麦船橋句会

BBS
アイコン設定
投稿者さん使い方

掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
まりさん (8aq66elk)2022/12/12 12:08 (No.41193)削除
571回投句&選句(再)

「大根」
大根畑気にかけ気にかけて入所
大根の畑のしかかる太平洋
離散せし家族のその後大根汁
太陽と潮の香三浦の大根干し
真っ直ぐに大根抜きし穴に雨
夕陽射す蜑の平屋の懸大根
絵手紙の葉っぱはみ出す蕪かな
山巓の風へ預ける干し大根
掛大根夕影しるき伊吹山
「好きなだけやる」と碁仇大根畑

「流」
冬座敷我流体操いちにさん
小春日の流域セスナの幼き音
岩手山伏流水や冬日燦
あるがままに生きるは難し年暮るる
冬ざれや流刑の島を洗う波
風流に無縁な男大根引く
湧水の泡は流れへ笹子鳴く
冬天の青流離という憧憬
中流や師走の街を漂流す
流紋に天地の記憶冬ざるる

「雑詠」
鉄筋へ噛みつくショベル年詰まる
青空へ残る紅葉の志
聡明になると諭され大根食う
木枯しに拭きっ曝しの滑り台
新米や自分史に書く餓えし日々
沖縄の風にセーター脱がさるる
笹鳴きや途切れ途切れの櫂の音
便り待つそれだけの時山は雪
欝の日や鍋焼きうどん舌を焼く
まっすぐな霙に迷いなどなくて

(天馬さん追加しました。)
返信
智美さん (8kfpafc0)2022/12/19 06:56削除
第571回 選句

◎山巓の風へ預ける干し大根
「風へ預ける」がすごくいいです。三浦半島の台地の大根畑の干し大根を思いましたが
句に出来ませんでした。

〇中流や師走の街を漂流す
街へも出かけませんし、テレビで街の人出を見ているだけですが、
夜も昼も「漂流」という言葉がぴったり・・という感じがしています。

〇鉄筋へ噛みつくショベル年詰まる
「噛みつく」・・コンクリの塊が無残に噛み砕かれていく音が聞こえます。

〇便り待つただそれだけの時山は雪
青森に3年、郡山に7年暮らしました。「山は雪」、「すべて雪・・」という暮らしですよね。
郡山では毎朝雪かきをしないと学校にも会社にも行かれませんでした。
それでも子ども達は幼稚園も小学校も、行きたくないと言ったことは一度もありませんでした。
のんさん (8b8xe2bx)2022/12/18 21:24削除
第571回 選句
◎大根の畑のしかかる太平洋
 海を見下ろす畑、太平洋にのしかかるとは何とも景が大きいです。大根が元気に育っていそうです。

〇冬天の青流離という憧憬
 冬天の青から流離という憧憬への展開の意外性に惹かれました。

〇鉄筋へ噛みつくショベル年詰まる
 「噛みつく」にリアリティを感じます。

〇便り待つそれだけの時山は雪
 何の便りを待っているのでしょうか?「山は雪」への展開は謎を深めます。
ふたばさん (8augfkle)2022/12/18 15:56削除
第571回選句

◎大根の畑のしかかる太平洋
 広い大根畑と大海原。「のしかかる」の措辞に魅かれました。

〇山巓の風へ預ける干し大根
 やがて食卓にのる美味しいたくあんも、自然の力の賜物。

〇風流に無縁な男大根引く
 味わいのある句ですね。黙々と働く男の姿が見えるようです。

〇まっすぐな霙に迷いなどなくて
 雪国に暮らす人ならではの句。霙に作者にの固い石意志がこもっていて、頂きました。

*「冬構」の句。智美さん、まりさん、的確なアドバイスをいただき、有難うございました。
*「流」不来方さん、ご指摘もっともです。「流されず」と書いたつもりでしたが…。
天馬さん (8bszqp0p)2022/12/18 10:59削除
571選句

◎大根の畑のしかかる太平洋
雄大です。根雪の当地ではなかなか出来ない句です。
〇風流に無縁な男大根引く
〇中流や師走の街を漂流す
〇笹鳴きや途切れ途切れの櫂の音
まりさん (8aq66elk)2022/12/17 22:54削除
571回選句

◎大根の畑のしかかる太平洋
骨太。「のしかかる」の大袈裟感が魅力的です。こういう言葉を引っ張り出す感性のすばらしさでしょう。「言葉を知らないからいい俳句ができない」という方がいますが、その句を理解したということはその言葉を「知っている」わけです。たくさん・いろいろ・使ってみるしかありません。

〇冬天の青流離という憧憬
人は、ふるさとを離れればふるさとを想い、ふるさとに居れば遠くに憧れる。それに「冬天の青」をぽんと置いただけの見事さ。

〇中流や師走の街を漂流す
自分のことを「まあまあ中流か」と思っていたこともありましたが、デパートでは服を買わないレベルを中流とは言わないだろうと思うこの頃です。ヨーカ堂やイオン派を中流とは言わないんでは?しかし、中流を気どって師走の街を歩くのは自由!私はいつもそう思って街を歩いています。

〇流紋に天地の記憶冬ざるる
大分前に「流紋」を使った句を作ったことがありましたが、その時「流紋」という言葉が辞書になかった記憶がありました。今回も調べましたが、思った形では出て来ません。しかし、あれは、「砂紋」でも「風紋」でもなく「流紋」と言いたいと思う気持ちが私にもあります。天地の記憶としたところがいい。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/12/17 21:29削除
571回選句
◎冬天の青流離という憧憬
 抜けるような冬の青空を見て、好きな所を彷徨ってみたいという憧れを抱く。深い抒情に惹かれます。
〇夕陽射す蜑の平屋の懸大根
 海風にさらされて懸大根が夕日に映えている。この大根は、海女が小さな畑で収穫したのだろう。
 漁村のつつましい生活が偲ばれます。
〇山巓の風へ預ける干し大根
 山から冷たい風が吹き下ろす頃になると、一村の畑には一斉に大根干しが始まる。同時に厳しい冬の生活が始まる。
〇中流や師走の街を漂流す
 一億総中流と言われた頃は、やっと貧しさから脱したといった誇らしさがあったが、今は、いつまでたっても中流の
 ままという切なさが感じられます。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/12/17 11:43削除
麦っこ 571 選句
「流」」
〇風流に無縁な男大根引く
いろいろな趣味に手を染めたが、素養も無く生活のゆとりもなく、風流人とはなれずじまいだった。掲句は農事に携わる人かもしれぬが、大根を引く業にもそれなりの生きがいはあろう。余輩にはそれすらもない。

〇冬天の青流離という憧憬
 風流人にはなれず、アスリートにもなれず、目前の仕事に営々と汗を流す日々を送って、時折はドン・キホーテのような空想的理想主義者になっていた。人生の終末期に入っても、林檎の花の時季に津軽を彷徨いたいという「流離への憧憬」を捨てきれないでいる。

◎中流や師走の街を漂流す
 現代の日本人の多くが漠然とした「中流」意識をもっていると言ってよいだろう。私自身、ハイ・ソな暮らしとは全く縁がなく、不自由だらけの暮らしだが、育ち盛りの食うや食わずの暮らしとは段違いの、安穏暮らしを貪っている。年金生活の無聊を託ちつつ、今日も、当てもなく街に出て俯き加減になってさまよい歩いている。 
こがめさん (8atk17xs)2022/12/16 22:50削除
第571回麦っこ選句

〇太陽と潮の香三浦の大根干し
〇山巓の風へ預ける干し大根
〇掛大根夕影しるき伊吹山
干し大根をしている場所が浮かんできます。美味しいだろうな。「なか七」の表現がいいいなと思います。

◎新米や自分史に書く餓えし日々
米農家に育ったので米だけは食べました。地産地消だったような気がします。他の日常の生活は大変だったかな。食料だけでなく生産者に対しての感謝の気持ちを大切にしたいものです。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/12/15 12:04削除
571回 選句
○山巓の風に預ける干し大根

