麦船橋句会

BBS
アイコン設定
投稿者さん使い方

掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/3 12:01 (No.65134)削除
600回投句一覧&選句
「噴水」
噴水の回りスーツの新社員
噴水の焦り青空遠すぎる
涸れ噴水子等の歓声の記憶
死者生者噴水虹を生むばかり
音楽に躍る噴水七色に
噴水の夜風に遊ぶモノローグ
噴水に水陽炎のビル透けて
噴水を被りずぶ濡れ合戦場
子等去りてより噴水の音高し

「マ」
マニキュアの指で剥く先マスカット
スキャットのマーチなめらか梅雨明くる
帰省子のまず仏壇やマッチの香
暑気払いマーボー豆腐をより辛く
山開きマーブルチョコの丸い筒
ローマ軍の来襲蒲の穂が騒ぐ
ギヤマンの盃の献杯忌を修す
梅雨深しドーベルマンの呼気あらし
青東風やマザーグースの月曜日

「祝」
六月の父あるがまゝ黙のまゝ
乾杯はアイスコーヒー喜寿祝
認知機能検査合格葛桜
はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
師は卒寿免許更新心太
海南風二代目揚げる祝い旗 
純白のジューンブライド青時雨
ローソクを一気にケーキ日焼けの子
幣束の音渡りゆく山開
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/10 14:16削除
麦っこ600選句
〇六月の父あるがまま黙のま
◎青東風やマザーグースの月曜日
〇はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
〇山開きマーブルチョコの丸い筒
ふたばさん (8augfkle)2023/7/8 23:54削除
第600回選句

◎死者生者噴水虹を生むばかり
 噴き上げてはおちる水の連続性。その連続性の飛沫に見える儚い虹。輪廻転生を
 喩えていて秀逸です。

○山開きマーブルチョコの丸い筒
 持ち歩きに便利で美味しいチョコ。私も捻ってみましたが、句になりませんでした。


〇六月の父あるがまゝ黙のまゝ
 寡黙なお父さんの生き方が、魅力的に描かれていると思いました。

〇幣束の音渡りゆく山開 
 「音渡りゆく」に山開きの喜びと開放感が伝わってきました。
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/8 17:08削除
第600回 選句
◎死者生者噴水虹を生むばかり
 人生の華やぎと虚無、そして残るのは虹のように儚い物、噴水を見る目が変わりました。
 
〇六月の父あるがまゝ黙のまゝ
 無口でいつもどっしりと構えているなお父さん、存在そのものが一家の支えなのです。

〇はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
 兄弟が仲良く節目の年になられた、天国の父母も安堵していることでしょう。
 
〇幣束の音渡りゆく山開
 バサバサと元気の良い神主さんの様子、木々の揺らめき、鳥の声が聞こえるようです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/8 14:34削除
600回選句
◎六月の父あるがまゝ黙のまゝ
 六月と父親との関係がよく分からないが、作者にとっては父親に関する何か特別な思い出があるのだろう。
〇噴水の夜風に遊ぶモノローグ
 ロマンチックな句。
〇純白のジューンブライド青時雨
 純白と青が、清潔で人生の新たな門出を彷彿とさせる。
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/8 10:53削除
600回選句

○噴水の焦り青空遠すぎる
噴水の先は確かに焦っているように見えます。そういう気づきを大切にしたいと思いました。
○死者生者噴水虹を生むばかり
繰り返しを巧みに現していると思いました。
○青東風やマザーグースの月曜日
子供達はマザーグース好きで何度もせがまれたものでした。
ちなみに私は金曜日生まれでした。
◎六月の父あるがまゝ黙のまゝ
父の命日なのでより強く共鳴しました。
○はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
祝というお題にぴったり。めでたさ満載です。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/6 12:28削除
600回選句

〇噴水の焦り青空遠すぎる
高く高く思いっきり噴き上げたつもりなのに、空は果てしなく遠い。擬人化された噴水は少年のよう。

〇青東風やマザーグースの月曜日
びっくりな取り合わせ。言葉遊びの詩との取り合わせがおもしろいと思いました。
月曜日生まれの子は美しい顔
 火曜日生まれの子はとっても優雅
 水曜日生まれの子は悲しみいっぱい
 木曜日生まれの子は遠くに行く
 金曜日生まれの子は愛に恵まれる
 土曜日生まれの子は生きるために一生懸命働く
 そして、安息日に生まれた子供は、美しく陽気で楽しい良い子
私が生まれた日を検索してみましたら木曜日でした。親からしたら一番遠くに行ってしまった子でした。

〇六月の父あるがまゝ黙のまゝ
父の日の父の姿なのでしょうか。「あるがまゝ黙のまゝ」をそのまま読んでいいのか躊躇しましたが、最晩年の父を思い出しました。

◎幣束の音渡りゆく山開
岩手山の山開きでしょう。紙の幣束の音が「渡りゆく」というのは意外でしたが、大きな幣束でしょうし、頂上近くは木々の葉擦れの音もないわけでほぼ無音。山開きの厳粛さが伝わってきます。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/6 10:57削除
600回 選句

○死者生者噴水虹を生むばかり
虹の明るさは、作者にとっては儚さでしか無いのでしょう。噴水と虹はどちらも夏の季語ですが、掲句の場合、一体感があります。
虹を生むものは、他にもあるはずですが、景の確かさで頂きました。

○山開きマーブルチョコの丸い筒
一見関係ない取り合わせですが、かつて山を愛した記憶をマーブルチョコに焦点化しているのでしょう。
意外性の妙。

○六月の父あるがまま黙のまま
祝の句として鑑賞すると、奥深さを感じます。生きている、ただその事実への尊厳なのではないでしょうか。

◎幣束の音渡りゆく山開
厳かに、静かに、信仰の山へと歩みいる姿が、浮かびます。実体験の強さには、かないません。
こがめさん (8atk17xs)2023/7/5 13:55削除
第600回麦っこ選句

〇子等去りてより噴水の音高し
噴水の周りで遊んでいた子等が帰った景(静けさ)を「音」の高低で表現しているのですね。

〇帰省子のまず仏壇やマッチの香
実家に帰ると一番にやることの景です。帰りたいな。

〇認知機能検査合格葛桜
認知機能かきっと免許の書き換えかな。疲れ切ったので葛桜を食べて脳を休めているのかな。

◎はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
兄弟揃ってのお祝いいいですね。「遠青嶺」の季語から田舎でのお祝いと去らななる元気よく過ごしたいなと希望が溢れています。

