麦船橋句会

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まりさん (8md9x4e2)2023/8/6 22:51 (No.68667)削除
605回投句一覧&選句

「水中花」
100luxにおとす照明水中花
競り終えた漁港の市場水中花
映り込むドームの翳り水中花
巣籠もりの良きこと探し水中花
美容師の鋏軽やか水中花
民宿の磯の香ほのと水中花
星の見えない空へ咲く水中花
百歳の閑かな訃報水中花
受診待ついつもの席の水中花

「駐」
駐在さん迷子をあやす夏祭
アロハシャツ干す駐在の物干場
整然と灼かれるサドル駐輪場
駐車場を横切って駅百日紅
炎帝が絡む海辺の駐車場
駐在所前水鉄砲のギャングたち
青柿のたわわに臨時駐車場
空砲の轟音駐屯地晩夏
手花火や駐在さんと迷い子と

「雑詠」
開店の回転扉今朝の秋
向日葵よ支柱に青と黄のテープ
声高に昭和を語るビール園
休耕地の飛蝗散らせる測量士
旨きもの鉢にあるらし蟻の列
地球儀をくるくる回す夜の秋
大伯母の流した浮名白日傘
基地よりの異国の国歌夏の雲
たっぷりの水で洗う手原爆忌
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/17 11:10削除
麦っこ605選句
◎美容師の鋏軽やか水中花
 熟年の美容師の手練の鋏捌きは、軽やかなリズムと爽やかな音で目にも耳にも快い。大きな鏡の前にさりげなく置かれた水中花も、明るい雰囲気の美容室の中で確かな存在感を示している。
○空砲の轟音駐屯地晩夏
 駐屯地の射撃演習は空砲とわかっていても恐怖心をそそり、今も交戦している戦地の空へ思いを致し、その心は晩夏の空気のように重い。
○大伯母の流した浮名白日傘
 欄間の端正な肖像や伝え聞く話によると謹厳な人間像が浮かぶが、ふと小耳に挟んだ話では、明治の時代にその身上に関する喧しい噂が世間に広まったという。矢絣と白日傘のよく似合う人だったらしいが、自分の中にもその血が流れているのかもしれない。
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/14 10:04削除
605選句

○美容師の鋏軽やか水中花
◎青柿のたわわに臨時駐車場
○空砲の轟音駐屯地晩夏
○声高に昭和を語るビール園
○基地よりの異国の国歌夏の雲
○たっぷりの水で洗う手原爆忌

コメントなしですみません。
ふたばさん (8augfkle)2023/8/12 23:52削除
第605回選句
〇民宿の磯の香ほのと水中花
 民宿と水中花の取り合わせが気に入りました。青春時代を思い出します。

〇アロハシャツ干す駐在の物干場
 アロハシャツに意外性があります。制服を脱げば、アロハシャツ着て出かけるおしゃれな青年
 かも。目の付け所がいいですね。

◯空砲の轟音駐屯地晩夏
 空砲であっても不安感があります。季語が効いてます。

◎たっぷりの水で洗う手原爆忌
 原爆忌と水は切り離せません。水を飲んで助かった人。水をのんで亡くなった人。書物や、映像で知ったことですが。重い現実です。
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/12 20:21削除
第605回 選句
〇民宿の磯の香ほのと水中花
 若い頃に房州の民宿に何回か行きましたが「水中花」は昭和の民宿を思い起こさせます。
◎アロハシャツ干す駐在の物干場
 昨日はどちらにお出かけだったのでしょうか?若いお巡りさんなのか、年配でもお洒落な人なのか、アロハシャツから色々と想像が膨らむ楽しい句です。
〇空砲の轟音駐屯地晩夏
 演習の空砲でしょうか。最後に置いた「晩夏」に味わいがあります。
〇大伯母の流した浮名白日傘
 昔は色々ありましたが、今は白い日傘の似合う素敵な老婦人、お会いしてみたいですね。
〇たっぷりの水で洗う手原爆忌
 どれだけの人が一口の水を求めながら亡くなったことか、水の大切さを改めて思い起こさせてくれます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/12 15:37削除
605回選句
◎たっぷりの水で洗う手原爆忌
 原爆被災者は、水を求めて苦しみながら亡くなったと聞く。蛇口をひねればすぐにたっぷりの水が出てくる。
 平和のありがたさ尊さをしみじみと感じる。
〇競り終えた漁港の市場水中花
 威勢のいい競りが終わった後の魚市場の静寂が瑞々しく詠まれている。
〇アロハシャツ干す駐在の物干場
〇手花火や駐在さんと迷い子と
 駐在さんの年恰好や人柄が偲ばれます。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/12 09:40削除
605回選句

〇星の見えない空へ咲く水中花
とんと目につかなくなった水中花だからこそ、取り合わせによって句が決まります。この取り合わせはいいなあと思いました。形が一物仕立てっぽいからでしょうか、言い回しがやや説明っぽく感じます。水中花を上五にすると断定がきついでしょうか。

◎整然と灼かれるサドル駐輪場
上五・中七のシンプルで的確な描写に惹かれます。下五はお題から離れて場所じゃないモノ・コトに直した方がいい句になるハズです!

〇空砲の轟音駐屯地晩夏
何かの儀式の空砲なのでしょうか。駐屯地という場所の重さと晩夏が合う気がします。

〇基地よりの異国の国歌夏の雲
戦争と直結する場所に働く異国の人々。国歌に対する思いの重さ。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/11 10:43削除
605回 選句
○星の見えない空へ咲く水中花
上五に水中花を置いた方が私の好みの型ですが。詩情を感じる一句です。
取り合わせがいいですね。

◎アロハシャツ干す駐在の物干場
消防士の句で設定が似た句がありましたが、アロハシャツの斡旋で、想像が膨らみます。町外れの小さな交番が浮かびました。

○炎帝が絡む海辺の駐車場
海辺に晒されている車たち。絡むで極限の暑さが伝わってきます。

○基地よりの異国の国歌夏の雲
異国の国歌でいただきました。国同士の軋轢が増す昨今。夏の雲に少し救いが。
こがめさん (8atk17xs)2023/8/10 12:28削除
第605回麦っこ選句

