麦船橋句会

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掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
不来方さん (8jrlsjab)2023/8/27 11:27 (No.70295)削除
第609回出題

題詠   秋の蟬(傍題可)

文字詠  林

テーマ詠 色
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/9/4 09:18削除
麦っこ609投句
秋の蝉千代田区千代田1-1
竹林の宿坊遠き蝉の声
暁紅の褪せるはやさや秋愁
智美さん (8kfpafc0)2023/9/3 20:59削除
第609回  投句

ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
タワマンの林立飛散する秋日
朝顔のきのうと少し違う青
のんさん (8b8xe2bx)2023/9/3 16:54削除
第609回 投句

髪を切る初めての店蝉の声

秋の日の透け白樺林無音

青々と育つ徒歩圏の葡萄園
不来方さん (8b8tdv36)2023/9/3 16:05削除
第609回投句(一句目一字訂正)

夕かなかな揃い地球の挽歌とも

葛なだる看板だけの営林署

告白は重し黒葡萄は甘し
天馬さん (8uov4p4u)2023/9/3 14:50削除
609投句

定型の喪主挨拶や秋の蝉
馬産地をつなぐ林道蔦紅葉
金色の海に乗り出すコンバイン
こがめさん (8atk17xs)2023/9/2 16:10削除
第609回麦っこ投句

筆塚へお礼参りの秋の蝉

林の中酸素豊かや虫の声

皿秤にひと房そっと黒葡萄
ちこりんさん (8mmormpc)2023/9/2 10:30削除
609回 投句

小さき宮照らす一燈秋の蝉

処暑の風書林に浮かぶ薄埃

秋装う黒きマネキン雨の街
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/29 21:51削除
609回投句

今生の声嗄るるまで残る蝉
諍いの果てて林檎を剥く夫
万物の色なき風に緩びけり
まりさん (8md9x4e2)2023/8/29 14:44削除
609回投句

ひぐらしや落葉松林縫う轍
齧りかけの林檎第二次反抗期
図書館の銀の踏台処暑の雨 

(船橋句会では、席題の文字詠では、その文字の入った季語は使わない、
季語以外の言葉で頑張るという暗黙の了解がありますが、「林檎」と使いました。)
返信9
智美さん (8kfpafc0)2023/9/3 20:54 (No.70897)削除
第609回  投句

ひぐらしや「海坂藩」へ続く道
タワマンの林立飛散する秋日
朝顔のきのうと少し違う青
返信
返信0
まりさん (8md9x4e2)2023/8/21 09:59 (No.69795)削除
607回投句一覧&選句

「盆」
灯籠に揺れる野の花送盆
耳の形似たもの集う盂蘭盆会
盆休み前に数える薬箱
盆休み孫子あまたの隣家かな
盆用意畑の胡瓜庭の花
盆過ぎの空広々と雲流れ
真っ直ぐな胡瓜スーパーの草の市
義姉ひとり住む我が実家盆帰省
送盆翅あるものは翅畳み 

「実」
幼子の桑の実食べたベロをベー
青墨の実朝の歌七夕竹
玄関に散歩のたびの木の実かな
朝顔の摘まれ色水実験中
実柘榴たわわ村人誰も振りむかず
先生は園児の歩幅草は実に
草の実の飛んで子供の帰る道
蓮の実の飛んで風音生まれけり
実椿や御不動さんの裏通り

「雑詠」
汗飛ばすドラムロールの老楽士
原爆忌「はだしのゲン」は隣の子
椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
筋肉の震え美し洗い馬
身を灼いて五百羅漢の火照り顔
あぶれ蚊に血を与うるも生きること
敗戦忌無声フィルムの逆回転
「実はね」と始まる話秋暑し
揚げ立ての紫蘇巻の膳夏座敷 

天馬さんは欠席です。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/27 19:35削除
麦っこ607選句
〇送盆翅あるものは翅畳み
〇蓮の実の飛んで風音生まれけり
◎椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
 かくたわいもない事を繰り返している余生、まさに余輩のくらし、心境そのものである。
〇敗戦忌無声フィルムの逆回転
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/27 11:58削除
◎送盆翅あるものは翅畳み
 送り火を焚いてご先祖の御霊をあの世へ送る送盆。この時ばかりは翅をもつ小さな生き物も、威儀を正して霊送りに加わる。
〇盆用意畑の胡瓜庭の花
 こういった素朴な風習が今ではどのくらい残っているだろうか。
〇汗飛ばすドラムロールの老楽士
 老楽士の姿に自分を重ねて、「まだまだ」と闘志を奮い立たせているのだろう。
智美さん (8kfpafc0)2023/8/27 11:19削除
第607回  選句

◎送盆翅あるものは翅畳み
 先祖代々親から子へと伝わるお盆のしきたり。
 いつも通りやることをやり終え、安堵と静謐に満たされた作者がいる。
 「翅あるものは翅畳み」・・象徴的だが凄みがある。

○蓮の実の飛んで風音生まれけり
 視覚が刺激され、聴覚が動く。五感がよく働くようなゆったりとした暮らしがいいですね。
 そういえば、きのう今日、動く風が少し違ってきたような。

○汗とばすドラムロールの老楽士
○椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
 全く形の違う二句に引かれました。
 どちらも「季語」がしっかりと句の中で存在感を持っていて、人物像や情景がよく理解できる。
 一句目のきちんとした定型、二句目は自然体の語り口をそのまま仕立て上げたような句。
 つぶやきや語り口がそのまま「詩」になるのはむずかしいです。
ふたばさん (8augfkle)2023/8/26 22:20削除
第607回選句

○盆過ぎの空広々と雲流れ
 賑やかなお盆も過ぎ、空には秋の気配。中七から解放感が伝わってきます。

〇先生は園児の歩幅草は実に
 「園児の歩幅」の措辞に魅かれました。周囲に注意を怠りなく、園児の目線、園児の速度で散歩する。先生の優しさと心配りが感じられます。季語が効いています。

