麦船橋句会

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掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
不来方さん (8b8tdv36)2025/5/17 05:29 (No.133160)削除
第698回投句

定型の呪縛卯の花腐しかな
魚篇多き品書夏きざす
母の日や母の眼鏡をかけてみる
返信
返信0
まりさん (8md9x4e2)2025/5/4 20:40 (No.132659)削除
696回投句一覧&選句

朝寝
朝寝して日差しの運ぶ夢の端
朝寝して気儘な時間時代劇
雨だれの余韻朝寝のクロワッサン
ちちははの鴨居の下の朝寝かな
朝寝して「ゴハンタケタ」と電子音
雨音に詩韻の交じる朝寝覚
朝寝して夢の続きのモカマタリ
寝返りを打って悠長たる朝寝
呼び止めるゴミ収集車朝寝せり


黒板に明日の予定は遠足と
樽酒と板山葵鶯が誘う
板前の笑みも味わい桜鯛
黒板の単語が虚ろ春眠し
早々と投手降板日の永し
花嫁へ傾ぐレフ板風光る
直売の板の凸凹蕨長く
春愁やかまぼこ板に描く自画像
饒舌な路地の看板夏兆す

黄色いもの
春の昼白髪駆ける黄信号
カピバラに会いに木香薔薇の門
近づけば連翹の黄のなお寂し
行列のピザの店先花ミモザ
沢庵バリバリ春愁を嚙み下す
地下街へ淋しき人を追う黄蝶
こぼれだす半熟の黄身若葉風
遠足のバスから降りる黄の帽子
夭逝の画家の自画像フリージア
返信
ふたばさん (8augfkle)2025/5/14 22:28削除
696回選句

○朝寝して夢の続きのモカマタリ
 夢うつつにコーヒーの香り。心地よい朝の寝覚めにいつまでもこうしていたいような…。モカマタリが効いています。

○花嫁へ傾ぐレフ板風光る
 撮影のとき見かけますが、名称を初めて知りました。花嫁をより美しく撮ろうと苦心する様子が伝わってきます。
 季語が的確ですね。

◎饒舌な路地の看板夏兆す
 饒舌な看板に、脱帽です。ビールの美味しい季節到来!ですね。

○遠足のバスから降りる黄の帽子
 子どもたちの初めての遠足なんですね。黄色い帽子でわかりました。楽しげな声も聞こえてきます。
ちこりんさん (8mmormpc)2025/5/14 09:24削除
696回 選句
○朝寝して夢の続きのモカマタリ

どんな夢だったのかと、想像が膨らみます。素敵な旅の続きかも?中七がいい。

○黒板の単語が虚ろ春眠し

中七は虚ろな単語?かなとも思いましたが。学生時代を思い出します。

○花嫁に傾ぐレフ板風光る

季語と状況の景がぴったりですね。花嫁はより美しく。

◎沢庵バリバリ春愁を噛み下す

バリバリとは恐れ入りました。なんとも言えない取り合わせ。春愁はそこはかとない憂いのはずですが、怒りを感じます。
太郎さん (923uhctl)2025/5/11 18:04削除
麦っこ696選句
○黒板の単語が虚ろ春眠し
○花嫁へ傾ぐレフ板風光る
◎饒舌な路地の看板夏兆す
 むかし、盛り場に「恋文横町」とか「狸小路」とかいう、騒々しいが飲兵衛にとってはふるさとのように心の落ちつく路地があった。そこには、店の前の道幅にはみ出して、宣伝文句やメニューを書いたA型の立て看板などが、多彩なイルミネーションと相俟って通る人に、それこそ饒舌にメッセージを送っていた。ここ二十年ほどは、そんな盛り場に足を踏み入れることも無くなってしまったが、かなうことならもう一度、饒舌な路地の看板の間を、肩で風を切って、いや背を丸めて横目で辺りを窺いながら歩いてみたい。若い頃なら秋風や北風の吹く頃もいいが、今なら春宵か、春暑き頃の涼しい風が頬をなでる夜がよい。
○こぼれだす半熟の黄身若葉風
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/5/11 16:55削除
696回選句
◎饒舌な路地の看板夏兆す
 様々な形・色・文字の看板を饒舌とは言いえて妙。季語もしっかりしている。
〇朝寝して夢の続きのモカマタリ
 朝寝した後の心地よさが伝わってきます。
〇花嫁へ傾ぐレフ板風光る
 きっといい写真が撮れたことだろう。
〇沢庵バリバリ春愁を嚙み下す
 季語の持つ暗さを感じさせない、軽快な句ですね。
のんさん (9bbrsu9b)2025/5/11 16:48削除
第696回 選句

〇朝寝して日差しの運ぶ夢の端
 東を向いた寝室、天気の良い日はうかうかと寝てはいられないようですね。「日差しの運ぶ夢の端」が良いです
〇朝寝して夢の続きのモカマタリ
 まだ布団の中なのでしょうか、コーヒーの香りはどんな夢に誘ってくれるのでしょう。
〇板前の笑みも味わい桜鯛
 板前さんの顔が見えるのは小料理屋でしょうか、馴染の無い生活ですが、時にはこのような店で食事をしてみたいです。
◎饒舌な路地の看板夏兆す
 狭い路地に生ビールとか冷やし中華の看板、「饒舌」の表現をなるほどと思いました。
〇遠足のバスから降りる黄の帽子
 黄色い帽子から一年生の初めての遠足かなと思いました。楽し気な児童、緊張した先生の様子が浮かびます。
まきえっとさん (8rypn25h)2025/5/11 11:42削除
第696回麦っこ選句

○雨だれの余韻朝寝のクロワッサン
○朝寝して夢の続きのモカマタリ
「クロワッサン」「モカマタリ」への展開がいいですね。

○花嫁へ傾ぐレフ板風光る
レフ板と風光るの取り合せがいいですね。天候に恵まれた結婚式を想像いたします。

○饒舌な路地の看板夏兆す
路地を饒舌と捉えたところに工夫がみられます。

◎沢庵バリバリ春愁を嚙み下す
黄色から沢庵を持ってきて、しかも春愁を噛み下す。元気になれそうですね。
こがめさん (8atk17xs)2025/5/8 16:00削除
第696回麦っこ選句
〇朝寝して日差しの運ぶ夢の端
「日差しの運ぶ」から元気な体調をイメージします。

〇板前の笑みも味わい桜鯛
板前さんを目の前にして食べる桜鯛美味しそうですね。笑みも美味しさを感じます。

◎饒舌な路地の看板夏兆す
「饒舌な」から看板からいろいろなことを考えさせられます。路地裏の様子を想像しています。

〇カピバラに会いに木香薔薇の門
木香薔薇の香りに誘われてカピバラに会いに行ったのかな。動物園に行きたいな。

〇こぼれだす半熟の黄身若葉風
半熟卵の食べて入る景が浮かんできます。外での食事かレストランの窓の近くで食べているのかな。「若葉風」の季語から想像しています。
まりさん (8md9x4e2)2025/5/7 22:07削除
696回選句

