麦船橋句会

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まりさん (8md9x4e2)2024/3/31 16:36 (No.100836)削除
639回投句一覧&選句

「春の月」
春満月誰とも比べない暮らし
春の月無礼講の六地蔵
春の月短編集の活字追う
海原に揺れる嗚咽や春の月
モスクワもキーウも春の月の下
春の月スカイツリーを七色に
友を見舞うやまびこ号の春の月
京の夜渡月橋にて春の月
書割のビル街大き春の月
眼帯やうっすら見える春の月
息を抜く山の稜線春の月
駅北は寂しいところ春の月

「行」
筆ペンで行書の臨書お玉杓子
雨匂う畑の黒土西行忌
吟行の直前中止春嵐
春疾風行書草書に足乱れ
西行の消えゆく背中春霞
訪ね行く小江戸佐原の春深し
行うは難し芽吹きの空の蒼
行進の揃える歩幅鳥雲に
道行の如く相寄る蝶二頭
行列の出来るラーメン春の宵
春塵のこころ裏腹平行線
雛の宴行儀悪くて座れない子

「和菓子」
郷思い父母の遺影に草団子
おとといの疲れは今日に桜餅
夕桜めぐり巣鴨の鯛焼屋
お喋りの真中に置かる桜餅
茶話会のきな粉の咽せる蓬餅
濃茶淹れひとりの午後や桜餅
「さ」は神座す「くら」は鞍から桜餅
二つめは大川見遣り桜餅
大福に黒文字花の緋毛氈
練り切りの色の濃淡風光る
湯の滾る笛の高まり草の餅
桜餅いまだ知り得ぬ妻の夢
返信
未完さん (91c0tm1u)2024/4/15 22:28削除
◎書割のビル街大き春の月 
舞台の大道具いう設定しかもビル街との発想が大胆です。
〇行列の出来るラーメン春の宵グルメ探索
時間をいとわず人が多い現代の風景を見事にとらえている。
〇練り切りの色の濃淡風光る
練り切りの色合い濃淡を目につけで句を作ったのがお手柄だ・・・・・
〇郷思い父母の遺影に草団子
私は故郷の父母の遺影は飾ってもないしお供えをしたこともない。律儀な人もいると懺悔かな。
まきえっとさん (8rypn25h)2024/4/8 23:17削除
第639回麦っこ選句

◎書割のビル街大き春の月
ビルのことを詠みたいと思ってもなかなか上手く表現できません。「書割」という言葉を上手につかっています。

〇息を抜く山の稜線春の月
冬の間くっきりとしていた稜線が春になり枝に葉が育ちふっくらとしてきた感じと「息を抜く」が合っています。

〇春疾風行書草書に足乱れ
書体の様子が「足乱れ」から伝わってきます。

〇二つめは大川見遣り桜餅
二つ目がいいですね。長命寺の桜餅は何年か前まで必ず取引先からいただいていました。机で食べるのと違って風情がありますね。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/4/7 21:53削除
麦っこ639選句
「春の月」
〇息を抜く山の稜線春の月
 上五・中七に春の夜空の空気感を感じる。「息を抜く」のは山か、(山の)稜線か。「稜線」
といえば「山の」は言わなくてもよいのだが。
「和菓子」
◎練り切りの色の濃淡風光る
 生々気に満ちた春風のもと、手練れの水彩画のような色合いの菓子が美しい。和菓子は、日本文化の特徴的な産物で、その微妙な味わいと造形美は誇るに足るものである。
〇湯の滾る笛の高まり草の餅
 古くから親しまれ、今もその素朴な味わいを愛される蓬餅と、現代的な笛吹きケトルの音の取り合わせがしっくりとした1シーンである。
のんさん (8b8xe2bx)2024/4/7 19:46削除
第639回 選句

◎モスクワもキーウも春の月の下
 言っていることは本当にシンプルですが、それ故なおさら心が痛みます。
〇濃茶淹れひとりの午後や桜餅
 特別な桜餅というより、スーパーで買ってきたような桜餅かなと、でもゆったりと充実した時間が流れています。
〇練り切りの色の濃淡風光る
 練り切りは食べてしまうのが勿体無いほど美しい物があります。季語が爽やかです。
〇桜餅いまだ知り得ぬ妻の夢
 二人で桜餅を食べながらふと思ったのでしょうか。睦まじく微笑ましいお二人です。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/4/7 12:30削除
639回投句選句

◎モスクワもキーウも春の月の下
平和の国もそして戦争の国も又大災害の地も同じ月の下に生きている愁思
〇行進の揃える歩幅鳥雲に
甲子園の大会の行進を思いました、きりっとした緊張の行進に見入りました
〇大福に黒文字花の緋毛氈
〇練り切りの色の濃淡風光る
二句とも茶席の景を感じます
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/7 10:00削除
639回選句
 ◎書割のビル街大き春の月
  ビル街はどこも同じような構造で、切り取って張り合わせると特徴のない街が出来上がる。このような無機質な
  街並みは、まさに書割の街のようだ。
 〇春満月誰とも比べない暮らし
  今さら他人と比べてもどうしようもない、自分の価値観を大切にして生きる。作者の決意が春空の満月に呼応する。
 〇西行の消えゆく背中春霞
  旅の詩人西行が、遠く春霞の中に消えて行く様が想像されます。
 〇練り切りの色の濃淡風光る
  練り切りは甘党でない者にも、その色と形で楽しませてくれるが、春光の中でより一層美しく美味しそうに見えたのだろう。
ふたばさん (939u0aa7)2024/4/7 00:06削除
◎春満月誰とも比べない暮らし

○駅北は寂しいところ春の月

○西行の消えゆく背中春霞

○二つめは大川見遣り桜餅

コメントなしでスミマセン
こがめさん (8atk17xs)2024/4/6 19:47削除
◎春満月誰とも比べない暮らし
季語との取り合わせがとても参考になります。流石だなと思います。自分らしく生活したいなと思います。

○書割のビル街大き春の月
都会の景が浮かんできます。「書割のビル」の表現を参考にしたいです。今度ビル街をよく見てきます。

○春疾風行書草書に足乱れ
行書草書の表現で足の乱れの様子が浮かんできます。

○二つめは大川見遣り桜餅
桜餅を食べている場所が浮かんできます。「二つめ」から美味しくて
天馬さん (939bprlx)2024/4/6 12:04削除
639選句

◎モスクワもキーウも春の月の下
戦争を悲しみ憤る俳句多いですが、掲句は季語の持つ力を感じ惹かれました。

○駅北は寂しいところ春の月
明と暗の比が良いです。

○二つめは大川見遣り桜餅
二つめとしたところに美味しい桜餅が浮かびます。

○練り切りの色の濃淡風光る
濃淡に対する季語が効いていると思いました。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/4/5 14:16削除
639回 選句

◎書割のビル街大き春の月
芝居の大道具その物ではなく、比喩的に表現されたと鑑賞しました。
無機質なビルとしっとりと愁を帯びた月が浮かびます。

○息を抜く山の稜線春の月
山々は春の月に見惚れているのでしょう。上五が効いています。

○大福に黒文字花の緋毛氈
色鮮やかな一句。美味しそ
うな大福と黒文字の並ぶ小粋な器も目に浮かびます。

○練り切りの色の濃淡風光る
「練り切りの薄紅花弁 雛の膳」と詠んだ句が私にありますが、掲句の季語が断然いいですね。和菓子屋の店先が映像として、浮かびます。
まりさん (8md9x4e2)2024/4/3 10:51削除
639選句

