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掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
まりさん (8aq66elk)2022/11/20 19:49 (No.39343)削除
568回投句一覧&選句

「枯野」
万物の息ひそめ居り大枯野
役割はいつも聞き役枯野道
縄文や枯野に浮かぶ大櫓
集落の最後の児童枯野道
母許の大河を挟む大枯野
ステッキの彼方に落暉大枯野
測量士の杭を打ち込む大枯野
杭打機の反響枯野のニュータウン
また一つ逸れ雲行く大枯野
大枯野越えて安堵の酸ヶ湯かな

「切」
切株に座しておにぎり小春日和
寒い朝体育館の金切り声
かんかんと呼びし踏切冬うらら
いつのまに細い切り傷枯野道
冬もみじ周遊切符の途中下車
我先の葱の切っ先 夕茜
銀杏黄落僧侶の通う切通し
冬青空片道切符だけ買うて
冬晴れや切絵を抜ける馬の群
取分けは姉の方より切短穂

「雑詠」
歌声喫茶復活の報みかん剝く
銀杏落葉を踏まねば行けぬ滑り台
独り居の輪切りのハムと熱燗と
落葉落葉のっと原木運搬車
惚け封じ寺へ急坂雪ばんば
図書館のテラスの紅茶日短か
父の齢越ゆるに二年枇杷の花
小麦色の肌褒めし祖母きりたんぽ
命綱巻いて植木屋冬木立
凍蝶のまとう孤高や坐禅石
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/12/3 11:59削除
568回 選句

〇集落の最後の児童枯野道
〇大枯野越えて安堵の酸ヶ湯かな
〇冬もみじ周遊切符の途中下車
〇父の齢越ゆるに二年枇杷の花
◎凍蝶のまとう孤高や坐禅石
c
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/27 14:33削除
麦っこ 568 選句
選評568 
「枯野」」
◎万物の息ひそめ居り大枯野
 満目蕭条としずまりかえった枯野を見渡す詩人の五感は、野面をわたる風にそよぐ草の、僅かな動き、微かな音の底に、来るべき春に備えて身を養っている数知れぬ生き物の息吹を感じ取っているのだ。鳥や獣、草や木、そして石ころや土くれまでもが、やがて躍動する季節を待って息を潜め、季節の移り変わりを全身で感じているのである。

〇集落の最後の児童枯野道
 かつて賑やかな話し声とともに登下校していた子どもたちが、今は少なくなって、この子たちが卒業すると児童は一人もいなくなる。枯野に草が生え、花が咲くころには、集落の学区の小学校は廃校になってしまうのだろう。私の住む市にも、このような現象が見えはじめている。

〇母許の大河を挟む大枯野
 利根川沿いの高台から両岸に広がる田園地帯を見渡すのは好きな眺望のひとつである。平地に居ても、例えば渡り鳥の視点で平野を俯瞰的に見渡すイメージを描くのもよい。「大河を挟む大枯野」は、魅力的な表現である。「母許の」は、「―許」の意味・用法に少しぶれがあるように思われるが。

○また一つ逸れ雲行く大枯野
 広い枯野と明るい小春の空、座るか仰向けに横たわるかして、くつろいでいるのだろう。作者の位置、時間、心境などを思い浮かべるうちに、磐城平のほうへ往く「雲」を連想した。

「切」
○冬もみじ周遊切符の途中下車
 むかし、学割(5割引きであったように思う)の周遊券で初めての一人旅に出かけたのを思い出す。停車時間の長いのに飽き、ふと思いついて衝動的に下車した見知らぬ駅で、めっけ物の見ものや食べものに出会えたことがある。掲句の「冬もみじ」も案内書か駅の表示で知って予定外の行程になったのであろう。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/27 11:41削除
◎杭打機の反響枯野のニュータウン
 身近な場所で枯野を見る機会はないが、ニュータウン辺りでは未だ開発中の所があって
 そこから聞こえてくる槌音。それは乾いた音のように思える。
〇銀杏黄落僧侶の通う切通し
 銀杏落葉を踏みしめる僧侶の足音が聞こえてくるような、雰囲気のある句だと思います。
〇図書館のテラスの紅茶日短か
 日々の生活の中から切り取られた安らぎの空間。共感を覚えます。
ふたばさん (8augfkle)2022/11/27 00:42削除
第568回麦っこ選句

〇母許の大河を挟む大枯野
 忘れ得ぬふるさと。詩情があります。

◎冬晴れや切絵を抜ける馬の群
 すっきり晴れた空、馬の群れに躍動感があり、映像的にも美しいです。童話的。不思議な魅力がありました。

〇落葉落葉のっと原木運搬車
 落葉の繰り返し、のっとが効いています。

〇図書館のテラスの紅茶日短か
 穏やかな冬の午後、図書館での充実した時間。このような句、大好きです。
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/26 22:14削除
第568回 選句
〇大枯野越えて安堵の酸ヶ湯かな
 50数年前訪れたことのある場所です。長い時間バスに揺られたことと、
 乗り合わせたおばあちゃんの言葉が全く分からなかったことを思い出しました。当時は素朴な湯治場、また訪れてみたいです。

◎落葉落葉のっと原木運搬車
 「原木運搬車」遭遇した経験はありませんが、想像がつきやすいです。「落葉落葉」のリフレインは深い森を感じさせます。

〇図書館のテラスの紅茶日短か
 最近の図書館はお洒落な所が増えました。テラスで紅茶美味しそうです。

〇父の齢越ゆるに二年枇杷の花
 インパクトの強い句ではありませんが、しみじみと心に響きます。季語も良い取り合わせと思います。
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/26 17:11削除
568選句

○母許の大河を挟む大枯野
当地、北上川の支流はどこも思わぬ広さの河川敷があります。今はまさしく大枯野。
○冬もみじ周遊切符の途中下車
大人の休日倶楽部入ってますが、会費を払ってばかり。近くのいわて銀河鉄道の音に旅心誘われています。
◎冬晴れや切絵を抜ける馬の群
すっきりしており迷わず特選でした。一人一人読み手の想像が違うだろうな。そこに惹かれました。
こがめさん (8atk17xs)2022/11/25 20:22削除
第568回麦っこ選句

◎杭打機の反響枯野のニュータウン
千葉ニュータウンの景を思い出しました。「杭打機の反響」から開発途中の様子が浮かんできました。

〇冬もみじ周遊切符の途中下車
何処だろうな。でもきっと冬紅葉がとてもきれいなのでゆっくり見ようと途中下車をしたのだろう。いいな。

〇落葉落葉のっと原木運搬車
木を伐り出している景ですね。製材所までに運び出しているのだろう。ご苦労様です。「落葉落葉」の表現がいいなと思います。

〇命綱巻いて植木屋冬木立
植木屋さんご苦労様です。「命綱巻いて」の表現から木の大きさを想像できます。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/25 12:33削除
568回 選句

○杭打機の反響枯野のニュータウン
渇き切った辺りの空気が反響を通して伝わってきます。ニュータウンが拓かれていくのでしょう。

◎また一つ逸れ雲行く大枯野
枯野の寂寥と心境が響きあい、静かな秋の深まりを感じさせます。

○落葉落葉のっと原木運搬車
動詞を使わずに、のっとと表現した所が面白く、想像が広がります。
ただ原木運搬車に伐採の山は見えますが、今ひとつ景がぼんやりしています。

○図書館のテラスの紅茶日短か
素敵な図書館なのですね。
取り合わせの良き一句。
本屋さんに併設された喫茶店は知っていますが、このような図書館で一日過ごしてみたいなぁ。
まりさん (8aq66elk)2022/11/23 21:02削除
568回選句

〇杭打機の反響枯野のニュータウン
「反響」がまさに。ビル建設の杭打機の音がニュータウンのビル群や里山にぶつかって枯野へ戻ってくるのでしょう。千葉ニュータウンはとにかく広大。ニュータウンに住む姪は、子育て中はPASMOを持っていませんでした。タウンの中ですべて完結するので電車に乗ることが無いのだと。

