれ月見豆

「水に関すること」
本流も支流も豊かなる九月
源流はカルスト台地秋あかね  
椿の実沈んで水底明るくて
秋出水牛の鎖を解く解かぬ
水の秋電車傾きつつ走る
滔滔と利根火の色の鰯雲
灼くる園上向き蛇口水溢る
鳥渡る湧水の編む銀の紋
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/28 20:56削除
麦っこ611選句
「草の花」
○牧草のロール彩る草の花
 乾いた草をぐるぐる巻きににした牧草ロールは、重さが300kgにもなるという。その生彩を失った乾草に混じって散見される「草の花」が、未だに鮮やかな色と微かな香りを残していることに驚きもし、哀れをも感じているのである。

「豆」
○指曲がるまで働いて豆筵
 上五・中七0の説明は、長い生涯をひたすら働いてきた高齢の農業従事者の姿を如実に語って読み手の共感を呼ぶ。
 ただ、俳句の生命である「描写」という観点から見ると「指曲がるまで」は、いささか物足りない気もしないではない。

○豆を打つ埃の中に祖母がいる
 脱穀や豆打ちの作業からは煙のように埃が舞い立つ。その中で無心に立ち働く祖母には、前句と通じるような肉親への親しみと同時に逞しく生きる祖先への尊敬の念を禁じ得ないのである。
「いる」に表される老農婦の存在感は見る者の心を打つものがある。

「水」
◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
 湧水が水面に展開する澄明で微妙な文様を「銀の紋」という。この暗喩や擬人が流れるような調べと共に一句を立ち姿のよい佳句に仕立てている。
 遥か上空をゆく渡り鳥の声や姿と呼応して、深まりゆく秋の季節感をしみじみと読む者の心に伝えてくるのである。
智美さん (8kfpafc0)2023/9/24 22:02削除
第611回  選句

◯草の花ビルの鉄骨建ち上がる
 鉄骨のビルが建ち上がっていく。その足元のコンクリートの隙間に咲いた小さな草の花。
 人工物と自然、硬と軟、大と小などの対比がいいなと・・・。

◯指曲がるまで働いて豆筵
◯豆筵避けて郵便配達夫
 小学生の頃、戦後すぐです!食料の買い出しに父の田舎によく連れて行かれました。
 祖母や伯母がよく働いていました。タバコや蚕や豆や・・。豆の筵は子ども心にも
 絶対踏んではいけないと思って歩いていたのを思い出します。

◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
 湧き出る水の輪に「湧水が編む」という喩えが素晴らしい。しかも実景として
 きちんと立ち上がって見えてくるのがいいと思います。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/23 20:41削除
611回 選句
○草の花人見ていてもいなくても
草の花に人としての有り様を見出した一句と思います。自身を信じて行動する事の大切さや美しさとは何かを考えさせてくれます。

◎豆を打つ埃の中に祖母がいる
私自身は祖母と暮らした事はなく、親しく話をした事もありません。祖母との縁は薄いのですが、埃の中の祖母の姿は、タバコ畑での祖母の姿に重なりました。あの時代の女性の姿。生き様。共感の一句です。

○秋出水牛の鎖を解く解かぬ
究極の選択をしなければならない、土壇場の臨場感が伝わります。下五がいいですね。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/23 11:51削除
611回選句
◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
 湧水の波紋が光を帯びて広がっていく様を、このように表現したところが巧い。
〇指曲がるまで働いて豆筵
 指曲がるまでとはなかなか詠めない。
〇豆筵避けて郵便配達夫
 庭一杯広げられた豆筵を避けながら郵便配達夫がやってくる。日常の何気ない景色の中に詩情がある。
〇滔滔と利根火の色の鰯雲
 雄大な利根川の流れ、空に目を転じると真っ赤に染まった鰯雲。大きな景が一句の中に収められている。
こがめさん (8atk17xs)2023/9/20 11:25削除
第611回麦っこ選句

〇乗り鉄の愛でるホームの草の花
〇水の秋電車傾きつつ走る
故郷のローカル線を思い出しています。帰りたいな。
無人駅でも地域の方がきれいに清掃しているようです。
「傾きつつ走る」表現が線路のある景の広がってきます。一番に新京成を思い出しましたが、「水の秋」からローカル線だろうな。

◎指曲がるまで働いて豆筵
〇豆を打つ埃の中に祖母がいる
「指曲がる」か、確かに曲がっているかたがいたな。どうしてかなと思いました。
二句とも働いている方への景をじっと見つめてる句だなと思います。
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/19 15:35削除
611選句