〇海南風二代目揚げる祝い旗 
おめでとうございます。後継ぎがいていいですね。漁港での祝いの景が浮かんできます。
不来方さん (8jrlsjab)2023/7/5 09:54削除
第600回麦っこ選句

◎ 死者生者噴水虹を生むばかり
立ちやすく消えやすい噴水の虹と生死を取合せて味わい深い。まるで人の生き死にが噴水の虹を立てたり消したりしているかのようだ。

◯ 子等去りてより噴水の音高し
噴水を取り巻く音を時間の経過と共に詠って巧い。子供らの歓声が遠ざかるに連れて、噴水のかそけき音が次第に高くなる静寂感。

◯ スキャットのマーチなめらか梅雨明くる
梅雨明けと三伏の間合いをつなぐのにスキャットのマーチはピッタリ。

◯ はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
三つ揃えばこれ以上めでたいことはないですね。「遠青嶺」が何とも言えない味です。おめでとうございます。

◯ 幣束の音渡りゆく山開
山開きの厳かな風情がよく伝わってくる。「音渡りゆく」で山景の広がりと青い大空までが見えるようだ。

600回記念にふさわしい佳句揃いで大いに選に迷いました。テーマ「祝」での600回は詠みにくかったですね。あれば大特選でした。
まだまだ通過点でしょうが、1000回目指してよろしくお願いします。
返信9
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/3 10:27 (No.65125)削除
601回 お題
遅れてすみません。

季語 黴

文字 火

テーマ 飛ぶまたは跳ぶ
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/10 13:41削除
麦っこ601投句
黴匂う「阿部一族」の蔵書印
火蛾舞いて笙篳篥のフォルティッシモ
飛魚(あご)跳ぶやコンビナートの警報器
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/9 18:02削除
601投句

黴の香や足踏ミシン残る部屋
梅雨しとど古屋の隅の火消壺
跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/9 17:48削除
第601回 投句

黴匂う百円均一文庫本
友情の原石拾うキャンプの火
AIや黄金虫さえ少なき世
ふたばさん (8augfkle)2023/7/8 18:16削除
601回麦っこ投句

黴生えし幼き指の握り墨
手花火に添えたる指の太きかな
青鷺の飛ぶまで待てリ円覚寺
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/8 15:13削除
601回 投句

黴生きる母の形見の腕時計

雷雲や闇を束ねて火車が来る

夏柳思念飛びゆく風の河
まりさん (8md9x4e2)2023/7/8 09:31削除
601回投句

黴匂う国民服の父の写真
病棟の白壁火取虫ひたり 
飛礫文字揺れる短冊星祭
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/8 08:48削除
第601回投句

捨てきれぬ交換日記黴の箱

雲の峰追えども見えぬ山頭火

鸛鶴(こうづる)のはぐれて来しや青田原
こがめさん (8atk17xs)2023/7/6 10:27削除
第601回麦っこ投句

ふろ場には白い煙や黴防止

七つ傘の花火のチラシ目に入る

夏空へ一打逆転ホームラン
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/4 20:55削除
601回投句
防空壕の入口黴の匂いして

火蛾を呼び村の集会始まりぬ

翡翠の弾丸のごと飛びゆけり
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/6/26 09:27 (No.64301)削除
599回投句一覧&選句

「桜の実」
荒れている5年1組桜の実
いじめっ子隠れていそう桜の実
結末の悲しい映画桜の実
古寺の芭蕉碑に染む桜の実
磐座へ散りて動かぬ桜の実
公園の平和呼ぶ像桜の実
大寺の実桜踏んでしまいけり
桜の実噛めば青春渋し酸し
桜の実阿弥陀へ畳む無信心
実桜や芋坂下の団子茶屋

「解」
解体中の古民家前に夏帽子
解体の重機の唸り青葉風
夏暁よ必死に誤解解く夢よ
解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
肩の凝り解す体操梅雨深し
蚊遣香炊いて荷を解く新居かな
落し文解けば虚ろ女坂 (ほどけば)
紫陽花の雨に解けて青い道
知恵の輪を解いている間に虹消えて
解放の遠き叫びや慰霊の日

「雑詠」
鷗外の墓にも香華桜桃忌
マティス展へようこそ噴水穂を上げる
花菖蒲シャッター街ののぼり旗
夏の雨避けてトリックアート展
影逃げる影の深さや夏蜻蛉
心字池の水辺に揺れる濃紫陽花
燕麦を抱えて父は被写体に
海胆丼のずしり三陸浜街道
こわごわと髪染め二十歳梅雨の晴れ
昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/4 11:00削除
599選句
○桜の実噛めば青春渋し酸し
○解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
○影逃げる影の深さや夏蜻蛉
◎燕麦を抱えて父は被写体に

コメントなしですみません。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/3 16:12削除
麦っこ599選句
「解」
◎解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
じめじめした梅雨空の下、気持ちが滅入って外出も控え、家に閉じこもりがちになる。今日も朝から何もすることがなく、ロキソニンなど十種の薬の分包を解く作業に時間をかけた。「プチンと折って」に所在なさが滲む。

「雑詠」
〇海胆丼のずしり三陸浜街道
 「海胆丼のずしり」は、何の説明も要しない存在感。「三陸浜街道」はあまりに長すぎてどこのことだかわからないが、逆に、読者は、自分の行ったことのある場所を想定して、そこの食堂にのテーブルに山盛りの海胆丼を置いて読めばよい。

〇昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
いささか散文的な感があるが、久しぶりの雨を得て元気よく伸びる胡瓜の蔓を擬人化して述べたのがよい。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/2 09:44削除
599回選句

〇桜の実噛めば青春渋し酸し
「青春時代の真ん中は道に迷っているばかり・・・」この歌のミリオンセラーは昭和51年なそうです。
半世紀以上たっても胸がキリキリ痛むコトはどなたにもあるでしょう。みんなそういう時期を通ってきました。