〇100luxにおとす照明水中花
「100lux」の表記から現代の生活感が伝わってきます。

〇整然と灼かれるサドル駐輪場
〇炎帝が絡む海辺の駐車場
駐輪場と駐車場の景が浮かんできます。「灼かれる」「炎帝 が絡む」から天候の様子が浮かんできます。

◎たっぷりの水で洗う手原爆忌
広島・長崎のことはテレビ、写真 、映画らでしか・・・。
「たっぷりの水」の大切さと平和の大切さが伝わってきます。
不来方さん (8jrlsjab)2023/8/7 09:27削除
第605回選句

◯100luxにおとす照明水中花
 俳句では使いにくい又は使おうと思わない「100lux」を使って俳句らしく仕立てる技量に脱帽。確かに100lux照明をおとして観る水中花は魅惑的ですね。

◯空砲の轟音駐屯地晩夏
 どこの自衛隊駐屯地であろうか。すぐに今年の3月に駐屯地開設された八重山連隊を思い浮かべる。「空砲の轟音」の不気味さと「晩夏」のさみしさが
ない混ぜになったような空虚感の残る句。

◯開店の回転扉今朝の秋
 立秋の日の開店とはめでたい。回転扉がある店なのでソコソコ大きな衣料店など。さり気ない音韻の遊び心も立秋と合っている。

◯向日葵よ支柱に青と黄のテープ
 日本にいてウクライナ戦争に思いを馳せて句にするのは難しい。掲句はウクライナの国花に国旗の色を重ねた。「よ」の呼びかけがとてもいい。

◎たっぷりの水で洗う手原爆忌
 令和五年と昭和二十年の八月六日九日の対比が眼目。原爆忌と水の句はよくある組み合わせだが、被爆者の水を求める悲惨な描写の句が多い。敢えて
「たっぷりの水」と現在の生活を言い切ることによって、原爆の悲惨さと平和希求の強い願いがよく伝わって来る。
返信9
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/6 12:08 (No.68620)削除
麦っこ 第606回 出題

季語   原爆忌(傍題可)
文字   親
テーマ  食べ物
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/8/13 21:52削除
第606回  投句

折鶴の嘴ずれて原爆忌
工作の親方は父夏休み
白玉のまだほのぬるし母のこと

  長い間お休みいたしまいた。痛みは取れましたが体全体が何やら不自由です。
  体も頭も心も休眠状態ですので、続くかどうか・・心もとない再出発です。
  よろしくお願い致します。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/13 17:58削除
三句目差し替え願います。

大ぶりの三色御萩秋彼岸
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/13 15:36削除
第606回 投句

合掌のお洒落なネイル原爆忌
蜩の近し両親眠る墓
大筆に似たオクラ採る今朝の秋
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/13 15:34削除
606回 投句

長崎忌オランダ坂に臨む海

親指のハンドサインや雲は秋

甘党の先祖へ供うお萩かな
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/13 14:02削除
606投句

許すまじの激しい書体広島忌
秋暑し検査結果に親展と
順番の小さい子より西瓜割
ふたばさん (8augfkle)2023/8/12 23:00削除
第606回麦っこ投句

原爆忌赤い背中を忘るまじ
母親に抱きつく坊や日雷
かき氷頭の芯を叩きつつ
太郎さん (8oylunww)2023/8/12 12:56削除
麦っこ606投句
界隈の雀減りたる原爆忌
五歳子の親友という汗疹の子
心太話の接穂なくなりて
まりさん (8md9x4e2)2023/8/12 12:21削除
606回投句

八月六日黙祷の空の碧 
稲光父に呼ばれて逝った母
納豆に七味一振り今朝の秋
こがめさん (8atk17xs)2023/8/11 21:12削除
第606回麦っこ投句

原爆忌にはだしのゲンを読み返す

親と子は酔いて一緒に蚊帳の中

盆の膳の焼き紫蘇巻は母の味
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/11 17:39削除
第606回投句

原爆忌コールタールがたぶたぶと

親権の話さらりとソーダ水

ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/8 09:32削除
606回投句
語り部のまた一人減り広島忌
子の知らぬ親のロマンスソーダ水
パリパリの羽根つき餃子今朝の秋
返信11
まりさん (8md9x4e2)2023/7/30 20:48 (No.68030)削除
604回投句一覧&選句

「雲の峰」
奥羽嶺を足場のように雲の峰
先見えぬ地球の疲弊雲の峰
これがかの坂東太郎大河のむ
お手玉やおっかけおはじめ雲の峰
準優勝胸を張れよと雲の峰
田園をゆくキハ20雲の峰
海山を讃える校歌雲の峰
峰雲の生まれたばかり白い海
年輪が語る厄災雲の峰 

「水」
顔つけの上手に出来て水遊び
氷水童の舌のどどめ色
そっくりの年子三人水鉄砲
人影の水面を出入りする目高
猛暑日の地球の機嫌水琴窟
夕されば決まって水を打つ鮨屋
ジャズっぽい隣家のピアノ水を打つ
手を滑るコイン酷暑の水を買う
水の国近江あまねく青田風

「雑詠」
鳥影の消えた電線街大暑
古墳百余基山百合の香に醒める
緑陰や一緒にいる事が大事
玄関の効を奏せる蚊遣香
カラオケの声の上擦る熱帯夜
座りなばすぐにまどろむ冷房車
街炎暑水族館を回遊す
蟬しぐれ心おきなくテレワーク
昼寝覚あかき畳にひとりぼち
返信
まりさん (8md9x4e2)2023/8/6 20:01削除
へえ~知りませんでした。重ね重ねすみません。
だから大河のむ だったのですね。。。
なるほど納得。
ありがとうございました!
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/6 18:18削除
まりさん 「坂東太郎」は雲の峰の傍題だけでなく、利根川の異称でもあるのでややこしかったですね。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/6 16:03削除
季語?
これがかの坂東太郎大河のむ

天馬さんが、この季語を使いこなしたい と評されていて、
改めて、季語は?と思いました。季語?なかった?
無季とは思わずに、雄大な夏の景としてとらえていました。
大河呑む&青山河呑む・ととってしまっていたようです。
思い込みが先に来てしまって。でも好きですよ。
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/6 15:19削除
604選句

○先見えぬ地球の疲弊雲の峰
異常気象…どうなるのでしょうね。不安が増すばかりです。
○これがかの坂東太郎大河のむ
この季語を使いこなせるようになりたいです。
○海山を讃える校歌雲の峰
日焼けした小学生が元気に歌う様子が浮かびます。
○手を滑るコイン酷暑の水を買う
お茶やおにぎりを買う時代の次は水を買う時代に。
あまりにも暑いときは私も水です。
◎鳥影の消えた電線街大暑
鳥が飛ぶことを諦めるほどの暑さ。お見舞い申し上げます。
当地、日中は外出したくない暑さですが、夜は涼しく数日前から虫の音が聞こえてます。
列島長いです。
ふたばさん (8augfkle)2023/8/5 18:39削除
604回選句