◎椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
 当たり前のようですが、このような句に仕立てるのは難しいと思いました。自然体で生きる姿勢がさりげなく表現されていて、魅力的です。

〇蓮の実の飛んで風音生まれけり
 とても繊細ですね。「風音生まれ」が絶妙です。
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/26 13:55削除
第607回 選句

〇盆用意畑の胡瓜庭の花
 今は何でも簡単に買える時代、ご先祖様が喜びそうな心の籠った品々です。
◎送盆翅あるものは翅畳み
 送り火を焚いた後の空っぽになった心、寂しさを感じます。
〇先生は園児の歩幅草は実に
 園外保育の様子、先生は頑張っているなと見掛ける度に思います。
〇蓮の実の飛んで風音生まれけり
 小さな風でも揺れる蓮の葉、「風音」が生まれたという表現に詩があります。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/26 10:04削除
607回 選句
○盆用意畑の胡瓜庭の花

故郷の盆迎えを思い出します。花は盆花と言われるポンポンダリアだったかなぁ。山歩きして草花を摘んできて供えたり。
懐かしい思い出が蘇ります。

◎盆過ぎの空広々と雲流れ

盆が過ぎると夏休みも終わる故郷。海辺もひっそりとし、水も風も冷たさを感じさせます。空も高くなり秋の雲が流れていく。
特別感のない一句ですが、永遠を感じます。

○椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
○あぶれ蚊に血を与うるも生きること

客観的に人の営みを詠まれており、人生とは?と振り返させる作品。
生きることとは?哲学的でもあるような。
こがめさん (8atk17xs)2023/8/23 22:10削除
第607回麦っこ選句

◎盆用意畑の胡瓜庭の花
実家の景を思い出します。畑で用意できるものはいつも育てていました。
普段の供花は花壇で育てていました。盆の時にお墓に供えるのは田んぼの畦道でみそはぎを取ってきたり、竜胆は近くの山で取ってきました。
今でも知り合いの方は花壇で育てて供花らにしています。

〇朝顔の摘まれ色水実験中
色水遊びを思い出しました。「実験中」からどんなことを調べているのかな。すてきな記録集ができるだろうな。

〇草の実の飛んで子供の帰る道
元気にあるいている子供の景が浮かんできます。草の実に触れながら、楽しそうに歩いているのだろう。

〇汗飛ばすドラムロールの老楽士
ドラムが大好きな方だろうな。「汗飛ばす」から身体全体で奏して素敵なメロデイーが流れている景が浮かんできます。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/22 08:42削除
607回選句

◎盆過ぎの空広々と雲流れ
共感。ここ千葉では感じませんが、故郷では盆を過ぎると空も景色も音も変わるのです。(今年はムリでしょうが。)この蒸し暑さから解放されて思い切り空を仰ぎたいものです。
稲刈って鳥入れかはる甲斐の空  福田甲子雄  
私の好きなこの句の雰囲気・景色に通じるものを感じました。

〇真っ直ぐな胡瓜スーパーの草の市
現代を切り取った句。草の市が盆の市であることを初めて知りました。確かに現代の草の市はスーパーや道の駅などの一角です。
智美さんの句「盆用意畑の胡瓜庭の花」には、実家の盆用意を思いました。3年ぶりに実家の墓参りをしましたが、野菜は無論、仏壇と墓への十数種類の花はすべて庭に咲いているものでした。母が植えた花も今年も咲いて。実家が今でもこういうかたちの中にあることを改めてありがたいと思いました。

〇蓮の実の飛んで風音生まれけり
蓮の実が木道に落ちて渇いた音を立てるのを何度も聞いたことがあります。実の落ちる音とともに秋らしい風に気が付いた…というところでしょうか。
「蓮の実飛ぶ」といいますが、蓮の実は鳳仙花のように弾け飛ぶ力は持っていないので、乾燥して穴がゆるゆるになり、風などで転がり落ちるのだと思います。しかしなぜか「飛んだぐらいの距離」にも落ちるのですよ。転がり落ちる瞬間を見てみたいものです。

〇敗戦忌無声フィルムの逆回転
「無声フィルムの逆回転」なるほどうまいなあと思いました。この句を◎にするか悩みましたが、私の”どこかが”足を引っ張ります。
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/21 10:39削除
第607回選句  

◯送盆翅あるものは翅畳み 
蜻蛉や蝶の翅を休めてある姿は人間の黙祷に通ずる。生きとし生けるものはみな代々の命の繋がりで今があるという思いがよく伝わってくる。

◯玄関に散歩のたびの木の実かな
何気ない行為のようでありながら、散歩の度に木の実を拾って帰る人は少ない。その自然との一体感ある日常に共感。

◯朝顔の摘まれ色水実験中
「色水実験」に記憶が数十年巻き戻った。懐かしい自由研究。

◯汗飛ばすドラムロールの老楽士
 どこのダンスホールであろうか。皺の手や眼差しなど老ドラマーの立ち居振舞いだけでなく、歩んで来た人生も見えるようだ。

◎敗戦忌無声フィルムの逆回転
第二次世界大戦は正に時間を巻き戻してみたい負の歴史。「逆回転」に強い反戦意識が込められている。
返信9
智美さん (8kfpafc0)2023/8/20 06:36 (No.69707)削除
第608回  出題

 季語   青蜜柑

 文字   守

 雑詠
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/27 18:33削除
608投句

正論は人傷つけて青蜜柑
馬追も守備につかせし草野球
アスファルトの油膜七色街残暑
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/27 17:04削除
麦っこ608投句
青蜜柑一人息子の反抗期
若き父の梨切り分ける肥後守
暁の守宮張りつく厨窓
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/27 11:59削除
608回 投句

