麦船橋句会

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こがめさん (8atk17xs)2022/8/28 14:54 (No.32856)削除
第557回麦っこお題

季語 花野

文字 食

雑詠
返信
のんさん (8b8xe2bx)2022/9/4 18:39削除
第557回 投句
 姉の背の小さくなりぬ花野道
 
 寅さんのいそうな食堂赤とんぼ

 堰落ちる水の白さや風は秋
天馬さん (8bszqp0p)2022/9/4 18:28削除
557投句

貝塚の黒光りして大花野
けんぽ梨座り食いらし熊の跡
食細き子に栗飯の俵型
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/9/4 16:11削除
557回 投句

蒼天へ延びゆく花野磨崖仏

食前の感謝の習い今年米

旧友の声の軽やか処暑の風
智美さん (8dfroqvi)2022/9/4 15:14削除
第557回麦っこ投句

 いつからか野仏隠れ住む花野
 稲光虫食う草の蹲る
 旅三日虫鳴く庭になりにけり
ふたばさん (8augfkle)2022/9/3 22:24削除
第557回麦っこ投句

大花野描く鉛筆は12色
綿飴を食べつつ帰る秋祭
公園にグローブ一泊実紫
不来方さん (8b8tdv36)2022/9/3 16:12削除
第557回麦っこ投句

帰れない花野の奥の大花野

葡萄食ぶ人差し指と親指と

今頃は濃き紅の酔芙蓉
太郎さん (8aq3zcoi)2022/9/3 10:37削除
麦っこ 557 投句
会釈して行き交うリフト大花野
新涼や病院食のカレーの香
項垂れる骨格標本秋暑し
こがめさん (8atk17xs)2022/9/2 13:12削除
第557回麦っこ投句

一万歩が今日のめあて花野道

爪楊枝挿して差し出す試食梨

指先にすがる落蝉葉の上へ
まりさん (8aq66elk)2022/9/1 11:35削除
557回投句

花野ゆく父母の訛の鼻濁音
正常値食み出すグラフ秋の空
憚らずわらい合った日鰯雲
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/8/29 17:38削除
557回投句
会う人の皆やさしかり花野道
直会の西瓜食むひと皆笑顔
竹を取ることが始まり里祭
返信10
まりさん (8aq66elk)2022/8/28 21:39 (No.32895)削除
556回投句一覧&選句

「草雲雀」
淹れ立ての朝のコーヒー草雲雀
縄文の環状列石草雲雀
漣はほほえみに似て草雲雀
地蔵尊の前垂れ新た草雲雀
草雲雀聴かむと眼瞠れども
草雲雀不要不急の一行詩
草ひばり誰かが誰か呼んでいる
テント村の朝の良き音草雲雀
下校児の声去りてより草雲雀

「折」
水澄みて四方渓あり肘折の湯
折鶴を開けば白き秋の風
折れ線の血圧表や秋兆す
折り合いをつける一病鰯雲
落鮎や椎葉村への九十九折
つくつくし仏の父母へ折る野花
盂蘭盆会線香折って火をつける
枝折戸を開ければ小さき我が花野
夭折の詩人の帽子秋の風

「雑詠」
秋暑なお三角コーンの並ぶ町
猫じゃらしコミュニティバスの走る道
目交いに港の夜景遠花火
絵団扇の母の筆なる幼の眼
油槽船横切る秋の麒麟草
星奔る宙をめくれば黄泉の国
風は秋海を見下ろす六地蔵
肯定感が好き蟷螂鎌を上げ
流れつく精霊の菰白い海


天馬さんはお休みです。
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/9/4 16:09削除
第556回選句

 ○淹れ立ての朝のコーヒー草雲雀
   朝の炊き立てのご飯の匂い、コーヒーの香り、凄く癒されます。
  草雲雀も加わり、朝の五感が目覚め、心豊かな一日が始まる。
  季語の優しさがいい。

 ◎折鶴を開けば白き秋の風
   日本人にとって「折鶴」は特別なものと思う。その折鶴をそっと開いた時
  白い秋の風が吹き抜けたという作者の感性を素晴らしいと思う。
  孫が、鶴が折れるようになったと言って、小さな手で折ってくれた折鶴をまだ捨てられずにいる。
  開いたら何色の風が吹くのだろうか。色など見えなかったらどうしましょう。

 ○つくつくし仏の父母へ折る野花
   「仏の父母」がとてもいい。「亡き父母」とか「妣」とか「考」などより美しい。
  本来なら野の花、庭の花が一番の供花なのだろう。

 ○星奔る宙をめくれば黄泉の国
   流れ星の流れるあの空をめくってみるなどという発想は私のどこを叩いても出てきません!
  黄泉の国以外もっと違う国もあるのかしらん?
太郎さん (8aq3zcoi)2022/9/3 14:58削除
麦っこ 556 選句
〇縄文の環状列石草雲雀
 三内丸山遺跡などで縄文時代の遺構や出土品に触れて、壮大な歴史的ロマンの世界にいざなわれたことがある。環状配石墓は見た記憶があるが、掲句の「環状列石」は、もっと大がかりなストーンサークルであろう。この句の取り合わせは、幾千年を隔てる時空をタイムトリップするような不思議な感覚を味わわせてくれる。「縄文の」は、言わなくてもよいような気もするが…。

〇夭折の詩人の帽子秋の風
一読して、少し野暮ったい黒のハットをかぶった中原中也の肖像を思い浮かべる。秋風の吹くころになると、青少年時代に愛誦した中也の詩句とその風貌がおのずと思い出されるのである。夭折の文学者は、みすず(26)、透谷(24)の自死のほかは、一葉(24)、道造(24)、啄木(26)、重吉(29)など、みな結核であった。中也も結核で30歳で亡くなったが、現代ならばこれらの俊英たちももっと永く活躍できたであろうに。