○草の花ビルの鉄骨建ち上がる
建設現場のきびきびした様子とそっと咲いている対比に惹かれました。
○豆を打つ埃の中に祖母がいる
祖母が農作業をしていた記憶は曖昧ですが、母と置き換えて頂きました。
○水の秋電車傾きつつ走る
やっと暑さの和らいだ当地です。涼しげな様子が伝わります。
◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
車で10分程の所にいくつも水の膨れている湧口があり、見るたびに夫が「落ちれば死ぬなー」と。銀の紋がすてきです。
まりさん (8md9x4e2)2023/9/18 21:13削除
611回選句

◎指曲がるまで働いて豆筵
こういう景が身近にあり、頭にあるから出て来る句。経験値がモノを言います。こういう句を大事にしてほしいと思います。「指曲がるまで働いて」リアルで身につまされます。事実は「腰曲がるまで」だったとしても、それでは平凡。

〇豆を打つ埃の中に祖母がいる
〇豆筵避けて郵便配達夫
豆を叩いている埃の中の祖母、豆筵をよけて郵便を届ける郵便夫、その地で、やさしくたくましく働いている人たちがイメージされます。こういう景は私の奥底にもあるのに引き出せず、豆名月などに逃げ込んだのをハンセイしているところです。
 
〇鳥渡る湧水の編む銀の紋
湧水の句には何度も挑戦しましたが、なかなか納得できませんでした。銀の紋かあ。季語もいい。
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/18 20:55削除
第611回選句

◯ あとさきの棄てられぬ欲草の花 
 「草の花」には人間のやることや思いは全てお見通し。

◯指曲がるまで働いて豆筵
◯豆を打つ埃の中に祖母がいる 
 2句とも大豆の取入から貯蔵までの作業をする人間像がリアル。遠き日の記憶が蘇って来た。

◯山を愛で宿を褒めては新豆腐
 新豆腐は何と言っても水が一番大事。清流の地の山宿の新豆腐はさぞかし美味、至福の時だろう。

◎鳥渡る湧水の編む銀の紋
 湧水の織りなす波紋の美を見下ろす渡り鳥。中七の措辞に惹かれた。
返信8
太郎さん (8oylunww)2023/9/16 12:55 (No.72066)削除
麦っこ612出題
◇季 語   鰯雲
◇文 字   車
◇テーマ   趣味
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/9/24 22:08削除
第612回4投句

鰯雲津波到達地点の碑
休日のSL列車芒原
客迎える茶室根〆の秋海棠
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/24 21:09削除
612回 投句

突堤に消えた灯台鰯雲

戦場の長き車塵や雁渡し

巡礼の幽けき調べ寺の秋
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/24 18:10削除
第612回 投句

鰯雲ホームベースへ滑り込む
起震車の試乗体験曼殊沙華
長き夜旅の写真のマリア像
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/24 16:27削除
612投句

畑仕舞いの腰とんとんと鰯雲
秋澄めりドアマン辞儀の車寄せ
新刊の帯を外してより夜長
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/22 17:04削除
第612回投句

鰯雲明日はいづくに帰らんか

車座の氏子総会新走り

連衆と競う恋の座月見舟
こがめさん (8atk17xs)2023/9/20 23:27削除
第612回麦っこ投句

エプロンは保母の制服鰯雲

敬老日車の免許返す話  

絵手紙にまだら模様の柿紅葉
太郎さん (8oylunww)2023/9/20 13:42削除
麦っこ612投句
トランペットの高音月明の鰯雲
秋風をすり抜けていく一輪車
ひるの憩いの「楽興の時」秋うらら
まりさん (8md9x4e2)2023/9/19 10:48削除
612回投句

雑踏へPOLICEの背中鰯雲
未だ秋噛めぬ歯車九月尽
末成りの糸瓜十七文字の詩語
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/18 08:45削除
612回投句
銀座には横文字ばかり鰯雲
旧道の廃車置場や虫時雨
播磨屋の見得眼裏に秀山祭
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/9/10 20:50 (No.71502)削除
610回投句一覧&選句

「爽やか」
立ち漕ぎて向う朝練風さやか
爽やかや平常気圧に戻る空
爽やかや海へ奏でる愛の鐘
爽やかや雲なき富士の黒々と
テニス部の練習さやかラリーの音
爽やかや二百余文字の写経了え
爽やかや馬体を撫でて光る風
爽やかや男ばかりの貸農園
爽やかやいつも変わらぬ友とゐて

「美」
美肌湯の広告塔や秋桜
讃美歌のカノン月明の時計台
虫すだく一滴おとす美容液
走り蕎麦美食家にして大食漢
「美女ありき」ビビアン・リーは秋の薔薇
ゆるやかな稜線美男葛の実
秋天や鋲美しき大手門
美術展出てライオンの貌となる
雲疾る行き合いの空美し国