海鳴りや夜の冷たき青蜜柑

桐一葉詩集に母の守り札

ひらひらと招く手浜の盆踊
智美さん (8kfpafc0)2023/8/27 11:25削除
第608回  投句

徒競走の入賞リボン青蜜柑
稲光バッグの底の守り札
新涼の庭草々のなすがまま
ふたばさん (8augfkle)2023/8/26 21:29削除
第608回麦っこ投句

幼児のくしゃくしゃ顔や青蜜柑
蜩やかつて鎮守の杜ありし
宿坊の厠に添いし杜鵑
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/26 19:04削除
第608回 投句

青蜜柑少年初めての挫折
妣の声残る留守電風は秋
さりげなく優しい言葉草の花
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/25 17:04削除
投稿者不来方さん******使い方
第608回投句

青蜜柑仏間に燭を灯しけり

田も山も守る長子の水の秋

一山を統べる蜩浄土かな
まりさん (8md9x4e2)2023/8/25 09:01削除
608回投句

尼寺の裏へ枝折戸青蜜柑
守秘の義務残暑を隔つ会議室
草の実や戦に遭わず喜寿となる
こがめさん (8atk17xs)2023/8/24 21:38削除
第608回麦っこ投句

夢目指すいつも青春青蜜柑

峰雲や守備の乱れが命取り

観音の茅葺屋根の草は実に
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/22 09:28削除
608回投句
団欒も三人家族青蜜柑

墓守の義姉は八十路や蚯蚓鳴く

異次元の少子化対策猫じゃらし
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/8/13 22:04 (No.69253)削除
606回投句一覧&選句

「原爆忌」
折鶴の嘴ずれて原爆忌
合掌のお洒落なネイル原爆忌
長崎忌オランダ坂に臨む海
許すまじの激しい書体広島忌
原爆忌赤い背中を忘るまじ
界隈の雀減りたる原爆忌
八月六日黙祷の空の碧 
原爆忌にはだしのゲンを読み返す
原爆忌コールタールがたぶたぶと
語り部のまた一人減り広島忌

「親」
親と子は酔いて一緒に蚊帳の中
五歳子の親友という汗疹の子
秋暑し検査結果に親展と
母親に抱きつく坊や日雷
蜩の近し両親眠る墓
子の知らぬ親のロマンスソーダ水
稲光父に呼ばれて逝った母
工作の親方は父夏休み
親権の話さらりとソーダ水
親指のハンドサインや雲は秋

「食べ物」
盆の膳の焼き紫蘇巻は母の味
ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
パリパリの羽根つき餃子今朝の秋
かき氷頭の芯を叩きつつ
心太話の接穂なくなりて
納豆に七味一振り今朝の秋
大筆に似たオクラ採る今朝の秋
大ぶりの三色御萩秋彼岸
順番の小さい子より西瓜割
白玉のまだほのぬるし母のこと

智美さん おかえりなさい!
嬉しいです。
ご無理のない範囲でご参加ください。
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/8/27 10:30削除
第606回  選句

◯長崎忌オランダ坂に臨む海
 あの日も今も、オランダ坂から望む海は同じ。穏やかで豊か・・・。

◯界隈の雀減りたる原爆忌
 環境がどんなに変わっても、あの悲しみと怒りは消えることはない。

◯子の知らぬ親のロマンスソーダ水
 私は親のロマンスをさんざん聞かされて育ちました。母と両親を知る周りの大人達から。
 ひるがえって、夫と息子の中が険悪な時代、息子からは、なんであんな親父と結婚したんだと・・。
 「ソーダ水」がいいです。

◎納豆に七味一振り今朝の秋
 「麦」誌8月号平山道子氏の文に
  『俳句は食べ物が一句のメインになる稀有な詩型であり、食べるという日常的な行動が
   そのまま詩になる文芸』とある。そして『食の句は先ず美味しそうであること』とある。
  納得の一句。作者の「七味」の句はどれもお洒落です。
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/23 19:59削除
606選句

◎折鶴の嘴ずれて原爆忌
○原爆忌赤い背中を忘るまじ
○稲光父に呼ばれて逝った母
○心太話の接穂なくなりて

コメントなしですみません。
ふたばさん (8augfkle)2023/8/19 21:02削除
第606回選

◎折り鶴の嘴ずれて原爆忌
 平和の象徴である折り鶴。広島サミットを下敷きに核廃絶がいかに難しいか。「嘴ずれて」が物語っているように思いました。(バイデン大統領が折り鶴を持参したとのニューもありました。)

〇親指のハンドサインや雲は秋
 ハンドサインと秋の雲の取り合わせに爽やかさを感じます。

〇ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ 
 「ラ・フランス」と詩が相まって素敵です。

〇納豆に七味一振り今朝の秋
 朝ごはんに納豆。七味一振りが効いています。(因みに私が最後に食べたいものは、
 炊き立てのご飯。熱々の味噌汁。そして納豆です)今朝の秋がいいですね。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/19 14:47削除
606回選句 
 ◎合掌のお洒落なネイル原爆忌
  戦後77年という時間の経過を感じさせられる句です。
 〇親指のハンドサインや雲は秋
  サムズアップはOKサイン。空のほうから秋がやって来た喜びのサインでしょうか。
 〇ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
  ラ・フランスには人知れぬ不思議な力が宿っており、子どもの能力を引き出している。
こがめさん (8atk17xs)2023/8/18 23:57削除
第606回麦っこ選句
◎合掌のお洒落なネイル原爆忌
原爆忌に合掌している女性の指は「お洒落なネイル」から現在の平和を実感できる。
当時の女性との対比しながら想像が膨らみます。

〇子の知らぬ親のロマンスソーダ水
〇親権の話さらりとソーダ水
「ソーダ水」の取り合わせを参考にしたいです。今度「ソーダ水」を飲んでみてイメージを膨らませたいです。