◎星奔る宙をめくれば黄泉の国
 「星奔る」は、「流れ星」(秋)の傍題である。流星は、季節にかかわりなく見られるが、初秋のころが最も多いと言われる。また、月と同じくそれを賞美するのに秋が最も清明なので、星に関する季語が秋に多くなるのである。満天の星を見上げつつ、この無窮の宇宙の向こう側に人知を超えた不思議の国があることを想像するのは、だれもが一度は経験していることである。
のんさん (8b8xe2bx)2022/9/3 11:13削除
第556回 選句

 ◎縄文の環状列石草雲雀
  環状列石、見たことはありませんが、とても興味が湧きました。取合せが良いと思います。

 〇漣はほほえみに似て草雲雀
  繊細で心が穏やかになる句です。
 
 〇折鶴を開けば白き秋の風
  折鶴の句は沢山目にするのですが、軽やかに、爽やかに詩っているのが新鮮です。
 
 〇夭折の詩人の帽子秋の風
  中原中也が浮かびました。詩心は秋のものです。
 
 〇星奔る宙をめくれば黄泉の国
  17文字でこんなに壮大な景、思い、を表現できるのは凄いことです。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/9/3 10:08削除
556回選句
◎折鶴を開けば白き秋の風
 酷暑を乗り切って、やっと迎えた秋。そういった安堵感が読み取れます。
〇縄文の環状列石草雲雀
 りりりり・・という草雲雀の鳴き声は、縄文人が今を生きる我々に何かを伝えようとしているのだろうか?
〇星奔る宙をめくれば黄泉の国
 この時期、星空を眺めていると、超常世界に引き込まれていきます。
こがめさん (8atk17xs)2022/9/1 19:51削除
第556回麦っこ選句

〇地蔵尊の前垂れ新た草雲雀
地蔵尊のある場所とどんな地蔵尊かイメージできます。新しい前垂れを前にして草雲雀が良かったねと言っているように感じます。

〇折り合いをつける一病鰯雲
病気と向き合って過ごしているのだろうか。気持ちを切り替えて生活しているようにかんじます。「鰯雲」がぴったしです。

◎折鶴を開けば白き秋の風
〇流れつく精霊の菰白い海
「白き秋の風」「白い海」の表現がいいなと思いました。他の方の評からなるほどと思いました。折紙の折鶴を開いた時の景に「白い秋の風」がぴったしですね。ロマンがあります。
まりさん (8aq66elk)2022/9/1 10:35削除
556回選句

〇縄文の環状列石草雲雀
シンプルがいいなあと。草雲雀がちょっとおしゃれ。蟋蟀だと平凡ですから。

〇地蔵尊の前垂れ新た草雲雀
これも、蟋蟀ではないところにはっとします。新しい前垂れでさっぱりした地蔵に合います。

◎折鶴を開けば白き秋の風
折鶴を開けば・・・という句はいくつもあり、私はそのスタイルがあまりすきではありませんでしたが、この「風」との取り合わせは素直に素敵だと思いました。秋風は色なき風・白でもあります。発想のひろがりに詩情があります。

〇流れつく精霊の菰白い海
舟や行燈の形の精霊流しではなく菰巻き。供養の花や盆特有の食べ物が菰に巻かれているのでしょう。作者の実家は海の傍ですから。私の実家は川の傍ですが供物を流す習慣はありませんでした。でもお盆が近づくと父が青葦を切ってきて器用に菰を編んでいました。あの菰編みも父の代で終わりました。
ふたばさん (8augfkle)2022/8/31 18:47削除
第556回選句
〇漣はほほえみに似て草雲
 繊細な句ですね。池のほとりに立つ作者の穏やかなこころ。草雲雀の細い鳴き声の取り合わせに詩情を感じます。

〇折鶴を開けば白き秋の風
 開いた折鶴から感じる微かな風。素敵な句ですね。感性の豊かさが感じられます。

◎星奔る宙をめくれば黄泉の国
 「宙をめくれば」がお見事と思いました。発見があり壮大なロマンを感じます。神経の行き届いた秀句ですね。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/8/31 11:37削除
556回 選句

縄文の環状列石草雲雀

縄文時代に惹かれて、様々な遺跡を訪れました。列石は、長い年月と多くの人々の手を経て完成したとも言われています。単なる取り合わせではなく、草雲雀の儚い声が、はるか遠い人々の魂と響き合っているような気がします。

○折鶴を開けば白き秋の風

折鶴を開くは羽ばたく形にしたという事でしょう。
爽やかな秋の訪れを詩情豊かに詠まれていると思います。

○星奔る空をめくれば黄泉の国

星奔るは流れ星。あえて奔るとした所に瞬間的な作者の驚きが見えます。
空を捲る句は、さまざま見られますが、下五黄泉の国への展開に作者の詩的な感性を感じました。
オリジナリティは、作句の肝。流石の一句。
不来方さん (8aqapchq)2022/8/29 12:17削除
第556回麦っこ選句

◯縄文の環状列石草雲雀
 縄文遺跡と眼前の草雲雀。時空を超えて取合せが佳い。縄文の世から草雲雀の声が聞こえてくるようだ。

◎折鶴を開けば白き秋の風
 「折鶴」は祈りの象徴。その折鶴から初秋の風が生まれて来たかのような詩的世界。敢えて入れた「白」が効いている。

◯折り合いをつける一病鰯雲
 一病息災とは云うが日々の積み重ねである。長い闘病の心模様が「鰯雲」によく表現されている。

◯流れつく精霊の菰白い海
 弧の中にはどんなものが入っているのだろうか、と「精霊の弧」に想像がふくらむ。抽象的なイメージのまま一気に「白い海」の詩的空間へ引きずりこまれしまった。
返信9
まりさん (8aq66elk)2022/8/21 20:51 (No.32260)削除
555回投句一覧&選句

