麦船橋句会

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掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
ちこりんさん (92qvc6dm)2024/5/12 17:31 (No.105074)削除
646号回 お題
季語  カーネーション
文字  断
雑詠  自由
返信
天馬さん (94yt6hwk)2024/5/19 12:31削除
646投句

完売のカーネーションや農高生
若葉冷え廃校跡の横断旗
夏蝶の泳ぐごとくに牧草地
ちこりんさん (8mmormpc)2024/5/19 11:47削除
646回 投句

海原に揺れる残照カーネーション

無風なる断絶の町夏つばめ

剥落の仏の朱唇麦の秋
ふたばさん (8augfkle)2024/5/18 23:23削除
第646回投句

カーネーション第二の母と呼ばれけり
断捨離のできぬ形見や春の雨
少年の透る口笛麦の秋
のんさん (8b8xe2bx)2024/5/18 20:58削除
第646回投句

母さんは何でも最後カーネーション
はまなすや退路を断ちて出た故郷
観世音訪ね湖北へ麦の秋
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/5/18 20:10削除
646回投句
束持つカーネーションや終電車
遮断機の降りて夏蝶風に乗る
ピッチャーのカーブシュートや風薫る
まきえっとさん (94xob9ip)2024/5/18 17:27削除
第646回麦っこ投句

抽斗に家族の写真カーネーション
はつなつの空を分断理想論
口笛の深く吸う息青葉風
こがめさん (8atk17xs)2024/5/17 18:53削除
第646回麦っこ投句
引き抜きの体験ツアーやカーネーション

横断歩道を警察官と夏帽子

眼下には野球の試合袋掛
まりさん (8md9x4e2)2024/5/17 14:37削除
646回投句

改札を出る青年とカーネーション
音の無い夢の断片明易し
ジャスミンの風や凸凹にも筆順
不来方さん (8b8tdv36)2024/5/16 15:58削除
第646回投句

大正の母へ令和のカーネーション

断崖を楽土の如く百合の花

放哉の呟きに似て五月病
太郎さん (911fickt)2024/5/15 13:05削除
麦っこ646投句
パティシエの制服の染みカーネーション
延延と開かぬ遮断機若葉寒
松虫姫の奥つ城所ほととぎす
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/5/14 11:43削除
646回投句
 カーネーション贈られ戸惑う母ありき
 遮断機の揚がりし先の滾る空
 赤紙に召されはせぬか芥子坊主
返信11
まりさん (8md9x4e2)2024/5/5 18:58 (No.104493)削除
644回投句一覧&選句

浅蜊
朝刊を綺麗に畳み浅利汁
訳もなく浅蜊の口の開きだす
丑三つの厨浅蜊が本音吐く
国産浅利今や高嶺の花
浅蜊炊く醤油の匂い飯屋の灯
絵柄みな異なる殻の浅利描く
笑う中の黙り(だんまり)ひとつ浅蜊汁
浅蜊汁太平洋の砂を噛む
絵手紙のモデルとなりし浅蜊殻
賑やかな女系三代浅蜊掘る
今日もまたいい酒でした浅蜊汁
寡黙では居れぬ浅蜊や砂を吐く


義姉からの届く大束山根草
かわたれの砂場に残る紫雲英束
藁束の藁抜く遊び春の牛
バイバイはまたの約束春夕焼け
鈴蘭の束北国の匂いして
束髪の自動車整備士夏近し
井戸端の亀の子束子麦の秋 
毎日を束ねおく紐若葉風
春愁を束ね女の独り旅
早苗束畔に整い風優し
夕映の風を束ねる麦の波
メーデーや結束誓う幟立つ

雑詠
学習院初等科遺構花は葉に
葉桜の空騒ぎ出すオスプレイ
手水舎にいつもの雀花は葉に
身を賭して測る水深桜の実
緑の日たこ焼きくるり丸く焼き
無人駅の小さき座布団燕来る
上潮のさざ波漁港目借時
庭うらら今日も来たりし鳩の群
老犬に流れる時間春の昼
白線を踏み出す一歩万緑へ
暖簾縫うミシンのリズム夏隣
花は葉に紙幣の顔に物語
返信
天馬さん (94p1h77v)2024/5/14 11:23削除
644選句

○丑三つの厨浅蜊が本音吐く
○浅蜊炊く醤油の匂い飯屋の灯
○浅蜊汁太平洋の砂を噛む
○束髪の自動車整備士夏近し 
○毎日を束ねおく紐若葉風
◎夕映の風を束ねる麦の波
休耕田の転作に麦が栽培されており、掲句のような景が広がっています。共感の句です。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/5/14 09:42削除
644回 選句

○笑う中の黙りひとつ浅蜊汁
孤独感の漂う一句。自身の不甲斐無さかも知れません。

◎かわたれの砂場に残る紫雲英束
景の中に時間の経過と小さなドラマを想像させます。


○毎日を束ねおく紐若葉風
日々を大切にする思い。
紐がいいですね。

○無人駅の小さき座布団燕来る
無人駅は凡になりがちとある俳人が言っていましたが、この景は捨てがたいです。温かな一句。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/5/12 20:29削除
644回選句

〇浅蜊汁太平洋の砂を噛む
この辺で買うアサリは太平洋のあさりでしょうね、太平洋の砂を噛むの表現良いですね
〇バイバイはまたの約束春夕焼け
童話のような景素敵です
〇束髪の自動車整備士夏近し
整備士さんがロングヘヤーを束髪にして車の整備をしている姿見えてきます
◎夕映の風を束ねる麦の波
夕映えの風を束ねるに◎麦の波は麦の秋のほうがすきかな
〇上潮のさざ波漁港目借時
のんさん (8b8xe2bx)2024/5/12 18:49削除
第644回 選句

◎朝刊を綺麗に畳み浅利汁
 子供の頃を思い出しました。母が作る浅蜊の味噌汁を待ちながら、父は新聞を読んでいた、私の原風景です。
〇かわたれの砂場に残る紫雲英束
 「かわたれの砂場」綺麗な表現で景が目に浮かびます。忘れられ萎れた紫雲英も見えるようです。
〇夕映の風を束ねる麦の波
 麦の波打つような動きは風を束ねたもの、逆説のような捉え方が面白いです。
〇無人駅の小さき座布団燕来る
 古く小さな駅舎、地元の人に大切にされている様子が良く分かります。
〇老犬に流れる時間春の昼
 今の犬、猫は大事に育てられるので長生きなようです。愛犬に向ける眼差しの優しさを感じます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/5/12 15:19削除
◎暖簾縫うミシンのリズム夏隣
 今は殆ど見られぬ風景であるが、春から夏への季節の変わり目に、ミシンを踏む軽快なリズムが聞こえてくるようだ。
〇かわたれの砂場に残る紫雲英束
 家に帰る時間も忘れ、砂場で遊んだ末に、大事に積み貯めた紫雲英の束を忘れてしまったのだろう。早起きの老人がそれを優しく見ている。
〇毎日を束ねおく紐若葉風
 若葉風の吹く心地よい季節も、作者の記憶の紐にしっかりと束ねられたことだろう。
〇老犬に流れる時間春の昼
 老犬に話しかけたり、老犬とじっと見つめあったりしている作者の日常が思い浮かぶ句です。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/5/12 14:51削除
麦っこ644選句
「浅蜊」
○朝刊を綺麗に畳み浅利汁
◎寡黙では居れぬ浅蜊や砂を吐く
 浅蜊はことばを持たないし、第一声帯もない。だからものを言わない。その浅蜊が黙っては居れなくなってことばのかわりに砂を吐くというのだ。この時の作者の心情を代弁している句ではなかろうか。

「束」
○井戸端の亀の子束子麦の秋

「雑」
○花は葉に紙幣の顔に物語
こがめさん (8atk17xs)2024/5/12 14:33削除
第644回麦っこ選句
◎かわたれの砂場に残る紫雲英束
「かわたれの砂場」の表現がいいなと思います。「紫雲英」から砂場のある場所が浮かんできます。