冬颪の吹き抜ける里の風景が広がります。厳しい冬の人々の営みを想いました。

○冬天の青流離という憧憬

漢語が多い句はつい避けてしまうのですが、冬天の青は、確かにさすらいへと人を誘う感覚を覚えます。
共感の一句。

◎青空に残る紅葉の志

裸木にならんとする梢に残る紅葉一葉。詩情を感じつつ、私は中々句にまとめきれません。
志とした所に作者の心情が重なります。未来への明るい展望に惹かれました。
不来方さん (8jrlsjab)2022/12/12 20:19削除
第571回選句

◎大根の畑のしかかる太平洋
 「のしかかる」の言葉の力に圧倒された。房総であろうか。広い大根畑と太平洋の取合せにピッタリ。

◯山巓の風へ預ける干し大根
 干し大根を吹き抜ける風が山嶺の頂上へ。山間の村の点景が「預ける」の措辞でよく見えてくる。

◇あるがままに生きるは難し年暮るる
 一句独立して読むと人事句として味わい深い。「流」の文字詠でないのが残念。テーマ詠なら頂いた。

◯風流に無縁な男大根引く
 意外と大根引きの男は風流かも。

◯便り待つそれだけの時山は雪
 素っ気ない「それだけの時」に込めた待つ心の一途さが「山は雪」で増幅して伝わってくる。
返信10
管理人さん (8aq3zcoi)2022/11/6 15:53 (No.38320)削除
mgPOST ― PartⅡ
  『麦っこポスト』が満杯になりましたので更新します。引き続きお気軽にお立ち寄りください。
返信
まりさん (8aq66elk)2022/12/18 21:38削除
ああ雪
覚悟するしかありません。
千葉に出てきて、一番不公平だと思ったのは冬の天気です。
連日の晴天がもったいなくて申し訳なくて。
不来方さん (8b8tdv36)2022/12/18 12:29削除
天馬さん 叱られるかも知れませんが羨ましい限りです。
天馬さん (8bszqp0p)2022/12/18 11:08削除
朝から雪かき💦
家庭菜園のコンポスターも冬眠に入りました。
不来方さん (8jrlsjab)2022/12/5 13:54削除
まりさん 朝日俳壇、見て頂いてありがとうございます。小林貴子さんはありふれている句材を少しずらして作った句が好きなのかも。恥ずかしながら「枝豆や平行線の人生論」10月末の稲木収め・秋収めの句でした。
まりさん (8aq66elk)2022/12/4 21:03削除
承知致しました。
何時も早い投句の方の投句がないので、そうかなあとも思ったのですが。
新人さんかとちょっぴり期待したのも確か~。
不来方さん (8jrlsjab)2022/12/4 20:57削除
投句者名の間違い

まりさん 皆さん すいません。570回の投句者名1214smは削除用パスワードの間違いで不来方です。
まりさん (8aq66elk)2022/12/4 09:39削除
不来方さん

朝日俳壇入選おめでとう~!
動詞を使わないシンプルな言葉だけの句には底力がありますね。
こがめさん (8atk17xs)2022/12/3 11:47削除
雪兎可愛いです。義姉から雪が降ったよと連絡がありました。私は雪国育ちなのでいいことも悪いことも体験していますが、今は懐かしいです。でも大変だろうな。気をつけてください。句を楽しみにしています。
まりさん (8aq66elk)2022/12/2 16:39削除
雪!寒い・寒い4か月。
雪の便りが届くと真っ先に思うのは、吹雪の中、独りで下校し、家族が帰るまで独りでいる小さな子たちのこと。
せめて、納得のゆく俳句が生まれるといいですね。
天馬さん (8bszqp0p)2022/12/2 14:08削除
あと4ヶ月頑張ります❣️
太郎さん (8aq3zcoi)2022/12/2 11:45削除
雪景色
 早くも里の雪景色ですか。わたしの数少ない雪国での体験は、いずれもほっこりと暖かい、第二第三の故郷のような思い出を残してくれています。が、豪雪地帯では、これから命がけの雪との戦いが始まるのでしょう。戦いながら冬にもある楽しさを味わい、無事に希望の春を迎えられるよう祈るばかりです。
  花をのみ待つらむ人に山里の雪間の草の春を見せばや  藤原家隆
天馬さん (8bszqp0p)2022/12/2 08:28削除
とうとう……❄️
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/24 17:49削除
まりさん、田沼氏の言葉を肝に銘じまする!
一番仲の良い俳句の友達から、天馬の句は選者から褒められたい句だよーと言われていますが、褒められて育ったんで、いくつになっても褒められたいと居直ってます。
まりさん (8aq66elk)2022/11/24 11:20削除
選評の続き。
◇師・田沼文雄は、20年以上も前に「俳句がうまさを競う時代は終わった。それぞれの個を正直に表現してゆく。自分の思いを大事にした句を。」
と言っています。
◇どなたが言った言葉かわかりませんが、たまたま出てきたメモにズッシン。
俳句がうまくなることで、自分の感動をずらしてしまうことはないか。
自分が感じたものは他の誰のものでもないから、一般的な俳句にする必要はない。何のために俳句をやっているのか、それをいつも自分に問いかけてほしい。
ほどよい季語や取り合わせで自分の俳句を衰弱させてはいないか。自分と関係ないところでの言葉の操作は虚しい。
もう少し辛抱強く徹底して自分のものにする。
◇しかしですね。
そのためには技術・勉強は必要不可欠です。
17文字になればいいと言っているわけではありませぬ。
◇「わかる」とはいえないけれど、素敵だなあ・惹かれるなあと感じる句はたくさんあります。
自分のイメージにいまいち自信ないけれど、私にはない深さや広がり・美しさに圧倒されることはあります。
そういう自分も大事にしたいと思っています。
◇「麦」会長対馬康子さんの言葉に「本当のことを言うための嘘・造られた嘘の本当」があります。
嘘のように書かれた嘘には共感できないが、本当のことを本当に書いただけの句はもっとつまらない。と。

◇焦らずに、ゆっくりと学んでいくしかない‥‥エラそうにスミマセン。
まりさん (8aq66elk)2022/11/21 20:16削除
PCトラブル

PCも休みたい時があるようです。トラブったらまずはコードを全部抜いてしばし休んでいただく…。
老化したPCほど休みたがる気がしますし、こちらが急くとストライキを起こします。
私のPCは7年目に入りヒヤリとすることが増えました。
替えるとまたバージョンが上がっていて混乱するのでしょうね。
何がどこの抽斗にはいっているのか探すのが大変です。
もう暫くはコード・コンセントの確認と休養で乗り切りたいのですが。

PCがフリーズ、画面が真白になるのは放電ができていないためだと言われました。
ノートパソコンの場合は、裏の上、両サイドのレバーを動かしてバッテリーを外して90秒放置。
バッテリーを元に戻します。リスクもあるとは言われましたが、何度かやっています。

もう、PCのない生活は考えられません。
不来方さん (8aqapchq)2022/11/21 13:23削除
568回の麦っこ選句の最後にMicrosoftエッジのトラブルのアドバイスをお願いしましたが、接続をやり直して再起動すると修復しました。お騒がせしました。
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/18 16:48削除
食べませんでしたが、記念にパチリ。
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/14 09:43削除
太郎さん 565回の「そぞろ寒」の弊句の「首なきマリア像」はご指摘の通り奈良井宿大宝寺の「マリア地蔵尊」です。マリアだけでなく抱いている嬰児の首もない状態で山中に埋められいたていたそうです。わずかに胸の十字架が残っているのみ。江戸期のキリシタン弾圧の凄まじさは想像を超えています。
こがめさん (8atk17xs)2022/11/13 19:52削除
素敵な二重虹の写真ありがとうございます。自然が豊かですね。田舎に帰りたくなります。
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/13 19:43削除
Re.二重虹