〇大筆に似たオクラ採る今朝の秋
家庭菜園でのオクラかな。「筆」の形に似ていますね。美味しいだろうな。
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/18 12:04削除
第606回 選句
 〇折鶴の嘴ずれて原爆忌
  千羽鶴の中の一羽でしょうか。幼子が折ったような出来かなと思いながらも一生懸命さを感じたのでしょう。
 
 〇子の知らぬ親のロマンスソーダ水
 〇親権の話さらりとソーダ水
  一方は軽く明るい、一方は重く暗いテーマですが、どちらも季語の「ソーダ水」が受け止めています。

 ◎ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
  思いがけない子の成長に戸惑が見えます。ラ・フランスと詩は響き合っていると思います。
 
 〇納豆に七味一振り今朝の秋
  納豆に七味、やったことはありませんが、立秋の朝には合いそうです。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/17 15:47削除
麦っこ606選句

「原爆忌」
◎合掌のおしゃれなネイル原爆忌
原爆忌の意義も内容も、78年の歳月を経て様変わりしているのは否めない事実であろう。それでも、惨禍としかいいようのないできごとをいつまでも忘れずに、核兵器の廃絶を願い、真の平和を希求するこころを引き継いで未来に伝え続けていかなければならない。その精神と行動を表現する形の上では、令和には令和の追悼のしかたがあってよいのだと思う。
「親」
〇親指のハンドサインや雲は秋
 爽やかに澄みきった空を流れる雲は、もうすでに秋の雲の佇まいである。“great”とか“fantastic”とか言って親指を立てたい気分である。親指のハンドサインとしては、“good” “OK”の意味のサムズアップがよく使われているが、国や地域によってはよくない意味に使われることもあるので注意が必要である。
「食べ物」
〇パリパリの羽根つき餃子今朝の秋
 休日の早めの昼食に行きつけの中華料理店でオーダーしたら、家庭ではなかなかできないような「羽根つき餃子」が出てきた。その模範的な餃子の見た目や食感を楽しみながら、今朝秋の季節感に浸っているのである。
〇納豆に七味一振り今朝の秋
 古人は、風の音や日の光の色のかすかな変化に、忍び寄る季節を感じとった。この句の作者も空の雲の色や空気の感触から秋の訪れを感じている。その気持ちが、納豆に七味を一振りという行動を引きおこしているのである。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/17 14:24削除
606回 選句

○原爆忌赤い背中を忘るまじ
ストレートな叫びが胸に痛い。30年以上前に平和記念館に初めて行った時の衝撃が蘇ります。

○五歳子の親友という汗疹の子
親友という大人びたことを言う汗疹の子に一票。
何とも言えない味のある一句。

◎ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
成長した子への戸惑いと喜びが伝わります。ラフランスのようなほの甘さがいいですね。

○納豆に七味一振り今朝の秋
食べ物の句は苦手でいつも悩みます。肩に力をいれずにさりげない日常を詠めばいいのですね。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/16 09:39削除
606回選句


◎折鶴の嘴ずれて原爆忌
中七のオリジナリティ(夏井いつきさんがよく使う言葉を借りて)がこの句を決めています。さすがの視点と落ち着き。

〇合掌のお洒落なネイル原爆忌
中七が現代的。原爆忌との落差。お洒落の「お」はどうしても句を甘くしてしまいますが、現代生活にとってはごくごく普通の言葉。伝統的な17文字の中の現代(流行)語は、どう使ってもしっくり収まらず手ごわいですが、私は使ってみたい。

〇長崎忌オランダ坂に臨む海
折鶴や合掌から離れて、こういう視点での原爆忌はすっと心に入ります。アタマを柔らかくしたいと思いました。

〇ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
半分は嬉しく、半分はやれやれ似てしまったか…?ラ・フランスにはまだ早いですが、ここはこの季語でなくっちゃ!俳句ではないのです。シャンソンのような詩を書いているのかもしれませんし。

〇パリパリの羽根つき餃子今朝の秋
こういう素っ気ないからっとした詩情も好き。秋がパリパリと渇いた音を立ててやってきた感じ。(現実は未だ飽和状態に近い湿度の蒸し暑さですが。ま、朝から餃子?とは思いましたよ。)
不来方さん (8jrlsjab)2023/8/14 09:37削除
第606回選句

◎折鶴の嘴ずれて原爆忌
 折鶴と原爆忌の取合せの句は比較的よくみるが、この句は「嘴ずれて」と諧謔的に折鶴を詠んだ。却って祈りの深さ強さがよく分かる。同じ取合せでも七音でこんな個性的な「原爆忌」になるとは正しく俳句の醍醐味。

◯合掌のお洒落なネイル原爆忌
 この原爆忌の句は、「現代現在今日」の原爆忌。当時なら考えられなかったようなお洒落な時代を生きる現代人も「反原爆」の思いは同じ。時代を超えた祈りの句である。

◯秋暑し検査結果に親展と
 「親展」に、一寸した驚きと安堵感の入り混じった俳味が込められている。

◯子の知らぬ親のロマンスソーダ水
 親のロマンスは(私も含めて)一般的には余り語り継がれない。「ソーダ水」は世代を超えた愛の飲み物かも知れない。どんな愛かはそれぞれ。


◯心太話の接穂なくなりて
 「心太」は人事句との相性はピッタリだがそれゆえ類想の罠に嵌りやすい。掲句はさりげない「接穂」を添えるだけで類想を超えている。誰しも人生の一場面で経験していることを詠んで味わい深い。
返信10
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/14 08:18 (No.69271)削除
607回出題(回数訂正)
季語 盆(傍題可)
文字 実
雑詠
返信
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/21 06:10削除
607回 投句
遅れてすみません。

灯籠に揺れる野の花送盆

実椿や御不動さんの裏通り

敗戦忌無声フィルムの逆回転
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/20 18:34削除
第607回投句

