麦船橋句会

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ふたばさん (8augfkle)2023/1/22 21:11 (No.46565)削除
第578回 お題

季語 : 鬼やらい
文字 : 放
雑詠
返信
のんさん (8b8xe2bx)2023/1/29 20:47削除
第578回 投句

暮れるのを待ちかねている鬼やらい
真冬日の深夜放送古きジャズ
春隣逢う約束がまた一つ
天馬さん (8bszqp0p)2023/1/29 17:46削除
578投句

福は内みずき団子を揺らしけり
白息や放牧牛の搾乳舎
マーブルの散るごと氷上釣りテント
ふたばさん (8augfkle)2023/1/29 05:02削除
578回投句

一粒を十年(ととせ)と数え鬼やらい
丼に光放つや寒卵
寒明けや思いたっての墓参かな
ちこりんさん (8aqg39gk)2023/1/28 19:41削除
素通りの豆撒きセット追儺の夜

星空へ放る雪玉彼の地へと

梅探る抜け道裏道迷い道
不来方さん (8b8tdv36)2023/1/28 16:45削除
第578回投句

鬼役の父は帰れず鬼やらい

春待つや園芸部兼放送部

凍つる夜や東京で聴くバンドゥーラ
まりさん (8aq66elk)2023/1/28 13:24削除
578回投句

産土のぬばたまの闇鬼やらい
放課後の廊下の長さ寒落暉
川と海押し合うところ野水仙
こがめさん (8atk17xs)2023/1/27 13:29削除
第578回麦っこ投句

二人して隣家気にして鬼やらい

奔放に雪上揮毫残る墨

賑やかに同郷集う納豆汁
太郎さん (8aq3zcoi)2023/1/25 20:13削除
麦っこ 578 投句
新築の隣家小声の鬼やらい
放牛は三ところに寄り四温晴
児等歌い冬の星座を瞬かす
ジュピターさん (8fn4dnzx)2023/1/23 17:32削除
578回投句
鬼役の帰宅待つ子等追儺の夜
放縦に伸びたる枝の早き梅
果樹園のネットの青さ日脚伸ぶ
返信9
天馬さん (8bszqp0p)2023/1/15 15:21 (No.45930)削除
577お題

季語 : 冬晴
文字 : 線
雑詠
返信
のんさん (8b8xe2bx)2023/1/22 20:53削除
第577回 投句

鵜とかもめ冬晴れの海棲み分けて

春隣水平線の甘き午後

春近し神も仏も祀る島
天馬さん (8bszqp0p)2023/1/22 17:11削除
577投句

冬晴や上棟式の五色旗
山間の線路ひと跳び冬の鹿
牛飼いを消防団を継ぎ出初
ちこりんさん (8aqg39gk)2023/1/22 16:32削除
577回 投句

まりさん、太郎さん、前回の拙句への丁寧なコメント有難うございます。
本当に有難く思います。

寒晴や何も語らぬ魚の口

電線の揺るがぬ撓み雪催

陽だまりや寒禽の乗る牛の背
ふたばさん (8augfkle)2023/1/21 23:27削除
第577回麦っこ投句

露店にて黄瀬戸の小皿冬うらら
線描のタンポポの絵をポストまで
大寒のがらんどうなる登り窯
不来方さん (8b8tdv36)2023/1/21 13:04削除
第577回投句

寒晴や飛行機雲のよく動く

人を恋う流線型の海豚ショー

冬銀河語れば忽ち消ゆる愛
太郎さん (8aq3zcoi)2023/1/20 17:00削除
麦っこ 577 投句
冬晴の全天下辺に遠筑波
内房線菜花咲く駅寒落暉
海が来て停まる寒九の無人駅
こがめさん (8atk17xs)2023/1/19 17:16削除
第577回麦っこ投句

冬晴や自転車の影一列に

予報士の折れ線グラフ今日は雪

影躍る長縄跳びの五年生
まりさん (8aq66elk)2023/1/19 16:58削除
577回投句

冬晴や陸に恋した鯨の死
工事場の声の直線風凍つる
出番無き二円の兎春隣
ジュピターさん (8fn4dnzx)2023/1/18 16:54削除
577回投句
大富士や甲斐も駿河も寒日和
よく停まる単線電車冬ざるる
冬日向ベンガラ色の烏瓜
返信9
まりさん (8aq66elk)2023/1/8 20:40 (No.45361)削除
575回投句一覧&選句

「賀状」
友に良く似た子が写る年賀状
老犬にトリマーよりの賀状かな
躍る文字憂う文字ある賀状かな
教え子の賀状や孫の嫁ぎしと
年賀状仕舞いあの人この人も
ゴム印の兎跳ねいる年賀状
伸びやかな「卯」の字百態賀状積む
添え書きのあるは妻への年賀状

「初」
初声や豆店前で鳩くくと
音生まれ街動き出す初景色
初空や私の中心に私
初富士や伏流水の滾々と
見廻りの家庭菜園初御空
飛行機は音消す高さ初筑波
時差のあるFaceTimeや笑初め
川端の卍を統べる初鴉

「雑詠」
猿曳きに沸く声天神へと参る
早梅や電話に孫のサキソフォン
花立ての分厚い氷墓所眠る
待春の疎林を飾る一つ星
屋根神へ天使の梯子淑気満つ
福詣スカイツリーの見える寺社
アナログのままでいいのだ冬帽子
曳猿や媚びる瞳に野生秘め
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/1/22 17:22削除
575選句

◎飛行機は音消す高さ初筑波
○花立ての分厚い氷墓所眠る
○待春の疎林を飾る一つ星
○屋根神へ天使の梯子淑気満つ
○曳猿や媚びる瞳に野生秘め

コメントなしですみません。
2週間前に、人生3度目の帯状疱疹!痛かった。
俳句は作らないと作れなくなると、まりさんから言われてますが、ほんとその通りです。
これから頑張ります!
のんさん (8b8xe2bx)2023/1/14 21:42削除
第575回 選句

○伸びやかな「卯」の字百態賀状積む
 「賀状積む」季語に具体性を持たせ、より印象深くしています。説明には終わらぬ、易しいようで巧みな季語の使い方です。

○音生まれ街動き出す初景色
 元朝の静けさが好きです。音から街が動き出すという捉え方に共感しました。

◎待春の疎林を飾る一つ星
 この星は一番星でしょうか?まだ少し茜色が残る空に疎林のシルエット、春を待つに相応しい景です。

○アナログのままでいいのだ冬帽子
 最近姉が携帯電話を替えましたが、訳の分からぬ着信数多。電話に振り回される時代が来るとは、思いもしませんでした。
ちこりんさん (8aqg39gk)2023/1/14 16:57削除
575回 選句