「動物」
月天心黒猫よぎる広小路
かなかなのソプラノつくつくのアルト
昔はもっと優しかったと鉦叩
地蔵盆畏まりたるいぼむしり
草々に潜む飛蝗や休耕田
白鳩の朝の定位置小鳥寄る
赤とんぼ交む太古の息吹して
やせ細る狸に出会う秋の暮
月光の廃墟彷徨う野犬かな
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/9/24 21:32削除
第610回  選句

◯爽やかや二百余文字の写経了え

◯讃美歌のカノン月明の時計台

◯月天心黒猫よぎる広小路

◎赤とんぼ交む太古の息吹して
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/24 19:28削除
麦っこ610選句
○爽やかや男バリの貸農園
 NPO法人船橋市時活村は、定年後に誰もが持つ10万時間の余暇時間ををはずんで生きるための事業を行い、生涯学習の実践に寄与している。令和4年度は、コロナ禍のなかとはいえ、約40の一人一活行事に延べ6,600人が参加して活発な活動を展開した。一活行事の中に「自由農園」もあって掲句のような様相を呈している。数的に男性の方が多く、年齢層も高齢者や後期高齢者が多いのだが、爽やかな秋空の下、快い汗を流している。
◎雲疾る行き合いの空美し国
 「行き合い」は、二つの季節にまたがる時季で、「雲疾る」と「美し国」と併せると夏が過ぎて秋らしくなる頃の季節感がぴったりである。無季句であるが、春、夏、冬の感じはなく、秋そのものの感じが横溢している句である。
○地蔵盆畏まりたるいぼむしり
 六道の衆生を教化し救済するという地蔵の縁日は、いぼむしりも畏まっているのである。私にとって「いぼむしり」は、威嚇の姿勢しか印象になく、どうしても好きになれない生き物である。掲句の作者は、そんな蟷螂を暖かい、親しみの籠もった眼差しで見ているようである。
○赤とんぼ交む太古の息吹して
 とんぼがその発生の時以来永永と生命をつないできた営為を目の当たりにして「太古の息吹して」という。この世に存在する全ての生物の死生きる姿は、計り知れない程の「不思議」と「感動に満ちている。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/17 17:19削除
610回選句
◎赤とんぼ交む太古の息吹して
 後段の表現で、掲句の深みと広がりを感じます。
〇爽やかや雲なき富士の黒々と
 富士は夏の間は水蒸気を纏って姿を現さないが、秋に入ると急に黒々とした雄姿を見せ、爽やかな季節の訪れを感じさせる。
〇月天心黒猫よぎる広小路
 絵本に出てくるような懐かしい情景です。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/17 11:01削除
610回 選句
◎讃美歌のカノン月明の時計台
詩的な取り合わせ。カノンの調べが月明かりと響きあい、幸福感を感じます。
時計台はどこか暗示的です。

○ゆるやかな稜線美男葛の実
真っ赤な実と青む稜線の対比が美しい。日本に住んでこそ味わえる美しい秋。

○赤とんぼ交む太古の息吹きして
神武天皇?がかつて秋津国と謳った日本。時空を超えて変わらぬものを愛おしむ思いが伝わりました。
まりさん (8md9x4e2)2023/9/17 09:03削除
610選句

◎爽やかや馬体を撫でて光る風
「風光る」という春の季語(春の陽光の中をそよそよと吹き渡る風)ではないので、つやつやと光る馬体を撫でた風が光る…ということですよね。
こういうのを詩というのでしょう。詩の心を持つのは難しいですね。今日の句会で、わかりやすさだけではだめだ、「抽象性」「重層性」「飛躍」を、と言われました。現在の私にとって「抽象性」は背伸びすることでもあり、馴染まなくてコケルことでもあり。
ちこりんさんの
「樺太の父の風骨蜃気楼」 が好きで。 
どっしりとした明確な事実があっての「蜃気楼」という抽象性・重層性・飛躍、それを目指せたらなあ~。

〇秋天や鋲美しき大手門
大手門のあの大きな乳鋲。「美しき」はお題がないとなかなか使えない言葉だと思います。「そのまんま」とも言えますから。
しかし、シンプルに言い切った感が秋天にマッチして清々しいと思います。平明で仕立てのよい句には元気をもらいます。
句会では重層的な詩情を見逃していないかきばってしまうのでどっと疲れます。結果、あああの平明さが好きと思った句はやっぱりいい句だった・素直に頂けばよかったと思うことは多いのですが。