○藁束の藁抜く遊び春の牛
「藁束の藁抜く」から牛のいる場所が浮かんできます。「藁抜く遊び」の遊びの表現が牛を暖かく見守っているように感じます。

○老犬に流れる時間春の昼
「老犬に流れる時間」の表現から犬をとても大切に関わっているのだろうな。老犬をカートに乗せて散歩しているのかな。

○夕映の風を束ねる麦の波
目には見えないけど肌で感じているのだろうな。「麦」の畑の雄大さを感じます。
ふたばさん (8augfkle)2024/5/11 21:21削除
第644回選句

○浅蜊炊く醤油の匂い飯屋の灯
 香ばしい匂いに誘われて、つい暖簾をくぐりたくなります。

○寡黙では居れぬ浅蜊や砂を吐く
 共感の一句です。まるで自分のことを言われているような…。

◎かわたれの砂場に残る紫雲英束
 歓声の消えた砂場、萎れて忘れられた紫雲英束。夕暮れの砂場の寂寥感が伝わってきました。

○老犬に流れる時間春の昼
 老犬を出すことで、穏やかな時間の流れを際立たせていると思いました。
まりさん (8md9x4e2)2024/5/11 15:30削除
644回選句

〇丑三つの厨浅蜊が本音吐く
「本音吐く」の断定に惹かれました。新聞紙をかけておかないと台所が「本音」でびしょ濡れですよ!

〇今日もまたいい酒でした浅蜊汁
この素直さがいいですね。庶民の幸せ・平和。明日もまたいいお酒を。

○かわたれの砂場に残る紫雲英束
今となっては古き良き時代の景かもしれません。過ぎてしまえばいい時代でした。こういう静寂感も詠んでみたいものです。

〇夕映の風を束ねる麦の波
風を束ねるのは誰?何?麦の波?どこで切る?「俳句は意味ではない」と散々言われてきましたが、やはりどこかで折り合いをつけて共感したいのです。麦秋のころの柔らかくあたたかい風が麦の香を運んできているのでしょう。季感が豊か。

◎老犬に流れる時間春の昼
中七がいいですね。隣家に大型の老犬がおり、時々カートに乗せられて散歩に出ています。いい雰囲気の季語ですがちょっと緩いかも…。
未完さん (91c0tm1u)2024/5/8 00:37削除
〇寡黙では居れぬ浅蜊や砂を吐く
〇絵手紙のモデルとなりし浅蜊殻
〇夕映の風を束ねる麦の波
麦畑が風で波打ってみえることを捉えている。麦は収穫時期から初夏の季語とされるとは知らなかった。
◎暖簾縫うミシンのリズム夏隣
ミシンのリズムが初夏らしい。
不来方さん (8jrlsjab)2024/5/6 09:32削除
第644回選句
◯丑三つの厨浅蜊が本音吐く
◯かわたれの砂場に残る紫雲英束
 時分の使い方に意外性があって、モチーフともピッタリな二句。前句は塩抜きに一晩浸された浅蜊の丑三つ時に吐く本音の擬人化が面白い。朝には食べられてしまうと思うと絶叫ともとれる。「本音」とは?後句は「たそがれ」ではなく「かわたれ」がポイント。遊び疲れた女の子たちの残影が紫雲英束に象徴化されているが、夕方よりも明け方の方が時間経過とまだ眠りの世界の余韻があって味わい深い。静寂感がとてもいい。

◯夕映の風を束ねる麦の波
 普通なら麦の穂の波を束ねているのが風。逆転の構造が景を大きくしている。「夕映」なので赤と黄のコントラストが美しい。

◎毎日を束ねおく紐若葉風
 この「紐」は心の紐であろう。人生には喜怒哀楽含めて日々色んなことが起きる。小さなことも大きなことも。作者は諸々の事象を日記でも書くように毎日心の紐で束ね、気持ちをリセットしている。若葉風が心地よい。

◯老犬に流れる時間春の昼
 今井杏太郎なら「老人に」と書いて、枯れた味わいのある時間を演出したかも知れないが、矢張り寿命の短い「老犬」の方が幅広く読める。何れにしても命と時間を「無」の境地で詠んだ「春の昼」である。
返信11
不来方さん (8b8tdv36)2024/5/5 12:20 (No.104424)削除
第645回出題

季語 薄暑

文字 葉

雑詠
返信
ちこりんさん (92qvc6dm)2024/5/12 20:15削除
645回 投句

潮騒のララバイ浜の夕薄暑

日輪の翳る速さや青葉騒

薫風の小さき宇宙や砂時計
天馬さん (94p1h77v)2024/5/12 16:25削除
645投句

バラ線の遥かに牛の群れ薄暑
おにぎりを作りたくなる若葉風
新緑を光り光らせ集乳車
太郎さん (8aq3zcoi)2024/5/12 15:39削除
麦っこ645投句
三越のライオン眠き夕薄暑
キャンパスに重き靴音青葉闇
八十八夜赤子泣かせて一農家
こがめさん (8atk17xs)2024/5/12 11:18削除
第645回麦っこ投句
家解体のユンボの響く町薄暑
カーネーションのスケッチブック葉書大
排水官の工事を急ぐ春の雨
のんさん (8b8xe2bx)2024/5/11 21:56削除
第645回 投句

さわさわと欅の大樹薄暑光
ステージに少年のダンス青葉風
丸くなる背筋を伸ばし白きシャツ
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/5/11 21:16削除
第645投句

ステップの揃わぬダンス夕薄暑

吊り橋をゆする風湧く樟若葉

母の日と兼ねて誕生日祝いかな
不来方さん (8b8tdv36)2024/5/11 19:50削除
第645回投句
(俳句の順番が違ったので再投句)


古書市を行きつ戻りつ夕薄暑

多羅葉に残すイニシャル風涼し

用水路ゆたかに疾し夏来る
まりさん (8md9x4e2)2024/5/11 15:43削除
645回投句

高架線ホーム薄暑の街動く  
神前の禰宜の摺り足青葉光
思いつくままの体操麦の秋
ふたばさん (8augfkle)2024/5/10 16:06削除
645回投句

レトロなる砂町銀座夕薄暑
住宅に奪われし畑花は葉に
少年の坂を漕ぎ行く若葉風
匿名さん (91c0tm1u)2024/5/8 02:49削除
久々に短パン穿いて街薄暑
金利よりポイントが目に花は葉に
聖五月手術は今やダヴィンチ
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/5/6 20:13削除
645回投句
 夕薄暑街に一店残る書肆
 若葉風オープンカフェのカツサンド
 幾千本ゆれてつましき姫女苑
返信11
まりさん (8md9x4e2)2024/4/28 23:12 (No.103850)削除
643回投句一覧&選句

行く春
行く春や抗うつ剤の楕円形
行く春や眼あっぷに千字文
行く春のエンドロールの余韻なお
行く春を惜しむ秘仏の眼に硝子
行く春を子規の育ちし松山へ
パレットの奏でるワルツ春が行く
行く春の柴又あれは笠智衆
園丁の鋏の裁き春のゆく
春逝くや闇から闇へ消ゆる声
モカの香とチェロの低音春惜しむ
行く春や五感迷子になるばかり
行く春の甘味処の句会かな


巻紙の青墨淡く藤の花
掌に余る大手の乳鋲青楓
青柳に呼応の鬼剣舞激し
青柳の風やわらかし蔵の街
桜には青空恙なき平和
ハチ公の眠る青山散る桜
止め椀の青み一葉花の雨
青臭い正論述べる暮の春
青饅や遠き記憶の友来る
青信号蝶はくらりと風を受け
虹の青曳いて海へと鳶飛翔
青嶺晴れ山彦を呼ぶ若人よ