〇朝寝して日差しの運ぶ夢の端
〇雨だれの余韻朝寝のクロワッサン
〇朝寝して夢の続きのモカマタリ
たっぷりと寝てはいるが、すぐ動き出す必要もない時のいつもとは違う気だるい目覚め感。その表現のさまざま。
「雨音に詩韻の交じる・・・」はちょっと理屈っぽかったかも。

◎饒舌な路地の看板夏兆す
見慣れた景も、「饒舌」と「夏兆す」との言葉の取り合わせで新鮮に感じます。
不来方さん (9fk51zn8)2025/5/5 10:43削除
第696回選句

◯朝寝して日差しの運ぶ夢の端
◯朝寝して夢の続きのモカマタリ
 朝寝と夢の二句。前句は夢と現の境目に朝の光と夢の欠片が交錯しているイメージに共感。後句は色んな夢、しかも浅い夢を見ているのだろう。モカマタリの香りか苦味かはともかく視覚以外の感覚が朝寝の夢とよく合う。

◎花嫁へ傾ぐレフ板風光る
 レフ板の斡旋と風光るとの取合せが見事。

◯饒舌な路地の看板夏兆す
 確かに夏に入るとイベントも増え、看板の数も内容も増えて来そうな気がする。「饒舌」の擬人法が効いている。

◯沢庵バリバリ春愁を嚙み下す
 沢庵と春愁の取合せに意表を突かれた。「春愁」の句として異色かつ新鮮である。「バリバリ噛み下す」に納得。
返信9
ふたばさん (8augfkle)2025/5/4 08:49 (No.132626)削除
第697回 出題

季語  若葉
文字  場
雑詠
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2025/5/11 15:32削除
第697回麦っこ

山襞に隠れるリフト若葉風
天幕のローマ劇場雲の峰
豆飯の閉じ込めておく野の匂い
ちこりんさん (8mmormpc)2025/5/11 14:57削除
697回 投句

奥入瀬の風はさ緑若葉光

薫風や砂場は僕の夢舞台

母の日のスマホに届くラブレター
のんさん (9bbrsu9b)2025/5/11 12:11削除
第697回

若葉風街に溢れる八頭身
柳絮飛ぶ戦場消えぬ水の星
術後の眼水槽に追う目高の子
こがめさん (8atk17xs)2025/5/10 19:52削除
第697回麦っこ投句
ゴンドラや空中遊歩の谷若葉

老鶯や発破を止める石切場

校庭を頷き歩む初夏の鳩
ふたばさん (8augfkle)2025/5/9 12:15削除
第697回投句

アイネクライネナハトムジーク窓若葉
ウクライナの力士気になる五月場所
ジーンズの裾をひと折若葉雨
不来方さん (9fk51zn8)2025/5/8 10:33削除
第697回投句

若葉風抜けるこころのクリニック
我が居場所ひとつは桐の花の下
ぎしぎしを抜く切もなき老年期
まりさん (8md9x4e2)2025/5/8 09:47削除
697投句

見得を切る川鵜の翼若葉風
川のあるひとりの居場所夏燕
母の日や雀に刻むパンの耳
太郎さん (923uhctl)2025/5/5 19:43削除
麦っこ 697投句
出窓洩るラ・カンパネラ蔦若葉
松の花刑場跡の火炙台
小綬鶏の鋭声針槐の若葉
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/5/5 16:30削除
697回投句
板書する教師の背中若葉風
待ち望む和製横綱五月場所
不調でも挑む句作り残り鴨
返信9
まりさん (8md9x4e2)2025/4/28 09:09 (No.132374)削除
695回投句一覧&選句

春眠
小学校の始業のチャイム春眠し
春眠の鍋を弾けるポップコーン
春眠の薄く口開け十二歳
二駅は春眠の中到着す
助手席の春眠サービスエリアまで
頁繰る指の重さや春眠し
春眠の夢をはみ出す母のこえ
春眠し四角に開いた河馬の口
春眠を貪るひと日ビタミン剤
春眠の覚めて令和に戻りけり


春風や往来絶えぬ上野公園
春の雲おかっぱ娘の「来る来ない」
来賓の式典リボン桜まじ
遠来の友携えしさくらんぼ
来し方の大波小波蓮華草
飛魚飛ぶや波の先なる未来へと
大空へ大きな欠伸燕来る
花は葉に眼差し遠き渡来仏
陽炎をひらけば弥陀の来迎図
葉桜の曼荼羅ざわわ如来像

雑詠
桜蘂降る参道に売る青菜
遠足児の横断譲る園丁士
林芙美子の終の棲家の花ざくろ
横書きのレポート用紙夏隣
渓の道みどり曼荼羅日の斑
陽炎や旅の男の残したものは
夕日濃しつつじ疲れの石地蔵
蒲公英の兵馬俑めく絮の列
桜蕊降る生活の中心に
手折りたる蕨一本持て余す
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2025/5/11 11:27削除
第695回麦っこ選句

○頁繰る指の重さや春眠し
気怠さが伝わってきます。

○春眠の夢をはみ出す母のこえ
夢をはみ出すはどんな声だったでしょうか。いろいろと考えさせられます。

◎春眠し四角に開いた河馬の口
「四角に開いた」がいいですね。

○陽炎をひらけば弥陀の来迎図
陽炎をひらくというところに惹かれました。

○手折りたる蕨一本持て余す
一本では食べることができないですね。
ちこりんさん (8mmormpc)2025/5/7 09:52削除
695回 選句
○春眠の覚めて令和に戻りけり
現実感を令和としたところが面白い。端的に春眠の儚さを感じます。

○飛魚飛ぶ波の先なる未来へと
波の先には何が?想像ふくらむ一句。中七がなかなか。

◎陽炎をひらけば弥陀の来迎図
発想が素晴らしい。陽炎のとした方がより客観的になりますね。

◇桜蕊降る生活の中心に
感覚が良くわかるのですが、生活という抽象的な言葉ではない方がよろしいかと。どんな具体がいいかな?
天馬さん (9ew8kwc6)2025/5/6 17:22削除
695選句

◎頁繰る指の重さや春眠し
○春眠の夢をはみ出す母のこえ
○春眠し四角に開いた河馬の口
○飛魚飛ぶや波の先なる未来へと
○花は葉に眼差し遠き渡来仏
○陽炎をひらけば弥陀の来迎図

