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まりさん (8md9x4e2)2023/7/23 21:59 (No.67371)削除
603回投句一覧&選句

「病葉」
病葉に葉脈のあり光あり
病葉のひかる水底転生す
果樹園の病葉燃やす煙かな
病葉や白木の柵のご神木
病葉や湖北の旅の観音堂
蜘蛛の囲の病葉蜘蛛の気配消し
鯉の口病葉追いて水濁る
紅の病葉花の匂いあり
病葉のふたひらみひら露天の湯

「楽」
峰雲や打楽器響く野球場
緑陰や軍楽隊の円舞曲
盆近し来世あるなら楽天家
奏楽堂の歌曲の午後や白日傘
音楽室の全開の窓青田風
楽器ケースを抱えて眠る夏のカフェ
我楽多のままのふるさと青山河
耳洗う極楽の風未草
我楽多を一つ残して土用干し

「交通」
廃山へトロッコの風夏帽子
緑陰やカタログ重き営業車
ジーゼルカー降りてホームの立葵
ほととぎす山鳩コサギ「夜明駅」
路線バス炎暑の町の時刻む
梅雨出水運休続く在来線
逝く夏の大垣行きの最終便
ドア閉まる首に貼りつく汗の髪
炎帝に挑む港のモノレール
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/30 17:11削除
603選句

○病葉に葉脈のあり光あり
○紅の病葉花の匂いあり
○病葉のふたひらみひら露天の湯
○楽器ケースを抱えて眠る夏のカフェ
○我楽多のままのふるさと青山河
◎路線バス炎暑の町の時刻む

コメントなしですみません。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/29 15:13削除
◎我楽多のままのふるさと青山河
 ここでいう我楽多は、作者が故郷を離れるまでに身の回りにあった品々や出来事のことだろう。今もそのままの姿で残ってほしいという願望が
 青山河に込められている。
〇病葉や白木の柵のご神木
 神聖な樹木にも、夏になれば虫がついたり、病気になったりして、変色した葉っぱがチラホラ見られる。ここに作者は深い感慨を覚えたのだろう。
〇逝く夏の大垣行きの最終便
 深夜、東京駅で東海道線の大垣行の最終便を見送った。閑散とした駅のホームで、長くて厳しかったこの夏も終わろうとしているのを感じたことだろう。
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/29 13:15削除
第603回選句

〇病葉や湖北の旅の観音堂
 病葉と観音様の取合せが慈愛に溢れています。

〇紅の病葉花の匂いあり
 あまりの美しさに手にした病葉、花の匂いまで感じるのは素晴らしい感性です。

〇盆近し来世あるなら楽天家
 諸々の事、楽天的に捕らえられたらと思う事多々あり共感しました。季語他にも有りそうに思います。

◎我楽多のままのふるさと青山河
 変りばえのしない町、でも変わって欲しくない町、故郷への愛を感じます。

〇ジーゼルカー降りてホームの立葵
 ローカル線の無人駅かななどと想像しました。真っ青で大きな空も見えるようです。
ふたばさん (8augfkle)2023/7/29 00:49削除
603回麦っこ選句

◎紅の病葉花の匂いあり
 病葉に花の匂いを感受する繊細な感性は素晴らしいです。

〇病葉のふたひらみひら露天の湯
 何の葉っぱかしら?などと思いながら、ゆったりと疲れをほぐしている。至福のひととき。

〇音楽室の全開の窓青田風
 故郷の中学校を思い出しました。青田風が効いています。窓から歌声が聞こえてくるような懐かしい景です。

〇廃山へトロッコの風夏帽子
 昔の鉱山跡の見学でしょうか。「トロッコの風」で、情景が目に見えるようです。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/28 14:39削除
麦っこ選句603
「病葉」
〇病葉や白木の柵のご神木
 削ったままで塗装していない、古りた木柵が囲うご神木。大木の緑濃い葉の中に、色づいた病葉が混じる。信仰の場にふさわしい景である。

〇病葉のふたひらみひら露天の湯
 山間の湯宿の露天風呂に、渓谷からの風に誘われて病葉が散る。閑寂の世界である。
 
「楽
◎音楽室の全開の窓青田風
 近年、特に今年あたりは、学校もエアコンがフル稼働していて、このような景は見られないかもしれないが、全開の窓から青田風が流れ込み、教室からは子ども達の元気な歌声が、運動場から田畑の隅々まで広がっていく。初夏の農村の明るい生活風景である。

「雑詠」
〇路線バス炎暑の町の時刻む
 時刻表通りとはいかないかもしれぬが、一定間隔をおいて通過するバスを、「炎暑の町の時刻む」とは、うまく言ったものだ。

〇炎帝に挑む港のモノレール
 街を行く人々は、ぐったりと生気を欠いて、足取りも重い。モノレールは、炎暑の空中を一定速度で定刻通りに運行する。炎帝に挑むかのように…。
こがめさん (8atk17xs)2023/7/26 20:49削除
第603回麦っこ選句

〇病葉に葉脈のあり光あり
〇紅の病葉花の匂いあり
病葉を見たときの景は浮かんできました。「光あり」「匂いあり」の下五の表現がとても参考になりました。

◎我楽多のままのふるさと青山河
ふるさとへの思いが伝わってきます。我楽多ではなく思い出のものがまだ残っていたという喜びのように感じます。野山でいろいろな遊びをやったのだろうな。

〇ジーゼルカー降りてホームの立葵
故郷のローカル線の駅の景が浮かんできました。いつも駅に降りると季節によって花らが違っています。「立葵」がお客さんを喜んで迎えているように感じます。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/26 20:05削除
603回 選句

◎紅の病葉花の匂いあり
病葉の匂いで一句と思っていたのですが、花の匂いの斡旋に脱帽です。心で見つけた発見。モノの表層だけでなく、命の営みに思いを向けねばと改めて思いました。

○我楽多のままのふるさと青山河
我楽多は、作者にとって取るに足らない物とは思えません。整理し切れないことや捨てきれぬ思いがあるのでしょう。私にとってのふるさとは、そんなものやことを変わることなく抱いている海や山ですから。