雑詠
明日を編む草原の風夏兆す
花は葉に阿修羅眉間を険しうす
夕長し寄木細工の秘密箱
百花咲き鳥鳴き競う春惜しむ
バス停に今朝も会う人花水木
風車逡巡しつつ廻りけり
引力に負けて落下の初夏の風
宙に宙に双子の仔牛牧開
独り身であることを秘す紫木蓮
葱坊主崖の下には野球場
筋肉をゆっくり伸ばす薄暑光
春愁を出て惜春へ歩み出す
返信
ちこりんさん (8mmormpc)2024/5/8 10:35削除
643回 選句

○モカの香とチェロの低音春惜しむ

材料が多いような気もしましたが、コーヒーとチェロの音色が合わさると惜春の情が深まる感じがしますね。


○行く春のエンドロールの余韻なお

下五はやや説明的ですが、取り合わせの良さでいただきました。

◎止め碗の青み一葉花の雨

一枚の映像を上手く切り取り、情緒を感じさせます。

○風車逡巡しつつ廻りけり

逡巡とみる作者の感性に共感しました。モノに心の通う一句。
天馬さん (94huaaqr)2024/5/7 15:30削除
643選句

○行く春のエンドロールの余韻なお

○パレットの奏でるワルツ春が行く
○青信号蝶はくらりと風を受け
◎明日を編む草原の風夏兆す
○花は葉に阿修羅眉間を険しうす

コメントなしですみません。
のんさん (8b8xe2bx)2024/5/6 17:43削除
第643回 選句

〇行く春のエンドロールの余韻なお
 直ぐに椅子から離れたくないような心に残る映画だったのでしょう。しっとりとした余韻を感じる句です。
◎モカの香とチェロの低音春惜しむ
 今は少なくなってしまった名曲喫茶の様な所かなと思いました。音響効果も良く全身で珈琲と音楽を楽しむ、ささやかですが贅沢な時間です。
〇虹の青曳いて海へと鳶飛翔
 実景でしょうか?雄大で美しい忘れがたい景です。
〇明日を編む草原の風夏兆す
 爽やかな草原の風が編む明日、素晴らしい夏の訪れを予感させます。
〇夕長し寄木細工の秘密箱
 作るのにとても手の掛かる寄木細工、若い頃より良さを感じるようになりました。季語が句の味わいを深めています。
ふたばさん (8augfkle)2024/5/5 22:46削除
643回選句

○行く春のエンドロールの余韻なお
 佳いものを見た後の充足感が「余韻なお」から伝わってきます。

◎モカの香とチェロの低音春惜しむ
 上五中七が「春惜しむ」の舞台設定に的確にはまっていると思いました。おしゃれで
 素敵。

○止め椀の青み一葉花の雨
 懐石料理のすまし汁でしょうか。情感のある季語が巧く働いていると思いました。

○明日を編む草原の風夏兆す
 「明日を編む」の措辞に魅かれました。草原の爽やかな風が心地よく伝わってきます。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/5/5 11:27削除
643回選句

◎ 行く春のエンドロールの余韻なお
  行く春を惜しむ心境とエンドロームの余韻もドラマを惜しんでいる二物に感動
〇 モカの香とチェロの低音春惜しむ
  素敵に春を惜しんでいます、チェロの音とモカの香りゆったりした気分
〇 明日を編む草原の風夏兆す
  明日を編むの表現は素敵
〇 夕長し寄木細工の秘密箱
  箱根のお土産は必ず寄木細工を買いました、今はとても高価で手が出ないものばかり秘密箱には何を入れてあるのでしょう
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/5/5 09:04削除
643回選句
 ◎行く春のエンドロールの余韻なお
  行く春を惜しむ心境は、今見終わったばかりのドラマのエンドロールを眺めているようなものだ。
 〇モカの香とチェロの低音春惜しむ
  フルーテイーで甘酸っぱいモカを喫しながら、脳髄を揺さぶるようなチェロの音を聴く。晩春の至福の時。
 〇止め椀の青み一葉花の雨
  この青みの春野菜は何だろうか。ほっと寛ぐひと時が、季語によって巧く描写されている。
こがめさん (8atk17xs)2024/5/4 22:28削除
第643回麦っこ選句
○行く春のエンドロールの余韻なお
○パレットの奏でるワルツ春が行く
○モカの香とチェロの低音春惜しむ
3句とも音楽の良さを生かしている句ですね。いろいろなメロデイーを聴きながら生活している音楽の好きな作者の生活感が浮かんできます。羨ましいです。

◎夕長し寄木細工の秘密箱
「夕長し」の季語の取り合わせがとても参考になりました。寄木細工の秘密箱は空いたのかな。きっとなかなか明かなかったのかな。・・・

○宙に宙に双子の仔牛牧開
双子の小牛が元気一杯に跳ねまわっている景が浮かんできます。「宙に宙に」の表現がいいなと思います。
未完さん (91c0tm1u)2024/5/4 01:44削除
◎パレットの奏でるワルツ春が行く
まるで絵の具を混ぜるパレットのような、シンプルな形のパレットシロフォンが奏でるワルツですね。
〇青臭い正論述べる暮の春
正論とは青臭いものであると再認識した。
〇虹の青曳いて海へと鳶飛翔
トンビの飛ぶ姿を大きく描いている。
〇青柳に呼応の鬼剣舞激し
青柳の下での時代がかった鬼剣舞が目に浮かぶ。
まりさん (8md9x4e2)2024/5/3 21:22削除
643回選句

◎モカの香とチェロの低音春惜しむ
春の惜しみ方いろいろですが、これは素敵。自分で淹れた珈琲とFMのクラッシック。

〇青信号蝶はくらりと風を受け
上5は苦心の末のことばという気もしますが、「くらりと風を受け」は魅力的です。

〇明日を編む草原の風夏兆す
「明日を編む」のような措辞は私にはうまく使えないので避けてきましたが、挑戦してみようかなという気になってきました。さて?

〇春愁を出て惜春へ歩み出す
やっと抜けた春愁。これから春を楽しみたいのにもう行く気配。あっという間に過ぎるので「惜春」というのでしょうね。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/5/3 11:45削除
麦っこ643選句
行く春
○行く春のエンドロールの余韻なお
 キャストやスタッフ、協力団体などの文字が流れるのを目で追いながら、ドラマの感動を反芻しているのだ。
○パレットの奏でるワルツ春が行く
 パレットに絞り出され、絵筆で捏ねられた春色の絵の具から、ウインナワルツが聞こえてくる。春も闌、すぐそこまで夏が来ている気配が感じられる。
○行く春の甘味処の句会かな
 食事や酒肴を提供する店よりは滞在時間が短くなるかもしれないが、二刀流の辛口のほうを卒業しかかってる身としては、甘味処の句会も魅力がある。草餅、桜餅、日本最古の餅菓子と言われる椿餅、季節が移れば粽や柏餅など、味覚としても句材としても大いに楽しめるだろう。


○青信号蝶はくらりと風を受け
 青信号とともに動き出す人の波の上空を渡ろうとする蝶が、微風に吹かれて舞う姿を「くらりと風を受け」と巧みに表現している。

雑詠
◎夕長し寄木細工の秘密箱
 長い冬を過ごして春を迎えると、日没が遅くなり日が長くなったと思う。実際は夏至の頃が最も日永なのだが、気分的には春に強く実感するのである。秘密箱は、箱根寄木細工の代表的な作品で、開ける操作が少なくとも4回、多いもので72回のものがある。箱根の寄木細工の専門店には、125回の秘密箱が展示保存されているそうだ。二物の取り合わせによる微妙な季節感を味わいたい。
不来方さん (8b8tdv36)2024/4/29 09:48削除
第643回選句

◯モカの香とチェロの低音春惜しむ
 「行く春」の感じ方は今回の一連の句同様に人それぞれだが、ゆったりと少しもの憂げに惜しみたいものだ。掲句の「モカ」はゆったり感、「チェロ」は物憂さを感じさせて、如何にも惜春に相応しい。

