麦船橋句会

BBS
アイコン設定
投稿者さん使い方

掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
まりさん (8aq66elk)2022/9/25 21:03 (No.35596)削除
560回投句一覧&選句

「稲雀」
稲雀空に飛び板あるごとし
住職のバイクが通る稲雀
豪農の小さき葬式稲雀
稲雀減る合併の町と村
藁好きの子らの夕ぐれ稲雀
山並みを超えて群れ飛ぶ稲雀
川越えて教会の鐘稲雀
夕映の棚田のしじま稲雀
稲雀の影が走れる最上川
田の神に謝して塒へ稲雀

「畳」
人絶えて色葉散りたる石畳
秋夕焼千畳敷の潮溜り
秋日濃し寝ころぶためだけの畳
月光や猫一匹の石畳
秋高し畳鳴かせて畳拭く
一晩に三度月観る四畳半
祈ること増え月光の石畳
畳紙に母のメモ書き吾亦紅
カント読む釣瓶落しの四畳半
大の字で仰ぐ名月古畳

「雑詠」
よく熟れて届かぬ高さ烏瓜
児の見えぬ公園回る秋の蝶
“fly me to the moon”とて今年酒
秋風や伊万里染付草花文
柴垣の縄の結び目月影に
樹木葬の墓の朱文字や鉦叩
秋の浜なくしてこんなにも悲しい
シベリアの闇を眼下に鳥渡る
夜長し爪切ることも旅支度
日帰りの稲刈浄土への入日
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/10/2 16:06削除
第560回選句
〇月光や猫一匹の石畳
月光に照らされる焦点が一点に集中しているのがいいと思いました。

〇よく熟れて届かぬ高さ烏瓜
美しく熟れたものほど手の届かぬ所にあります。
ずるずると蔓を引っ張るだけで失敗に終わることがよくあります。

◎シベリアの闇を眼下に鳥渡る
「シベリアの闇」に今のロシアの闇を思うのはテレビの見過ぎでしょうか。
天馬さん (8bszqp0p)2022/10/2 10:18削除
560選句

○月光や猫一匹の石畳
○秋高し畳鳴かせて畳拭く
○畳紙に母のメモ書き吾亦紅
◎シベリアの闇を眼下に鳥渡る
○夜長し爪切ることも旅支度

コメントなしですみません。
当地、稲刈りMAXです。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/10/2 08:27削除
◎月光や猫一匹の石畳
 スッキリした一句。読後、情景が広がってきます。
〇稲雀減る合併の町と村
 最近、雀と燕を見かけなくなりました。農薬や化学肥料の使い過ぎが原因でしょうか。
 地方の過疎化に伴う町村合併により、町や村が減ったこととも関係があるかもしれません。
〇よく熟れて届かぬ高さ烏瓜
 上五中七の表現が巧い。手の届かぬ高さにあるものが、美しく見えるのは、
 その物と一緒に空を見ているからですね。
ふたばさん (8augfkle)2022/10/1 18:22削除
麦っこ560回選句

○稲雀空に飛び板あるごとし
 「飛び板」に雀独得の跳び方が捉えられていて臨場感があります。

〇畳紙に母のメモ書き吾亦紅
 似たような経験があり、共感しました。4人姉妹それぞれに遺した着物の包みの上に、母のメモがありました。
 素朴な吾亦紅が合っているいると思いました。

◎よく熟れて届かぬ高さ烏瓜
 あの赤い実を見ると取ってみたくなります。届かぬ無念さが伝わってきます。

〇夜長し爪切ることも旅支度
 旅のことをあれこれ想像しながら爪を切るひととき。いよいよ旅行シーズですね。
のんさん (8b8xe2bx)2022/10/1 17:04削除
第560回 選句
〇稲雀空に飛び板あるごとし
 「ごとし」の句は難しですが、この句には説得力があります。

〇川越えて教会の鐘稲雀
 この鐘は日暮れの鐘でしょうか、何故かミレーの「晩鐘」が心に浮かびました。

〇秋夕焼千畳敷の潮溜り
 潮風の中、潮溜まりも夕焼色のようです。夕日の中の豊かな時間です。

◎畳紙に母のメモ書き吾亦紅
 我が家のタンスにも母の文字の残る畳紙に入った着物があります。着ることは有りませんが、手放せぬ物です。季語もピッタリだと思います。

〇よく熟れて届かぬ高さ烏瓜
 手の届かぬ処の烏瓜はよく目立ちます。自分も見慣れている景なので、上手く句にまとめていると感心しました。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/10/1 11:24削除
麦っこ 560 選句
「畳」
○月光や猫一匹の石畳
 月・猫・石畳の三つの材料が趣のある雰囲気を出している。中七の味付けが少し物足りない感じはあるが。
○秋高し畳鳴かせて畳拭く
 爽やかに晴れ渡る空の下、甲斐甲斐しく働く主婦の姿が好もしい。「畳鳴かせて」は、新しい畳を踏むと出る音か、よく絞った雑巾で拭く時の音か。

「雑詠」
○よく熟れて届かぬ高さ烏瓜
 枯れが目立ち始めた晩秋の、雑木の幹に巻き付いて、蔓が枯れても鮮やかな朱紅色のままいつまでもぶら下がっているのは印象的である。上五・中七の措辞が美しい。
○ “fly me to the moon”とて今年酒
 楸邨の句集を読んでいて、〈Thou too Brutus!今も冬虹消えやすく〉の句に出会ったとき、驚きもし多少の違和感も感じたのであったが、今は、愉しむ俳句の一端として自分も試みるようになっている。
 掲出句の“fly me to the moon”は、好きな歌の一つで時折YouTubeで聴いている。「今年酒」が乙な取り合わせである。
 英語を取り入れた場合、音読してリズムを確かめる必要がるが、この句は、「fly me/to the moonとて/今年酒」と読むとよさそうである。英語俳句のルールのように音節でリズムをとらえることも参考にしたい。少し柔軟に考えれば、例えば「高原の深まる秋や...」とすれば下五に、「シナトラの...今年酒」とすれば中七に収まるだろう。
◎シベリアの闇を眼下に鳥渡る
 夜渡る鳥は見たことがないが、童謡『里の秋』」の一節「鳴き鳴き夜鴨の渡る夜は」が浮かんだ。掲句は、鳴き渡る鳥を見上げているうちに、渡ってくる鳥に同化し、鳥の立場に身をおいて、眼下に広がるシベリアの深い闇の世界を俯瞰しているのである。ツルやカモの渡りは、人間の想像を絶する過酷な、しかし壮大な営みである。安住の世界にいて、いっときそんなイメージの世界に浸ったのである。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/9/30 14:38削除
560回 選句
○稲雀空に飛び板あるごとし
一斉に飛び立つ稲雀の動きが見えます。比喩が効いています。「空へ」として切れをいれた方がリアルな景となるように思うのですが?

