麦船橋句会

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未完さん (91c0tm1u)2024/2/23 18:27 (No.96146)削除
訂正634回金子未完
余寒など無敵と勇むツーリング
帰宅部の憂いを晴らすしゃぼん玉
AIが神となる世ぞ揚雲雀
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未完さん (91c0tm1u)2024/2/23 18:07 (No.96145)削除
634回金子未完
余寒など無敵と勇むツーリング
帰宅部の憂いを晴らすしゃぼん玉
AIが神となる世ぞ揚雲雀
返信
返信0
まりさん (8md9x4e2)2024/2/11 20:40 (No.94752)削除
632回投句一覧&選句

「春浅し」
浅春やAEDの赤い箱
振舞の餅ほのぬくし浅き春
春浅し草のまどろむ堰の水
春浅し水琴窟の音乱れ
寂聴の源氏半ばや春浅し
浅春や田風入りこむ駐在所
ランドセルの革の匂いや浅き春
畦道に吹かれる和毛春浅し 
軽トラの荷台の少女浅き春
浅春の砂場より砂あふれ出し

「中」
中華蕎麦の汁を残せるスキー客
また昭和逝く中空に春満月
雪しんしん心の中の整って
中座して長き廊下や春の月
ふらここに帽子中也の忘れ物
中腹に田の神祀る春田かな
小吉の御籤さておき梅の中
鍵っ子の坐るぶらんこ入日中
朝練の中学生や春動く
雪中の息吹醒むる鳥の影

「雑詠」
御歴歴の尖る裃節分会
白山茶花きれいに散ってしまいけり
葉間に透ける青空寒椿
白梅の風の漂う四脚門
樹木葬はここぞと決めて春の雲
春の雪一歩一歩の杖の跡
子の描きし面の泣きべそ鬼やらい
根雪解け丸みを帯びし納骨堂
浅き春コンソメスープに浮くパセリ
薄氷へ明けゆく空や町動く
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/2/19 16:28削除
麦っこ632選句
「春浅し」
○軽トラの荷台の少女浅き春
「中」
○ふらここに帽子中也の忘れ物
「雑詠」
◎御歴歴の尖る裃節分会
 節分会には、梨園(りえん)や角界の大立者とか地元の有力者等、著名人が招かれ年男となる。それらお歴々は、ピンと角の立った上下を着けて、晴れやかな顔や表情で豆などを撒く。「尖る裃」は目の付けどころがいい。
○薄氷へ明けゆく空や町動く
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/2/18 17:04削除
632回投句一覧&選句
〇浅春の砂場より砂あふれ出し
サラサラの砂がまだ少し冷たさえお感じる、あふれ出すほどの砂で遊び始めた子等の声が聞こえそう
◎また昭和逝く中空に春満月
昭和の著名人が次々に消えてゆく、寂しさいですね、春満月で作者の心を感じます。
〇子の描きし面の泣きべそ鬼やらい
クレヨンで絵が画れた鬼の面、その面をを付けた鬼の役はお父さん、沢山の福が来ますね。
のんさん (8b8xe2bx)2024/2/18 15:00削除
第632回 選句

〇ランドセルの革の匂いや浅き春
 入学を控えたお孫さんとの楽しい会話、嬉しそうに背負って見せてくれたのでしょうか。「皮の匂い」が繊細です。

◎また昭和逝く中空に春満月
 本当に昭和を彩った方が次々に、季語に悲しみだけでない後を行く者の覚悟を感じます。

〇浅春の砂場より砂あふれ出し
 本格的な春を待つ様子を公園の一画に見つけています。

〇雪しんしん心の中の整って
 雪の少ない土地での暮らしですが、たまに降る雪の日の特別な静寂感、心まで整うという感覚に共感しました。

〇白梅の風の漂う四脚門
 梅と四脚門、風格を感じる取り合わせです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/2/18 12:11削除
632回選句
 ◎ふらここに帽子中也の忘れ物
  中原中也を象徴する二物が句材に旨く詠みこまれています。忘れ物は、夭折の詩人を思う気持ちを託したものか。
 〇また昭和逝く中空に春満月
  春満月に作者の感慨が込められている。
 〇春浅し水琴窟の音乱れ
  早春の定まらぬ天候は、水琴窟の音色の乱れと何か通じるものがある。
ふたばさん (8augfkle)2024/2/18 11:14削除
632回麦っこ選句