◯ 止め椀の青み一葉花の雨
 静かな生活詠だが、止め椀の描写が中々。花の雨との取合せにも味わいがある。

◯ 虹の青曳いて海へと鳶飛翔
 虹の青は一番内側だったかどうか記憶が曖昧。まるで鳶が虹の青・海の青に染まって飛翔しているかのような大きな景。

◎ 明日を編む草原の風夏兆す
 「明日を編む」の措辞が秀逸。これだけで草原の広さや光、風の動きが余す所なく伝わって来る。初夏の爽やかさも。

◯ 夕長し寄木細工の秘密箱
芭蕉の言葉ではないが、俳句は言い切ったら、大概そうかで終わってしまう。この句は「秘密箱」が眼目。他の箱なら、いい句ですね、で素通りしてしまったかもしれない。読み手の想像力を広げる言葉の妙。
返信11
まりさん (8md9x4e2)2024/4/27 16:45 (No.103719)削除
644回出題

1 浅蜊
2 束
3 雑詠

よろしくお願いいたします。
返信
天馬さん (945463c9)2024/5/5 18:39削除
644投句

朝刊を綺麗に畳み浅利汁
藁束の藁抜く遊び春の牛
老犬に流れる時間春の昼
まきえっとさん (8rypn25h)2024/5/5 09:25削除
第644回投句
訳もなく浅蜊の口の開きだす
毎日を束ねおく紐若葉風
白線を踏み出す一歩万緑へ
のんさん (8b8xe2bx)2024/5/4 19:27削除
第644回 投句

丑三つの厨浅蜊が本音吐く
鈴蘭の束北国の匂いして
暖簾縫うミシンのリズム夏隣
未完さん (91c0tm1u)2024/5/4 15:26削除
国産浅利今や高嶺の花
メーデーや結束誓う幟立つ
花は葉に紙幣の顔に物語
ちこりんさん (8mmormpc)2024/5/4 14:42削除
644回 投句

浅蜊炊く醤油の匂い飯屋の灯

夕映の風を束ねる麦の波

身を賭して測る水深桜の実
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/5/4 09:45削除
第644回投句
絵柄みな異なる殻の浅利描く
早苗束畔に整い風優し
緑の日たこ焼きくるり丸く焼き
ふたばさん (8augfkle)2024/5/3 22:57削除
644回投句

笑う中の黙り(だんまり)ひとつ浅蜊汁
バイバイはまたの約束春夕焼け
無人駅の小さき座布団燕来る
まりさん (8md9x4e2)2024/5/3 21:20削除
644回投句

浅蜊汁太平洋の砂を噛む
井戸端の亀の子束子麦の秋 
上潮のさざ波漁港目借時
こがめさん (8atk17xs)2024/5/2 21:08削除
第644回麦っこ投句
絵手紙のモデルとなりし浅蜊殻

義姉からの届く大束山根草

庭うらら今日も来たりし鳩の群
太郎さん (8aq3zcoi)2024/5/1 20:48削除
麦っこ644投句
賑やかな女系三代浅蜊掘る
かわたれの砂場に残る紫雲英束
学習院初等科遺構花は葉に
不来方さん (8b8tdv36)2024/5/1 06:24削除
第644回投句

今日もまたいい酒でした浅蜊汁

春愁を束ね女の独り旅

葉桜の空騒ぎ出すオスプレイ
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/30 08:22削除
644回投句
 寡黙では居れぬ浅蜊や砂を吐く
 束髪の自動車整備士夏近し
 手水舎にいつもの雀花は葉に
返信12
まりさん (8md9x4e2)2024/4/21 15:22 (No.103243)削除
642回投句一覧&選句

「木蓮」
身綺麗に独りを生きて紫木蓮
木蓮のひとひらの舟虚舟
紫木蓮雲の切れ間の空の青
里山に尽きる畦道紫木蓮
はくれんや宙にひらめく女の掌(て)
白木蓮またも新たな震災地
木蓮の空の重さを受け止める
紫木蓮オキシトシンが溢れ出す
闇を得ていよよ艶めく紫木木蓮
長屋門くぐりて高き紫木蓮
白木蓮首に提げてる職員札
禅堂の庭垂直に白木蓮

「押」
春の蚊を両手で押え驚かす
たおやかな武将の花押山桜
獣骨の押し出されたる雪解川
春キャベツ手押し車に鎮座して
押し花の菫かの日を呼び起こす
風を呼び雲を押しのけ夏隣る
たんぽぽたんぽぽ記憶の扉押す
背を押す柔き思惟の手花は葉に
十人の押し競饅頭夕永し
背を押され同居の決意花は葉に
笑わない長押の父よ糸桜
口説くには押しが第一猫の恋

「雑詠」
万年の戦の声か亀鳴けり
よろず屋の建付け悪し種袋
山笑うタクシーを待つ無人駅
山門へ一直線の桜道
気にかかる一言春の大曲線
花屑を踏んで登校にぎにぎし
晩春の音叉ゆっくり夜を開く
老化ほど怖いものなし万愚節
黄砂降る戦時の薄き母子手帳
唇に光るプラチナ花は葉に
初音聴く茶柱の浮く朝餉かな
うららかや駅舎を潜る鳥の影
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/5/5 09:39削除
第642回選句

〇里山に尽きる畦道紫木蓮
畦道は人間の作ったものですが、紫木蓮はおかまいなく咲く「自然」を感じました。
〇獣骨の押し出されたる雪解川
自然の中で生きていくことの大変さを感じます。
去年、里山で骨だけになった鹿に遭遇したのを思い出しました。
〇笑わない長押の父よ糸桜
「笑わない」がいいですねお父さん。お父さんと話したいな。
◎気にかかる一言春の大曲線
取り合せがいいですね。「春の大曲線」に工夫を感じます。
天馬さん (945463c9)2024/4/29 15:03削除
642選句

○闇を得ていよよ艶めく紫木木蓮
紫と艶めくが呼応しているとおもいます。
○たんぽぽたんぽぽ記憶の扉押す
認知症になったらタンポポはどんなふうに見えるのかなとふと。
◎笑わない長押の父よ糸桜
大きな家の仄暗い座敷と桜の明るさの比に惹かれます。
○よろず屋の建付け悪し種袋
懐かしい風景。イオン一つで小さな商店街はあっという間にシャッター通りになりました。
のんさん (8b8xe2bx)2024/4/28 21:51削除
第642回 選句
 
〇たおやかな武将の花押山桜
 「押」の題から「花押」が出てきたことに感心し、季語の「山桜」の選択にも感心しました。
〇獣骨の押し出されたる雪解川
 雪解川の激しい流れには獣骨も混じっていないのでしょうか。断定されると納得です。
〇笑わない長押の父よ糸桜
 優しかったお父様が、今は長押の上で威厳あるお顔、寂しさが募ります。
◎黄砂降る戦時の薄き母子手帳
 「母子手帳」の長い歴史、物の無い時代はそれなりの物だっのでしょう。季語が時代を思い起こさせます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/28 20:52削除
642回選句
 ◎身綺麗に独りを生きて紫木蓮
 〇背を押され同居の決意花は葉に
 〇気にかかる一言春の大曲線
ふたばさん (8augfkle)2024/4/28 00:51削除
642回選句