〇冬晴れや切絵を抜ける馬の群
さてはて。中七をどうイメージするか。心象的な白黒の世界から放たれた馬?冬晴れの逆光を抜ける馬?イメージに全く自信がないのですが美しい。私は現実に存在するモノしか詠めないので、心象的な句は詠むことも読むことも苦手で、いつも勝手読みを楽しんでいます。
ある方に言われました。「ほとんどの人に分かってもらえない句は何のために発表するのだろう」と。感性は千差万別。自己をそういう形で表現したい、わかってもらうとかもらえないという以前のものなのではとは思います。私にはわからない感性の持ち主は溢れています。しかしですよ。その自己表現が未完成のために分かってもらえないことも多い気がします。

◎落葉落葉のっと原木運搬車
落葉落葉には臨場感があり私は好きですが、格調を整えるためには、季語の再考もありかなとは思います。「のっと」に繋がるのが「原木運搬車」という重厚なものであることはかなり効果的。原木の重さや運搬車の軋む音まで伝わってきます。

〇図書館のテラスの紅茶日短か
こういう素直であたたかい句に出会うとこちらまでほっとします。

〇命綱巻いて植木屋冬木立
お向かいに来た植木屋さんはクレーン車のバケットの中で命綱を使って作業をしていましたし、いつか我が家に来た電気工夫もクレーン車と命綱を使っていました。「巻いて」が最適かなという疑問はあります。「巻いて」だと、どうしてもロープを腰に巻き付けるイメージになってしまうのは私だけでしょうか。命綱は腰ベルトに「装着」する形だと思いますので。
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/21 11:52削除
568回麦っこ選句

◯母許の大河を挟む大枯野
 冬ざれの母郷を恋う気持ちに共鳴。

◯ 杭打機の反響枯野のニュータウン
 ともかくリアル。大きな聴覚と大きな視覚のバランスの妙。

◯ 冬もみじ周遊切符の途中下車
 「途中下車」のノンビリ感がいい。

◯ 取分けは姉の方より切短穂
 (きりたんぽ)を「切短穂」と書くのは知りませんでした。家庭の躾はそれぞれとはいえ、長幼の序の大切さ。妹としては生涯残る記憶。

◎ 落葉落葉のっと原木運搬車
 「原木運搬車」は是非見てみたい。「落葉落葉」のリフレインと「のっと」の擬態語で原木運搬車の迫力がよく伝わって来る。

今朝パソコンを開いたら、検索エンジンのMicrosoftエッジの具合が悪く、麦っこだけでなくサイトの閲覧が出来ません。原因不明。仕方なしにスマホ検索から書き込みをしました。どなたかアドバイスが可能であれば管理人さんのmgPOST ― PartⅡコーナーからお願いします。
返信10
ふたばさん (8augfkle)2022/11/20 00:01 (No.39282)削除
第569回お題

季語 : 笹鳴
文字 : 離
雑詠
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/27 19:04削除
麦っこ 569 投句

谷津干潟潮満ちくれば笹子鳴く
黄落や大道芸の離れ業
濃墨の円相はたと冬椿
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/27 18:27削除
第569回投句

笹子鳴く絹街道の終着地
冬うらら離陸の飛機の消えるまで
和菓子屋の小さな出店冬もみじ
ふたばさん (8augfkle)2022/11/26 23:45削除
第569回麦っこ選句

笹鳴きや曲り廊下を湯殿まで
離れ松の小さき墓石草紅葉
亡き兄の写経の束や虎落笛
こがめさん (8atk17xs)2022/11/26 16:30削除
第569回麦っこ投句
                                                            笹鳴や走り根跨ぐ遊歩道

見えてきた帽子の距離にスキー場

栄養素を気にするランチ一葉忌
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/26 15:54削除
第569回投句

笹子鳴く此処は昭和の団地跡

厭離穢土灯ともし頃の冬紅葉

鳴くことも生の証や冬の鳥
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/26 11:01削除
569回 投句

笹鳴きや高野に開く伽藍絵図

挙家離村美濃の山々時雨るるか

凩や琥珀を磨く鞣革
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/24 18:00削除
569投句

塞がりし手掘り坑道笹鳴けり
離職票のA3サイズ冬の虹
朴落葉その先鬼の通る道
まりさん (8aq66elk)2022/11/23 20:53削除
569回投句

笹鳴や寺に供養を待つ人形
噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
水脈交差昨日と同じ数の鴨
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/23 13:46削除
札幌の子に笹鳴を教えたし
碁仇を待つ離れの間柿落葉
男等のアップルパイを焼く小春
返信9
まりさん (8aq66elk)2022/11/14 09:44 (No.38930)削除
567回投句一覧&選句

「立冬」
立冬の夕空揺らぐ火焔土器
駆け足で入る校門今朝の冬
岩手山大きく見えて今朝の冬
傍らのゲーテの詩集冬に入る
吹き寄せる牛乳の皺冬来る
冬来る油分の多い美容液
立冬や帽子目深に魚釣り
提琴の松脂の香や冬に入る
立冬の蝶わが影に寄り添いぬ
冬立つや強く刈込む庭の樹々

「神」
神木の樹齢五百の新松子
天神の留守や葛餅買いにゆく
バス停の田の神とあり冬田道
神苑の池のほとりの杜鵑草
冬ぬくし使い分けして神仏
里神楽湯立の禰宜の卒寿なる
森閑と進む月蝕神の留守
黄落や仮面の女神ひそと立つ
神境に映る礼拝七五三
語り継ぐ鬼神の情け石蕗の花

「忌日」
翁の忌上り下りの船の水脈
化野に男ありけり寂聴忌
日の暮れて鐘の音ゆかし一葉忌
蹲踞の紅葉ひとひら一葉忌
綿虫のふわりと弟の忌日
秋の夜や忌日俳句を読み漁る
母の忌や落葉松今も散り止まず
一葉忌文字に溺れて文字漁る
憂国忌活版印刷の滲み
真っ直ぐを貫く一樹憂国忌
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/11/21 11:10削除
第568回 選句

〇岩手山大きく見えて今朝の秋
 ひときわ寒い朝、ふと口から出た言葉。
 いつもいつもお山を見て暮らしている人ならではの一句。うらやましい!

〇吹き寄せる牛乳の皺冬来る
 子どもの頃、皺が出来ない牛乳は飲んではいけない、と言われていましたが本当でしょうか。

◎森閑と進む月蝕神の留守
 「神の留守」がいいです。あの日はさすがに何度も見ました。素晴らしかったです。

〇綿虫のふわりと弟の忌日
 中七、下五のわずかな語調の乱れに作者の心情が見え隠れします。

〇憂国忌活版印刷の滲み
 「活版印刷の滲み」に時の流れと当時の驚愕が込められています。
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/20 17:39削除
第568回 選句

〇岩手山大きく見えて今朝の冬
 空気が澄んでくると山がクッキリとしてきます。季語の言い切った感じが良いです。

〇吹き寄せる牛乳の皺冬来る
 今は鍋で牛乳を温める事があまりないので、温めてもらっていた頃を懐かしく思い出しました。

〇森閑と進む月蝕神の留守
 先日の月蝕の神秘的な色には驚きました。神の留守に起こったことですね。

〇語り継ぐ鬼神の情け石蕗の花
 鬼子母神かなと思いましたが、語り継がれるのが「情け」というところに共感しました。

◎綿虫のふわりと弟の忌日
 順番通りにはいかないこの世、綿虫に弟さんの魂を感じたのでしょうか。「ふわり」が切ないです。
まりさん (8aq66elk)2022/11/20 09:19削除
568回選句

○岩手山大きく見えて今朝の冬
日常にでっかい岩手山があるのは何とも羨ましい限り。「岩手山」だけで重量感がありますが、「岩手山」という固有名詞に頼らない句も含めて、岩手山の四季折々を詠んでほしいと思います。

〇冬ぬくし使い分けして神仏
確かに。私はどちらにもいつも同じことを祈ります。すっきりとまとめたのがいいですね。

○翁の忌上り下りの船の水脈
有名人の忌日俳句は難しいので、お題以外では作ったことはありません。これは隅田川に向く芭蕉像と上り下りの船の水脈。あっさりとして押しつけがましくないところに惹かれました。

〇化野に男ありけり寂聴忌
抽象的なので、読み手がこの化野をどうとるか、男をどうイメージするかによって大きく変わります。そこが自由であり弱点でもあり。寂聴さんには、こちらの柵とは縁を切って、あの世では天然のお節介おばさんでいてほしいので、私はあえてコミカルに勝手読みしてみました。