コメントなしですみません。
ふたばさん (8augfkle)2025/5/4 18:17削除
麦っこ695回選句

○頁繰る指の重さや春眠し
 春眠を感覚的に捉えた「指の重さ」が巧み。

○春眠し四角に開いた河馬の口
 「四角に開いた」の表現に、意表を突かれました。面白いです

○春眠の覚めて令和に戻りけり 
 夢のなかは、昭和の時代?でしょうか。

◎花は葉に眼差し遠き渡来仏
 仏さまが遠い故郷を偲んでいるような「眼差し遠き」に魅せられました。季語が効いています。

○手折りたる蕨一本持て余す
 山菜を見つけると、後先を考えずについ手折ってしまいます。さて、この一本どうしたものか…。逡巡している
 様子に共感しました。
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/5/4 18:16削除
695回選句
◎蒲公英の兵馬俑めく絮の列
 絮が列をなして舞っている様は、正に兵馬俑のようであり、比喩がぴったりはまっている。
〇頁繰る指の重さや春眠し
 春の気だるさが巧く表現されています。
〇春眠し四角に開いた河馬の口
 四角に開いたが作者の発見。
〇花は葉に眼差し遠き渡来仏
 立ち姿の良い句だと思います。
のんさん (9bbrsu9b)2025/5/4 18:04削除
第659回 選句

〇飛魚飛ぶや波の先なる未来へと
 飛魚は未来にに向けて飛んでいるという前向きな発想、素晴らしいです。
〇花は葉に眼差し遠き渡来仏
 仏の眼差しは故郷に向けられているのでしょうか。長い年月の経過を感じさせる句です。
◎陽炎をひらけば弥陀の来迎図
 陽炎を開いた先にある物が来迎図、腑に落ちます。
〇陽炎や旅の男の残したものは
 男は健さん、はたまた寅さん、映画の一場面のようです。
〇夕日濃しつつじ疲れの石地蔵
 「つつじ疲れ」確かにつつじの圧倒的存在感を充分に表現にしています。
太郎さん (923uhctl)2025/5/2 11:34削除
麦っこ695選句
「春眠」
○二駅は春眠の中到着す
 着いた処は、職場の最寄り駅、それとも海岸の小駅。下五が少し物足りないが。
○春眠の夢をはみ出す母のこえ
 夢から覚めて、夢で聞いた母の声を追想している。
◎春眠し四角に開いた河馬の口
 おもしろい。季語「春眠」の本意は、別のところにあるかもしれないが。
「来」
○飛魚飛ぶや波の先なる未来へと
あごが未来へ飛ぶ。作者の脳裏にはどんな未来があるのだろう。
「雑詠」
○林芙美子の終の棲家の花ざくろ
 中七は、眼をつぶって切るところかもしれないが。
○手折りたる蕨一本持て余す
食べるでもなく、花入れに挿すでもなく。この一本、一日で萎れる運命にあるのだろう。
こがめさん (8atk17xs)2025/5/1 22:34削除
第695回麦っこ選句
〇二駅は春眠の中到着す
ローカル線かな。でも気持ちよさそうですが、寝過ごさなく良かったですね。

〇花は葉に眼差し遠き渡来仏
〇陽炎をひらけば弥陀の来迎図
〇葉桜の曼荼羅ざわわ如来像
3句ともとても季語との取り合わせが参考になりました。仏像関係はなかなか作れません。寺への吟行に連れて行って貰っているのですが。

◎蒲公英の兵馬俑めく絮の列
「 蒲公英の絮」の句を作ろうと思いましたが、「兵馬俑めく絮の列
」の表現がなるほどと思いました。

〇手折りたる蕨一本持て余す
たくさんの蕨だったら食べる方法を考えるだろうが、一本だったらどうしようかなと思ってしまったのかな。
まりさん (8md9x4e2)2025/4/29 20:05削除
695回選句

〇頁繰る指の重さや春眠し
指の重さ・・・あれはそういう感覚ですね。

◎春眠の覚めて令和に戻りけり
現実を令和としたところ・目からうろこ。

〇花は葉に眼差し遠き渡来仏
この二年間で三度奈良にいきました。毎日毎日仏像の美しさに逢う旅で、遥か遠くから海を渡ってきた仏たちにも逢いました。
私も「遠き眼差し」ではなく「眼差し遠き」に惹かれました。

〇渓の道みどり曼荼羅日の斑
「みどり曼陀羅日の斑」がすてき。日の斑・木洩れ日のような繊細な言葉は外国語にはないのですって。

〇夕日濃しつつじ疲れの石地蔵
躑躅にはとても申し訳ないのですが、実は私も躑躅に疲れます。特に、街中にある大型のヒラドツツジ系にはどっと疲れます。
躑躅は花期も長いですから、動けない石地蔵さんにはその美しさが圧となったのでしょう。
不来方さん (8b8tdv36)2025/4/28 20:09削除
第695回選句

◯ 春眠し四角に開いた河馬の口
 河馬の目は如何にも眠そうだが、口で眠さを表現した諧謔味に一票。

◯ 春眠の覚めて令和に戻りけり
 春眠の夢は語感からしてどんな夢でも明るい。覚めた瞬間の感覚がリアル。

◎ 花は葉に眼差し遠き渡来仏
 季節の移ろいに渡来仏の望郷の念を重ねた。「遠眼差しの」ではなく「眼差し遠き」としたところに思いの深さを感じる。

◯ 渓の道みどり曼荼羅日の斑
 緑ゆたかな渓道に差し込む日の光を「みどり曼荼羅日の斑」と表現した言葉の選択が見事。「まんだら」と「まだら」

◯ 蒲公英の兵馬俑めく絮の列
 確かに蒲公英の絮は兵馬俑のようだ。しかも「列」なのでピッタリ。直喩の句として秀逸。
返信10
まりさん (8md9x4e2)2025/4/20 20:41 (No.132055)削除
694回投句一覧&選句


囀や緩みはじまる地平線
囀りや戦車試乗の人の群れ
囀りの欅の大樹ニュータウン
囀りや記念樹しかと地になじむ
囀やキッチンカーのハンバーガー
囀りの囀りを呼び岩洞湖
囀や狛犬吽と口結ぶ
千年の囀りを聴く仁王かな
囀や三学級の小学校
囀やライン画面に郷の山
囀や文豪たちの眠る墓地


苗代の空白埋める鷺の影
白鳥の引きし小沼の広さかな
ごきげんな白蝶0.1グラム
妣植えし白藤の滝夕映えて
白粥にほのかな甘み春の風邪
面白きこともありけり散る桜
白蝶の反転野鳥観察舎
紅白の帽子の汚れ花吹雪
再読の白泉句集戦あるぞ
真っ白なシーツはためく春の空
スカーレットの最後の科白春疾風

スポーツ
深呼吸して全身に囀りを
うららかや力士の遊ぶ遊園地
梨咲くや快音響く野球場
盗塁の大きなリード風光る
自転車の列の疾走風光る
出番無き野球少年花は葉に
桜東風日没迫るプレーオフ
朝練やテニスコートの白い線
初めての「モルック」春日背に柔し
新緑やピンポン後の露天風呂
鳥雲に控え投手の二年間
返信
ちこりんさん (8mmormpc)2025/5/7 09:32削除
694回 選句
◎囀や緩みはじまる地平線
大地の動き始める春。取り合わせ良き一句。
緩みはじめるでは、どうかな?