○路線バス炎暑の町の時刻む
バスに揺られながら、炎暑の町の景色に目を向けている作者。気怠く時が流れていきます。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/26 11:06削除
603回選句

〇病葉に葉脈のあり光あり
朝ドラ牧野万太郎の世界ですね。下五の意外な断定がおもしろい。

◎紅の病葉花の匂いあり
樟でしょうか。樟の葉は樟脳の匂いがしますし、病葉はとても美しい。実も匂いますから花も樟脳の匂いがするのではないでしょうか。花はたくさん咲きますが、薄緑の小花で気が付かない人が多いと思います。
「あり」まで必要なのかと何度かスルーしたのですが、「葉が花の匂い」という発想は俳句らしいと思いました。繊細な感性は「創るもの・創られるもの」でもあると思います。言葉のパズルを組み立てるような知的な操作の中でうまれるものでもあると。無論、五感の感動から噴き出した句にはかないませんが。
夏井いつき曰く「発想は才能ではなくデータ(多分日々の俳句トレーニング)である。」そういう面もあるかなと思いたい私。

○路線バス炎暑の町の時刻む
渋滞も計算して時間通りに着く路線バスは「時刻む」がぴったり・なるほど。炎天下、時刻表を見ながらバスを待っているご老人の姿も見えてきます。

〇炎帝に挑む港のモノレール
この暑さには、生物は「挑め」ません。ひたすら身を守る体制をとるしかありませんが、確かにモノレールや重機などは「炎帝」に果敢に挑んでいるようにも見えます。「挑む」を最大に生かすために、「港のモノレール」以外のものも取り合わせてみたらどうでしょうか。
不来方さん (8jrlsjab)2023/7/24 09:55削除
第603回選句

◯病葉に葉脈のあり光あり
 「あり」の断定のリフレインがいい。この病葉は人間の病者を象徴しているのだろう。

◯蜘蛛の囲の病葉蜘蛛の気配消し
 蜘蛛の巣に引っかかった病葉の存在感が、巣の主の存在を消し去っているのだろう。「気配消し」が巧い。

◎紅の病葉花の匂いあり
 かすかに紅色をとどめ、朽ちかけた病葉。その紅に花の匂いを感じたとは繊細。自然の移ろいに対する研ぎすまされた感性に共感。

◯我楽多のままのふるさと青山河
 「我楽多のまま」とは作者が育った頃のモノがそのままある、という意であろう。あるいは願望もあるのかも。昔のままが一番郷愁を誘われる。

◯緑陰やカタログ重き営業車
 何の営業車だろうか。緑陰でホッと一息ひと休み。デジタルの時代にこのアナログ感がとても佳い。
返信9
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/23 10:39 (No.67307)削除
604回お題

季語 雲の峰
文字 水
雑詠
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/30 17:02削除
604投句

奥羽嶺を足場のように雲の峰
そっくりの年子三人水鉄砲
緑陰や一緒にいる事が大事
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/30 10:37削除
第604回 投句

先見えぬ地球の疲弊雲の峰

猛暑日の地球の機嫌水琴窟

街炎暑水族館を回遊す
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/29 10:43削除
第604回投句

これがかの坂東太郎大河のむ

水の国近江あまねく青田風

蟬しぐれ心おきなくテレワーク
ふたばさん (8augfkle)2023/7/28 23:54削除
604回麦っこ投句

お手玉やおっかけおはじめ雲の峰
人影の水面を出入りする目高
昼寝覚あかき畳にひとりぼち
こがめさん (8atk17xs)2023/7/28 23:19削除
第604回麦っこ投句

準優勝胸を張れよと雲の峰

顔つけの上手に出来て水遊び

玄関の効を奏せる蚊遣香
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/28 14:43削除
麦っこ604投句
田園をゆくキハ20雲の峰
氷水童の舌のどどめ色
カラオケの声の上擦る熱帯夜
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/27 14:14削除
604回投句
海山を讃える校歌雲の峰
夕されば決まって水を打つ鮨屋
座りなばすぐにまどろむ冷房車
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/27 11:21削除
604回 投句
峰雲の生まれたばかり白い海

手を滑るコイン酷暑の水を買う

鳥影の消えた電線街大暑
まりさん (8md9x4e2)2023/7/26 20:51削除
604回投句

年輪が語る厄災雲の峰 
ジャズっぽい隣家のピアノ水を打つ
古墳百余基山百合の香に醒める
返信9
太郎さん (8oylunww)2023/7/15 13:03 (No.66429)削除
麦っこ603出題
◇季 語  病葉
◇文 字  楽
◇テーマ  交通
返信
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/23 18:20削除
第603回 投句

病葉に葉脈のあり光あり
音楽室の全開の窓青田風
炎帝に挑む港のモノレール
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/23 11:06削除
603回 投句

病葉のひかる水底転生す

耳洗う極楽の風未草

廃山へトロッコの風夏帽子
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/23 10:11削除
603投句

果樹園の病葉燃やす煙かな
盆近し来世あるなら楽天家
緑陰やカタログ重き営業車
ふたばさん (8augfkle)2023/7/23 00:20削除
第603回投句
病葉や白木の柵のご神木
奏楽堂の歌曲の午後や白日傘
ジーゼルカー降りてホームの立葵
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/22 09:15削除
第603回投句

病葉や湖北の旅の観音堂

我楽多を一つ残して土用干し

ほととぎす山鳩コサギ「夜明駅」
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/20 10:58削除
603回投句
蜘蛛の囲の病葉蜘蛛の気配消し
楽器ケースを抱えて眠る夏のカフェ
路線バス炎暑の町の時刻む
こがめさん (8atk17xs)2023/7/20 00:18削除
第603回麦っこ投句

鯉の口病葉追いて水濁る

峰雲や打楽器響く野球場

梅雨出水運休続く在来線
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/19 20:39削除
麦っこ603投句
紅の病葉花の匂いあり
緑陰や軍楽隊の円舞曲
逝く夏の大垣行きの最終便
まりさん (8md9x4e2)2023/7/19 15:42削除
603回投句