〇奥羽嶺を足場のように雲の峰
 入道雲の湧き上がる景の大きさ。圧巻です。

○田園をゆくキハ20雲の峰
 キハ20は昭和の風景。とても懐かしいです。

◎水の国近江あまねく青田風
 広大な水田に吹く爽やかな風。猛暑の日々、この景が涼しさを運んで来てくれました。

〇鳥影の消えた電線街大暑
 言われてみれば…。観察眼に納得しました。


(*まりさん、「お手玉」にアドバイスをいただき、有難うございました。迷ったうえでの最終的な選択ミスでした。)
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/5 15:29削除
604回選句
◎鳥影の消えた電線街大暑
 高所にいる鳥さえも、この暑さには耐えられません。
〇奥羽嶺を足場のように雲の峰
 奥羽山脈の上に積乱雲が立ち登っている。雄大な景色が詠まれています。
〇水の国近江あまねく青田風
 広々とした田園を吹き抜ける風、ここ近江はまさしく水の国である。
〇カラオケの声の上擦る熱帯夜
 このように毎晩暑いと、カラオケもいつもの調子が出ませんね。
太郎さん (8oylunww)2023/8/5 13:51削除
麦っこ604選句
○海山を讃える校歌雲の峰
 船橋の学校の校歌は、遠景の富士山と近景の袖ヶ浦(東京湾)を謳ったものが多い。そして校歌は、格調の高い文語定型詩がよいのだと頑固に信じている。
○そっくりの年子三人水鉄砲
 前世紀末に流行した「だんご三兄弟」を地でいくような光景である。水鉄砲も、「むかし」の遊びになったような気がする。
○ジャズっぽい隣家のピアノ水をうつ
 隣家の主は往年のモボ、1930年代のジャズを思わせるような曲を弾いている。上五は「スウィング」するとでもいうところか。
◎水の国近江あまねく青田風
 広大な近江盆地を吹きわたる青田風。スケールの大きな風物詩である。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/5 13:28削除
604回 選句
○奥羽嶺を足場のように雲の峰
○田園をゆくキハ20雲の峰

両句ともに景がくっきり。嶺の蒼、田園の青それぞれと白雲との色のコントラストが夏らしく、爽やか。

○古墳百余基山百合の香に醒める

百合の強い香りがむせかえるような暑さ。古墳の目醒めとしたところに惹かれました。


◎昼寝覚あかき畳にひとりぼち

孤独感は何処から来たのかと想像が膨らみます。あかき畳に家族の歴史や思い出が込められているのかも知れません。深みのある一句。夢は温かく幸せな夢だったのでしょう。
こがめさん (8atk17xs)2023/8/4 23:03削除
第604回麦っこ選句

〇田園をゆくキハ20雲の峰
「キワ20」懐かしいです。私の田舎でも走っていたかな。今は違うかな。

〇海山を讃える校歌雲の峰
学校が立っている場所が浮かんできますね。きっと海と山が近くにあるのだろうな。
季語「雲の峰」からも想像が膨らみます。

〇そっくりの年子三人水鉄砲
兄弟揃って楽しそうに水鉄砲か。微笑ましい景です。

〇鳥影の消えた電線街大暑
人間だけでなく鳥たちも暑さを避けているのだろう。涼しさを求めて何処に行っているのだろうか。

◎昼寝覚あかき畳にひとりぼち
とても静かな景が浮かびます。田舎の座敷でのんびりと昼寝したいな。
「あかき畳」から座敷の景が膨らみます。
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/4 19:08削除
第604回選句

〇奥羽嶺を足場のように雲の峰
 嶺の上の入道雲はより大きく見えます。「足場」確かに。

〇手を滑るコイン酷暑の水を買う
 自販機で水、滑り落ちた小銭、イライラが見えるようです。

〇水の国近江あまねく青田風
 爽やかな景です。猛暑日の続く中、清涼感溢れる句に惹かれます。

〇座りなばすぐにまどろむ冷房車
 若い人が眠っているのを見掛ける事が多いですが、安全な国、日本だからでしょう。幸せな事です。

◎昼寝覚あかき畳にひとりぼち
 昼寝から覚めた時の独特な感覚、「あかき畳」の寂寥感に共感しました。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/2 11:16削除
604回選句


◇奥羽嶺を足場のように雲の峰
「ように」ではなく「足場に」と断定で力強くと思いますがいかが?

◎先見えぬ地球の疲弊雲の峰
「先見えぬ」「疲弊」の底知れぬ恐ろしさ。俳句としては「疲弊」に寄りかかりすぎるとも思いますが、今の地球には「疲弊」が一番合っていて共感します。例えば先の見えないこの暑さ。先が見えたら何とか我慢もできますが、週間天気予報すべて極暑日には心が折れます。疲弊するばかりです。

〇これがかの坂東太郎大河のむ
あえて・遊び心の「これがかの」でしょうか。大河坂東太郎が支流の大河と合流する景ととりました。私は水清き支流が大河と合流する地点で育ちました。支流は、水量は本流に及ばなくとも川幅(河川敷)は広大で本流の倍もありますから立派な大河。なぜ「のむ」とひらがなを使ったのかなあ。合流ではないのかも?