○秋夕焼千畳敷の潮溜り
宮崎の青島の夕暮れ。取り合わせいい句。潮の香りがします。

◎月光や猫一匹の石畳
省略を効かせた一枚の絵画のよう。石畳が背景として趣きをそえています。
まりさん (8aq66elk)2022/9/29 16:45削除
560回選句

〇稲雀空に飛び板あるごとし
「空に」なので、どの瞬間かなとちょっと疑問にも思いましたが、雀が散る様子は確かに飛び板で跳ぶ感じでもあります。我が家の庭の餌に来る雀も地面の飛び板を蹴った感じで逃げます。そろそろ金柑の木に鵯の番がやってきますが、鵯は雀の侵入を許しません。餌は違うのですが。

◎月光や猫一匹の石畳
これは都会の野良猫でしょう。月光の路地をするりと横切る猫は頻繁に見ています。我が家の庭を縄張りにする野良猫も毎年変わる厳しい世界。焦点がはっきりとしてシンプルな句にはまず惹かれます。

〇シベリアの闇を眼下に鳥渡る
そろそろシベリアから鳥たちが渡ってきます。何を見て何を感じて渡ってくるのでしょう。本当のロシアの様子を聞いてみたい。

〇夜長し爪切ることも旅支度
旅の前には私も爪を切ります。心を落ち着けて「忘れ物ないか」「明日は早起きできるか」などと思いながら。旅の報告もほつほつ聞かれるようになりましたね。
こがめさん (8atk17xs)2022/9/28 22:42削除
第560回麦っこ選句

〇稲雀空に飛び板あるごとし
「空に飛び板あるごとし」の表現から稲雀が元気に飛んでいる景が浮かんできます。

〇山並みを超えて群れ飛ぶ稲雀
稲雀が飛んでいる場所と様子が浮かんできます。集団で飛んで景は凄いですよね。

〇大の字で仰ぐ名月古畳
いいな。こんなふうにしてまた月を見てみたいな。大の字になって畳の座敷から月がみられるなんていいな。静かな景ですね。

◎よく熟れて届かぬ高さ烏瓜
自然の景への関わり方が見えてきます。「届かぬ高さ」からも感じます。
不来方さん (8b8tdv36)2022/9/26 17:52削除
第560回麦っこ選句

◯住職のバイクが通る稲雀
 今も故郷の10月はこんな感じかも。ただ稲雀は激減。

◯稲雀減る合併の町と村
 「稲雀減る」の措辞で作りかけたが言葉が繋がらず断念。イメージはこの句の通り。

◯ 畳紙に母のメモ書き吾亦紅
 畳紙なので詩の断片でしょうか?血は争えない。

◯ シベリアの闇を眼下に鳥渡る
 時事句としても自然詠としても読める。この鳥のようにシベリアの上空を飛行機が自由に飛べる時期は何年先だろうか?

◎ 夜長し爪切ることも旅支度
 何気ない所作ながら「爪切り」が夜長の旅支度にピッタリ。
返信10
富美子さん (8ba7segn)2022/10/1 19:51 (No.35949)削除
麦船橋句会10月通信句会について
  今月は全国大会の前日でもありますので、通信句会にしたいと思います。
  
  1 兼題 季語「露」(美智子さん出題)一句
       詠み込み「方」(雅子さん出題)一句
       「当季雑詠」一句
         合計三句です。

  2,締切  10月15日(土)24時

  3,送付先  小野富美子宛
      昨日は、田沼さんの17回忌の日でした。なかなかお墓参りにも行かれない状況ですが、
     いろいろなことを思い出しています。    合掌
返信
返信0
まりさん (8aq66elk)2022/9/19 09:30 (No.35061)削除
559回 投句一覧&選句

「月」
寝不足の重き雨戸や朝の月
ひたすらに岸目指す波月今宵
月光や戦地に消えし少年兵
月の出やマリアの歌うアヴェ・マリア
十五夜のベンチに猫を呼ぶ男
月光や座敷童の瞳のひかる
月光が墓を見守る過疎の村
月白の港センチメンタルジャーニー
お迎えのいつも最後の児に月光
名月や良きことのみの思わるる

「高」
天高し白河越えた優勝旗
讃美歌の和声高窓の月明
天高し鳶一転の急滑降
387カラット英王冠や天高し
高浪の寄せる廃船鳥渡る
高速の出口に果つる真葛原
秋高しポストの庇影を持つ
天高し露座の仏の永久の笑み
民草のたとえば背高泡立草
鳳凰の気高き瞳秋意なお

「雑詠」
秋蝶の纏いつきたる耕運機
播磨屋を見ぬ錦秋の大歌舞伎
小鳥来る啄木追放せし村に
秋分の逆さに揃う竹箒
杖下し踏み出す一歩小鳥来る
名月や双眼鏡で見るうさぎ
家の灯の一つずつ消え良夜かな
初もみじ高窓開く石の蔵
鐘楼に時の重たさ雲は秋
地引曳く声の揃いて雲は秋