〇春満月誰とも比べない暮らし
あと何年生きられるかわからない年齢になってもついつい誰かの生き方と比べたりして。浅はかなことこの上なし…と思っての句と読みました。私がそうだからということですが。

〇モスクワもキーウも春の月の下
同じ月を見ているはずです。ますます終わりの見えない戦争が恐ろしく切ない。

〇二つめは大川見遣り桜餅
桜の葉二枚で挟んだ長命寺桜餅でしょう。一つ目はぱくり。二つ目は隅田川を眺めながらゆっくりと。飄々とした感じが魅力的。

◎練り切りの色の濃淡風光る
麗らかな日の散歩途中、練り切りの繊細な美しさに惹かれて買ったのでしょうか。萌黄色や桃色はいかにも日本的、風光るがぴったり。この季語には動詞のない句が合います。なかなかそうはいかないのですが。
不来方さん (8b8tdv36)2024/4/2 10:48削除
639句選句

◎春満月誰とも比べない暮らし
年を経るほどに人は他人の暮しと自分の暮しの比較をしなくなるものだ。同時に月を愛でる心は若い頃よりも強くなってくる。春満月なら気持もより和らぐものだ。

〇書割のビル街大き春の月
歌舞伎か演劇かはともかく屋内と屋外の対比、大きなビル街の書割という現代性と古来変わらぬ月の対比が巧い。作者はおそらく劇を見終えて春満月を眺めながら余韻に浸っているのだろう。

◯ 夕桜めぐり巣鴨の鯛焼屋
 固有名詞の句はいつも書くのも読むのも難しいが、季語との相性に尽きるような気がする。掲句は庶民的な「巣鴨」しかも「鯛焼屋」と「夕桜」巡りの後の冷ややかな空気感とがうまく調和している。

〇濃茶淹れひとりの午後や桜餅
一読の静謐感と孤独感がいい。大人の孤独感というべきか。このゆとりは桜餅の効果だろう。

◯ 練り切りの色の濃淡風光る
 「色の濃淡」で春らしさが伝わってくる。それに「風光る」がピッタリ嵌った。
返信12
まりさん (8md9x4e2)2024/4/15 14:01 (No.102550)削除
出題 お願いいたします。

4月21日  ジュピター
4月28日  まり
5月 5日  不来方
5月12日  ちこりん
5月19日  ハナハナ
5月26日  太郎
6月 2日  まきえっと
6月 9日  こがめ
6月16日  天馬
6月23日  ふたば
6月30日  のん
返信
返信0
ふたばさん (939u0aa7)2024/4/7 00:14 (No.101544)削除
第641回お題

季語:雲雀
文字:笑
雑詠
返信
ちこりんさん (8mmormpc)2024/4/15 10:28削除
641回 投句
無窮へと運ぶ伝言揚雲雀

諦めを笑う鴉や落花ふむ

散る花の音無き調べ夕空へ
天馬さん (93l8o15t)2024/4/14 19:56削除
641投句

一点の鳥影なるや揚雲雀
肩の力抜け抜け抜けと山笑う
跳んで跳んで春光の仔牛
のんさん (8b8xe2bx)2024/4/14 11:21削除
第641回 投句

俯瞰する地球の歪み揚雲雀
園バス降り抱きつく笑顔花吹雪
風は海より桜舞う壇葛
太郎さん (8aq3zcoi)2024/4/14 10:13削除
麦っこ641投句
揚雲雀ポテトサラダと缶酎ハイ
春の夜の鳴子こけしの泣き笑い
立売りの呼び声薬研堀晩春
ふたばさん (8augfkle)2024/4/13 23:22削除
第641回投句

揚雲雀こころの蓋を開け放つ
過ぎし日は笑い話や花の下
ふらここや光蹴り上げ風になる
まりさん (8md9x4e2)2024/4/13 22:06削除
641回投句

弁当の真っ赤な小梅揚雲雀
名物の赤いこんにゃく山笑う
野球部の野太き叫び初燕
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/4/13 16:00削除
第641投句
ヘルメットの自転車族や揚雲雀
八重桜笑みでごまかす嘘少し
介護士のマニキュアピンク飛花落花
まきえっとさん (8rypn25h)2024/4/13 13:56削除
第641回投句

揚雲雀肩の力のふと抜ける
蛇いでて自己紹介に呼ぶ笑い
憶測で物言う女飛花落花
未完さん (91c0tm1u)2024/4/13 00:26削除
揚雲雀竹馬の友は天国に
山笑う売ったところで二足三文
水温む電気分解してみよう
不来方さん (8b8tdv36)2024/4/12 16:49削除
第641回投句

雲雀野に寝転んでいる独りかな

春眠の己が笑顔に目覚めけり

啄木忌とんと見かけぬ靴磨き
こがめさん (8atk17xs)2024/4/12 15:16削除
第641回麦っこ投句
青空や白黄共演揚雲雀

談笑の口に一片花吹雪

七年ぶりの桜吹雪や一年生
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/8 13:39削除
541回投句
 ハマ付きの赤い自転車揚雲雀
 笑うしかなし日延べ日延べの花見酒
 横文字の幟チラホラ花の杜
返信12
天馬さん (930v3xw6)2024/3/31 13:47 (No.100814)削除
640お題

季語 花冷
文字 鳥
雑詠
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2024/4/7 21:12削除
麦っこ640投句
花冷えや待合室の古雑誌
介護バス徐行川面を初乙鳥
一鈴の後のさざめき花の冷え
天馬さん (939bprlx)2024/4/7 11:40削除
640投句

行き先は弘前花冷えの鉄路
鳥交むツリーハウスに香るモカ
つかず離れずとは二羽の残る鴨
まきえっとさん (8rypn25h)2024/4/6 22:42削除
第640回投句

表裏なき一枚の紙花の冷え
鳥図鑑閉じ囀りへ耳傾ぐ
蜃気楼カーブミラーの映す明日
ちこりんさん (8mmormpc)2024/4/6 21:27削除
640回 投句 

薄らと浮かぶ古傷花の冷え
巨木へと溺れゆく鳥花の雲
廃屋に傾ぐ古巣や路地の風
ふたばさん (939u0aa7)2024/4/6 20:20削除
640回投句

自販機にホットを探す花の冷え
花散らす鳥の名前に惑いけり
畑から宅地となりて薺咲く
のんさん (8b8xe2bx)2024/4/6 20:02削除
第640回 投句

花冷えの朝の軍港無彩色
木目浮く東屋の椅子鳥交む
さくらさくら残り時間が軽くなる
不来方さん (8b8tdv36)2024/4/5 16:18削除
閂の錆花冷えの観音堂

殿はいつも父なり鳥雲に

三鬼の忌ほらを吹くならさり気なく
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/4/5 15:11削除
640投句
花の冷えファクスで届く訃報かな
曇天や燕の通う蔵の軒
聴診器動く胸元木の芽時
まりさん (8md9x4e2)2024/4/4 09:11削除
640回投句

同心円ひろげる水輪花の冷え 
鳥交る礁のごとき巨樹の肌
桜桜桜多国語に漬かる
こがめさん (8atk17xs)2024/4/3 20:56削除
第640麦っこ投句
方向音痴地図を広げる花の冷え