○千年の囀りを聴く仁王かな
自然をただ受け止める仁王の姿。

○白鳥の引きし小沼の広さかな
去し後の寂寥感が伝わります。

○出番無き野球少年花は葉に
少年の胸には熱き思いが。
太郎さん (923uhctl)2025/5/4 11:30削除
麦っこ694選句
 とっくに投稿したつもりでいたが、今日、未だであることに気づいた次第。この頃こんなことが多く、まだらぼけの現象かもしれない。もともと理知より情緒が勝っている人間だから、体調や気温にも影響されやすく、俳句も長いこと不調から抜けられない始末。
「囀」
○囀やキッチンカーのハンバーガー
 何よりも快いリズムが取り柄の句
○囀や文豪たちの眠る墓地
文豪と言われる人たちの眠る墓地には、それなりの雰囲気があり、囀りも格調が高いのだろう。
「白」
◎白粥にほのかな甘み春の風邪
 普段粥など食さないのだが、先日よんどころなく白がゆに箸をつけたところ、ほのかな甘みがあり、たまにはこれもよいものだと思った。そのとき自分も38度なにがしの熱発だったのである。
○紅白の帽子の汚れ花吹雪
 校庭を走り回る児童の紅白の帽子が、学年の上がるにしたがって汚れがめだつようになる。花吹雪の下、子供たちの声が空にこだまするのもまた良きかなである。
○スカーレットの最後の科白春疾風
「タラのテーマ」と壮大な夕焼け空が印象に残っている。ヴィヴィアン・リーのスカーレット・オハラが吐く「明日は明日の風が吹く」という科白とともに。
「スポーツ」
○自転車の列の疾走風光る
若者か、オジサンか、銀輪の列が春風を走り抜けて行く。爽快な景である。「疾走」という音読みの漢字熟語が、この場合、俳句の詩句としてやや堅い感じがしないでもない。
天馬さん (9ew8kwc6)2025/4/28 15:41削除
694選句

○囀りや記念樹しかと地になじむ
生誕の記念を想像。下五で健やかさが約束された気がします。

◎千年の囀りを聴く仁王かな
仁王といえばすぐに目が浮かびますが、耳か…と。変わらぬ囀りと変わらぬ仁王。

○白鳥の引きし小沼の広さかな
景が浮かび納得です。

○白粥にほのかな甘み春の風邪
回復しつつあることが伝わってきます。

○出番無き野球少年花は葉に
数回しか見に行きませんでしたが、6年生は全員に出番があったらなと思ったものでした。全力の応援が切ない。
のんさん (9bbrsu9b)2025/4/28 10:52削除
第694回 選句

〇囀やキッチンカーのハンバーガー
 「食べ物の句は美味しそうに」の教え通り、囀りの下のハンバーガー食べたくなる句です。
〇千年の囀りを聴く仁王かな
 どっしりと動かぬものと軽やかな物との取合せ、鮮やかな新緑も目に浮かびます。
◎ごきげんな白蝶0.1グラム
 「0.1グラム」妙に説得力のある数字、楽しくなります。
〇スカーレットの最後の科白春疾風
 「白」から「科白」感心しました。「風と共に去りぬ」の最後「Tomorrow is another day」今も心に残っています。
〇出番無き野球少年花は葉に
〇鳥雲に控え投手の二年間
 同じような情景ですが、それぞれの個性を感じます。どちらも良い季語を選んでいると思います。
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/4/27 17:38削除
694回選句
◎白鳥の引きし小沼の広さかな
 白鳥が北へと去った後、思わぬ沼の広さに気付いた作者の心情が無駄なく描かれている。
〇囀や狛犬吽と口結ぶ
 せわしない囀りと、吽と口を結んだ狛犬との対比が可笑しくもある。
〇千年の囀りを聴く仁王かな
 千年の囀りとは大袈裟な、しかし仁王様が聴いているのであれば納得。
〇鳥雲に控え投手の二年間
 雌伏の時を耐える控え投手。季語が寂しさを誘う。
まきえっとさん (8rypn25h)2025/4/27 11:02削除
第694回選句

○囀りや記念樹しかと地になじむ
囀と樹の取り合せに「樹念珠」を使ったことで時間の経過を感じます。

◎苗代の空白埋める鷺の影
大きな景ですがすがしいです。秋は黄金色の稲に育っていますように。

○ごきげんな白蝶0.1グラム
「0.1」という具体的な数字が効果的です。

○出番無き野球少年花は葉に
出番がなくてもやり遂げることが大事ですね。
ふたばさん (8augfkle)2025/4/26 23:13削除
694回選句

◯囀や狛犬吽と口結ぶ
 囀る鳥と口結ぶ狛犬。対比がお見事と思いました。

◎千年の囀りを聴く仁王かな
 長いときの流れに立ちつくし、囀りを聴いている仁王。感銘の一句です。

○囀や文豪たちの眠る墓地 
 鎌倉の東慶寺を想起しました。高見順、小林秀雄などの素朴なお墓に惹かれます。

〇白鳥の引きし小沼の広さかな
 白鳥が帰った後の寂しさが「小沼の広さ」に表現されていて心に残りました。

◯出番無き野球少年花は葉に
 いつかきっと…。そんな思いで待っていたに違いない少年。季語が効いています。
まりさん (8md9x4e2)2025/4/25 21:18削除
694回選句

○千年の囀りを聴く仁王かな
千年もの間立っている仁王を、「千年の囀りを聴く」としたところに惹かれました。

〇白鳥の引きし小沼の広さかな
最近までいたはずの白鳥が帰ってしまった沼の静けさ。会いに来るたびに「がんばれよ」と声をかけていたのでしょう。

◎ごきげんな白蝶0.1グラム
0.1グラムがとても面白いと思いました。軽く明るく舞う様子を「ごきげん」としたかったのでしょうから、これはこれでよしとすることもできるでしょうが、句を幼くしている気がします。
このまま寝かせておいて、上五に合う言葉を探して欲しいと思います。格調が高くなるような。それに期待して◎ 
麦の先輩の句でとても好きなのが、
    錠剤はコンマ2グラム寒の月 とく子

〇白粥にほのかな甘み春の風邪
風邪をひいて寝込んでしまって。やっと白粥を食べられるようになった体に沁みるほのかな甘さ。誰しもが経験しています。

○出番無き野球少年花は葉に
野球少年たちの多くは「出番無き」少年たち。それでもみんな一生懸命です。
はるか昔のことですが、遠い親戚の少年が、あこがれの強豪高校野球児となりました。
何百人もいる部員の中で3年間頑張ったのですが、監督に一度も声をかけられたことは無かった…と言って卒業しました。
こがめさん (8atk17xs)2025/4/23 20:56削除
第694回麦っこ選句
◎囀や狛犬吽と口結ぶ
取り合わせの参考になりました。狛犬との対比で景が浮かんできます。焦点の搾り方も参考になりました。