写真のような見事な二重虹は記憶にありません。良いことがありそうです。
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/13 18:04削除
冬の二重虹。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/11 14:07削除
ビスケット
 加齢のために心身がかなり衰えて、周囲の人からたくさん馬助っ人(バスケット)をいただいているが、わたしも、わたしなりの微助っ人(ビスケット)をしている、と思いたい。
まりさん (8aq66elk)2022/11/10 23:11削除
微助っ人(ビスケット)

今日の新聞に、「樋口恵子さん、老いを語る」の中の言葉。(樋口さんが作った言葉ではないのですが)
大したことができなくても、まだ体が(頭が)動くから、何かお役に立つことがあれば、という気持ちを表す言葉。
いい言葉ですね。
わたしもあなたも「微助っ人・ビスケット」
まりさん (8aq66elk)2022/11/8 20:57削除
白咲月見草

我が家もベランダ栽培。私の部屋からすぐ見えるところ。毎日咲いています。
あちこち向いている気がしますが、断然ワタシの方を向いて咲くのが多い~♪
月蝕。ときどきベランダから見ています。
麦への投句がまだなので、そっちを頑張らないと…。
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/8 19:44削除
マンションのベランダの月見草が夕方から開きました。よく観察してみると少しずつに満月&月蝕の方向に向きを変えています。しかも西の角部屋なので月は見えません。
もうすぐ皆既日食のピーク。外に見に行って来ます。
返信25
まりさん (8aq66elk)2022/12/5 10:38 (No.40595)削除
570回投句一覧&選句

「冬構」
やって来た庭師の無口冬構え
冬構除雪安全祈願祭
冬構え荷物リュックに一纏め
学校は鉢の引っ越し冬構
山男助っ人に来て冬構
軒下のスコップ大小冬構
真新しき縄の切口冬構
新しき縄目無住の冬構
柴垣の棕櫚縄替えて冬構
鉢の木を納戸に仕舞う冬構

「追」
焼鳥の追加注文高き声
小春日や「ひるのいこい」の牛追唄
白バイの追跡音や急に冬
少年の銀輪追って空っ風
追従は苦手下座の忘年会
追伸に読み取る本音冬薔薇
枯葉追う枯葉叶わぬこと願う
皆我を追い越してゆく師走かな
一呼吸おいて師走の追悼句
追いかける夢の幽けし冬の虹

「雑詠」
日に滲む冬菊の黄や会者定離
さまざまな落葉抱えて老人夫
住所録を点検するも冬構
山カフェのア・ラ・モード枯葉散る
冬茜梢を移る鳥の影
熊穴に脂肪ぶるりと震わせて
鯛焼きの余りの一尾ジャンケンポン
木枯しに逆らい向かうデリバリー
松本楼のアールグレイや銀杏枯る
凩や鬼門に坐る石仏
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2022/12/12 14:25削除
麦っこ 570 選句

「追」
〇追伸に読み取る本音冬薔薇
 ひところ、「忖度」という語がしきりに言われたことがある。日本語には、真っ直ぐに言わず、含蓄をもたせたりほのめかしたりする表現が多くある。それを読み取れないと、理解力の多寡を問われ、空気の読めない奴と誹られたりする。手紙の本文でなく、追伸にそれとなく表している本音を読み取って相手を思いやる優しさを表現している句だ。

「雑」
◎冬茜梢を移る鳥の影
夏の鮮烈な、絢爛たる夕焼けに比べて、冬のそれは、淡く短く、気づかずに過ぎてしまうことが多いのだが、夏の夕焼けとは別のはかなく、あわれな趣を蔵している。その冬茜を背景にして、影絵のように空に浮いて見える樹木に小鳥が来ていて、敏捷な動作で枝移りするシルエットを見ているのである。ことさらのテーマ性をもたせることはなく、素描のような簡素な句だが、かっちりとした構成と無駄のない表現で味わい深い句となっている。

〇凩や鬼門に坐る石仏
 江戸城の鬼門に寛永寺、裏鬼門には増上寺を置いた。神田神社、日枝神社もその類と聞く。農村でも主要道路の鬼門にあたる方角に石仏を置き、鬼門封じをしたのである。わが家の玄関はどうも鬼門の方角に当たるらしい、と、この頃少し気になっている。日本人は、特定の宗教を信仰しない人でも、古くからの言い伝えなどを重んじたり気にしたりしているようだ。
智美さん (8dfroqvi)2022/12/11 22:35削除
第570回  選句

〇山男助っ人に来て冬構
山男の作業の手早さ正確さは何よりの味方。まりさんの言われるように
「山男」が下五に来た方が、彼(ら)の印象が強まり、きびきびした動きまでが想像されます。

〇新しき縄目無住の冬構
夫の実家の奥能登では兄も嫁いだ姉も亡くなり、その子供たちは皆都会暮らしです。
それぞれ無住となった家ももうとっくに冬仕度を終えている事でしょう。

◎枯葉追う枯葉叶わぬこと願う
同じ風に乗った枯葉は前を行く枯葉に追いつきません。叶わぬとわかった時どうするのか。
「枯葉追う枯葉」に引き込まれました。

〇日に滲む冬菊の黄や会者定離
「会者定離」、久しぶりに出会った気がしました。「冬菊の黄」がよく似合います。
のんさん (8b8xe2bx)2022/12/11 17:22削除
第570回 選句
〇真新しき縄の切口冬構
〇新しき縄目無住の冬構
〇柴垣の棕櫚縄替えて冬構
 出題しておきながら、集合住宅住まいには「冬構」難しかったです。三句の共通点は「縄」見るべき所を見ているなと反省しました。

◎皆我を追い越してゆく師走かな
 心象風景でしょうか。雑踏の街に取り残されている自分を俯瞰している作者がいるようです。

〇一呼吸おいて師走の追悼句
 「一呼吸」そこに作者の心情が凝縮されています。。
天馬さん (8bszqp0p)2022/12/11 13:37削除
507選句

〇真新しき縄の切口冬構
ご近所に早々と丁寧な雪吊りをする方がおり、今年も綺麗な切り口見せています。
〇新しき縄目無住の冬構
お寺さんでしょうか、独居のお宅でしょうか。想像が膨らみます。
〇追伸に読み取る本音冬薔薇
私もお題の文字から追伸を思い浮かべチャレンジしましたが上手く行きませんでした。季語の清冽さが良いです。
◎一呼吸おいて師走の追悼句
俳句大会で高得点の常連の方が相次いで亡くなり、追悼投句が続きました。笑顔のイメージの方はその様子の追悼句が多く、人は意外と外からは同じようなイメージで受け止められているのだぁとおもいました。
一呼吸の静と師走の動のバランスが良いと思いました。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/12/10 21:14削除
570回 選句
○新しき縄目無住の冬構
人知れず戻ってきた住人の思いを、十二分に伝える新しき縄目。厳しい冬との対比も見え、心温まる一句です。

○枯葉追う枯葉叶わぬこと願う
前段の激しい動きの描写と後段の密やかな静かな願いの落差に惹かれます。

◎皆我を追い越してゆく師走かな
季語を生かして、人生の悲哀を詠みあげています。現在と過去未来が一句に内在し、奥行きと深みを感じる句だと思います。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/12/10 18:04削除
570回選句
◎新しき縄目無住の冬構
 無住寺であっても、毎年この時期になると彼方此方手を加えて冬構えをする。新しい縄の結び目を見て
 冬に入った実感を強くしているのだろう。
〇追従は苦手下座の忘年会
 人付き合いが苦手なもんで、忘年会の時はいつも末席を汚しております。よくわかります。
〇冬茜梢を移る鳥の影
 冬茜という冬を表す美しい季語が生きています。
〇凩や鬼門に坐る石仏
 災厄から守って頂いている石仏が、凩にじっと耐え忍んでおられる。有難いことです。
まりさん (8aq66elk)2022/12/10 18:03削除
570回選句

◇山男助っ人に来て冬構
「て」は便利ですがどこか緩くなります。冬構助っ人に来る山男?