〇夏暁よ必死に誤解解く夢よ
のんびりと生活する年代に入って、こういう夢も遠くなりました。(私の場合)
みんな一生懸命生きてきて今があります。

〇紫陽花の雨に解けて青い道
一本調子ですが、独自の措辞が効いています。どなたかが、「独自性と特殊性は違う」と述べておられましたが確かに。
肝に銘じたいと思います。

◎燕麦を抱えて父は被写体に
ごくごく普通の農家の父親像。緊張と照れた顔。昭和のモノクロ写真ともとれます。農家で育った私には甘く切ない。燕麦がいい。
ふたばさん (8augfkle)2023/7/2 01:26削除
第559回選句

〇実桜や芋坂下の団子茶屋
 芋坂はどこにあるのかわかりませんが、下町の風情を感じます。茶店で見あげる視線の先に
 小さな桜の実が黒く、赤く光っている。雰囲気がよく伝わってきます。

◎落し文解けば虚ろ女坂 (ほどけば)
 葉っぱの中には何があるのか知りたくて、こどもの頃、開いてみました。小さい黄色の虫の 卵でした。「虚ろ」と「女坂」が効いていてドラマを感じます。

〇燕麦を抱えて父は被写体に
 麦藁帽子の下の日に焼けた笑顔。懐かしさが伝わってくる一枚です。
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/1 23:01削除
第599回 選句

〇実桜や芋坂下の団子茶屋
 東京の下町風景、季語に風情を感じます。

◎落し文解けば虚ろ女坂
 「落し文」には季語でない意味もありますが、二つの意味を感じさせる使い方が巧みです。

〇知恵の輪を解いている間に虹消えて
 虹と知恵の輪、意外なものの組み合わせが楽しいです。

〇影逃げる影の深さや夏蜻蛉
 夏の日差しの強さを感じさせてくれます。

〇海胆丼のずしり三陸浜街道
 食べ物の句は美味しそうに作りなさいと聞きました。お手本のような句、三陸に海胆を食べに行きたくなります。
こがめさん (8atk17xs)2023/6/30 16:11削除
第599回麦っこ選句

〇肩の凝り解す体操梅雨深し
肩こりのために体操している景ですね。どんな体操かな。日常も健康体操しながら元気な方ですね。

〇紫陽花の雨に解けて青い道
「青い道」から紫陽花の花が青色かな。きっとたくさんの紫陽花が満開で道一杯に埋めている景が浮かんできました。

〇影逃げる影の深さや夏蜻蛉
上五中七の影の様子が浮かんできます。様子を見て、焦点化することの参考になりました。

◎昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
胡瓜を育てているのかな。隣の家の胡瓜をみていると実感しました。自然の姿をじっと見つめている景です。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/30 14:51削除
599回選句
◎昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
 一夜の雨で胡瓜が急成長した様子を、気ままに蔓を伸ばすと擬人化したところに共感。
〇解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
 毎日何気なく飲んでいる薬だが、鬱陶しい梅雨の季節を迎える時の覚悟のようなものがうかがえる。
〇落し文解けば虚ろ女坂 (ほどけば)
 下五の女坂で、ただならぬ境涯詠の俳句に変身。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/6/29 12:03削除
599回 選句
○実桜や芋坂下の団子茶屋

桜の実は、見ようとしなければ葉隠に黒く見えにくい。
ぶらり立ち寄った団子茶屋の緋毛氈に腰掛け、ふと見上げた先の実桜。さりげなく過ぎた季節の移り変わりに思いを馳せているようです。

○解熱剤プチンと折って梅雨ごもり

私も解毒剤でひねっておりました。掲句の軽みの妙。
柔らかな感性を感じます。

◎落し文解けば虚ろ女坂

同じような景に出くわしましたが、モノに出来ず。
落とし文が虚なのは、ある意味自然な結末ですが、作者の胸には、その有り様がしんと響いたのでしょう。
小さな虫の生きざまに。
女坂が効いています。
不来方さん (8b8tdv36)2023/6/26 17:46削除
第599回麦っこ選句

◎桜の実噛めば青春渋し酸し
「桜の実」の本意のとり方は難しいがこの句のように「過去に対する今の感慨」が合いそうな気がする。

◯夏暁よ必死に誤解解く夢よ
夏は夜明けも目覚めも早い。明け方のうなされるような夢がリアル。

◯解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
「プチンと折って」の描写力が中々。

◯ 昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
胡瓜の成長ぶりは如何にも「気まま」です。
返信9
不来方さん (8b8tdv36)2023/6/24 22:40 (No.64146)削除
第600回麦っこお題

題詠 「噴水」

文字詠 「マ」

テーマ詠 「祝」
 ※このテーマは幅広く捉えて下さい。

記念すべき600回の当番で光栄です。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/2 19:35削除
麦っこ600投句
噴水の回りスーツの新社員
スキャットのマーチなめらか梅雨明くる
純白のジューンブライド青時雨
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/2 18:30削除
第600回 投句

噴水の焦り青空遠すぎる
山開きマーブルチョコの丸い筒
ローソクを一気にケーキ日焼けの子
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/2 11:24削除
600回投句

涸れ噴水子等の歓声の記憶
帰省子のまず仏壇やマッチの香
幣束の音渡りゆく山開
まりさん (8md9x4e2)2023/7/2 09:47削除
600回投句

死者生者噴水虹を生むばかり
ギヤマンの盃の献杯忌を修す
はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
ふたばさん (8augfkle)2023/7/2 00:44削除
第600回麦っこ投句

音楽に躍る噴水七色に
暑気払いマーボー豆腐をより辛く
師は卒寿免許更新心太
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/1 11:16削除
600回 投句

噴水の夜風に遊ぶモノローグ

青東風やマザーグースの月曜日

海南風二代目揚げる祝い旗
不来方さん (8b8tdv36)2023/6/30 16:24削除
第600回投句 

噴水に水陽炎のビル透けて

梅雨深しドーベルマンの呼気あらし

六月の父あるがまゝ黙のまゝ
こがめさん (8atk17xs)2023/6/30 16:20削除
第600回麦っこ投句

噴水を被りずぶ濡れ合戦場

マニキュアの指で剥く先マスカット

乾杯はアイスコーヒー喜寿祝
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/27 17:02削除
600回投句
子等去りてより噴水の音高し