〇赤とんぼ交む太古の息吹して
正確にイメージはできませんが、「太古の息吹」を感じるのに正確である必要もないかとも思いました。
「赤とんぼ交む」は眼前の事実、後半は大いなる飛躍。蜻蛉の起源は何億年も前のようですが、その間、絶えることなく子孫を残す営みを続けてきたわけで、それはもうロマンというほかはありません。
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/16 14:37削除
610選句

○爽やかや雲なき富士の黒々と
◎爽やかや馬体を撫でて光る風
馬のしなやかさが良く伝わってきます。そして、丘陵に点在する馬、初秋の風、揺れる草の景が見えてきます。
○爽やかや男ばかりの貸農園
○ゆるやかな稜線美男葛の実
こがめさん (8atk17xs)2023/9/15 18:05削除
第610回麦っこ選句

〇爽やかや二百余文字の写経了え
心をこめて書いたのだろう。緊張感から開放された気持ちが伝わってきます。

◎爽やかや馬体を撫でて光る風
馬を大切にしている愛情がつたっわてきます。きれいに背等を拭いてあげているのだろう。「光る風」で伝わってきます。

〇月天心黒猫よぎる広小路
猫も月をみているのだるか。静けさをかんじます。

〇やせ細る狸に出会う秋の暮
びっくりしただろうな。狸の餌がないのだろうか。またはこの暑さで狸も夏痩せかな。
不来方さん (8jrlsjab)2023/9/11 09:53削除
第610回選句

◯爽やかや雲なき富士の黒々と
 富士山のシルエットがくっきりと見える。秋晴の大景。

◯ゆるやかな稜線美男葛の実
 「ゆるやか」「びなん」の言葉の響きに惹かれた。景もよく分かる。

◯月天心黒猫よぎる広小路
◯月光の廃墟彷徨う野犬かな
 月の光の織りなす動物の影が魅力的な二句。前句は「広小路」後句は「廃墟」の背景設定が(よぎる黒猫)と(彷徨う野犬)とうまくコラボしている。

◎赤とんぼ交む太古の息吹して
 蜻蛉は弥生時代の銅鐸の絵柄に遺っていると角川大歳時記にある。壮大な「太古の息吹」が無理なく心に響いてくる。
返信8
こがめさん (8atk17xs)2023/9/10 16:08 (No.71485)削除
611回 麦っこお題

季語  草の花

文字  豆

テーマ 水に関すること
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/18 14:53削除
麦っこ611投句
草の花九十九里浜潮けぶり
残炎や御浜御殿の海紅豆
滔滔と利根火の色の鰯雲
智美さん (8kfpafc0)2023/9/17 21:50削除
第611回  投句

草の花人見ていてもいなくても
豆を打つ埃の中に祖母がいる
椿の実沈んで水底明るくて
こがめさん (8atk17xs)2023/9/17 16:59削除
第611回麦っこ投句

草花に乳房浮いてる牧の山羊

秋彼岸父の遺影に豆ずり餅

灼くる園上向き蛇口水溢る
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/17 13:49削除
611回 投句
あとさきの棄てられぬ欲草の花 

罪深き話あれこれ月見豆


鳥渡る湧水の編む銀の紋
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/17 13:18削除
611投句

牧草のロール彩る草の花
指曲がるまで働いて豆筵
秋出水牛の鎖を解く解かぬ
まりさん (8md9x4e2)2023/9/17 08:49削除
611回投句

草の花ビルの鉄骨建ち上がる
豆名月窓に凭れるテディベア
水の秋電車傾きつつ走る
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/15 22:31削除
第611回投句

乗り鉄の愛でるホームの草の花

豆筵避けて郵便配達夫

本流も支流も豊かなる九月
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/12 13:26削除
611回投句
登校す秋の草花摘みためて
山を愛で宿を褒めては新豆腐
源流はカルスト台地秋あかね
返信8
まりさん (8md9x4e2)2023/9/4 12:21 (No.70939)削除
609回投句一覧&選句

「秋の蝉」
秋の蝉千代田区千代田1-1
ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
髪を切る初めての店蝉の声
夕かなかな揃い地球の挽歌とも
定型の喪主挨拶や秋の蝉
筆塚へお礼参りの秋の蝉
小さき宮照らす一燈秋の蝉
今生の声嗄るるまで残る蝉
ひぐらしや落葉松林縫う轍

「林」
林の中酸素豊かや虫の声
竹林の宿坊遠き蝉の声
馬産地をつなぐ林道蔦紅葉
秋の日の透け白樺林無音
諍いの果てて林檎を剥く夫
齧りかけの林檎第二次反抗期
タワマンの林立飛散する秋日
葛なだる看板だけの営林署
処暑の風書林に浮かぶ薄埃