○身綺麗に独りを生きて紫木蓮
 矜持をもって生きてきた姿勢に、紫木蓮の気高さがよく合っていると思いました。

○里山に尽きる畦道紫木蓮
 景が鮮やかに見えてきます。里山のやわらかな気温も感じられます。

◎笑わない長押の父よ糸桜 
 遺影に語りかけている細やかな心情が「糸桜」に表現されていて魅かれました。

○晩春の音叉ゆっくり夜を開く
 中七下五がとても魅力的。季語も的確。私にはまったく思いつかない発想です。
未完さん (91c0tm1u)2024/4/27 23:52削除
◎たおやかな武将の花押山桜
武将の花押をテーマにしたところが見事。
確かにや山桜みたいな優雅な文字もある。
〇はくれんや宙にひらめく女の掌(て)
木蓮を女の掌(て)とみたて宙にひらめくとしたところがいい。
〇白木蓮首に提げてる職員札
職員札にスポットあてたところがいい。
〇気にかかる一言春の大曲線
季語春の大曲線の斡旋が良い
太郎さん (8aq3zcoi)2024/4/27 20:35削除
麦っこ642選句(修正)
「木蓮」
○里山に尽きる畦道紫木蓮
 青みの育った畦道を辿ってどんづまりまで歩くと、里山を背にして
農家があり、紫木蓮が鮮やかな色の花を咲かせている。里山には辛夷
白木蓮が定番のような気もするが、春季の逍遙には、艶なる紫木蓮も
浮き浮きとして似つかわしい景かもしれない。
「押」
◎獣骨の押し出されたる雪解川
 まだ見たことはないが、春になると日本海側などでは、雪解川の濁
がごうごうと響き流れ、洪水を起こすことが多いという。雪の下に埋
れていた雑多なものが河口に向かって押し流されていくのだが、その
に獣骨なども混じっていてどきっとさせられるのだ。
○笑わない長押の父よ糸桜
 大きな農家などの長押には、何代か前からの遺影が掲げられている
とが多い。たいていは紋付きの羽織などを着て、謹厳実直な風貌をし
いる。近年の仏壇などに置かれる遺影は、笑顔のものもあるが、長押
額縁に納められたものは「笑わない」のである。「糸桜」、淡紅色の垂
桜が作者の心情に相応しい風情のある景である。
「雑」
○黄砂降る戦時の薄き母子手帳
 春の季節風によって、モンゴルや中国北部の黄土地帯で舞い上がっ
大量の砂塵が、特に三、四月頃の日本にまでやってくる。昭和初期の
まれの人は、霾から戦時に連想を飛ばすことも多かろう。戦時中の遺
の中には、米穀通帳だの母子手帳などがあり、変色した粗悪な紙質の
っぺらな書類だが、捨てられずに、大切に保管されていることが多い。

 特選をつけ忘れて投稿してしまったので、差し替えます。画面で修正できないのが極めて不便です。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/4/27 18:28削除
642回投句選句
〇身綺麗に独りを生きて紫木蓮
凛として独りを生きる姿勢に凛とした木蓮が良いですね
◎笑わない長押の父よ糸桜
郷の長押には五代前からの写真が並んでいます、一番新しいのが兄、やはり父は威厳の姿糸桜が優しさを感じます
〇万年の戦の声か亀鳴けり
亀鳴くの季語は難しく鳴かない亀を泣かすので戦いと合わせたのには成程と思いました
〇うららかや駅舎を潜る鳥の影
 うららかな景、何気なく駅のホームから見つけた景でしょうか句材探しの出来ないわたしですので勉強になります
こがめさん (8atk17xs)2024/4/26 09:54削除
第642回麦っこ選句
○たんぽぽたんぽぽ記憶の扉押す
「たんぽぽたんぽぽ」の繰り返しのリズムとの取り合わせが参考になります。

○笑わない長押の父よ糸桜
「長押」の言葉はでてきませんでした。私の父は笑っていたような。母の写真は・・・。替えてあげたいなと・・・。

◎気にかかる一言春の大曲線
会話って気をつけなくてはいけないなと思いつつ反省することが多いです。春の大曲線からなんかの会合での帰りの電車での心のもやもやかな。

○うららかや駅舎を潜る鳥の影
どんな鳥だろうと。よく燕が駅舎の通路を潜っていったり、巣を作ったりしているのを見かけます。こんな自然豊かな景がいいな。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/4/24 12:56削除
642回 選句
○闇を得ていよよ艶めく紫木蓮

闇を得てがいいですね。光である艶を捉えた感性に惹かれます。

○たおやかな武将の花押山桜

花押で一句と思っていましたが、掲句を得て二番煎じになるので、やめます。笑
自著を図案化した花押には、それぞれの人格まで現れているよう。たおやかな花押は、どなたのものでしょう。
季語の取り合わせも素敵です。

◎万年の戦の声か亀鳴けり

地球上の歴史は、平和ではなく、数々の戦の歴史。
難しい季語ですが、取り合わせよく共感しました。

○晩春の音叉ゆっくり夜を開く

過ぎゆく春の夜の感覚をイメージされたのでしょう。
具体的ではないのですが、音の広がりで表現したところに共感しました。
まりさん (8md9x4e2)2024/4/24 09:53削除
642回選句

〇長屋門くぐりて高き紫木蓮
ストレート・まんまともいえますが、すっきりとさわやかにイメージできます。

〇たおやかな武将の花押山桜
お題「押」で花押。知ってはいてもなかなか出てきません。花押のデザイン性は今見ても驚くばかり。この花押の武将はどなたなのでしょう。

〇笑わない長押の父よ糸桜
近頃の遺影には笑顔が多いですが、昔の遺影はみな笑っていません。繊細でやさしい糸桜を添えた作者の心情が伝わってきます。残されたものは笑顔の遺影にはほっとしますので、私は笑顔の遺影を用意するつもり!

◎黄砂降る戦時の薄き母子手帳
戦後すぐの薄い母子手帳のその一ページ目のみ、「分娩記事欄」だけが手元に残っています。
臍の緒とともに母が残していました。
850匁・異常産(大変だったとは聞いていましたが…)
産婆さんの名前は文字がかすれてほぼほぼ読めません。
裏には、姙・衣料切符交付 出産用ガーゼ交付 嬰・衣料切符交付 特配用綿交付 と。
ものの無い時代の命がけの出産。
戦時中ならなおさら。母の初めての出産は父の出征中でした。
不来方さん (8jrlsjab)2024/4/22 10:43削除
第642回選句

◯身綺麗に独りを生きて紫木蓮
 紫木蓮には孤高で妖艶な情趣がある。この女性もしかり。

◯木蓮のひとひらの舟虚舟
 この「虚舟」は説話に出て来る虚舟ではなく、単なる誰も乗っていない舟と読んだが、何回か読むうちにこの世のものとは思えない舟のような気がして来た。舟上には神か、次の世の人の気配がするような。「木蓮」ではなく平仮名表記で「はくれん」なら尚いっそうそんなイメージがしそうだ。

◯背を押す柔き思惟の手花は葉に
◯背を押され同居の決意花は葉に
 「背」と「花は葉に」の合わせ技二句。趣は随分違うが何れも決意の句。前句は(迷っているなら思い切って前に踏み出しなさいよ)というやさしい思慮深い人に背中を押された雰囲気に、後者は自身で人生の大きな決断をした強さに共感。桜の季節は移ろいやすいが、葉桜になるころの季感は新たなる世界を目指していく気持ちとよく合っている。(逆に五月病のような引きこもりやすい時期でもあり、両極端かも。できるだけ前向きに生きたいという願いのこもった二句なのでいただいた)

◎気にかかる一言春の大曲線
 残業か、懇親会の帰り道の景だろうか。誰かの一言が気になってしかたがない、ということは誰にでもあること。それほど深刻な一言ではなくても、モヤモヤ感が消えない。如何にも春愁に近い気分かと。空を見上げ、目を凝らせば次第に春の大曲線が見えて来る。モヤモヤは薄れて行っただろうか??
返信12
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/20 21:14 (No.103145)削除
643回出題
 季語 行く春
 文字 青
 当季雑詠
返信
天馬さん (945463c9)2024/4/29 14:56削除
643投句

行く春や抗うつ剤の楕円形
青柳に呼応の鬼剣舞若し
宙に宙に双子の仔牛牧開
こがめさん (8atk17xs)2024/4/28 15:46削除
第643回麦っこ投句
行く春や眼あっぷに千字文