◎綿虫のふわりと弟の忌日
忌日俳句に実感を込められるのはどうしても親族。真っ先に親が浮かびますが、大抵の方はいくつか作っていると思います。父母ではなく、早逝した弟の忌日に「綿虫のふわり」を取り合わせたのはお見事と思いました。
ふたばさん (8augfkle)2022/11/20 00:55削除
第568回選句

〇立冬の夕空揺らぐ火焔土器
 リズムがいいですね。夕空と火焔土器が相俟って美しい。

〇吹き寄せる牛乳の皺冬来る
 何気ないところを掬い取っていて、そうそうと共感しました。「牛乳の皺」は簡単そうで、なかなか出てこない表現のように思われます。

〇森閑と進む月蝕神の留守
 先日の月食は、何か不気味ささえ感じました。友人から送られてきた、天王星まで写っている写真を見たせいでしょうか。月は赤くて大きく天王星は針の跡のようでした。

◎母の忌や落葉松今も散り止まず
 「散り止まず」に思いの深さが感じられて、胸を衝かれました。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/19 17:55削除
567回選句
◎岩手山大きく見えて今朝の冬
 岩手山は周りに遮るものが無く、いつも大きく見えました。立冬の朝に一際大きく見えたというのは、
 その地に暮らす作者ならではの感慨なのでしょう。
〇森閑と進む月蝕神の留守
 数百年に一度といわれる天体ショー。神の留守を持ってきたことで、一気に俳句の世界に誘われる。
〇化野に男ありけり寂聴忌
 寂聴尼が瀬戸内晴美といった頃の、奔放な生き方が忍ばれます。
〇真っ直ぐを貫く一樹憂国忌
 ショッキングな事件だったが、グローバリズムなどといった昨今の空疎な風潮に惑わされないよう
 自らを戒めたいと思います。
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/18 16:27削除
567選句

○立冬の夕空揺らぐ火焔土器
立冬という引き締まった季語と火焔土器に寄せた古代の人の思いが響き合っていると思いました。
○吹き寄せる牛乳の皺冬来る
冬と牛乳の膜の句は他にも在るようにも思いますが、やはり冬と暖かなものの組み合わせには惹かれます。
○冬立つや強く刈込む庭の樹々
思い切り剪定する配偶者と言い合いになること多いですが、そっちの方が春先元気に芽吹きます。
◎森閑と進む月蝕神の留守
月蝕見ましたが、俳句に出来ないままでした。森閑と進む…に納得です。勉強になりました。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/18 11:57削除
567回 選句

◎立冬の夕空揺らぐ火焔土器
取り合わせの良い句。火焔土器のもたらす太古への誘いにより、イメージの広がりを感じます。上五か中七か切れがやや曖昧ですが、私は上五で切って鑑賞しました。たしか新潟十日町に小さな火焔土器の博物館があったと思いますが、私も不思議な感覚を覚えた事を思い出しました。

○提琴の松脂の香や冬に入る
松脂の匂いが冬の訪れを深く感じさせます。

○バス停の田の神とあり冬田道
地名や停留所に残る歴史や風土の営みに、はっとさせられる事がよくあります。
当地にも火の見櫓というバス停がありますよ。
素直な心の動きに共感。

○綿虫のふわり弟の忌日
すっと心に染みました。優しく季語が効いていると思います。
こがめさん (8atk17xs)2022/11/17 19:31削除
第567回麦っこ選句

〇岩手山大きく見えて今朝の冬
朝起きたら岩手山がくっきりと見える景を見いている顔が浮かんできます。とても空気がきれいで晴れた朝だろうな。いいな。

◎吹き寄せる牛乳の皺冬来る
日常の朝の食卓の景が浮かんできます。「牛乳の皺」の表現がうまいなと思います。
「冬来る」の季語が効いています。

〇綿虫のふわりと弟の忌日
〇母の忌や落葉松今も散り止まず
弟や母への思いが伝わってきます。いつまでも忘れずに思い出しているのですね。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/17 17:11削除
麦っこ 567 選句 

「立冬」
 今回は、季語兼題の句に佳句が多かったように思う。就中次の2句の季節感覚に共鳴した。
◎岩手山大きく見えて今朝の冬
 かつて「…筑波の近く見ゆる朝」と詠んだことがあるが、岩手山のほうが役者が一枚上、何と言っても「ふるさとの山」ですからね。
 気温の低下とともに「芋の露 連山影を正しうす」からさらに澄明度を増した空気を通して、山容がはっきりと見えるようになる。「大きく見えて」がそのことを巧みに表現している。
〇吹き寄せる牛乳の皺冬来る
 立冬から一週間、朝夕は暖房が欠かせなくなっている。ここへ来て朝食のミルクは熱くしないではいられない。掲句は、だれもが経験する臨場感のある季節感を表現している。
「神」
〇語り継ぐ鬼神の情け石蕗の花
 一口に「鬼」と言えば悪しき存在のように思われるが、「鬼神」となると、その超人的な能力によって人々を救ったという話はいくらでもある。枯色の有象無象の中、緑濃い葉と鮮やかな黄の花は、そうした伝説に相応しい彩りといえるだろう。
「忌日」
○綿虫のふわりと弟の忌日
 初冬の風の無いうすら寒い日に、どこからともなく湧いて 綿虫が漂いはじめる。「綿虫のふわりと」という表現が、夭折したはらからの思い出と重なって切なさをかき立てるのだ。
不来方さん (8aqapchq)2022/11/14 12:44削除
第567回選句
◯岩手山大きく見えて今朝の冬
 うろ覚えながら天馬さんに「初冠雪どこから見ても岩手山」のような句があった気がしますが、掲句は立冬の岩手山らしい澄み切った大きな山容です。

◎森閑と進む月蝕神の留守
 8日の皆既月食は見事の一言。あの月蝕は神が隠したようにも思いましたが、逆に神の留守にしかあり得ないのかも。絶妙の取合せ。

◯綿虫のふわりと弟の忌日
◯母の忌や落葉松今も散り止まず
 今回はそれぞれ味わいのある著名人の忌日俳句ではなく、しんみりとする身近な方の忌日俳句を選びました。前句、「綿虫」と「忌日」の近さはあるものの「ふんわりと」の優しい措辞で弟思いの姉の心情が、後句は散り止まぬ「落葉松」に託した作者の途切れることのない母恋いの心情がよく伝わって来ます。
返信10
まりさん (8aq66elk)2022/11/7 09:00 (No.38393)削除
566回投句一覧&選句

「渡り鳥」
昨日より増えた朋輩渡り鳥
鳥渡る太古の蒼のカルデラ湖
買い物にも行けぬ日五日渡り鳥
鳥渡る那須連山の空青し
小鳥来るローカル線の無人駅
紙匂う新書の鼓動鳥渡る
アングルに収まる岬鷹渡る
空の青海原の青鳥渡る
川上に妙義遠しも渡り鳥
海山の近い母校や鳥渡る

「化」
絵手紙のお化け南瓜は笑い顔
九十九里晩秋過疎化の進む村
断層の貝の化石や紅葉谷
消化剤をバッグに忍ばせ秋の旅
敷石に羊歯の化石や七五三
雨戸六枚水洗いして文化の日
文化の日路上ライブの津軽三味
骨盤の不全骨折文化の日
文化の日スワロフスキーのペン贈る
劣化する胸の隅っこ草の絮

「雑詠」
ひと刷毛の雲纏う富士冬隣
頬髯のブルースハープ鳥渡る
もっきりを口で迎える冬隣
小春日や海の匂いのレストラン
病む母の笑みの肖像暮の秋
新蕎麦やびっくり水の匙加減
秋さやか旅先よりの阿闍梨餅
ハロウィンの小さき南瓜を置き独居
日を溜めても少し時を枯蟷螂
石段にヒスイ眼の猫秋麗
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/11/21 10:34削除
566回選句

◎鳥渡る太古の蒼のカルデラ湖
 湖の色は太古からの蒼。それを囲んだ雄大なカルデラ。そこを渡ってゆく鳥の一群れ。
 動と静との対比にも引かれました。

〇紙匂う新書の鼓動鳥渡る
 さあ、読んでくれ!という様な新書のパリパリ感?こちらもさあ読むぞというわくわく感。
 そんな感覚はずーと昔の懐かしい思い出となってしまいました。