〇畦道に吹かれる和毛春浅し
 植物好きな人ならではの細やかな観察。春を待つ心が伝わってきました。

〇また昭和逝く中空に春満月
 深いため息が聞こえてくるようです。春満月に追悼の気持ちがよく表れ
 ていると思いました。

◎ふらここに帽子中也の忘れ物
 「中」のお題から中也へ。見事な発想と展開ですね。ぶらんことくれば「サーカス」
  の独特なオノマトペ。脱帽です。

〇春の雪一歩一歩の杖の跡
 杖の跡に実感がこもっています。私も同じ経験をしておりますから共感しました。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/2/18 10:58削除
632回 選句

○振舞の餅ほのぬくし浅き春
子供の頃の思い出が蘇ります。ほのぬくい感覚が浅き春にぴったり。

○畦道に吹かれる和毛春浅し
何気ない発見ですが浅き春の季感と響き合っています。

◎ふらここに帽子中也の忘れ物
帽子からの中也の発想はままあるかとは思いますが、明るさと動きあるふらこことの取り合わせ、忘れ物という作者の連想が効いた巧みな一句と思います。

○春の雪一歩一歩の杖の跡
見慣れた景ですが、中七から作者の姿と心情が伝わってきました。静けさと温かさを感じる一句。
天馬さん (8wo186pe)2024/2/17 15:34削除
632選句

○浅春や田風入りこむ駐在所
農家さんも駐在さんも忙しくなりそうな予感あり。
○浅春の砂場より砂あふれ出し
春を待ちきれない様子がよくでていると思いました。
◎ふらここに帽子中也の忘れ物
浮遊感に惹かれます。
○樹木葬はここぞと決めて春の雲
樹木葬の小説を読んだばかりということもあり共鳴。
まりさん (8md9x4e2)2024/2/17 09:09削除
632回選句

〇春浅し水琴窟の音乱れ
あの澄んだ音。昔人の知恵。音の乱れも楽しいでしょう。

〇浅春の砂場より砂あふれ出し
「砂あふれ出し」に、砂があふれたというだけではない、不思議な感覚をもちました。大分前から砂場で遊ぶ子が激減しています。コロナ禍を経て、こういう遊びはさらに減ってゆくのでしょう。悲しく寂しいことです。

〇また昭和逝く中空に春満月
昭和の星がつぎつぎに逝きます。麦の巨星もまたひとり逝きました。

◎ふらここに帽子中也の忘れ物
不来方さんの評に言い尽くされていますが、この句がアップされたとき「うまい!」と思いました。17文字に、中也の象徴であるぶらんこと帽子を入れてしまっても重くないのは、「忘れ物」という言葉の力でしょうか。

〇春の雪一歩一歩の杖の跡
動詞がないので締まりました。暖冬の中、一日だけの東京の雪には驚きました。杖をついて慎重に歩く様子をよく表しています。
こがめさん (8atk17xs)2024/2/16 23:07削除
第632回麦っこ選句

〇春浅し草のまどろむ堰の水
中七の 「草のまどろむ」から堰の景が浮かんできます。きれいな水が勢いよく流れ出し季節が動き出したように感じます。

〇浅春の砂場より砂あふれ出し
子ども達が元気に外で遊びだしたようです。「砂あふれ出し」の表現から元気いっぱいに遊んで入る様子が浮かんできます。

〇葉間に透ける青空寒椿
寒椿の大きさと景の広さが伺えます。

◎子の描きし面の泣きべそ鬼やらい
鬼の面を子ども描いて豆撒きできるなんて微笑ましいですね。泣きべその面でも子どもの成長が伺えます。明るいい家庭の笑い声が聞こえてきそうです。
不来方さん (8jrlsjab)2024/2/12 10:02削除
第632回麦っこ選句

◯春浅し水琴窟の音乱れ
 真冬の水琴窟の音は金属音に近い響きがあるが、浅春ともなると研ぎ澄まされた音に乱れが生ずるのだろう。同じような水琴窟の音でも周りの空気感によって感じ方が違うのはむべなるかな。感性の鋭い句。