一昨日の夜、ネット&メールが使えなくなり慌てました。
私に出来る事はごくごく限られておりますが、いろいろ試してもダメ。
タブレットやスマホは使えるので、パソコンが古いせいだろうと思いました。
買い換えると、繋ぎ直すのが面倒・馴れるのが大変…と暗い気持ちで就寝。
翌朝、有線で使っていたことを思い出し、試しにWi-Fiに繋ぎ直したら通じました。
今時有線?と言われるのですが、孫たちが、この家のWi-Fiは弱いと訴えますので。
その後、階下の有線で試したところ通じましたので、二階までの「線」に問題があったということですネ。
俳句や歌そのものよりも、それ関係の事務屋となってしまっているので、パソコンが使えないとどん底に落ちます。
改めて「パソコンは突然に壊れるモノ」と肝に銘じないとと思いましたが、
便利さに浸かってしまうと忘れるのですよね。
皆様も、少なくともバックアップはこまめに!
返信
天馬さん (8bszqp0p)2022/9/26 09:50削除
○十五夜のベンチに猫を呼ぶ男
月明かりと猫はとても絵になります。絵本のようです。
○天高し白河越えた優勝旗
地元紙コラムに、東北人は膨大な馬と兵士を戦地に送り、その後は出稼ぎと集団就職で都会に労働力を送り、原発で東京に電力を送り続けて被災。底辺にあった諦めの連続を優勝旗が断ちきってくれたというような記載が。 被害者意識強い表現とも思いましたが、腑に落ちる思いも…。
あと、掲句のどこかに違和感がありましたが、太郎さんのご指摘で、過去形ではない形にするとすっきり。勉強になりました。
◎秋高しポストの庇影を持つ
当地、お盆過ぎにいきなり秋がやって来ます。影の長さに秋を感じ、やがて来る冬をも予想してしまいます。
○地引曳く声の揃いて雲は秋
一度だけ曳いたことがあり、魚の種類の多さに驚いたことを覚えています。景の広さに惹かれました。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/9/25 19:19削除
559回 選句
○お迎えのいつも最後の児に月光

月の優しさを十二分に感じさせる一句です。

◎天高し鳶一転の急降下

秋の空の美しさが際立つ景。鳶の動きの描写が上手い。

○地引曳く声の揃いて雲は秋

五感が刺激される一句。
のんさん (8b8xe2bx)2022/9/25 18:10削除
第559回 選句

〇月光や戦地に消えし少年
 今はウクライナの事が頭に浮かびますが、かつての日本そして世界中でどれだけの少年兵が犠牲になったのでしょう。心が痛みます。
〇天高し白河越えた優勝旗
 胸を張って堂々と越えたことでしょう。季語がピッタリです。
〇天高し鳶一転の急滑降
 江の島の鳶は上空で狙いを定め急降下するようです。緊張感のある句です。
◎地引曳く声の揃いて雲は秋
 九十九里の浜、早朝の景が目に浮かびます。掛声が聞こえ、ピチピチと跳ねる魚も見えるようです。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/9/25 16:38削除
麦っこ 559 選句
〇月光や戦地に消えし少年兵
先の大戦中、最も若い志願兵は14歳、特攻で散っていった兵士たちの年齢は17歳から32歳であった。歓呼の声に送られて出征し、ついに帰国することのなかった夭折の肉親を、成熟社会の、中天に冴える月の光の中でせつなく追慕している。

〇月光や座敷童の瞳のひかる
 満月の光が、灯を消した座敷に差し込んでいる。月の光の届かぬ座敷の奥の床の間の辺りに気配があって、何やら存在するようである。これは座敷童に違いないと思うと、その目がきらりと光ったように思ったのだ。「月光や」と「ひかる」、切字と動詞の終止形の重複を避ける意味で、「月光に…瞳の光る」「月の出や…瞳の光」などとすることも考えたい。

○天高し白河越えた優勝旗
 宮城県人や東北の人々だけでなく、多くのファンが快哉を叫んだニュースであり、「天高し」がまことに相応しい季語である。この場合、わたしの好みは、「越えた」でなく「越える」(現在形)である。また、「高し」が文語なので、「越えし」「越ゆる」というべきかもしれない。

◎天高し鳶一転の急滑降
 高く澄みきった大空を、ゆったりと輪を描いて飛んでいた鳶が、突然滑り降りるように高度を下げた。「一転の急滑降」が端的に表現していて巧い。下五は迷うところであるが、わたしの好みからいえば「急滑降」よりは「急降下」をとりたい。
ふたばさん (8augfkle)2022/9/25 10:32削除
第559回選句
追伸
智美さま 拙句に対してのご批評、有難うございました。「光る」か「ひかる」、どちらにするか迷ったところでした。
     再考してみます。勉強になりました。
ふたばさん (8augfkle)2022/9/25 00:33削除
第559回麦っこ選句

〇月光や戦地に消えし少年兵
 世界で起こっている戦争や紛争。想像を絶するような少年兵の過酷な現実を映像で見たり、新聞で読んだりすると胸が苦しくなります。
 淡々と描かれているだけに「月光」に寄せる作者の思いの深さが伝わってきました。

〇天高し白河越えた優勝旗 
 まさに天高しですね。東北の人たちの悲願でしたから。

〇秋高しポストの庇影を持つ
 細かいところをよく見ていて感じいてしまいました。秋高しがいいですね。

◎地引曳く声の揃いて雲は秋
 力強く気持ちのいい句です。「雲は秋」がピタッと決まっています。臨場感がありますね。
智美さん (8dfroqvi)2022/9/24 17:35削除
559回選句
○月光や座敷童の瞳のひかる
月の美しい夜。今夜は何をして人間を驚かせてくれるのでしょう。
「瞳」にしたのがいいですね。「ひかる」を平仮名にしたわけは・・・?
「光る」にした方が読者の目からの印象が瞬時に捉えられるかなと・・・。
「瞳」の強さも感じられるかも・・・。

◎お迎えのいつも最後の児に月光
お迎えが来るまで、じっと我慢して待っていた幼子。「児」ですよね。
そのご褒美に月の女神の差配です。この頃、3,4才以下の幼子たちの振る舞いに
涙もろくなって困ります!

○秋蝶の纏いつきたる耕運機
蝶が思いがけないものの傍を離れない事ってありますね。
これもご褒美!ふっと手を休めて一息。素敵な俳句が生まれました。

○初もみじ高窓開く石の蔵
薄く色づき始めた紅葉。がっしりと立ち上がる石の蔵。
高窓が一つ開いている事で石の蔵に柔らかさが出ました。
力強さと柔かさがうまく釣り合った景色になっていると思います。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/9/24 10:38削除
559回選句
◎地引曳く声の揃いて雲は秋
 下五の表現により、この句の時空がパッと開けてきた感じがします。
〇月光や座敷童の瞳のひかる
 遠野物語の世界に引き込まれて行きそうです。
〇天高し白河越えた優勝旗
 時節柄、共感を得られる句だと思います。
まりさん (8aq66elk)2022/9/22 22:58削除
559回選句

〇月光や座敷童の瞳のひかる
美しい月光の影は濃い。戸の隅間から差す月光とその奥の座敷童の光る眼。
座敷童は、俗人の知らない美しい世界を知っているはずです。

〇天高し白河越えた優勝旗
越えましたね。シンプルがいい。季語がぴったり!