〇軒下のスコップ大小冬構
私の冬構は、室外機の下が定位置の移植シャベルひとつで足ります。邪魔!と増やすことを禁じられている植木鉢の冬支度。メダカの冬支度はとっくに終わりました。

〇一呼吸おいて師走の追悼句
句友への追悼句なのでしょうか。人伝に遅れて届く訃報にはしんみりしてしまいます。先月、「麦」を支えてきた巨星がまたひとつ消え、私も「一呼吸置いて」から追悼句を作りました。

〇日に滲む冬菊の黄や会者定離
冬菊との取り合わせに惹かれました。四文字熟語は4文字で壮大なことを語るので、俳句ではあまり使わない方がいいと思うのですが、私も時々苦し紛れに使います。「会者定離」は麦っこで使った記憶が。自戒。

◎凩や鬼門に坐る石仏
気が付いたことはありませんが、こういう景はどこかにありそうです。智美さんの句はシンプルで立ち姿がよくて惹かれます。
こがめさん (8atk17xs)2022/12/10 17:51削除
第570回麦っこ選句

〇真新しき縄の切口冬構
〇新しき縄目無住の冬構
〇柴垣の棕櫚縄替えて冬構
3句とも縄のことをうたっているが焦点の当て方が参考になりました。

◎小春日や「ひるのいこい」の牛追唄
「ひるのいこい」がラジオから聞こえてきたのだ。ととてものどかに感じます。岩手の民謡いいな。

〇鯛焼きの余りの一尾ジャンケンポン
とても微笑ましい景ですね。きっと美味しいだろうな。
ふたばさん (8augfkle)2022/12/6 10:59削除
第570回麦っこ選句

〇真新しき縄の切口冬構
〇新しき縄目無住の冬構
 二句とも縄を書いていますが、一句目は切り口に焦点をあて、よくものを観察していていることに感じ入りました。
 二句目は「無住」に、想像力を掻き立てられます。都会に出た人が、実家に帰って来たのだろうか、と。

〇追伸に読み取る本音冬薔薇
 「追伸」の本音、分かります。それが言いたかったのか、と。冬薔薇が巧みですね。

◎さまざまな落葉抱えて老人夫
 老人の重い人生が、軽い落葉で表現されており、「さまざまな」が効いていると思いました。
不来方さん (8jrlsjab)2022/12/5 13:50削除
第570回麦っこ選句

◯新しき縄目無住の冬構
 「無住の冬構」が魅力的。この「縄目」をどう読むかが難解だったが勝手読みで(廃寺でも色んなところに縄が使われている。銅鑼や銅鐸の縄、神仏習合のしめ縄など。そんな縄を冬将軍到来の前に新しく取り替えてしっかりと結ぶ。廃寺とはいえかつて村落や町の中心だった。日本人に脈々と流れる共同体意識を垣間見るような冬構えである)

◯追従は苦手下座の忘年会
 俳諧味あふれる人情句。「下座」が効いている。

◯追伸に読み取る本音冬薔薇
 建前と本音は手紙やメールには付きもの。さりげないことでも追伸には本音が含まれていそうだ。微妙な人間心理を詠って巧い。

◯皆我を追い越してゆく師走かな
 この「師走」は一年という時間軸でもあり「一生」という時間軸でもある。ゆっくりと過ごした一年、ゆったりと生きている余生。世の中は何ごとも慌ただしい。

◎日に滲む冬菊の黄や会者定離
 一応無神論者であるが「会者定離」という仏語には共鳴。取り合せた冬菊の「黄」、しかも日に滲む「黄」に、移ろわぬものなど存在しないこの世の無常を感じる。
返信10
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/12/4 09:18 (No.40524)削除
第571回兼題
 流れゆく大根の葉の速さかな
季語 大根
文字 流
雑詠
返信
天馬さん (8bszqp0p)2022/12/12 11:50削除
571投句

大根畑気にかけ気にかけて入所
岩手山伏流水や冬日燦
まっすぐな霙に迷いなどなくて
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/12/12 06:55削除
571回 投句
遅くなりました。


離散せし家族のその後大根汁

流紋に天地の記憶冬ざるる

便り待つそれだけの時山は雪
ふたばさん (8augfkle)2022/12/12 00:51削除
第571回投句

絵手紙の葉っぱはみ出す蕪かな(訂正)
あるがままに生きるは難し年暮るる
沖縄の風にセーター脱がさるる
ふたばさん (8augfkle)2022/12/12 00:29削除
智美さん (8dfroqvi)2022/12/11 21:38削除
第571回  投句

大根の畑のしかかる太平洋
冬天の青流離という憧憬
笹鳴きや途切れ途切れの櫂の音
のんさん (8b8xe2bx)2022/12/11 18:52削除
第571回 投句

太陽と潮の香三浦の大根干し

冬ざれや流刑の島を洗う波

欝の日や鍋焼きうどん舌を焼く
こがめさん (8atk17xs)2022/12/11 15:40削除
第571回麦っこ投句

真っ直ぐに大根抜きし穴に雨

冬座敷我流体操いちにさん

木枯しに拭きっ曝しの滑り台
太郎さん (8aq3zcoi)2022/12/11 09:52削除
麦っこ 571 投句
夕陽射す蜑の平屋の懸大根
小春日の流域セスナの幼き音
新米や自分史に書く餓えし日々
まりさん (8aq66elk)2022/12/10 17:54削除
571回投句

山巓の風へ預ける干し大根
湧水の泡は流れへ笹子鳴く
鉄筋へ噛みつくショベル年詰まる
不来方さん (8b8tdv36)2022/12/9 12:03削除
第571回投句

掛大根夕影しるき伊吹山

中流や師走の街を漂流す

青空へ残る紅葉の志
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/12/6 21:03削除
571回投句
 大根3句
「好きなだけやる」と碁仇大根畑
風流に無縁な男大根引く
聡明になると諭され大根食う
返信11
富美子さん (8ba7segn)2022/12/8 19:41 (No.40875)削除
麦船橋句会12月例会のお知らせ
  1,日時   12月17日(土)12時半から
  2,会場   船橋中央公民館
  3,兼題   「冬晴」(優さん出題)一句
  4,その他  席題 一句  雑詠一句
      かなり寒くなっていることと思います。
      気を付けてお出かけ下さい。
      欠席の方は、3句事前投句を富美子までおねがいします。
返信
返信0
まりさん (8aq66elk)2022/11/27 20:19 (No.39933)削除
569回投句一覧&選句

「笹鳴」
谷津干潟潮満ちくれば笹子鳴く
笹子鳴く絹街道の終着地
笹鳴きや曲り廊下を湯殿まで
笹鳴きや走り根跨ぐ遊歩道
笹子鳴く此処は昭和の団地跡
笹鳴きや高野に開く伽藍絵図
塞がりし手掘り坑道笹鳴けり
笹鳴や寺に供養を待つ人形
札幌の子に笹鳴を教えたし

「離」
見えてきた帽子の距離にスキー場
黄落や大道芸の離れ業
離職票のA3サイズ冬の虹
離れ松の小さき墓石草紅葉
冬うらら離陸の飛機の消えるまで
碁仇を待つ離れの間柿落葉
噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
厭離穢土灯ともし頃の冬紅葉
挙家離村美濃の山々時雨るるか

「雑詠」
朴落葉その先鬼の通る道
水脈交差昨日と同じ数の鴨
男等のアップルパイを焼く小春
栄養素を気にするランチ一葉忌
鳴くことも生の証や冬の鳥
凩や琥珀を磨く鞣革
濃墨の円相はたと冬椿
和菓子屋の小さな出店冬もみじ
亡き兄の写経の束や虎落笛

智美さんは今回お休みです。
返信
天馬さん (8bszqp0p)2022/12/7 15:26削除
569選句

〇笹鳴きや曲り廊下を湯殿まで
〇笹鳴や寺に供養を待つ人形
〇離れ松の小さき墓石草紅葉
◎噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
〇凩や琥珀を磨く鞣革