〇囀や三学級の小学校
全校で三学級かな。でも廃校にならなくてもいいですね。応援歌のように感じます。

〇新緑やピンポン後の露天風呂
故郷の旅館を思い出しました。卓球をして汗を掻いたあとの露天風呂は気持ちがいいですよね。

〇出番無き野球少年花は葉に
〇鳥雲に控え投手の二年間
二句とも野球選手の景と気持ちがでています。そして季語の使い方が参考になりました。
頑張ってねとの応援句ですね。
不来方さん (9fk51zn8)2025/4/21 09:45削除
第694回選句
◯囀や狛犬吽と口結ぶ
 千鳥の鳴き声と狛犬の表情がが呼応し合って、まるで狛犬が生きているかのような錯覚を覚える。

◎白鳥の引きし小沼の広さかな
 白鳥の居た時と去った後との時間空間の差を、わかりやすい言葉で詠んで秀逸。俳句では一番難しいテーマの一つかと。「小沼の広さ」が巧い。

◯妣植えし白藤の滝夕映えて
 やや盛りだくさんのきらいはあるが、(亡母がむかし植えた白藤が、今年も咲いた。滝のように長尺になって夕日に映えて美しい)の句意に共鳴。

◯うららかや力士の遊ぶ遊園地
◯出番無き野球少年花は葉に
◯鳥雲に控え投手の二年間
 最近他の句会でもスポーツを詠った句をよく見かける。大半が写実句で選手の動きと自然の対比を書いている。この3句はスポーツ選手の「人間」を描いた句。一句目は力士の童心に、二句目三句目は万年補欠の野球選手の哀愁に惹かれた。

◇ごきげんな白蝶0.1グラム
 とてもインパクトのある句。瞬間で選ぶなら戴いたが読むほどに「ごきげんな」と「0.1グラム」が合っているかどうかが分からなくなって保留中。
返信10
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/4/27 09:36 (No.132334)削除
696回 出題
季語  朝寝
文字  板
テーマ 黄色いもの
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2025/5/4 14:34削除
第696回麦っこ投句
朝寝して日差しの運ぶ夢の端
直売の板の凸凹蕨長く
こぼれだす半熟の黄身若葉風
こがめさん (8atk17xs)2025/5/3 22:33削除
第696回麦っこ投句
朝寝して気儘な時間時代劇

黒板に明日の予定は遠足と

遠足のバスから降りる黄の帽子
ちこりんさん (8mmormpc)2025/5/3 17:50削除
696回 投句

雨だれの余韻朝寝のクロワッサン

饒舌な路地の看板夏兆す

夭逝の画家の自画像フリージア
ふたばさん (8augfkle)2025/5/3 17:46削除
第696回投句

ちちははの鴨居の下の朝寝かな
板前の笑みも味わい桜鯛
行列のピザの店先花ミモザ
のんさん (9bbrsu9b)2025/5/3 14:15削除
第696回 投句

朝寝して「ゴハンタケタ」と電子音
黒板の単語が虚ろ春眠し
沢庵バリバリ春愁を嚙み下す
不来方さん (8b8tdv36)2025/5/2 23:10削除
雨音に詩韻の交じる朝寝覚

春愁やかまぼこ板に描く自画像

地下街へ淋しき人を追う黄蝶
太郎さん (923uhctl)2025/5/2 11:46削除
麦っこ696投句
朝寝して夢の続きのモカマタリ
樽酒と板山葵鶯が誘う
春の昼白髪駆ける黄信号
まりさん (8md9x4e2)2025/5/1 12:09削除
696回投句

寝返りを打って悠長たる朝寝
花嫁へ傾ぐレフ板風光る
カピバラに会いに木香薔薇の門
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/4/29 08:55削除
696回投句
呼び止めるゴミ収集車朝寝せり
早々と投手降板日の永し
近づけば連翹の黄のなお寂し
返信9
のんさん (9bbrsu9b)2025/4/20 09:18 (No.132011)削除
第695回 出題

 季語     春眠
 文字     来
 当期雑詠

  当方、八重桜が満開、今年の桜の見納めです。よろしくお願いいたします。    のん
返信
太郎さん (923uhctl)2025/4/27 12:12削除
麦っこ695投句
小学校の始業のチャイム春眠し
春の雲おかっぱ娘の「来る来ない」
蒲公英の兵馬俑めく絮の列
まきえっとさん (8rypn25h)2025/4/27 10:42削除
第695回投句

春眠の鍋を弾けるポップコーン
花は葉に眼差し遠き渡来仏
桜蕊降る生活の中心に
天馬さん (9ew8kwc6)2025/4/27 10:08削除
695投句

春眠の薄く口開け十二歳
来賓の式典リボン桜まじ
手折りたる蕨一本持て余す
のんさん (9bbrsu9b)2025/4/26 18:31削除
第695回投句

二駅は春眠の中到着す
来し方の大波小波蓮華草
横書きのレポート用紙夏隣
ふたばさん (8augfkle)2025/4/26 18:02削除
第695回投句

助手席の春眠サービスエリアまで
遠来の友携えしさくらんぼ
渓の道みどり曼荼羅日の斑
ちこりんさん (8mmormpc)2025/4/26 15:31削除
695回 投句

頁繰る指の重さや春眠し

葉桜の曼荼羅ざわわ如来像

陽炎や旅の男の残したものは
不来方さん (8b8tdv36)2025/4/26 11:07削除
第695回投句

春眠の夢をはみ出す母のこえ
陽炎をひらけば弥陀の来迎図
夕日濃しつつじ疲れの石地蔵
まりさん (8md9x4e2)2025/4/25 21:19削除
695回投句

春眠し四角に開いた河馬の口
大空へ大きな欠伸燕来る
桜蘂降る参道に売る青菜
こがめさん (8atk17xs)2025/4/24 21:43削除
第695回麦っこ投句
春眠を貪るひと日ビタミン剤

春風や往来絶えぬ上野公園

遠足児の横断譲る園丁士
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/4/21 20:38削除
695回投句
春眠の覚めて令和に戻りけり
飛魚飛ぶや波の先なる未来へと
林芙美子の終の棲家の花ざくろ
返信10
まりさん (8md9x4e2)2025/4/14 09:03 (No.131769)削除
693回投句一覧&選句

春の昼 
良寛の文字柔らかき春の昼
春昼のフォークに絡めイタリアン
春昼の母への記憶塩むすび
ライオンに添うて人待つ春の昼
約束を丸ごと忘れ春の昼
春昼や赤子の欠伸移る猫
春の昼虚空啄む鳩の嘴(はし) 
乗換えの駅春昼の鳶の笛
鶏追って園児はばたく春の昼
遠ち近ちに蒲団打つ音春の午後


日光行きのホーム違えし春日傘
春昼の丘のゴスペル光る海
開け放つ鳩舎の窓や風光る
風光る遠眼差しのキリンかな
光陰に埋もれゆく夢花吹雪
万目のネモフィラ畑光る海
鳥を撮るアイコンタクト風光る
陽光のゆたにたゆたに春の水
春光や小流れ石に弾かれて
遅咲きの春やアルプス発光す