◯浅春の砂場より砂あふれ出し
 具体的には書いてないが、春になって砂場で遊ぶ子供たちの開放感がよく伝わって来る。「砂」のリフレインが中々。

◎ふらここに帽子中也の忘れ物
 ぶらんこに黒いソフト帽が置いてあったのだろうか。そこからの連想の句。眼前の帽子と文字詠の題「中」から中原中也の詩「サーカス」が思い浮かび、自ずと「見えるともないぶらんこ」そして「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」という不思議なオノマトペの世界に没入していく作者の詩的幻想に、中也ファンの読み手も引き込まれてしまう。何かに揺れ動く作者の心模様まで感じとるのは深読み過ぎるだろうか。上句「ふらここ」がいいか「ぶらんこ」がいいか迷うところ。

◯春の雪一歩一歩の杖の跡
 一読、作り方が田捨女の伝説的な「雪の朝二の字二の字の下駄のあと」に似ているが、句材は随分違う。この「杖」はいろんな杖が想像される。リハリビの試歩の杖とも金剛杖や白杖とも。単純に老人の杖でもいい。ある程度積もる冬の雪ではなく、うっすらと今にも消えそうな春の雪だからこそ想像が広がるのかも知れない。

◯子の描きし面の泣きべそ鬼やらい
 「泣きべそ」がいい。鬼の面を描くにも泣き顔の鬼しか描けない心優しい子。そんな鬼面を被って鬼役になる父役と逃げ回る子の映像まで思い浮かぶ。時代を越えて継承したい節分の夜の団欒の句。
返信10
のんさん (8b8xe2bx)2024/2/11 10:33 (No.94609)削除
第633回 お題

   季語     猫の恋(傍題可)
   文字     志
   当季雑詠

   よろしくお願いいたします。
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2024/2/19 16:04削除
麦っこ633投句
新宿の真夜の裏町猫の恋
梅三分志学の頃のラブレター
春動く駅前通り東西屋
のんさん (8b8xe2bx)2024/2/18 12:39削除
第633回 投句

知り尽くす路地の隅々恋の猫
春また巡り未完なる志
四温晴慣れてしまえばセルフレジ
ちこりんさん (8mmormpc)2024/2/18 10:35削除
633回 投句
焼跡の果ての港や浮かれ猫

寄る辺なき墓志の細道冴返る

陽炎や百姓一揆結集地
こがめさん (8atk17xs)2024/2/17 22:33削除
第633回麦っこ投句
暗闇の車の下に恋の猫

志望校の順番記する受験絵馬

早春や白い子犬の靴ピンク
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/2/17 20:56削除
第632回投句

昼下がり行きつ戻りつ恋の猫

志野焼に抹茶の香り冴返る

桃の花男二人の宵の酒
ふたばさん (8augfkle)2024/2/17 16:16削除
第633回投句

鉄錆の自治会館や猫の恋
ささやかな志果て蜆汁
平らかな心ひと日や梅の花
まりさん (8md9x4e2)2024/2/17 09:08削除
633回投句

さきがけの星の瞬き猫さかる
残雪や手窪に選ぶ志野茶碗
春一番うどんに落とす生卵
不来方さん (8b8tdv36)2024/2/15 16:22削除
第633回投句

真相は闇のみぞ知る猫の恋

少年の日の志 春田打つ

しゃぼん玉壊れてどこへ行きますか
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/2/13 09:45削除
野良猫に餌を運ぶも恋の中
春寒の水戸にあまたや志士の墓
古寺のペット供養墓草青む
返信9
まりさん (8md9x4e2)2024/2/19 11:59 (No.95700)削除
出題 お願いいたします。

2月25日  不来方
3月 3日  ちこりん
3月10日  ハナハナ
3月17日  こがめ
3月24日  太郎
3月31日  天馬
4月 7日  ふたば
4月14日  のん
4月21日  ジュピター
4月28日  未完
返信
返信0
未完さん (91c0tm1u)2024/2/17 23:51 (No.95549)削除
猫の恋・志・雑詠
訂正
嫁殿は髭があるなり猫の恋
巣立鳥飛び立つ空に大志あり
断金の友ともさらば卒業式
返信
返信0
未完さん (91c0tm1u)2024/2/17 23:47 (No.95548)削除
嫁殿は髭ががあるなり猫の恋
巣立鳥飛び立つ空に大志あり
断金の友ともさらば卒業式
返信
返信0
まりさん (8md9x4e2)2024/2/4 23:51 (No.93792)削除
631回投句一覧&選句