八重桜鳥居の先に西郷像

春休み姉妹同じの白帽子
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/4/3 13:36削除
630回投句
 花冷えや客のまばらな陶器店
 耕して鳥の集まる春田かな
 束の間の母子の帰省桜冷え
返信11
まりさん (8md9x4e2)2024/3/24 19:57 (No.99889)削除
638回投句一覧&選句

「山笑う」
鳥声の9000ヘルツ山笑う
励ましの無骨な便り山笑う
山笑うヒッチハイカーの段ボール
山笑うという遠富士遠筑波
東京は未練の置き場山笑う
笑う山背にしてハンドグライダー
故郷までトンネル十五山笑う
山笑うランプの芯の望遠鏡
山笑う嘗ても今も鳶の空
蔵元の長き講釈山笑う

「子」
棄て榾に肉厚春子太き足
群を離れて目を瞑る卒業子
誤解されやすい子だった卒業す
鎌倉の寺社を巡りて白子丼
明太子届くこちらも春ですと
合格子正午過ぎても起きて来ず
目借時とろり迷子となる日向 
春愁の頼りげのない椅子の脚
遠き日へ揺るる木五倍子の花の房
芽おこしの雨や硝子の万華鏡

「文房具」
入学の祝いの一つタブレット
さえずりやパレットに溶く萌黄色
肥後守を知らぬ若者霾ぐもり
替え芯の細さ桜のまだ蕾
下敷に描く先生の顔おぼろ
パレットに春爛漫を絞り出す
鉛筆はB4なのか入学児
鉛筆に刻むイニシャル遠霞
角取れた小さき消しゴム卒業す
うぐいすや要らなくなったランドセル
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2024/4/2 10:16削除
麦っこ638選句
「山笑う」
○故郷までトンネル十五山笑う
 わたしは、かつてSLが走っている頃から、房総東・西線の列車で山中や海辺のトンネルを幾つも潜った。車に乗るようになってからもトンネルを出ると眼前に広がる海、花や果実、稲穂の匂う田園風景が次々に展開する風景を楽しんだ。子どもの頃にしばらく預けられていた御宿町は、今でも思い出すと鼻にツンとくるような懐かしさを覚える。掲句は、そんな望郷の心とともに大いに共感するのだが、「十五」という数字が事実として正確なものなのだろうが、かえって情趣を殺いで入るような気がしないでもない。
「子」
○芽おこしの雨や硝子の万華鏡
 芽起こしと万華鏡の取り合わせは絶妙で、音読すると耳に快い調べの句である。「硝子の」は、一句のリズムの中では光っているのだが、意味的にはちあまり働いていないような気がする。
「学用品」
○肥後守を知らぬ若者霾ぐもり
 われわれの仲間には肥後守を知らない人はいないだろうから蛇足めくが、かつては立派な学用品であった。鉛筆を削るのは勿論、A-1模型飛行機を制作するのに胴体の木の小骨、翼の竹ひご、木板でプロペラまでも削ったりした。「切出し」や「ボンナイフ」も含めて往時のこどもは学習や遊びに種々の刃物を使いこなしていたのである。現代の若者は、一部を除いて殆どが生活の中で刃物など扱えない人間になってしまった。 九州などでは、黄砂の季節になると、日射量が減る霾晦(よなぐもり)の状態になり室内にまで黄砂が積もったりするという。
 現代の若者と霾は考え落ちのような取り合わせだが、その気分を味わいたい。
◎さえずりやパレットに溶く萌黄色
 春になり繁殖期を迎えた小鳥たちの鳴き声を「囀」という。早春の鶯、やがて雲雀、そうして頬白と、春が来て闌となり惜春の候まで季節感を存分に味わわせてくれる。
 「萌黄」は、春先に萌え出る若葉の冴えた黄緑色である。芽吹きから若葉になろうとする頃の樹種によって時期も色合いも異なる木の葉の複雑な美しさは格別である。「さえずり」と「パレットに溶いた絵の具の萌黄色」のコラボは、聴覚と視覚に訴える思い切り春色の、明るい春の世界である。
 長々と駄弁を弄して済みません。体調が思わしくなく文を綴るのもPCを扱うのもしんどい状況です。PCもスマホもからかわれていると思うくらい誤作動が多くなっています。
まきえっとさん (8rypn25h)2024/4/1 22:27削除
第638回選句
〇故郷までトンネル十五山笑う
故郷は15のトンネルを越えると帰れるのですね。時として多く感じることもあれば少なく感じることもある。その時々で違うんだろうな。

〇誤解されやすい子だった卒業す
ちょうどこんな少女が主人公の小説を読んだところでした。見てくれている人は必ず居ますよね。

◎芽おこしの雨や硝子の万華鏡
取り合せがいいですね。雨粒が万華鏡のように春のさまざまな色を映している景も見えてきました。

〇パレットに春爛漫を絞り出す
きれいな色でしょうね。目に浮かびます。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/4/1 10:40削除
638回 選句

○山笑う嘗ても今も鳶の空
変わらぬ自然の有り難さ、不思議さ。中七はやや説明的かなと。対案は出せませんので、すみません。

○誤解されやすい子だった卒業す
成長を見守ってきた眼差しの温かさ。自分自身の若き頃と重ねているのかも知れません。

◎替え芯の細さ桜のまだ蕾
主張を控えた静かな一句。何気なく目にしたシャープペンの替え芯と桜の取り合わせもいいですね。
力を抜いた句柄に惹かれます。

○下敷に描く先生の顔おぼろ
かつて、下敷きは好きなイラストやシールで埋め尽くされていたもの。先生の顔?はないなぁ。笑笑
郷愁を呼ぶ一句です。
ふたばさん (8augfkle)2024/3/31 22:00削除
第638回選句

○山笑う嘗ても今も鳶の空
 春の空に悠々と飛ぶ鳶。この光景は今も昔も変わらずにあることへの安堵感でしょうか。

◎芽おこしの雨や硝子の万華鏡
「芽おこしの雨」の素敵な季語と「ガラスの万華鏡」の取り合わせがお見事と思いました。

○さえずりやパレットに溶く萌黄色
 さえずりと萌黄色がよく合っていると思いました。野外でスケッチするほどの暖かさ
 も感じられます。
のんさん (8b8xe2bx)2024/3/31 21:28削除
第638回 選句

〇東京は未練の置き場山笑う
 東京での夢をあきらめ、故郷に戻ったのでしょう。山は笑って迎えてくれたのか、山に笑われたように感じたのか複雑な感情です。
〇合格子正午過ぎても起きて来ず
 心配になるほど起きてこない子、これまでの努力と安心に熟睡しているのでしょう。
〇芽おこしの雨や硝子の万華鏡
 取合せの良い句です。
◎パレットに春爛漫を絞り出す
 「春爛漫を絞り出す」が作者の描きたいものを巧みに表しています。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/3/31 17:15削除
638回選句
 ◎故郷までトンネル十五山笑う
  車で行くのか、電車で行くのか、山深い故郷であることが想像されます。
 〇芽おこしの雨や硝子の万華鏡
  木の芽時の現実の世界を、万華鏡の中で眺めているのだろうか。
 〇さえずりやパレットに溶く萌黄色
 〇パレットに春爛漫を絞り出す
  パレットの上には、作者の描こうとする思いが色々詰まっていることだろう。
天馬さん (930v3xw6)2024/3/31 16:19削除
638選句

○故郷までトンネル十五山笑う

○山笑う嘗ても今も鳶の空

○芽おこしの雨や硝子の万華鏡

◎パレットに春爛漫を絞り出す
真っ白なパレットに色とりどりの絵の具。当地の一気にやってくる春のようです。

○角取れた小さき消しゴム卒業す
まりさん (8md9x4e2)2024/3/27 09:45削除
638回選句

〇故郷までトンネル十五山笑う
シンプルですが詠みたい景がきっちり。抜けたと思ったらまたすぐ短いトンネルが。私の場合は?そういえば数えたことがありません。

〇蔵元の長き講釈山笑う
試飲しながらの長い講釈ならよろしいのですが、季語からすると試飲の前の講釈かもしれません。吟行なら、講釈の中にきらりと光る言葉があればしめたもの。

◎芽おこしの雨や硝子の万華鏡
私はこの季語が好きで毎年挑戦しています。これは、硝子の万華鏡との取り合わせが魅力的です。菜の花の江戸川土手を散策しながら流山の万華鏡の店をのぞくのもいいなあと思いました。行きませんか?