選句、遅くなりすみません。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/12/4 11:45削除
麦っこ 569 選句
「笹鳴」
○笹子鳴く此処は昭和の団地跡
 昭和の一時期、わが町でも雨後の筍のように次々と団地が造成されたが、近年、社会の高齢化・少子化の波に乗って、急速に空洞化しつつある。銀行や大手スーパーが撤退し、空き家が目立つようになった団地の庭に、伸び放題になった樹木が、季節が来れば花を咲かせ、小鳥たちもやってくる。「団地跡」は、老朽化した団地群が解体されたり、廃墟のまま残されたりしているのであろう。

「離」
○噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
ドクターヘリは、地上を走る救急車よりもさらに緊急かつ重大な救急医療の場面で働くものである。かつて、城址公園に隣接する広場でドクターヘリの出動に遭遇したことがあるが、ドキュメンタリー映画の一シーンのように緊迫した空気が伝わってきた。掲句は、ヘリコプターが始動して、あたりの落葉が「噴き上がる」さまをいい、簡素な骨太の表現で迫力のある一句に仕立てた。

「雑詠」
◎朴落葉その先鬼の通る道
 からからに乾いた朴の大葉がバサッと音をたてて落ちると、あたりの静けさが一層深く感じられる。その閑寂の中に身を置いていると、「ちちよ ちちよ」とはかなげに鳴く声に誘われて鬼が現れそうな気がしてくる。朴落葉の奥の「鬼の通る道」は、神・鬼・霊などが棲む超人間的な世界であり、一歩足を踏み入れると現実離れした、神秘的な気分や想念に襲われるのである。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/12/4 09:14削除
569回選句
◎噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
 非日常的な場面の一瞬を切り取った描写が素晴らしい。
〇黄落や大道芸の離れ業
 コロナ禍で大道芸を見る機会もないが、色付いた落葉と大道芸には格別の風情がある。
〇朴落葉その先鬼の通る道
 朴散華・朴落葉と朴の木には、散った後の姿に特別の思いが寄せられているように思われる。
 落葉の先に鬼の通る道がつながっているのも分かるような気がする。
〇和菓子屋の小さな出店冬もみじ
 懐かしい景色に触れた思いがします。
ふたばさん (8augfkle)2022/12/4 00:05削除
麦っこ569回選句

〇塞がりし手掘り坑道笹鳴けり
 手掘り坑道に昔の苦労がしのばれます。季語が効いています。

◎噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
 「噴き上がる」に緊迫感が伝わってきて臨場感があります。

〇挙家離村美濃の山々時雨るるか
 侘しい風景が見えてきます。ダム建設でもあったのでしょうか。切ないですね。

〇朴落葉その先鬼の通る道
 朴落葉と鬼の取り合わせが絶妙。民話にありそうな感じです。
まりさん (8aq66elk)2022/12/3 16:38削除
569回選句

〇笹鳴きや曲り廊下を湯殿まで
湯殿までの長い廊下はよくありますね。笹鳴きが聞こえるなんて何と素敵な。日本の豊かな景。
・碁仇を待つ離れの間柿落葉
麦の先輩の句「途中まで碁仇送る十三夜 八太郎」を思い出しました。いつの時代も、碁仇とはかけがえのない親友でもあるのでしょう。「待つ」ではなく「送る」でも是非一句!

〇朴落葉その先鬼の通る道
朴葉は大きいのでバサリと音を立てて落ちます。あの渋い銀色の枯葉は何とも神秘的。その先に鬼が通ると言われればそういう気がします。

◎凩や琥珀を磨く鞣革
朝ドラ「あまちゃん」で、布のようなものでいつも琥珀を磨いている寡黙なオジサンがいましたが、あれは鞣革だったのね。さすが、あまちゃんの里出身のちこりんさん。今、兼題の「凩」に悩んでいますが、「凩」はこういう風に使うのだなあ。

毎回副反応が強いので迷いましたが、身近に陽性者続出なので5回目のワクチン接種をしました。
やはり38度の熱が出ましたが、今回は一錠の解熱剤で復活できました。
のんさん (8b8xe2bx)2022/12/3 14:38削除
第569回 選句

〇笹鳴きや曲り廊下を湯殿まで
 温泉ともしばらくご無沙汰しています。「湯殿まで」と行動がはっきりしているので、どんな湯なのかとの高まる気持ちも感じられます。
◎笹鳴や寺に供養を待つ人形
 人形の始末は悩むものです。焼却を待つ人形は可愛くても悲しい、良い場面を切り取っていると思います。
〇噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
 山岳救助でしょうか、臨場感に溢れています。目の前に景を見せてくれています。
〇亡き兄の写経の束や虎落笛
 「束」とあるのである程度の数、どんな気持ちで書いていたのかなどと、お兄様を偲ばれているのでしょう。
こがめさん (8atk17xs)2022/12/1 18:42削除
第569回麦っこ選句

〇碁仇を待つ離れの間柿落葉
囲碁仲間ですね。日常の心の通いが伝わってきます。いいですね。柿落葉で場所の景が浮かんできます。

◎噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
瞬間の景に焦点を当てて臨場感があります。よく見ていますね。
句またがりの参考になりました。

〇鳴くことも生の証や冬の鳥
そうですね。納得しました。

〇亡き兄の写経の束や虎落笛
「写経」を繰り返し書いていたお兄さんへの思いが伝わってきます。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/12/1 11:48削除
569回 選句

○笹鳴きや曲り廊下を湯殿まで
山峡の宿が浮かんできました。閑けさと澄んだ空気の中、笹鳴きが聴こえてきます。

○塞がれし手彫り坑道笹鳴けり
何の坑道かは分かりませんが、故郷の裏山が浮かんできました。取り合わせに惹かれた一句です。

○黄落や大道芸の離れ業
都会の広場に降り注ぐ落葉と大道芸を楽しむ人々の笑顔が見えるようです。

◎噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
瞬間を切り取った一句。
落葉の動きやヘリの爆音がリアルに迫ります。
噴き上がるが一句を支配しています。
言葉をいかに見い出すか。俳句の肝ですね。
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/28 16:47削除
第569回選句

◯笹鳴きや曲り廊下を湯殿まで
 動きのある下12の措辞が中々。こういう温泉宿に泊まってみたい。

◯ 塞がりし手掘り坑道笹鳴けり
 廃鉱と笹鳴の取合せはありそうだが、「手掘り坑道」の描写と「笹鳴けり」の強調がいい。

◎ 噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
 離陸と同時に落葉が噴き上がるとは、リアル且つ迫力があるシーン。

◯挙家離村美濃の山々時雨るるか
揖斐川の徳山ダムは2008年完成の日本一の貯水量を誇る。一村が挙家離村した。遥かに望む美濃の山々は黒い雲が覆い時雨催い。徳山村から岐阜辺りに移住した人の望郷の念を詠ったのだろう。

◯ 凩や琥珀を磨く鞣革
 鞣し革で琥珀を磨く職人の厳しい顔と凩とがピッタリ。
返信9
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/27 08:49 (No.39868)削除
第570回 麦っこお題

 季語   冬構
 文字   追
 当季雑詠

よろしくお願いいたします。
返信
天馬さん (8bszqp0p)2022/12/5 08:07削除
570投句

冬構除雪安全祈願祭
白バイの追跡音や急に冬
熊穴に脂肪ぶるりと震わせて
智美さん (8dfroqvi)2022/12/5 07:00削除
第570回 投句

やって来た庭師の無口冬構え
皆我を追い越してゆく師走かな
凩や鬼門に坐る石仏
のんさん (8b8xe2bx)2022/12/4 18:46削除
第570回 投句

冬構え荷物リュックに一纏め

追従は苦手下座の忘年会

鯛焼きの余りの一尾ジャンケンポン
こがめさん (8atk17xs)2022/12/4 16:02削除
第570回麦っこ投句

学校は鉢の引っ越し冬構

焼鳥の追加注文高き声

木枯しに逆らい向かうデリバリー
ふたばさん (8augfkle)2022/12/3 23:13削除
第570回麦っこ投句

山男助っ人に来て冬構
少年の銀輪追って空っ風
松本楼のアールグレイや銀杏枯る
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/12/3 17:10削除
570回 投句