ローマ軍の来襲蒲の穂が騒ぐ

認知機能検査合格葛桜
返信9
智美さん (8kfpafc0)2023/6/18 09:12 (No.63380)削除
第559回  お題

季語   桜の実
文字   解
当季雑詠

   一か月、以上振りに、「麦っこ」開きました。
   よろしくお願い致します。
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/6/26 07:49削除
599投句

荒れている5年1組桜の実
夏暁よ必死に誤解解く夢よ
海胆丼のずしり三陸浜街道
智美さん (8kfpafc0)2023/6/26 05:58削除
第599回  投句

いじめっ子隠れていそう桜の実
紫陽花の雨に解けて青い道
こわごわと髪染め二十歳梅雨の晴れ
のんさん (8b8xe2bx)2023/6/25 15:13削除
第599回 投句

結末の悲しい映画桜の実
肩の凝り解す体操梅雨深し
昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
ふたばさん (8augfkle)2023/6/24 23:01削除
第599回

古寺の芭蕉碑に染む桜の実
解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
夏の雨避けてトリックアート展
ちこりんさん (8mmormpc)2023/6/24 20:18削除
599回 投句

磐座へ散りて動かぬ桜の実

解放の遠き叫びや慰霊の日

影逃げる影の深さや夏蜻蛉
こがめさん (8atk17xs)2023/6/23 23:16削除
第599回麦っこ投句

公園の平和呼ぶ像桜の実

解体中の古民家前に夏帽子

心字池の水辺に揺れる濃紫陽花
不来方さん (8jrlsjab)2023/6/23 20:17削除
第559回投句

大寺の実桜踏んでしまいけり

知恵の輪を解いている間に虹消えて

燕麦を抱えて父は被写体に
太郎さん (8aq3zcoi)2023/6/23 11:56削除
麦っこ599投句
桜の実噛めば青春渋し酸し
解体の重機の唸り青葉風
鷗外の墓にも香華桜桃忌
まりさん (8md9x4e2)2023/6/22 22:21削除
599回投句(今回は599回です)

桜の実阿弥陀へ畳む無信心
落し文解けば虚ろ女坂 (ほどけば)
マティス展へようこそ噴水穂を上げる
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/19 17:32削除
559回投句
実桜や芋坂下の団子茶屋
蚊遣香炊いて荷を解く新居かな
花菖蒲シャッター街ののぼり旗
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/6/18 23:09 (No.63470)削除
598回投句一覧&選句

「蚊」
はや藪蚊リュックの底に探る鍵
蚊のすだくトロ箱何も無い波止場
蚊の声や真昼客無き古書の店
蚊柱の阿武隈川の夕べかな
飄々と蚊に刺されたる男かな
カタカタと続くカタカナ蚊が唸る
蚊を打ちて「川中島」の吟に和す
蚊の好きな血液談義盛り上がる
蚊を打って人生如何に生くべきや

「気」
万緑や気楽極楽露天風呂
鮑売る海女の気安き浜言葉
夏薊あいつはいつだって本気
ジャスミンの香気とお茶に招かるる
気負いなき暮らし目高に子が生まれ
気骨まだ萎えざる男日焼顔
白湯の湯気うつらうつらと夏の風邪
姥捨の山気霊気や夏の月
緑陰の男気化する石の上

「雑詠」
観音の足腰洗う梅雨曇
境内の神木囲む苔の花
多国語に慣れて大和の袋角
河鹿なく宿の廊下のぎしぎしと
秋田蕗ならばこの嘘隠せるか
青梅雨やロープ一本張る更地
色褪せる異国語の絵馬夏つばめ
涼風の運ぶ吉兆神の鈴
ゴスペルの和声向日葵みな俯き

智美さんお帰りなさい。ゆるりゆるりと参りましょう~。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/6/25 20:35削除
麦っこ598選句
「蚊」
〇飄々と蚊に刺されたる男かな
この句は、上五で一気息おいて読みたい。顔の辺りを蚊に食われているのに、何の痛痒も感じないように泰然自若としている男。無論鈍感というのではなく些事にこだわらず超然としている姿を、好感を抱いてみているのだ。
「気」
◎気負いなき暮らし目高に子が生まれ
「気負いなき」は、決して無気力なというのではなく、他と競い合い張り合う気持ちからくる余分な意気込みをもたないということであろう。
そうした自然体の暮らしの中で飼育している目高が繁殖する。この暮らしの中のこの喜び を詩因として千鈞の重みの句が生まれるのである。 、
「雑」
〇多国語に慣れて大和の袋角
「慣れる」は、度々接触するうちに、違和感なく当たり前のように付き合えるようになる意と、なつく、なじむ、親しみの気持ちをもつようになるの意があるが、ここは後者のゐでろう。「多国語」は、多国籍の人の言語という意味の造語かと思うが、単に「異国語」でもよいような気がする。
〇青梅雨やロープ一本張る更地
 梅雨時の雨が、新緑の初々しい色感にあふれる若葉をしっとりと濡らしている。建物が取り払われた緑一色の草地に、一本のロープが張られている。それが、何のためにどんな形に張られているかは述べられていないが、そこにはヒトの何らかの意思が感じれて、読む人の心を刺激してくるのだ。このように、俳句は往々にして言わずに語る形をとるものらしい。
天馬さん (8bszqp0p)2023/6/25 11:44削除
598選句

○蚊のすだくトロ箱何も無い波止場
○蚊を打ちて「川中島」の吟に和す
○蚊を打って人生如何に生くべきや
○気負いなき暮らし目高に子が生まれ
○多国語に慣れて大和の袋角
◎青梅雨やロープ一本張る更地
長年地元に馴染んだ服屋さんが、イオンに負けある日突然更地に。張られたロープに無念さのような気を感じました。

コメント少なくてすみません。
これから所属の超結社の誌代値上げの話し合いに。退会が続いて高齢化の波ヒシヒシ…。
ふたばさん (8augfkle)2023/6/25 00:00削除
第598回選句
〇蚊のすだくトロ箱何も無い波止場
 「蚊のすだく」と「何も無い波止場」の対比が効いていると思いました。トロ箱があるのに威勢のいい声が聞こえず、さびれた風景が想起されました。