雑詠
鳥の声違え芽吹きの色違え
花筏見果てぬ夢の旅を急く
襟足のほくろの人と花見かな
春昼の繰り言言うて冷蔵庫
黒土のなお黒々と春の雨
通路には水書きパンダ麗らけし
うららかやカートではしゃぐ園児たち
ぼんぼりの滲む城址夜の桜
風光る定期売り場の長き列
桜蕊降る天気図の傘マーク
返信
のんさん (9bbrsu9b)2025/4/20 18:53削除
第693回 選句

〇ライオンに添うて人待つ春の昼
 銀座三越での待ち合わせでしょうか、春の銀座は華やいでいそうです。
〇遠ち近ちに蒲団打つ音春の午後
 今夜は良い眠りが訪れそうですね。
〇万目のネモフィラ畑光る海
 海は太平洋、一度は見たい風景です。
◎黒土のなお黒々と春の雨
 耕してある畑、秋には豊かな実りがありそうです。
天馬さん (9ew8kwc6)2025/4/20 15:13削除
693選句

◎鶏追って園児はばたく春の昼
可愛い比喩に惹かれました。

○春昼の丘のゴスペル光る海
私には永遠に作れそうにない世界です。憧れます。

○遅咲きの春やアルプス発光す
発光は残雪のまばゆさでしょうか。毎日見ている岩手山も時に発光し神々しいことがあります。

○桜蕊降る天気図の傘マーク
花は終わったし雨だし…が、17音にしっかりおさまっていると思いました。
ちこりんさん (8mmormpc)2025/4/20 14:43削除
693回 選句

○遠ち近ちに蒲団打つ音春の午後

変わらない春の午後がこの風景。平和を感じました。

○光陰に埋もれゆく夢花吹雪

共感ではなく、花吹雪の映し出す世情を思いました。

◎桜蕊降る天気図の傘マーク

日常に欠かせない天気予報。主観を押さえた客観的な描写がいいですね。
ふたばさん (8augfkle)2025/4/20 13:44削除
麦っこ693回選句

〇良寛の文字柔らかき春の昼
 良寛の文字と春の昼がぴったりです。

◎乗換えの駅春昼の鳶の笛に
 鳶の声に思わず空を見上げる。何気ない光景ですが、ふっとした感慨も過ぎります。都心を離れた「乗換えの駅」は、海辺の町や田園風景など、想像がひろがりました。

○光陰に埋もれゆく夢花吹雪
 心情に共感しました。花吹雪が効いています。

〇春昼の丘のゴスペル光る海
 ゴスペルの流れる丘。リズムに乗って、踊り出したくなるような…。むかし、音楽祭で歌った時の楽しさを思い出しました。

○黒土のなお黒々と春の雨
 黒土に、春耕を待つ田畑や雨上りの土のにおいまで感じられます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/4/20 12:05削除
693回選句
◎黒土のなお黒々と春の雨
 春の雨を吸って一層黒さを増す田畑の土。肥沃な土壌の中で暮らす人々の姿が偲ばれます。
〇鶏追って園児はばたく春の昼
 夢中で鶏を追いかけているうちに園児も鶏になった。比喩が効いている。
〇春昼の丘のゴスペル光る海
 幻想的でロマンチックな句。光る海は、遠いアフリカの海だろうか。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2025/4/19 20:07削除
麦っこ693選句

〇良寛の文字柔らかき春の昼
良寛の文字の柔らかさに春の昼取り合わせが効いています
〇春の昼虚空啄む鳩の嘴(はし) 
何もない空間啄む鳩の嘴とらえ方に感動しました
〇鶏追って園児はばたく春の昼
元気に遊ぶ園児の姿が見える
◎遠ち近ちに蒲団打つ音春の午後
天気の良い午後干された布団が彼方此方で叩いて取り入れる景暖かみと生活の様子が見えてきます
〇春昼の丘のゴスペル光る海
〇万目のネモフィラ畑光る海
丘の上のゴスペルの音ブルーに咲き誇るネモフラどちらも光る海が句を明るくして詩的です
太郎さん (923uhctl)2025/4/18 14:57削除
麦っこ693選句
「春の昼」 
○良寛の文字柔らかき春の昼
 良寛の「天上大風」、良寛の歌など味わい深く好きな文字だが、臨書や倣書には難しい書風である。「良寛の文字」を「柔らかき」と一言で言うのは安直というか冒険というか、いわずもがなの説明のような気もする。
◎鶏追って園児はばたく春の昼
 コッコッコとけたたましく鳴いて逃げ惑う鶏を、諸手を鳥のように羽ばたかせながら追いまくる幼子。春の昼の平和な、微笑ましい一光景である。「園児はばたく」の表現を得て情景活写の一句となった。
○遠ち近ちに蒲団打つ音春の午後
日が傾いてきて、住宅街のいろいろな方角から遠く近く、高く低く干し布団をしまい込む音が聞こえてくる。界隈にいろいろな人が住んでいることを実感するひとときである。
 「春の午後」は、兼題「春の昼」の傍題とは言いがたく、季語「春」の成語というべきか。
「光」
○陽光のゆたにたゆたに春の水
 「ゆたにたゆたに」、「ゆたのたゆたに」は、万葉や古今に詠われている慣用句で、掲句は、蕪村の「春の海終日のたりのたりかな」を彷彿とさせる。
「雑詠」
○黒土のなお黒々と春の雨
 関東地方では、赤土の畑が多く、黒土の畑は、堆肥や腐植を合わせて作ったものがある。
乾いて表面が白くなった黒土が、春雨にしっとりと濡れて、黒々とふっくらとした畑になり、あたりに春の匂いを漂わせている。
○桜蕊降る天気図の傘マーク
 我が家とフェンス一枚隔てた向こうは小学校の校庭で、樹齢30~50年の桜並木がある。花の盛りは我が家のどの部屋からも居ながらにして花見を楽しむことができる。が、花が終わると、家屋の周囲は、花の屑や桜蘂に埋め尽くされたようになり、業者に雨樋の清掃を依頼しなければならなくなる。一時の愉しみのために花の後と落葉の季節に大変な労苦を強いられるのである。
 一般的には、花の後に桜蘂が散り敷いて地面をうっすらと赤紫色に染めて、落花とはまた違う晩春の趣があるとされる。この頃に温暖前線が通過すると、TVの天気予報の画面に傘マークが並ぶことになる。この時期の雨は、さほど嫌われることはなくかつては「…濡れて行こう」といわれたほどのものである。桜蘂と春の雨はプラス指向の取り合わせといえるだろう。
こがめさん (8atk17xs)2025/4/16 15:13削除
第693回麦っこ選句
◎良寛の文字柔らかき春の昼
「文字柔らかき」の表現がいいですね。良寛の仮名文字の書を見直したいです。