〇パレットに春爛漫を絞り出す
私もバレットの句を作りましたが、「春爛漫を絞り出す」はあっぱれ。この勢いが素晴らしい。
こがめさん (8atk17xs)2024/3/26 09:33削除
第638回麦っこ選句
〇故郷までトンネル十五山笑う
わたしも故郷 に着くまでにトンネルが多いので今回句にしようとしましたが作れませんでした。参考にします。

○合格子正午過ぎても起きて来ず
おめでとう。疲れと嬉しさが・・・。家族が暖かく見守っているようですね。

◎芽おこしの雨や硝子の万華鏡
取り合わせを参考にしたいです。

○パレットに春爛漫を絞り出す
どんな絵なのかな。楽しみですね。「春爛漫」から絵具の色が想像できそうです。
不来方さん (8b8tdv36)2024/3/25 15:15削除
第638回選句

◯ 鳥声の9000ヘルツ山笑う
 「9000ヘルツ」がいいかどうか。鳥の高音が季語と呼応し合って山郷の長閑な景がうまく表現されている。

◎芽おこしの雨や硝子の万華鏡
 春雨に芽吹く景を映す窓が万華鏡とは、想像するだけで春の彩りが生き生きと伝わって来る。

◯ さえずりやパレットに溶く萌黄色
◯ パレットに春爛漫を絞り出す
 両句とも春を書くパレットの句。前句は囀の聴覚と絵の具の萌黄色の視覚とのコラボか巧い。後句は「春爛漫を絞り出す」の措辞が見事。如何にも春爛漫。

◯ 替え芯の細さ桜のまだ蕾
 取り合わせがいい。花を待つ心模様まで見えてくる。「桜の」と「桜は」はどちらがいいだろうか。

◯ 角取れた小さき消しゴム卒業す
 俳句では難しい時間の経過をうまく表現している。この卒業子の真面目で丁寧な3年間(あるいは6年間)の学校生活がよく分かる。
返信10
太郎さん (8aq3zcoi)2024/3/24 16:11 (No.99872)削除
麦っこ639出題
◇季 語   春の月
◇文 字   行
◇テーマ   和菓子
返信
天馬さん (930v3xw6)2024/3/31 13:41削除
639投句

春満月誰とも比べない暮らし
吟行の直前中止春嵐
お喋りの真中に置かる桜餅
不来方さん (8b8tdv36)2024/3/31 06:00削除
第639回投句(一句訂正)

モスクワもキーウも春の月の下

道行の如く相寄る蝶二頭

桜餅いまなお知らぬ妻の夢
のんさん (8b8xe2bx)2024/3/30 18:25削除
第639回 投句

春の月無礼講の六地蔵
西行の消えゆく背中春霞
大福に黒文字花の緋毛氈
まきえっとさん (8rypn25h)2024/3/30 16:17削除
第639回投句

春の月短編集の活字追う
行進の揃える歩幅鳥雲に
練り切りの色の濃淡風光る
ちこりんさん (8mmormpc)2024/3/30 11:45削除
639回 投句

海原に揺れる嗚咽や春の月
春塵のこころ裏腹平行線
湯の滾る笛の高まり草の餅
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/3/29 21:49削除
639麦っ子投句

春の月スカイツリーを七色に
行列の出来るラーメン春の宵
茶話会のきな粉の咽せる蓬餅

お休みしてましたが参加宜しくお願い致します
ふたばさん (8augfkle)2024/3/29 19:00削除
639回麦っこ投句

友を見舞うやまびこ号の春の月
春疾風行書草書に足乱れ
濃茶淹れひとりの午後や桜餅
未完さん (91c0tm1u)2024/3/29 02:50削除
京の夜渡月橋にて春の月
雛の宴行儀悪くて座れない子
「さ」は神座す「くら」は鞍から桜餅
太郎さん (8aq3zcoi)2024/3/28 20:53削除
麦っこ639投句
書割のビル街大き春の月
雨匂う畑の黒土西行忌
二つめは大川見遣り桜餅
こがめさん (8atk17xs)2024/3/28 20:32削除
第639回麦っこ投句
眼帯やうっすら見える春の月

筆ペンで行書の臨書お玉杓子

郷思い父母の遺影に草団子
まりさん (8md9x4e2)2024/3/28 14:32削除
639回投句

息を抜く山の稜線春の月
行うは難し芽吹きの空の蒼
おとといの疲れは今日に桜餅
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/3/26 17:52削除
639回投句
 駅北は寂しいところ春の月
 訪ね行く小江戸佐原の春深し
 夕桜めぐり巣鴨の鯛焼屋
返信12
まりさん (8md9x4e2)2024/3/17 22:02 (No.99019)削除
637回投句一覧&選句

「春光」
春光や埴輪の馬子の素頓狂
春光や海を見つめる少女像
春光を集め真珠のネックレス
種牛の泰然春光の牧野
ルノアールの少女の帽子春光裡
春光や無縁仏の散らぬ花
春光を弾いて車夫の脹脛
湖国いま春の光の曼荼羅絵
春光を浴び若返るウオーキング
春光や茅葺き屋根の観音堂
春光や身巾の路地の植木箱

「温」
温室で曇る眼鏡や春苺
温顔の翁の蘊蓄梅見酒
水温む仔牛は泥を蹴散らして
温室のアサギマダラに纏わるる
三日目の朝の検温春の風邪
あたたかや常温で酌む淡麗酒
餞のことば温かチューリップ
体温は三十六度月朧
適温のおとことおんな桜東風
面談の女医の温顔彼岸西風
水温み料理は楽しドーパミン

「雑詠」
鳳凰に金の雉啼く極楽へ
雛飾る銀行跡の郷土館
進化したゴジラ現わる春の闇
青空に羽ばたく準備花辛夷
ひといろとなりて廻るや風車
朧の夜色あふれ出る花図鑑
観音の里を巡りて春めきぬ
「咲き誇る」という語は好かぬシクラメン
料峭や古銭の匂う宝箱
抽斗の小さな隙間冴返る
金髪は期間限定春休み

ハナハナさんは欠席です。
気温の変化の激しい日々です。みなさまお大事に。
返信
のんさん (8b8xe2bx)2024/3/24 21:51削除
第637回 選句