◎気負いなき暮らし目高に子が生まれ
 句そのものにも気負いがなくさらりと書かれていて、このような境地の日々は素敵ですね。

〇白湯の湯気うつらうつらと夏の風邪
 眠ったり覚めたり、すっきりしない状態を白湯が導いていて、共感できる一句です。

〇秋田蕗ならばこの嘘隠せるか
 迫ってくる感じですね。秋田蕗の意外性。巧みです。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/6/23 19:48削除
598回 選句
○飄々と蚊に刺されたる男かな
蚊に刺されることに頓着しない男。飄々とした姿を想像するだけで、愉しい。
大らかで爽やか。

○秋田蕗ならばこの嘘隠せるか
軽妙なタッチがいいですね。隠せませんよう。
季語の斡旋が絶妙です。

◎気負いなき暮らし目高に子が生まれ
取り合わせが素晴らしい。
さりげない中に生きることの意味を考えさせます。
のんさん (8b8xe2bx)2023/6/23 19:04削除
第598回 選句
◎夏薊あいつはいつだって本気
 夏薊からの連想、飛躍が面白く、頭の中で考えているような言葉をそのまま句にしたようなユニークな処に惹かれます。
〇多国語に慣れて大和の袋角
 奈良の鹿、海外の旅行客が増え多国語が飛び交う様子を巧みに捉えています。
〇秋田蕗ならばこの嘘隠せるか
 テレビでしか見たことがないのですが、発想が楽しいです
〇青梅雨やロープ一本張る更地
 ロープは張られたものの、進展の無い工事、気になるのは以前知人が住んでいた場所だったのかもしれません。
〇涼風の運ぶ吉兆神の鈴
 お参りしていたら気持ちの良い風が、これも小さな幸せです。
まりさん (8md9x4e2)2023/6/22 22:12削除
598回選句

◎気負いなき暮らし目高に子が生まれ
肩の力を抜いた感が魅力的。目高との取り合わせがかなり効果的です。コロナ休校の時から飼い始めた我が家の目高は4年目。

〇緑陰の男気化する石の上
下五は推敲の余地があると思いますが、気化するような雰囲気の男はわかります。なぜか女ではうまくいきませんよね。

〇多国語に慣れて大和の袋角
ごくごく自然体で日本の古都を楽しんでいる多くの外国人。日本語も外国語のひとつとなって溶け込む。袋角という一語に焦点を当てたところがいい。「慣れて」は少し安易かもしれません。

〇秋田蕗ならばこの嘘隠せるか
俳句としてはまだまだナマっぽいのは気になりますが、その分勢いはあります。池田澄子さんは血のにじむような推敲をされてあの自然な口語調を生むのだそうです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/22 18:01削除
◎気負いなき暮らし目高に子が生まれ
 気負わないで生きてるつもりでも、つい色んなところに力が入りすぎているのが現状。目高の子が生まれたくらいのことに
 心を動かされるような生き方をしたいものだ。
〇多国語に慣れて大和の袋角
 奈良春日神社の鹿も、圧倒的に外国客と触れ合う機会が増えたのかもしれない。
〇 秋田蕗ならばこの嘘隠せるか
 秋田蕗は2メートル程迄成長する。体は十分隠せるが、果たして嘘まで隠せるか?隠してほしいのは作者の願望か。
〇色褪せる異国語の絵馬夏つばめ
 色褪せた絵馬の文字に時の移ろいを感思うが、燕の到来により新たな生命の息吹が感じられる。
こがめさん (8atk17xs)2023/6/22 16:58削除
第598回麦っこ選句

〇蚊の声や真昼客無き古書の店
「蚊の声」ってどんな声かなと思いました。でも古書店の静かな景が浮かんできました。

◎夏薊あいつはいつだって本気
中七下語の表現がいいなと思いました。夏薊をよく見ると棘が鋭いなと思いました。
そのことからこの表現が出てきたのかな。

〇白湯の湯気うつらうつらと夏の風邪
夏風邪で気持ちがすっきりしないのかな。お大事にしてください。

〇色褪せる異国語の絵馬夏つばめ
「夏つばめ」の季語から交流が広がっている景が浮かんできます。そして「色褪せる」
分けがなるほどと思いました。
不来方さん (8jrlsjab)2023/6/19 11:04削除
第598回選句

◯蚊のすだくトロ箱何も無い波止場
 魚臭漂うトロ箱に群がる蚊の鳴く音を「蚊のすだく」と表現した凄み。無人の波止場が際立っている。

◯蚊を打ちて「川中島」の吟に和す
 生々しい殺生の現実と詩吟の織りなす超現実との取合せが巧い。

◯夏薊あいつはいつだって本気
 刺々しい夏薊を生真面な男になぞらえて俳諧味あり。そこはかとない愛情が隠し味。

◎気負いなき暮らし目高に子が生まれ
 達観の生活に淡々と過ぎゆく時間。「目高に子が生まれ」に至上の喜びが垣間見える。

◯涼風の運ぶ吉兆神の鈴
 神鈴を鳴らし二礼二拍手、手を合わせながら心中ささやかなお願いごとを呟く。さっと神木から涼風が頬を撫でる。一礼をして後ずさる。淡々としたお詣りの所作と「涼風」が呼応し合って読み手の心も涼しくなる。
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/6/11 22:29 (No.62587)削除
597回投句一覧&選句

「夏落葉」
歩かねば見えぬものあり夏落葉
樟落葉霞ヶ関の日曜日
神馬舎の今は物置樟落葉
夏落葉踏んで仁王の巨き脛
月並みをかたちにすれば夏落葉
ごみゼロの夏落葉入る蝶結び
慰霊碑に新たな名前樟落葉
少年の踏む夏落葉老が掃く

「回」
ナイター見る九回裏で大逆転
六月の円筒巡る回遊魚
夏風邪や回転椅子に告げらるる
青梅雨の古都回廊のエンタシス
入梅や回送電車の後尾灯
法隆寺回廊ガイドの夏帽子
回顧録まづは跋より梅雨籠り
黒南風や胸の歯車空回り

「雑詠」
夏萩の風に触れたるかえる石
代掻きて明るくなりぬ校舎裏
バーボンの香りかすかに五月闇
浜茄子や匂いに咽ぶ海幻影
明易し旅のシャワーを全開に
梅雨晴れ間煮沸の瓶に詰めるジャム
青鷺の見下ろす田畑昏れんとす
団子坂札所この上夏の風