「冬の星」
寒星や皆独学の丸太小屋
あの星の隣を予約冬銀河
節太の兄の指先寒北斗
冬星座淡い湯気立つ露天風呂
シリウスや海鳴りに聴く父の声
凍星や手術同意の白内障
病葉を栞りし歌集寒昴
野良猫の遠眼差しや冬の星
ほろ酔いの両手ポケット冬北斗
寒星や人集まれば徒党組む

「野」
野馬土手の木々の根元に竜の玉
冬靄のたなびく野末生家の灯
紺碧の空の極みや雪野原
山野草のとりどりの鉢春を待つ
野球部の霜を踏む音遠くなる
たまさかに迷いもありし枯野原
アナログの言葉ぽつぽつ野水仙
野に晒す日向ぼっこの爺の椅子
枯野駅途中下車して大枯野
竹林の果ては野仏草萌

「雑詠」
胸中に期するものあり寒卵
そうそうそう実家の裏に熊が出て
土手道を行きつ戻りつ春隣
闇夜から目覚めた土や蕗の薹
残り菜のスープのとろみ春立ちぬ
寒晴や太鼓橋映る心字池
凍星の三角四角「流浪の民」
一条の煙の一戸生きている
無力なる日々のもどかし二月来る
探梅や友と分け合う一里飴
返信
太郎さん (911fickt)2024/2/17 10:30削除
麦っこ631選句
◎シリウスや海鳴りに聴く父の声
〇冬星座淡い湯気立つ露天風呂
〇野球部の霜を踏む音遠くなる
〇一条の煙の一戸生きている
天馬さん (8wo186pe)2024/2/15 15:29削除
631選句

◎あの星の隣を予約冬銀河
銀河の中のたったひとつに焦点が絞られており惹かれました。
○シリウスや海鳴りに聴く父の声
内陸育ちですが想像していただきました。
○そうそうそう実家の裏に熊がう出て
今年はびっくりするくらいの暖冬。冬眠も短いかと。母校の中学のフェンス近くを走る熊の映像に怖さが募りました。
○残り菜のスープのとろみ春立ちぬ
とろみが春めく暖かさを伝えています。
ふたばさん (8augfkle)2024/2/11 18:16削除
631回麦っこ選句

○あの星の隣を予約冬銀河
 一読して惹かれました。大切な人のそばに行きたい。その思いが、さらりと
 詠われていて心に響きました。

◎シリウスや海鳴りに聴く父の声
 中七下五が魅力的。「シリウス」の選択がとても効いていると思いました。

〇紺碧の空の極みや雪野原
 広大な雪原と空の果て。青と白の美しいコントラスト。身が清められるような、
 清々しさを感じます。

〇残り菜のスープのとろみ春立ちぬ
 スープのとろみに春を感じる感性が素敵です。日々の暮らしを丁寧に生きている、
 そんな感じがしました。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/2/11 16:35削除
631回選句


〇あの星の隣を予約冬銀河
あの星は大切なお方の星きっといつかはその星のおそばに詩的な句ですね

◎シリウスや海鳴りに聴く父の声
力強い厳しさの有るお父様だったのですね、シリウスの星座が響いています。

〇紺碧の空の極みや雪野原
紺碧の空降雪の翌日は晴れ渡り雪の野原が、色の対比が美しい。

〇ほろ酔いの両手ポケット冬北斗
寒い夜のほろ酔いでの帰路両手ポケットは転びませんように

〇土手道を行きつ戻りつ春隣
中七で春の動きを感じます。そろそろ散歩に出たくなります。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/2/11 14:17削除
631回選句
 ◎シリウスや海鳴りに聴く父の声
  中七下五は、作者の故郷の記憶か?強い光を放つシリウスは、強く生き抜いた父への思慕か?
 〇紺碧の空の極みや雪野原
  限りなく広がる空と大地。鮮やかで雄大な景に引き込まれます。
 〇竹林の果ては野仏草萌
  冬の間は人影も稀な土地に、春の訪れを発見し、ささやかな感動を覚えた。
のんさん (8b8xe2bx)2024/2/11 13:39削除
第631回 選句