病葉のふたひらみひら露天の湯
我楽多のままのふるさと青山河
ドア閉まる首に貼りつく汗の髪
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/7/16 21:17 (No.66625)削除
602回投句一覧&選句

「汗」
潮騒の駅や黒衣のひかる汗
歩道橋汗のワイシャツ急ぎ足
青年の額の汗や人力車
顎伝う汗や雑草は雑草
キャプテンに生え初めし髭汗の玉
汗が汗呼ぶ迫真の野外劇
汗拭う五百羅漢の百あたり
大汗をかいてひと風呂ひと眠り
汗拭いて食べ続ける味噌ラーメン

「日」
日傘より檄の飛びかう地区予選
日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
一日の帳のように梅雨夕焼
人影の絶えし境内百日紅
朝顔を数える日課風の道
一日の段取り狂う日雷
カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
日盛りの草場に潜むマシンガン
ひとしきり初蟬聴いて日暮かな

「飲み物」
レモンスカッシュ思い出はみな欠片
兄と飲むラムネ祭の古写真
水筒のアイスコーヒー直ぐに空
喉上げて飲む瓶コーラ吊忍
泡盛やドク・ホリデーに見つめられ
ソーダ水喜寿三人のクラス会
安らぎを刻む日時計アイスティー
十六の夏カルピスの不透明
からりんとラムネ飲んでる野球帽
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/23 16:30削除
麦っこ602選句
◎レモンスカッシュ思い出はみな欠片
〇ソーダ水喜寿三人のクラス会
〇潮騒の駅や黒衣のひかる汗
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/23 10:39削除
602回選句
◎汗拭う五百羅漢の百あたり
 中七から下五にかけてのリズム感が心地よい句です。
〇カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
 予期せぬ人の飛び入り参加でしょうか。カサブランカは祝い事の花言葉、誕生日にふさわしい。
〇十六の夏カルピスの不透明
 カルピスの白濁感。青春期の不安定な気分を表現しているとも思える。
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/23 10:31削除
602選句

○潮騒の駅や黒衣のひかる汗
映画のワンシーンようです。
◎汗拭う五百羅漢の百あたり
蝉時雨や日差しの強さ、詠んでいないのに伝わります。
○大汗をかいてひと風呂ひと眠り
健康的。配偶者はまさにそれです。
○一日の段取り狂う日雷
出かけるか控えるか、傘は持つか持たないか、外干しでいいかどうか…確かに予定狂います。
○カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
はじめ、椅子の場所が曖昧な気がしましたが、皆さんの句評から、次第にはっきりしたものになりました。
○兄と飲むラムネ祭の古写真
掲句のような句に出会うと、年の近い兄姉が欲しかったなぁとつくづく。
○十六の夏カルピスの不透明
孫達を見ていると、みんな似ていてみんな違うと実感します。
先行き不透明ですが、幸あれと祈るばかりです。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/22 17:39削除
602回 選句

○汗拭う五百羅漢の百あたり
百あたりと道の途中を表現して、景が見えるようです。暑さが伝わる一句。

○汗が汗呼ぶ迫真の野外劇

野外劇が繰り広げられているのが、現実ではないかも知れません。世の中の動きとも。色々想像させます。

○一日の帳のように梅雨夕焼
共感の一句です。夕方の空をまさにそんな思いで見つめている毎日です。

◎十六の夏カルピスの不透明
カルピスは初恋の味という懐かしいCMを思いだします。作者は、十六という難しく悩ましかった頃を思い出しているのでしょう。不透明が巧みです。

☆因みにコーラやカルピスだけでも、夏の季語とする歳時記もあるみたいです。
新季語??
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/22 12:06削除
第602回 選句

〇汗拭う五百羅漢の百あたり
 長い道のり「百あたり」に臨場感があります。

〇大汗をかいてひと風呂ひと眠り
 大汗をかいた理由は色々想像できるのですが、その後の転換に幸せが溢れています。

〇日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
 健康的なラムちゃん、宮崎美子さんも思い出しました。笑顔が素敵な人なのでしょう。

〇カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
 「椅子ひとつ足す」さりげなく上手な表現に感服です。

◎レモンスカッシュ思い出はみな欠片
 本当に思い出は断片的です。7.5.5のリズムもこの句に良く合っています。
ふたばさん (8augfkle)2023/7/22 00:35削除
第 602回選句

〇 汗拭う五百羅漢の百あたり
羅漢像をたどる道。先はまだ長いですね。「百あたり」が効いています。

〇日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
若々しい健康美。懐かしい笑顔が浮かんできます。「少し似る」が控えめでいい感じです。
   
◎カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
予定外の人が駆けつけてくれた。大輪のカサブランカの花束を抱えて。素敵!
「椅子ひとつ足す」このさり気なさが気に入っていただきました。

〇喉上げて飲む瓶コーラ吊忍
視線の先に吊忍が下がっている。「吊忍」に「瓶のコーラ」が釣り合っていると思いました。
こがめさん (8atk17xs)2023/7/19 21:22削除
第602回麦っこ選句

〇大汗をかいてひと風呂ひと眠り
繰り返しの言葉の流れが素敵です。暑い日なのに「ひと風呂ひと眠り」か。元気な証拠ですね。

〇朝顔を数える日課風の道
とても素敵な日課ですね。朝顔を大切に育て、花が咲いたという喜びの景が浮かんできます。

◎カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
誕生日おめでとう。カサブランカをもって予定外の方が見えて椅子を足したのだろうか。素敵な景ですね。とても賑やかな誕生会になっただろうな。

〇十六の夏カルピスの不透明
十六歳の青春か。その時の心模様を「カルピスの不透明」かと。いろいろなイメージが浮かんできます。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/17 20:43削除
602回選句

〇潮騒の駅や黒衣のひかる汗
絽の袈裟とも、黒の仕事着とも、登校の制服の暑そうなズボンとも…。私には、「潮騒」「駅」という情報が邪魔をして「黒衣」のイメージがどうにも定まらなかったのですが、ここは素直に絽の袈裟とすることにしました。