〇断層の貝の化石や紅葉谷
 断層そのものやそこに埋もれた貝の化石を見て、これが海の底から持ち上がって来たエネルギーと年月を思うと
 紅葉の谷も感慨深いものがあります。このところ、北東北の縄文遺跡(世界遺産)や新潟、長野の土器土偶(国宝)を
 巡ってきましたが、縄文からの時間、縄文時代の地勢、精神性などいろいろ考えさせられて、興味深かったです。

〇小春日や海の匂いのレストラン
 映画の一シーンのような。こんな所で一日過ごしたい・・・。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/20 11:41削除
麦っこ 566 選句
「渡り鳥」
◎鳥渡る太古の蒼のカルデラ湖
 壮大なカルデラの中央に「太古の蒼」を湛えた湖水。広々と晴れわたる上空を渡り鳥の編隊。申し分の無い佳景である。
・空の青海原の青鳥渡る
 構成もよく描写も美しいのだが、牧水の「白鳥は」の歌の印象が強く、掲句はもう一味工夫を凝らすか、敬遠するか…と思ったりした。
「雑詠」
〇ひと刷毛の雲纏う富士冬隣
 冴え冴えとした空の中央に、一刷毛の横雲を纏った富士が坐る。草木の色も空気の冷たさも「秋の果」「冬近し」の趣が深い。
〇小春日や海の匂いのレストラン
11月半ば過ぎから12月初頭の頃、春のような穏やかな日和が「小春日」である。海辺のレストランのテラス席であろうか、暖かい日差しと海の匂いの中での食事は、さぞ愉しかろう。
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/18 15:56削除
566選句

○紙匂う新書の鼓動鳥渡る
○文化の日路上ライブの津軽三味
◎もっきりを口で迎える冬隣
○小春日や海の匂いのレストラン

コメントなしですみません。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/13 16:03削除
◎鳥渡る太古の蒼のカルデラ湖
 太古より続く自然の姿は変わらないが、毎年そこに渡り鳥がやって来る。悠久のロマンが感じられます。
〇アングルに収まる岬鷹渡る
 下五の「鷹渡る」で、急に大きな景色が眼前に広がって来た感じがします。
〇紙匂う新書の鼓動鳥渡る
 この鼓動は作者の胸の高鳴りか。冬になると、書物を繰る機会が多くなることを喜んでいるのだろう。
〇ひと刷毛の雲纏う富士冬隣
 富士山の麓の富士宮市に勤務したことがあるが、富士山はいつ、どこから見ても美しい。
まりさん (8aq66elk)2022/11/13 10:13削除
566回選句


〇鳥渡る太古の蒼のカルデラ湖
絵葉書的ではありますが壮大で美しい。八幡平のドラゴンアイでしょうか。中七を独自の言葉にしようとしても、この壮大さや美しさを表すには言い尽くされた言葉しかないと思うことはしばしばあります。壮大な景に圧倒されたのは同じ。それでよしとするしかないでしょう!

〇アングルに収まる岬鷹渡る
私は写真が下手。同じ場所で撮った友人の写真と比べると一目瞭然。アングルへの納め方は俳句の素材選びに繋がります。技術がないというより、ピン!と響く感度が低いということですネ。スマホ時代ですから、気軽にいい写真を撮りたいと思うこと多々。「鷹」という季語の大きさがいいですね。

〇川上に妙義遠しも渡り鳥
古典文法独特の格調の高さ。こういう心に染み入るような感動や詠嘆は現代語ではなかなかできません。

◎頬髯のブルースハープ鳥渡る
ネットで聴いてみて、ああ~長渕剛のあれか~と思いました。これはアメリカのバンドマンのようなでっかい頬鬚の男の演奏でしょうか。季語がいい。

〇もっきりを口で迎える冬隣
私が幼かったころ、来客には、一升瓶から湯飲み茶わんにつがれた「もっきり」を出すのが常。
オジサンたちは嬉しそうにこんな感じで飲んでいましたね。「もっきり」が効いています。
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/13 10:00削除
第566回 選句
〇鳥渡る太古の蒼のカルデラ湖
 「太古の蒼」恐竜でも出てきそうな神秘的な色なのでしょう。自然が作り出す物は不思議がいっぱいです。
〇空の青海原の青鳥渡る
 「海原」が景を一層大きく、また鳥の姿を鮮明にしています。
〇九十九里晩秋過疎化の進む村
 人のいない長い浜、寂寥感がヒシヒシと伝わります。
〇断層の貝の化石や紅葉谷
 太古の地殻変動で思わぬ所が昔海であったりします。取合せが良いと思います。
◎新蕎麦やびっくり水の匙加減
 「びっくり水」日常的に行っている事は見過ごしてがちです。いつも見過ごしている身にはハットさせられました。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/13 09:57削除
566回 選句

◎鳥渡る太古の蒼のカルデラ湖

透き渡る空の下、静かに水を湛えるカルデラ湖。
地球の懐に抱かれ、宇宙と交信しているよう。
鳥は地球の歴史とそこに息づく生命体の象徴にも思えます。永遠を感じる一句。

○断層の貝の化石や紅葉谷

故郷で過ごした思い出と重なります。色彩豊かで、取り合わせの良い句と思います。

○頰髯のブルースハープ鳥渡る

ブルースハープは、フォークソング世代としては、お馴染みの楽器。長髪と合わせた髭面の面々が浮かびます。私は拓郎の歌が好きでした。
ふたばさん (8augfkle)2022/11/12 20:49削除
第566回選句
〇紙匂う新書の鼓動鳥渡る
 新しい本を手にした時の、ときめきが伝わってきます。

〇川上に妙義遠しも渡り鳥
 険しい妙義の山のかなたを飛んでいく渡り鳥の姿に思いを馳せている。想像を駆り立てられます。

◎断層の貝の化石や紅葉谷
 リズムと切れ味のよさ。紅葉谷の情景に臨場感があります。

〇病む母の笑みの肖像暮の秋
「笑みの肖像」に母上への深い想いが感じられて心打たれました。

〇秋さやか旅先よりの阿闍梨餅
 京都から届いたのでしょうか。阿闍梨餅のもっちり感とほど良い甘さ。私も大好きです。
こがめさん (8atk17xs)2022/11/10 19:13削除
第566回麦っこ選句

〇鳥渡る那須連山の空青し
〇空の青海原の青鳥渡る
空の様子を「空青し」「空の青」の表現でイメージが違ってくるように感じます。
でもどちらも澄み渡った青空を鳥を飛んでいる景が浮かんできます。

〇断層の貝の化石や紅葉谷
「貝の化石」で紅葉谷の景が鮮明になりました。紅葉谷の季語が効いています。行ってみたいな。

◎ひと刷毛の雲纏う富士冬隣
富士山を纏っている雲の様子を「ひと刷毛の雲」と表現したのがいいなと思います。富士山の様子が浮かんできます。

〇もっきりを口で迎える冬隣
酒の大好きな方だろうな。マス酒を飲むときの景が浮かんできます。おいしそうですね。
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/8 11:45削除
◯空の青海原の青鳥渡る
 大陸から渡って来る鳥と空と海が溶け合って誰しも目に浮かぶ景。それ故に句材の類想感はあるのかも知れないが平明な表記と構成がとても佳い。逆に個性的。

◯断層の貝の化石や紅葉谷
 「断層」「化石」「谷」と続く言葉の切れ味が鋭い。

◯雨戸六枚水洗いして文化の日
 リアルな句。生活感と季節感とのバランスの妙。

◎頬髯のブルースハープ鳥渡る
 頬髯の男のロマンチックな人物像がよく分かる。「ブルースハープ」は知らなかったが調べてみると、楽器名でありながら韻律としてすっと入って来る素敵な詩語。

◯病む母の笑みの肖像暮の秋
 「笑み」が心に響く。
返信10
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/13 18:02 (No.38863)削除
568回 お題

季語 枯野

文字 切

雑詠
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/11/20 19:07削除
第568回 投句

万物の息ひそめ居り大枯野
銀杏黄落僧侶の通う切通し
小麦色の肌褒めし祖母きりたんぽ
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/20 17:13削除
第568回 投句