「盆」
盆花の萎れ横浜行き切符
父植えし木も老木と盆の月
訪いの1人だに無き盆灯篭
のっそりと今森を出る盆の月
ふる郷の新盆三つ欠礼す
盆礼の兄への品を託す義姉
アルバムをひろげる仏間盂蘭盆会
母の戀ありてこの世の盆の月
盆の市コーナー安房の道の駅
海峡を越えて故郷の盆の月

「号」
夏痩せかやっとズボンが九号に
待ち合わすあずさ3号今朝の秋
二刀流の地元紙号外のさやか
年号は西暦がよし油蝉
新涼や追悼号の滲む文字
屋号にて呼ぶ母の里浜おもと
背番号7中三の夏果てる
少年の手旗信号鰯雲
建て替わるA棟II号虫の秋
暗号を解く鍵明けの流れ星

「雑詠」
墓洗う供花と一緒コップ酒
彼岸への送信月光充電す
父にあり我にはあらず敗戦日
音沙汰なき親族のあり盆仕舞
鳴沙山の駱駝にゆられ夏の月
桃印徳用燐寸終戦日
江戸川の風よ光よ風天忌
風は秋十二㎝の靴とっとこ
根深さを日々知るニュース秋暑し
八月や焦土の町の復元図
返信
天馬さん (8bszqp0p)2022/8/29 15:52削除
555選句

○アルバムをひろげる仏間盂蘭盆会
配偶者には九人の兄姉がおり、昔はお盆にみんな夫婦で集まり壮観でした。掲句から懐かしく思い出しました。
○屋号にて呼ぶ母の里浜おもと
当地では屋号がまだ残っていますが、跡継ぎが居ない家は屋号も消えます。
○音沙汰なき親族のあり盆仕舞
本家のお盆の様子が伝わります。
◎桃印徳用燐寸終戦日
まさに昭和!脱帽です。
智美さん (8dfroqvi)2022/8/28 18:12削除
第555回選句

 ○アルバムをひろげる仏間盂蘭盆会
   コロナによって人々が集まる事が制限され、我々も万が一を恐れ声をかけられずにいる。
   仏間に親族が集い、懐かしいアルバムを広げる。心安らぐひと時であろう。

 ○背番号7中三の夏果てる
   背番号7を貰っていたのですから、堂々のレギュラー。
   満足感を持って次のステップに進めるでしょう。
   日本の部活制度はとてもいいものだと最近思っています。

 ◎桃印徳用燐寸終戦日
   戦時中もですが戦後の生活も大変だったのです!
   燐寸が配給だったのをご存知ですか。お米は勿論、魚,砂糖(人工甘味料のサッカリンと言いました)
   布地も配給でした。あと2,3日しないと燐寸の配給がない、残り少なくなった本数を数え、気が気でありませんでした。
   燐寸一本で火をつけるのは(お風呂もご飯も)上手かったです。小学生の頃のこと・・年を白状したようですが。
   ちなみにこれは横浜の話。横浜駅の近くでしたが一面の焼け野原!でした。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/8/28 12:10削除
麦っこ 555 選句
◎アルバムをひろげる仏間盂蘭盆会
かつて、我が家でも年に何度かは三世代の係累が集まって、会食をしたりゲームをしたり、アルバムを広げて果てしなく会話を楽しんだりした。
 今では、盂蘭盆にも人が寄ることはなく、電話で消息を聞く程度になってしまった。掲句の作者とわたしの年代に大きな差があることを思い知るのである。

〇江戸川の風よ光よ風天忌
「風天忌」は、俳優渥美清の命日8月4日である。没年から四半世紀を経過しているが、季語として定着するまでにはもうしばらく時間が必要かもしれぬ。夏の果て、江戸川の川面を渡る風も波頭に光る陽光も、すでに秋の到来を予感させるものとなっている。「風よ光よ」の呼びかけに、移ろう季節への期待や喜びが籠っているようである。

〇八月や焦土の町の復元図
「八月や」の詠嘆には、この月の季節感と歴史的事実への思いが籠められている。「焦土の町の復元図」は、爆心地の平和記念公園に設置された街並み復元図であろう。そこに詳細にわたって記載されている街並みが跡形もなく消え去った八月の日のことをわれわれは永久に忘れることはできない。「八月や」の詠嘆に、何か別の自然や人事に関する感動が籠められた句を詠み、あるいは読みたいものである。
ふたばさん (8augfkle)2022/8/27 22:55削除
第555回麦っこ選句

〇アルバムをひろげる仏間盂蘭盆会
 家族が集まって久々に懐かしい写真を見ながら語りあっている。仏間の賑わいが伝わってきます。

〇屋号にて呼ぶ母の里浜おもと
 私の村でも屋号で呼んでいました。「浜おもと」の季語で、母上のお里は温暖な地方かしらと思いました。

◎桃印徳用燐寸終戦日
 竈のそばに、いつも置かれていたマッチ箱。桃の絵柄が懐かしいです。漢字だけの句に技巧を感じます。

〇根深さを日々知るニュース秋暑し
 日本のニュースに限って言えば、政界と霊感商法の統一教会とのずぶずぶの関係に、呆れて言葉もありません。
 国葬?冗談でしょ。ですが、事は着々と進んでいる様子。実に嘆かわしい限りです。政情を俳句にするのは私にはとても
 難しく、勉強になりました。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/8/27 15:45削除
555回選句
◎桃印徳用燐寸終戦日
 常に身近にあったものを句材にしたことで、終戦時の頃が鮮明に思いだされる。
〇アルバムをひろげる仏間盂蘭盆会
 お盆に家族が集まり、仏間でアルバムを開いて昔話に花が咲く。懐かしい風景が描かれている。
〇鳴沙山の駱駝にゆられ夏の月
 平山郁夫の世界。西域の月の砂漠を駱駝に揺られ旅をする。ロマンを掻き立てられる句です。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/8/27 12:46削除
お詫び