軒下のスコップ大小冬構

追いかける夢の幽けし冬の虹

山カフェのア・ラ・モード枯葉散る
まりさん (8aq66elk)2022/12/3 16:35削除
570回投句

真新しき縄の切口冬構
枯葉追う枯葉叶わぬこと願う
冬茜梢を移る鳥の影

ようこそ!1214smさん
投句した週は選句をお願いいたします。
ルールはそれだけです。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/12/2 10:39削除
麦っこ 570 投句
新しき縄目無住の冬構
小春日や「ひるのいこい」の牛追唄
日に滲む冬菊の黄や会者定離
1
1214smさん (8jrlsjab)2022/12/2 09:36削除
第570回投句

柴垣の棕櫚縄替えて冬構

一呼吸おいて師走の追悼句

さまざまな落葉抱えて老人夫
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/29 09:58削除
570回投句
鉢の木を納戸に仕舞う冬構
追伸に読み取る本音冬薔薇
住所録を点検するも冬構
返信10
まりさん (8aq66elk)2022/11/20 19:49 (No.39343)削除
568回投句一覧&選句

「枯野」
万物の息ひそめ居り大枯野
役割はいつも聞き役枯野道
縄文や枯野に浮かぶ大櫓
集落の最後の児童枯野道
母許の大河を挟む大枯野
ステッキの彼方に落暉大枯野
測量士の杭を打ち込む大枯野
杭打機の反響枯野のニュータウン
また一つ逸れ雲行く大枯野
大枯野越えて安堵の酸ヶ湯かな

「切」
切株に座しておにぎり小春日和
寒い朝体育館の金切り声
かんかんと呼びし踏切冬うらら
いつのまに細い切り傷枯野道
冬もみじ周遊切符の途中下車
我先の葱の切っ先 夕茜
銀杏黄落僧侶の通う切通し
冬青空片道切符だけ買うて
冬晴れや切絵を抜ける馬の群
取分けは姉の方より切短穂

「雑詠」
歌声喫茶復活の報みかん剝く
銀杏落葉を踏まねば行けぬ滑り台
独り居の輪切りのハムと熱燗と
落葉落葉のっと原木運搬車
惚け封じ寺へ急坂雪ばんば
図書館のテラスの紅茶日短か
父の齢越ゆるに二年枇杷の花
小麦色の肌褒めし祖母きりたんぽ
命綱巻いて植木屋冬木立
凍蝶のまとう孤高や坐禅石
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/12/3 11:59削除
568回 選句

〇集落の最後の児童枯野道
〇大枯野越えて安堵の酸ヶ湯かな
〇冬もみじ周遊切符の途中下車
〇父の齢越ゆるに二年枇杷の花
◎凍蝶のまとう孤高や坐禅石
c
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/27 14:33削除
麦っこ 568 選句
選評568 
「枯野」」
◎万物の息ひそめ居り大枯野
 満目蕭条としずまりかえった枯野を見渡す詩人の五感は、野面をわたる風にそよぐ草の、僅かな動き、微かな音の底に、来るべき春に備えて身を養っている数知れぬ生き物の息吹を感じ取っているのだ。鳥や獣、草や木、そして石ころや土くれまでもが、やがて躍動する季節を待って息を潜め、季節の移り変わりを全身で感じているのである。

〇集落の最後の児童枯野道
 かつて賑やかな話し声とともに登下校していた子どもたちが、今は少なくなって、この子たちが卒業すると児童は一人もいなくなる。枯野に草が生え、花が咲くころには、集落の学区の小学校は廃校になってしまうのだろう。私の住む市にも、このような現象が見えはじめている。

〇母許の大河を挟む大枯野
 利根川沿いの高台から両岸に広がる田園地帯を見渡すのは好きな眺望のひとつである。平地に居ても、例えば渡り鳥の視点で平野を俯瞰的に見渡すイメージを描くのもよい。「大河を挟む大枯野」は、魅力的な表現である。「母許の」は、「―許」の意味・用法に少しぶれがあるように思われるが。

○また一つ逸れ雲行く大枯野
 広い枯野と明るい小春の空、座るか仰向けに横たわるかして、くつろいでいるのだろう。作者の位置、時間、心境などを思い浮かべるうちに、磐城平のほうへ往く「雲」を連想した。

「切」
○冬もみじ周遊切符の途中下車
 むかし、学割(5割引きであったように思う)の周遊券で初めての一人旅に出かけたのを思い出す。停車時間の長いのに飽き、ふと思いついて衝動的に下車した見知らぬ駅で、めっけ物の見ものや食べものに出会えたことがある。掲句の「冬もみじ」も案内書か駅の表示で知って予定外の行程になったのであろう。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/27 11:41削除
◎杭打機の反響枯野のニュータウン
 身近な場所で枯野を見る機会はないが、ニュータウン辺りでは未だ開発中の所があって
 そこから聞こえてくる槌音。それは乾いた音のように思える。
〇銀杏黄落僧侶の通う切通し
 銀杏落葉を踏みしめる僧侶の足音が聞こえてくるような、雰囲気のある句だと思います。
〇図書館のテラスの紅茶日短か
 日々の生活の中から切り取られた安らぎの空間。共感を覚えます。
ふたばさん (8augfkle)2022/11/27 00:42削除
第568回麦っこ選句

〇母許の大河を挟む大枯野
 忘れ得ぬふるさと。詩情があります。

◎冬晴れや切絵を抜ける馬の群
 すっきり晴れた空、馬の群れに躍動感があり、映像的にも美しいです。童話的。不思議な魅力がありました。

〇落葉落葉のっと原木運搬車
 落葉の繰り返し、のっとが効いています。

〇図書館のテラスの紅茶日短か
 穏やかな冬の午後、図書館での充実した時間。このような句、大好きです。
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/26 22:14削除
第568回 選句
〇大枯野越えて安堵の酸ヶ湯かな
 50数年前訪れたことのある場所です。長い時間バスに揺られたことと、
 乗り合わせたおばあちゃんの言葉が全く分からなかったことを思い出しました。当時は素朴な湯治場、また訪れてみたいです。

◎落葉落葉のっと原木運搬車
 「原木運搬車」遭遇した経験はありませんが、想像がつきやすいです。「落葉落葉」のリフレインは深い森を感じさせます。

〇図書館のテラスの紅茶日短か
 最近の図書館はお洒落な所が増えました。テラスで紅茶美味しそうです。

〇父の齢越ゆるに二年枇杷の花
 インパクトの強い句ではありませんが、しみじみと心に響きます。季語も良い取り合わせと思います。
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/26 17:11削除
568選句

○母許の大河を挟む大枯野
当地、北上川の支流はどこも思わぬ広さの河川敷があります。今はまさしく大枯野。
○冬もみじ周遊切符の途中下車
大人の休日倶楽部入ってますが、会費を払ってばかり。近くのいわて銀河鉄道の音に旅心誘われています。
◎冬晴れや切絵を抜ける馬の群
すっきりしており迷わず特選でした。一人一人読み手の想像が違うだろうな。そこに惹かれました。
こがめさん (8atk17xs)2022/11/25 20:22削除
第568回麦っこ選句

◎杭打機の反響枯野のニュータウン
千葉ニュータウンの景を思い出しました。「杭打機の反響」から開発途中の様子が浮かんできました。

〇冬もみじ周遊切符の途中下車
何処だろうな。でもきっと冬紅葉がとてもきれいなのでゆっくり見ようと途中下車をしたのだろう。いいな。

〇落葉落葉のっと原木運搬車
木を伐り出している景ですね。製材所までに運び出しているのだろう。ご苦労様です。「落葉落葉」の表現がいいなと思います。

〇命綱巻いて植木屋冬木立
植木屋さんご苦労様です。「命綱巻いて」の表現から木の大きさを想像できます。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/25 12:33削除
568回 選句