〇天高し鳶一転の急滑降
類句は多いと思いながらついつい共感しました。類句が多いからととらない句はたくさんありますが、類句が多いけれどとってしまう句も結構あります。シンプルで立ち姿がよくて季語とぴったり合う時なのか?自分でもわかりませんが。
私の選句眼はヤワなので、選句はその時の「心の健康状態」にかなり左右されます。

◎名月や双眼鏡で見るうさぎ
何と素敵な。実際に覗いて見たのかもしれませんが、月のあのもやもやを「うさぎ」と断定した感性に惹かれます。

急な秋
こちらも急な秋ですが、昨日のニュースで「薮川」3.2℃と出ました。
天馬さんちの秘密基地のある場所で、寒さでは毎年ニュースになります。
嬉々として冬支度にいそしんでいるログハウスの「主」が目に見えるようです。
今年の秋の山の幸・湖の幸は何なのでしょう。
こがめさん (8atk17xs)2022/9/21 22:15削除
第559回麦っこ選句

〇天高し鳶一転の急滑降
こんな景をまたみたいな。出かけたいな。自然の雄大さを感じます。

◎高速の出口に果つる真葛原
真葛原が見えなくなると高速を降りたなと実感できてほっとした気持ちが伝わってきます。景の動きが伝わってきます。

〇名月や双眼鏡で見るうさぎ
双眼鏡でみるとはっきり兎が見えますか。今度みてみようかな。
今回満月の時じっと見ていた時兎かなと思える部分がありました?。

〇地引曳く声の揃いて雲は秋
地引網をひている 景と大きな声が聞こえてきそうです。
不来方さん (8aqapchq)2022/9/19 21:13削除
第559回麦っこ選句

○十五夜のベンチに猫を呼ぶ男
 身近な景です。野良猫に「一緒に十五夜を見よう」と呼びかけそうな男を知っています。

○月光が墓を見守る過疎の村
 月は大都会も過疎の村も同じように照らす。「墓を見守る」が味わい深い。「が」と「の」の選択は難しいのでいつも悩みます。

○高浪の寄せる廃船鳥渡る
 荒寥とした大きい景。

◎地引曳く声の揃いて雲は秋
 地引網を曳く漁師の掛け声が聞こえて来そう。木更津甚句なども思い出しました。

まりさん パソコン不調は以前ほどではありませんが偶にあります。時間帯にもよるのでしょうがWi-Fiの強弱が原因。ただ未だに有線と無線の差が分かっていません。取り敢えず今からバックアップしておきます。
返信11
ふたばさん (8augfkle)2022/9/18 00:57 (No.34957)削除
第560回
麦っこ投句お題

季語 稲雀
文字 畳
雑詠
返信
天馬さん (8bszqp0p)2022/9/25 20:21削除
560投句

稲雀空に飛び板あるごとし
秋日濃し寝ころぶためだけの畳
秋の浜なくしてこんなにも悲しい
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/9/25 19:42削除
560回 投句

大の字で仰ぐ名月古畳

夕映の棚田のしじま稲雀

シベリアの闇を眼下に鳥渡る
のんさん (8b8xe2bx)2022/9/25 17:46削除
第560回 投句

住職のバイクが通る稲雀

秋高し畳鳴かせて畳拭く

夜長し爪切ることも旅支度
智美さん (8dfroqvi)2022/9/25 14:47削除
第560回麦っこ投句
豪農の小さき葬式稲雀
畳紙に母のメモ書き吾亦紅
日帰りの稲刈浄土への入日
太郎さん (8aq3zcoi)2022/9/25 11:08削除
麦っこ 560 投句
稲雀減る合併の町と村
秋夕焼千畳敷の潮溜り
秋風や伊万里染付草花文
不来方さん (8b8tdv36)2022/9/25 10:46削除
第560回麦っこ投句(訂正版)

藁好きの子らの夕ぐれ稲雀

カント読む釣瓶落しの四畳半

柴垣の縄の結び目月影に
ふたばさん (8augfkle)2022/9/24 23:20削除
第560回麦っこ投句

山並みを超えて群れ飛ぶ稲雀
月光や猫一匹の石畳
樹木葬の墓の朱文字や鉦叩
まりさん (8aq66elk)2022/9/23 20:51削除
川越えて教会の鐘稲雀
祈ること増え月光の石畳
よく熟れて届かぬ高さ烏瓜
こがめさん (8atk17xs)2022/9/23 15:03削除
第560回麦っこ投句

稲雀の影が走れる最上川

人絶えて色葉散りたる石畳

児の見えぬ公園回る秋の蝶
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/9/23 09:10削除
560回投句
田の神に謝して塒へ稲雀
一晩に三度月観る四畳半
“fly me to the moon”とて今年酒
返信10
まりさん (8aq66elk)2022/9/12 09:08 (No.34223)削除
558回投句一覧&選句

「霧」
霧閉す浦の目覚めや船の音
遠く来て北の湖霧が巻く
霧襖のっと現る対向車
霧霽れて一面に暖色の花
朝霧の晴れて湖辺の鳥居かな
霧晴れるサービスエリアのバス動く
山霧や低く途切れる無線音
霧しぐれ上り電車の音幽か
シャッターの開く音霧の町動く
山霧を纏いて集う朝のミサ

「果」
交通安全の効果願いの案山子立つ
コスモスの丘その果ての荒磯海
稲の花果てゆくまでの三時間
ガマズミの赤い果実酒郷の味
鐘の音や果てなく散り萩の花
炊事場の妻ひとくちで無花果を
無花果を裂いて「話は変わるけど」
果てしない津軽の稲穂遮光土偶
芒野や旅路の果にまた旅路
一村に根深き因果そばの花

「雑詠」
どれもみな庭の外向く白木槿
葛の花触るるばかりの飯田線
露草の瑠璃に始まる今日の些事
心平の「天山文庫」小鳥来る
鳶舞う涙岬よ秋夕焼
耳遠き波となりける虫の声
老友は両刀使いずんだ餅
梨剥いて話の先を急がせる
立ち上がるもの許さじと真葛原
選果機の手際梨園の三世代
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/9/20 08:29削除
558回選句
◎山霧を纏いて集う朝のミサ
○コスモスの丘その果ての荒磯海
○葛の花触るるばかりの飯田線
○露草の瑠璃に始まる今日の些事