耳の形似たもの集う盂蘭盆会
朝顔の摘まれ色水実験中
「実はね」と始まる話秋暑し
こがめさん (8atk17xs)2023/8/20 14:36削除
第607回麦っこ投句

盆休み前に数える薬箱

幼子の桑の実食べたベロをベー

揚げ立ての紫蘇巻の膳夏座敷
ふたばさん (8augfkle)2023/8/19 21:52削除
第607回 

盆休み孫子あまたの隣家かな
玄関に散歩のたびの木の実かな
筋肉の震え美し洗い馬
智美さん (8kfpafc0)2023/8/19 13:58削除
第607回  投句

盆用意畑の胡瓜庭の花
草の実の飛んで子供の帰る道
身を灼いて五百羅漢の火照り顔
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/19 12:21削除
第607回投句

盆過ぎの空広々と雲流れ

蓮の実の飛んで風音生まれけり

あぶれ蚊に血を与うるも生きること
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/17 16:15削除
麦っこ607投句
真っ直ぐな胡瓜スーパーの草の市
青墨の実朝の歌七夕竹
汗飛ばすドラムロールの老楽士
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/16 17:50削除
607回投句

義姉ひとり住む我が実家盆帰省

実柘榴たわわ村人誰も振りむかず

原爆忌「はだしのゲン」は隣の子
まりさん (8md9x4e2)2023/8/16 09:37削除
607回投句

送盆翅あるものは翅畳み 
先生は園児の歩幅草は実に
椅子あれば座る蜻蛉来れば追う
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/8/6 22:51 (No.68667)削除
605回投句一覧&選句

「水中花」
100luxにおとす照明水中花
競り終えた漁港の市場水中花
映り込むドームの翳り水中花
巣籠もりの良きこと探し水中花
美容師の鋏軽やか水中花
民宿の磯の香ほのと水中花
星の見えない空へ咲く水中花
百歳の閑かな訃報水中花
受診待ついつもの席の水中花

「駐」
駐在さん迷子をあやす夏祭
アロハシャツ干す駐在の物干場
整然と灼かれるサドル駐輪場
駐車場を横切って駅百日紅
炎帝が絡む海辺の駐車場
駐在所前水鉄砲のギャングたち
青柿のたわわに臨時駐車場
空砲の轟音駐屯地晩夏
手花火や駐在さんと迷い子と

「雑詠」
開店の回転扉今朝の秋
向日葵よ支柱に青と黄のテープ
声高に昭和を語るビール園
休耕地の飛蝗散らせる測量士
旨きもの鉢にあるらし蟻の列
地球儀をくるくる回す夜の秋
大伯母の流した浮名白日傘
基地よりの異国の国歌夏の雲
たっぷりの水で洗う手原爆忌
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/8/17 11:10削除
麦っこ605選句
◎美容師の鋏軽やか水中花
 熟年の美容師の手練の鋏捌きは、軽やかなリズムと爽やかな音で目にも耳にも快い。大きな鏡の前にさりげなく置かれた水中花も、明るい雰囲気の美容室の中で確かな存在感を示している。
○空砲の轟音駐屯地晩夏
 駐屯地の射撃演習は空砲とわかっていても恐怖心をそそり、今も交戦している戦地の空へ思いを致し、その心は晩夏の空気のように重い。
○大伯母の流した浮名白日傘
 欄間の端正な肖像や伝え聞く話によると謹厳な人間像が浮かぶが、ふと小耳に挟んだ話では、明治の時代にその身上に関する喧しい噂が世間に広まったという。矢絣と白日傘のよく似合う人だったらしいが、自分の中にもその血が流れているのかもしれない。
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/14 10:04削除
605選句

○美容師の鋏軽やか水中花
◎青柿のたわわに臨時駐車場
○空砲の轟音駐屯地晩夏
○声高に昭和を語るビール園
○基地よりの異国の国歌夏の雲
○たっぷりの水で洗う手原爆忌

コメントなしですみません。
ふたばさん (8augfkle)2023/8/12 23:52削除
第605回選句
〇民宿の磯の香ほのと水中花
 民宿と水中花の取り合わせが気に入りました。青春時代を思い出します。

〇アロハシャツ干す駐在の物干場
 アロハシャツに意外性があります。制服を脱げば、アロハシャツ着て出かけるおしゃれな青年
 かも。目の付け所がいいですね。

◯空砲の轟音駐屯地晩夏
 空砲であっても不安感があります。季語が効いてます。

◎たっぷりの水で洗う手原爆忌
 原爆忌と水は切り離せません。水を飲んで助かった人。水をのんで亡くなった人。書物や、映像で知ったことですが。重い現実です。
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/12 20:21削除
第605回 選句
〇民宿の磯の香ほのと水中花
 若い頃に房州の民宿に何回か行きましたが「水中花」は昭和の民宿を思い起こさせます。
◎アロハシャツ干す駐在の物干場
 昨日はどちらにお出かけだったのでしょうか?若いお巡りさんなのか、年配でもお洒落な人なのか、アロハシャツから色々と想像が膨らむ楽しい句です。
〇空砲の轟音駐屯地晩夏
 演習の空砲でしょうか。最後に置いた「晩夏」に味わいがあります。
〇大伯母の流した浮名白日傘
 昔は色々ありましたが、今は白い日傘の似合う素敵な老婦人、お会いしてみたいですね。
〇たっぷりの水で洗う手原爆忌
 どれだけの人が一口の水を求めながら亡くなったことか、水の大切さを改めて思い起こさせてくれます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/12 15:37削除
605回選句
◎たっぷりの水で洗う手原爆忌
 原爆被災者は、水を求めて苦しみながら亡くなったと聞く。蛇口をひねればすぐにたっぷりの水が出てくる。
 平和のありがたさ尊さをしみじみと感じる。
〇競り終えた漁港の市場水中花
 威勢のいい競りが終わった後の魚市場の静寂が瑞々しく詠まれている。
〇アロハシャツ干す駐在の物干場
〇手花火や駐在さんと迷い子と
 駐在さんの年恰好や人柄が偲ばれます。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/12 09:40削除
605回選句

〇星の見えない空へ咲く水中花
とんと目につかなくなった水中花だからこそ、取り合わせによって句が決まります。この取り合わせはいいなあと思いました。形が一物仕立てっぽいからでしょうか、言い回しがやや説明っぽく感じます。水中花を上五にすると断定がきついでしょうか。

◎整然と灼かれるサドル駐輪場
上五・中七のシンプルで的確な描写に惹かれます。下五はお題から離れて場所じゃないモノ・コトに直した方がいい句になるハズです!