〇乗換えの駅春昼の鳶の笛
乗換駅の景が浮かんできます。長閑な景でいいですね。田舎に帰るとこんな景が見られます。

〇黒土のなお黒々と春の雨
何処の地域かな。関東地方ではなさそうですね。故郷は黒土でした。
雪が消えて、白から黒、春の雨でさらに土が黒くなっていく。自然の景の変化がでています。

〇桜蕊降る天気図の傘マーク
天気予報と図が浮かんできます。
まりさん (8md9x4e2)2025/4/14 14:10削除
693回選句

〇良寛の文字柔らかき春の昼
文字と春昼の雰囲気を繋ぎたかったのだとは思いますが「き」が最良なのかな。でも良寛の文字は春の昼に合っていると思います。

◇春昼のフォークに絡めイタリアン
上五で切るなら、「春昼の(または春の昼)フォークに絡めるイタリアン」 
春昼をフォークに絡めるという展開も面白いと思いましたがいかが?
◇春昼の母への記憶塩むすび
春の昼母の記憶の塩むすび ですかね。
どちらの句も、取り合わせに惹かれました。

〇光陰に埋もれゆく夢花吹雪
やや抽象的ですが、花吹雪のなかでふっと追いかけて来た夢のことを思ったのでしょう。
追いかける夢を持っていたのか、夢は叶ったのか埋もれたのかすら曖昧な私ですが、今、こうやって俳句で遊んでいられるのですから夢は「あって」「叶った」のだと思うことにします。

◎黒土のなお黒々と春の雨
シンプル過ぎるかもしれませんが、この感覚は本当によくわかります。私は関東に出て来て赤土にびっくりしました。先日、
ひねもすの春雨関東ローム層 という句を作ったのですが、何年か前にも関東ローム層の句を作ったのを思い出してボツ句としました。
不来方さん (9fk51zn8)2025/4/14 11:37削除
第693回選句

◯良寛の文字柔らかき春の昼
 良寛の書はまさに春昼のこころそのもののようだ。

◯遠ち近ちに蒲団打つ音春の午後
 「春の昼」を敢えて「春の午後」としたところに、単なるのどかな気分ではなく、「蒲団打つ」という行為ののどかさを表出する工夫がなされていて中々。

◯春昼の丘のゴスペル光る海
◯万目のネモフィラ畑光る海
 両句とも「光る海」が生きている。前句は海の見える丘でのゴスペルの音が、後句は万目のネモフィラの青が、光り輝く海と調和して大きな景を描き出している。
 (満目と万目の違いが勉強になった。掲句は満目でも成立しそうだが、作者は単なる叙景句でなく、人間を登場させて人界と自然界を一体化させたかったのかも知れない。)

◯鳥を撮るアイコンタクト風光る
 鳥の目と作者の目が交錯するシャッターチャンスに季語がうまく嵌った。「アイコンタクト」の斡旋が個性的。

◎黒土のなお黒々と春の雨
 中七の措辞がいい。春の雨に濡れてより広がりのある豊かな黒土帯がありありと目に浮かぶ。
返信10
太郎さん (923uhctl)2025/4/12 19:59 (No.131689)削除
麦っこ694出題
◇季 語   囀
◇文 字   白
◇テーマ   スポーツ
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2025/4/20 16:50削除
第694回麦っこ投句

囀や緩みはじまる地平線
紅白の帽子の汚れ花吹雪
鳥雲に控え投手の二年間
ちこりんさん (8mmormpc)2025/4/20 14:26削除
694回 投句

囀りや戦車試乗の人の群れ

スカーレットの最後の科白春疾風

桜東風日没迫るプレーオフ
ハナハナさん (8ws7lb4p)2025/4/19 19:17削除
第694回 投句

囀りの欅の大樹ニュータウン
真っ白なシーツはためく春の空
朝練やテニスコートの白い線
のんさん (9bbrsu9b)2025/4/19 17:56削除
第694回 投句

囀りや記念樹しかと地になじむ
白粥にほのかな甘み春の風邪
初めての「モルック」春日背に柔し
ふたばさん (8augfkle)2025/4/19 16:54削除
694回投句

囀やキッチンカーのハンバーガー
妣植えし白藤の滝夕映えて
新緑やピンポン後の露天風呂
天馬さん (9ew8kwc6)2025/4/18 15:51削除
694投句

囀りの囀りを呼び岩洞湖
ごきげんな白蝶0.1グラム
盗塁の大きなリード風光る
まりさん (8md9x4e2)2025/4/18 15:22削除
694回投句

囀や狛犬吽と口結ぶ
白蝶の反転野鳥観察舎
自転車の列の疾走風光る
不来方さん (8b8tdv36)2025/4/18 12:14削除
千年の囀りを聴く仁王かな

再読の白泉句集戦あるぞ

深呼吸して全身に囀りを
太郎さん (923uhctl)2025/4/18 08:56削除
麦っこ694投句
囀や三学級の小学校
白鳥の引きし小沼の広さかな
うららかや力士の遊ぶ遊園地
こがめさん (8atk17xs)2025/4/17 20:45削除
第694回麦っこ投句
囀やライン画面に郷の山

苗代の空白埋める鷺の影

梨咲くや快音響く野球場
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/4/14 17:39削除
694回投句
囀や文豪たちの眠る墓地
面白きこともありけり散る桜
出番無き野球少年花は葉に
返信11
まりさん (8md9x4e2)2025/4/7 11:30 (No.131443)削除
692回投句一覧&選句

四月
風抱いてただ揺れており四月の樹
結び目のようやく解け四月来る
待ちわびし四月の暦捲りけり
雪の日も夏日もありぬ四月かな
新品の目覚まし時計四月来る
旧暦でもの言う癖や四月馬鹿
恙なく議長退任四月風
高校生四月に手にす定期券
ひらがなの名前の刺繍風四月
今日からは社名変わって四月かな


花吹雪動物園に長き列
縁台の朽ちし公園花万朶
春の園ハシビロコウも頭掻く
地下足袋の園丁若し桜咲く
祇園小路のべんがら格子おぼろ月
閉園のチャイム紋白蝶戻る  
鍬の柄に農園の土風光る
園児らの声にとけゆく花のこえ
母の手を離れ園児となる春日
楽園と笑う移住者花咲けり

山菜
蕨狩小遣い稼ぎの収入源
つっと出るあいつのあだ名野蒜摘む
朝採りとメールの届くタランボウ
独活の灰汁抜いて今宵の脇役に
独活を掘る父の濁声ありありと
兄の忌や休耕田の芹青む
蕗の薹採って地球の裏の声
「熊注意」の木札新し蕨狩
楤芽吹く原発望む郷の山
川風の一方通行芹そよぐ
返信
ちこりんさん (92qvc6dm)2025/4/18 11:42削除
692回  選句
◯ひらがなの名前の刺繍風四月