    すみません・・・。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/9/19 10:15削除
麦っこ 558 選句
〇霧襖のっと現る対向車
「霧襖」は、美しい表現である。濃霧から突然のように出現する車には、一瞬ひやっとさせられる。「のっと」の形容か最適かどうかは検討の余地がありそうだが。

〇山霧を纏いて集う朝のミサ
 日曜の朝、高原を緩やかに動く濃霧の中、四方の坂道を登って信者たちが教会に集まってくる。大自然の中に信仰に生きる人たちの暮らしの一端を上五・中七が巧みに表現している。

◎露草の瑠璃に始まる今日の些事
 わが家と境を接する小学校のフェンスからはみ出す草むらに、今朝も露草が露もしとどに咲いている。この季節、身近な野草の中では出色の美しさである。‘サンデー毎日’になってから、殊にこの数年は、毎日を漠然と生き、日がな一日些事にかかずらって過ごしている。露草の瑠璃色に目を慰められたあと、些事の一日が始まるのである。昨日も今日も、そして明日もまた…。
天馬さん (8bszqp0p)2022/9/18 17:55削除
◎山霧を纏いて集う朝のミサ
実家は隠し念仏。儀式を知っているのは、私の年齢までかと思います。念仏という言っても戸を閉め切った中から聞こえてくるのは厳かな合唱のようでした。大きくなり賛美歌を聴いたとき、同じだ!と思ったこと覚えています。
○一村に根深き因果そばの花
市としてはひとつでも南部藩と伊達藩が混ざってました。南部衆の母が「息子の嫁は2人とも伊達衆だ」とポツリと話してたことを思い出しました。
○露草の瑠璃に始まる今日の些事
夏中咲いてる見慣れた花を今朝もまた見ている。何気ないことの積み重ねの一日がまた始まる。

当地、家庭用除雪機のテレビコマーシャルが流れるようになりました。やだやだ…。
ふたばさん (8augfkle)2022/9/18 17:23削除
558回選句
◎霧襖のっと現る対向車
 まさにヒヤリ・ハット。ドキッとします。

〇無花果を裂いて「話は変わるけど」
 展開が面白いですね。「話は変わるけど」その場の雰囲気が伝わってきました。

〇葛の花触るるばかりの飯田線
 飯田線には一度だけ乗ったことがあります。そう言えば…句の通りだったとような気がしました。

〇鳶舞う涙岬よ秋夕焼
 「涙岬」が気になってネットで調べました。悲恋物語があったのですね。北海道にある断崖が続く岬。鳶と岬と夕焼
 がそろいすぎのような感じもしますが、美しい光景に魅かれました。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/9/18 17:13削除
558回 選句

○シャッターの開く音霧の町動く

朝の光景を五感で捉えて詠まれ、形良い一句。皮膚感覚が生きているし、自然体がいいですね。

○コスモスの丘その果ての荒磯海

対比が効いており、色彩感覚が生かされた一句。景が鮮やか。

◎立ち上がるもの許さじと真葛原

出る杭は打たれるごとく。世を二分する論議を連想しました。葛の強かさに勝つのは難しいですね。作者の心情が伝わります。

☆まりさんの句会報告にあるように、独自な感性を磨くのは至難の業でしょう。
せめて、多様な観察眼を持って、対象に迫れるようになりたいものです。
まりさん (8aq66elk)2022/9/18 14:58削除
558回選句

◎霧襖のっと現る対向車
シンプルで臨場感があります。
よく聞く言葉に「なかなか俳句の言葉がでてこなくて…」がありますが、「言葉が出て来ない」のではなく、「俳句の言葉」になるまで深く景を見ていない・感情の焦点化ができていないのだと痛感するこの頃です。
言いたいことがくっきりしていれば言葉はそれにそって出せそうな気がします。
臨場感のある言葉は、臨場感のある心の動きがあってこそ生まれるのでしょう。
めげない・めげない。

昨日の句会で勉強したこと。
「酔芙蓉夕には風が紅を付け Y」
Fさんは「風が色をつけるのではない」と力説。私は「風が紅を付けてゆく」という措辞もありだと思ったのですが、Fさんの再度の説明「風を集めて紅となる」に合点がいきました。風につけられた紅ではなく、「酔芙蓉自らが風を集めて紅色になる」という感性。こういう感性があるからこそ、それに合った言葉が出て来るのだと。真似はできっこないと愕然としました。
俳句を始めた時に真っ先に響いた言葉は「感性は教えてもらうものではない。教えられない。」自分の感性は自分で磨くしかありません。だよねー。

〇山霧を纏いて集う朝のミサ
静かでゆったり。宗教が根付いている地域は何かが違います。

〇どれもみな庭の外向く白木槿
南向きの庭の木槿は「主に」庭の外を見て咲きます。当たり前ではありますがひとつの楽しい発見。

〇葛の花触るるばかりの飯田線
よくわかります。体験したい。昨日、近所の公園にたくさんの花が散っていて何の花だろうと見上げましたら、大木の梢まで高く高く這い上った先の葛の花でした。近頃、目の高さの葛の花に出会ったことがないなあ。
のんさん (8b8xe2bx)2022/9/17 20:45削除
第558回 選句

 〇霧閉す浦の目覚めや船の音
  海に近い旅先の宿でしょうか。漁船のエンジン音に目を覚ます。秋の旅の情感溢れる句です。
 
 〇山霧を纏いて集う朝のミサ
  テレビで見たヨーロッパの田舎の村が浮かびました。信心深い素朴な生活が想像されます。
 
 〇無花果を裂いて「話は変わるけど」
  確かに無花果を食べるときに刃物を使いません。大胆に割いたようです。
 
 ◎露草の瑠璃に始まる今日の些事
  露草はどこにでもあるありふれた花ですが、よく見ると本当に綺麗な色です。変わらぬ日常の中にも、楽しみ、喜びは有ることを暗示してくれる句です。

 不来方さん、ご指摘ありがとうございます。中六、助詞が一字抜けました。この頃ミスが増えてますが、もう少し頑張ります。        のん
こがめさん (8atk17xs)2022/9/17 20:26削除
第558回麦っこ選句