◎シリウスや海鳴りに聴く父の声
 海鳴りの聴こえる夜は空が澄んでいるのでしょう。厳しく優しいお父様だったのでしょう。

〇ほろ酔いの両手ポケット冬北斗
 暖かな店から外へ出た時の身の縮む感じ、でも心は温かな様子が感じ取れます

〇胸中に期するものあり寒卵
 今はとても無理ですが、子供の頃マラソン大会の朝生卵を飲まされました。大試験の前でしょうか、覚悟が伝わって来ます。
 
〇探梅や友と分け合う一里飴
「一里飴」知りませんでしたが、ネーミングの由来が愉しい。固有名詞を上手に使い、楽しげな様子を伝えています。
こがめさん (8atk17xs)2024/2/9 13:44削除
第631回麦っこ選句
○あの星の隣を予約冬銀河
「あの星」のイメージによってロマンチックになります。素敵な方の隣だろうな。

○紺碧の空の極みや雪野原
紺の色と白の色の対比で自然の雄大さを感じます。

○そうそうそう実家の裏に熊が出て
一月に 実家に帰った時にいろいろな動物がでるよと話題になりました。小さいころは「鉄砲ぶち」がいたのでなんとかなるだろうと思っていました。

◎探梅や友と分け合う一里飴
「一理飴」で探梅に出かけている場所が想像できます。友との探梅いいですね。ほっこりします。
まりさん (8md9x4e2)2024/2/7 14:59削除
631回選句

〇あの星の隣を予約冬銀河
本当に私もそういうお年頃となりました。「あの星」は、最愛の方と決めている星かもしれません。もしくは雄大な星座の隣とか。

◎シリウスや海鳴りに聴く父の声
海の傍で育ったからこそ身の底から感じる海鳴り。シリウスと海鳴りと父の声。材料が揃いすぎかもしれませんが揺るぎない。

〇土手道を行きつ戻りつ春隣
「行きつ戻りつ」が春隣とよく合っています。散歩をしたくなる季節となりました。

○凍星の三角四角「流浪の民」
三角四角の意味がわかりませんでしたが、星座かぁと思ったら合点がいきました。冬の大三角とオリオン。混声四部の「流浪の民」のソプラノソロパートを歌ったのが多分高3の時。市民会館大ホールだったと思います。

◇一条の煙の一戸生きている
岩手の8割近くが森林。そして本州の最低気温保持。もう家はないだろうと思う山奥にぽつりまたぽつりと家があり、夏でも暮らしを案じてしまいます。真冬ならなおさらのこと。一筋の煙に「ああ無事だ」とほっとする作者の気持ちはとてもよくわかります。ですが、季語を使った方が締まる!
不来方さん (8jrlsjab)2024/2/5 09:42削除
第631回選句

◯あの星の隣を予約冬銀河
 文字通り読めば宇宙旅行の夢の句ともとれるが、ここの「あの星」は、今は地上にはいない大切な人の星と解釈したい。切なくもあり優しくもある。

◎シリウスや海鳴りに聴く父の声
 俳骨格のしっかりした格調の高い父恋句。「シリウス」「海鳴り」「父の声」とキーワードに存在感と意味のつながりがある。「寒昴」や「オリオン」では心象風景が少し変わって来きそう。

◯紺碧の空の極みや雪野原
 「紺碧の空」は五月や十月の季節感と合うが、雪原とも合うのがよく分かる。協調の「極みや」の効果だろう。光の織りなす蒼と白の世界。

◯残り菜のスープのとろみ春立ちぬ
 料理と立春の取合せは相性がいいのだろう。逆に独自性を出すのが難しい。掲句は「残り菜」で冬から春への季節の移ろいを、「とろみ」で春が来たという実感をうまく表出している。

◯探梅や友と分け合う一里飴
 難しい固有名詞がよく効いている。「一里飴」を知らない読み手でも調べると納得。まだ春浅い越生の景が自然に立ち上がって来る。梅はまだほつりほつりだろう。全国至るところにある日本の山里の原風景にもつながる句。
返信9
ふたばさん (8augfkle)2024/2/5 10:50 (No.93824)削除
第632回 お題

季語 : 春浅し
文字 :  中
当季雑詠
(回数を間違えていました。すみません)
返信
天馬さん (8wo186pe)2024/2/11 15:12削除
632投句