○老犬にトリマーよりの賀状かな

思わぬ方より思わぬ賀状。
お正月の楽しいあるある。
我が家のインコ宛の賀状がかつてきた事を思い出しました。微笑ましい。

○音生まれ街動き出す初景色
眠っていた街が動き出す。
音に焦点を当てた所が気に入りました。

◎花立ての分厚い氷墓所眠る
暗鬱とした雲と肌を刺すような寒さ。故郷を思い出します。写生の生きた一句。

☆太郎さん、ご指摘ありがとうございます。曳猿は星野立子の句から引用しました。
下五の緩さ、正に。見破られましたね。実景句ですが、言い過ぎ感は否めません。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2023/1/14 15:22削除
574回選句
◎待春の疎林を飾る一つ星
 疎らな木々の間に光る一つ星。静かな空間の中にこそ、待春の情が深まってくるように思える。
〇躍る文字憂う文字ある賀状かな
 賀状をくれた人の近況を知っているから、その文字が踊ったり、憂えたりして見えるのだろう。
〇花立ての分厚い氷墓所眠る
 小さなものの中に、改めてここ数日の厳しい冷え込みを感得。感動は細部に宿る?
太郎さん (8aq3zcoi)2023/1/14 14:38削除
麦っこ 575 選句
 
〇伸びやかな「卯」の字百態賀状積む
わたしのところには一頃の十分の一ほどしか来なくなった賀状だが、この句の作者の許にはまだたくさん来るのであろう。その多くに、今年の干支の「卯」の字が、多彩なレタリングで書かれている。「『卯』の字百態」といい、「賀状積む」といい、賀状の量と知人・友人の様々を巧く言い当てている。いろいろな書体や表情の文字をひとまとめに「伸びやかな」とは、少し手抜きの感があるが…。

〇花立ての分厚い氷墓所眠る
 半分枯れた供花を挿したまま花立ての水が厚く凍っている。辺りを見渡すと墓地には人影もなく、どの墓も冴えわたる空気の中で、音も無くひっそりと静まりかえっている。「墓所眠る」は、景を大きくとらえているが、その分描写がやや粗くなっているようだ。

◎屋根神へ天使の梯子淑気満つ
「屋根神」は、二階の庇の下あたりに設えた祠のようなもので、火防、厄病除などを祈念する神様である。「天使の梯子」は 雲の切れ間や端のほうから陽光が洩れ、光線の束が放射状に地上へ降り注ぐ。「屋根神へ天使の梯子」は、スピリチュアルな空気を漂わせ、まさに「淑気満つ」のである。

〇曳猿や媚びる瞳に野生秘め
 寡聞にして「曳猿」という語に心当たりはないが、「猿曳」「猿廻し」に活躍する猿をいうのであろう。親方の打つ太鼓に合わせて舞う猿が、時折観客や親方に見せる表情を「媚び」と言っている。それは食物や褒美をねだる甘えの仕種かもしれないが、猿の本性からくるものと思い、「野生を秘め」というのだが、「秘め」は少し説明的な気がする。
まりさん (8aq66elk)2023/1/13 11:34削除
575回選句

〇躍る文字憂う文字ある賀状かな
賀状には「禍」や「戦争」などの文字は使わないのが常識というのは分かっていましたが、使わざるをえない気持ちになった今年の年賀状でした。戦争とコロナがこんなに長い間続くとは。踊る文字に救われます。

〇ゴム印の兎跳ねいる年賀状
「ゴム印の兎」にはやや違和感がありました。「印」の範囲とは?文字ではない兎などの絵はゴム印ではなくゴム版ではないかと思ったのですが。ともかく陽気に跳ねている兎が新年を明るくしてくれます。

〇音生まれ街動き出す初景色
普段の生活では、起床と同時に自分が動き出すのでこういう感覚になりにくいのですが、元旦ですからネ。
怪我をして車椅子になり一か月間入院した時の、病室からの景色はまさに「音生まれ街動き出す」でした。

◎川端の卍を統べる初鴉
「卍を統べる」 叱られるのを覚悟で言うと、寺院の記号を使って字数を合わせた?と思うのですが、そのインパクトがすごい。「統べる」が重厚なので「卍」のチョイスが浮きません。「鴉」もばっちりだと思います。「川端」という場所は動くと思いますが、場所をうまく使うのは難しい。

〇花立ての分厚い氷墓所眠る
のんさんの本領発揮の句。吟行ではこういう仕立て方をしたいといつも思うのですが、私にはなかなかできません。存在感のある「核」を探す集中力がない。方向音痴のバラバラ感が感性にも影響していると勝手に思っています。

〇屋根神へ天使の梯子淑気満つ
小さな屋敷神のような所への光を「天使の梯子」とするのはどうかなとも思ったのですが、何気ない時・所で「木洩れ日」では納めきれない神々しい光に出会うことがあります。「淑気満つ」だから収まったと思います。
こがめさん (8atk17xs)2023/1/11 21:24削除
第575回麦っこ選句

◎伸びやかな「卯」の字百態賀状積む
「卯」の字百態からいろいろな書体が浮かんできます。
それが「伸びやかな」からさらにイメージが広がります。そんな字を見るだけで嬉しくなります。

○見廻りの家庭菜園初御空
どんな野菜を植えているのだろうか。きっと世話をきちんとやり、おしいし野菜ができているのだろうな。「初御空」から菜園の景が浮かんできます。

○花立ての分厚い氷墓所眠る
「分厚いい氷」から寒さを感じます。でもきっと丁寧に掃除がされているのだろうな。

○曳猿や媚びる瞳に野生秘め
猿の演技には感心します。信頼関係があるからだろうなと思いますが。でも本来の性格が顔にでるのだろう。
不来方さん (8b8tdv36)2023/1/10 15:51削除
第575回選句

◯教え子の賀状や孫の嫁ぎしと
 先生になりたての頃に教えた生徒との濃密な人間関係がよく伝わってくる。

◯ ゴム印の兎跳ねいる年賀状
 跳ねるはずのないゴム印の兎が跳ねるとは、兎年の年賀状なればこそ。景気の良い年でありますように、との願い事まで込められているようだ。

◯ 川端の卍を統べる初鴉
 初鴉の存在感が「卍を統べる」で際立っている。

◎花立ての分厚い氷墓所眠る
 極寒のも地の真冬の墓参りの景が見事に浮かび上がってくる。焦点のも合わせ方が巧い。
返信8
まりさん (8aq66elk)2023/1/16 09:14 (No.45997)削除
576回投句一覧&選句