◎霧襖ののっと現る対向車
「のっと現る」の表現からびっくりした景が浮かんできます。「霧襖」から霧の濃さがわかります。ライトの光が見えなかったのかな。安全運転がだいじですね。

〇どれもみな庭の外向く白木槿
日常の花の様子を観察しているなと思います。

〇葛の花触るるばかりの飯田線
飯田線が走っている周りの様子が浮かんできます。故郷の陸羽東線も芒がぶつかっているように感じます。

〇選果機の手際梨園の三世代
家族経営の農家ですね。家族総出の仕事ぶりですね。知り合いの梨園を思い出しました。
きっと美味しい梨を出荷しているだろうな。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/9/17 12:12削除
558回選句
◎どれもみな庭の外向く白木槿
〇立ち上がるもの許さじと真葛原
 上記は、木槿が、また葛原がそれぞれ有している意志を作者が感じ取って詠まれたものだろう。
 秋の情景が巧く表現されていると思います。
〇露草の瑠璃に始まる今日の些事
 露草の瑠璃色の小花から、今日一日を乗り切ろうとする作者の覚悟が感じられます。
不来方さん (8aqapchq)2022/9/12 12:06削除
第558回麦っこ選句

◎霧襖のっと現る対向車
 臨場感あり。高速や主要なバイパスなら通行止めのところ。

○シャッターの開く音霧の町動く
 釧路辺りや山間の里など霧に慣れた集落の日常の風情が「霧の町動く」でよく伝わって来る。

○コスモスの丘その果ての荒磯海
 海辺のコスモスの丘は全国彼方此方にあるようだ。掲句は日本海側の町であろう。ロマンに満ちた有磯海への憧れが「その果ての」に巧く表現されている。

□鐘の音や果てなく散り萩の花
 「果てなく」が「鐘の音」と「散り」に掛かり無常観のある句となっているが、中六なので採り切れなかった。

○どれもみな庭の外向く白木槿
 観察眼の行き届いた句。散歩で出会う白木槿は確かにどの家も庭から外を向いている。かと言って外の何かを見ているようにも思えない。虚空に対して何かを祈っているような。
返信10
天馬さん (8bszqp0p)2022/9/11 15:54 (No.34179)削除
559お題

季語 月
文字 高
雑詠
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/9/19 07:11削除
第559回 麦っこ投句

寝不足の重き雨戸や朝の月
天高し露座の仏の永久の笑み
名月や双眼鏡で見るうさぎ
のんさん (8b8xe2bx)2022/9/18 18:56削除
第559回 投句

ひたすらに岸目指す波月今宵
高浪の寄せる廃船鳥渡る
初もみじ高窓開く石の蔵
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/9/18 17:53削除
559回 投句

月光や戦地に消えし少年兵

鳳凰の気高き瞳秋意なお

鐘楼に時の重たさ雲は秋
太郎さん (8aq3zcoi)2022/9/18 16:28削除
麦っこ 559 投句
月の出やマリアの歌うアヴェ・マリア
讃美歌の和声高窓の月明
地引曳く声の揃いて雲は秋
まりさん (8aq66elk)2022/9/18 14:46削除
559回投句

十五夜のベンチに猫を呼ぶ男
秋高しポストの庇影を持つ
秋分の逆さに揃う竹箒
ふたばさん (8augfkle)2022/9/18 00:52削除
第559回麦っこ投句

月光や座敷童の瞳のひかる
387カラット英王冠や天高し
杖下し踏み出す一歩小鳥来る
こがめさん (8atk17xs)2022/9/17 21:04削除
第559回麦っこ投句

月光が墓を見守る過疎の村

天高し白河越えた優勝旗

秋蝶の纏いつきたる耕運機
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/9/17 11:29削除
559回投句
月白の港センチメンタルジャーニー
高速の出口に果つる真葛原
播磨屋を見ぬ錦秋の大歌舞伎
天馬さん (8bszqp0p)2022/9/17 09:17削除
559投句

お迎えのいつも最後の児に月光
天高し鳶一転の急滑降
小鳥来る啄木追放せし村に
不来方さん (8b8tdv36)2022/9/15 15:13削除
第559回麦っこ投句

名月や良きことのみの思わるる

民草のたとえば背高泡立草

家の灯の一つずつ消え良夜かな
返信10
まりさん (8aq66elk)2022/9/4 21:18 (No.33438)削除
557回投句一覧&選句

「花野」
姉の背の小さくなりぬ花野道
貝塚の黒光りして大花野
蒼天へ延びゆく花野磨崖仏
いつからか野仏隠れ住む花野
大花野描く鉛筆は12色
帰れない花野の奥の大花野
会釈して行き交うリフト大花野
一万歩が今日のめあて花野道
花野ゆく父母の訛の鼻濁音
会う人の皆やさしかり花野道

「食」
爪楊枝挿して差し出す試食梨
新涼や病院食のカレーの香
けんぽ梨座り食いらし熊の跡
綿飴を食べつつ帰る秋祭
寅さんのいそうな食堂赤とんぼ
直会の西瓜食むひと皆笑顔
正常値食み出すグラフ秋の空
稲光虫食う草の蹲る
葡萄食ぶ人差し指と親指と
食前の感謝の習い今年米

「雑詠」
項垂れる骨格標本秋暑し
指先にすがる落蝉葉の上へ
憚らずわらい合った日鰯雲
旅三日虫鳴く庭になりにけり
公園にグローブ一泊実紫
今頃は濃き紅の酔芙蓉
竹を取ることが始まり里祭
堰落ちる水の白さや風は秋
食細き子に栗飯の俵型
旧友の声の軽やか処暑の風
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/9/13 10:58削除
麦っこ557回選句
○会釈して行き交うリフト大花野
「車椅子専用リフト」というのを初めて見ました。
円形でぐるりは囲まれていて柵ではありません。
赤味がかった中央に例の「車椅子マーク」が大きく印刷されてました。

○会う人のみなやさしかり花野道
縄文遺跡を巡った折り、隅っこの草原に一本の捩じり花を見つけた熟年男性が
いとおしそうにそうっと撫でていました。

○寅さんのいそうな食堂赤とんぼ
房総の旅の途中、入るのをためらう様な、立て付けの悪い引き戸を引いて
入った蕎麦屋さん。手打ちの蕎麦もたれも天ぷらもなんとも美味しくて・・。
そこも赤とんぼの似合う食堂でした。