役割はいつも聞き役枯野道

冬もみじ周遊切符の途中下車

命綱巻いて植木屋冬木立
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/20 17:06削除
568回 投句

縄文や枯野に浮かぶ大櫓

冬晴れや切絵を抜ける馬の群

凍蝶のまとう孤高や坐禅石
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/20 15:18削除
568投句

集落の最後の児童枯野道
かんかんと呼びし踏切冬うらら
落葉落葉のっと原木運搬車
まりさん (8aq66elk)2022/11/20 09:57削除
568回投句

母許の大河を挟む大枯野
我先の葱の切っ先 夕茜
惚け封じ寺へ急坂雪ばんば
ふたばさん (8augfkle)2022/11/19 23:51削除
第568回麦っこ投句

ステッキの彼方に落暉大枯野
いつのまに細い切り傷枯野道
歌声喫茶復活の報みかん剝く
こがめさん (8atk17xs)2022/11/19 20:37削除
第568回麦っこ投句

測量士の杭を打ち込む大枯野

切株に座しておにぎり小春日和

銀杏落葉を踏まねば行けぬ滑り台
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/19 19:36削除
麦っこ 568 投句
杭打機の反響枯野のニュータウン
寒い朝体育館の金切り声
独り居の輪切りのハムと熱燗と
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/19 13:12削除
568回投句

また一つ逸れ雲行く大枯野

冬青空片道切符だけ買うて

図書館のテラスの紅茶日短か
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/15 20:37削除
568回投句
大枯野越えて安堵の酸ヶ湯かな
取分けは姉の方より切短穂
父の齢越ゆるに二年枇杷の花
返信10
こがめさん (8atk17xs)2022/10/30 19:16 (No.37845)削除
第566回麦っこ題

季語「渡り鳥」

文字「化」

雑詠
返信
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/6 23:55削除
第566回 投句

昨日より増えた朋輩渡り鳥

敷石に羊歯の化石や七五三

秋さやか旅先よりの阿闍梨餅
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/6 16:48削除
566投句

鳥渡る太古の蒼のカルデラ湖

断層の貝の化石や紅葉谷

ハロウィンの小さき南瓜を置き独居
智美さん (8dfroqvi)2022/11/6 10:26削除
第566回麦っこ投句

買い物にも行けぬ日五日渡り鳥
骨盤の不全骨折文化の日
日を溜めても少し時を枯蟷螂
ふたばさん (8augfkle)2022/11/5 22:51削除
566回投句
鳥渡る那須連山の空青し
消化剤をバッグに忍ばせ秋の旅
石段にヒスイ眼の猫秋麗
こがめさん (8atk17xs)2022/11/5 20:24削除
第566回麦っこ投句

小鳥来るローカル線の無人駅

絵手紙のお化け南瓜は笑い顔

小春日や海の匂いのレストラン
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/5 17:38削除
566回 投句

紙匂う新書の鼓動鳥渡る

劣化する胸の隅っこ草の絮

病む母の笑みの肖像暮の秋
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/4 20:32削除
第566回麦っこ投句

アングルに収まる岬鷹渡る

文化の日スワロフスキーのペン贈る

新蕎麦やびっくり水の匙加減
まりさん (8aq66elk)2022/11/4 15:14削除
566回投句

空の青海原の青鳥渡る
文化の日路上ライブの津軽三味
ひと刷毛の雲纏う富士冬隣
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/2 16:26削除
麦っこ 566 投句
川上に妙義遠しも渡り鳥
九十九里晩秋過疎化の進む村
頬髯のブルースハープ鳥渡る
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/2 09:55削除
海山の近い母校や鳥渡る
雨戸六枚水洗いして文化の日
もっきりを口で迎える冬隣
返信10
富美子さん (8ba7segn)2022/11/6 21:13 (No.38349)削除
麦船橋句会の皆さんへ
  今月は対面句会となります。
    日時  11月19日(土)12時半から
    会場  船橋中央公民館
    兼題  「焼芋」(忠男さん出句)一句
    その他 当日席題一句 当季雑詠一句
         当日欠席の方は 前日までに兼題を含めて3句富美子まで投句お願いします。
返信
返信0
まりさん (8aq66elk)2022/10/31 20:02 (No.37924)削除
第565回投句一覧&選句

「そぞろ寒」
そぞろ寒ハッピーエンドの本ばかり
じわじわと独裁の国そぞろ寒
終電の尾灯遥かにそぞろ寒
そぞろ寒健診結果の封を切る
当日券なき国宝展そぞろ寒
年ですよの医師の一言そぞろ寒
シェイクアウト訓練チラシそぞろ寒
そぞろ寒木曽に首なきマリア像
そぞろ寒ひねもす文字の渦の中
そぞろ寒監視カメラの街の中

「顔」
指回し蜻蛉を誘う真顔の子
わらべ地蔵顔よせ合うてしのぶ草
朝顔の蔓のしぶとさ庭仕舞い
地蔵顔の老爺の柿を買いにけり
ハロウィン町を笑顔の児が巡る
升酒をひょっとこ顔で秋屋台
だんまりの常の顔ぶれ鯊日和
先頭は町の顔役秋祭
坐像みな思案顔なる菊日和
顔彩の溶けゆく滲み秋思ふと

「雑詠」
こすもすや生きるというは揺れること
三千院の織部灯籠石蕗の花
霊園から見下ろす屋並秋が行く
馬上にて紅葉一望一周す
秋光や交番前に「愛」の文字
柿熟るゝ只事となる戦地の死
一つ家にジャズの流るる柿の秋
芋茎剥く還暦からの畑仕事
空き部屋の多いアパート秋風鈴
赤とんぼ死んでまだまだ飛ぶ形
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/11/6 10:16削除
第565回選句

◎そぞろ寒木曽に首なきマリア像
日本各地、山奥の林の中や裏山にも密かにマリア像があるようですが、どれを見てもそれに関わった人々の
深い思いに胸を打たれます。15,6年前、秩父のお寺でマリア像を見ました。

〇座像みな思案顔なる菊日和
衆生の様々な願いを一身に受け、ついつい思案顔になってしまうのでしょう。
「菊日和」、ほっとするような優しさが醸し出されていいかな・・と。

〇芋茎剥く還暦からの畑仕事
人生100年。還暦からでも二つぐらいの人生を歩めそうです。この句の場合、
本格的な農業を始めたのか、いわゆる市民農園的なものか・・と思いましたが。
ゆっくりと日々を過ごしている豊かさを感じました。
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/5 19:08削除
565選句

○そぞろ寒監視カメラの街の中
犯罪が起こると、監視カメラ映像が当たり前のように流れます。そんな今どきと季語がとてもあっていると思いました。

◎だんまりの常の顔ぶれ鯊日和
この季語を使ったことはないですが、ある程度の年代の男性の様子が、季語から伝わります。

○先頭は町の顔役秋祭
商業化されてない地域のお祭りの景が浮かびます。
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/5 14:12削除
第565回 選句
◎そぞろ寒ひねもす文字の渦の中
 最近ラインをよく使います。便利は便利ですが、手紙等で連絡取り合っていた頃とは重さのちがいを感じます。筆を使っていた頃とはもっと大きく違うのでしょう。

〇だんまりの常の顔ぶれ鯊日和
 近くの池の釣り人も、孤独に魚と向き合っているようです。
 
〇芋茎剥く還暦からの畑仕事
 人生百年時代、六十歳からの新たなチャレンジ。芋の茎など食べたことのない世代でしょうが、未知の世界を楽しんでいるようです。

〇赤とんぼ死んでまだまだ飛ぶ形
 死んでいるのかと手を伸ばすと飛び立つこともある蜻蛉、生体を上手く表現しています。
ふたばさん (8augfkle)2022/11/4 23:35削除
565回選句