◇お手玉やおっかけおはじめ雲の峰
「おっかけおはじめ」はお手玉の遊び言葉でしょうから「お手玉の」ではないでしょうか。「や」だと三段切れにもなりますし。

〇田園をゆくキハ20雲の峰
今走っていないのかもしれませんが、季語との取り合わせがぴたりでかっちりと決まっています。はるか昔の景を新鮮に詠むのは難しい。

〇鳥影の消えた電線街大暑
この猛暑ですから日中は鳥さえ出てきません。我が家にくる雀も早朝か暮れ際ですね。この頃は早朝にシジュウカラの声が聞こえます。シンプルな日常の景。
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/31 10:27削除
第604回選句

◯◎先見えぬ地球の疲弊雲の峰
 大自然が屹立するかのような入道雲と環境破壊や戦争などで疲弊した地球の行末との対比が絶妙の放れ具合。

◯ 田園をゆくキハ20雲の峰
 どうしても昭和のモチーフに弱い世代の一人。「キハ20」がいい。

◯ 峰雲の生まれたばかり白い海
 「白い海」が効いている。湿気のない盛夏の海辺の大景がありありと目に浮かんで来る。絶妙の取合せ。

◯ そっくりの年子三人水鉄砲
 俳諧味あふれるアンチ少子高齢化の句。こういう句の世界に少しでも近づいて欲しい。

◯ 鳥影の消えた電線街大暑
 下五、就中「大暑」の止めが、誰一人いない溽暑の都会の住宅街を描き出して余韻あり。
返信12
ふたばさん (8augfkle)2023/7/30 11:02 (No.67980)削除
麦っこ605回出題

季語:水中花
文字 : 駐
雑詠
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/6 14:29削除
605投句

100luxにおとす照明水中花
整然と灼かれるサドル駐輪場
大伯母の流した浮名白日傘
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/6 12:53削除
第605回 投句

競り終えた漁港の市場水中花
炎帝が絡む海辺の駐車場
基地よりの異国の国歌夏の雲
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/6 10:57削除
605回 投句

映り込むドームの翳り水中花

空砲の轟音駐屯地晩夏

たっぷりの水で洗う手原爆忌
こがめさん (8atk17xs)2023/8/5 23:40削除
第605回麦っこ投句

巣籠もりの良きこと探し水中花

駐在さん迷子をあやす夏祭

休耕地の飛蝗散らせる測量士
ふたばさん (8augfkle)2023/8/5 18:44削除
605回投句

美容師の鋏軽やか水中花
駐車場を横切って駅百日紅
旨きもの鉢にあるらし蟻の列
不来方さん (8jrlsjab)2023/8/4 13:05削除
第605回投句

民宿の磯の香ほのと水中花

手花火や駐在さんと迷い子と

地球儀をくるくる回す夜の秋
太郎さん (8oylunww)2023/8/2 15:37削除
麦っこ605投句
星の見えない空へ咲く水中花
アロハシャツ干す駐在の物干場
開店の回転扉今朝の秋
まりさん (8md9x4e2)2023/8/2 11:37削除
605回投句

百歳の閑かな訃報水中花
青柿のたわわに臨時駐車場
向日葵よ支柱に青と黄のテープ
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/2 09:36削除
605回投句

 受診待ついつもの席の水中花

 駐在所前水鉄砲のギャングたち

 声高に昭和を語るビール園
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/7/23 21:59 (No.67371)削除
603回投句一覧&選句

「病葉」
病葉に葉脈のあり光あり
病葉のひかる水底転生す
果樹園の病葉燃やす煙かな
病葉や白木の柵のご神木
病葉や湖北の旅の観音堂
蜘蛛の囲の病葉蜘蛛の気配消し
鯉の口病葉追いて水濁る
紅の病葉花の匂いあり
病葉のふたひらみひら露天の湯

「楽」
峰雲や打楽器響く野球場
緑陰や軍楽隊の円舞曲
盆近し来世あるなら楽天家
奏楽堂の歌曲の午後や白日傘
音楽室の全開の窓青田風
楽器ケースを抱えて眠る夏のカフェ
我楽多のままのふるさと青山河
耳洗う極楽の風未草
我楽多を一つ残して土用干し

「交通」
廃山へトロッコの風夏帽子
緑陰やカタログ重き営業車
ジーゼルカー降りてホームの立葵
ほととぎす山鳩コサギ「夜明駅」
路線バス炎暑の町の時刻む
梅雨出水運休続く在来線
逝く夏の大垣行きの最終便
ドア閉まる首に貼りつく汗の髪
炎帝に挑む港のモノレール
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/30 17:11削除
603選句

○病葉に葉脈のあり光あり
○紅の病葉花の匂いあり
○病葉のふたひらみひら露天の湯
○楽器ケースを抱えて眠る夏のカフェ
○我楽多のままのふるさと青山河
◎路線バス炎暑の町の時刻む

コメントなしですみません。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/29 15:13削除
◎我楽多のままのふるさと青山河
 ここでいう我楽多は、作者が故郷を離れるまでに身の回りにあった品々や出来事のことだろう。今もそのままの姿で残ってほしいという願望が
 青山河に込められている。
〇病葉や白木の柵のご神木
 神聖な樹木にも、夏になれば虫がついたり、病気になったりして、変色した葉っぱがチラホラ見られる。ここに作者は深い感慨を覚えたのだろう。
〇逝く夏の大垣行きの最終便
 深夜、東京駅で東海道線の大垣行の最終便を見送った。閑散とした駅のホームで、長くて厳しかったこの夏も終わろうとしているのを感じたことだろう。
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/29 13:15削除
第603回選句

〇病葉や湖北の旅の観音堂
 病葉と観音様の取合せが慈愛に溢れています。

〇紅の病葉花の匂いあり
 あまりの美しさに手にした病葉、花の匂いまで感じるのは素晴らしい感性です。

〇盆近し来世あるなら楽天家
 諸々の事、楽天的に捕らえられたらと思う事多々あり共感しました。季語他にも有りそうに思います。

◎我楽多のままのふるさと青山河
 変りばえのしない町、でも変わって欲しくない町、故郷への愛を感じます。

〇ジーゼルカー降りてホームの立葵
 ローカル線の無人駅かななどと想像しました。真っ青で大きな空も見えるようです。
ふたばさん (8augfkle)2023/7/29 00:49削除
603回麦っこ選句

◎紅の病葉花の匂いあり
 病葉に花の匂いを感受する繊細な感性は素晴らしいです。

〇病葉のふたひらみひら露天の湯
 何の葉っぱかしら?などと思いながら、ゆったりと疲れをほぐしている。至福のひととき。

〇音楽室の全開の窓青田風
 故郷の中学校を思い出しました。青田風が効いています。窓から歌声が聞こえてくるような懐かしい景です。

〇廃山へトロッコの風夏帽子
 昔の鉱山跡の見学でしょうか。「トロッコの風」で、情景が目に見えるようです。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/28 14:39削除
麦っこ選句603
「病葉」
〇病葉や白木の柵のご神木
 削ったままで塗装していない、古りた木柵が囲うご神木。大木の緑濃い葉の中に、色づいた病葉が混じる。信仰の場にふさわしい景である。