選句場所を間違えてしまいました。ちこりん555回選句でご覧ください。
まりさん (8aq66elk)2022/8/27 10:06削除
555回選句

◇盆花の萎れ横浜行き切符
唐突な横浜に?その後察しました。盆休暇で帰ってきた子が勤め先の横浜に戻るのだと。暑い最中の盆花の萎えるのは早い。あっという間に戻ってしまう子への母の気持ち。無論、しっかり自立しているのが一番とはわかってはいるのですよネ。

〇のっそりと今森を出る盆の月
満月前後の月の出は一番気が付きやすい時刻のような気がします。今年の盆の月は8月12日でした。(名月は来月)思いがけずに出会った月に、あれ今日は満月だっけ?と思い、ちょっと得した気分に。
「盆の月」は、7月から8月の盆の頃の月であれば何でも・どんな形でもと気軽に使っていましたが、今回、季寄せを読んでびっくり。盂蘭盆会の夜の満月、つまり8月の満月だったのですね~。

〇屋号にて呼ぶ母の里浜おもと
母の里&浜おもとですから、夏休みには海に近いおばあちゃんの家に行っていたのでしょう。昭和の懐かしい景色がストレートに伝わってきます。

〇暗号を解く鍵明けの流れ星
明け方まで推理小説を読んでいたのか、DVDでもを見ていたのか。私にはゼッタイできないコトです。

◎桃印徳用燐寸終戦日
徳用マッチは台所と仏壇にありました。季語との距離感がいいと思います。「桃印」の効果あり。
のんさん (8b8xe2bx)2022/8/26 20:41削除
第555回麦っこ 選句
 
 ◎アルバムをひろげる仏間盂蘭盆会
  今は亡き両親と暮らした家に、子供たち家族が集まっているのでしょうか?「仏間」が景を鮮明にしています。

 〇年号は西暦がよし油蝉
  長かった昭和に比べ、平成、令和は慌ただしくこの頃は西暦の方が使いやすくなっています。そんな変化への苛立ちを感じさせる季語です。

 〇父にあり我にはあらず敗戦日
  世代による感じ方の違い、私は終戦日です。
 
 〇桃印徳用燐寸終戦日
  マッチをよく使っていたむ昔は、大箱の燐寸箱が台所に置かれていました。「桃印」目に浮かびます。
こがめさん (8atk17xs)2022/8/23 07:58削除
第555回麦っこ選句

〇待ち合わすあずさ3号今朝の秋
いいですね。はやく旅行?に行きたいな。

〇二刀流の地元紙号外のさやか
大谷選手のことかな。「さやか」の季語がいいですね。

◎屋号にて呼ぶ母の里浜おもと
「屋号」の句で作ろうとしましたが季語うかびませんでした。「浜おもと」か。と感嘆しました。
田舎に帰った時には「。。。」の娘ですというと兄の名前が出てきてそうか。と話が弾みます。兄には屋号の一字があるからかな。

〇少年の手旗信号鰯雲
少年が真剣に手旗信号を送っている景が浮かんできます。
不来方さん (8aqapchq)2022/8/22 21:52削除
第555回麦っこ選句

◯アルバムをひろげる仏間盂蘭盆会
 アルバムは特別な時にしか開かない。将来もこういう景が残っていますように!

◯屋号にて呼ぶ母の里浜おもと
 懐かしい。「屋号」と「浜おもと」が効いている。昭和世代にしか分からないかも知れない。

◎暗号を解く鍵明けの流れ星
 夜明けの流星には森羅万象の謎解きの秘密がありそうだ。

◯鳴沙山の駱駝にゆられ夏の月
 森繁久彌の「月の砂漠」は心の奥深くしみ込んでいる。固有名詞の句は作るのも読むのも難しいが「鳴沙山」には格別の味わいあり。

◯桃印徳用燐寸終戦日
 省略の見本のような漢字だけの句。終戦当時は停電も普通のことで、燐寸は不可欠な日用品であったろう。時代が変わり今では身近に燐寸を見かけることも少ない。将来は???ただアンデルセンの「マッチ売りの少女」は読み継がれてゆくものと信じたい。
返信10
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/8/20 09:12 (No.32128)削除
556回 麦っこお題

季語  花火

文字  折

雑詠
返信
のんさん (8b8xe2bx)2022/8/28 18:31削除
第556回 麦っこ投句

 淹れ立ての朝のコーヒー草雲雀
 折り合いをつける一病鰯雲
 風は秋海を見下ろす六地蔵
智美さん (8dfroqvi)2022/8/28 16:32削除
第556回麦っこ投句

 縄文の環状列石草雲雀
 盂蘭盆会線香折って火をつける
 肯定感が好き蟷螂鎌を上げ
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/8/28 16:32削除
556回 投句

漣はほほえみに似て草雲雀

夭折の詩人の帽子秋の風

流れつく精霊の菰白い海
ふたばさん (8augfkle)2022/8/27 23:22削除
第556回麦っこ投句

地蔵尊の前垂れ新た草雲雀
折れ線の血圧表や秋兆す
絵団扇の母の筆なる幼の眼
太郎さん (8aq3zcoi)2022/8/27 21:12削除
麦っこ 556 投句
草雲雀聴かむと眼瞠れども
折鶴を開けば白き秋の風
油槽船横切る秋の麒麟草
まりさん (8aq66elk)2022/8/27 10:08削除
556回投句

草雲雀不要不急の一行詩
つくつくし仏の父母へ折る野花
星奔る宙をめくれば黄泉の国
不来方さん (8aqapchq)2022/8/26 11:17削除
第556回麦っこ投句