◎項垂れる骨格標本秋暑し
恐竜でしょうか。一つ一つ骨の部位を確認し、立ち上げた骨格。
項を垂れたのが本来の形であったにしても、骨だけの恐竜に
「秋暑し」の季語の組み合わせが絶妙。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/9/12 11:31削除
麦っこ 557 選句
◎花野ゆく父母の訛の鼻濁音
大花野を背景に、父恋、母恋のうた。寡黙な父母の、ぽつりぽつりと小声で語る内容はわからないが、ふるさと訛の語り口が耳に残っているのである。いわゆる標準語でも、語間においては「が行音」を「か゜行音(鼻濁音)」に発音する。東北訛では、ガ行音のほかにバ行、ダ行にも鼻濁音があると聞くが、標準語でも鼻濁音が使われなくなる傾向があり、方言の特徴的な発音も時代とともに消えていくのではなかろうか。

〇寅さんのいそうな食堂赤とんぼ
 一読、帝釈天に向かう参道の両側に並ぶ昭和そのもののような食堂や土産物屋が彷彿として眼に浮かぶ。参道の上の小川のような空に、人の流れと呼吸を合わすように往還する赤とんぼも愛らしい。船橋の旧商店街でも見かけそうな景だが、ここはやはり寅さんの立ち姿が迎える柴又駅から江戸川河畔までのトータルの「柴又」を背景に、「寅さんのいそうな食堂」をイメージしたい。

〇旅三日虫鳴く庭になりにけり
 三日の旅は、長旅というほどではないが、家を空けた少しの間に、帰り着くと家の庭はすっかり秋の気配になっていて、ここだく虫が集いていた。省略の効いた格調高い句で、「なりにけり」の詠嘆に深い余情が籠っている。
天馬さん (8bszqp0p)2022/9/11 16:51削除
557選句

○会釈して行き交うリフト大花野
当地ではスキーリフトが活躍しています。
◎花野ゆく父母の訛りの鼻濁音
わが子にはまだ鼻濁音残っていますが、孫達には見られません。消えるまで僅かな気がします。
○寅さんのいそうな食堂赤とんぼ
「赤とんぼじっとしたまま明日どうする」渥美清
こんな句があったような。
○旅三日虫鳴く庭になりにけり
当地の秋は駆け足です。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/9/10 11:32削除
557回選句
◎旅三日虫鳴く庭になりにけり
 三日間の旅は、あっという間の短いものだったのだろう。帰宅して、すっかり秋めいた我が家の様子に驚いている。
〇会釈して行き交うリフト大花野
 リフトに乗って見下ろす一面の花野は、人々の心を浮き立たせる。
〇項垂れる骨格標本秋暑し
 項を垂れているのは、使い古されたからか?季語の情景が巧く捉えられている。
ふたばさん (8augfkle)2022/9/9 23:49削除
第557回 選句

〇花野ゆく父母の訛の鼻濁音
 何やら話しながら花野を行くお二人。「訛の鼻濁音」で、一気にこの情景が親しく感じられました。

〇会う人の皆やさしかり花野道
 素朴な美しさの花野道は、人を幸せな気持ちにさせます。句の読者をもまた。

〇寅さんのいそうな食堂赤とんぼ
 ありますね、田舎の駅前にこんな食堂が。かつ丼が旨い。懐かしい味。赤とんぼがぴったりです。

◎旅三日虫鳴く庭になりにけり
 短い旅から帰ってみると、思いがけずもう庭には秋がきている。小さな驚きが簡潔に表現されていて惹かれました。
のんさん (8b8xe2bx)2022/9/9 19:08削除
第557回 選句
 〇花野ゆく父母の訛の鼻濁音
  標準語は分かりやすいが味気ない気がします。「花野」と「鼻濁音」共通点は優しさでしょうか。
  
 〇項垂れる骨格標本秋暑し
  骨格標本も項を垂れる程の残暑、俳諧味たっぷりです。
 
 ◎旅三日虫鳴く庭になりにけり
  短い留守をしただけなのに虫の声がよく聞こえるようになっていたのでしょう。「虫鳴く庭」の表現が巧みです。
 
 〇食細き子に栗飯の俵型
  食の細い子に食べさせるのは大変なこと、「俵型」に愛情を感じます。
まりさん (8aq66elk)2022/9/8 23:26削除
557回選句

〇帰れない花野の奥の大花野
花野は、花の咲く野原としか感じていなかったのですが、両親を亡くした頃からでしょうか、「花野」という季語に奥を感じるようになりました。吾亦紅や松虫草、終わりかけた夏の野花がぽつんぽつんと咲く花野には夏の勢いはありません。花野の奥の奥・彼岸を感じます。「帰れない」はやや曖昧ですが、そうとしか言えなかったのだと思いました。

〇会釈して行き交うリフト大花野
まさに実体験でしょう。つい挨拶してしまいます。「麦」に入りたての頃の全国大会で高原のリフトに乗りました。大花野の上だったはずなのですが霧でした。「本日は霧・19度・リフト出ます」苦し紛れに表示そのままの句を作ったのを思い出しました。

〇けんぽ梨座り食いらし熊の跡両親を
いい句材ですが語順がもたもたします。食べ散らかした跡より、「食らった熊の尻の跡」に焦点を当てたかったのでは?と思いましたが。

〇寅さんのいそうな食堂赤とんぼ
この食堂は柴又とは限りませんが、あの柴又の食堂に似た雰囲気だったのでしょう。寅さんと赤とんぼの取り合わせがやさしくて昭和。

◎旅三日虫鳴く庭になりにけり
10年ほど前から、鉦叩と蟋蟀(何種かいますが特定せずに)が、私の部屋から初めて聴こえた日を記録しています。今年の鳴き始めは、鉦叩8月16日・蟋蟀8月19日でした。盂蘭盆の頃、墓参りのための旅三日だったのかもしれません。
こがめさん (8atk17xs)2022/9/8 21:59削除
第557回麦っこ選句

◎花野ゆく父母の訛の鼻濁音
訛の音が「鼻濁音」か。訛りの音はいつも大雑把に捉えていました。確かに「鼻濁音」だなと故郷の義姉の声を電話でききました。

〇けんぽ梨座り食いらし熊の跡
熊の話題がでるとどうしてと思います。熊さんがかわいそうと思いつつ、地域の方も大変だろうな。熊の食べたことがリアルに表現されています。