智美さん・天馬さんはお休みです。
体調不良の方が増えています。
私もじわじわ落ちてゆく体力との付き合い方を試行錯誤しているところです。
返信
ふたばさん (8augfkle)2023/6/19 00:43削除
麦っこ597回選句

◎夏落葉踏んで仁王の巨き脛
 風が運んだ夏落葉でしょうか。巨き脛から、筋骨隆々の仁王様の全体像も想起されます。

〇青梅雨の古都回廊のエンタシス
 法隆寺の回廊ですね。回廊の柱が石を土台にしていたのが面白く、写真に撮って小さな展覧会に出したことがありました。青梅雨が古都の情緒を醸し出しています。

〇代掻きて明るくなりぬ校舎裏
 校舎裏の鏡のような水田は田植えを待つばかり。懐かしい風景です。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/6/18 11:59削除
麦っこ597選句
「夏落葉」
〇夏落葉踏んで仁王の巨き脛
 仁王の太く逞しい足と、その足下に散らばっている常盤木落葉の対照は、趣深いものがある。
「回」
〇青梅雨の古都回廊のエンタシス
盆地にひろがる青梅雨の南都の景からズームインして、法隆寺の伽藍を結ぶ回廊の景、その胴張の柱に注目して趣のある景を表出している。
 「エンタシス」と断言できるかどうかはともかくとして、短い言葉で効果的に述べていると思う。

◎明易し旅のシャワーを全開に
 「明やす」は、4時ころから夜が明けかかる。俳句では、そうした短夜の物理的な短さよりも、短さを惜しむ心情が強い。旅の空で明けやすを惜しみながら、少し熱めに設定したシャワーで心を引き締めようとしているのである。「旅のシャワーを全開に」には、そうした心情がよく出ていると思う。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/6/18 09:19削除
597回 選句

○歩かねば見えぬものあり夏落葉
落葉の路は思索の道。散る姿や落葉踏む音に深まりゆく。とても共感します。

◎青梅雨の古都回廊のエンタシス
広い景からズームインしていく回廊のエンタシス。
作者の視点の動きが詩的です。

○明け易し旅のシャワーを全開に
爽やかさ全開。体感から旅の愉しさも伝わってくるようです。余計なことを言わない強さ。
まりさん (8md9x4e2)2023/6/16 22:09削除
597回選句

〇樟落葉霞ヶ関の日曜日
長い間私にとっての樟は神社仏閣のイメージでしたが、都会ではポピュラーな街路樹です。霞が関しかり。日曜の静かな霞が関。樟の落ち葉は美しい。

〇夏落葉踏んで仁王の巨き脛
踏んでいるように見えたのでしょうか。ちょっと上げた足の指の隙あたりに落葉があったのでしょうか。あの迫力と夏落葉の対比もおもしろい。

◎青梅雨の古都回廊のエンタシス
季語とモノを淡々と並べていて閑か。「古都」で切るのでしょうね。エンタシスですから法隆寺回廊のことと思いますから。
「古都回廊」とつなげて読むと古都全体を回廊としたのかと思われるかもしれません。そこには少し引っ掛かりました。
のんさん (8b8xe2bx)2023/6/16 21:38削除
第597回 選句
〇樟落葉霞ヶ関の日曜日
 休日の霞ヶ関、一度だけ歩いたことがあります。所々に警備の人がいたことが印象に残っています。樟の大木と霞が関の取り合わせが良いなと感じます。
◎月並みをかたちにすれば夏落葉
 句評を書きにくい句なのですが、感覚的に解ります。作りたいのですが中々作れない句です。
〇夏風邪や回転椅子に告げらるる
 くるっと回って「夏風邪ですね、お薬飲んでみて下さい」言葉が聞こえてくるようです。
〇回顧録まづは跋より梅雨籠り
 後書きから読む「回顧録」特別な思い入れがあるのでしょうか。梅雨の時期にじっくりと読むに相応しい様に思います。
〇明易し旅のシャワーを全開に
 旅先での早い目覚め、今日一日の元気をもらえそうです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/16 17:05削除
◎青梅雨の古都回廊のエンタシス
 梅雨時に古都を旅して、古代寺院の建築技術のレベルの高さ、設計者の美意識に大いなる感動を覚えたことが窺えます。
〇樟落葉霞ヶ関の日曜日
 平日とは打って変わって人通りの少ない官公街。樟落葉が一層静謐さを増す。
〇神馬舎の今は物置樟落葉
 過疎化とともに神社や寺院が荒廃していく。地方創生などといった言葉が空しく聞こえます。
こがめさん (8atk17xs)2023/6/14 20:16削除
第597回麦っこ選句

〇少年の踏む夏落葉老が掃く
クスッと笑ってしまいました。子どもたちは気にもしないで歩いたり遊んだりしています。でも年配の人は気になって掃いていますね

◎夏風邪や回転椅子に告げらるる
お医者さんがパソコンに記録してから患者に結果を告げる景ですね。でも顔を見て話すお医者さんでほっとしました。「回転椅子」で医者の動きと患者との近さの景が浮かんできます。

〇法隆寺回廊ガイドの夏帽子
「夏帽子」で法隆寺を見ている景が浮かんできます。

〇代掻きて明るくなりぬ校舎裏
校舎がどんな場所にあるか想像できます。卒業した小、中学校を思い出します。
田の移り代わりの景が浮かんできます。
不来方さん (8jrlsjab)2023/6/13 10:24削除
第597回選句

◎神馬舎の今は物置樟落葉
 「今は」の強調で「神馬舎」が「物置」となったしまった神社の衰退がよく伝わって来る。開け放しの物置に樟落葉が降り積む無常感がいい。

◯青梅雨の古都回廊のエンタシス
 法隆寺の回廊であろう。それがエンタシスとは和辻哲郎の「古寺巡礼」を思い出す。青梅雨のしっとりした感覚とも合う。

◯夏萩の風に触れたるかえる石
 奈良元興寺の「かえる石」であろうか。夏萩の風がかえる石に触れるのではなく、かえる石が風にふれるという逆転の発想が面白い。

◯代掻きて明るくなりぬ校舎裏
 校舎の影でうす昏かった田圃が、水を得て代田となり明るくなった風情を詠って味わいがある。(先週末に友人の田圃の代掻きを手伝って来ました。代田の水と光と波のコントラストには心が明るくなります)
返信8
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/10 10:49 (No.62430)削除
598回 題
季語  蚊
文字  気
当季雑詠
返信
のんさん (8b8xe2bx)2023/6/18 20:08削除
第598回 投句