◎終電の尾灯遥かにそぞろ寒
 遠のいていくテールランプの赤色に焦点をあて、侘しさが情趣豊かに詠われています。

〇先頭は町の顔役秋祭
 誇らしげに祭の先頭を歩くかくしゃくとしたお年寄りを想起しました。

〇こすもすや生きるというは揺れること
 生き方を教えられました。納得の一句です。

〇芋茎剥く還暦からの畑仕事
 時間にせかされることなく、たっぷりと土と陽のにおいに満たされて生きる余生。いいですね。
 むかし、縁側で芋茎を剝いたことを思い出しました。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/4 17:22削除
565回選句
◎芋茎剥く還暦からの畑仕事
 定年後にやりたかった畑仕事にやっとたどり着いた満足感。芋茎を剥くといった作業に焦点を当てたところが
 この句を印象深いものにしている。
〇終電の尾灯遥かにそぞろ寒
 終電に乗り遅れたのか、または、終電の友を見送った後の光景か?しみじみとした情感が伝わってきます。
〇坐像みな思案顔なる菊日和
 喜怒哀楽を表している顔にも見えるが、作者は思案顔と捉えた。季語がぴったり嵌っています。
〇赤とんぼ死んでまだまだ飛ぶ形
 下五を飛ぶ形で留めたところが絶妙。臨場感が伝わってきます。
まりさん (8aq66elk)2022/11/4 16:26削除
565回選句

〇先頭は町の顔役秋祭
「顔役」が秋祭にはピッタリです。顔役のみなさん80歳前後でしょうか。もっと上かも。晴れ舞台です。

〇こすもすや生きるというは揺れること
そうですね。これか先は更に。肝に銘じます。

〇一つ家にジャズの流るる柿の秋
「柿の秋」に、そうかこういうテがあったかと。素敵。いつか使わせていただきます。この場合の「一つ家」という言葉が?ですが。

◎赤とんぼ死んでまだまだ飛ぶ形
俳句としては中七が練れていないと思いますが、それもひとつの魅力なのかもしれません。蝉はひっくり返って「頑張り切りました。」という形で絶えますが、蜻蛉はこの先も飛びたい形で絶えている気がしました。

とある賞の選者が、「すべて佳什の句を揃えることは困難である。瑕疵の少ない作品を選ぶか、佳什の多い作品を選ぶかが評価の決め手となる。私自身は、どちらかというと後者の佳什を優先している。無難な作品だけではインパクトに欠ける。感性の鋭さと冒険心に溢れた作品を希求する。」と選評。
別の選者の「新味に欠けるというご意見もあったが、これもひとつの力量であると思う」コメントもありました。
麦っこはおとなしい句が多いのですが、それでも「正しい選」などは存在しません。
私の場合、気楽にその時のテンションで選をしているというのが正直なところです。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/4 11:38削除
麦っこ 565 選句
◎そぞろ寒木曽に首なきマリア像
首のないマリア像は、あるいはキリスト教弾圧の犠牲となり、あるいは先の大戦で戦火に曝されて、その多くが修復されることもなくそのままの姿で人々の信仰の対象になっている。掲句の像は、奈良井宿の大宝寺にあるマリア地蔵尊であろうか。この句は、季語の選択によってさまざまな心境を表すことができるようだ。
 余談だが、秋田の全国大会の吟行で、涙を流すマリア像に出会って、仲間とともに粛然と襟を正した記憶がある。

〇だんまりの常の顔ぶれ鯊日和
かつて鯊釣りは、船釣りで一束(100尾)、二束と数えるほどの釣果があったが、その後、半日かかって20~30尾ぐらいになってきた。掲句は、河口の岸壁に並んでいつもの顔ぶれが、だれもみな黙々と竿を捌き、ほどほどの釣果をあげているのだろう。この季節の好天気を「鯊日和」「鯊の秋」などという。

○先頭は町の顔役秋祭
秋祭は、五穀豊穣や大漁を神々に感謝しそれを祝う。町内を巡行する神輿に先立って、町の主だった人たちが練り歩く。その先頭に立つのはいわゆる町の顔役である。都市化が進み青年層が減って、神輿の担ぎ手も複数地域を股にかけるマニアの手にゆだねられ、顔役というのも姿を消して、時には自治体の首長が先導したりするのを見かけることもある。

○芋茎剥く還暦からの畑仕事
農家の子女は、長じて家業に従事するものが少なくなり、多くは都会に出て、給料生活者となる。そのうち何人かは、定年を迎えると郷里に帰って農業に従事する。いわゆる「帰耕」である。最近では、本来農家とは縁のなかった人でも、リタイアして畑仕事を生きがいとするのが多くなったようである。還暦後の20年を、元気に晴耕雨読で暮らせたら幸せな余生の一態様といえるだろう。
こがめさん (8atk17xs)2022/11/3 21:53削除
第565回麦っこ選句


〇そぞろ寒監視カメラの街の中
いろいろなところに監視カメラが取り付けられています。本当に監視されているように感じます。ありがたいような気もしますが。どうなんだろう。「そぞろ寒」の季語から「気持ちまで寒く」なりますよね。

〇ハロウィン町を笑顔の児が巡る
地域で子どもたちを見守っているのですね。一軒一軒家を回っていたこともありました。いつまでも笑顔の子でいてほしいですね。

〇馬上にて紅葉一望一周す
乗馬をしている方は背をピンとして前を向いています。馬に乘っている場所が浮かんできます。うらやましいです。

◎赤とんぼ死んでまだまだ飛ぶ形
赤とんぼの様子をよく見ています。確かに死んでも飛ぶ形です。なんだか美しさを残して逝くのですね。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/3 11:58削除
565回 選句

◎そぞろ寒ひねもす文字の渦の中  
「そぞろ」とは、確たる心構えのないままある行為をしたり、ある状態になったりするさまであるという。冬を前に無防備な中、知らず知らずに身体にも心にも兆す冷やかな感覚。
そんな季語と日常の有り様を巧く取り合わせている一句と思います。
読書なのか、執筆なのかは、わかりませんが沢山の文字に囲まれ、少しばかりうんざりしているのでしょうか?
文字の渦がいい仕事してますねー。


○坐像みな思案顔なる菊日和
世情不安の中、思案顔が様々な想像を掻き立てます。穏やかな秋との取り合わせがいいですね。

○一つ家にジャスの流るる柿の秋
本当に今年は柿が美しい。柿の秋とあえて強調したところが、実感を誘います。

○赤とんぼ死んでまだまだ飛ぶ形
虫の骸の有り様は、様々でそれぞれに心がざわつきます。作者の心が強く投影されており、共感しました。
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/2 06:37削除
第565回麦っこ選句
◯そぞろ寒ハッピーエンドの本ばかり
 本来なら明るい句材とは取合せにくい「そぞろ寒」が新鮮。
◯じわじわと独裁の国そぞろ寒
 この「国」は中国のことかも知れないが、「独裁」の取り方によっては「日本」とも言える。政権交代は必須。
◯終電の尾灯遥かにそぞろ寒
 終電の過ぎる時間帯の心模様が中七の措辞てよく伝わって来る。
◯だんまりの常の顔ぶれ鯊日和
 「だんまりの」がピッタリ。こういう写実句は中々作れない。
◎赤とんぼ死んでまだまだ飛ぶ形
 とんぼの死を詠んで「まだまだ飛ぶ形」が心に響く。
返信10
まりさん (8aq66elk)2022/10/24 09:25 (No.37490)削除
第564回投句一覧&選句

「稲」
午後からはバケツ田んぼの稲を刈る
倒伏の稲田に腕を組む男
望郷も父母ありてこそ稲の秋
死ぬるまで稲妻嫌いの母なりき
女手で組む低き稲架風の島
稲の香や田んぼアートの牛若丸
稲乾く匂い軽トラから夫婦 
稲の香や利根の左岸の飛行場
夢追いの青年百の稲架を組む
ひんがしに大沢崩れ稲の秋

「朝」
朝飯は郷から届く今年米
朝焼けの濃きくれなゐや野分あと
朝露を嗅ぐ代々の名はラッシー
食用の白き鬼灯朝市に
金木犀朝日まぶしき窓開く
下野の那須の朝寒夜寒かな
朝刊のインクの匂い初冠雪
朝からの鵯の高鳴きエスプレッソ
朝発ちて夜は帰れず村祭
秋冷や朝の気を呼ぶ鎧窓

「風を使わない風の句
花街の桜落葉の吹き溜り
水底の紅葉の揺らぎ見ておりぬ
大阿蘇や宇宙へなびく薄原
蓑虫の揺るる軒下海の里
釣り竿の括る手摺や秋の川
爽籟や木洩れ日蹴って飛ぶ鴉
芒原湖へ向かってツーリング
穂絮飛ぶ牧より牛舎までの群
野分雲疾し小川を逆立てて
穂芒の波波箒川暮色
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/11/6 09:43削除
第564回選句