「寒」
寒鴉基地を隔てる鉄条網
大寒や海より昇る神の息
揺るぎなき黒富士の裾寒落暉
大寒の町川緋鯉の影動く
一筋の日矢奪い合う寒椿
擦りへりし三猿の碑や寒旱
水鳥の長き潜きや寒の入り

「朝」
元朝や折り目正しき国旗立つ
朝練の掛け声寒九の武道場
朝刊の人生案内花八つ手
耕さぬ畑に寒九の朝の雨
1・17朝刊の届く音
朝採りの冬菜を添えて出汁茶漬け
朝靄に消える舟人どんど果て

「雑詠」
ビニールをペヤで被せる冬野菜
老二人身を弓形に大根掘る
一畝の冬菜鮮し海女の家
冬耕の影渾身の鍬一打
朝市の青菜大束冬帽子
田の神へ揺れる花餅小正月
冬耕や天の次第に逆らわず

年末年始に仕事が詰まっておられた方、頑張りすぎて体調を崩された方…。
いろいろありますが、月末には復帰されることでしょう。
体調を崩すと、病院ではキッパリと「老人」扱いですし、身体も「老人」であることを訴えてきます。
時々は何かを減らして、「心身に休養」をプレゼントは当然のコト。
今年も、マイペースでまいりましょう。
返信
ジュピターさん (8fn4dnzx)2023/1/22 11:57削除
576回選句
◎田の神へ揺れる花餅小正月
 慌ただしい年末年始を過ぎ、ちょっと落ち着きを取り戻した小正月の頃の
 華やいだ雰囲気が伝わってきます。
〇1・17朝刊の届く音
 中七下五のごくありふれた日常の措辞によって、1・17という大惨事の
 記憶がまざまざと呼び覚まされます。
〇一筋の日矢奪い合う寒椿
 厳しい寒さの中で咲き競う椿は、わずかな陽光を奪い合っているのだろう。
のんさん (8b8xe2bx)2023/1/21 19:36削除
第576回 選句
〇大寒や海より昇る神の息
 「神の息」とは朝靄かなと思いました。スケールの大きな捉え方に感心しました。

〇朝練の掛け声寒九の武道場
 近くに警察の剣道場があります。二階なので中は見えないのですが、開け放たれた窓から気合のこもった声が聞こえます。「寒九の武道場」のフレーズが良いです。

◎1・17朝刊の届く音
 当時一緒に仕事をしていた方の妹さんが関西方面にいて、連絡が取れず心配していました。早朝の地震、多くを語らず当時の事を呼び覚まされました。

〇老二人身を弓形に大根掘る
 農業の高齢化でしょうか、「弓型に」に臨場感があります。
太郎さん (8aq3zcoi)2023/1/21 11:11削除
麦っこ 576 選句
「寒」
〇寒鴉基地を隔てる鉄条網
 鴉は、近頃、頓に人の暮らしと接近して棲息するようになった。高みに群れて鳴き交わす声は、人をばかにして嗤っているようにも聞こえる。
 基地は、周辺の住民が危険に近寄らないように囲っているのかと思うが、何か外敵の侵入を防ぐための備えととれぬこともない。賢いカラス様は、何とみているのだろうか。

「朝」
◎1・17朝刊の届く音
 「1・17」は深刻なテーマを蔵して、一句の錘となっている。三橋敏雄の句柄と通じるような重みを感じる句である。
 この句は、しいて言えば無季句である。戦争とか災害など、人間生活の中で異常に重大な出来事は、季語と同じく、時にはそれ以上の比重をもって一句の錘、錨となるのである。
 さりげない「朝刊の届く音」のフレーズが、「1・17」という錘としっかり均衡を保っていることを見逃せない

〇朝靄に消える舟人どんど果て
 「朝靄に消える舟人」は、動詞を「消ゆる」と置き換えれば、かつての文部省唱歌に出てくるような、古風な、しかし現代にも通じる魅力的な景である。そして「どんど果て」と続けることによって極めて日本的な風物詩が完成した。
 「果て」まで言うことによって、物語的な世界が現出するのであるが、これを省略して「どんどの火」というのもよいと思う。その不完全さがかえって俳句的だといったら叱られるだろうか。
 「消ゆる」「果つ」などという語も選択肢に入れて推敲するのもあるかと思う。
まりさん (8aq66elk)2023/1/19 16:57削除
576回選句

今回は、図らずもちこりんさんの3句をいただきました。

〇大寒や海より昇る神の息
最も寒い時期の海という大景に惹かれました。初めて海を見たのは小6の松島。次は中3の津軽海峡、そして高3の瀬戸内海。海に疎い私にとって「神の息」はいかようにもとれますが、極寒の神々しい朝日ととりました。

◎朝靄に消える舟人どんど果て
この地域のどんどは早朝からやるのでしょうか。どんど・靄・舟人のチョイスが詩情を掻き立てます。特に「舟人」がいいですね。川の傍で育ちましたので、冬靄の濃さには共感できます。

〇田の神へ揺れる花餅小正月
新年の農事というお題に、「田の神」を引き出したのが素晴らしい。小正月には、ミズキの大枝を切ってきて居間の柱に括りつけました。ミズキは水平に枝を広げる木。賽の目に切った餅を花のように冬芽に差して、最中の皮のようなもので作った七福神やらお菓子やらを下げて。貧しくもいい時代でしたネ。
こがめさん (8atk17xs)2023/1/17 22:50削除
第576回麦っこ選句○大寒の町川緋鯉の影動く
川の水がきれいな町。そして緋鯉が見えるなんていいな。

○1・17朝刊の届く音
何気ない日常の朝の景です。1・17(1月17日)は 阪神・淡路大震災の日、今日はテレビ番組で取り扱っていました。

◎老二人身を弓形に大根掘る
「身を弓形に」の表現が大根掘りをしている景が浮かんできます。きっと太くて美味しい大根が。「老二人」から農業の実態が伺えます。ご苦労様です。
ちこりんさん (8aqg39gk)2023/1/17 10:29削除
576回 選句

○一筋の日矢奪い合う寒椿

雲間からの微かな日差しを奪い合う椿の景。色彩鮮やかな一句。奪い合うは作者ならではの感性ですね。
私は分け合うかなぁ。

◎1・17朝刊の届く音

1・17でどれだけの人が阪神淡路大地震を想起するでしょう。時を重ね忘れた人々も多いでしょうね。
掲句から日常の当たり前の有り難さが朝刊の届く音で伝わってきます。
何年か前神戸を訪れた時、タクシー運転手が静かに復興の速さを語っていました。
東北の復興は12年を経ても遅々としています。いつかは、忘れ去られてしまうのでしょう。