はや藪蚊リュックの底に探る鍵
気負いなき暮らし目高に子が生まれ
色褪せる異国語の絵馬夏つばめ
ちこりんさん (8mmormpc)2023/6/18 15:46削除
598回 投句

蚊のすだくトロ箱何も無い波止場

緑陰の男気化する石の上

涼風の運ぶ吉兆神の鈴
太郎さん (8aq3zcoi)2023/6/18 11:29削除
麦っこ598投句
蚊の声や真昼客無き古書の店
鮑売る海女の気安き浜言葉
ゴスペルの和声向日葵みな俯き
智美さん (8kfpafc0)2023/6/18 09:08削除
第599回  お題

季語   桜の実
文字   解
当季雑詠

   一か月、以上振りに、「麦っこ」開きました。
   よろしくお願い致します。
ふたばさん (8augfkle)2023/6/18 00:34削除
第598回投句

蚊柱の阿武隈川の夕べかな
ジャスミンの香気とお茶に招かるる
河鹿なく宿の廊下のぎしぎしと
天馬さん (8bszqp0p)2023/6/17 15:56削除
598投句

飄々と蚊に刺されたる男かな
夏薊あいつはいつだって本気
秋田蕗ならばこの嘘隠せるか
まりさん (8md9x4e2)2023/6/16 23:09削除
598回投句

カタカタと続くカタカナ蚊が唸る
白湯の湯気うつらうつらと夏の風邪
青梅雨やロープ一本張る更地
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/16 08:59削除
598回投句
蚊を打ちて「川中島」の吟に和す
気骨まだ萎えざる男日焼顔
観音の足腰洗う梅雨曇
こがめさん (8atk17xs)2023/6/15 16:47削除
第598回麦っこ投句

蚊の好きな血液談義盛り上がる

万緑や気楽極楽露天風呂

境内の神木囲む苔の花
不来方さん (8b8tdv36)2023/6/15 14:09削除
第598回投句

蚊を打って人生如何に生くべきや

姥捨の山気霊気や夏の月

多国語に慣れて大和の袋角
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/6/4 19:55 (No.61856)削除
596回投句一覧&選句

「梧桐」
青桐や郷の自慢は岩清水
梧桐や薄暗がりの農具小屋
太陽を隠す梧桐四肢ゆるむ
梧桐の本家より来るお赤飯
語り部の被爆の梧桐葉の茂り
梧桐に光きそえる法隆寺
梧桐や卒業二十五周年
梧桐に相傘彫りし頃のこと
梧桐を崇めるごとく風通る

「洗」
洗えども墨色落ちぬハンカチーフ
薫風や御手洗に立つ三世代
峰雲や犬洗われて胴震い
髪洗う太き腕の母なりし
白シャツを洗う片足まだ青春
よく履いてよく洗いたる白ズック
遠雷や無心に貌を洗う猫
男にもある老婆心髪洗う
旅の荷に旅の温もり洗い髪

「雑詠」
短夜の山嶺影を失わず
夏は来ぬ大川渡る触れ太鼓
陶製の楚人冠句碑沼の夏
清貧も赤貧も死語小判草
風薫る女子学生の水占い
天平の風よ如来の蜘蛛の糸
十薬の白美しき廃舎裏
水見する父の幻影青田道
手庇の中の尼寺立葵
返信
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/11 17:14削除
◎梧桐の本家より来るお赤飯
 昔の大家族制度が偲ばれます。梧桐の本家はその象徴のような存在。
〇旅の荷に旅の温もり洗い髪
 旅から帰ってすぐに髪を洗う。だが、気持ちの高ぶりはすぐには収まりそうにもない。
〇夏は来ぬ大川渡る触れ太鼓 
 大川を渡るのは、太鼓の音か。夏が来た喜びが感じられる一句。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/6/11 09:56削除
選評596 
「梧桐」
〇梧桐や薄暗がりの農具小屋
葉も樹皮も鮮緑色の梧桐、開け放した扉の奥に鈍く光る鍬・鎌、明─暗、静─静の取り合わせが初夏の季節感を表している。

「洗」
〇白シャツを洗う片足まだ青春
片足は疾うに朱夏から白秋に突っ込んでいるのに、残る片足は今未だに青春に重心を置いている。そんな年代の主婦がお気に入りの白シャツを手洗いしている。そんな図を描いてみたが⠒⠒。

「雑詠」
◎短夜の山嶺影を失わず
 明やすの薄明の空に山の稜線がくっきりと見える。「山嶺」(山のみね)を「山巓」(山のいただき) というのもあるかもしれない。
のんさん (8b8xe2bx)2023/6/10 15:47削除
第596回 選句
◎旅の荷に旅の温もり洗い髪
 良い旅だったのでしょう。「洗い髪」への転換に実感がありますが、意表をつかれました。
〇夏は来ぬ大川渡る触れ太鼓
 すっきりとした江戸前の句です。両国国技館の色とりどりの幟が目に浮かびました。
〇天平の風よ如来の蜘蛛の糸
 光の加減で蜘蛛の糸が見えたのでしょうか。蜘蛛の営みも天平の時代から連綿と続いているのですね。
〇水見する父の幻影青田道
 「水見」知らない言葉でしたが重要な事と知りました。一途なお父様だったのでしょう。
〇手庇の中の尼寺立葵
 「手庇」「尼寺」「立葵」三語のバランスが良く、穏やかな気持ちにさせてくれる句です。
天馬さん (8bszqp0p)2023/6/10 14:02削除
596選句

◎梧桐の本家より来るお赤飯
当地にまだ残る本家という重さと赤飯の軽さがよいです。
○旅の荷に旅の温もり洗い髪
久々に上京し東京駅の人の多さにびっくり。旅を終え降り立った盛岡駅の空気の綺麗さにびっくり。
○夏は来ぬ大川渡る触れ太鼓
清々しさに惹かれました。
ふたばさん (8augfkle)2023/6/9 23:36削除
596回選句