〇正常値食み出すグラフ秋の空
なんのグラフだろうか。「秋の空」から想像しています。

〇項垂れる骨格標本秋暑し
季語との取り合わせがいいですね。理科室の骨格の標本を思い出しました。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/9/8 20:33削除
557回 選句

○会釈して行き交うリフト大花野

スキー場の多くは、夏や秋のシーズンは花野となる所。手植えの花々と共に自生の草花が咲き乱れます。
景の浮かぶ一句。

○稲光虫食う草の蹲る

稲光と食虫植物との取り合わせの意外性。不穏な雰囲気を感じます。


◎項垂れる骨格標本秋暑し

骨格標本が項垂れるという見立てが、季語である残暑の厳しさと響き合っていると思います。
不来方さん (8aqapchq)2022/9/6 11:15削除
第557回麦っこ選句

◎花野ゆく父母の訛の鼻濁音
 この句は記憶の句でありながら、眼前の句であっても何ら不思議ではない。「花野」の持っている時間を超えた本意と故郷の訛りの描写のリアル感のなせる術であろう。

◯けんぽ梨座り食いらし熊の跡
 珍しい季語と坐り食いの熊の跡の生々しさがいい。

◯新涼や病院食のカレーの香
 カレーは夏に合いそうだが、病院食となる微妙な新涼を感じる。

◯竹を取ることが始まり里祭
 如何にも里祭の風情。

◯堰落ちる水の白さや風は秋
 この風は晩夏の使い方なので、「処暑の風」とかにしたいところだが、今年の場合読み手の初秋の実感として風の涼感に尽きる。矢張り「風は」秋。
返信10
太郎さん (8aq3zcoi)2022/9/3 21:13 (No.33359)削除
麦っこ 558 出題

◇季 語   霧
◇文 字   果
◇雑 詠   当季

         出題者:太郎
返信
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/9/12 08:41削除
558回 投句

大変遅くなりました。
すみません。


霧閉す浦の目覚めや船の音

一村に根深き因果そばの花

鳶舞う涙岬よ秋夕焼
のんさん (8b8xe2bx)2022/9/11 21:10削除
第558回 投句

遠く来て北の湖霧が巻く
鐘の音や果てなく散り萩の花
梨剥いて話の先を急がせる
天馬さん (8bszqp0p)2022/9/11 16:27削除
558投句

霧襖のっと現る対向車
稲の花果てゆくまでの三時間
立ち上がるもの許さじと真葛原
太郎さん (8aq3zcoi)2022/9/11 15:44削除
麦っこ 558 投句
 霧霽れて一面に暖色の花
 コスモスの丘その果ての荒磯海
 選果機の手際梨園の三世代
智美さん (8dfroqvi)2022/9/11 06:35削除
まりさん  有り難うございました。
ふたばさん (8augfkle)2022/9/11 00:50削除
第558回麦っこ投句

朝霧の晴れて湖辺の鳥居かな
ガマズミの赤い果実酒郷の味
心平の「天山文庫」小鳥来る
こがめさん (8atk17xs)2022/9/10 22:46削除
第558回麦っこ投句

霧晴れるサービスエリアのバス動く

交通安全の効果願いの案山子立つ

耳遠き波となりける虫の声
智美さん (8aq66elk)2022/9/10 22:32削除
第558回麦っこ投句

山霧や低く途切れる無線音
果てしない津軽の稲穂遮光土偶
どれもみな庭の外向く白木槿

まりが智美さんになりすまして投稿しました。
なりすまして投稿するのは全くかまいませんが。
今後のために、パスワードを替えてテスト投稿してみてください。
投稿できたらそれを削除してみてください。
パスワードが合っていれば削除できるハズなのですが。

訂正の時には、投稿したものを一旦コピーしてから削除してください。
新しい投稿画面にそのコピーしたものを貼り付けて一旦「送信」。
「送信」「戻る」の文字が出ますので「戻る」をクリックすると、投稿した画面がでます。
その画面で訂正することができます。
(訂正したものを新たに投稿したほうがラクな方はそれで)
投稿したものが削除できなくても、ほっとけば自然に下に流れて目に入らなくなりますから大丈夫!

尚、整理する側から申しますと、俳句は左端に揃えていただくと助かります。

智美さん、ご旅行でしたか~ 不来方さんもご旅行にいかれたとか。いいなあ!
身内にコロナ陽性者が出たこともあり、今のところ勇気がでません。
(まり)
智美さん (8dfroqvi)2022/9/10 18:16削除
まりさんへ  訂正のお願い

 558回句  2句目「果」の句
   最後「遮光土器」ではなくて「遮光土偶」に訂正してください。
   本当は「遮光器土偶」なのですが・・・。
   御所野、是川、三内丸山、亀岡、大森勝山、伊勢堂岱、大湯環状と回って来たのですが、
   なかなか俳句にはなりません。
智美さん (8dfroqvi)2022/9/10 16:29削除
第558回麦っこ投句

 山霧や低く途切れる無線音
 果てしない津軽の稲穂遮光土器
 どれもみな庭の外向く白木槿
不来方さん (8aqapchq)2022/9/10 10:54削除
第558回麦っこ投句

霧しぐれ上り電車の音幽か

芒野や旅路の果にまた旅路

葛の花触るるばかりの飯田線
まりさん (8aq66elk)2022/9/9 17:22削除
558回投句

シャッターの開く音霧の町動く
無花果を裂いて「話は変わるけど」
露草の瑠璃に始まる今日の些事
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/9/4 18:07削除
558回投句
山霧を纏いて集う朝のミサ

炊事場の妻ひとくちで無花果を

老友は両刀使いずんだ餅
返信13
智美さん (8dfroqvi)2022/9/11 06:28 (No.34159)削除
まりさん  有り難うございました。

お手数をおかけしました。
俳句の左詰めも気を付けます。
返信
返信0
こがめさん (8atk17xs)2022/9/7 12:56 (No.33735)削除
まりさんへ

いつもありがとうございます。
句の整理をやるといつもパソコンをもう少しやっておけばと良かったと思います。
でもいいかと諦めています。
コピーして読ませていただいています。
返信
返信0