草ひばり誰かが誰か呼んでいる

枝折戸を開ければ小さき我が花野

秋暑なお三角コーンの並ぶ町
こがめさん (8atk17xs)2022/8/24 16:41削除
第556回麦っこ投句

テント村の朝の良き音草雲雀

水澄みて四方渓あり肘折の湯

猫じゃらしコミュニティバスの走る道
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/8/22 10:45削除
556回投句
下校児の声去りてより草雲雀
落鮎や椎葉村への九十九折
目交いに港の夜景遠花火
返信9
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/8/27 12:41 (No.32732)削除
555回 選句

○海峡を越えて故郷の盆の月

勝手に作者の立ち位置は、故郷と遠く離れた地にあると想像しました。海峡を越えねば行けない故郷。盆の月を眺めつつ望郷の思いを募らせているのでしょう。

◎彼岸への送信月光充電す

景としては月に見入る作者。
全身で月光を浴び、そのエネルギーを吸収しようとしているか
のようです。
彼岸にいる大切な人々と繋がっていたい思いが伝わります。

○桃印徳用燐寸終戦日

終戦日との取り合せとした特用燐寸。読み手それぞれに切り込んで、想像力を試されているかのよう。復興の象徴として、台所にでんと置かれた燐寸。はたまた、戦後の闇市の屋台の片隅に大切に置かれた高価な燐寸なのでしょうか。
時代を遡って、戦争を感じます。
返信
返信0
富美子さん (8ba7segn)2022/8/26 21:07 (No.32699)削除
麦船橋句会の皆さんへ
  8月通信句会の選句結果が纏まりましたので
  送付いたしました。
  抜けていたり間違いなど有りましたらお知らせ下さい。
  富美子
返信
返信0
まりさん (8aq66elk)2022/8/7 20:55 (No.31076)削除
553回投句一覧&選句

「蝉」
引っ込みのつかぬ諍い蝉時雨
蝉しぐれ演習場の鉄条網
鳴いてるか地に近き枝の蝉の殻
北向きの小縁にしばし蝉時雨
掌の骸の匂い朝の蝉
落蝉の虚空を搔きてやがて熄む
挽歌なり噫八月の蟬しづか
蝉声の続く激しさ元気づく
川風に委ねる手足蝉時雨
跡形のなき生家跡蝉しぐれ

「着」
梨食むや着陸続く飛行基地
夕涼や空に到着便の列
盆用意糊の利きたる割烹着
羅を着て招かれし茶懐石
夕凪や水着を洗う外流し
襷して水打つ着物学院生
蒲は穂に空へ突き出す舟着場
白麻の着流し龍之介のモボ
着水のあとの白鷺瞑想す
着火する炎の揺らぎ盂蘭盆会

「雑詠」
リハビリの歩き慣れてる白い靴
念仏に始まる祭暮れなずむ
出来ぬことまた一つ増え八月来
八月の海は涙の匂いして
路地裏に鬼灯の花灯けり
月涼し織部の皿の芋羊羹
標なきマリア観音草いきれ
理髪店のポール炎暑を巻き上げて
一羽鳴きざわつく鴉大西日
弟の遺品の「イマジン」夏の星


毎年のことですが、暑い暑い立秋。
今晩はちょっと太った半月が美しい。
中秋の名月は9月10日のようです。
こちらは残暑厳しい中の名月となりそうです。
返信
天馬さん (8bszqp0p)2022/8/21 18:22削除
553選句

◎川風に委ねる手足蝉しぐれ
○蒲は穂に空へ突き出す船着場
○月涼し織部の皿の芋羊羹
○弟の遺品「イマジン」夏の星

大幅遅れすみません!
智美さん (8dfroqvi)2022/8/14 10:18削除
麦っこ 553回選句

 ○蟬しぐれ演習場の鉄条網
  入るを拒む、有無を言わせぬ境界線。それをあざ笑うかのような蟬しぐれ。

 ○夕涼や空に到着便の列
  わが家から見える景色と同じです。夕方から夜11時ごろまで、次から次へと列をなしています。
  同時に7機を確認したことがあります。「空に」が効いている。
 
 ○月涼し織部の皿に芋羊羹
  芋羊羹に織部の手ざわり、風情はよく合う。ぽんと提示された「織部の皿」と
  「月涼し」という作者の情の絡みがいい。

 ◎弟の遺品の「イマジン」夏の星
  四つの単語のどれもが切なく、胸を打つ。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/8/13 20:27削除
麦っこ 553 選句
◎盆用意糊の利きたる割烹着
【評】盆支度にいそしむ家刀自の生き生きとした姿が目に浮かぶ。

〇跡形のなき生家跡蝉しぐれ
【評】目新しい題材ではないが、人事と自然、無と有、流行と不易…。われわれ日本人が心惹かれるテーマである。

〇理髪店のポール炎暑を巻き上げて
【評】「炎暑を巻き上げて」が巧い表現。「理髪店のポール」は、「有平棒」「サインポール」などと短く表現したい気もする。

〇弟の遺品の「イマジン」夏の星
【評】「夏の星」がいくぶん軟焦点の感じだが、乾いた抒情の佳句。
ふたばさん (8augfkle)2022/8/13 19:01削除
第553回麦っこ選句

〇跡形のなき生家跡蝉しぐれ
 生家跡に立って、さまざまなことを思い出している。懐かしさと寂しさを、蝉しぐれが際立たせているようです。

〇蒲は穂に空へ突き出す舟着場
 船着き場の風景が、蒲の穂で臨場感を出しています。

〇着火する炎の揺らぎ盂蘭盆会
 炎の揺らぎと、亡くなった人たちを思う心の揺らぎが感じられます。

〇八月の海は涙の匂いして
 涙の重さも感じます。

◎月涼し織部の皿の芋羊羹
 織部の皿に芋羊羹。まさにぴったり。織部の深い草色に舟和の芋羊羹、食べたくなります。
のんさん (8b8xe2bx)2022/8/13 13:38削除
第553回麦っこ 選句
 
