ま
まりさん (8md9x4e2)2024/5/5 18:58 (No.104493)削除644回投句一覧&選句
浅蜊
朝刊を綺麗に畳み浅利汁
訳もなく浅蜊の口の開きだす
丑三つの厨浅蜊が本音吐く
国産浅利今や高嶺の花
浅蜊炊く醤油の匂い飯屋の灯
絵柄みな異なる殻の浅利描く
笑う中の黙り(だんまり)ひとつ浅蜊汁
浅蜊汁太平洋の砂を噛む
絵手紙のモデルとなりし浅蜊殻
賑やかな女系三代浅蜊掘る
今日もまたいい酒でした浅蜊汁
寡黙では居れぬ浅蜊や砂を吐く
束
義姉からの届く大束山根草
かわたれの砂場に残る紫雲英束
藁束の藁抜く遊び春の牛
バイバイはまたの約束春夕焼け
鈴蘭の束北国の匂いして
束髪の自動車整備士夏近し
井戸端の亀の子束子麦の秋
毎日を束ねおく紐若葉風
春愁を束ね女の独り旅
早苗束畔に整い風優し
夕映の風を束ねる麦の波
メーデーや結束誓う幟立つ
雑詠
学習院初等科遺構花は葉に
葉桜の空騒ぎ出すオスプレイ
手水舎にいつもの雀花は葉に
身を賭して測る水深桜の実
緑の日たこ焼きくるり丸く焼き
無人駅の小さき座布団燕来る
上潮のさざ波漁港目借時
庭うらら今日も来たりし鳩の群
老犬に流れる時間春の昼
白線を踏み出す一歩万緑へ
暖簾縫うミシンのリズム夏隣
花は葉に紙幣の顔に物語