〇日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
ラムちゃんが登場した時の、あまりのかわいさ・初々しさにショックを受けたことを覚えています。アグネス・ラムは不滅です。「少し似る」が、自然で素敵。

◎十六の夏カルピスの不透明
のんさんの、「十五」の句にも「十六」の句にも強く共感するのは、同じ年の孫がいるからでしょうが、私の今の心配事のひとつは十六の孫のことなので特に響きました。
啄木の「十五のこころ」に対しての「十六の夏」には、くすりとさせられますが、取り合わせの「カルピスの不透明」が秀逸。
6月末に、不来方城址で啄木の「十五のこころ」歌碑の前に立ったのですが、あの頃の十五はとてつもなく大人だと改めて感じました。
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/17 09:31削除
第602回選句

◎ 潮騒の駅や黒衣のひかる汗
趣きは少し違うが森澄雄の「炎天より僧ひとり乗り岐阜羽島」を思い出す。掲句、〈イ〉五音の調べで黒衣の僧が特別な存在に思えるから不思議だ。

◯汗拭う五百羅漢の百あたり 
◯大汗をかいてひと風呂ひと眠り
 二句ともリフレインが巧い。前句は「百あたり」の距離感が季語とマッチしている。後句、生活実感と時間の流れがよく分かる。

◯ カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
 誕生日に思わぬ人がカサブランカを手にお祝いに訪れたのであろうか。「椅子ひとつひとつ足す」の妙。

◯ 十六の夏カルピスの不透明
 「不透明」が十六才の頃の心模様をうまく表出している。カルピス色と言いたい感じ。
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/7/10 15:00 (No.65867)削除
601回投句一覧&選句

「黴」
黴匂う「阿部一族」の蔵書印
黴の香や足踏ミシン残る部屋
黴匂う百円均一文庫本
黴生えし幼き指の握り墨
黴生きる母の形見の腕時計
黴匂う国民服の父の写真
捨てきれぬ交換日記黴の箱
ふろ場には白い煙や黴防止
防空壕の入口黴の匂いして

「火」
七つ傘の花火のチラシ目に入る
火蛾舞いて笙篳篥のフォルティッシモ
梅雨しとど古屋の隅の火消壺
手花火に添えたる指の太きかな
友情の原石拾うキャンプの火
火蛾を呼び村の集会始まりぬ
病棟の白壁火取虫ひたり 
雷雲や闇を束ねて火車が来る
雲の峰追えども見えぬ山頭火

「飛ぶ・跳ぶ」
夏空へ一打逆転ホームラン
翡翠の弾丸のごと飛びゆけり
飛魚(あご)跳ぶやコンビナートの警報器
夏柳思念飛びゆく風の河
飛礫文字揺れる短冊星祭
鸛鶴(こうづる)のはぐれて来しや青田原
跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰
AIや黄金虫さえ少なき世
青鷺の飛ぶまで待てリ円覚寺
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/19 20:35削除
麦っこ601選句
〇黴の香や足踏みミシン残る部屋
 かつて2世代、3世代が暮らした家には、こんな部屋が残っている。黴の香は、その歴史を語るBGMのようなものかもしれない。
〇黴生きる母の形見の腕時計
 もう動かなくなった小さな腕時計の革バンドは、黴びて色も変わっている。黴の匂いに混じって、生前の母の匂いや息吹が感じられるのだ。
〇手花火に添えたる指の太きかな
 家族が輪になって手花火に興じていると、あの細い線香花火を支えている手指の太さが目に入った。それは父か祖父の無骨な手かもしれぬが、もしかしたら農作業で鍛え母か祖母の逞しい手指かもしれない。いずれにせよ、そこには少なからぬ家族の心の輪が感じられて微笑ましい。
◎病棟の白壁灯取虫ひたり
 野外灯に浮かぶ病棟の白壁に、辺りを飛び回っていた灯蛾の一つがひたと止まり、じっと動かないでいる。蛾は、静止のときも翅を広げ、胴が太い。夏の夜の陰の部分が感じられ、心は決して晴れやかではない。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/16 18:51削除
◎病棟の白壁火取虫ひたり
〇黴匂う「阿部一族」の蔵書印
〇手花火に添えたる指の太きかな
〇跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰

 七年ぶりの坐骨神経痛で、集中力ゼロ。コメントなしで済みません。
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/16 17:43削除
第601回 選句

〇黴匂う「阿部一族」の蔵書印
 
〇火蛾を呼び村の集会始まりぬ

◎雲の峰追えども見えぬ山頭火
 「まっすぐな道でさみしい」と詠った山頭火、角を曲がったら待っていてくれるかも、余韻の残る句です。

〇跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰

  コメント短くて申し訳ありません。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/16 11:24削除
601回 選句

○黴の香や足踏ミシン残る部屋
過去と現在が交差する一部屋。捨てるに捨てられぬ大切な思い出に溢れているのでしょう。黴の香は懐かしさを呼び覚ますスイッチ。季語が生きていると思います。

○火蛾を呼び村の集会始まりぬ
子どもの頃は、灯に集まってくる虫に興味深々でした。嫌いなのに不思議さに惹かれて。集会所は部落の社交場。リアルな景の浮かぶ一句。

◎雲の峰追えども見えぬ山頭火
中七に共感。追わなければ見えてこないモノやコトが沢山ありますね。読み手によって、上五下五が違ってくるのも、また想像力を掻き立てて面白い。
もちろん掲句の作者の思いは、揺るがぬもの。

○飛魚跳ぶやコンビナートの警報器
港湾地区の工場地帯。取り合わせがいいですね。光と影のコントラストが見えます。警報器はやや分かりにくさがありますが。
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/16 10:21削除
601選句
○黴匂う「阿部一族」の蔵書印
本がとても高価だった頃を彷彿とさせます。私はKindleに偏っている昨今。新刊のインクの匂いは大好きですが。
◎病棟の白壁火取虫ひたり 
「ひたり」の発見が凄いです。
○雷雲や闇を束ねて火車が来る
宮部みゆきの小説で火車を知りました。いつか使ってみたい。
○飛魚(あご)跳ぶやコンビナートの警報器
全く縁のない景色なので、想像が膨らみます。
ふたばさん (8augfkle)2023/7/16 00:38削除
601回選句