 〇跡形のなき生家跡蝉しぐれ
  私が二十歳まで住んだ家もありませんが、間取りや庭の花の事などふと思い出します。更地になってもそこで過ごした家族との時間は、貴重な思い出です。
 〇盆用意糊の利きたる割烹着
  初盆でしょうか。いろいろな色が有りますが白い割烹着が浮かびました。
 〇白麻の着流し龍之介のモボ
  いかにも神経質な龍之介の横顔、おしゃれというイメージが増えました。
 〇念仏に始まる祭暮れなずむ
  祭りは元来神聖なもの、伝統にのっとり念仏からとは、古くから続く祭りなのでしょう。
 ◎弟の遺品の「イマジン」夏の星
  「イマジン」今の時代、殊に心に響きます。弟さんは「イマジン」を歌わなくて良い世界を、切望していたのではないでしょうか。、
ジュピターさん (8byj9lwx)2022/8/13 11:30削除
553回選句
◎八月の海は涙の匂いして
 下五を接続助詞で止めたことで、余韻が深まっている。
〇落蝉の虚空を搔きてやがて熄む
 実景というより、作者の心象を表現したものとして頂きました。
〇蒲は穂に空へ突き出す舟着場
 中七の表現から、作者が蒲の原から、はるか遠くの船着き場を望んでいることが想像できる。
〇理髪店のポール炎暑を巻き上げて
 戸外のムンムンするような暑さが伝わってきます。
まりさん (8aq66elk)2022/8/9 22:30削除
553回 選句

〇落蝉の虚空を搔きてやがて熄む
俳句にはあまりない、あえて経過を見せる形。

〇八月の海は涙の匂いして
広く明るい海も、3月・8月は特にたくさんの涙を流すのでしょう。

〇標なきマリア観音草いきれ
隠れキリシタンの里、観音に似せたマリア像。今はその標さえなくて夏草の中。
私の実家は浄土真宗で墓は部落の共同墓地。葬儀・納骨・法事などは村に一つの曹洞宗のお寺のお坊さんにお経をあげていただきます。寄付や行事にも参加の事実上の檀家ですが、自宅にお坊さんがくることはありません。二晩・三晩と続く通夜は村の長が仕切り、近所の方と念仏を唱えます。

◎弟の遺品の「イマジン」夏の星
感性のよく合う弟さんだったことでしょう。「イマジン」と夏の星がぴたりと合ってじいんときます。

{イマジン}
想像してごらん 天国なんて存在しないと
やってみれば簡単さ
僕らの下には地獄もない
上にあるのは空だけ

想像してごらんよ
みんなが今日一日のために生きている姿を

想像してごらん 国家なんて存在しないと
難しいことではないさ
殺したり命を捧げることもない
そして宗教もないと

想像してごらんよ
みんなが平和に暮らしている光景を

君は僕を夢想家だと言うかもしれない
でも僕一人ではないさ
いつか君も仲間に加わることを願っている
そして世界は一つになるんだ

想像してごらん 所有物なんて存在しないと
君にはできるかな
欲深くなる必要はない
人類みんなが兄弟であれば

想像してごらんよ
みんなで世界を分かち合っている現実を

君は僕を夢想家だと言うかもしれない
でも僕一人ではない
いつか君も仲間に加わることを願っている
そして世界は一つとして生きるんだ
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/8/9 14:12削除
553回 選句

◎蝉時雨演習場の鉄条網

絶え間無く全身に纏い付く蝉時雨の粘つくような声。
鉄条網の中に見え隠れする戦争の気配。二つが重なり合って、息苦しさを感じました。五感を刺激する一句。
 
○川風に委ねる手足蝉時雨

目的を持たず、ただ自然に委ねるひと時は、何ものにも代え難い安らぎの時。

○八月の海は涙の匂いして

戦中戦後の様々な暮らしと人々の思いが想起される八月。海の匂いは涙の匂いに共感しました。
こがめさん (8atk17xs)2022/8/8 12:06削除
第553回麦っこ選句

〇川風に委ねる手足蝉時雨
「川風に委ねる手足」の場所に行ってみたいな。田舎に帰れば直ぐ行けるところに最上川の源流があるのに。
大雨にならないことを祷っているようにも感じます。

〇八月の海は涙の匂いして
「海は涙の匂い」の表現がうまいなと思います。決してあってはいけないことです。

〇一羽鳴きざわつく鴉大西日
よく見かける景で、句を作ろうとしたけどできませんでした。「大西日」の季語がいいなと思います。

◎弟の遺品の「イマジン」夏の星
弟さんはいつまでも「星」になって見守っているだろうな。「イマジン」のレコードを聴きながら思い出しているのだろう。「夏の星」から寂しいけれど明るさを感じます。
不来方さん (8aqapchq)2022/8/8 11:24削除
第553回麦っこ選句

◯落蝉の虚空を搔きてやがて熄む
 落蝉の動きを捉えて巧い。下十二の淡々とした無常観がいい。

◯跡形のなき生家跡蝉しぐれ
 既視感はありそうだが、生涯心の中に残る景として採らざるを得ない句。

◯蒲は穂に空へ突き出す舟着場
 全国の渡し場は今どれくらい残っているのだろう。先日豊橋市公営の牛川の渡しに行って、この句とほぼ同じ景に出会った。北上川の渡しは桜シーズン限定とのこと。

◯一羽鳴きざわつく鴉大西日
 一昨日も昨日もあるある感満載で、中々こうは詠えない。

◎弟の遺品の「イマジン」夏の星
 一読鈴木六林男の無季の句「遺品あり岩波文庫『阿部一族』」が浮かんだ。時空は違えど同じ思いだろう。弟さんもジョンレノンも記憶に残る限り生きている。「夏の星」が他季の星よりも明るくて佳い。
返信10
不来方さん (8b8tdv36)2022/8/13 21:47 (No.31519)削除
第555回麦っこ お題