巻紙の青墨淡く藤の花

葱坊主崖の下には野球場
字数が足りなかったのでやり直しました。
まきえっとさん (8rypn25h)2024/4/28 14:35削除
第643回投句

行く春のエンドロールの余韻なお
青臭い正論述べる暮の春
筋肉をゆっくり伸ばす薄暑光
不来方さん (8b8tdv36)2024/4/28 08:36削除
第643回投句

行く春を惜しむ秘仏の眼に硝子

青饅や遠き記憶の友来る

春愁を出て惜春へ歩み出す
未完さん (91c0tm1u)2024/4/27 22:16削除
行く春を子規の育ちし松山へ
青嶺晴れ山彦を呼ぶ若人よ
百花咲き鳥鳴き競う春惜しむ
のんさん (8b8xe2bx)2024/4/27 20:44削除
第643回 投句

パレットの奏でるワルツ春が行く
桜には青空恙なき平和
バス停に今朝も会う人花水木
ふたばさん (8augfkle)2024/4/27 18:53削除
643回 投句 

行く春の柴又あれは笠智衆
青柳の風やわらかし蔵の街
風車逡巡しつつ廻りけり
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/4/27 11:06削除
643回投句
園丁の鋏の裁き春のゆく
青信号蝶はくらりと風を受け
引力に負けて落下の初夏の風
ちこりんさん (8mmormpc)2024/4/26 12:54削除
643回 投句
春逝くや闇から闇へ消ゆる声

虹の青曳いて海へと鳶飛翔

明日を編む草原の風夏兆す
太郎さん (911fickt)2024/4/24 14:18削除
麦っこ643投句
モカの香とチェロの低音春惜しむ
掌に余る大手の乳鋲青楓
花は葉に阿修羅眉間を険しうす
まりさん (8md9x4e2)2024/4/24 09:56削除
643回投句

行く春や五感迷子になるばかり
止め椀の青み一葉花の雨
夕長し寄木細工の秘密箱
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/23 17:25削除
643回投句
 行く春の甘味処の句会かな
 ハチ公の眠る青山散る桜
 独り身であることを秘す紫木蓮
返信12
まりさん (8md9x4e2)2024/4/15 10:34 (No.102532)削除
641回投句一覧&選句

「雲雀」
無窮へと運ぶ伝言揚雲雀
一点の鳥影なるや揚雲雀
俯瞰する地球の歪み揚雲雀
揚雲雀ポテトサラダと缶酎ハイ
揚雲雀こころの蓋を開け放つ
弁当の真っ赤な小梅揚雲雀
ヘルメットの自転車族や揚雲雀
揚雲雀肩の力のふと抜ける
揚雲雀竹馬の友は天国に
雲雀野に寝転んでいる独りかな
青空や白黄共演揚雲雀
ハマ付きの赤い自転車揚雲雀

「笑」
談笑の口に一片花吹雪
春の夜の鳴子こけしの泣き笑い
肩の力抜け抜け抜けと山笑う
過ぎし日は笑い話や花の下
園バス降り抱きつく笑顔花吹雪
笑うしかなし日延べ日延べの花見酒
名物の赤いこんにゃく山笑う
蛇いでて自己紹介に呼ぶ笑い
春眠の己が笑顔に目覚めけり
八重桜笑みでごまかす嘘少し
諦めを笑う鴉や落花ふむ
山笑う売ったところで二足三文

「雑詠」
啄木忌とんと見かけぬ靴磨き
七年ぶりの桜吹雪や一年生
横文字の幟チラホラ花の杜
野球部の野太き叫び初燕
介護士のマニキュアピンク飛花落花
憶測で物言う女飛花落花
水温む電気分解してみよう
跳んで跳んで春光の仔牛
風は海より桜舞う壇葛
立売りの呼び声薬研堀晩春
ふらここや光蹴り上げ風になる
散る花の音無き調べ夕空へ
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/4/28 14:42削除
第641回選句

〇雲雀野に寝転んでいる独りかな
雲雀野に寝転んで独りと感じる瞬間を捉えていると思います。
〇園バス降り抱きつく笑顔花吹雪
「抱きつく笑顔」がいいですね。
◎ふらここや光蹴り上げ風になる
光を蹴り上げるのがいいですね。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/4/22 11:46削除
641回選句

〇揚雲雀ポテトサラダと缶酎ハイ
ポテトサラダは家庭料理の一品家族でのお花見でしょうか、ポテトサラダが温かみを感じます
〇揚雲雀肩の力のふと抜ける
あっさりと言い切る、こんな句が好きです
〇雲雀野に寝転んでいる独りかな
長閑さの中の孤独感伝わります
◎野球部の野太き叫び初燕
球児の野太い叫びと初燕、若さと力を感じます
のんさん (8b8xe2bx)2024/4/22 11:21削除
第641回 選句

〇弁当の真っ赤な小梅揚雲雀
 弁当の真ん中に真っ赤な小梅、見上げれば雲雀、視点の移動、豊かな色彩、春を堪能させてくれる句です。

〇春の夜の鳴子こけしの泣き笑い
 春の夜のしっとりとした空気感にこけしは似合います。

◎過ぎし日は笑い話や花の下
 いろいろな事があったけれど今日花見が出来る幸せ、境涯俳句は難しいのですが、季語の臨場感に共感しました。

〇笑うしかなし日延べ日延べの花見酒
 桜は気まぐれ、私は一分咲きの花見をしました。

〇跳んで跳んで春光の仔牛
 「跳んで跳んで」の繰り返しから「春光の仔牛」シンプルな表現ですが、春の牧場を訪れて見たくなります。
天馬さん (93utndgl)2024/4/22 10:56削除
○無窮へと運ぶ伝言揚雲雀

◎俯瞰する地球の歪み揚雲雀

○揚雲雀こころの蓋を開け放つ

○啄木忌とんと見かけぬ靴磨き

○散る花の音無き調べ夕空へ

コメントなしですみません💦
ふたばさん (8augfkle)2024/4/21 18:39削除
641回 選句

◎俯瞰する地球の歪み揚雲雀
 戦争、飢餓、温暖化…。地球の歪みはひどくなるばかり。雲雀に仮託して告発している。

○雲雀野に寝転んでいる独りかな
 長閑な野に寝転んで感慨にふけっている。孤独感が伝わってきます。
 
○春眠の己が笑顔に目覚めけり
 幸せな目覚め。こんな経験をしてみたいです。
 
○跳んで跳んで春光の仔牛
 躍動感あふれる情景。こどもの頃、仔馬や仔羊と遊んだことが思い出され、まさに跳んで跳んで、が実感されます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/21 18:12削除
641回選句
 ◎俯瞰する地球の歪み揚雲雀
  この歪みは、地軸の傾きといったような物理的なものではなく、乱れ行く人の世の態様のことだろうか。
 〇無窮へと運ぶ伝言揚雲雀
  告天子ともいわれる雲雀は、地球上の様子を天蓋まで伝えようとしている。
 〇立売りの呼び声薬研堀晩春
  今は無き古い地名には、季語にも相当するような、様々な情景を読者に想像させる力があります。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/4/21 17:16削除
麦っこ641選句
「雲雀」
◎無窮へと運ぶ伝言揚雲雀
 夜は、北斗の針が無窮を指差し、昼は、揚雲雀が佐保姫の伝言を無窮へと運んでいるのだろう。
〇弁当の真っ赤な小梅揚雲雀
 中空で雲雀の囀る青空の下、ひろげた弁当の銀シャリの真ん中に紅一点の小梅。長閑な春の季感の中でそれはまことに鮮やかな印象である。

