ま
まりさん (8aq66elk)2022/12/12 12:08 (No.41193)削除571回投句&選句(再)
「大根」
大根畑気にかけ気にかけて入所
大根の畑のしかかる太平洋
離散せし家族のその後大根汁
太陽と潮の香三浦の大根干し
真っ直ぐに大根抜きし穴に雨
夕陽射す蜑の平屋の懸大根
絵手紙の葉っぱはみ出す蕪かな
山巓の風へ預ける干し大根
掛大根夕影しるき伊吹山
「好きなだけやる」と碁仇大根畑
「流」
冬座敷我流体操いちにさん
小春日の流域セスナの幼き音
岩手山伏流水や冬日燦
あるがままに生きるは難し年暮るる
冬ざれや流刑の島を洗う波
風流に無縁な男大根引く
湧水の泡は流れへ笹子鳴く
冬天の青流離という憧憬
中流や師走の街を漂流す
流紋に天地の記憶冬ざるる
「雑詠」
鉄筋へ噛みつくショベル年詰まる
青空へ残る紅葉の志
聡明になると諭され大根食う
木枯しに拭きっ曝しの滑り台
新米や自分史に書く餓えし日々
沖縄の風にセーター脱がさるる
笹鳴きや途切れ途切れの櫂の音
便り待つそれだけの時山は雪
欝の日や鍋焼きうどん舌を焼く
まっすぐな霙に迷いなどなくて
(天馬さん追加しました。)