○耕さぬ畑に寒九の朝の雨

放置され荒れるがままの畑。恵であるはずの寒九の雨が切ない。

○老二人身を弓形に大根掘る
ありふれた景ですが、中七に作者らしい視線が感じられます。ある意味農との闘いの姿なのかもしれません。
不来方さん (8b8tdv36)2023/1/16 15:32削除
第576回選句

◯ 寒鴉基地を隔てる鉄条網
 寒鴉の位置は色々読めるが、人間の位置は鉄条網で仕切られた基地の外側。悠然とした鴉が基地と人間を見下ろしている景が立ち上がって来た。

◎1・17朝刊の届く音
 阪神淡路大震災の発生した時刻、朝刊をポストに入れた被災地の配達員の方もおられたであろう。省略のお手本のような句。

◯朝靄に消える舟人どんど果て
 言葉の配合が巧い。小正月明け、海辺の町の時間の流れを詩情豊かに詠って味わい深い。

◯ 老二人身を弓形に大根掘る
 「身を弓形に」の描写に感服。
返信7
太郎さん (8aq3zcoi)2023/1/7 10:21 (No.44942)削除
麦っこ 576 出題

◇季 語   寒
◇文 字   朝
◇テーマ   農事

   出題者:太郎


返信
のんさん (8b8xe2bx)2023/1/15 18:38削除
第576回麦っこ 投句

寒鴉基地を隔てる鉄条網

朝刊の人生案内花八つ手

朝市の青菜大束冬帽子
ちこりんさん (8aqg39gk)2023/1/15 14:55削除
576回 投句

大寒や海より昇る神の息

朝靄に消える舟人どんど果て

田の神へ揺れる花餅小正月
まりさん (8aq66elk)2023/1/13 23:06削除
576回投句

揺るぎなき黒富士の裾寒落暉
1・17朝刊の届く音
冬耕や天の次第に逆らわず
太郎さん (8aq3zcoi)2023/1/13 19:41削除
麦っこ 576 投句
大寒の町川緋鯉の影動く
朝練の掛け声寒九の武道場
一畝の冬菜鮮し海女の家
不来方さん (8b8tdv36)2023/1/13 16:35削除
第576回投句

一筋の日矢奪い合う寒椿

朝採りの冬菜を添えて出汁茶漬け

冬耕の影渾身の鍬一打
こがめさん (8atk17xs)2023/1/11 14:25削除
第576回麦っこ投句

擦りへりし三猿の碑や寒旱

元朝や折り目正しき国旗立つ

ビニールをペヤで被せる冬野菜
ジュピターさん (8fn4dnzx)2023/1/9 17:04削除
576回投句
 水鳥の長き潜きや寒の入り
 耕さぬ畑に寒九の朝の雨
 老二人身を弓形に大根掘る
返信7
こがめさん (8atk17xs)2023/1/1 10:56 (No.42949)削除
第575回麦っこ題

季語 賀状

文字 初

雑詠

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/1/8 20:23削除
麦っこ 575 投句(訂正・再掲)
教え子の賀状や孫の嫁ぎしと
音生まれ街動き出す初景色
待春の疎林を飾る一つ星
のんさん (8b8xe2bx)2023/1/8 19:17削除
第575回 投句

友に良く似た子が写る年賀状

初富士や伏流水の滾々と

花立ての分厚い氷墓所眠る
天馬さん (8bszqp0p)2023/1/7 18:13削除
575投句

老犬にトリマーよりの賀状かな
初空や私の中心に私
アナログのままでいいのだ冬帽子
ちこりんさん (8aqg39gk)2023/1/7 16:21削除
575回 投句

躍る文字憂う文字ある賀状かな

川端の卍を統べる初鴉

曳猿や媚びる瞳に野生秘め
不来方さん (8b8tdv36)2023/1/6 21:08削除
第575回麦っこ投句

年賀状仕舞いあの人この人も

時差のあるFaceTimeや笑初め

屋根神へ天使の梯子淑気満つ
こがめさん (8atk17xs)2023/1/6 19:42削除
第575回麦っこ投句

ゴム印の兎跳ねいる年賀状

初声や豆店前で鳩くくと

福詣スカイツリーの見える寺社
まりさん (8aq66elk)2023/1/6 14:54削除
575回投句

伸びやかな「卯」の字百態賀状積む
飛行機は音消す高さ初筑波
猿曳きに沸く声天神へと参る
ジュピターさん (8fn4dnzx)2023/1/2 21:42削除
575回投句
添え書きのあるは妻への年賀状
見廻りの家庭菜園初御空
早梅や電話に孫のサキソフォン

本年も皆様の御健詠をお祈り申し上げます。
返信8
まりさん (8aq66elk)2023/1/1 18:36 (No.43047)削除
574回投句一覧&選句

「忘年」
神棚に塩ひとつまみ年忘れ
生真面目に国防語り年忘れ
一本締め一句で締める年忘れ
加湿器の湯気の混沌年忘
ケーキ食べ喜寿の祝いの年忘れ
年忘れ一つ覚えの戦歌
出口なき課題を残し年忘

「糸」
煤掃やズボンの裾の解れ糸
行く年や切れ端残る紅い糸
新調のコート仕付けの糸を切る
母在りて姉在りし日の毛糸玉
風花や白ひと色の刺し子糸
しつけ糸残せし母のちゃんちゃんこ
編糸に溶けゆく光冬の蜘蛛

「雑詠」
目配せで渡すアドリブ聖夜のジャズ
年の瀬やチラシ配りの虚ろな目
数え日の参道猫の貌険し
今もなお習字の稽古冬木の芽
中空に探る吉兆年新た
花一輪生けて完了年用意
今朝の雪この世顕わに潦


本年もよろしくお願いいたします。
諸事情により3人欠席です。
「復帰」をお待ちしております。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/1/8 10:56削除
麦っこ 574 選句
○一本締め一句で締める年忘れ
 長広舌の締めの言葉は、せっかく盛り上がった会の雰囲気を白けさせてしまう。勘所を押さえた短いスピーチに気の利いた一句を添えて締めくくるような人は、俳句においても練達の士であり人望も篤いのである。われわれの仲間はこうありたいと思うような句である。ただ、「一本締め」が少しあいまいのような気がする。
 
○加湿器の湯気の混沌年忘
上五・中七が含蓄のあるフレーズである。これに配して「年忘」が少し軽すぎるような感もなくはない。この句の場合、季語と季語以外の部分を天秤にかけたとき、釣り合うような季語を置きたい。思い付きで「去年今年」を置いてみたが、もっとよいものがありそうだ。