〇春光を弾いて車夫の脹脛
「脹脛」と焦点を絞った事で車夫の若々しい様子が、より鮮明になっています。
〇湖国いま春の光の曼荼羅絵
 近江の辺りでしょうか、琵琶湖もキラキラと輝いているようです。
◎適温のおとことおんな桜東風
 「適温」の使い方に感服しましたが、色々と想像させる句です。季語も情感たっぷりです。
〇ひといろとなりて廻るや風車
 目に見えぬ風を見せてくれる句です。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/3/24 16:03削除
麦っこ637選句
「春光」
○春光や海を見つめる少女の像
 長閑な春の日差しの中、海を見霽かす赤い靴を履いた少女か、十和田湖畔に立つ乙女か。
◎春光を弾いて車夫の脹脛
 うっすらと汗ばんで足取りも軽く俥を引く車夫。そのリズミカルに踊る引き締まった膨脛を「春光を弾いて」と描写したのが巧みである。
○湖国いま春の光の曼荼羅絵
 大空に漲る陽光の下、いま淡海の国は爛漫の春の景観を展開している。
「曼陀羅」は、使い方の難しい語であるが、この場合、その形容は言い得て妙である。
○春光や身巾の路地の植木箱
 下町の「身巾の路地」も天は差別なく春光を注ぐ。間口の狭い、庭の無いような家は、路地に木箱やトロ箱を置いて、草花や低木を育てている。春を都会暮らしの懐に取り込んで季節感を楽しむ生活の知恵とでも言おうか。
「雑」
○ひといろとなりて廻るや風車
 原色の二色、三色の風車が勢いよく廻っている。それらは入り雑じって白っぽい「ひといろとなり」、やわらかな日差しの降りそそぐ中にあって、まさに「春の色」である。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/3/24 10:42削除
637回選句
 ◎春光を弾いて車夫の脹脛
  弾いてにより、美しく力強い車夫の脹脛が想像されます。
 〇春光や海を見つめる少女像
  春光という漠然とした季語が、中七下五の描写によりしっかりと生かされている。
 〇種牛の泰然春光の牧野
  種牛は体も大きく、泰然としているように見える。近頃、泰然とした人物は・・・
 〇適温のおとことおんな桜東風
  桜東風が吹く頃の気温は適温、その中にいるお男女の関係も適温といったところか。
ふたばさん (8augfkle)2024/3/24 00:58削除
第637回選句

〇春光を弾いて車夫の脹脛
 車夫の様子が活写されていて、「脹脛」がリアル。

〇湖国いま春の光の曼荼羅絵
 光が乱反射して、湖国ならではの春の情景が見事に詠われていると思いました。

〇水温む仔牛は泥を蹴散らして
 元気な仔牛に思わず笑みが漏れました。暖かくなるのを待っていたとばかりに。

◎適温のおとことおんな桜東風
 「適温のおとことおんな」このような発想にはびっくりしました。適温とは言い得て妙。
 季語も的確だと思いました。脱帽です。

〇「咲き誇る」という語は好かぬシクラメン
 わが家では毎年シクラメンを買って、ベランダで育てています。ガーデンシクラメンは
 長持ちするのですが、普通のシクラメンは長持ちしません。難しいですね。共感の一句です。
まきえっとさん (8rypn25h)2024/3/23 13:09削除
第637回麦っこ選句

〇種牛の泰然春光の牧野
大きな景ですね。自然の中で生きることの厳しさと優しさを感じます。

〇春光を弾いて車夫の脹脛
筋肉の動きも見えてきそうです。

〇湖国いま春の光の曼荼羅絵
「いま」が躍動感に溢れています。

◎ひといろとなりて廻るや風車
「ひといろ」が仮名の表記なので、いろいろと想像ができます。そこに工夫を感じました。
自分なら何色がいいだろう。
こがめさん (8atk17xs)2024/3/22 21:48削除
第637回麦っこ選句
〇春光を弾いて車夫の脹脛
車夫が元気よくそしてリズムよく軽快な足取りが聞こえてきます。「脹脛」に焦点をあてたのがいいなと思います。

〇春光を浴び若返るウオーキング
〇水温み料理は楽しドーパミン
二句とも大変でもプラス思考で生活しているのだろうな。若々しさを感じます。

〇ひといろとなりて廻るや風車
風車が回っている風景を想像できます。場所はどこかなと・・・・。

◎適温のおとことおんな桜東風
人間関係は男女関係なく生活できるといいなと思います。「桜東風」の季語からどんな場面かなと想像できます。
天馬さん (925mfydp)2024/3/22 17:12削除
637選句

○ルノアールの少女の帽子春光裡
ルノアールのほっとするタッチと春光の組み合わせが良いです。
◎春光を弾いて車夫の脹脛
当地ではとても作れない句です。いなせです。憧れます。
○湖国いま春の光の曼荼羅絵
まだ春は名のみですが、北国の春は一気に花盛り。もうすぐです。
○ひといろとなりて廻るや風車
風車といえば、恐山の景が浮かびます。吹く風にひといろとなってゆく様子が伝わります。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/3/21 11:46削除
637回 選句

○春光を集め真珠のネックレス
春のワクワク感が伝わってきます。卒業や入学の喜びをネックレスというモノに語らせている所がいいですね。

○種牛の泰然春光の牧野
広々とした牧野の静けさ、暖かさが伝わってきます。
種牛の存在感。

○春光を弾いて車夫の脹脛
脹脛の句は、まま見られますが、春光を弾いてが巧み。躍動感があります。

◎適温のおとことおんな桜東風
人間間の温度差を詠みたかったのですが、上手くいかず…適温の男女関係とは、恐れ入りました。
歩んできた二人の人生を想像させます。季語も効いていますね。
まりさん (8md9x4e2)2024/3/20 21:07削除
637回選句

〇春光や海を見つめる少女像
穏やかな海を願い続けて立つ少女像。

〇種牛の泰然春光の牧野
水温む仔牛は泥を蹴散らして
仔牛の句も魅力的ですが、「て」で終わる句にはどこかに「ゆるさ」を感じます。むろん、それがわかった上での「あえて」というのはありますが。
種牛の句は破調ですが、名詞止が逆に景を大きくしている気がします。

〇湖国いま春の光の曼荼羅絵
湖国はどの季節も美しいのでしょう。特に風光るころはまさに曼陀羅なのだと思いました。初秋の全国大会が楽しみです。

〇体温は三十六度月朧
関係のない二つのモノがぶつかって不思議な雰囲気を出していると思います。
それ以上は説明できませんが、俳句の妙。

◎適温のおとことおんな桜東風
「適温!」びっくりぽん!!これからどんなドラマが展開するのでしょう。俳句の短さで短歌の景色を詠んでいるようです。こういう「あそび句(あそびと取りたい)」はときどき味変のように欲しい句。常温だとまた別の景色になりますね。

〇ひといろとなりて廻るや風車
二つの色が混じって新しい一つの色が生まれたと取りました。当たり前の事象を「発見!」とするのが俳句なのだと改めて思いました。
不来方さん (8jrlsjab)2024/3/18 10:45削除
第637回麦っこ選句

◯春光を弾いて車夫の脹脛
 車夫の脹脛に焦点を合わせて秀逸。「弾いて」の選択が見事。

◯温顔の翁の蘊蓄梅見酒
 温顔の媼には梅がよく似合う。花見ではしっくりこない。前半の「オ」音、後半の「ウ」音のアクセントが効果的。

◎水温む仔牛は泥を蹴散らして
 水温む頃ともなれば仔牛の動きも活発になる。「泥を蹴散らして」の措辞がなんとも言えないくらいリアル。早春の北国の牧場に瞬間移動したような気分になった。