〇病葉のふたひらみひら露天の湯
 山間の湯宿の露天風呂に、渓谷からの風に誘われて病葉が散る。閑寂の世界である。
 
「楽
◎音楽室の全開の窓青田風
 近年、特に今年あたりは、学校もエアコンがフル稼働していて、このような景は見られないかもしれないが、全開の窓から青田風が流れ込み、教室からは子ども達の元気な歌声が、運動場から田畑の隅々まで広がっていく。初夏の農村の明るい生活風景である。

「雑詠」
〇路線バス炎暑の町の時刻む
 時刻表通りとはいかないかもしれぬが、一定間隔をおいて通過するバスを、「炎暑の町の時刻む」とは、うまく言ったものだ。

〇炎帝に挑む港のモノレール
 街を行く人々は、ぐったりと生気を欠いて、足取りも重い。モノレールは、炎暑の空中を一定速度で定刻通りに運行する。炎帝に挑むかのように…。
こがめさん (8atk17xs)2023/7/26 20:49削除
第603回麦っこ選句

〇病葉に葉脈のあり光あり
〇紅の病葉花の匂いあり
病葉を見たときの景は浮かんできました。「光あり」「匂いあり」の下五の表現がとても参考になりました。

◎我楽多のままのふるさと青山河
ふるさとへの思いが伝わってきます。我楽多ではなく思い出のものがまだ残っていたという喜びのように感じます。野山でいろいろな遊びをやったのだろうな。

〇ジーゼルカー降りてホームの立葵
故郷のローカル線の駅の景が浮かんできました。いつも駅に降りると季節によって花らが違っています。「立葵」がお客さんを喜んで迎えているように感じます。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/26 20:05削除
603回 選句

◎紅の病葉花の匂いあり
病葉の匂いで一句と思っていたのですが、花の匂いの斡旋に脱帽です。心で見つけた発見。モノの表層だけでなく、命の営みに思いを向けねばと改めて思いました。

○我楽多のままのふるさと青山河
我楽多は、作者にとって取るに足らない物とは思えません。整理し切れないことや捨てきれぬ思いがあるのでしょう。私にとってのふるさとは、そんなものやことを変わることなく抱いている海や山ですから。

○路線バス炎暑の町の時刻む
バスに揺られながら、炎暑の町の景色に目を向けている作者。気怠く時が流れていきます。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/26 11:06削除
603回選句

〇病葉に葉脈のあり光あり
朝ドラ牧野万太郎の世界ですね。下五の意外な断定がおもしろい。

◎紅の病葉花の匂いあり
樟でしょうか。樟の葉は樟脳の匂いがしますし、病葉はとても美しい。実も匂いますから花も樟脳の匂いがするのではないでしょうか。花はたくさん咲きますが、薄緑の小花で気が付かない人が多いと思います。
「あり」まで必要なのかと何度かスルーしたのですが、「葉が花の匂い」という発想は俳句らしいと思いました。繊細な感性は「創るもの・創られるもの」でもあると思います。言葉のパズルを組み立てるような知的な操作の中でうまれるものでもあると。無論、五感の感動から噴き出した句にはかないませんが。
夏井いつき曰く「発想は才能ではなくデータ(多分日々の俳句トレーニング)である。」そういう面もあるかなと思いたい私。

○路線バス炎暑の町の時刻む
渋滞も計算して時間通りに着く路線バスは「時刻む」がぴったり・なるほど。炎天下、時刻表を見ながらバスを待っているご老人の姿も見えてきます。

〇炎帝に挑む港のモノレール
この暑さには、生物は「挑め」ません。ひたすら身を守る体制をとるしかありませんが、確かにモノレールや重機などは「炎帝」に果敢に挑んでいるようにも見えます。「挑む」を最大に生かすために、「港のモノレール」以外のものも取り合わせてみたらどうでしょうか。
不来方さん (8jrlsjab)2023/7/24 09:55削除
第603回選句

◯病葉に葉脈のあり光あり
 「あり」の断定のリフレインがいい。この病葉は人間の病者を象徴しているのだろう。

◯蜘蛛の囲の病葉蜘蛛の気配消し
 蜘蛛の巣に引っかかった病葉の存在感が、巣の主の存在を消し去っているのだろう。「気配消し」が巧い。

◎紅の病葉花の匂いあり
 かすかに紅色をとどめ、朽ちかけた病葉。その紅に花の匂いを感じたとは繊細。自然の移ろいに対する研ぎすまされた感性に共感。

◯我楽多のままのふるさと青山河
 「我楽多のまま」とは作者が育った頃のモノがそのままある、という意であろう。あるいは願望もあるのかも。昔のままが一番郷愁を誘われる。

◯緑陰やカタログ重き営業車
 何の営業車だろうか。緑陰でホッと一息ひと休み。デジタルの時代にこのアナログ感がとても佳い。
返信9
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/23 10:39 (No.67307)削除
604回お題

季語 雲の峰
文字 水
雑詠
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/30 17:02削除
604投句

奥羽嶺を足場のように雲の峰
そっくりの年子三人水鉄砲
緑陰や一緒にいる事が大事
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/30 10:37削除
第604回 投句

先見えぬ地球の疲弊雲の峰

猛暑日の地球の機嫌水琴窟

街炎暑水族館を回遊す
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/29 10:43削除
第604回投句

これがかの坂東太郎大河のむ

水の国近江あまねく青田風

蟬しぐれ心おきなくテレワーク
ふたばさん (8augfkle)2023/7/28 23:54削除
604回麦っこ投句

お手玉やおっかけおはじめ雲の峰
人影の水面を出入りする目高
昼寝覚あかき畳にひとりぼち
こがめさん (8atk17xs)2023/7/28 23:19削除
第604回麦っこ投句

準優勝胸を張れよと雲の峰

顔つけの上手に出来て水遊び

玄関の効を奏せる蚊遣香
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/28 14:43削除
麦っこ604投句
田園をゆくキハ20雲の峰
氷水童の舌のどどめ色
カラオケの声の上擦る熱帯夜
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/27 14:14削除
604回投句
海山を讃える校歌雲の峰
夕されば決まって水を打つ鮨屋
座りなばすぐにまどろむ冷房車
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/27 11:21削除
604回 投句
峰雲の生まれたばかり白い海

