麦船橋句会

第541回投句

　初夏や透明な時動き出す
　夕暮れの無音白花月見草
　薫風やヒールとわかる靴の音

第541回投句
　初夏の調理実習カレーの香

　雨上がる池の濁りに白菖蒲

　主役には主役の矜持牡丹散る

５４１回投句

初夏の風や胡坐のヨガ講師

暮れなずむ山の端白き月見草

昔にはそのまた昔ところてん

541投句

初夏のロードマップの角の擦れ

余花の雨補欠の白きユニホーム

野球帽のつばの折り癖薄暑光

麦っこ541回 投句

デリバリーバイク初夏の風切って

白シャツの胸の高まり合唱団

アメリカを睨む龍馬の目に青葉

麦っこ第５４１回投句

夕風にメトロノームの刻む首夏

喪の家や茅花流しの白き径

月見草ひらく音なくやわらかく

麦っこ ５４１ 投句
人生第三幕山場夏に入る
葉桜や目白の声と思えども
セーラーの臙脂のリボン若葉風

第５４１回麦っこ投句
初夏や白寿の伯母の詩吟会

再任の教師の決意白菖蒲

老鶯の耳にやさしきホーホケキョ

541回投句

　人流の一滴となり首夏の街

　雨筋の白きあたりのアマリリス

　にごりゑを巡る佐原のあやめ舟

540回選句を間違って次の欄に投稿してしまいました。削除できないのでよろしくお願いします。

539回選句
〇ゴールデンウイーク履かぬ靴磨く
〇葱坊主父よりうまい反戦歌
〇葉桜の黒人霊歌カフエテラス
◎春服の割り込んでくる昇降機

第５３９回選句

◎ゴールデンウィーク駐車場は空
理由はうまく言えませんが、こういう「そっけない句」が好きです。句会では「叙情が…つやが…」と言われるかもしれませんが、１７文字にはこういう景が似合うと思うのです。（むろん、つやのある句を作りたいとは思っているのですよ。でも性格に合わないようです。）

〇木の芽して鳥の嬥歌の雑木山
こういう句は太郎さんの特許のようなものです。

〇崩れゆくままの牛舎や鳥つるむ
中七の「や」がなかったらなと思うのは私だけかもしれませんが。こういう状況と季語は合っていると思います。

〇血圧の折れ線グラフ花の冷え
日々の血圧は折れ線グラフでこそ一目瞭然。「ちょっと心配なグラフだな」という季語でしょうか。お天気の落ち着かない時期ですから。

第539回麦っこ　選句
◎ゴールデンウイーク駐車場は空
　小さい子のいる家の駐車場、今日は一日中空っぽ、遊園地にでも行ったのかも知れません。顔見知りの家なら「渋滞大丈夫かしら」などと気にもなります。

〇その先の歌詞の出て来ず春炬燵
　忘れた所は鼻歌で、今年はいつまでも風が冷たいです。

〇母と子の手合わせ歌う茶摘み唄
　「夏も近づく八十八夜」娘の幼かった頃が懐かしいです。

〇空っぽの土曜のポスト紋白蝶
　土曜配達が無くなり、急に郵便事情が悪くなったように感じます。勿論この句のポストは家のですが、ポスト＝赤のイメージがあり紋白蝶は良い取り合わせと思います。