〇空砲の轟音駐屯地晩夏
何かの儀式の空砲なのでしょうか。駐屯地という場所の重さと晩夏が合う気がします。

〇基地よりの異国の国歌夏の雲
戦争と直結する場所に働く異国の人々。国歌に対する思いの重さ。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/11 10:43削除
605回 選句
○星の見えない空へ咲く水中花
上五に水中花を置いた方が私の好みの型ですが。詩情を感じる一句です。
取り合わせがいいですね。

◎アロハシャツ干す駐在の物干場
消防士の句で設定が似た句がありましたが、アロハシャツの斡旋で、想像が膨らみます。町外れの小さな交番が浮かびました。

○炎帝が絡む海辺の駐車場
海辺に晒されている車たち。絡むで極限の暑さが伝わってきます。

○基地よりの異国の国歌夏の雲
異国の国歌でいただきました。国同士の軋轢が増す昨今。夏の雲に少し救いが。
こがめさん (8atk17xs)2023/8/10 12:28削除
第605回麦っこ選句

〇100luxにおとす照明水中花
「100lux」の表記から現代の生活感が伝わってきます。

〇整然と灼かれるサドル駐輪場
〇炎帝が絡む海辺の駐車場
駐輪場と駐車場の景が浮かんできます。「灼かれる」「炎帝 が絡む」から天候の様子が浮かんできます。

◎たっぷりの水で洗う手原爆忌
広島・長崎のことはテレビ、写真 、映画らでしか・・・。
「たっぷりの水」の大切さと平和の大切さが伝わってきます。
不来方さん (8jrlsjab)2023/8/7 09:27削除
第605回選句

◯100luxにおとす照明水中花
 俳句では使いにくい又は使おうと思わない「100lux」を使って俳句らしく仕立てる技量に脱帽。確かに100lux照明をおとして観る水中花は魅惑的ですね。

◯空砲の轟音駐屯地晩夏
 どこの自衛隊駐屯地であろうか。すぐに今年の3月に駐屯地開設された八重山連隊を思い浮かべる。「空砲の轟音」の不気味さと「晩夏」のさみしさが
ない混ぜになったような空虚感の残る句。

◯開店の回転扉今朝の秋
 立秋の日の開店とはめでたい。回転扉がある店なのでソコソコ大きな衣料店など。さり気ない音韻の遊び心も立秋と合っている。

◯向日葵よ支柱に青と黄のテープ
 日本にいてウクライナ戦争に思いを馳せて句にするのは難しい。掲句はウクライナの国花に国旗の色を重ねた。「よ」の呼びかけがとてもいい。

◎たっぷりの水で洗う手原爆忌
 令和五年と昭和二十年の八月六日九日の対比が眼目。原爆忌と水の句はよくある組み合わせだが、被爆者の水を求める悲惨な描写の句が多い。敢えて
「たっぷりの水」と現在の生活を言い切ることによって、原爆の悲惨さと平和希求の強い願いがよく伝わって来る。
返信9
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/6 12:08 (No.68620)削除
麦っこ 第606回 出題

季語   原爆忌(傍題可)
文字   親
テーマ  食べ物
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/8/13 21:52削除
第606回  投句

折鶴の嘴ずれて原爆忌
工作の親方は父夏休み
白玉のまだほのぬるし母のこと

  長い間お休みいたしまいた。痛みは取れましたが体全体が何やら不自由です。
  体も頭も心も休眠状態ですので、続くかどうか・・心もとない再出発です。
  よろしくお願い致します。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/13 17:58削除
三句目差し替え願います。

大ぶりの三色御萩秋彼岸
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/13 15:36削除
第606回 投句

合掌のお洒落なネイル原爆忌
蜩の近し両親眠る墓
大筆に似たオクラ採る今朝の秋
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/13 15:34削除
606回 投句

長崎忌オランダ坂に臨む海

親指のハンドサインや雲は秋

甘党の先祖へ供うお萩かな
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/13 14:02削除
606投句

許すまじの激しい書体広島忌
秋暑し検査結果に親展と
順番の小さい子より西瓜割
ふたばさん (8augfkle)2023/8/12 23:00削除
第606回麦っこ投句

原爆忌赤い背中を忘るまじ
母親に抱きつく坊や日雷
かき氷頭の芯を叩きつつ
太郎さん (8oylunww)2023/8/12 12:56削除
麦っこ606投句
界隈の雀減りたる原爆忌
五歳子の親友という汗疹の子
心太話の接穂なくなりて
まりさん (8md9x4e2)2023/8/12 12:21削除
606回投句

八月六日黙祷の空の碧 
稲光父に呼ばれて逝った母
納豆に七味一振り今朝の秋
こがめさん (8atk17xs)2023/8/11 21:12削除
第606回麦っこ投句

原爆忌にはだしのゲンを読み返す

親と子は酔いて一緒に蚊帳の中

盆の膳の焼き紫蘇巻は母の味
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/11 17:39削除
第606回投句