◯進化したゴジラ現わる春の闇
 ゴジラはある面戦争の象徴。70年前のゴジラと今のゴジラはどう進化したのだろうか?すべては春の闇に隠されている。ただ今回アカデミー賞「視覚効果賞」を受賞したゴジラ-1.0の結末が明るいのは、ウクライナ戦争やガザ紛争の近い将来に希望の灯をともしているような気がするのは深読み(楽観)過ぎるだろうか。

◯ひといろとなりて廻るや風車
 風車は色がいのち。「一色」ではなく「人色」と読んだ。その「ひといろ」が個性的で、書かれていない子供たちの声や動きまでがよく伝わって来る。
返信10
こがめさん (8atk17xs)2024/3/16 22:06 (No.98871)削除
第638回麦っこ題
季語  山笑う

文字   子

テーマ 学用品
返信
天馬さん (925mfydp)2024/3/24 15:15削除
638投句

鳥声の9000ヘルツ山笑う
誤解されやすい子だった卒業す
鉛筆はB4なのか入学児
ちこりんさん (92qvc6dm)2024/3/24 13:53削除
新しいスマホ。匿名はワタシです。
匿名さん (92qvc6dm)2024/3/24 13:49削除
638回 投句

励ましの無骨な便り山笑う

芽おこしの雨や硝子の万華鏡

鉛筆に刻むイニシャル遠霞
のんさん (8b8xe2bx)2024/3/24 11:01削除
第638回 投句

山笑うヒッチハイカーの段ボール
明太子届くこちらも春ですと
角取れた小さき消しゴム卒業す
太郎さん (911fickt)2024/3/23 14:21削除
麦っこ638投句
山笑うという遠富士遠筑波
群を離れて目を瞑る卒業子
うぐいすや要らなくなったランドセル
まきえっとさん (8rypn25h)2024/3/23 13:13削除
第638回投句
東京は未練の置き場山笑う
春愁の頼りげのない椅子の脚
替え芯の細さ桜のまだ蕾
不来方さん (8b8tdv36)2024/3/23 10:44削除
第638回投句

笑う山背にしてハンドグライダー

遠き日へ揺るる木五倍子の花の房

下敷に描く先生の顔おぼろ
ふたばさん (8augfkle)2024/3/22 22:25削除
第638回投句

故郷までトンネル十五山笑う
鎌倉の寺社を巡りて白子丼
パレットに春爛漫を絞り出す
こがめさん (8atk17xs)2024/3/22 22:04削除
第638回麦っこ投句
山笑うランプの芯の望遠鏡

棄て榾に肉厚春子太き足

入学の祝いの一つタブレット
まりさん (8md9x4e2)2024/3/22 19:22削除
638回投句(再)

山笑う嘗ても今も鳶の空
目借時とろり迷子となる日向 
さえずりやパレットに溶く萌黄色
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/3/17 20:54削除
638回投句
 蔵元の長き講釈山笑う
 合格子正午過ぎても起きて来ず
 肥後守を知らぬ若者霾ぐもり
返信11
まりさん (8md9x4e2)2024/3/9 21:38 (No.98042)削除
636回投句一覧&選句

「啓蟄」
啓蟄の半分埋まる一円玉
啓蟄や羽虫を乗せて着く手紙
啓蟄や重機は全て無人化に
啓蟄や空を揺すぶる長梯子
啓蟄や一足早き恋の虫
啓蟄や乾ききれないスニーカー
啓蟄や富士の形の土竜塚
啓蟄や肥料を運ぶ猫車
啓蟄やメトロ吐き出す有象無象
啓蟄を今か今かと亀の首
啓蟄やひかりへ砂を噴く湧水
啓蟄や町内会の役目終ゆ

「袋」
レジ袋で犬糞拾う春遊び
レジ袋3円土産の桜餅
未来という時間ばかりの種袋
赤ちょうちん袋小路の沈丁花
軽やかに未来予報図たね袋
くじを引くごと選びたる種袋
一坪のわが家の大地種袋
袋から我先にでる春愁い
梅散るや旅の記念の箸袋
春光や塵の袋は市の指定
入れ替える匂い袋や春の雨
寝袋一つで旅をせし卒業士

「雑詠」
上り線一番ホーム春二番
団塊の世代の闊歩囀れり
春着買う花丸踊る予定表
春光や野球少年レギュラーに
レギュラーを目指して春の甲子園
大谷の野球中継春の朝
背番号が決まる日なんだ風光る
ふらここや身は宙の中風の中
TシャツのQちゃんごきげん花見酒
しゃぼん玉夢を追わねば老い易し
春の雲油を弾く包装紙
春昼の不思議を探る本の森

皆様、早い投句ありがとうございます~
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2024/3/20 21:53削除
麦っこ636選句
「啓蟄」
○啓蟄や空を揺すぶる長梯子
 薄雲の流れる春の空を、空に突き立つ長梯子が揺り動かしているよう
に見える。
○啓蟄や乾ききれないスニーカー
 薄物や小物の洗濯物は、半日も干せばたいてい乾くが、スニーカーな
どは春の日差しでは「乾ききれない」のである。
「袋」
◎一坪のわが家の大地種袋
 近年、わが家の周辺で畑や梨園が宅地化され急速に住宅が増えている。
新築住宅の大部分が、敷地の殆どをコンクリートで埋め尽くし、地面
は一本の樹木、数株の草花の分しか残されていない。まさに「一坪の大
地」である。掲句の作者の「一坪の大地」は、コンクリートの敷地の一
部の「穴」ではなく、大好きな草花を育てる大事な「庭の一角」なのだ
と思うが、近頃の住宅事情に対するアイロニーと解されないこともない。
「雑」
○春着買う花丸踊る予定表
 「春着」は、辞書に拠れば、①春の季節に着る衣服。春服。②年始に
着る新しい衣服。春衣。〈季語:新年〉とある。歳時記でも、新年の季語として収録している。従って、俳句に詠みこまれた「春着」は、②の季語:新年である。
 が、今の季節に句会に投じられたものなので、あえて①の春服として鑑賞しておく。予定表に記された花丸は、身内のお祝いかなにか、とても嬉しい、ウキウキすることを表しているのだろう。その気持ちにふさわしい、華やかな洋服を選んでいるのにちがいない。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/3/18 17:07削除
636回 選句
○啓蟄やメトロ吐き出す有象無象
目の付け所が巧みですね。
有象無象(くだらないもの)はちょっと抵抗がありますが。他の表現も思いつきませぬ。

○赤ちょうちん袋小路の沈丁花
袋そのものでなく、景を読まれて共感です。下五と上五を交換した方が好みですが?