「色」
秋装う黒きマネキン雨の街
万物の色なき風に緩びけり
図書館の銀の踏台処暑の雨
金色の海に乗り出すコンバイン
皿秤にひと房そっと黒葡萄
暁紅の褪せるはやさや秋愁
朝顔のきのうと少し違う青
青々と育つ徒歩圏の葡萄園
告白は重し黒葡萄は甘し

ふたばさんは、ご都合により一か月ほどお休みとなります。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/11 17:15削除
麦っこ609選句
「秋の蝉」
〇夕かなかな揃い地球の挽歌とも
 林間の空気を揺るがして壮大な蜩のカノン。地球の挽歌…。
「林」
〇馬産地をつなぐ林道蔦紅葉
 上五・中七は、日本にこんなに広い土地があるのだろうかと思わせる景。樹木に絡んだ蔦紅葉の鮮やかな色彩。
〇囓りかけの林檎第二次反抗期
 卓の上に置かれた林檎の歯痕と頑なに黙した少年の横顔。
「色」
◎金色の海に乗り出すコンバイン
 稲刈りに出動するコンバインの雄姿。「金色の海」は、句末まで読んでひろびろと広がる瑞穂の田であることを納得する、適切な比喩である。。
 「コンバイン」は麦や玉蜀黍の収穫にも使われるので、古い人は季語であるかどうかと迷うこともあるかもしれない。「稲刈り機」とでも言えば正確であるが、「コンバイン」の
方が語感もよく調べにも合いそうだ。「海に」の「に」は、「へ」もあるがどちらでもよさそうだ。
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/10 17:58削除
609選句

◎齧りかけの林檎第二次反抗期
持って行きどころのない感情がよく伝わってきます。
○図書館の銀の踏台処暑の雨
静かさの表し方、勉強になりました。
○暁紅の褪せるはやさや秋愁
姫神山の朝焼け、見慣れていてもその都度見とれます。雲もすっかり秋になりました。
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/9 19:15削除
第609選句

◎ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
 藤沢周平と言えばドラマにもなった「蝉しぐれ」を思い出します。地名が味わい深いです。

〇竹林の宿坊遠き蝉の声
 実際にある宿なのでしょうか?「竹林の宿坊」一度泊まってみたくなります。
 
〇図書館の銀の踏台処暑の雨
 今まで何気なく見ていた物を「銀の踏台」と言われると、確かにと納得させられます。

〇金色の海に乗り出すコンバイン
 稲刈りの風景をダイナミックに表現し、爽やかです。

〇暁紅の褪せるはやさや秋愁
 日の出も大分遅くなりました。作者の立ち位置のよく見える句です。
智美さん (8kfpafc0)2023/9/9 18:20削除
609回  選句

◎ひぐらしや落葉松林縫う轍
 くっきりと轍の跡が残る林。もう間もなく落葉松がきらきらと舞い始めるのでしょう。轍も埋もれていきます。
 なんとも美しい景色!馬車でなくとも荷車でもいいから走ってみたい!

◯馬産地をつなぐ林道蔦紅葉
 この林道を抜けるとまた大きな牧場にでるのでしょう。もう紅葉し始めた林道も間もなく雪に覆われて次の春まで・・・。

◯図書館の銀の踏み台処暑の雨
 そういえば図書館の踏み台、銀色でしたね。とてもそこまで目が?、気が?、想像力が行き届きません。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/8 13:29削除
609回 選句

○定型の喪主挨拶や秋の蝉
秋の蝉は場違いに鳴く油蝉なども含まれるといいます。
定型という言葉にも作者の満たされない思いが滲んでいるように感じます。

○図書館の銀の踏台処暑の雨
色のお題に銀の踏み台と処暑を合わせた所に、作者らしい独自性と視点の良さが見えます。図書館の奥行ある景。

○金色の海へ乗り出すコンバイン
黄金に稔った稲。喜び溢れる一句。乗り出すは省略しても分かるので、別の描写は?と考えましたが、上手くいきませんでした。

◎暁紅の褪せるはやさや秋愁
中七に作者の詩的な感性が色濃く表れています。
納得の一句でした。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/8 10:50削除
◎金色の海に乗り出すコンバイン
 色付いた稲田を、金色の海と表現したところが巧い。
〇小さき宮照らす一燈秋の蝉
 蝉は早朝より啼き始めるので、これは日の出前の光景だろうか。静かな境内に秋蝉の声が響き渡る。
〇暁紅の褪せるはやさや秋愁
 朝焼けの美しさは、日の出とともに消えて行く。秋は何かにつけて儚さを感じさせる。
こがめさん (8atk17xs)2023/9/7 21:49削除
第609回麦っこ選句