雑詠
返信
天馬さん (8bszqp0p)2022/8/21 18:11削除
555投句

盆花の萎れ横浜行き切符
二刀流の地元紙号外のさやか
風は秋十二㎝の靴とっとこ
のんさん (8b8xe2bx)2022/8/21 17:20削除
第555回麦っこ 投句

 父植えし木も老木と盆の月

 新涼や追悼号の滲む文字

 根深さを日々知るニュース秋暑し
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/8/21 10:33削除
555回 投句

訪いの1人だに無き盆灯篭

暗号を解く鍵明けの流れ星

八月や焦土の町の復元図
智美さん (8dfroqvi)2022/8/21 08:53削除
第555回麦っこ投句

 のっそりと今森を出る盆の月
 少年の手旗信号鰯雲
 音沙汰なき親族のあり盆仕舞
ふたばさん (8augfkle)2022/8/20 00:09削除
第555回麦っこ投句

ふる郷の新盆三つ欠礼す
年号は西暦がよし油蝉
鳴沙山の駱駝にゆられ夏の月
こがめさん (8atk17xs)2022/8/18 22:59削除
第555回麦っこ投句

盆礼の兄への品を託す義姉

夏痩せかやっとズボンが九号に

墓洗う供花と一緒コップ酒
まりさん (8aq66elk)2022/8/18 14:26削除
555回投句

アルバムをひろげる仏間盂蘭盆会
背番号7中三の夏果てる
彼岸への送信月光充電す
不来方さん (8b8tdv36)2022/8/17 11:42削除
第555回麦っこ投句

母の戀ありてこの世の盆の月

建て替わるA棟II号虫の秋

父にあり我にはあらず敗戦日
太郎さん (8aq3zcoi)2022/8/16 20:34削除
麦っこ 555 投句

盆の市コーナー安房の道の駅
待ち合わすあずさ3号今朝の秋
桃印徳用燐寸終戦日
ジュピターさん (8byj9lwx)2022/8/15 10:48削除
555回投句
海峡を越えて故郷の盆の月
屋号にて呼ぶ母の里浜おもと
江戸川の風よ光よ風天忌
返信10
まりさん (8aq66elk)2022/8/14 20:11 (No.31588)削除
554回投句一覧&選句

「立秋」
立秋の木霊は父の声に似て
禅寺の砂利の渦巻秋立てり
チェリストは児童福祉司秋立てり
指先のパンの弾力今朝の秋
しかとするピカソの女今朝の秋
立秋や達治の詩集読み返す
立秋の雲いづこよりいづ方へ
岸壁に並ぶ釣り竿秋来たる
熱中症の字幕が目立つ今朝の秋

「接」
接待や里山グルメに山清水
接待のことば涼しき家刀自
接戦を終えて球児の汗の粒
接続の一時間待ち法師蝉
四回のワクチン接種夏終る
溶接の火花明日より盆休暇
特急を待って接続千葉秋暑
小説の中の接吻いなびかり
タンカーの接岸角度海晩夏

「雑詠」
思い切りマスクを外しアッパッパ
小さめのドッグウエアー秋暑し
向日葵を野菜作りの仲間とす
生かされていると一言夏見舞
湾奥の夏の終りのEbb Tide
入道雲キリンの首に湧き上がる
稜線の黒く定まる秋はじめ
戦没者慰霊碑サルビアの真っ赤
足首を委ねる川瀬秋の雲

天馬さんは欠席です。
返信
智美さん (8dfroqvi)2022/8/21 09:50削除
第554回選句

 ◎指先のパンの弾力今朝の秋
  昨夜から仕込んでおいた出来立てのパンでしょうか。
  指先から感じる微かな感触、そしてふと通り抜ける秋の風。皮膚感覚の繊細さ全開の句。

 ○タンカーの接岸角度海晩夏
  タンカーもそうですが大型旅客船も普通の船も、接岸する時の微妙さにいつも感心します。
  港によっては、えっ?というような角度で入って行きますし、陸からの支援を受けてゆっくり、ゆっくりと
  接岸OKがでます。船長というのは男冥利(今はこの言い方はダメなのですかね?)に尽きる仕事のひとつ
  ではないかと思っています。長い航海を終えたタンカー。「海晩夏」がいいです。

 ○入道雲キリンの首に湧き上がる
  湧き上がる入道雲、そこにキリンの長い首が重なる。
  強さを誇示するように湧き上がる雲。長い首をさらに伸ばしても
  何処かとぼけたようなのんびりとしたキリンの首。対比が愉快。

 ○足首を委ねる川瀬秋の雲
  川の流れに足を浸したことなんて何時のことだろう。
  足首を浸し、全身の力が抜けて、あの秋の雲に乗って行けそうな・・。
ジュピターさん (8fn4dnzx)2022/8/20 11:38削除
554回選句
◎稜線の黒く定まる秋はじめ
 次第に稜線がくっきり見えるようになると、秋の訪れを感じる。周りの空気が軽くなったような気がします。
〇指先のパンの弾力今朝の秋
 身の回りのこんな些細なことにも季節の移ろいを感じている。厳しい夏をやっとの思いでやり過ごしてきた安堵感。
〇溶接の火花明日より盆休暇
 仕事に一段落を付けようと、盆休みの直前まで必死で働いている姿は尊い。
太郎さん (8aq3zcoi)2022/8/20 10:54削除
麦っこ 554 選句