〇黴匂う「阿部一族」の蔵書印
 小説の内容と蔵書印に感じる重々しさが合っていると思いました。

◎黴生きる母の形見の腕時計
 「黴生きる」に、形見の腕時計が今もコチコチと時を刻み、お母さんが作者の中に
 生きつづけていると感じました。

〇火蛾舞いて笙篳篥のフォルティッシモ
 雅楽はよくわかりませんが、「笙篳篥のフォルティッシモ」の表現に魅かれました。
 独特の響きですね。

〇跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰
 子どもの真剣な様子が見えてきます。「雲の峰」が子どもの心を表しているようにも思えました。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/13 17:19削除
601回選句

〇黴匂う「阿部一族」の蔵書印
昔、個人用の蔵書印を持っている友人がいた気がします。太郎さんもお持ちだったのでは?
今は昔。愛した蔵書たちもどことなく黴の匂い。

◎火蛾を呼び村の集会始まりぬ
村の集会所。夕食を済ませた村人がひとりふたりと集まってきて、祭りの相談が始まったのかもしれません。
外灯に集まるたくさんの虫たち。「火蛾を呼び」がいいと思いました。具体的なイメージがわく言葉は大事ですね。

〇雲の峰追えども見えぬ山頭火
現代の山頭火になりたくとも、俗人には山頭火は遠くて憧れるのみ…でしょう。
今日、歌の先生が「追っても追っても、いい曲は追いきれない。知らない名曲をたくさん残して死んでしまうのでしょうね。」と。
私の人生には、追いきれないものを追いかけようとしたコトってあったのかと反省してしまいました。

〇青鷺の飛ぶまで待てリ円覚寺
円覚寺という固有名詞が効いています。小石川後楽園での句会によく行くのですが、いつも青鷺がいます。
写真愛好家は動かない青鷺には目もくれずに、いつ現れるかわからない翡翠を待っているのですよね。
こがめさん (8atk17xs)2023/7/12 14:11削除
第601回麦っこ選句

◎黴匂う「阿部一族」の蔵書印

〇黴生きる母の形見の腕時計

〇捨てきれぬ交換日記黴の箱

黴は嫌なイメージがあるけどどの句もものを大切して捨てきれずにに保管していたのだ。それぞれのものに愛着と思い出が一杯のようだ。


〇飛礫文字揺れる短冊星祭
「飛礫文字」から子ども達の願い事が書かれた短冊かな。園児らの星祭かな。
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/10 16:55削除
第601回選句

◯ 黴匂う「阿部一族」の蔵書印
 「阿部一族」の初版本であろうか?「蔵書印」に焦点を当てたのが秀逸。

◯ 黴生きる母の形見の腕時計
 一読「黴生きる」に違和感があったが、読むほどに逆に「形見の腕時計」と響き合っているように感じた。

◯ 手花火に添えたる指の太きかな
 手花火の場面が多様に読める。この「指」は父親の指とも、彼氏の指とも。

◎ 病棟の白壁火取虫ひたり 
「ひたり」の擬態語が何とも言えない。病院の白壁にピッタリ。

◯ 跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰
 遠景として雲の峰、跳び箱を少しずつ高くしながら雲の峰まで跳んでしまいそうな小学生の姿や動きが目に浮かぶ。
返信9
こがめさん (8atk17xs)2023/7/8 21:54 (No.65710)削除
第602回麦っこ題

季語 汗

文字 日

テーマ 飲み物
返信
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/16 10:48削除
602回 投句
潮騒の駅や黒衣のひかる汗

日盛りの草場に潜むマシンガン

安らぎを刻む日時計アイスティー
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/16 08:37削除
第602回 投句

歩道橋汗のワイシャツ急ぎ足
朝顔を数える日課風の道
十六の夏カルピスの不透明
ふたばさん (8augfkle)2023/7/15 23:20削除
第602回麦っこ投句

青年の額の汗や人力車
人影の絶えし境内百日紅
からりんとラムネ飲んでる野球帽
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/15 20:08削除
602投句

顎伝う汗や雑草は雑草
一日の帳のように梅雨夕焼
喉上げて飲む瓶コーラ吊忍
太郎さん (8oylunww)2023/7/15 13:58削除
麦っこ602投句
キャプテンに生え初めし髭汗の玉
日焼けしてアグネス・ラムに少し似る
泡盛やドク・ホリデーに見つめられ
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/15 08:34削除
第602回投句

汗が汗呼ぶ迫真の野外劇

ひとしきり初蟬聴いて日暮かな

ソーダ水喜寿三人のクラス会
まりさん (8md9x4e2)2023/7/14 15:11削除
602回投句

汗拭う五百羅漢の百あたり
カサブランカ椅子ひとつ足す誕生日
レモンスカッシュ思い出はみな欠片
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/14 09:48削除
602回投句
大汗をかいてひと風呂ひと眠り
一日の段取り狂う日雷
兄と飲むラムネ祭の古写真
こがめさん (8atk17xs)2023/7/13 08:29削除
第602回麦っこ投句


汗拭いて食べ続ける味噌ラーメン

日傘より檄の飛びかう地区予選

水筒のアイスコーヒー直ぐに空
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/7/3 12:01 (No.65134)削除
600回投句一覧&選句
「噴水」
噴水の回りスーツの新社員
噴水の焦り青空遠すぎる
涸れ噴水子等の歓声の記憶
死者生者噴水虹を生むばかり
音楽に躍る噴水七色に
噴水の夜風に遊ぶモノローグ
噴水に水陽炎のビル透けて
噴水を被りずぶ濡れ合戦場
子等去りてより噴水の音高し

「マ」
マニキュアの指で剥く先マスカット
スキャットのマーチなめらか梅雨明くる
帰省子のまず仏壇やマッチの香
暑気払いマーボー豆腐をより辛く
山開きマーブルチョコの丸い筒
ローマ軍の来襲蒲の穂が騒ぐ
ギヤマンの盃の献杯忌を修す
梅雨深しドーベルマンの呼気あらし
青東風やマザーグースの月曜日