○杭打機の反響枯野のニュータウン
渇き切った辺りの空気が反響を通して伝わってきます。ニュータウンが拓かれていくのでしょう。

◎また一つ逸れ雲行く大枯野
枯野の寂寥と心境が響きあい、静かな秋の深まりを感じさせます。

○落葉落葉のっと原木運搬車
動詞を使わずに、のっとと表現した所が面白く、想像が広がります。
ただ原木運搬車に伐採の山は見えますが、今ひとつ景がぼんやりしています。

○図書館のテラスの紅茶日短か
素敵な図書館なのですね。
取り合わせの良き一句。
本屋さんに併設された喫茶店は知っていますが、このような図書館で一日過ごしてみたいなぁ。
まりさん (8aq66elk)2022/11/23 21:02削除
568回選句

〇杭打機の反響枯野のニュータウン
「反響」がまさに。ビル建設の杭打機の音がニュータウンのビル群や里山にぶつかって枯野へ戻ってくるのでしょう。千葉ニュータウンはとにかく広大。ニュータウンに住む姪は、子育て中はPASMOを持っていませんでした。タウンの中ですべて完結するので電車に乗ることが無いのだと。

〇冬晴れや切絵を抜ける馬の群
さてはて。中七をどうイメージするか。心象的な白黒の世界から放たれた馬?冬晴れの逆光を抜ける馬?イメージに全く自信がないのですが美しい。私は現実に存在するモノしか詠めないので、心象的な句は詠むことも読むことも苦手で、いつも勝手読みを楽しんでいます。
ある方に言われました。「ほとんどの人に分かってもらえない句は何のために発表するのだろう」と。感性は千差万別。自己をそういう形で表現したい、わかってもらうとかもらえないという以前のものなのではとは思います。私にはわからない感性の持ち主は溢れています。しかしですよ。その自己表現が未完成のために分かってもらえないことも多い気がします。

◎落葉落葉のっと原木運搬車
落葉落葉には臨場感があり私は好きですが、格調を整えるためには、季語の再考もありかなとは思います。「のっと」に繋がるのが「原木運搬車」という重厚なものであることはかなり効果的。原木の重さや運搬車の軋む音まで伝わってきます。

〇図書館のテラスの紅茶日短か
こういう素直であたたかい句に出会うとこちらまでほっとします。

〇命綱巻いて植木屋冬木立
お向かいに来た植木屋さんはクレーン車のバケットの中で命綱を使って作業をしていましたし、いつか我が家に来た電気工夫もクレーン車と命綱を使っていました。「巻いて」が最適かなという疑問はあります。「巻いて」だと、どうしてもロープを腰に巻き付けるイメージになってしまうのは私だけでしょうか。命綱は腰ベルトに「装着」する形だと思いますので。
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/21 11:52削除
568回麦っこ選句

◯母許の大河を挟む大枯野
 冬ざれの母郷を恋う気持ちに共鳴。

◯ 杭打機の反響枯野のニュータウン
 ともかくリアル。大きな聴覚と大きな視覚のバランスの妙。

◯ 冬もみじ周遊切符の途中下車
 「途中下車」のノンビリ感がいい。

◯ 取分けは姉の方より切短穂
 (きりたんぽ)を「切短穂」と書くのは知りませんでした。家庭の躾はそれぞれとはいえ、長幼の序の大切さ。妹としては生涯残る記憶。

◎ 落葉落葉のっと原木運搬車
 「原木運搬車」は是非見てみたい。「落葉落葉」のリフレインと「のっと」の擬態語で原木運搬車の迫力がよく伝わって来る。

今朝パソコンを開いたら、検索エンジンのMicrosoftエッジの具合が悪く、麦っこだけでなくサイトの閲覧が出来ません。原因不明。仕方なしにスマホ検索から書き込みをしました。どなたかアドバイスが可能であれば管理人さんのmgPOST ― PartⅡコーナーからお願いします。
返信10
ふたばさん (8augfkle)2022/11/20 00:01 (No.39282)削除
第569回お題

季語 : 笹鳴
文字 : 離
雑詠
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/27 19:04削除
麦っこ 569 投句

谷津干潟潮満ちくれば笹子鳴く
黄落や大道芸の離れ業
濃墨の円相はたと冬椿
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/27 18:27削除
第569回投句

笹子鳴く絹街道の終着地
冬うらら離陸の飛機の消えるまで
和菓子屋の小さな出店冬もみじ
ふたばさん (8augfkle)2022/11/26 23:45削除
第569回麦っこ選句

笹鳴きや曲り廊下を湯殿まで
離れ松の小さき墓石草紅葉
亡き兄の写経の束や虎落笛
こがめさん (8atk17xs)2022/11/26 16:30削除
第569回麦っこ投句
                                                            笹鳴や走り根跨ぐ遊歩道

見えてきた帽子の距離にスキー場

栄養素を気にするランチ一葉忌
不来方さん (8b8tdv36)2022/11/26 15:54削除
第569回投句

笹子鳴く此処は昭和の団地跡

厭離穢土灯ともし頃の冬紅葉

鳴くことも生の証や冬の鳥
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/26 11:01削除
569回 投句

笹鳴きや高野に開く伽藍絵図

挙家離村美濃の山々時雨るるか

凩や琥珀を磨く鞣革
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/24 18:00削除
569投句

塞がりし手掘り坑道笹鳴けり
離職票のA3サイズ冬の虹
朴落葉その先鬼の通る道
まりさん (8aq66elk)2022/11/23 20:53削除
569回投句

笹鳴や寺に供養を待つ人形
噴き上がる落葉ドクターヘリ離陸
水脈交差昨日と同じ数の鴨
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/23 13:46削除
札幌の子に笹鳴を教えたし
碁仇を待つ離れの間柿落葉
男等のアップルパイを焼く小春
返信9
まりさん (8aq66elk)2022/11/14 09:44 (No.38930)削除
567回投句一覧&選句

「立冬」
立冬の夕空揺らぐ火焔土器
駆け足で入る校門今朝の冬
岩手山大きく見えて今朝の冬
傍らのゲーテの詩集冬に入る
吹き寄せる牛乳の皺冬来る
冬来る油分の多い美容液
立冬や帽子目深に魚釣り
提琴の松脂の香や冬に入る
立冬の蝶わが影に寄り添いぬ
冬立つや強く刈込む庭の樹々

「神」
神木の樹齢五百の新松子
天神の留守や葛餅買いにゆく
バス停の田の神とあり冬田道
神苑の池のほとりの杜鵑草
冬ぬくし使い分けして神仏
里神楽湯立の禰宜の卒寿なる
森閑と進む月蝕神の留守
黄落や仮面の女神ひそと立つ
神境に映る礼拝七五三
語り継ぐ鬼神の情け石蕗の花

「忌日」
翁の忌上り下りの船の水脈
化野に男ありけり寂聴忌
日の暮れて鐘の音ゆかし一葉忌
蹲踞の紅葉ひとひら一葉忌
綿虫のふわりと弟の忌日
秋の夜や忌日俳句を読み漁る
母の忌や落葉松今も散り止まず
一葉忌文字に溺れて文字漁る
憂国忌活版印刷の滲み
真っ直ぐを貫く一樹憂国忌
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/11/21 11:10削除
第568回 選句

〇岩手山大きく見えて今朝の秋
 ひときわ寒い朝、ふと口から出た言葉。
 いつもいつもお山を見て暮らしている人ならではの一句。うらやましい!