○くじを引くごと選びたる種袋
ただ、選んでいる事しか表現されていませんが、籤を引くがウキウキ感を伝えており、共感しました。

◎背番号が決まる日なんだ風光る
口語表現が活きていると思います。正に弾んでいる。
のんさん (8b8xe2bx)2024/3/17 18:08削除
第636回 選句

〇啓蟄や羽虫を乗せて着く手紙
 手紙の上に乗っていた小さな虫、作者は小さな春の訪れを感じたのでしょう。届いた手紙も嬉しい内容だった気がします。
〇レジ袋3円土産の桜餅
 エコバッグまでは気が回らずに外出、思わぬ出費ですが、家族の喜ぶ顔が浮かびます。
◎一坪のわが家の大地種袋
 一坪と言えど地球の一部、花が咲けば無限に広がります。作者の心意気が良いです。
〇しゃぼん玉夢を追わねば老い易し
 十二歳小学校卒業の時「少年老い易く学成り難し、、、」暗唱させられ覚えました。ここまであっという間に過ぎましたがこの先はもっと速そう、「夢」追いかけます。
ふたばさん (8augfkle)2024/3/17 17:39削除
第636回選句

〇啓蟄やひかりへ砂を噴く湧水
 ひかりと湧水の映像が鮮やかです。

〇レジ袋3円土産の桜餅
 さり気ない句。3円のレジ袋がいいですね。桜餅には深蒸し茶が合いそう。

◎入れ替える匂い袋や春の雨
 この時期は匂いに敏感になります。暮らしを大切にしている姿が浮かんできます。

〇背番号が決まる日なんだ風光る
 少年のドキドキ感。季語がよく働いていると思います。
まきえっとさん (8rypn25h)2024/3/17 16:28削除
第636回選句
〇啓蟄やメトロ吐き出す有象無象
「東京メトロ」を利用していますが、感じたことがなかったです。

〇未来という時間ばかりの種袋
〇軽やかに未来予報図たね袋
偶然にも「たね袋」「未来」です。私はなかった発想でした。
「ばかり」は気になりました。

◎入れ替える匂い袋や春の雨
丁寧に日々の生活を送っている感じがいたしました。

〇背番号が決まる日なんだ風光る
勉強になりました。自分で選べるのでないのですね。
天馬さん (925mfydp)2024/3/17 14:17削除
636選句

○レジ袋3円土産の桜餅
小さなレジ袋からいい香りがしてきます。
○軽やかに未来予報図たね袋
中七に惹かれます。
◎一坪のわが家の大地種袋
田畑に囲まれた当地。一坪が逆にとても新鮮です。
○団塊の世代の闊歩囀れり
闊歩が颯爽としていて元気が貰えます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/3/17 09:47削除
636回選句
 ◎入れ替える匂い袋や春の雨
  匂い袋をいつも身に着けているとは、なんと優雅な暮らしぶりだろう。季語がしっとりした雰囲気を醸し出す。
 〇啓蟄やメトロ吐き出す有象無象
  春になって土の中から出てくるものは虫だけではない。地下鉄であちこち移動する我等も虫のような生活をしているのかも知れぬ。
 〇一坪のわが家の大地種袋
  猫の額ほどの庭にも様々な季節の草花を咲かせている様子が伝わってきます。
まりさん (8md9x4e2)2024/3/16 09:58削除
636回選句

◎啓蟄やメトロ吐き出す有象無象
地下鉄に乗るたびに地下道を通るたびに一抹の不安感が過ります。人間の力の偉大さと底知れぬ恐ろしさに。有象無象は万物であり万象であり。春は虫たちの怨念もはい出してきそうです。

○レジ袋3円土産の桜餅
桜餅と3円のレジ袋の配合が楽しい。

〇未来という時間ばかりの種袋
〇軽やかに未来予報図たね袋
種袋と未来の配合になるほどと思いましたが、二句とも私にはちょっと舌ったらずでわかりにくさはあります。俳句は意味ではないとは言いますが、「ばかり」「軽やか」ではない別のことばもあるかもしれません。

○背番号が決まる日なんだ風光る
野球少年にとって大事な日。何でもないよ~という顔をしながら、内心どっきんどっきんしているのでしょう。少年よがんばれ!
こがめさん (8atk17xs)2024/3/13 21:32削除
第636回麦っこ選句
◎啓蟄や羽虫を乗せて着く手紙
手紙が届いたときにはびっくりした反面嬉しさが湧いてきただろうな。
「羽虫を乗せて」の表現から差出人の地域が浮かんできそうです。

〇未来という時間ばかりの種袋
〇軽やかに未来予報図たね袋
種袋に未来を託しているように感じます。種を撒いて成長していく過程をじって見つめて楽しみながらお世話していくのだろうな。

〇春光や野球少年レギュラーに
〇レギュラーを目指して春の甲子園
〇背番号が決まる日なんだ風光る
3句とも野球少年を暖かく見守っているように感じます。少年の成長を年代ごとに表現しています。
不来方さん (8b8tdv36)2024/3/10 16:54削除
第636回選句

◯ 啓蟄や羽虫を乗せて着く手紙
 「羽虫を乗せて」に手紙の主の生活環境や素朴な文面、さらには作者との関係など色々読み取れる。

◎ 啓蟄やメトロ吐き出す有象無象
 啓蟄の句では異色かつ現代的。メトロを「穴」、有象無象を「地虫」と読めば都会の無機質な「啓蟄」が自ずと浮かび上がって来る。暗喩が効いている。

◯ 一坪のわが家の大地種袋
 「小」(一坪)から入って大(大地)に転換し「小」(種袋)で締めながら近い将来の大(花や実り)を予感させる構成の妙。

◯ 団塊の世代の闊歩囀れり
 団塊の世代もほぼ後期高齢者世代だが、集団・個人問わず一番元気な世代かと。「闊歩」と「囀」の合せ技が巧い。

◯ しゃぼん玉夢を追わねば老い易し
 しゃぼん玉と夢とは合い過ぎているが、後半の措辞がいい。共感の句。
返信10
まりさん (8md9x4e2)2024/3/3 21:09 (No.97172)削除
635回投句一覧&選句

「三月」
三月の声高どちの送迎車
三月のすぐ卒業という時に
三月で三十℃越えなんて何故
解体に続く造成三月来
三月や校歌の山に残る雪
車窓切る光の刃風三月
三月や園児の胸に有る名札
山積みの三月の絵馬軽き音
新たなる紙垂三月の風の中
三月の水の音聴く村雀
母の忌の三月窓をゆく日差し
三月の畝黒々と光りをり

「土」
馬追いの名残の土手の山蒜
試歩たのし踏めば応える土の春
万物の膨らみきって春の土
初めての嬰児踏み出す春の土
春の雨土竜の痕を均し行く
春の土掬うや遠き日の匂ひ
土手を超す水位標の丈麦青む
ふんわりと陶土練り込む春の風
産土を生涯出でぬ人朧
春光や土盛り起こす兄の鍬
乾きゆく土偶のまなこ春の雪
園児が紙粘土で作るお雛様

「雑詠」
雪解水日本海へと集まりぬ
川面ゆくひかりの粒子閏の日
控え目に反対意見土佐水木
春うらら愛のメッセンジャーはポチ
朧なる介護施設の高い窓
鍋底の真っ黒な焦げ木の芽風
笑っては居れずに夫婦春の風邪
真夜瞠る嫁ぎし子らの内裏雛
春耕の男なにやら掘り出しぬ
ペンギンの見果てぬ野望鳥雲に
ふらここや砂場の砂を載せしまま
陽炎やサーカスのいた空き地跡

まきえっとさん、お帰りなさい。
卒業おめでとうございます。さらなるご発展を!
智美さんもそろそろ?
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2024/3/19 22:39削除
麦635選句
○新たなる紙垂三月の風の中
 ア段音のリフレインが明るいリズムをつくる
「土」
○初めての嬰児踏み出す春の土
 歩き始めたミイちゃんの最初の一歩が柔らかい春の土に弾む。「初めての」「嬰児」「踏み出す」の文節のの係り受けが怪しくて意味がとりにくいので、語順を吟味したい。
◎春の土掬うや遠き日の匂い
 移植鏝をサクッと挿して一掬いすると、途端に春の土の匂いが鼻を衝く。それは遠いいつの日かに嗅いだ懐かしい匂いだ。「や」は「掬うやいなや」の意で、切字の働きもしているが接続助詞である。
○乾きゆく土偶のまなこ春の雪
 湿った空気感の中で無生物の土偶にうつろう心を感じる。それは春の雪の中で土偶を見つめている作者心情の反映だろう。
のんさん (8b8xe2bx)2024/3/11 16:22削除
第635回 選句