「祝」
六月の父あるがまゝ黙のまゝ
乾杯はアイスコーヒー喜寿祝
認知機能検査合格葛桜
はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
師は卒寿免許更新心太
海南風二代目揚げる祝い旗 
純白のジューンブライド青時雨
ローソクを一気にケーキ日焼けの子
幣束の音渡りゆく山開
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/10 14:16削除
麦っこ600選句
〇六月の父あるがまま黙のま
◎青東風やマザーグースの月曜日
〇はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
〇山開きマーブルチョコの丸い筒
ふたばさん (8augfkle)2023/7/8 23:54削除
第600回選句

◎死者生者噴水虹を生むばかり
 噴き上げてはおちる水の連続性。その連続性の飛沫に見える儚い虹。輪廻転生を
 喩えていて秀逸です。

○山開きマーブルチョコの丸い筒
 持ち歩きに便利で美味しいチョコ。私も捻ってみましたが、句になりませんでした。


〇六月の父あるがまゝ黙のまゝ
 寡黙なお父さんの生き方が、魅力的に描かれていると思いました。

〇幣束の音渡りゆく山開 
 「音渡りゆく」に山開きの喜びと開放感が伝わってきました。
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/8 17:08削除
第600回 選句
◎死者生者噴水虹を生むばかり
 人生の華やぎと虚無、そして残るのは虹のように儚い物、噴水を見る目が変わりました。
 
〇六月の父あるがまゝ黙のまゝ
 無口でいつもどっしりと構えているなお父さん、存在そのものが一家の支えなのです。

〇はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
 兄弟が仲良く節目の年になられた、天国の父母も安堵していることでしょう。
 
〇幣束の音渡りゆく山開
 バサバサと元気の良い神主さんの様子、木々の揺らめき、鳥の声が聞こえるようです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/8 14:34削除
600回選句
◎六月の父あるがまゝ黙のまゝ
 六月と父親との関係がよく分からないが、作者にとっては父親に関する何か特別な思い出があるのだろう。
〇噴水の夜風に遊ぶモノローグ
 ロマンチックな句。
〇純白のジューンブライド青時雨
 純白と青が、清潔で人生の新たな門出を彷彿とさせる。
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/8 10:53削除
600回選句

○噴水の焦り青空遠すぎる
噴水の先は確かに焦っているように見えます。そういう気づきを大切にしたいと思いました。
○死者生者噴水虹を生むばかり
繰り返しを巧みに現していると思いました。
○青東風やマザーグースの月曜日
子供達はマザーグース好きで何度もせがまれたものでした。
ちなみに私は金曜日生まれでした。
◎六月の父あるがまゝ黙のまゝ
父の命日なのでより強く共鳴しました。
○はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
祝というお題にぴったり。めでたさ満載です。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/6 12:28削除
600回選句

〇噴水の焦り青空遠すぎる
高く高く思いっきり噴き上げたつもりなのに、空は果てしなく遠い。擬人化された噴水は少年のよう。

〇青東風やマザーグースの月曜日
びっくりな取り合わせ。言葉遊びの詩との取り合わせがおもしろいと思いました。
月曜日生まれの子は美しい顔
 火曜日生まれの子はとっても優雅
 水曜日生まれの子は悲しみいっぱい
 木曜日生まれの子は遠くに行く
 金曜日生まれの子は愛に恵まれる
 土曜日生まれの子は生きるために一生懸命働く
 そして、安息日に生まれた子供は、美しく陽気で楽しい良い子
私が生まれた日を検索してみましたら木曜日でした。親からしたら一番遠くに行ってしまった子でした。

〇六月の父あるがまゝ黙のまゝ
父の日の父の姿なのでしょうか。「あるがまゝ黙のまゝ」をそのまま読んでいいのか躊躇しましたが、最晩年の父を思い出しました。

◎幣束の音渡りゆく山開
岩手山の山開きでしょう。紙の幣束の音が「渡りゆく」というのは意外でしたが、大きな幣束でしょうし、頂上近くは木々の葉擦れの音もないわけでほぼ無音。山開きの厳粛さが伝わってきます。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/6 10:57削除
600回 選句

○死者生者噴水虹を生むばかり
虹の明るさは、作者にとっては儚さでしか無いのでしょう。噴水と虹はどちらも夏の季語ですが、掲句の場合、一体感があります。
虹を生むものは、他にもあるはずですが、景の確かさで頂きました。

○山開きマーブルチョコの丸い筒
一見関係ない取り合わせですが、かつて山を愛した記憶をマーブルチョコに焦点化しているのでしょう。
意外性の妙。

○六月の父あるがまま黙のまま
祝の句として鑑賞すると、奥深さを感じます。生きている、ただその事実への尊厳なのではないでしょうか。

◎幣束の音渡りゆく山開
厳かに、静かに、信仰の山へと歩みいる姿が、浮かびます。実体験の強さには、かないません。
こがめさん (8atk17xs)2023/7/5 13:55削除
第600回麦っこ選句

〇子等去りてより噴水の音高し
噴水の周りで遊んでいた子等が帰った景(静けさ)を「音」の高低で表現しているのですね。

〇帰省子のまず仏壇やマッチの香
実家に帰ると一番にやることの景です。帰りたいな。

〇認知機能検査合格葛桜
認知機能かきっと免許の書き換えかな。疲れ切ったので葛桜を食べて脳を休めているのかな。

◎はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
兄弟揃ってのお祝いいいですね。「遠青嶺」の季語から田舎でのお祝いと去らななる元気よく過ごしたいなと希望が溢れています。

〇海南風二代目揚げる祝い旗 
おめでとうございます。後継ぎがいていいですね。漁港での祝いの景が浮かんできます。
不来方さん (8jrlsjab)2023/7/5 09:54削除
第600回麦っこ選句