〇諍いの果てて林檎を剥く夫
〇齧りかけの林檎第二次反抗期
「林檎」の働きが拡がってきました。下記の句のような取り合わせの句を作ってみたいなと思っていますが難しいです。

〇図書館の銀の踏台処暑の雨
図書館の「銀の踏台」に焦点化したことで図書館の景が拡がってきます。図書館に行ってどんな本を借りているのかな。

◎金色の海に乗り出すコンバイン
故郷の稲刈りの様子を思い出しています。「金色の海」から稲田の広さが伝わってきます。そして「コンバイン」の音が聞こえてきます。
農家の繁栄を願っています。
まりさん (8md9x4e2)2023/9/5 14:36削除
609回選句

◎ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
架空の藩「海坂藩」藤沢周平をもってきておしゃれ。こういう句も楽しくて夢があっていいなあと思いました。

〇金色の海に乗り出すコンバイン
常套的ではありますが、その分力強い。この酷暑の中を乗り切っていいお米がとれるといいのですが。

〇暁紅の褪せるはやさや秋愁
こういうのをすんなりと作るのが太郎さん。暁に「褪せる」をもってくるとはびっくり。

〇告白は重し黒葡萄は甘し
黒葡萄は濃厚なので、「黒葡萄の甘さも重し」の感があります。どちらも重かったに違いありません。選りすぐりの黒葡萄の乗った濃厚なパフェを食べながらの告白?これはきっぱりとお断りするしかありませぬ。
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/4 13:42削除
第609回選句

◯ ひぐらしや落葉松林縫う轍
 夏休みの終わった別荘地帯の景であろうか。蜩の声だけの静謐な世界。「縫う」轍が巧い。

◯ 諍いの果てて林檎を剥く夫
◯齧りかけの林檎第二次反抗期
 林檎の人事句二句。好対照ながら前句は微妙な夫婦の折り合いを林檎が取り持つ俳諧味が、後句は繊細かつ一途な思春期の象徴としての「齧りかけの林檎」が味わい深い。

◯ 金色の海に乗り出すコンバイン
 「金色の海」が言い得て妙。

◎ 暁紅の褪せるはやさや秋愁
 清少納言は「秋は夕暮れ」。太郎さんは「秋はあかとき」なのだろう。秋の「暁紅」の移ろいには、そこはかとないもののあわれを感じる。
返信9
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/2 11:03 (No.70774)削除
610回 麦っこお題

季語 爽やか

文字 美

テーマ 動物
返信
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/10 17:36削除
610投句

立ち漕ぎて向う朝練風さやか
虫すだく一滴おとす美容液
赤とんぼ交む太古の息吹して
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/10 17:07削除
第610回投句

爽やかや平常気圧に戻る空
走り蕎麦美食家にして大食漢
やせ細る狸に出会う秋の暮
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/9 20:30削除
610回 投句
爽やかや海へ奏でる愛の鐘

雲疾る行き合いの空美し国

月光の廃墟彷徨う野犬かな
智美さん (8kfpafc0)2023/9/9 17:53削除
第610回  投句

爽やかや雲なき富士の黒々と
秋天や鋲美しき大手門
地蔵盆畏まりたるいぼむしり
こがめさん (8atk17xs)2023/9/9 12:08削除
第610回麦っこ投句

テニス部の練習さやかラリーの音

美肌湯の広告塔や秋桜

草々に潜む飛蝗や休耕田
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/9 09:06削除
第610回投句

爽やかや二百余文字の写経了え

美術展出てライオンの貌となる

白鳩の朝の定位置小鳥寄る
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/8 11:02削除
麦っこ610投句
爽やかや馬体を撫でて光る風
讃美歌のカノン月明の時計台
月天心黒猫よぎる広小路
まりさん (8md9x4e2)2023/9/6 21:50削除
610回投句

爽やかや男ばかりの貸農園
ゆるやかな稜線美男葛の実
かなかなのソプラノつくつくのアルト
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/5 10:07削除
爽やかやいつも変わらぬ友とゐて
「美女ありき」ビビアン・リーは秋の薔薇
 昔はもっと優しかったと鉦叩
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/8/27 20:37 (No.70344)削除
608回投句一覧&選句

「青蜜柑」
正論は人傷つけて青蜜柑
青蜜柑一人息子の反抗期
海鳴りや夜の冷たき青蜜柑
徒競走の入賞リボン青蜜柑
幼児のくしゃくしゃ顔や青蜜柑
青蜜柑少年初めての挫折
青蜜柑仏間に燭を灯しけり
尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
夢目指すいつも青春青蜜柑
団欒も三人家族青蜜柑