「雑」
〇啄木忌とんと見かけぬ靴磨き
 戦後のひと頃、ガード下など街頭で多く見かけた靴磨きは、近頃とんと見かけなくなった。啄木の生きた明治の頃は、結核などにより多くの前途有為の若者が夭折したが、戦後の復興途次の社会でも貧困や病気で生きることがたいへんな時代であった。今、靴磨きの少年などが少なくなったということが、社会がほんとに豊かになったといえるのかどうか。
〇風は海より桜舞う段葛
 花人となって若宮大路を歩いていると、実朝の海から吹く風に飛花落花が舞うのである。句の構成が上等であると思うが、「桜舞う」の「桜」はいかがなものだろうか。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/4/21 10:10削除
641回 選句
○雲雀野に寝転んでいる独りかな

中七での切れの間合いに様々な想いが交差します。
寝転がる顔、そしてぽつりと独りという感慨。

○春眠の己が笑顔に目覚めけり

自身の笑顔で目覚める幸せな瞬間。小さな幸せを感受。

◎風は海より桜舞う壇葛

鎌倉の八幡宮の写生句でしょうか。淡々と描かれている中に作者の表情が浮かびます。肩の力の抜き加減がいいですね。
まりさん (8md9x4e2)2024/4/20 08:55削除
641回選句

◎無窮へと運ぶ伝言揚雲雀
地球ピンチと鳴く鳥の句があった気がしますが、雲雀も「地球ピンチピンチ」と、どこまでも続く空のかなたへ伝えていると思ってしまいました。実際には恋の伝言でしょうか。

〇俯瞰する地球の歪み揚雲雀
俯瞰するのは雲雀でしょうが、歪みを作り出す人間を憂いている他者かもしれません。
今年も猛暑となりそうです。

〇揚雲雀ポテトサラダと缶酎ハイ
ゆるゆるとこうありたい。ポテトサラダが愉快。このようにシンプルにモノを並べた句にはほっとします。
ついつい詰め込んでしまうこの頃の自分に反省。

〇肩の力抜け抜け抜けと山笑う
ほんとうだなあ~。肩も俳句も凝って凝ってどうにもならなくなっている私に言われているみたい。
何事があろうとその場を動かずに生きる自然は偉大。
こがめさん (8atk17xs)2024/4/19 13:00削除
第641回麦っこ選句
◎春の夜の鳴子こけしの泣き笑い
「泣き笑い」の表現が参考になります。首を回すとこきこきとなることはあるけど。 鳴子こけしをもう一度見直してみます。

○揚雲雀ポテトサラダと缶酎ハイ
○笑うしかなし日延べ日延べの花見酒
景が違っても 二句ともお酒が好きな方だろうな。とても幸せな景です。

○跳んで跳んで春光の仔牛
春になり、牧場に放されて仔牛がのびのびと駆け回っている景が見えるようです。

○横文字の幟チラホラ花の杜
どんな文字だろうな。でも多国籍の方がたくさん見えている「花の杜」だろうなと景が膨らみます。
不来方さん (8b8tdv36)2024/4/15 11:28削除
第641回選句

◯ 無窮へと運ぶ伝言揚雲雀
 正しく「告天子」の句。「無窮」の措辞が中々。何を伝言しているのだろう。

◎ 俯瞰する地球の歪み揚雲雀
 揚雲雀の目線で見た地球は、地上にいる人間と同じ思い。

◯ 揚雲雀ポテトサラダと缶酎ハイ
 このノンビリ感がいい。

◯ 春の夜の鳴子こけしの泣き笑い 
◯ 介護士のマニキュアピンク飛花落花
 二句ともに取合せの距離感がピッタリ。

もっとゆっくり書きたかったのですが、今週前半は時間がないので失礼します。
返信11
のんさん (8b8xe2bx)2024/4/14 11:03 (No.102439)削除
第642回 お題

 季語      木蓮
 文字      押
 当季雑詠

   よろしくお願いいたします。
返信
天馬さん (93utndgl)2024/4/21 12:53削除
642投句

身綺麗に独りを生きて紫木蓮
獣骨の押し出されたる雪解川
黄砂降る戦時の薄き母子手帳
ちこりんさん (8mmormpc)2024/4/21 09:42削除
642回 投句
木蓮のひとひらの舟虚舟

笑わない長押の父よ糸桜

唇に光るプラチナ花は葉に
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/4/21 08:50削除
642回 投句

紫木蓮雲の切れ間の空の青
背を押され同居の決意花は葉に
初音聴く茶柱の浮く朝餉かな
まりさん (8md9x4e2)2024/4/20 21:32削除
642回投句

里山に尽きる畦道紫木蓮
たんぽぽたんぽぽ記憶の扉押す
うららかや駅舎を潜る鳥の影
太郎さん (8aq3zcoi)2024/4/20 21:02削除
麦っこ642投句
はくれんや宙にひらめく女の掌(て)
たおやかな武将の花押山桜
気にかかる一言春の大曲線
のんさん (8b8xe2bx)2024/4/20 20:38削除
第642回 投句

白木蓮またも新たな震災地
押し花の菫かの日を呼び起こす
花屑を踏んで登校にぎにぎし
まきえっとさん (8rypn25h)2024/4/20 09:10削除
第642回投句

木蓮の空の重さを受け止める
背を押す柔き思惟の手花は葉に
晩春の音叉ゆっくり夜を開く
未完さん (91c0tm1u)2024/4/19 23:02削除
紫木蓮オキシトシンが溢れ出す
口説くには押しが第一猫の恋
老化ほど怖いものなし万愚節
不来方さん (8b8tdv36)2024/4/19 22:26削除
第642回投句

闇を得ていよよ艶めく紫木木蓮

十人の押し競饅頭夕永し

万年の戦の声か亀鳴けり
ふたばさん (8augfkle)2024/4/19 22:20削除
第642回投句
 長屋門くぐりて高き紫木蓮
 春キャベツ手押し車に鎮座して
 よろず屋の建付け悪し種袋
こがめさん (8atk17xs)2024/4/19 16:53削除
第642回麦っこ投句
白木蓮首に提げてる職員札

春の蚊を両手で押え驚かす
 
山笑うタクシーを待つ無人駅
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/17 11:43削除
641回投句
 禅堂の庭垂直に白木蓮
 風を呼び雲を押しのけ夏隣る
 山門へ一直線の桜道
返信12
まりさん (8md9x4e2)2024/4/7 22:25 (No.101652)削除
640回投句一覧&選句

「花冷」
花冷えや待合室の古雑誌
表裏なき一枚の紙花の冷え
薄らと浮かぶ古傷花の冷え
自販機にホットを探す花の冷え
花冷えの朝の軍港無彩色
行き先の弘前花冷えの鉄路
閂の錆花冷えの観音堂
花の冷えファクスで届く訃報かな
同心円ひろげる水輪花の冷え 
方向音痴地図を広げる花の冷え
花冷えや客のまばらな陶器店

「鳥」
八重桜鳥居の先に西郷像
介護バス徐行川面を初乙鳥
鳥交るツリーハウスに香るモカ
花散らす鳥の名前に惑いけり
木目浮く東屋の椅子鳥交む
耕して鳥の集まる春田かな
鳥交る礁のごとき巨樹の肌
鳥図鑑閉じ囀りへ耳傾ぐ
殿はいつも父なり鳥雲に
曇天や燕の通う蔵の軒
巨木へと溺れゆく鳥花の雲

「雑詠」
桜桜桜多国語に漬かる
春休み姉妹同じの白帽子
束の間の母子の帰省桜冷え
さくらさくら残り時間が軽くなる
つかず離れずとは二羽の残る鴨
三鬼の忌ほらを吹くならさり気なく
聴診器動く胸元木の芽時
一鈴の後のさざめき花の冷え
蜃気楼カーブミラーの映す明日 
廃屋に傾ぐ古巣や路地の風
畑から宅地となりて薺咲く
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/4/20 08:53削除
第640回選句

〇花冷えの朝の軍港無彩色
「花冷え」「無彩色」の無機質な感じが軍港と合っています。

〇木目浮く東屋の椅子鳥交む
取り合せがいいです。

◎さくらさくら残り時間が軽くなる
残り時間を「軽くなる」で表現していると、素直に「残り時間」を受け入れられます。
言葉の使い方って大事ですね。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/4/19 11:56削除
640回投句一覧&選句