◎ 死者生者噴水虹を生むばかり
立ちやすく消えやすい噴水の虹と生死を取合せて味わい深い。まるで人の生き死にが噴水の虹を立てたり消したりしているかのようだ。

◯ 子等去りてより噴水の音高し
噴水を取り巻く音を時間の経過と共に詠って巧い。子供らの歓声が遠ざかるに連れて、噴水のかそけき音が次第に高くなる静寂感。

◯ スキャットのマーチなめらか梅雨明くる
梅雨明けと三伏の間合いをつなぐのにスキャットのマーチはピッタリ。

◯ はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
三つ揃えばこれ以上めでたいことはないですね。「遠青嶺」が何とも言えない味です。おめでとうございます。

◯ 幣束の音渡りゆく山開
山開きの厳かな風情がよく伝わってくる。「音渡りゆく」で山景の広がりと青い大空までが見えるようだ。

600回記念にふさわしい佳句揃いで大いに選に迷いました。テーマ「祝」での600回は詠みにくかったですね。あれば大特選でした。
まだまだ通過点でしょうが、1000回目指してよろしくお願いします。
返信9
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/3 10:27 (No.65125)削除
601回 お題
遅れてすみません。

季語 黴

文字 火

テーマ 飛ぶまたは跳ぶ
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/10 13:41削除
麦っこ601投句
黴匂う「阿部一族」の蔵書印
火蛾舞いて笙篳篥のフォルティッシモ
飛魚(あご)跳ぶやコンビナートの警報器
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/9 18:02削除
601投句

黴の香や足踏ミシン残る部屋
梅雨しとど古屋の隅の火消壺
跳べそうになくても跳ぶ子雲の峰
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/9 17:48削除
第601回 投句

黴匂う百円均一文庫本
友情の原石拾うキャンプの火
AIや黄金虫さえ少なき世
ふたばさん (8augfkle)2023/7/8 18:16削除
601回麦っこ投句

黴生えし幼き指の握り墨
手花火に添えたる指の太きかな
青鷺の飛ぶまで待てリ円覚寺
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/8 15:13削除
601回 投句

黴生きる母の形見の腕時計

雷雲や闇を束ねて火車が来る

夏柳思念飛びゆく風の河
まりさん (8md9x4e2)2023/7/8 09:31削除
601回投句

黴匂う国民服の父の写真
病棟の白壁火取虫ひたり 
飛礫文字揺れる短冊星祭
不来方さん (8b8tdv36)2023/7/8 08:48削除
第601回投句

捨てきれぬ交換日記黴の箱

雲の峰追えども見えぬ山頭火

鸛鶴(こうづる)のはぐれて来しや青田原
こがめさん (8atk17xs)2023/7/6 10:27削除
第601回麦っこ投句

ふろ場には白い煙や黴防止

七つ傘の花火のチラシ目に入る

夏空へ一打逆転ホームラン
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/7/4 20:55削除
601回投句
防空壕の入口黴の匂いして

火蛾を呼び村の集会始まりぬ

翡翠の弾丸のごと飛びゆけり
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/6/26 09:27 (No.64301)削除
599回投句一覧&選句

「桜の実」
荒れている5年1組桜の実
いじめっ子隠れていそう桜の実
結末の悲しい映画桜の実
古寺の芭蕉碑に染む桜の実
磐座へ散りて動かぬ桜の実
公園の平和呼ぶ像桜の実
大寺の実桜踏んでしまいけり
桜の実噛めば青春渋し酸し
桜の実阿弥陀へ畳む無信心
実桜や芋坂下の団子茶屋

「解」
解体中の古民家前に夏帽子
解体の重機の唸り青葉風
夏暁よ必死に誤解解く夢よ
解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
肩の凝り解す体操梅雨深し
蚊遣香炊いて荷を解く新居かな
落し文解けば虚ろ女坂 (ほどけば)
紫陽花の雨に解けて青い道
知恵の輪を解いている間に虹消えて
解放の遠き叫びや慰霊の日

「雑詠」
鷗外の墓にも香華桜桃忌
マティス展へようこそ噴水穂を上げる
花菖蒲シャッター街ののぼり旗
夏の雨避けてトリックアート展
影逃げる影の深さや夏蜻蛉
心字池の水辺に揺れる濃紫陽花
燕麦を抱えて父は被写体に
海胆丼のずしり三陸浜街道
こわごわと髪染め二十歳梅雨の晴れ
昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/4 11:00削除
599選句
○桜の実噛めば青春渋し酸し
○解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
○影逃げる影の深さや夏蜻蛉
◎燕麦を抱えて父は被写体に

コメントなしですみません。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/3 16:12削除
麦っこ599選句
「解」
◎解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
じめじめした梅雨空の下、気持ちが滅入って外出も控え、家に閉じこもりがちになる。今日も朝から何もすることがなく、ロキソニンなど十種の薬の分包を解く作業に時間をかけた。「プチンと折って」に所在なさが滲む。

「雑詠」
〇海胆丼のずしり三陸浜街道
 「海胆丼のずしり」は、何の説明も要しない存在感。「三陸浜街道」はあまりに長すぎてどこのことだかわからないが、逆に、読者は、自分の行ったことのある場所を想定して、そこの食堂にのテーブルに山盛りの海胆丼を置いて読めばよい。

〇昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
いささか散文的な感があるが、久しぶりの雨を得て元気よく伸びる胡瓜の蔓を擬人化して述べたのがよい。
まりさん (8md9x4e2)2023/7/2 09:44削除
599回選句

〇桜の実噛めば青春渋し酸し
「青春時代の真ん中は道に迷っているばかり・・・」この歌のミリオンセラーは昭和51年なそうです。
半世紀以上たっても胸がキリキリ痛むコトはどなたにもあるでしょう。みんなそういう時期を通ってきました。

〇夏暁よ必死に誤解解く夢よ
のんびりと生活する年代に入って、こういう夢も遠くなりました。(私の場合)
みんな一生懸命生きてきて今があります。

〇紫陽花の雨に解けて青い道
一本調子ですが、独自の措辞が効いています。どなたかが、「独自性と特殊性は違う」と述べておられましたが確かに。
肝に銘じたいと思います。

◎燕麦を抱えて父は被写体に
ごくごく普通の農家の父親像。緊張と照れた顔。昭和のモノクロ写真ともとれます。農家で育った私には甘く切ない。燕麦がいい。
ふたばさん (8augfkle)2023/7/2 01:26削除
第559回選句