〇吹き寄せる牛乳の皺冬来る
 子どもの頃、皺が出来ない牛乳は飲んではいけない、と言われていましたが本当でしょうか。

◎森閑と進む月蝕神の留守
 「神の留守」がいいです。あの日はさすがに何度も見ました。素晴らしかったです。

〇綿虫のふわりと弟の忌日
 中七、下五のわずかな語調の乱れに作者の心情が見え隠れします。

〇憂国忌活版印刷の滲み
 「活版印刷の滲み」に時の流れと当時の驚愕が込められています。
のんさん (8b8xe2bx)2022/11/20 17:39削除
第568回 選句

〇岩手山大きく見えて今朝の冬
 空気が澄んでくると山がクッキリとしてきます。季語の言い切った感じが良いです。

〇吹き寄せる牛乳の皺冬来る
 今は鍋で牛乳を温める事があまりないので、温めてもらっていた頃を懐かしく思い出しました。

〇森閑と進む月蝕神の留守
 先日の月蝕の神秘的な色には驚きました。神の留守に起こったことですね。

〇語り継ぐ鬼神の情け石蕗の花
 鬼子母神かなと思いましたが、語り継がれるのが「情け」というところに共感しました。

◎綿虫のふわりと弟の忌日
 順番通りにはいかないこの世、綿虫に弟さんの魂を感じたのでしょうか。「ふわり」が切ないです。
まりさん (8aq66elk)2022/11/20 09:19削除
568回選句

○岩手山大きく見えて今朝の冬
日常にでっかい岩手山があるのは何とも羨ましい限り。「岩手山」だけで重量感がありますが、「岩手山」という固有名詞に頼らない句も含めて、岩手山の四季折々を詠んでほしいと思います。

〇冬ぬくし使い分けして神仏
確かに。私はどちらにもいつも同じことを祈ります。すっきりとまとめたのがいいですね。

○翁の忌上り下りの船の水脈
有名人の忌日俳句は難しいので、お題以外では作ったことはありません。これは隅田川に向く芭蕉像と上り下りの船の水脈。あっさりとして押しつけがましくないところに惹かれました。

〇化野に男ありけり寂聴忌
抽象的なので、読み手がこの化野をどうとるか、男をどうイメージするかによって大きく変わります。そこが自由であり弱点でもあり。寂聴さんには、こちらの柵とは縁を切って、あの世では天然のお節介おばさんでいてほしいので、私はあえてコミカルに勝手読みしてみました。

◎綿虫のふわりと弟の忌日
忌日俳句に実感を込められるのはどうしても親族。真っ先に親が浮かびますが、大抵の方はいくつか作っていると思います。父母ではなく、早逝した弟の忌日に「綿虫のふわり」を取り合わせたのはお見事と思いました。
ふたばさん (8augfkle)2022/11/20 00:55削除
第568回選句

〇立冬の夕空揺らぐ火焔土器
 リズムがいいですね。夕空と火焔土器が相俟って美しい。

〇吹き寄せる牛乳の皺冬来る
 何気ないところを掬い取っていて、そうそうと共感しました。「牛乳の皺」は簡単そうで、なかなか出てこない表現のように思われます。

〇森閑と進む月蝕神の留守
 先日の月食は、何か不気味ささえ感じました。友人から送られてきた、天王星まで写っている写真を見たせいでしょうか。月は赤くて大きく天王星は針の跡のようでした。

◎母の忌や落葉松今も散り止まず
 「散り止まず」に思いの深さが感じられて、胸を衝かれました。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/11/19 17:55削除
567回選句
◎岩手山大きく見えて今朝の冬
 岩手山は周りに遮るものが無く、いつも大きく見えました。立冬の朝に一際大きく見えたというのは、
 その地に暮らす作者ならではの感慨なのでしょう。
〇森閑と進む月蝕神の留守
 数百年に一度といわれる天体ショー。神の留守を持ってきたことで、一気に俳句の世界に誘われる。
〇化野に男ありけり寂聴忌
 寂聴尼が瀬戸内晴美といった頃の、奔放な生き方が忍ばれます。
〇真っ直ぐを貫く一樹憂国忌
 ショッキングな事件だったが、グローバリズムなどといった昨今の空疎な風潮に惑わされないよう
 自らを戒めたいと思います。
天馬さん (8bszqp0p)2022/11/18 16:27削除
567選句

○立冬の夕空揺らぐ火焔土器
立冬という引き締まった季語と火焔土器に寄せた古代の人の思いが響き合っていると思いました。
○吹き寄せる牛乳の皺冬来る
冬と牛乳の膜の句は他にも在るようにも思いますが、やはり冬と暖かなものの組み合わせには惹かれます。
○冬立つや強く刈込む庭の樹々
思い切り剪定する配偶者と言い合いになること多いですが、そっちの方が春先元気に芽吹きます。
◎森閑と進む月蝕神の留守
月蝕見ましたが、俳句に出来ないままでした。森閑と進む…に納得です。勉強になりました。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/11/18 11:57削除
567回 選句

◎立冬の夕空揺らぐ火焔土器
取り合わせの良い句。火焔土器のもたらす太古への誘いにより、イメージの広がりを感じます。上五か中七か切れがやや曖昧ですが、私は上五で切って鑑賞しました。たしか新潟十日町に小さな火焔土器の博物館があったと思いますが、私も不思議な感覚を覚えた事を思い出しました。

○提琴の松脂の香や冬に入る
松脂の匂いが冬の訪れを深く感じさせます。

○バス停の田の神とあり冬田道
地名や停留所に残る歴史や風土の営みに、はっとさせられる事がよくあります。
当地にも火の見櫓というバス停がありますよ。
素直な心の動きに共感。

○綿虫のふわり弟の忌日
すっと心に染みました。優しく季語が効いていると思います。
こがめさん (8atk17xs)2022/11/17 19:31削除
第567回麦っこ選句

〇岩手山大きく見えて今朝の冬
朝起きたら岩手山がくっきりと見える景を見いている顔が浮かんできます。とても空気がきれいで晴れた朝だろうな。いいな。

◎吹き寄せる牛乳の皺冬来る
日常の朝の食卓の景が浮かんできます。「牛乳の皺」の表現がうまいなと思います。
「冬来る」の季語が効いています。

〇綿虫のふわりと弟の忌日
〇母の忌や落葉松今も散り止まず
弟や母への思いが伝わってきます。いつまでも忘れずに思い出しているのですね。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/11/17 17:11削除
麦っこ 567 選句 

「立冬」
 今回は、季語兼題の句に佳句が多かったように思う。就中次の2句の季節感覚に共鳴した。
◎岩手山大きく見えて今朝の冬
 かつて「…筑波の近く見ゆる朝」と詠んだことがあるが、岩手山のほうが役者が一枚上、何と言っても「ふるさとの山」ですからね。
 気温の低下とともに「芋の露 連山影を正しうす」からさらに澄明度を増した空気を通して、山容がはっきりと見えるようになる。「大きく見えて」がそのことを巧みに表現している。
〇吹き寄せる牛乳の皺冬来る
 立冬から一週間、朝夕は暖房が欠かせなくなっている。ここへ来て朝食のミルクは熱くしないではいられない。掲句は、だれもが経験する臨場感のある季節感を表現している。
「神」
〇語り継ぐ鬼神の情け石蕗の花
 一口に「鬼」と言えば悪しき存在のように思われるが、「鬼神」となると、その超人的な能力によって人々を救ったという話はいくらでもある。枯色の有象無象の中、緑濃い葉と鮮やかな黄の花は、そうした伝説に相応しい彩りといえるだろう。
「忌日」
○綿虫のふわりと弟の忌日
 初冬の風の無いうすら寒い日に、どこからともなく湧いて 綿虫が漂いはじめる。「綿虫のふわりと」という表現が、夭折したはらからの思い出と重なって切なさをかき立てるのだ。
不来方さん (8aqapchq)2022/11/14 12:44削除
第567回選句
◯岩手山大きく見えて今朝の冬
 うろ覚えながら天馬さんに「初冠雪どこから見ても岩手山」のような句があった気がしますが、掲句は立冬の岩手山らしい澄み切った大きな山容です。

◎森閑と進む月蝕神の留守
 8日の皆既月食は見事の一言。あの月蝕は神が隠したようにも思いましたが、逆に神の留守にしかあり得ないのかも。絶妙の取合せ。

◯綿虫のふわりと弟の忌日
◯母の忌や落葉松今も散り止まず
 今回はそれぞれ味わいのある著名人の忌日俳句ではなく、しんみりとする身近な方の忌日俳句を選びました。前句、「綿虫」と「忌日」の近さはあるものの「ふんわりと」の優しい措辞で弟思いの姉の心情が、後句は散り止まぬ「落葉松」に託した作者の途切れることのない母恋いの心情がよく伝わって来ます。
返信10