〇花冷えの朝の軍港無彩色
〇同心円ひろげる水輪花の冷え 
〇花冷えや客のまばらな陶器店
〇巨木へと溺れゆく鳥花の雲
◎桜桜桜多国語に漬かる
外国から沢山の旅行客が来るようになり桜満開の時期、桜桜桜の擬音語が効いている
天馬さん (93l8o15t)2024/4/16 14:55削除
640選句

○花冷えの朝の軍港無彩色
○鳥交る礁のごとき巨樹の肌
◎巨木へと溺れゆく鳥花の雲
○さくらさくら残り時間が軽くなる
○蜃気楼カーブミラーの映す明日 

アップデートに二日もかかり選句が遅れました。コメントなしですみません。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/4/16 09:14削除
640回 選句
○花冷えの朝の軍港無彩色

かつて、戦場へ赴く兵士の歌を読んだ。色なき軍港の情景は、冷え冷えと哀しい。

◎鳥交る礁のごとき巨樹の肌

実景を描写する難しさを常に感じています。木々の肌には惹かれますが、礁という描写は、言い得て妙。季語との取り合わせも、動くものと不動なるものの対比が効いています。

○さくらさくら残りの時間軽くなる

さらりと重たい事を言うのも、俳句の力。心情に共感しました。

○三鬼の忌ほらを吹くならさり気なく

肩の力の抜け感がいいですね。破天荒な三鬼を彷彿とさせます。

○蜃気楼カーブミラーの映す明日

中七下五との取り合わせは、色々あるような気がします。掲句の場合は、作者の今を映し出しているのでしょう。
のんさん (8b8xe2bx)2024/4/14 18:23削除
第640回 選句

〇薄らと浮かぶ古傷花の冷え
 傷痕がなかなか消えない齢であり、春先は振り返る事も多い季節でもあります。季語が良いなと思います。
〇耕して鳥の集まる春田かな
 耕された後は地中に眠っていた虫が表に出てくることを鳥は素早くキャッチ、田畑が眠りから覚めたようです。
〇鳥交る礁のごとき巨樹の肌
 樹齢何百年などという巨木なのでしょう。どのような樹なのか想像が膨らみます。
〇巨木へと溺れゆく鳥花の雲
 この季節なら常緑樹であり「溺れゆく」に樹の大きさが感じられます。
◎蜃気楼カーブミラーの映す明日
 「蜃気楼」と「カーブミラー」幻想的な取合せですが、春らしい明るい未来を予感さる句です。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/14 17:53削除
◎蜃気楼カーブミラーの映す明日
 蜃気楼は常識を超えた不思議な世界を映し出す。カーブミラーに映し出される明日の様子は、ロマンチックなものであって欲しい。
〇鳥交るツリーハウスに香るモカ
 メルヘンチックな情景。翼のない人間は、鳥を見て癒されることが多い。
〇さくらさくら残り時間が軽くなる
 年々歳々変わることなく咲く桜を眺めていると、欲心、執着心といったものが薄れていくように思える。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/4/14 10:47削除
麦っこ640選句
〇花冷えや客のまばらな陶器店
〇木目浮く東屋の椅子鳥交む
◎蜃気楼カーブミラーの映す明日
 私にとって、カーブミラーに映るのは過去ばかり。作者には、蜃気楼にも未来が見えるのだろう。
ふたばさん (8augfkle)2024/4/14 00:22削除
第640回選句

○花冷えや待合室の古雑誌
 この待合室はローカル線の田舎の駅のような気がします。古雑誌が、利用客の少ない
 さびれた感じと「花冷え」の季語がよく合っていると思いました。

○鳥交る礁のごとき巨樹の肌
 「礁のごとき」に実感がよく出ていると思いました。巨樹をよく観察していて情景が浮
 かんできます。

◎さくらさくら残り時間が軽くなる
 余生を「軽くなる」と捉えた感性に魅かれました。「さくらさくら」が効いています。

◯蜃気楼カーブミラーの映す明日 
 蜃気楼に不思議な魅力を感じました。明日はどんな日々でしょうか。
こがめさん (8atk17xs)2024/4/11 19:43削除
第640回麦っこ選句
○耕して鳥の集まる春田かな
田んぼの景を思い出しました。どうして鳥が集まるのかな?きっと掘り返した土の中に虫がいたのかな。こんな景がいつまでも続くことを願っています。鎌ケ谷は梨の花が満開です。

◎桜桜桜多国語に漬かる
「桜桜桜」の表現から満開の桜の木が何本もあるところの景が浮かんできます。他国人がたくさん見ていておしゃべりが聞こえてきそうです。

○つかず離れずとは二羽の残る鴨
番の鴨かな。いつまでも仲良く生活してねとの願いがこもっているように感じます。

○聴診器動く胸元木の芽時
「木の芽時」の季語の取り合わせが参考になります。
まりさん (8md9x4e2)2024/4/9 10:02削除
640回選句

○鳥交むツリーハウスに香るモカ
あの手作りのツリーハウスでモカなんて、なんて素敵。どれだけの種類の鳥がくるのでしょう。

○巨木へと溺れゆく鳥花の雲
彼らは決して溺れてはおりませんが、そう見えたおもしろさ。この場合の巨木と花の雲、自然な景ではありますが、どちらも木なので私なら迷うと思います。

◎さくらさくら残り時間が軽くなる
当たり前のようですが、「軽くなる」がいいと思いました。確かにそうだと思い、重くなりそうな気分まで軽くなる気がしました。行けるところまでは軽くいきましょう~

〇一鈴の後のさざめき花の冷え
「一鈴」をどうとるか迷いました。始業前のチャイムを予鈴と言いますから、学校や会社の始業ベルかなと解釈しました。チャイムの前とはまた違った活動の「さざめき」が伝わってきます。

○蜃気楼カーブミラーの映す明日 
蜃気楼の発生メカニズムを考えると、合うかどうかの迷いがありますが、心象的に使ったのでしょう。カーブミラーが明日を映すという視点に惹かれました。
まりさん (8md9x4e2)2024/4/9 10:00削除
訂正
「鳥」の三句目 鳥交る ⇒ 鳥交む 
すでに出ている選句が消えるのが怖いので削除への挑戦ができません。
この掲示板は、一部訂正の場合も、投稿の一旦削除⇒訂正したものを再投稿 となります。
なお、
パスワードが感知されなくて投稿を削除できない場合、お知らせいただければ管理人が削除することができます。
放っておいてもじきに隠れてしまいますのでそのままでも結構ですが、
気になる方は「まり」までお知らせください。 
パスワードが感知されなくても、時間をおいて再度挑戦すれば感知してくれる場合もあります。
PCは便利ですが、仕組みは全くわからないので常に試行錯誤。
不来方さん (8b8tdv36)2024/4/8 20:27削除
第640回選句

◯ 薄らと浮かぶ古傷花の冷え
 指先などの古傷とも読めるが、心の傷と読みたい。花冷との取合わせに人生のドラマが見え隠れしている。

◯ 同心円ひろげる水輪花の冷え 
 静謐感と微妙な水輪の動きが魅力。「ひろげる」は「ひろごる」の方が好き。

◎さくらさくら残り時間が軽くなる
 「残り時間」は色んな読み方が出来るが、余生のことだろう。「軽くなる」が秀逸。満開でも散りはじめでも心底観桜の時間に浸れる。さくらのひとひらひとひらが作者の人生と重なって見えてくる。

◯聴診器動く胸元木の芽時
 不安感と明るさの対比の妙。

◯蜃気楼カーブミラーの映す明日 
 曖昧模糊とした「蜃気楼」の中を人生という車に乗って走っている感覚。只今現在は視界不良。曲がり角のカーブミラーに映ったのが「明日」とは。
救われたような気分。
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