〇三月のすぐ卒業という時に
 何をやらかしたのか、思い浮かぶ事が多すぎます。松葉杖の卒業式程度なら笑い話の内ですが、、、
〇三月や校歌の山に残る雪
 「校歌の山」に育った環境が想像できます。今年は特に雪が多そうです。
◎産土を生涯出でぬ人朧
 父は若い頃に故郷を離れたので、望郷の気持ちが強かったように思います。故郷に暮らせるのは幸せな生涯、季語の穏やかさが良い味わいです。 
〇陽炎やサーカスのいた空き地跡
 子供の頃巡回してきたサーカス団は結構長い期間テントを張っていた記憶があります。祭りの後のような空気感を「陽炎」の季語が上手く伝えています。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/3/10 15:28削除
635回選句
 ◎車窓切る光の刃風三月
  上五から中七にかけての独創的なとらえ方が見事です。
 〇三月や校歌の山に残る雪
  卒業して故郷を離れた時の山の姿が、いつまでも目に焼き付いているようです。
 〇産土を生涯出でぬ人朧
  中々雰囲気のある句だと思います。
 〇春耕の男なにやら掘り出しぬ
  日常の何気ない風景の中に、何か謎めいたものを発見した驚きでしょうか。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/3/9 10:42削除
635回 選句

〇解体に続く造成三月来
とかく工事の多い三月、造成された地は間もなく住宅が建つのでしょう、季語の下五が響いています。
〇車窓切る光の刃風三月
光の刀となる風はキラキラと光る冷たい風なのでしょうね
〇万物の膨らみきって春の土
〇春の雨土竜の痕を均し行く
◎産土を生涯出でぬ人朧
私の父は生涯村の公務員として終わりそれをささえた母も産土を出ることもなく生涯を送りました、朧が良いですね。
こがめさん (8atk17xs)2024/3/8 20:03削除
第635回麦っこ選句
〇三月の声高どちの送迎車
送迎車はいろいろイメージしたが「声高」から年配者の送迎車かなと・・・。
私の家のまわりでも送迎車が多くなりました。

〇三月や校歌の山に残る雪
小中とも廃校になったけど、山と川の名前がありました。山で囲まれていたので懐かしいです。スキー大会らもありました。

〇土手を超す水位標の丈麦青む
松戸駅から歩いていける土手をかな。水位標のある景を思い出しました。季語「麦青む」が土手の景を拡げています。

◎産土を生涯出でぬ人朧
私の両親のことを思い出しました。小さな集落だったので親戚で成り立っていたように感じます。

〇ペンギンの見果てぬ野望鳥雲に
いろいろな希望をもっているのだろうな。それも野望とは・・・・。
「鳥雲に」の季語からペンギンに託して大きな野望が広がっているように感じます。
ふたばさん (8augfkle)2024/3/8 11:03削除
第635回選句

○車窓切る光の刃風三月
 光の刃の措辞が素敵。まだ寒い風の冷たさまで伝わってきます。

〇新たなる紙垂三月の風の中 
 紙垂のゆれている景が鮮やかに見えてきます。
 
◎乾きゆく土偶のまなこ春の雪 
 空ろな土偶のまなこと淡い春の雪の取り合わせに魅かれました。「まなこ」の
 見ているものは何か、あれこれといろいろなことが想像されます。

〇春耕の男なにやら掘り出しぬ
 何を掘りだしたものやら。大したものではないのでしょうが…。共感しました。
天馬さん (8wo186pe)2024/3/7 11:59削除
635選句

○車窓切る光の刃風三月
当地でひかりの刃となる風は、晴れた日の雪原の吹きさらしです。日の当たり方によっては七色になります。
○産土を生涯出でぬ人朧
山間部を走っていると、日向ぼこをしているお年寄りさんを見かけます。旧道で繋がっている所との婚姻が大半のように思います。
◎ペンギンの見果てぬ野望鳥雲に
南極のペンギンでしょうか、水族館のペンギンでしょうか。
野望と季語の組み合わせに惹かれました。
未完さん (91c0tm1u)2024/3/7 04:57削除
未完635回未完選句
〇解体に続く造成三月来
NHKで毎週解体の番組見ているが年度末三月は造成工事現場も多忙だ。
〇馬追いの名残の土手の山蒜
〇春の雨土竜の痕を均し行く
◎ペンギンの見果てぬ野望鳥雲に
高齢期になって希望は、もちろん野望など
もうとうない年齢だ。ペンギンのごとき思春期や若か日
抱いた野望も朽ちて鳥雲に。アイロニーの効いた見事な秀句だ。
〇ふらここや砂場の砂を載せしまま
細かい写実が見事だ。
まりさん (8md9x4e2)2024/3/6 10:24削除
635回選句

〇三月のすぐ卒業という時に
ああやっちまった…省略されたものの大きさよ。

〇車窓切る光の刃風三月
暖房の効いた車から見る三月の光の刃。光に騙されますが三月の風は冷たい。
(これは暖かい風を詠みたかったのかもしれませんが)

〇新たなる紙垂三月の風の中
なぜ三月に新しい紙垂なのか私にはわかりませんが「三月の風の中」がいいですね。上五によって状況はかわりそうです。

〇万物の膨らみきって春の土
春・春・春~~~

◎産土を生涯出でぬ人朧
母は二軒先から嫁いできた人でしたので、両親とも狭い産土を出たことのない生涯でした。ついつい共感します。

◇朧なる介護施設の高い窓
朧月または月朧で切ったほうがすっきりわかると思いますが。

〇春耕の男なにやら掘り出しぬ
臨場感。実家は何度も氾濫した川の傍でしたので、昔はどこを掘っても石・石。耕作は石との闘いでもありました。

◇陽炎やサーカスのいた空き地跡
「いた跡のある空き地」は「空き地跡」でいいのかな?陽炎との取り合わせはいいなあ。
不来方さん (8b8tdv36)2024/3/4 10:29削除
第635回選句

◯三月や校歌の山に残る雪
 シンプルに読み手それぞれが母校の校歌を口ずさめるような句。瞬間で何十年の時間が巻き戻されて味わい深い。

◯ ふんわりと陶土練り込む春の風
 「ふんわりと」と「春の風」が合い過ぎているキライはあるが、よく読むと全体の構成上、逆にそれが良いのかも。陶土の柔らかさ(触感)まで伝わってくる仕掛け。

◎乾きゆく土偶のまなこ春の雪
 上十二の措辞は何を象徴しているのだろう。原初来の人の営みと文明の積み重ねの結果としての無表情な人間の眼とも読める。変わらぬ自然の営みである「春の雪」の質感と「土偶のまなこ」の質感との対比が巧い。

◯春耕の男なにやら掘り出しぬ
 掘り出したものとは?と聞きたくなるがおそらく大したものではない。春耕の男の存在感がモチーフ。

◯ペンギンの見果てぬ野望鳥雲に
 「見果てぬ夢」ならありきたりなので「野望」を選択されたのだろうか?ペンギンの叶わぬ望郷の念の強さがよく表出されている。「鳥雲に」の余韻がいい
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