手を滑るコイン酷暑の水を買う

鳥影の消えた電線街大暑
まりさん (8md9x4e2)2023/7/26 20:51削除
604回投句

年輪が語る厄災雲の峰 
ジャズっぽい隣家のピアノ水を打つ
古墳百余基山百合の香に醒める
返信9
太郎さん (8oylunww)2023/7/15 13:03 (No.66429)削除
麦っこ603出題
◇季 語  病葉
◇文 字  楽
◇テーマ  交通
返信
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/23 18:20削除
第603回 投句

病葉に葉脈のあり光あり
音楽室の全開の窓青田風
炎帝に挑む港のモノレール
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/23 11:06削除
603回 投句

病葉のひかる水底転生す

耳洗う極楽の風未草

廃山へトロッコの風夏帽子
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/23 10:11削除
603投句

果樹園の病葉燃やす煙かな
盆近し来世あるなら楽天家
緑陰やカタログ重き営業車
ふたばさん (8augfkle)2023/7/23 00:20削除
第603回投句
病葉や白木の柵のご神木
奏楽堂の歌曲の午後や白日傘
ジーゼルカー降りてホームの立葵
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/22 09:15削除
第603回投句

病葉や湖北の旅の観音堂

我楽多を一つ残して土用干し

ほととぎす山鳩コサギ「夜明駅」
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/20 10:58削除
603回投句
蜘蛛の囲の病葉蜘蛛の気配消し
楽器ケースを抱えて眠る夏のカフェ
路線バス炎暑の町の時刻む
こがめさん (8atk17xs)2023/7/20 00:18削除
第603回麦っこ投句

鯉の口病葉追いて水濁る

峰雲や打楽器響く野球場

梅雨出水運休続く在来線
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/19 20:39削除
麦っこ603投句
紅の病葉花の匂いあり
緑陰や軍楽隊の円舞曲
逝く夏の大垣行きの最終便
まりさん (8md9x4e2)2023/7/19 15:42削除
603回投句

病葉のふたひらみひら露天の湯
我楽多のままのふるさと青山河
ドア閉まる首に貼りつく汗の髪
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/7/16 21:17 (No.66625)削除
602回投句一覧&選句

「汗」
潮騒の駅や黒衣のひかる汗
歩道橋汗のワイシャツ急ぎ足
青年の額の汗や人力車
顎伝う汗や雑草は雑草
キャプテンに生え初めし髭汗の玉
汗が汗呼ぶ迫真の野外劇
汗拭う五百羅漢の百あたり
大汗をかいてひと風呂ひと眠り
汗拭いて食べ続ける味噌ラーメン

「日」
日傘より檄の飛びかう地区予選
日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
一日の帳のように梅雨夕焼
人影の絶えし境内百日紅
朝顔を数える日課風の道
一日の段取り狂う日雷
カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
日盛りの草場に潜むマシンガン
ひとしきり初蟬聴いて日暮かな

「飲み物」
レモンスカッシュ思い出はみな欠片
兄と飲むラムネ祭の古写真
水筒のアイスコーヒー直ぐに空
喉上げて飲む瓶コーラ吊忍
泡盛やドク・ホリデーに見つめられ
ソーダ水喜寿三人のクラス会
安らぎを刻む日時計アイスティー
十六の夏カルピスの不透明
からりんとラムネ飲んでる野球帽
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/23 16:30削除
麦っこ602選句
◎レモンスカッシュ思い出はみな欠片
〇ソーダ水喜寿三人のクラス会
〇潮騒の駅や黒衣のひかる汗
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/23 10:39削除
602回選句
◎汗拭う五百羅漢の百あたり
 中七から下五にかけてのリズム感が心地よい句です。
〇カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
 予期せぬ人の飛び入り参加でしょうか。カサブランカは祝い事の花言葉、誕生日にふさわしい。
〇十六の夏カルピスの不透明
 カルピスの白濁感。青春期の不安定な気分を表現しているとも思える。
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/23 10:31削除
602選句

○潮騒の駅や黒衣のひかる汗
映画のワンシーンようです。
◎汗拭う五百羅漢の百あたり
蝉時雨や日差しの強さ、詠んでいないのに伝わります。
○大汗をかいてひと風呂ひと眠り
健康的。配偶者はまさにそれです。
○一日の段取り狂う日雷
出かけるか控えるか、傘は持つか持たないか、外干しでいいかどうか…確かに予定狂います。
○カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
はじめ、椅子の場所が曖昧な気がしましたが、皆さんの句評から、次第にはっきりしたものになりました。
○兄と飲むラムネ祭の古写真
掲句のような句に出会うと、年の近い兄姉が欲しかったなぁとつくづく。
○十六の夏カルピスの不透明
孫達を見ていると、みんな似ていてみんな違うと実感します。
先行き不透明ですが、幸あれと祈るばかりです。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/22 17:39削除
602回 選句

○汗拭う五百羅漢の百あたり
百あたりと道の途中を表現して、景が見えるようです。暑さが伝わる一句。

○汗が汗呼ぶ迫真の野外劇

野外劇が繰り広げられているのが、現実ではないかも知れません。世の中の動きとも。色々想像させます。

○一日の帳のように梅雨夕焼
共感の一句です。夕方の空をまさにそんな思いで見つめている毎日です。

◎十六の夏カルピスの不透明
カルピスは初恋の味という懐かしいCMを思いだします。作者は、十六という難しく悩ましかった頃を思い出しているのでしょう。不透明が巧みです。

☆因みにコーラやカルピスだけでも、夏の季語とする歳時記もあるみたいです。
新季語??
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/22 12:06削除
第602回 選句

〇汗拭う五百羅漢の百あたり
 長い道のり「百あたり」に臨場感があります。

〇大汗をかいてひと風呂ひと眠り
 大汗をかいた理由は色々想像できるのですが、その後の転換に幸せが溢れています。

〇日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
 健康的なラムちゃん、宮崎美子さんも思い出しました。笑顔が素敵な人なのでしょう。

〇カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
 「椅子ひとつ足す」さりげなく上手な表現に感服です。

◎レモンスカッシュ思い出はみな欠片
 本当に思い出は断片的です。7.5.5のリズムもこの句に良く合っています。
ふたばさん (8augfkle)2023/7/22 00:35削除
第 602回選句

〇 汗拭う五百羅漢の百あたり
羅漢像をたどる道。先はまだ長いですね。「百あたり」が効いています。

〇日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
若々しい健康美。懐かしい笑顔が浮かんできます。「少し似る」が控えめでいい感じです。
   