原爆忌コールタールがたぶたぶと

親権の話さらりとソーダ水

ラ・フランス子は知らぬ間に詩を書きぬ
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/8 09:32削除
606回投句
語り部のまた一人減り広島忌
子の知らぬ親のロマンスソーダ水
パリパリの羽根つき餃子今朝の秋
返信11
まりさん (8md9x4e2)2023/7/30 20:48 (No.68030)削除
604回投句一覧&選句

「雲の峰」
奥羽嶺を足場のように雲の峰
先見えぬ地球の疲弊雲の峰
これがかの坂東太郎大河のむ
お手玉やおっかけおはじめ雲の峰
準優勝胸を張れよと雲の峰
田園をゆくキハ20雲の峰
海山を讃える校歌雲の峰
峰雲の生まれたばかり白い海
年輪が語る厄災雲の峰 

「水」
顔つけの上手に出来て水遊び
氷水童の舌のどどめ色
そっくりの年子三人水鉄砲
人影の水面を出入りする目高
猛暑日の地球の機嫌水琴窟
夕されば決まって水を打つ鮨屋
ジャズっぽい隣家のピアノ水を打つ
手を滑るコイン酷暑の水を買う
水の国近江あまねく青田風

「雑詠」
鳥影の消えた電線街大暑
古墳百余基山百合の香に醒める
緑陰や一緒にいる事が大事
玄関の効を奏せる蚊遣香
カラオケの声の上擦る熱帯夜
座りなばすぐにまどろむ冷房車
街炎暑水族館を回遊す
蟬しぐれ心おきなくテレワーク
昼寝覚あかき畳にひとりぼち
返信
まりさん (8md9x4e2)2023/8/6 20:01削除
へえ~知りませんでした。重ね重ねすみません。
だから大河のむ だったのですね。。。
なるほど納得。
ありがとうございました!
不来方さん (8b8tdv36)2023/8/6 18:18削除
まりさん 「坂東太郎」は雲の峰の傍題だけでなく、利根川の異称でもあるのでややこしかったですね。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/6 16:03削除
季語?
これがかの坂東太郎大河のむ

天馬さんが、この季語を使いこなしたい と評されていて、
改めて、季語は?と思いました。季語?なかった?
無季とは思わずに、雄大な夏の景としてとらえていました。
大河呑む&青山河呑む・ととってしまっていたようです。
思い込みが先に来てしまって。でも好きですよ。
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/6 15:19削除
604選句

○先見えぬ地球の疲弊雲の峰
異常気象…どうなるのでしょうね。不安が増すばかりです。
○これがかの坂東太郎大河のむ
この季語を使いこなせるようになりたいです。
○海山を讃える校歌雲の峰
日焼けした小学生が元気に歌う様子が浮かびます。
○手を滑るコイン酷暑の水を買う
お茶やおにぎりを買う時代の次は水を買う時代に。
あまりにも暑いときは私も水です。
◎鳥影の消えた電線街大暑
鳥が飛ぶことを諦めるほどの暑さ。お見舞い申し上げます。
当地、日中は外出したくない暑さですが、夜は涼しく数日前から虫の音が聞こえてます。
列島長いです。
ふたばさん (8augfkle)2023/8/5 18:39削除
604回選句

〇奥羽嶺を足場のように雲の峰
 入道雲の湧き上がる景の大きさ。圧巻です。

○田園をゆくキハ20雲の峰
 キハ20は昭和の風景。とても懐かしいです。

◎水の国近江あまねく青田風
 広大な水田に吹く爽やかな風。猛暑の日々、この景が涼しさを運んで来てくれました。

〇鳥影の消えた電線街大暑
 言われてみれば…。観察眼に納得しました。


(*まりさん、「お手玉」にアドバイスをいただき、有難うございました。迷ったうえでの最終的な選択ミスでした。)
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/5 15:29削除
604回選句
◎鳥影の消えた電線街大暑
 高所にいる鳥さえも、この暑さには耐えられません。
〇奥羽嶺を足場のように雲の峰
 奥羽山脈の上に積乱雲が立ち登っている。雄大な景色が詠まれています。
〇水の国近江あまねく青田風
 広々とした田園を吹き抜ける風、ここ近江はまさしく水の国である。
〇カラオケの声の上擦る熱帯夜
 このように毎晩暑いと、カラオケもいつもの調子が出ませんね。
太郎さん (8oylunww)2023/8/5 13:51削除
麦っこ604選句
○海山を讃える校歌雲の峰
 船橋の学校の校歌は、遠景の富士山と近景の袖ヶ浦(東京湾)を謳ったものが多い。そして校歌は、格調の高い文語定型詩がよいのだと頑固に信じている。
○そっくりの年子三人水鉄砲
 前世紀末に流行した「だんご三兄弟」を地でいくような光景である。水鉄砲も、「むかし」の遊びになったような気がする。
○ジャズっぽい隣家のピアノ水をうつ
 隣家の主は往年のモボ、1930年代のジャズを思わせるような曲を弾いている。上五は「スウィング」するとでもいうところか。
◎水の国近江あまねく青田風
 広大な近江盆地を吹きわたる青田風。スケールの大きな風物詩である。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/5 13:28削除
604回 選句
○奥羽嶺を足場のように雲の峰
○田園をゆくキハ20雲の峰

両句ともに景がくっきり。嶺の蒼、田園の青それぞれと白雲との色のコントラストが夏らしく、爽やか。

○古墳百余基山百合の香に醒める

百合の強い香りがむせかえるような暑さ。古墳の目醒めとしたところに惹かれました。


◎昼寝覚あかき畳にひとりぼち

孤独感は何処から来たのかと想像が膨らみます。あかき畳に家族の歴史や思い出が込められているのかも知れません。深みのある一句。夢は温かく幸せな夢だったのでしょう。
こがめさん (8atk17xs)2023/8/4 23:03削除
第604回麦っこ選句