〇女手で組む低き稲架風の島
男手が足りないが、働き者の女性達。子ども達も手伝いに入るのだろう。
「風の島」が印象深い。

◎ひんがしに大沢崩れ稲の秋
人間にはどうする事も出来ない大自然の崩壊。一方、長い間の人智を尽くしてきた稲作の実り。

〇朝刊のインクの匂い初冠雪
朝の冷たい空気感。新鮮で清々しい。冬は嫌だけどその少し前のこんな緊張感はいいものです。

〇爽籟や木漏れ日蹴って飛ぶ鴉
「木漏れ日蹴って」がいいです。鴉もきっと清々しい気持ちに違いない。
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/2 12:50削除
564選句

○女手で組む低き稲架風の島
狭い田んぼでも大切に育てている景が見えます。
○稲乾く匂い軽トラから夫婦
当地、夫はコンバイン、妻は機械が出来ないところの手刈り…コンバインの方が絶対楽だ。 
◎稲の香や利根の左岸の飛行場
対比で広さが伝わるのだと学びました。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/10/31 13:36削除
麦っこ 564 選句

〇女手で組む低き稲架風の島
 男たちは出稼ぎで、農作業の最も繁忙な時期しか戻らない。稲木を組む作業くらいは女手で進められるのだ。「風の島」が短い言葉で端的に局地的な気象状況を表している。
〇朝露を嗅ぐ代々の名はラッシー
 およそ80年ほど前にアメリカで映画『名犬ラッシー 家路』が公開され、日本では、1996年からテレビアニメ『名犬ラッシー』が放送された。 年齢・性別に関わらず多くの人がこの物語を視聴して感動している。 掲句は、名犬ラッシーにちなんで何代もの愛犬に「ラッシー」と名付けて愛したのだ。私が家族のように共に過ごした犬は、ラッシー(コリー)を小型にしたようなシェルティで、容貌も体型もラッシーとそっくりの賢く敏捷な犬だったが、名前は「ヴィクター」といった。 
◎朝刊のインクの匂い初冠雪
 爽やかな秋の朝、配達された新聞のインクの匂いが嗅覚に快い。紙面に少し大き目な見出しで初冠雪が報じられている。ついこの間まで暑さを託っていたのに、もうすぐそこまで冬将軍が来ているのだと…。
 いくつかの歳時記に、「富士の初雪」が秋の季語として項立てられているが、「初冠雪」はそこから出たものであろう。今年は、9月30日に富士山、10月25日に浅間山、日光男体山、甲斐駒ヶ岳などの初冠雪が発表された。この句の作者の郷里の山、岩手山は10月6日と聞く。
 富士山の冠雪は、関東一円からはもとより、理論的には条件さえ整えば、236キロメートル離れたところから望めるという。掲句の初冠雪のニュースは、どこの山のものだったのだろう。
〇朝からの鵯の高鳴きエスプレッソ
鵯は、この辺りでは一年中見かけるのだが、仲冬に入って、小学校との境のフェンスに来て、ピーヨ、ピーヨと甲高い声で鳴き、あたりを睥睨することが多くなった。「まだ、蜜柑は熟していないよ」と心中で声をかけながら、わたしは、モカを愉しんでいる。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/10/30 09:14削除
◎朝からの鵯の高鳴きエスプレッソ
 上五中七と下五との距離感。下五のエスプレッソで作者の立ち位置がよく分かります。
〇女手で組む低き稲架風の島
 この島では、稲架を組むのは女の仕事なのだろうか?低い稲架は風に強い。
〇稲乾く匂い軽トラから夫婦
 稲刈りか、稲干しの作業を終え、稲の乾いた匂いを連れて夫婦が軽トラで帰ってきた。
〇穂絮飛ぶ牧より牛舎までの群
 牧場から牛舎までの距離はかなりあるのだろう。広々とした空間を穂絮が静かに舞い飛ぶ。
ふたばさん (8augfkle)2022/10/29 21:34削除
第564回選句

〇倒伏の稲田に腕を組む男
 丹精込めた稲田の惨状。男の無念さが伝わってきます。

〇朝からの鵯の高鳴きエスプレッソ
 鵯とエスプレッソが、爽やかな朝のひとときを演出しています。

〇大阿蘇や宇宙へなびく薄原
 「宇宙へなびく」で、一層雄大な景を感じます。

◎爽籟や木漏れ日蹴って飛ぶ鴉
 この季語は遣ったことがありません。遣い方の勉強になりました。中七の表現が素敵です。
のんさん (8b8xe2bx)2022/10/29 13:01削除
第564回 選句
〇ひんがしに大沢崩れ稲の秋
 大沢崩れを東に見るのはどのあたりなのでしょうか?地名の使い方が巧みです。
〇朝からの鵯の高鳴きエスプレッソ
 けたたましい鳥の声とエスプレッソというお洒落な飲み物、意外な展開が良いです。
〇花街の桜落葉の吹き溜り
 花街と桜落葉、それも吹き溜り、哀愁と微かな色香が漂います。
◎大阿蘇や宇宙へなびく薄原
 阿蘇の薄原は見たことがありませんが、山焼きをする位の場所なので広大なのでしょう。俯瞰的な視線が良いです。
〇穂絮飛ぶ牧より牛舎までの群
 景がよく見えます。そして時間はおそらく日暮れ時、ゆっくり時間がながれているようです。
こがめさん (8atk17xs)2022/10/26 21:44削除
第564回麦っこ選句
〇倒伏の稲田に腕を組む男
一年かけて育てたのに「腕を組む」から悔しさがにじみ出ています。

〇稲乾く匂い軽トラから夫婦 
夫婦揃ってお仕事ご苦労様。家族総出でやっていたことを思い出します。

〇水底の紅葉の揺らぎ見ておりぬ
水のきれいなところで紅葉を見られるなんていいな。豊かな自然は心をほっこりさせます。
「見ておりぬ」からそう感じます。

◎爽籟や木洩れ日蹴って飛ぶ鴉
鴉のことをよく見ていますね。「切れ」がきいていいます。こんな句を作りたいです。

〇穂絮飛ぶ牧より牛舎までの群
「牧より牛舎まで」の表現で牧場の広さを感じます。牛がのびのび育っている景が浮かんできます。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/10/26 14:57削除
564回 選句

○稲の香や利根の左岸の飛行場
○ひんがしに大沢崩れ稲の秋
○大阿蘇や宇宙へなびく芒原

三句それぞれに確かな写生の眼とそこに醸し出された詩情を感じます。
稲の二句は、豊の秋を背景に「今」ある日本を的確な景の描写によって映し出しています。
阿蘇の句も然り。雄大な姿に宇宙に近い感覚を覚えます。

図らずも、地名を配した三句を選んでいました。
実景の持つ力だけでなく、季語との取り合わせが見事というほかありません。

◎爽籟や木漏れ日蹴って飛ぶ鴉

古風な爽籟という季語は、なかなか現代の感覚で使い難い季語だと思っていました。どうしても、つき過ぎになりがちでものにできないなと。しかし、この句はさらりと展開を効かせてものにしています。
「最後にいい意味で裏切りやはぐらかしのある句」とまりさんが述べていましたが、私には中七が衝撃でした。同じような景を見ても、感性という「掴み」で
俳句の質が変わるのですね。ただ、最後に飛んでいくのは鴉??
作者の意図や如何に?
まりさん (8aq66elk)2022/10/25 23:21削除
564回選句
〇倒伏の稲田に腕を組む男
これが農業の厳しい現実。切れがないからか、最初は説明っぽさが気になりましたが、何度か読むうちに気にならなくなりました。土に根差した実景句には引力がありそれが一番大事なわけで。しかし、俳句には俳句に合う呼吸のようなものがあって、説明っぽさを消さないとうまく乗りません。(理想論ですが。)切れを使ったらどうでしょう。

◎朝からの鵯の高鳴きエスプレッソ
我が家は朝から鵯の高鳴き。エスプレッソと下五でさりげなく外したところがいいですね。
重厚な句、重層性のある句を目指したいとは思うのですが、結局私の好きなのはこういう軽い句なのですよね。
「下五では、いい意味で裏切る・はぐらかす」ことの大事さを、大分の「麦」重鎮がよくおっしゃっておりました。
はぐらかす角度というか距離というか、それが大きな課題なのですが。