◎カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
予定外の人が駆けつけてくれた。大輪のカサブランカの花束を抱えて。素敵!
「椅子ひとつ足す」このさり気なさが気に入っていただきました。

〇喉上げて飲む瓶コーラ吊忍
視線の先に吊忍が下がっている。「吊忍」に「瓶のコーラ」が釣り合っていると思いました。
こがめさん (8atk17xs)2023/7/19 21:22削除
第602回麦っこ選句

〇大汗をかいてひと風呂ひと眠り
繰り返しの言葉の流れが素敵です。暑い日なのに「ひと風呂ひと眠り」か。元気な証拠ですね。

〇朝顔を数える日課風の道
とても素敵な日課ですね。朝顔を大切に育て、花が咲いたという喜びの景が浮かんできます。

◎カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
誕生日おめでとう。カサブランカをもって予定外の方が見えて椅子を足したのだろうか。素敵な景ですね。とても賑やかな誕生会になっただろうな。

〇十六の夏カルピスの不透明
十六歳の青春か。その時の心模様を「カルピスの不透明」かと。いろいろなイメージが浮かんできます。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/17 20:43削除
602回選句

〇潮騒の駅や黒衣のひかる汗
絽の袈裟とも、黒の仕事着とも、登校の制服の暑そうなズボンとも…。私には、「潮騒」「駅」という情報が邪魔をして「黒衣」のイメージがどうにも定まらなかったのですが、ここは素直に絽の袈裟とすることにしました。

〇日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
ラムちゃんが登場した時の、あまりのかわいさ・初々しさにショックを受けたことを覚えています。アグネス・ラムは不滅です。「少し似る」が、自然で素敵。

◎十六の夏カルピスの不透明
のんさんの、「十五」の句にも「十六」の句にも強く共感するのは、同じ年の孫がいるからでしょうが、私の今の心配事のひとつは十六の孫のことなので特に響きました。
啄木の「十五のこころ」に対しての「十六の夏」には、くすりとさせられますが、取り合わせの「カルピスの不透明」が秀逸。
6月末に、不来方城址で啄木の「十五のこころ」歌碑の前に立ったのですが、あの頃の十五はとてつもなく大人だと改めて感じました。
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/17 09:31削除
第602回選句

◎ 潮騒の駅や黒衣のひかる汗
趣きは少し違うが森澄雄の「炎天より僧ひとり乗り岐阜羽島」を思い出す。掲句、〈イ〉五音の調べで黒衣の僧が特別な存在に思えるから不思議だ。

◯汗拭う五百羅漢の百あたり 
◯大汗をかいてひと風呂ひと眠り
 二句ともリフレインが巧い。前句は「百あたり」の距離感が季語とマッチしている。後句、生活実感と時間の流れがよく分かる。

◯ カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
 誕生日に思わぬ人がカサブランカを手にお祝いに訪れたのであろうか。「椅子ひとつひとつ足す」の妙。

◯ 十六の夏カルピスの不透明
 「不透明」が十六才の頃の心模様をうまく表出している。カルピス色と言いたい感じ。
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/7/10 15:00 (No.65867)削除
601回投句一覧&選句

「黴」
黴匂う「阿部一族」の蔵書印
黴の香や足踏ミシン残る部屋
黴匂う百円均一文庫本
黴生えし幼き指の握り墨
黴生きる母の形見の腕時計
黴匂う国民服の父の写真
捨てきれぬ交換日記黴の箱
ふろ場には白い煙や黴防止
防空壕の入口黴の匂いして

「火」
七つ傘の花火のチラシ目に入る
火蛾舞いて笙篳篥のフォルティッシモ
梅雨しとど古屋の隅の火消壺
手花火に添えたる指の太きかな
友情の原石拾うキャンプの火
火蛾を呼び村の集会始まりぬ
病棟の白壁火取虫ひたり 
雷雲や闇を束ねて火車が来る
雲の峰追えども見えぬ山頭火

「飛ぶ・跳ぶ」
夏空へ一打逆転ホームラン
翡翠の弾丸のごと飛びゆけり
飛魚(あご)跳ぶやコンビナートの警報器
夏柳思念飛びゆく風の河
飛礫文字揺れる短冊星祭
鸛鶴(こうづる)のはぐれて来しや青田原
跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰
AIや黄金虫さえ少なき世
青鷺の飛ぶまで待てリ円覚寺
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/19 20:35削除
麦っこ601選句
〇黴の香や足踏みミシン残る部屋
 かつて2世代、3世代が暮らした家には、こんな部屋が残っている。黴の香は、その歴史を語るBGMのようなものかもしれない。
〇黴生きる母の形見の腕時計
 もう動かなくなった小さな腕時計の革バンドは、黴びて色も変わっている。黴の匂いに混じって、生前の母の匂いや息吹が感じられるのだ。
〇手花火に添えたる指の太きかな
 家族が輪になって手花火に興じていると、あの細い線香花火を支えている手指の太さが目に入った。それは父か祖父の無骨な手かもしれぬが、もしかしたら農作業で鍛え母か祖母の逞しい手指かもしれない。いずれにせよ、そこには少なからぬ家族の心の輪が感じられて微笑ましい。
◎病棟の白壁灯取虫ひたり
 野外灯に浮かぶ病棟の白壁に、辺りを飛び回っていた灯蛾の一つがひたと止まり、じっと動かないでいる。蛾は、静止のときも翅を広げ、胴が太い。夏の夜の陰の部分が感じられ、心は決して晴れやかではない。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/16 18:51削除
◎病棟の白壁火取虫ひたり
〇黴匂う「阿部一族」の蔵書印
〇手花火に添えたる指の太きかな
〇跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰

 七年ぶりの坐骨神経痛で、集中力ゼロ。コメントなしで済みません。
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/16 17:43削除
第601回 選句

〇黴匂う「阿部一族」の蔵書印
 
〇火蛾を呼び村の集会始まりぬ

◎雲の峰追えども見えぬ山頭火
 「まっすぐな道でさみしい」と詠った山頭火、角を曲がったら待っていてくれるかも、余韻の残る句です。

〇跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰

  コメント短くて申し訳ありません。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/16 11:24削除
601回 選句

○黴の香や足踏ミシン残る部屋
過去と現在が交差する一部屋。捨てるに捨てられぬ大切な思い出に溢れているのでしょう。黴の香は懐かしさを呼び覚ますスイッチ。季語が生きていると思います。