〇指先のパンの弾力今朝の秋
【評】珈琲のアロマと、指先に伝わる食パンの弾力。我が家では、主に日曜の朝の至福の時間。

〇岸壁に並ぶ釣り竿秋来る
【評】船橋の鯊も、握ると頭と尾が出るくらいに育ってきた頃。「秋来る」がまさに実感だが、他の季語でも楽しめそうな題材。

〇小説の中の接吻いなびかり
【評】中学生のころ、文学全集を読んでひそかに胸ときめかせた記憶。学生時代に舞台で田島三郎を演じたことも…。

◎入道雲キリンの首に湧き上がる
 眩しく晴れた空に、ゆらりと高いキリンの首。その向こうに力強く湧き上がる積乱雲。この景は、あくまでも広大で明るい。キリンの首は、秋の雲と取り合わせても趣がありそうだ。
ふたばさん (8augfkle)2022/8/20 01:23削除
第554回麦っこ選句

○立秋の木霊は父の声に似て
 自然の気配に父の声を感じる。感性の豊かさを感じました。

〇指先のパンの弾力今朝の秋
 パンの弾力に、香おばしいにおいもしてきます。

〇小説の中の接吻いなびかり
 昔の映画に「ガラス越しの接吻」(岡田英二と久我美子)があったことを思い出しました。いなびかりが効いています。

◎戦没者慰霊碑サルビアの真っ赤
 「サルビアの真っ赤」が強烈な印象ですね。戦争の様々なことが想像されます。
のんさん (8b8xe2bx)2022/8/19 23:15削除
第554回麦っこ 選句

 〇立秋の雲いづこよりいづ方へ
  酷暑の頃は外出しても目的を済ますのが精一杯ですが、涼しくなってくれば空を見上げる余裕も生まれます。のんびりと雲の行方を楽しんでいるのでしょう。
 
 〇接戦を終えて球児の汗の粒
  甲子園の季節、勝っても負けても精一杯やり切ったのでしょう。かけがえのない青春です。
 
 〇溶接の火花明日より盆休暇
  暑さの中ぱちぱちと火花を散らす作業、休みの前に済まさなければいけない仕事に気合が入っているようです。
 
 〇小説の中の接吻いなびかり
  「接吻」今は小説の中の言葉かも知れません。良い季語を選択された思います。
 
 ◎戦没者慰霊碑サルビアの真っ赤
  言っているのは石碑と赤いサルビアだけ、余白の多い句です。それだけに読み手の心に様々な想像が湧くのだと思います。ほかの方も書いていましたが「真っ赤」は目と心に沁みます。
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/8/19 16:46削除
554回 選句

○立秋の木霊は父の声に似て

立秋は、一つの岐路。木霊に父を浮かべ越し方に思いを馳せているのでしょう。


○小説の中の接吻いなびかり

接吻は、やや生臭さが匂う言葉ですが、小説となるとまた別の感覚を刺激しますね。季語は、もう少し大人しいほうが好みですけど?


◎戦没者慰霊碑サルビアの真っ赤

景が鮮やか。心まで染み入ります。
こがめさん (8atk17xs)2022/8/16 23:41削除
第554回麦っこ選句

〇立秋の木霊は父の声に似て
思い出す作者のお父さんは優しかったのだろうな。とても澄んだ谺が聞こえてくるようです。

〇接続の一時間待ち法師蝉
〇特急を待って接続千葉秋暑
ニ句とも列車を待っているときの心情と景を読んでいます。季語の使い方が参考になります。

◎戦没者慰霊碑サルビアの真っ赤
取り合わせが参考になります。「サルビアの真っ赤」に戦争への思いが凝縮されているように感じます。
まりさん (8aq66elk)2022/8/15 15:08削除
554回 選句

〇立秋の木霊は父の声に似て
この「木霊」は樹の精霊とも反響するこだまともとれますが、その中間ぐらいの心象的なものではないでしょうか。確かに亡き父親の言葉や声は木霊のようなものかもしれません。18歳で家を出て何か月か経った頃、鞄のポケットから、小さな紙切れに書かれたごくごく短い父のメッセージを見つけました。号泣でしたネ。

〇小説の中の接吻いなびかり
キスではなく接吻というのがすてき。文豪の小説なのでしょうか。「いなびかり」が読み手にいろいろ想像させてくれます。この季語で決まりました。

〇タンカーの接岸角度海晩夏
接岸角度に絞ったところがシャープ。余計なもののない句を作りたいなあ!

◎戦没者慰霊碑サルビアの真っ赤
「サルビアの真っ赤」がシンプルで強烈。戦争の悲惨さは読み手に委ねられています。サルビアの赤が戦争の悲惨さを一手に引き受けていて力強い。季語を生かすとはこういうこと!
しかしですね。サルビアとマリーゴールドは、華やか・花期が長い・丈夫・安い。それゆえ、昭和の時代から毎年どこにでも安易に「咲かされている」感が気の毒になるのです。私は庭には植えないことにしています。
不来方さん (8b8tdv36)2022/8/15 10:13削除
第554回麦っこ選句

◎立秋の木霊は父の声に似て
 秋立つと終戦日も盂蘭盆会も近い。風の音も木の声も真夏とは違う気配。まるで父が呼んでいるようだ。聴覚が研ぎ澄まされる。

◯指先のパンの弾力今朝の秋
 こちらは立秋の触覚の句。パンをこねる指先が感じた秋に共鳴。

◯溶接の火花明日より盆休暇
 一般的な会社員や公務員とは違い溶接工の休みは短い。盆と正月くらいかも。まだ残暑厳しい職場で明日からの盆休を心待ちにして仕事に打ち込んでいる作業員の顔が目に浮かぶ。

◯戦没者慰霊碑サルビアの真っ赤
 破調の「真っ赤」の留めが効いている。
返信9
ちこりんさん (8aqg39gk)2022/8/20 11:21 (No.32133)削除
お題の変更をお願いします。

季語 花火→草雲雀
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