ま
まりさん (8md9x4e2)2024/3/31 16:36 (No.100836)削除639回投句一覧&選句
「春の月」
春満月誰とも比べない暮らし
春の月無礼講の六地蔵
春の月短編集の活字追う
海原に揺れる嗚咽や春の月
モスクワもキーウも春の月の下
春の月スカイツリーを七色に
友を見舞うやまびこ号の春の月
京の夜渡月橋にて春の月
書割のビル街大き春の月
眼帯やうっすら見える春の月
息を抜く山の稜線春の月
駅北は寂しいところ春の月
「行」
筆ペンで行書の臨書お玉杓子
雨匂う畑の黒土西行忌
吟行の直前中止春嵐
春疾風行書草書に足乱れ
西行の消えゆく背中春霞
訪ね行く小江戸佐原の春深し
行うは難し芽吹きの空の蒼
行進の揃える歩幅鳥雲に
道行の如く相寄る蝶二頭
行列の出来るラーメン春の宵
春塵のこころ裏腹平行線
雛の宴行儀悪くて座れない子
「和菓子」
郷思い父母の遺影に草団子
おとといの疲れは今日に桜餅
夕桜めぐり巣鴨の鯛焼屋
お喋りの真中に置かる桜餅
茶話会のきな粉の咽せる蓬餅
濃茶淹れひとりの午後や桜餅
「さ」は神座す「くら」は鞍から桜餅
二つめは大川見遣り桜餅
大福に黒文字花の緋毛氈
練り切りの色の濃淡風光る
湯の滾る笛の高まり草の餅
桜餅いまだ知り得ぬ妻の夢