「守」
峰雲や守備の乱れが命取り
若き父の梨切り分ける肥後守
馬追も守備につかせし草野球
蜩やかつて鎮守の杜ありし
妣の声残る留守電風は秋
墓守の義姉は八十路や蚯蚓鳴く
守秘の義務残暑を隔つ会議室
稲光バッグの底の守り札
田も山も守る長子の水の秋
桐一葉詩集に母の守り札

「雑詠」
一山を統べる蜩浄土かな
草の実や戦に遭わず喜寿となる
観音の茅葺屋根の草は実に
新涼の庭草々のなすがまま
宿坊の厠に添いし杜鵑
さりげなく優しい言葉草の花
異次元の少子化対策猫じゃらし
アスファルトの油膜七色街残暑
暁の守宮張りつく厨窓
ひらひらと招く手浜の盆踊


蒸暑いですが気温はほんの少し下がりました。
昨日から夜はエアコンを切って扇風機に。
コオロギと鐘叩が元気に鳴くようになりました。
20年ほど前からアオマツムシに気が付いていましたが、この頃はまるで虫の王者。
雑食のようですが、木の葉を好んで食べるようで公園などでは頭上から降るように鳴いています。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/4 20:33削除
麦っこ608選句
◎草の実や戦に遭わず喜寿となる
 九月になっても猛暑、熱帯夜のつづく昨今、それでも季が至れば野山の雑草も実をつけ、小鳥に食べられたり種を遠くに飛ばしたりして、この世のある限り命を繋いでいく。
 戦後生まれの作者は、その後戦禍にも大災害にも遭わずに天寿を全うしつつあり、僥倖に恵まれたという思いをしみじみと噛み締めているのだろう。「草の実」は、そんな自分と引き比べてまことに似つかわしい季語と言えるのではなかろうか。

〇アスファルトの油膜七色街残暑
〇ひらひらと招く手浜の盆踊
智美さん (8kfpafc0)2023/9/4 14:38削除
第608回  選句

◎青蜜柑仏間に燭を灯しけり
 毎日の事なのでしょうか。それともこの日は特別の日だったのでしょうか。
 青蜜柑が句に緊張感をもたらしています。

◯尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
 今はもう枝折戸のある風景は数少なくなりました。尼寺と枝折戸はよく合います。
 「裏へ」がいいです。枝折戸は一つの「結界」。

◯馬追も守備につかせし草野球
 外野の守備に付いたら、馬追が一斉に鳴いている。応援してくれているような・・。

◯桐一葉詩集に母の守り札
 小さな薄いお守りの挟まっていたページにはどんな詩が書いてあったのでしょうか・・・。

◯一山を統べる蜩浄土かな
 願わくばコスモス浄土、秋のチングルマ浄土を・・・。
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/4 11:00削除
608選句

○海鳴りや夜の冷たき青蜜柑
柑橘類が育たない当地。買って来て置かれている景しか浮かばないですが、海に面した密柑山なのかなと想像しました。
◎青蜜柑仏間に燭を灯しけり
父母が逝き遠くなった実家ですが、花や果物を供えて仏壇を守っている兄夫婦には本当に感謝です。
○尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
静けさと青蜜柑の清々しさの組み合わせに惹かれました。
○一山を統べる蜩浄土かな
車を少し走らせると山また山というところで暮らしてますが、掲句のように整った俳句はなかなか出来ずにいます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/9/3 08:56削除
608回選句
◎桐一葉詩集に母の守り札
 守り札といっても、小さなお守りで栞代わりに使っていたのだろう。詩をこよなく愛した母上が偲ばれる。
〇青蜜柑少年初めての挫折
 濃い緑色の未熟の青蜜柑は、少年期の不安定な精神状態を彷彿させる。
〇草の実や戦に遭わず喜寿となる
 喜寿とは、戦後から現在までの経過期間か、はたまた作者の齢か?いずれにしてもお目出度いことです。
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/2 16:08削除
第608回 選句

〇正論は人傷つけて青蜜柑
 正論は確かに正しい、でもそれだけでは生きていけない、それを知るのが齢を重ねるという事ですね。

〇馬追も守備につかせし草野球
 守備についていたら傍で虫の声が聞こえる。長閑でユーモアのある句です。

〇一山を統べる蜩浄土かな
 当方今年の夏は蝉の声が少なかったように思います。油蝉より蜩が早かったりしました。すっかり蜩の声に覆われた山は浄土でしょう。

◎草の実や戦に遭わず喜寿となる
 戦後に生まれ戦争の無い時代を77年、豊かとはいえなかった時代から今日まで、季語に共感しました。

〇新涼の庭草々のなすがまま
 あまりの暑さに草取りもままならなかった日々、草は夏を謳歌したことでしょう。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/2 09:49削除
608回 選句
○尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
濃い葉の隙間に未だ黒みを帯びて成る蜜柑。一景として季感を感じさせます。