麦っこ539回選句
○ゴールデンウィーク駐車場は空

リズム良く端的に景を切り取っていて巧み。


○母と子と手合わせ歌う茶摘み唄

季節と歌の取り合わせがいいですね。子育ての頃を思い出す一句。


◎春服の割り込んでくる昇降機

下五はエレベータでいいかと。もう夏服の装いとなりましたね。瞬発力のある句と思います。

第５３９回麦っこ選句
○ゴールデンウィーク駐車場は空
「 ゴールデンウィーク」、「黄金週間 」の季語の句は難しかったです。参考になりました。

○木の芽して鳥の?歌の雑木山
「鳥の?歌」初めて出会いました。
鳥たちの鳴き声をしっかりと聞き分けるなんて素敵です。

◎その先の歌詞の出て来ず春炬燵
歌の好きな方なのに。もどかしく思っているのだろうな。「春炬燵」の取り合わせがいいな。どんな歌をうたっているのかな。

○血圧の折れ線グラフ花の冷え
「花の冷え」の季語の取り合わせがいいですね。血圧の変化の理由の一つですね。

第539回麦っこ選句
　○ゴールデンウィーク駐車場は空　
　近くのアンデルセン公園の「混雑予想カレンダー」によると、ＧWの人出は連日５千人を超えるようで、臨時駐車場まで満杯になりそうでうである。一方、わたしの住む界隈の家々は、年寄りが多いせいか、どこも皆ガレージに車が鎮座している。掲句の「駐車場は空」は、この御時世で出控えている人々のために、大型店舗などの駐車場が空の状態であるのを見ているのだろう。
　○その先の歌詞の出て来ず春炬燵
　この頃、youtubeで「NHKラジオ歌謡を皆で唄いましょう」のカラオケでしばしば歌うようになった。一番は概ね歌えるが二番以降は途中で頓挫してしまう。掲句は、途中からスキャットになつてしまうのだろう。それでも楽しい時間である。
　○葉桜の黒人霊歌カフェテラス
先頃、久しぶりにマリアン・アンダーソンの“Deep River”を聴いた。レコードか、ＦＭラジオか、いずれにせよカフェテラスで黒人霊歌を聴くというのは珍しいのではないか。葉桜の季節の少し鬱屈した気分と合っていると思う。「葉桜の→カフェテラス」と続く方が自然のような気もするが「葉桜の→黒人霊歌・カフェテラス」と続くのもあり、のようだ。
　◎空っぽの土曜のポスト紋白蝶
　心待ちにしているものがあるのだが、門の郵便受けに郵便物が落ちる音は一向に聞こえない。そのうちに、去年の10月から普通扱いの郵便物の土曜日の配達を休止したことに気づいた。空っぽの郵便受けの回りを紋白蝶が舞っている。慰め顔をしているようにも揶揄しているようにも思えるのだった。
　○血圧の折れ線グラフ花の冷え
　わたしも、何年も前から、毎朝夕血圧・脈拍数、体温などを測定し記録している。その都度一喜一憂しているのだが、一定期間をおいて考察したり反省したりはしていない。何のために記録を蓄積し、グラフにもしているのか定かでない。掲句の作者と同様に、今日は、花冷えのせいで血圧が高めだと思ったりするが、それでおしまいである。

第539回選句
○木の芽して鳥の嬥歌の雑木山
○花は北へと修二の歌いし祖国
○青葉風社歌を覚える初仕事
◎春服の割り込んでくる昇降機

次からはコメント書き込みます。

第539回麦っこ選句

◎木の芽して鳥の嬥歌の雑木山
　滅多に見ることのない言葉「嬥歌」が人間以外に使われているのは初めて拝見。「鳥の嬥歌」！！正しく鳥の相聞歌。春の到来の躍動感がよく伝わって来る。

○その先の歌詞の出て来ず春炬燵
　上十二のあるある感、季語の生活感がとてもいい。

○友だちのような鼻歌若葉光
　気持ちの良い句。鼻歌＝友達に納得。

○春服の割り込んでくる昇降機
　どんな女性だろうか、という視線がいい。読み手も同じ目線になる。

○血圧の折れ線グラフ花の冷え
　パソコンで血圧など健康データをグラフ化する生活の実感と、季語との取合せが佳い。何となく不安な心模様。

「黄金週間」「ゴールデンウィーク」は難易度が高い題でした。

まりさんの言われ通り、「のはら」から「ふたば」に変更しました。よろしくお願いいたします。

のはらさんからふたばさんへ

新しい掲示板では名前の最初の文字が個々のマークになります。
のんさんとのはらさんが同じ「の」となるために、
のはらさんが「改名」されました。
よろしくお願いいたします。

私はこの掲示板にまだまだ慣れなくて、
どこに何が入っているのかわからない整理の悪い抽斗を、ばたばたと開けたり閉めたりしている感じの日々です。
そのうちに慣れて来るでしょう！
頭の体操と思いましょう！

４月に色々な花の色が消えてゆく地域に住んでいると日本列島の広がりに改めて吃驚です。同時に季節の変化の差の写真に感謝。

こちらは夏！
散歩をしていたらもうヒルガオがたくさん咲いていました。ユリノキの花もライラックもバラも。
夏にはもう少しゆっくりとお出まし願いたいのですが。
春をもう少し楽しませてほしいのですが。

投稿と削除の間にピンのマークがあるのは、太郎さんが優先のマークを付けたところです。それが上にきます。
お役済みになったらピンを外してくださると思います。
ご承知おきください。

そちらは今が盛りなんですね、素晴らしい桜並木ですね。

まだ花盛りなのですね。
例年より早いとニュースで聞いていましたのでもう散ったかと思い込んでいました。

まさに花の雲！　今年は、こんな大規模な花盛りに出会っていません。わが家の屋根や庭に、隣地の学校から桜蕊がしこたま降ってきて悩まされています。すでに緑色濃い葉桜の季節です。

展勝地も満開でしょうね。
短い春を楽しんでください。こちらは薄暑。すぐに暑い暑い夏がくるのでしょうね。