作者自身の思い出の一句として鑑賞しました。最近は便利なシール等がありますが、我が子が幼い頃は夜なべして、名前をぬいつけました。懐かしい。

◎母の手を離れ園児となる春日

児の自立は一抹の淋しさを感じるもの。手が様々なことを語っていますね。下五は、もう一工夫できそうではありますね。

◯「熊注意」の木札新し蕨狩

リアルを感じる一句。都市部にまで出没する熊。共存は難しそうですが、知恵をしぼらねば。
のんさん (9bbrsu9b)2025/4/13 16:28削除
第692回 選句

〇結び目のようやく解け四月来る
 「結び目」ちょっとした気掛かりとか心配事と解釈しました。明るい春を迎えられたようですね。
〇閉園のチャイム紋白蝶戻る
 遊園地とか動物園の景でしょうか、日永を感じさせる季語が良いです。
〇母の手を離れ園児となる春日
 リズムの良い句、成長していく喜びと親離れしていく児への寂しさも感じ取れます。
〇「熊注意」の木札新し蕨狩
 木札が新しい所に臨場感があります。
◎兄の忌や休耕田の芹青む
 お兄さんの忌日にあわせての帰省でしょうか。かつてお兄さんが耕していた田圃でしょうか、青々とした芹にも胸が痛むのでしょう。
天馬さん (9ew8kwc6)2025/4/13 14:15削除
692選句

○結び目のようやく解け四月来る
年度末のあれこれが片づき、新年度スタート!なのかなと思いました。
◎ひらがなの名前の刺繍風四月
丁寧な子育てが浮かび惹かれました。
○閉園のチャイム紋白蝶戻る 
蝶のひらひらが慌てて戻る様子にも見え、楽しい句だと思いました。 
○蕗の薹採って地球の裏の声
蕗の薹は可愛いですが、みんな取り除くとなれば、地下茎は中々しぶとい。掘っても掘っても…です。地球の裏の声も聞こえるかもと思わせます。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2025/4/12 19:31削除
692回投 選句

◎ひらがなの名前の刺繍風四月
入学を待つ一年生を思い浮かびます刺繍の糸は華やかで美しい母の愛も感じます
〇閉園のチャイム紋白蝶戻る
閉園に紋白蝶も戻るメルヘンですね  
〇蕗の薹採って地球の裏の声
地球の裏の声ってどんな声でしょう
〇「熊注意」の木札新し蕨狩
最近熊の出没ニュースが良くあります、蕨狩りも要注意
ジュピターさん (8pymq0ud)2025/4/12 17:56削除
692回選句
◎ひらがなの名前の刺繍風四月
 四月の風の中で育ちゆく幼児の姿が思い浮かぶ。
〇閉園のチャイム紋白蝶戻る
 紋白蝶が戻ってくるという一寸した意外性。
〇母の手を離れ園児となる春日
 母の手を離れ園児も社会の一員となる。
〇「熊注意」の木札新し蕨狩
 熊の出没のニュースが多い。改めて注意を喚起したといったところか。
まりさん (8md9x4e2)2025/4/11 15:42削除
692回選句

◇待ちわびし四月の暦捲りけり
「待ちわびし四月の暦」の気持ちは本当によくわかりますが、「捲る」はちょっと残念。
下五でちょっと転換することによって出るわくわく感や広がりがほしい。それが難しいのですが…。
このまま寝かせておけばいつかいい下五が浮かぶでしょう~。

〇園児らの声にとけゆく花のこえ
逆転の発想がおもしろい。こういう見方もあったかあと。確かに、花は「声」ではなく「こえ」ですね。

◎兄の忌や休耕田の芹青む
シンプルですっきりと気持ちを表しています。実景なのかもしれませんが、「芹青む」がいいなあと思いました。
休耕田の句は多いので、季語の斡旋は大事!

〇川風の一方通行芹そよぐ
風の一方通行はほぼ上り前。しかし当たり前なのに当たり前で終わらせない何かを感じます。
ふたばさん (8augfkle)2025/4/8 22:10削除
第692回麦っこ選句

○結び目のようやく解け四月来る 
 長い冬から解放された安堵感が伝わってきます。

○ひらがなの名前の刺繍風四月
 新しく踏み出すこどもの一歩。「ひらがなの名前の刺繍」に母親の愛情が感じられます。

○祇園小路のべんがら格子おぼろ月
 京都の情緒たっぷり。舞妓さんも歩いてきそうな…。

◯ 独活の灰汁抜いて今宵の脇役に
 お酒のつまみにぴったり。ご飯のおかずにも。「脇役」とは言い得て妙。

◎ 兄の忌や休耕田の芹青む
 田畑を引き継ぎ守ってきたお兄さんを思う気持ち。懐かしさと寂しさ。休耕田には根の太い田芹が伸びている。
 実感が伝わってきます。
こがめさん (8atk17xs)2025/4/7 22:23削除
第692回麦っこ選句
◎ひらがなの名前の刺繍風四月
刺繍で名前か。いいですね。元気で活動してねとの思いがこめられているように感じます。「風四月」の季語がとても爽やかに感じます。

〇縁台の朽ちし公園花万朶
新しい公園でなく、年月がたっている。きっと桜を大切に見守っているのだろう。

〇兄の忌や休耕田の芹青む
お兄さんがなくなって田を耕していないが、その面影がまだ残っているように感じます。
芹青むから田に水をはっているのだろう。

〇「熊注意」の木札新し蕨狩
「熊注意」か。熊もかわいそうです。
小さいころは自由に山に入って蕨狩らをやっていたのに。今は自由に山に入れません。

〇川風の一方通行芹そよぐ
芹が育っている景が浮かんできます。川がきれい。そして芹の色もきれい。いいですね。
不来方さん (8b8tdv36)2025/4/7 17:44削除
第692回選句

◯ ひらがなの名前の刺繍風四月
 やわらかな四月の風とひらがな表記の刺繍が呼応して、見えない飛花落花が見えて来るような句。

◯ 縁台の朽ちし公園花万朶
 長らく手入れのされていない廃園寸前の公園と、毎年変わらず満開となる桜の取合せで人智を超えた世界を詠って巧い。

◎ 母の手を離れ園児となる春日
 孫俳句は主観が入りやすく難しいが、この句は客観的な表現に徹して入園を寿いでいる。ハ音の韻律が心地よい。

◯ 独活の灰汁抜いて今宵の脇役に
 独活の灰汁を抜いて「脇役」とは面白い。しかも説得力がある。

◯ 兄の忌や休耕田の芹青む
 長年先祖伝来の田畑を守って来た兄(多分長男)が亡くなって久しい。その兄の忌日が来る度に、休耕田に青む芹が切なくもあり、一族の歴史を語っているようでもある。

◯ 楤芽吹く原発望む郷の山
 東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の炉心溶融から14年。三月になると原発に近い郷山には必ず楤が芽吹く。改めて自然のちからに感じ入った。

今回の選句では、自然の営みと人智の世界の対比をモチーフにした句に惹かれた。
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