〇梧桐の本家より来るお赤飯
 本家には立派な梧桐があったんですね。心待ちにしている年中行事の一つかもしれません。さらっと描かれていて、惹かれました。

◎旅の荷に旅の温もり洗い髪
 旅のあれこれを思い出しながら荷をほどき髪を洗う。充実した旅の余韻が感じられます。

〇夏は来ぬ大川渡る触れ太鼓
 楽しみにしている15日間がやってるナ。相撲ファンのうきうきした気分。一度本物の触れ太鼓を聞いてみたいですね。

○手庇の中の尼寺立葵 
 手庇がいいですね。私にはなかなか出てこない言葉です。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/6/9 16:19削除
596回 選句

○太陽を隠す梧桐四肢ゆるむ
梧桐の姿そのままに夏の景を描写しています。すっと心におさまりました。
季語を生かすことを、あらためて教えられます。

○語り部の被曝の梧桐葉の茂り
時を重ねた樹々には、さまざまな歴史が刻まれています。そんな俳句を詠みたいと思っていました。

○よく履いてよく洗いたる白ズック
季語として、白ズックはやや弱い感じがしますが、実体験と重なり納得。飾らない表現がいいですね。
季語が動かぬように、上五中七の内容をどう表現すればよいか、悩むところではあります。

◎夏は来ぬ大川渡る触れ太鼓
大きな景が浮かびます。夏らしい材料の取り合わせ。
視野を広げて、作句していきたいとと思います。
まりさん (8md9x4e2)2023/6/9 12:21削除
596回選句

◎梧桐の本家より来るお赤飯
俳句に苦しんで、あれこれこねくり回しているときに、こんな肩の力を抜いた(ような)俳句に出会うと拍子抜けします。あっけらかんとした明るさがうれしい。
これでいいのだよね~と。こんな俳句がいいよね~。

○旅の荷に旅の温もり洗い髪
奈良の旅は、お茶をする時間もとらず、12の寺をひたすら回って、国宝・国宝また国宝。いい仲間とのいい旅でした。(私の高熱は「知恵熱」だったのでしょう。)

○夏は来ぬ大川渡る触れ太鼓
隅田川を渡る夏場所の触れ太鼓でしょうか。船橋の俳句仲間には相撲ファン多くて驚きます。私には?ですが。

◇水見する父の幻影青田道
「水見」は稲作には大事な作業ですし、字からわかってもらえる気もしますが、俳句となると造語っぽく感じます。他の言葉はみつかりませんが。
こがめさん (8atk17xs)2023/6/7 19:30削除
第596回麦っこ選句

〇梧桐に相傘彫りし頃のこと
ロマンチックですね。黒板らに相合傘が買いてありましたが・・・・。

〇峰雲や犬洗われて胴震い
愛犬家ですね。気持ちよさそうですね。

〇旅の荷に旅の温もり洗い髪
旅が楽しかっただろうな。きっとお土産一杯は良い思い出が・・・。「洗い髪」に惜しんでいるように感じます。

◎清貧も赤貧も死語小判草
「小判草」の季語のイメージが膨らみますあ。清貧、赤貧の言葉がまた復活しないように・・・。小判草を見直してみます。

〇水見する父の幻影青田道
、米農家の 働きものそして実直な父親が浮かんできます。今も引き継がれて美味しいお米ありがとう。
不来方さん (8jrlsjab)2023/6/5 10:26削除
第596回選句

◯梧桐の本家より来るお赤飯
 本家は「梧桐の◯◯さん」と呼ばれるほどの旧家だったのでは。何かお祝い事があると一族本家で赤飯炊き。昭和が息づいているような句。

◯梧桐に相傘彫りし頃のこと
 どこかで見た「俳句は記憶の文学でもある」に納得。梧桐ではなかったが何かの大木に相傘を彫った少年の日の記憶が蘇って来た。

◎旅の荷に旅の温もり洗い髪
 いい旅だったのだろう。「洗い髪」に心地よい旅の疲れがよく表出されている。

◯夏は来ぬ大川渡る触れ太鼓
 神田祭であろうか?スケールの大きな夏祭りの句。「大川渡る」が巧い。

◯清貧も赤貧も死語小判草
 確かに「清貧」も「赤貧」も今は死語。小判草が付き過ぎのようでありながら何度も読み返すと逆に味わいが増して来る。今の格差社会が長く続くと死語が復活するかも。そういう時代だからこそこの句のテーマが生きている。
返信9
のんさん (8b8xe2bx)2023/6/4 09:45 (No.61798)削除
第597回 お題

 季語     夏落葉
 文字     回
 当季雑詠

季節外れの台風通過による豪雨、皆様大丈夫でしたか? 
よろしくお願いいたします。         のん
返信
のんさん (8b8xe2bx)2023/6/11 14:50削除
第597回 投句

歩かねば見えぬものあり夏落葉
青梅雨の古都回廊のエンタシス
梅雨晴れ間煮沸の瓶に詰めるジャム
太郎さん (8aq3zcoi)2023/6/10 21:24削除
麦っこ 597投句
樟落葉霞ヶ関の日曜日
六月の円筒巡る回遊魚
青鷺の見下ろす田畑昏れんとす
ふたばさん (8augfkle)2023/6/10 17:35削除
第597回投句

神馬舎の今は物置樟落葉
夏風邪や回転椅子に告げらるる
団子坂札所この上夏の風
ちこりんさん (8mmormpc)2023/6/10 10:29削除
597回 投句

夏落葉踏んで仁王の巨き脛
黒南風や胸の歯車空回り
浜茄子や匂いに咽ぶ海幻影
まりさん (8md9x4e2)2023/6/9 12:22削除
597回投句

月並みをかたちにすれば夏落葉
法隆寺回廊ガイドの夏帽子
明易し旅のシャワーを全開に
こがめさん (8atk17xs)2023/6/8 20:29削除
第597回麦っこ投句

ごみゼロの夏落葉入る蝶結び

ナイター見る九回裏で大逆転

夏萩の風に触れたるかえる石

削除を繰り返して申し訳ありません。投句してから間違いに気が付いて慌てています。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/8 17:18削除
597回投句
慰霊碑に新たな名前樟落葉
入梅や回送電車の後尾灯
代掻きて明るくなりぬ校舎裏
不来方さん (8b8tdv36)2023/6/8 11:10削除
第597回投句

少年の踏む夏落葉老が掃く

回顧録まづは跋より梅雨籠り

バーボンの香りかすかに五月闇
返信8