○母在りて姉在りし日の毛糸玉
 だれもが憧れるような甘美な回想句である。上五・中七は、「君たちがいて、僕がいた」と同じ用法だが、文語が格調を生んでいると同時に少し硬い表現になっているとも言える。

◎風花や白ひと色の刺し子糸
Simple is the best. 二物配合の見本のような句である。「風花」は、青空ながら雪のちらつくという複雑な季節感を表し、美しく情感豊かな言葉で ある。対して中七・下五は、深い色の藍木綿に太めの白木綿糸でくつきりと描きだした幾何学模様を端的に表現している。


ちこりんさん (8aqg39gk)2023/1/7 15:51削除
574回 選句

5日に選句を送ったのですが、迷子になっているようです。
今年も宜しくお願いします。

◎生真面目に国防語り年忘れ
我が家を覗き見されたのかと?この時代を詠み残す大切さを感じます。
それにしても、先が見えない。

○年忘れ一つ覚えの戦歌
麦と兵隊?それとも海ゆかば?何故か、歌える自分に愕然とします。

○風花や白ひと色の刺し子糸
取り合せに惹かれます。東北の冬、古着をより丈夫にし長く保つ工夫であったとか。一刺しひと刺しに温もりがこもります。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2023/1/7 11:13削除
574回選句
◎目配せで渡すアドリブ聖夜のジャズ
 ジャズの生バンドを見る機会もなくなりましたが、ジャムセッションでの奏者間の楽しいやり取りを思い出しました。
〇一本締め一句で締める年忘れ
 一本締めの前に長々と挨拶されるのには閉口。即興の一句で締める、何とも爽快ですね。
〇年忘れ一つ覚えの戦歌
 飲み仲間の前でマイク片手に、定番の選歌を。待ってましたと拍手喝采。これも懐かしい景色になりつつあるのが切ない。
まりさん (8aq66elk)2023/1/5 15:34削除
574回麦っこ選句


〇一本締め一句で締める年忘れ
「年忘れ句会」だったのでしょう。とある居酒屋、宴も闌の頃、箸袋に一句書いてアドリブ句会。とんでもない句に大笑いしたり。最後は一本締めで「来年も元気に会いましょう!」と、勝手読みをしてみました。

〇母在りて姉在りし日の毛糸玉
確かに類句は多いでしょうが惹かれる句です。私は、親・兄弟・子・孫の句は「素直」に作って残しています。

◎目配せで渡すアドリブ聖夜のジャズ
ジャズでは、次の方に目配せをして演奏の中心を渡します。渡された演者はここぞとばかりにアドリブのパフォーマンス。アドリブの世界は技術と感性の火花が飛び散る世界。私が俳句を始めた頃の俳句もこうでした。私は即吟が苦手で冷や汗をかくばかり、そこで鍛えられたとはいえません。

〇中空に探る吉兆年新た
「大空・青空」のようなすっきりした空にしない理由があるのでしょう。新年の世界も複雑で、吉兆を探る方もいろいろな事情を抱えています。どんな事情があろうと前に進むしかありません。今を楽しむ!
のんさん (8b8xe2bx)2023/1/5 12:34削除
第574回 選句

○加湿器の湯気の混沌年忘
 様々な事のあった一年「湯気の混沌」の捉え方に感心しました。

◎行く年や切れ端残る紅い糸
 長年連れ添ったご夫婦かなと思いました。長い小説の読後感のような句だなと思います。

○風花や白ひと色の刺し子糸
 紺の木綿生地に一針づつ刺す刺し子、季語も清潔感溢れる句と思います。

○目配せで渡すアドリブ聖夜のジャズ
 気心の知れたセッションなのでしょう。プレーヤー、観客、共に楽しんでいる様子が素敵です。

  明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。       のん
こがめさん (8atk17xs)2023/1/2 16:22削除
第574回麦っこ選句

〇年忘れ一つ覚えの戦歌
同じ年代の仲間と意気投合して歌っている景だろうな。

○新調のコート仕付けの糸を切る
◎しつけ糸残せし母のちゃんちゃんこ
「しつけ糸」の使用の景が違っていますが、思いが伺えます。          「母に対する」思いを「ちゃんちゃんこ」から伺えます。「しつけ糸残せし」からまだ大切に残しているのだろうな。

○年の瀬やチラシ配りの虚ろな目
駅前らでよく見かけます。「虚ろな目」から疲れを感じます。ご苦労様です。
不来方さん (8b8tdv36)2023/1/2 15:18削除
第574回麦っこ選句 

◯ 年忘れ一つ覚えの戦歌
 懐かしい昭和の忘年会。最近はカラオケでも軍歌を歌う人も少なくなった。軍歌で思い切り反戦の気持ちを吐き出したいものだ。

◯ 行く年や切れ端残る紅い糸
 「赤い糸」はつい深読みしたくなる。年々歳々「赤い糸」で繋がった縁も細くなってゆく。今年も何とか「切れ端」くらいは残ったようだ。

◎ 母在りて姉在りし日の毛糸玉
 類想はありそうだが、二つの対句の組合せなど俳句表現の完成度の高さは中々。「毛糸玉」で今は亡きお姉様とお母様への切々とした思いがよく分かる。

◯ 目配せで渡すアドリブ聖夜のジャズ
 とてもテンポがいい。濁音のリズムの魅力だろう。聖夜のジャズ演奏会らしい句。
返信7
まりさん (8aq66elk)2022/12/25 22:17 (No.42272)削除
573回投句一覧&選句

「冬の星」
オリオンを並び見つ余生量りつ
冬銀河婚姻届出した日の
シャンパンの小さな気泡冬銀河
哭いている遥かな海や寒昴
凍星や悼みを包む藍袱紗
凍星やみんな詩人の顔となる
凍星やポプラ並木の背比べ
オリオンを仰ぐ二浪の予備校生

「色」
スキーリフト色んな色を乗せて行く
一陽来復なんきんとロゼワイン
椀の雪にブルーハワイの色のあり
冬ざれや黒光りする鴉の背
数え日や音色の変わる市のチャイム
色探る絵筆の穂先枯深し
鈍色の空へ一声冬の鵙
オリオンの奏でる音色街眠る

「雑詠」
中天にオリオン地表に不発弾
甘味出す冬至南瓜に小豆缶
おしなべて昭和は陽気変哲忌
冬至の日移ろう速さ格子壁
染め具合訊かれ師走の美容院
煤逃げて真昼場末のジャズ喫茶
除雪車の鎌首ぐいと雪捨て場
役割のあるも幸せ十二月