○火蛾を呼び村の集会始まりぬ
子どもの頃は、灯に集まってくる虫に興味深々でした。嫌いなのに不思議さに惹かれて。集会所は部落の社交場。リアルな景の浮かぶ一句。

◎雲の峰追えども見えぬ山頭火
中七に共感。追わなければ見えてこないモノやコトが沢山ありますね。読み手によって、上五下五が違ってくるのも、また想像力を掻き立てて面白い。
もちろん掲句の作者の思いは、揺るがぬもの。

○飛魚跳ぶやコンビナートの警報器
港湾地区の工場地帯。取り合わせがいいですね。光と影のコントラストが見えます。警報器はやや分かりにくさがありますが。
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/16 10:21削除
601選句
○黴匂う「阿部一族」の蔵書印
本がとても高価だった頃を彷彿とさせます。私はKindleに偏っている昨今。新刊のインクの匂いは大好きですが。
◎病棟の白壁火取虫ひたり 
「ひたり」の発見が凄いです。
○雷雲や闇を束ねて火車が来る
宮部みゆきの小説で火車を知りました。いつか使ってみたい。
○飛魚(あご)跳ぶやコンビナートの警報器
全く縁のない景色なので、想像が膨らみます。
ふたばさん (8augfkle)2023/7/16 00:38削除
601回選句

〇黴匂う「阿部一族」の蔵書印
 小説の内容と蔵書印に感じる重々しさが合っていると思いました。

◎黴生きる母の形見の腕時計
 「黴生きる」に、形見の腕時計が今もコチコチと時を刻み、お母さんが作者の中に
 生きつづけていると感じました。

〇火蛾舞いて笙篳篥のフォルティッシモ
 雅楽はよくわかりませんが、「笙篳篥のフォルティッシモ」の表現に魅かれました。
 独特の響きですね。

〇跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰
 子どもの真剣な様子が見えてきます。「雲の峰」が子どもの心を表しているようにも思えました。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/13 17:19削除
601回選句

〇黴匂う「阿部一族」の蔵書印
昔、個人用の蔵書印を持っている友人がいた気がします。太郎さんもお持ちだったのでは?
今は昔。愛した蔵書たちもどことなく黴の匂い。

◎火蛾を呼び村の集会始まりぬ
村の集会所。夕食を済ませた村人がひとりふたりと集まってきて、祭りの相談が始まったのかもしれません。
外灯に集まるたくさんの虫たち。「火蛾を呼び」がいいと思いました。具体的なイメージがわく言葉は大事ですね。

〇雲の峰追えども見えぬ山頭火
現代の山頭火になりたくとも、俗人には山頭火は遠くて憧れるのみ…でしょう。
今日、歌の先生が「追っても追っても、いい曲は追いきれない。知らない名曲をたくさん残して死んでしまうのでしょうね。」と。
私の人生には、追いきれないものを追いかけようとしたコトってあったのかと反省してしまいました。

〇青鷺の飛ぶまで待てリ円覚寺
円覚寺という固有名詞が効いています。小石川後楽園での句会によく行くのですが、いつも青鷺がいます。
写真愛好家は動かない青鷺には目もくれずに、いつ現れるかわからない翡翠を待っているのですよね。
こがめさん (8atk17xs)2023/7/12 14:11削除
第601回麦っこ選句

◎黴匂う「阿部一族」の蔵書印

〇黴生きる母の形見の腕時計

〇捨てきれぬ交換日記黴の箱

黴は嫌なイメージがあるけどどの句もものを大切して捨てきれずにに保管していたのだ。それぞれのものに愛着と思い出が一杯のようだ。


〇飛礫文字揺れる短冊星祭
「飛礫文字」から子ども達の願い事が書かれた短冊かな。園児らの星祭かな。
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/10 16:55削除
第601回選句

◯ 黴匂う「阿部一族」の蔵書印
 「阿部一族」の初版本であろうか?「蔵書印」に焦点を当てたのが秀逸。

◯ 黴生きる母の形見の腕時計
 一読「黴生きる」に違和感があったが、読むほどに逆に「形見の腕時計」と響き合っているように感じた。

◯ 手花火に添えたる指の太きかな
 手花火の場面が多様に読める。この「指」は父親の指とも、彼氏の指とも。

◎ 病棟の白壁火取虫ひたり 
「ひたり」の擬態語が何とも言えない。病院の白壁にピッタリ。

◯ 跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰
 遠景として雲の峰、跳び箱を少しずつ高くしながら雲の峰まで跳んでしまいそうな小学生の姿や動きが目に浮かぶ。
返信9
こがめさん (8atk17xs)2023/7/8 21:54 (No.65710)削除
第602回麦っこ題

季語 汗

文字 日

テーマ 飲み物
返信
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/16 10:48削除
602回 投句
潮騒の駅や黒衣のひかる汗

日盛りの草場に潜むマシンガン

安らぎを刻む日時計アイスティー
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/16 08:37削除
第602回 投句

歩道橋汗のワイシャツ急ぎ足
朝顔を数える日課風の道
十六の夏カルピスの不透明
ふたばさん (8augfkle)2023/7/15 23:20削除
第602回麦っこ投句

青年の額の汗や人力車
人影の絶えし境内百日紅
からりんとラムネ飲んでる野球帽
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/15 20:08削除
602投句

顎伝う汗や雑草は雑草
一日の帳のように梅雨夕焼
喉上げて飲む瓶コーラ吊忍
太郎さん (8oylunww)2023/7/15 13:58削除
麦っこ602投句
キャプテンに生え初めし髭汗の玉
日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
泡盛やドク・ホリデーに見つめられ
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/15 08:34削除
第602回投句

汗が汗呼ぶ迫真の野外劇

ひとしきり初蟬聴いて日暮かな

ソーダ水喜寿三人のクラス会
まりさん (8md9x4e2)2023/7/14 15:11削除
602回投句

汗拭う五百羅漢の百あたり
カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
レモンスカッシュ思い出はみな欠片
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/14 09:48削除
602回投句
大汗をかいてひと風呂ひと眠り
一日の段取り狂う日雷
兄と飲むラムネ祭の古写真
こがめさん (8atk17xs)2023/7/13 08:29削除
第602回麦っこ投句


汗拭いて食べ続ける味噌ラーメン

日傘より檄の飛びかう地区予選

水筒のアイスコーヒー直ぐに空
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