〇大阿蘇や宇宙へなびく薄原
中七がデカイ!大自然に出会って大自然を詠んでみたいものです。普段ちまちまと小さなモノを句材にしていますので。中七は一番モノの言えるところであり個性の出るところ。個性あふれる大冒険は読み手にとっても楽しい。

〇穂芒の波波箒川暮色
上三句が不来方さんの選と同じで気が引けましたが、この句もやっぱり加えました。芒と波が箒につながる文字の並びが面白くて。俳句は目でも読むものだと痛感します。字ずらも大事。
不来方さん (8aqapchq)2022/10/24 17:56削除
第564回麦っこ選句

◯倒伏の稲田に腕を組む男
 腕組した農夫の日焼け顔や皺、倒伏した一面の田園風景などが次々と思い浮かぶ。一枚の油彩画のようだ。

◎朝からの鵯の高鳴きエスプレッソ
 静かで淡々とした生活感がよく分かる。「エスプレッソ」への転換がいい。

◯大阿蘇や宇宙へなびく薄原
◯穂芒の波波箒川暮色
 固有名詞の句の読みは難しい。季語と固有名詞のイメージで句がほぼ完成して仕舞う。残り五音ほどが勝負。前句、「宇宙へなびく」は一見大袈裟だが、大阿蘇の風の薄原はそれ程壮大である。後句那須塩原の「箒川」は直接知らないが、「穂」「波」から続く「箒」の表記の持つ力と名詞だけの構成による韻律の力で、箒川の暮色が見事に立ち上がって来る。

◯穂絮飛ぶ牧より牛舎までの群
 風の匂いまでがぷんぷん伝わって来る地貌俳句。
返信10
太郎さん (8aq3zcoi)2022/10/10 21:50 (No.36628)削除
mgPOST
 『麦っこポスト』です。フリー・トークをお寄せください。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2022/10/31 15:12削除
「鵯」の句に寄せて -わが家の庭のゲストー
不来方さん (8b8tdv36)2022/10/31 15:02削除
月見草

まりさんへ 春巻いた我が家の月見草はまだ次々と咲いてくれます。今日は多分3輪。ただマンションのベランダなので写真は風情なしです。
天馬さん (8bszqp0p)2022/10/31 08:51削除
冬芽 by辛夷
不来方さん (8b8tdv36)2022/10/30 23:19削除
不来方高校は5年前の高校野球、春のセンバツ大会に21世紀枠で出場しましたね。部員10人。一回戦で負けましたが爽やかでした。
不来方さん (8b8tdv36)2022/10/30 22:27削除
脱穀後の稲藁と稲木
まりさん (8aq66elk)2022/10/30 11:47削除
関係ないけど。「不来方」さんつながりで

岩手の不来方高校 NHK全日本合唱コンクール第一位!
私も高校時代は合唱部にいてNHKコンクール予選には毎年参加しました。
部員も少なく、むろん毎回予選落ちでしたが、あの充実した日々を思い出しました。
新聞には、今かなり売れている若い作曲家・土田豊貴さんの談話が載っていましたが、
俳句も歌も大切にすることは同じだと思うことしきりです。
ちなみに、私の今の課題曲は 寺山修司・詩 土田豊貴・作曲 です。
まりさん (8aq66elk)2022/10/19 20:30削除
不来方さん

田圃の仕事も麦の全国大会も多分変わりませんので、永遠の課題ですね。
来年5月には、銀の会吟行復活のようですよ。

今日、「白花月見草」の種を送ってくださった秋田の重鎮から、
月見草の写真と俳句をまとめて残したいので、写真を送ってほしいという手紙が届きました。
毎年、たくさんの方に種を差し上げてはとても喜ばれていますが、写真はさてはて?
天馬さんに頼んでラインで送っていただきました。
スマホからパソコンにデータを送って画像印刷という作業を始めてやりました。
なにせ写真が下手なので画像処理などはしたことがありませんでしたから。
試行錯誤でどっと疲れましたが何でもやってみることですね~
不来方さん (8aqapchq)2022/10/19 19:56削除
まりさん
南部は早稲ですね。「棒稲架」は写真で見たり歳時記の「稲架」の例句で読んで名前は知っています。
毎年10月の半ば以降の週末は稲刈&稲架掛け、大学のミニクラス会、脱穀&籾摺り&稲架収めの行事があり、熱海は???恐々参加したいのですが.....
まりさん (8aq66elk)2022/10/17 23:37削除
不来方さん
稲刈りお疲れ様でした。夜のビールが進んだことでしょう。
稲架掛けのお米は一段とおいしいことでしょう。
南部は棒稲架(ニオとよんでました)でしたが、今は全部コンバインでしょう。

来年の全国大会は熱海(初島)です。
稲刈りとかち合わなければいいのですが。
まりさん (8aq66elk)2022/10/17 21:54削除
あらら。38階だとばかり。
方向音痴って上下にも音痴なのです。
ですからエレベーターもとても苦手です。
特に駅のエレベータ―ではホーム?改札?と毎回迷います。
例えば、ホームに行こうとして乗ったのに、?どれ?と迷うのです。
迷っている間にどなたかが押してくれます。
駅では独りでエレベーターに乗ることはありません。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/10/17 20:40削除
会場からのスカイツリー

まりさん、28階ですよー
新しくお仲間と知り合え、有意義な大会となりました。
ホテル28階より浅草寺、スカイツリーを望む。
まりさん (8aq66elk)2022/10/17 15:54削除
第70回麦全国大会は無事終了。

3年ぶりに開催できました。
麦は昭和21年創刊ですが、年一回の全国大会が70回もできたというのは大変な努力のたまものです。
麦発行も大会も会長の選・原稿もすべてボランティアですから。

浅草のホテル38階からの眺望は圧巻で足が震えました。
麦っこの皆さん、揃って頑張りましたヨ。
天馬さんも地元で賞をとられたようです。
麦っこは少々粗製乱造かなと悩むこともありますが、休まずに作り続けるという意義は大きいですね。
やっぱり役立っています。
ふたばさん (8augfkle)2022/10/16 00:08削除
素敵な風景をありがとうございました。!(^^)! m(__)m

*稲刈りをした遠い昔を思い出しました。稲の匂いと感触。みんなみんな懐かしい。

*夕やけの岩手山、いいですねぇ。天馬さんの俳句の原点でしょうか。厳しい環境にみがかれて佳句が生まれるのですね。

*実紫の色が鮮やかですね。家の近くの公園に紫が枝を伸ばしていたのですが、夏前にバッサリ切られて、無残です。楽しみにしていたのに…。
c
太郎さん (8aq3zcoi)2022/10/15 16:00削除
懐かしい風景
 近頃では、稲架は「房総のむら」や「アンデルセン公園」などでしか見ることができません。
 歳時記の中身も、もみ殻のように実態のみえない季語が増えていくようです。移動の不自由な身ですが、できるだけ季語の現場に足を運びたいと思っています。
不来方さん (8b8tdv36)2022/10/15 15:47削除
稲刈りと稲架掛けの手伝いをしました。
明日の麦の全国大会、盛会を念じでいます。
不来方さん (8b8tdv36)2022/10/15 15:44削除
天馬さん (8bszqp0p)2022/10/11 12:25削除
いま地貌俳句の原稿を書いています。有り余る自然に漫然とせず精進!します。
まりさん (8aq66elk)2022/10/11 10:07削除
風光明媚

羨ましい限り。
しかしその寒さにはもう絶えられません。
風光明媚にはリスク多々。
私はこのごちゃごちゃの町で羨ましがっているだけにします~
天馬さん (8bszqp0p)2022/10/11 09:59削除
自宅からの先日の岩手山♪
まりさん (8aq66elk)2022/10/10 22:26削除
早速ありがとうございます。
投句とおしゃべりが一緒だと煩雑かもしれません。
この先、フリートークはこちらにお願いいたします。
たくさんのトークをお待ちしております。
身近なできごと、旅のご報告など…
太郎さん (8aq3zcoi)2022/10/10 22:15削除
季語の現場
 カメラや句帳を携えて自由に出かけることができなくなり、アルバムや脳裏の記憶に頼らなければならなくなりました。
返信21