ふたばさんと智美さんは、ご都合によりしばらくの間お休みです。
返信
天馬さん (8bszqp0p)2023/1/2 16:10削除
573選句

〇シャンパンの小さな気泡冬銀河
◎凍星や悼みを包む藍袱紗
〇オリオンの奏でる音色街眠る
〇中天にオリオン地表に不発弾

すみません、遅くなりました。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/12/31 13:50削除
573回 選句

○凍星や悼みを包む藍袱紗

心情が色濃く伝わってくるのに、つきすぎ感がないのは構成の巧さ。
袱紗に包む悼みだと、べったりしますが、藍袱紗に焦点化したのが効いていると思います。

○色探る絵筆の穂先枯深し

何といっても季語との取り合せがいいですね。色探るの表現も中々出てきません。静かな抒情が伝わってきます。

◎おしなべて昭和は陽気変哲忌

変哲忌については、ほとんど知らなかったのですが、
ラジオの「小沢昭一的こころ」は、よく聴いていました。ひねりの効いたトークが懐かしい。
陽気の一語が一句の全てを支配しており、昭和という時代の裏側へも意識を誘います。季語との距離感が絶妙。このような忌日俳句はとても詠めない気がします。大変お上手な俳句と思いました。

今年も後数時間で終わります。こんな日にも北朝鮮からミサイルが飛ばされ、土砂崩れで何人もの人が被災されたニュースが飛び込んできました。
何が起こるか分からない時代に生きています。
だからこそ、今年、麦っこで交流できた幸せを噛みしめています。ありがとうございました。
どうぞ、良いお年をお迎えください。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/12/31 12:12削除
573回選句
◎鈍色の空へ一声冬の鵙
 鵙は元々秋の季語であるが、冬の鵙と言えば厳しい自然環境の中を生き抜く雄々しさが感じられる。
 鈍色の空は混濁した現在の世相であろうか?
〇凍星や悼みを包む藍袱紗
 中七の措辞によって、この句の詩情が深まっていると思います。
〇冬至の日移ろう速さ格子壁
 短日の日の移ろいを格子壁に投影させて、速いと表現したところが巧い。
〇煤逃げて真昼場末のジャズ喫茶
 煤逃げもジャズ喫茶も今では懐かしい風景。歳末の街の情景が巧みに表現されている。
のんさん (8b8xe2bx)2022/12/30 23:01削除
第573回 選句

○凍星や悼みを包む藍袱紗
 「悼みを包む」の表現が良いです。
◎オリオンの奏でる音色街眠る
 星の奏でる音、耳を澄ませば聞こえてきそうです。
○色探る絵筆の穂先枯深し
 季語の選択が秀逸です。
○おしなべて昭和は陽気変哲忌
 聞きなれない忌日季語ですが、句の内容にぴったりです。

 短い選評で申し訳ありません。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/12/30 11:29削除
麦っこ 573 選句
 
「冬の星」
〇凍星や悼みを包む藍袱紗
 音もなく瞬く凍星の下、永訣の刻は静かに進行する。掲句は、かっちりとした構成とむだのない表現で、「悼みを包む」の乾いた抒情がいい。

「色」
〇鈍色の空へ一声冬の鵙
 終日厚い雲に覆われて陰鬱な鈍色を呈している。やかましい鵙の一羽が高枝にあって、鋭声で一声鳴く瞬間が印象的である。

「雑詠」
◎おしなべて昭和は陽気変哲忌
 「昭和」は、その足かけ64年の間に、人々をとりまく生活環境や価値観も劇的な変化を遂げた、まさに激動の時代であった。その時代を、あるいはその時代に生きた人々を「すべて」陽気であるとは、勿論言えない。しからば「おしなべて」陽気であるといえるだろうか。
 掲句は、この句に「変哲忌」という季語を配している。「変哲」は、俳優小澤昭一の俳号である。この句の読者は、小澤変哲氏の生涯や、著作、彼の属した「東京やなぎ句会」の構成員や言動などを知ることによって、昭和を生きた人々の「おしなべて陽気」なことを共感するであろう。かつて、昭和九年に生まれ、大活躍した芸能人が多かったことから、「昭和九年会」なるものが結成され話題となったが、「東京やなぎ句会」や「昭和九年会」の面々を見ていると「おしなべて昭和は陽気」の感を深くするもののようだ。

〇冬至の日移ろう速さ格子壁
冬至は、北半球では太陽が最も遠ざかり、最も日の運行の短い日である。ために、「冬至の日」は、多くの句に詠まれているのだが、掲句は、「移ろう速さ」を鋭敏にとらえている。「格子壁」は、視覚でとらえた唯一のモノであるが、感覚的にスケールの働きをしている。
まりさん (8aq66elk)2022/12/29 21:21削除
573回選句

〇オリオンを並び見つ余生量りつ
老いや余生の句は「作らない・取らない」と決めているのですが。しかし、太郎さんの年代にはしみじみとした気持ちで余生を詠んでいるような気もします。私にとってもオリオンの力は偉大です。

◎シャンパンの小さな気泡冬銀河
シンプルですが取り合わせが美しい。お祝いか記念日のシャンパンだったのでしょう。「ふたりで」というのは定番でしょうが、ここはあえて「ひとりで」記念日のシャンパンとイメージしてみました。

〇鈍色の空へ一声冬の鵙
鈍色の空の寒い日、今日の餌を求めて移っているのでしょう。小鳥たちは「食いだめ」ができないので冬越しはとても大変で、まず生まれた年の冬を越せるかが大きな課題なのだとか。鵙はサングラスをかけたような顔をしているので、目の前に現れればすぐにわかるのですが、鳴き声を聞き分けることができないので、随分長いこと出会っていない気がします。

〇オリオンの奏でる音色街眠る
「音色」まで言わないほうが好きですが、よく澄んだ空のオリオンは本当に美しく、「星が奏でる」という措辞にも納得できます。
こがめさん (8atk17xs)2022/12/29 13:29削除
第573回麦っこ選句

〇シャンパンの小さな気泡冬銀河
季語の取り合わせがいいなと思います。

◎凍星や悼みを包む藍袱紗
「悼みを包む」の表現がいいなと思います・悲しみの気持ちが凝縮されています。

〇色探る絵筆の穂先枯深し
どんな絵を描いているのだろうか。きっと広い野原で写生をしているのだろうな。いいな。描いてみたいです。でも色を塗る前のデッサンで降参かな。