〇田園をゆくキハ20雲の峰
「キワ20」懐かしいです。私の田舎でも走っていたかな。今は違うかな。

〇海山を讃える校歌雲の峰
学校が立っている場所が浮かんできますね。きっと海と山が近くにあるのだろうな。
季語「雲の峰」からも想像が膨らみます。

〇そっくりの年子三人水鉄砲
兄弟揃って楽しそうに水鉄砲か。微笑ましい景です。

〇鳥影の消えた電線街大暑
人間だけでなく鳥たちも暑さを避けているのだろう。涼しさを求めて何処に行っているのだろうか。

◎昼寝覚あかき畳にひとりぼち
とても静かな景が浮かびます。田舎の座敷でのんびりと昼寝したいな。
「あかき畳」から座敷の景が膨らみます。
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/4 19:08削除
第604回選句

〇奥羽嶺を足場のように雲の峰
 嶺の上の入道雲はより大きく見えます。「足場」確かに。

〇手を滑るコイン酷暑の水を買う
 自販機で水、滑り落ちた小銭、イライラが見えるようです。

〇水の国近江あまねく青田風
 爽やかな景です。猛暑日の続く中、清涼感溢れる句に惹かれます。

〇座りなばすぐにまどろむ冷房車
 若い人が眠っているのを見掛ける事が多いですが、安全な国、日本だからでしょう。幸せな事です。

◎昼寝覚あかき畳にひとりぼち
 昼寝から覚めた時の独特な感覚、「あかき畳」の寂寥感に共感しました。
まりさん (8md9x4e2)2023/8/2 11:16削除
604回選句


◇奥羽嶺を足場のように雲の峰
「ように」ではなく「足場に」と断定で力強くと思いますがいかが?

◎先見えぬ地球の疲弊雲の峰
「先見えぬ」「疲弊」の底知れぬ恐ろしさ。俳句としては「疲弊」に寄りかかりすぎるとも思いますが、今の地球には「疲弊」が一番合っていて共感します。例えば先の見えないこの暑さ。先が見えたら何とか我慢もできますが、週間天気予報すべて極暑日には心が折れます。疲弊するばかりです。

〇これがかの坂東太郎大河のむ
あえて・遊び心の「これがかの」でしょうか。大河坂東太郎が支流の大河と合流する景ととりました。私は水清き支流が大河と合流する地点で育ちました。支流は、水量は本流に及ばなくとも川幅(河川敷)は広大で本流の倍もありますから立派な大河。なぜ「のむ」とひらがなを使ったのかなあ。合流ではないのかも?

◇お手玉やおっかけおはじめ雲の峰
「おっかけおはじめ」はお手玉の遊び言葉でしょうから「お手玉の」ではないでしょうか。「や」だと三段切れにもなりますし。

〇田園をゆくキハ20雲の峰
今走っていないのかもしれませんが、季語との取り合わせがぴたりでかっちりと決まっています。はるか昔の景を新鮮に詠むのは難しい。

〇鳥影の消えた電線街大暑
この猛暑ですから日中は鳥さえ出てきません。我が家にくる雀も早朝か暮れ際ですね。この頃は早朝にシジュウカラの声が聞こえます。シンプルな日常の景。
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/31 10:27削除
第604回選句

◯◎先見えぬ地球の疲弊雲の峰
 大自然が屹立するかのような入道雲と環境破壊や戦争などで疲弊した地球の行末との対比が絶妙の放れ具合。

◯ 田園をゆくキハ20雲の峰
 どうしても昭和のモチーフに弱い世代の一人。「キハ20」がいい。

◯ 峰雲の生まれたばかり白い海
 「白い海」が効いている。湿気のない盛夏の海辺の大景がありありと目に浮かんで来る。絶妙の取合せ。

◯ そっくりの年子三人水鉄砲
 俳諧味あふれるアンチ少子高齢化の句。こういう句の世界に少しでも近づいて欲しい。

◯ 鳥影の消えた電線街大暑
 下五、就中「大暑」の止めが、誰一人いない溽暑の都会の住宅街を描き出して余韻あり。
返信12
ふたばさん (8augfkle)2023/7/30 11:02 (No.67980)削除
麦っこ605回出題

季語:水中花
文字 : 駐
雑詠
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/8/6 14:29削除
605投句

100luxにおとす照明水中花
整然と灼かれるサドル駐輪場
大伯母の流した浮名白日傘
のんさん (8b8xe2bx)2023/8/6 12:53削除
第605回 投句

競り終えた漁港の市場水中花
炎帝が絡む海辺の駐車場
基地よりの異国の国歌夏の雲
ちこりんさん (8mmormpc)2023/8/6 10:57削除
605回 投句

映り込むドームの翳り水中花

空砲の轟音駐屯地晩夏

たっぷりの水で洗う手原爆忌
こがめさん (8atk17xs)2023/8/5 23:40削除
第605回麦っこ投句

巣籠もりの良きこと探し水中花

駐在さん迷子をあやす夏祭

休耕地の飛蝗散らせる測量士
ふたばさん (8augfkle)2023/8/5 18:44削除
605回投句

美容師の鋏軽やか水中花
駐車場を横切って駅百日紅
旨きもの鉢にあるらし蟻の列
不来方さん (8jrlsjab)2023/8/4 13:05削除
第605回投句

民宿の磯の香ほのと水中花

手花火や駐在さんと迷い子と

地球儀をくるくる回す夜の秋
太郎さん (8oylunww)2023/8/2 15:37削除
麦っこ605投句
星の見えない空へ咲く水中花
アロハシャツ干す駐在の物干場
開店の回転扉今朝の秋
まりさん (8md9x4e2)2023/8/2 11:37削除
605回投句

百歳の閑かな訃報水中花
青柿のたわわに臨時駐車場
向日葵よ支柱に青と黄のテープ
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/8/2 09:36削除
605回投句

 受診待ついつもの席の水中花

 駐在所前水鉄砲のギャングたち

 声高に昭和を語るビール園
返信9