〇実桜や芋坂下の団子茶屋
 芋坂はどこにあるのかわかりませんが、下町の風情を感じます。茶店で見あげる視線の先に
 小さな桜の実が黒く、赤く光っている。雰囲気がよく伝わってきます。

◎落し文解けば虚ろ女坂 (ほどけば)
 葉っぱの中には何があるのか知りたくて、こどもの頃、開いてみました。小さい黄色の虫の 卵でした。「虚ろ」と「女坂」が効いていてドラマを感じます。

〇燕麦を抱えて父は被写体に
 麦藁帽子の下の日に焼けた笑顔。懐かしさが伝わってくる一枚です。
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/1 23:01削除
第599回 選句

〇実桜や芋坂下の団子茶屋
 東京の下町風景、季語に風情を感じます。

◎落し文解けば虚ろ女坂
 「落し文」には季語でない意味もありますが、二つの意味を感じさせる使い方が巧みです。

〇知恵の輪を解いている間に虹消えて
 虹と知恵の輪、意外なものの組み合わせが楽しいです。

〇影逃げる影の深さや夏蜻蛉
 夏の日差しの強さを感じさせてくれます。

〇海胆丼のずしり三陸浜街道
 食べ物の句は美味しそうに作りなさいと聞きました。お手本のような句、三陸に海胆を食べに行きたくなります。
こがめさん (8atk17xs)2023/6/30 16:11削除
第599回麦っこ選句

〇肩の凝り解す体操梅雨深し
肩こりのために体操している景ですね。どんな体操かな。日常も健康体操しながら元気な方ですね。

〇紫陽花の雨に解けて青い道
「青い道」から紫陽花の花が青色かな。きっとたくさんの紫陽花が満開で道一杯に埋めている景が浮かんできました。

〇影逃げる影の深さや夏蜻蛉
上五中七の影の様子が浮かんできます。様子を見て、焦点化することの参考になりました。

◎昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
胡瓜を育てているのかな。隣の家の胡瓜をみていると実感しました。自然の姿をじっと見つめている景です。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/30 14:51削除
599回選句
◎昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
 一夜の雨で胡瓜が急成長した様子を、気ままに蔓を伸ばすと擬人化したところに共感。
〇解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
 毎日何気なく飲んでいる薬だが、鬱陶しい梅雨の季節を迎える時の覚悟のようなものがうかがえる。
〇落し文解けば虚ろ女坂 (ほどけば)
 下五の女坂で、ただならぬ境涯詠の俳句に変身。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/6/29 12:03削除
599回 選句
○実桜や芋坂下の団子茶屋

桜の実は、見ようとしなければ葉隠に黒く見えにくい。
ぶらり立ち寄った団子茶屋の緋毛氈に腰掛け、ふと見上げた先の実桜。さりげなく過ぎた季節の移り変わりに思いを馳せているようです。

○解熱剤プチンと折って梅雨ごもり

私も解毒剤でひねっておりました。掲句の軽みの妙。
柔らかな感性を感じます。

◎落し文解けば虚ろ女坂

同じような景に出くわしましたが、モノに出来ず。
落とし文が虚なのは、ある意味自然な結末ですが、作者の胸には、その有り様がしんと響いたのでしょう。
小さな虫の生きざまに。
女坂が効いています。
不来方さん (8b8tdv36)2023/6/26 17:46削除
第599回麦っこ選句

◎桜の実噛めば青春渋し酸し
「桜の実」の本意のとり方は難しいがこの句のように「過去に対する今の感慨」が合いそうな気がする。

◯夏暁よ必死に誤解解く夢よ
夏は夜明けも目覚めも早い。明け方のうなされるような夢がリアル。

◯解熱剤プチンと折って梅雨ごもり
「プチンと折って」の描写力が中々。

◯ 昨夜の雨胡瓜気ままに蔓伸ばす
胡瓜の成長ぶりは如何にも「気まま」です。
返信9
不来方さん (8b8tdv36)2023/6/24 22:40 (No.64146)削除
第600回麦っこお題

題詠 「噴水」

文字詠 「マ」

テーマ詠 「祝」
 ※このテーマは幅広く捉えて下さい。

記念すべき600回の当番で光栄です。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/7/2 19:35削除
麦っこ600投句
噴水の回りスーツの新社員
スキャットのマーチなめらか梅雨明くる
純白のジューンブライド青時雨
のんさん (8b8xe2bx)2023/7/2 18:30削除
第600回 投句

噴水の焦り青空遠すぎる
山開きマーブルチョコの丸い筒
ローソクを一気にケーキ日焼けの子
天馬さん (8bszqp0p)2023/7/2 11:24削除
600回投句

涸れ噴水子等の歓声の記憶
帰省子のまず仏壇やマッチの香
幣束の音渡りゆく山開
まりさん (8md9x4e2)2023/7/2 09:47削除
600回投句

死者生者噴水虹を生むばかり
ギヤマンの盃の献杯忌を修す
はらからは古希喜寿傘寿遠青嶺
ふたばさん (8augfkle)2023/7/2 00:44削除
第600回麦っこ投句

音楽に躍る噴水七色に
暑気払いマーボー豆腐をより辛く
師は卒寿免許更新心太
ちこりんさん (8mmormpc)2023/7/1 11:16削除
600回 投句

噴水の夜風に遊ぶモノローグ

青東風やマザーグースの月曜日

海南風二代目揚げる祝い旗
不来方さん (8b8tdv36)2023/6/30 16:24削除
第600回投句 

噴水に水陽炎のビル透けて

梅雨深しドーベルマンの呼気あらし

六月の父あるがまゝ黙のまゝ
こがめさん (8atk17xs)2023/6/30 16:20削除
第600回麦っこ投句

噴水を被りずぶ濡れ合戦場

マニキュアの指で剥く先マスカット

乾杯はアイスコーヒー喜寿祝
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/6/27 17:02削除
600回投句
子等去りてより噴水の音高し

ローマ軍の来襲蒲の穂が騒ぐ

認知機能検査合格葛桜
返信9