〇役割のあるも幸せ十二月
元気な証拠ですね。そしてほっこりする家庭の景が浮かんできます。
不来方さん (8b8tdv36)2022/12/26 11:26削除
第573回選句

◯シャンパンの小さな気泡冬銀河
 クリスマスであろうか。シャンパンの泡が星空へのぼっていくようなイメージ。

◯凍星や悼みを包む藍袱紗  
 凍てる夜の通夜の厳粛な雰囲気がよく出ている。

◎オリオンの奏でる音色街眠る
 オリオンが奏でるはずのない音が聴こえてくる。クリスマスソングや第九など。「街眠る」で時間経過もよく分かる。演奏の終わった後の静謐な深夜の街。

◯煤逃げて真昼場末のジャズ喫茶
◯役割のあるも幸せ十二月
どちらも年末の生活感を詠って味わい深い。前句は「ジャズ喫茶」が後句は「幸せ」が効いている。特別な役割のない者としてこういう句には惹かれる。
返信8
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/12/25 08:44 (No.42204)削除
574回 お題


573回と記入してあります。
削除ができず。
よろしくお願いします。
返信
ちこりんさん (8aqg39gk)2023/1/1 10:56削除
574回 投句

神棚に塩ひとつまみ年忘れ

編糸に溶けゆく光冬の蜘蛛

中空に探る吉兆年新た
のんさん (8b8xe2bx)2022/12/31 17:22削除
第574回 投句

生真面目に国防語り年忘れ

新調のコート仕付けの糸を切る

花一輪生けて完了年用意
不来方さん (8jrlsjab)2022/12/29 22:06削除
574回投句

一本締め一句で締める年忘れ

しつけ糸残せし母のちゃんちゃんこ

今朝の雪この世顕わに潦
まりさん (8aq66elk)2022/12/29 21:20削除
574回投句

加湿器の湯気の混沌年忘
風花や白ひと色の刺し子糸
数え日の参道猫の貌険し
こがめさん (8atk17xs)2022/12/29 14:31削除
第574回麦っこ投句

ケーキ食べ喜寿の祝いの年忘れ

煤掃やズボンの裾の解れ糸

今もなお習字の稽古冬木の芽
太郎さん (8aq3zcoi)2022/12/27 16:11削除
麦っこ 574 投句
年忘れ一つ覚えの戦歌
行く年や切れ端残る紅い糸
目配せで渡すアドリブ聖夜のジャズ
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/12/26 10:43削除
574回投句
出口なき課題を残し年忘
母在りて姉在りし日の毛糸玉
年の瀬やチラシ配りの虚ろな目
返信7
まりさん (8aq66elk)2022/12/19 20:43 (No.41723)削除
572回投句一覧&選句

「寒夜」
手をついて二階へ上がる夜寒かな
青白き防獣ライト差す寒夜
曲がり角曲がり一人となる寒夜
寒き夜や路上に生きるものの影
寒き夜や子等の鉛筆削る父
塾の灯に浮く自転車の列寒夜
KOBANの灯りの消えて寒夜かな
冬の夜の半ばから観る義士外伝
冬の夜や落款押して息吐ける
寒き夜の厨の妻の背に一礼

「配」
むき出しの蛸足配線ぼろの市
独り居の蛸足配線虎落笛
小走りの遅配にサイン雪月夜
宅配の嚔は重き荷の上に
冬至かぼちゃ長き廊下を配膳車
をさな名を呼ばれた気配冬の月
雪深々味噌汁匂う配膳車
配られるカードのジョーカー雪催
時雨来てのっと郵便配達夫
遅配告ぐメール居座る冬の蝿

「雑詠」
この路地も掘り起こされて十二月
冬晴や寅さん像は鞄持つ
極月や改札過ぎるいかり肩
手袋を銜えて自動販売機
水脈重ね水脈を離して鴨の黙
特別なこと何もなく十二月
冬晴れやどこかに潜む寂しさよ
ほっぺたの赤くなるまで雪遊び
狛犬の逆立つ毛並み虎落笛
花びらの崩れゆく音冬薔薇

今朝、身内から「熱が出た」のメールあり。
知人からのコロナ感染の連絡が何度かあるのに、自粛緩和の波に乗って、
「今年最後だね、ちょっとゴハン食べていく?」ということが増えました。
みなさん軽症で終わるので、特に心配しなくなったせいもあります。
土曜日の居酒屋は時間制限がかかるほどの賑わい。
正月明けがコワイ。麦の新年会のころ?
やはり気をつけねば。
返信
こがめさん (8atk17xs)2022/12/26 21:41削除
太郎さんへ
ぼろ市の表記の指摘ありがとうございます。

「ぼろの市」の表記の例句が一句あったのでいいかなと思ってしまいました。私のもっている歳時記には「ぼろの市」は載っていませんでした。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/12/26 20:25削除
麦っこ 572 選句
〇曲がり角曲がり一人となる寒夜
コートの襟を立てて俯き加減になり家路を急ぐ。広い通りを歩いている時には前後に人の足音がきこえていたのだが、路地へまがると辺りに人影もなく、自分の足音だけがやけに高く響いて、途端にぶるっと身震いがでたりするのだ。

・むき出しの蛸足配線ぼろの市
短焦点レンズで撮ったモノクロのスナップショットのような力のある描写だと思う。ただ、「ぼろの市」には少々違和感がある。「ボロ市」は、「ボロの市」とは言わぬもののようだ。逆に「酉の市」は、「酉市」とはいわない。「酉市」と書いても「とりのいち」と読む。決まり文句となっている言葉は、他の言い方には馴染まないものがあるから注意が必要である。

◎雪深々味噌汁匂う配膳車
地上のありとあらゆるものを覆いつくして雪が積もる。「雪深深」の措辞は、降りしきり、降り積もる様子、雪に埋まってあたりが静まりかえっている様子、そして、しんしんと寒さが身に沁みる様子などを含めて表現している。外の寒さに比して暖められた室内には暖色の電灯が点り、配膳車に載せられた味噌汁の食缶からは、暖かい味噌汁の匂いがあたりに漂っているのである。「雪深深」と「味噌汁の匂い」との対照には、生きている人間の暮らしの嬉しさが溢れているようである。

〇極月や改札過ぎるいかり肩
 師走の、忙しく人の行き交う改札口を、「いかり肩」の男が通過する。
都会の人混みの中に、逞しい骨格の、眼光鋭い男を見出して、なにげに心を惹かれ暫く眼を離せないでいるのだ。何職業の人だろう、どこへいくのだろうなどと考え、俺ってなんと暇人なのだと思ったりしながら…。