○一山を統べる蜩浄土かな
聴覚が全て蜩に奪われた感覚が伝わります。

◎新涼の庭草々のなすがまま
夏の名残りの草たちが覆う庭にも秋の気配が。
細やかな感性が伝わります。

○アスファルトの油膜七色街残暑
暑さとアスファルトの油膜の取り合わせがいいですね。
ふたばさん (8augfkle)2023/9/1 22:35削除
第608回麦っこ選句

〇正論は人傷つけて青蜜柑
 正論は怖いですね。突きつけられると逃げ場がありませんから。季語が的確です。

◎妣の声残る留守電風は秋
 気が付いてみると、何度も聞き返している。消すに消せない気持ちが風の秋と響き合っています。

〇田も山も守る長子の水の秋
 農家を継いでいく責任と誇り。季語が効いています。

〇草の実や戦に遭わず喜寿となる
 戦争がなかった歳月に感謝して。これからも平和が続いてほしいという祈りがあります。
こがめさん (8atk17xs)2023/9/1 09:02削除
第608回麦っこ選句

〇幼児のくしゃくしゃ顔や青蜜柑
幼子の成長が楽しみです。「青蜜柑」に願いが籠っているように感じます。

〇馬追も守備につかせし草野球
草野球をやっている場所が浮かんできます。「馬追」も一緒に楽しんでいるような自然っていいな。

〇墓守の義姉は八十路や蚯蚓鳴く
〇田も山も守る長子の水の秋
田舎の実家のことを思い出します。「蜥蜴鳴く」「水の秋」から大変さや自然への感謝の気持ちが伺えます。自然だけでなく兄、姉に感謝しているのだろう。

◎草の実や戦に遭わず喜寿となる
幸せな時間です。これからもそうであって欲しいもです。「草の実」の季語がいいですね。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/29 14:29削除
608回選句

〇海鳴りや夜の冷たき青蜜柑
青蜜柑には、未熟な蜜柑という意味と、食べられるのに青い蜜柑という意味があり、とても使いにくい季語ですが、意外な効果を発揮すると思いました。
まだ少し酸っぱいけれど、仏壇用にと買った青蜜柑と解釈しました。背景の海鳴りは故郷、中七が雄弁です。
「桐一葉詩集に母の守り札」は取り合わせにも詩情がありいいなとは思ったのですが、「詩集」に引っ掛かりました。あの時代の自分の母を思うとね。無論これはこちらの勝手な思い。すみません。

◎青蜜柑仏間に燭を灯しけり
これはお題・青蜜柑で成功していると思いました。仏間に灯りをともすという展開がお見事。普通の蜜柑ではありきたり。白桃を持ってきても青蜜柑にはかなわない気がします。お題がなければ使わなかっただろう(多分)青蜜柑との取り合わせによって新鮮な景になったと思いました。それはお題俳句の「偶然の力・瞬発力」でもありますネ。

〇馬追も守備につかせし草野球
一読では職業の「馬追」が面白いと思いましたが(何せ南部馬の里ですから)、その後、アレこれは季語で虫の「馬追」かあと。つまりスイッチョン。岩手ではお盆とともにやってくる虫です。それもまた面白い視点です。「つかせし」の「し」には太郎さんのお考えを伺いたいと思います。

〇妣の声残る留守電風は秋
風は秋がぴったり。しっとりとしていて身につまされます。何年か前の句会に、「元気け」というお母さんの留守電の声を詠んだ句があって、その臨場感に感動しました。さりげなく「残る」にしたのかもしれませんが「遺る」も有りかな。
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/28 09:59削除
第608回選句

◯ 幼児のくしゃくしゃ顔や青蜜柑
 写実を下敷きに幼児の前途に馳せる思いがあたたかい。

◯ 妣の声残る留守電風は秋
 留守電に残っていた妣の声と季語が微妙に響き合っている。

◎ 桐一葉詩集に母の守り札
「桐一葉」の醸し出す詩情と、歳月を積み重ねた詩集の守り札の取合せがとてもいい。

◯ 草の実や戦に遭わず喜寿となる
 何事もなく喜寿おめでとうございます。「草の実」の斡旋が見事。

◯ アスファルトの油膜七色街残暑
 描写がリアル。それとアスファルトの油膜と残暑の長い長い歴史に共感。

「青蜜柑」と人事の取合せはとても相性がいいようで、今回も佳句揃い。絞り切れませんでした。
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