〇手袋を銜えて自動販売機
 「手袋をくわえて…」という表現は、いろいろな俳句的場面が想起されておもしろい。この句は、「自動販売機」を見つけて成功している。後半を、用言を含む文節にせず、名詞だけにしたところが特によいと思う。
ふたばさん (8augfkle)2022/12/26 16:05削除
第 572回選句

〇曲がり角曲がり一人となる寒夜
 一人になった心細さ、急に寒さが感じられて。実感がこもっています。

〇むき出しの蛸足配線ぼろの市
〇独り居の蛸足配線虎落笛
 ぼろ市は、寒々としたシートの上にある蛸足配線に臨場感があります。
 独り居は季語がうまく働いていると思いました。

〇をさな名を呼ばれた気配冬の月
 ふっとした感覚がうまく捉えられていて、郷愁を感じます。

◎水脈重ね水脈を離して鴨の黙
 繊細さに豊かな詩情を感じ、魅かれました。

*遅れてすみません。
のんさん (8b8xe2bx)2022/12/25 17:02削除
第572回選句
〇冬の夜や落款押して息吐ける
 大作の完成でしょうか、緊張感が伝わります。「押す」「吐く」動詞二つが気になります。太い、重い等、息の様子を表現してはと思いました。
〇独り居の蛸足配線虎落笛
 一人でも使う電気器具の数は数多、まるで我が家のようです。
◎雪深々味噌汁匂う配膳車
 雪の積もる日の廊下は深々と冷えて居そうです。味噌汁の香の漂う廊下、湯気まで見えるようでほっとします。
〇手袋を銜えて自動販売機
 夜とはありませんが、夜道に出会う販売機の灯には心癒されます。きっと温かい飲み物を買ったことでしょう。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/12/25 12:11削除
572回 選句

○むき出しの蛸足配線ぼろの市

閑散としたぼろ市の景が浮かびました。蛸足配線との取り合せで、寒々とした感じが一層強まりました。むき出しの一語が効いています。

○をさな名を呼ばれた気配冬の月

冬の月には冷え冷えとした中に哀愁を感じるので、この句に惹かれたのかもしれません。中七がいいですね。誰もが幼い頃の呼び名に様々な思い出をよびさまされるでしょう。

◎水脈重ね水脈を離して鴨の黙

鴨を映し取りながら、作者は自分自身を重ねているように思います。年暮の句として鑑賞すると意味深い。
中七に心情の高まりを感じます。巧みな一句。
天馬さん (8bszqp0p)2022/12/25 09:27削除
572選句

〇 KOBANの灯りの消えて寒夜かな
交番のアルファベット表記にも慣れました。地域の強い味方です。
〇冬至かぼちゃ長き廊下を配膳車
病棟の時の流れは時計ではなく、配膳車の音で知ること思いだしました。
◎手袋を銜えて自動販売機
自販機と略して他の言葉を詰め込まずとも、寒さの中で買い求める様子がよく伝わります。勉強になりました。
〇水脈重ね水脈を離して鴨の默
静かな中にも動きがあり惹かれました。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/12/24 10:15削除
572回選句
◎曲がり角曲がり一人となる寒夜
 曲がり角を曲がった途端に周囲に誰も居なくなった。夜の寒さがそぞろ身に染みる。
 何か人生の一駒を彷彿とさせて、味わい深い。
〇独り居の蛸足配線虎落笛
 便利さを求めてあれこれ取りそろえた結果の蛸足配線。一々動くのが面倒なせいかもしれない。
 虎落笛が切ない。
〇特別なこと何もなく十二月
 十二月が近づくと、また今年も年賀状を出さなければならないが、住所録が最新のものになっているか
 気掛かりになる程度で、特別な感慨は何もない。全く同感です。
まりさん (8aq66elk)2022/12/23 21:17削除
572回選句

〇KOBANの灯りの消えて寒夜かな
交番とて24時間開いているわけではないでしょう。交番と寒夜の取り合わせはぴったりです。

〇むき出しの蛸足配線ぼろの市
「配」では、真っ先に「蛸足配線」が思い浮かびましたが、自己内類想から抜けられず諦めました。ぼろ市では、どこからどんな風に配線されているのかイメージに自信がありませんが、取り合わせは面白いと思いました。

〇独り居の蛸足配線虎落笛
独り居のような自室の蛸足配線。どなたの部屋も同じようなものでしょう。パソコン・プリンター・机上ライト・Wi-Fi・携帯充電器・ファンヒーター。それに私の場合、ホーム電話子機とドアフォン受信機。その他にエアコン。時にはアイロンを使ったり掃除機を使ったり。これが「一部屋・ひとり分」というのは、本当に恐ろしい世界だと改めて思いました。節電はごもっとも。

◎手袋を銜えて自動販売機
これは好き!どこかで見たことがある気になったり、自分でもやったことがある気になったり。こんな風に何でもないことを俳句にできたらなあ~。
こがめさん (8atk17xs)2022/12/23 00:01削除
第572回麦っこ選句

◎手をついて二階へ上がる夜寒かな
年を感じます。「手をついて」で二階は上がる景が浮かんできます。。「夜寒かな」で体感を強調されています。

〇小走りの遅配にサイン雪月夜
〇宅配の嚔は重き荷の上に
〇時雨来てのっと郵便配達夫
宅配の行動を表現していますが感謝しているように感じます。寒さの中での仕事に対しての配慮も感じます。

〇ほっぺたの赤くなるまで雪遊び
雪が降ると楽しそうに遊んでいます。ほっぺが赤くなっています。しもやけにならないように・・・。小さいころを思い出します。大雪にならないように・・・・。
不来方さん (8aq66elk)2022/12/19 20:45削除
第572回選句

◯曲がり角曲がり一人となる寒夜
 忘年会か何かの帰り道。冬灯の路地の角で、友人と別れて曲がった暗い小路、もうすぐ独り居の自宅。急に寒さが身に堪える、そんな寒夜であることよ。

◯寒き夜の厨の妻の背に一礼
 遅くまで厨事の奥様に一礼とは、特別な日なのだろうか。毎日のことだろうか。中々出来ることではない。

◯むき出しの蛸足配線ぼろの市
◯独り居の蛸足配線虎落笛
 「蛸足配線」2句。前句は「むき出しの」が言い得て妙の襤褸市の写実句。後句は逆に独居の侘しさを「虎落笛」で強調した人事句。どちらも蛸足配線等重ね合わせると味わい深い。

◎ 手袋を銜えて自動販売機
 手袋をポケットに入れる余裕もない程悴んだ手が見えるようだ。ホットドリンクでほっと一息
返信10