浅春やAEDの赤い箱
雪しんしん心の中の整って
根雪解け丸みを帯びし納骨堂
のんさん (8b8xe2bx)2024/2/11 12:25削除
第632回 投句

振舞の餅ほのぬくし浅き春
ふらここに帽子中也の忘れ物
浅き春コンソメスープに浮くパセリ
ちこりんさん (8mmormpc)2024/2/11 07:29削除
632回 投句
春浅し草のまどろむ堰の水
雪中の息吹醒むる鳥の影
薄氷へ明けゆく空や町動く
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/2/11 07:23削除
第632回投句

春浅し水琴窟の音乱れ

朝練の中学生や春動く

白梅の風の漂う四脚門
ふたばさん (8augfkle)2024/2/10 22:40削除
第632回麦っこ投句

寂聴の源氏半ばや春浅し
中座して長き廊下や春の月
樹木葬はここぞと決めて春の雲
こがめさん (8atk17xs)2024/2/10 16:18削除
第632回麦っこ投句
浅春や田風入りこむ駐在所

中華蕎麦の汁を残せるスキー客

春の雪一歩一歩の杖の跡
太郎さん (911fickt)2024/2/10 13:52削除
麦っこ632投句
ランドセルの革の匂いや浅き春
また昭和逝く中空に春満月
子の描きし面の泣きべそ鬼やらい
まりさん (8md9x4e2)2024/2/9 23:02削除
632回投句

畦道に吹かれる和毛春浅し 
小吉の御籤さておき梅の中
御歴歴の尖る裃節分会
不来方さん (8b8tdv36)2024/2/9 16:44削除
軽トラの荷台の少女浅き春

鍵っ子の坐るぶらんこ入日中

白山茶花きれいに散ってしまいけり
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/2/5 20:45削除
632回投句

 浅春の砂場より砂あふれ出し
 中腹に田の神祀る春田かな
 葉間に透ける青空寒椿
返信10
まりさん (8md9x4e2)2024/1/28 22:11 (No.92473)削除
630回投句一覧&選句

「寒」
肺胞まで寒の大気の仄青く
黒々と太る里山寒落暉
手に入れる小さき幸せ寒苺
大寒の縁なき人ら住む生家
寒晴れや墓所に転がる欠け湯呑
嫂の早々届く寒晒
写経する筆が止まれる寒の雷
コンビニの深夜の明かり寒鴉
大寒の温和信士に会いに行く
菜園に巡らす支柱寒の内

「海」
冬帽子注文膳に海の幸
海風に背なを丸めて枯銀杏
三陸の海と決めたる冬の旅
十本の歯の協力や海鼠噛む
鍋焼きに残る海老の尾割り勘す
海鼠腸や七尾に旨きもの一つ
海難碑背山は供花の寒椿
海へ抛る貝殻ふたつ春隣
海原の懐深し冬落暉
海鳴りや鮟鱇嘆きの面構え

「春」
待春の通学シューズ真新し
七曜の始まる朝や春の寺
春を待つ三越前の令婦人
湯気上げる畑の黒土春隣
春近し脱皮促す雨の音
盆栽に小石下げおり春隣
凍蝶や能登には未だ遠き春
春遅し喧嘩の論点のずれて
足跡は鴉の絵文字春隣
内見の部屋は三階春近し
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2024/2/5 15:24削除
麦っこ630選句
「寒」
◎黒々と太る里山寒落暉
夏の夕焼のように鮮烈な色もなく、短く淡い束の間の寒落暉を、冬木立のシルエットを透して眺めるのも冬らしい趣のある景である。寒落暉をバックに影絵のように輪郭のはっきりした里山を、力強いもの、なつかしいものとして眺めているのだ。「黒々と太る」ととらえた作者の感性に拍手を贈りたい。
「春」
○待春の通学シューズ真新し
入学か進級を前に胸を膨らませている子どもの姿が目に浮かぶ。季語は独立させて、「真っ新の通学シューズ春を待つ」のようにすることも考えたい。
○七曜の始まる朝や春の寺
月の始まり、週の始まりというのは、期待や気負いのようなものがあって気持ちが高揚する。「春の寺」の季語は、何となく唐突な感じがしてそぐわないような気もするが。
○春を待つ三越前の令婦人
 かつて日本橋三越でアルバイトをしたことがあるが、エントランスの二頭のライオン像と日に三度のパイプオルガンの演奏は、いろいろな人間模様を創出して興味深かった。掲句は、ブロンズのライオンに寄り添うようにして誰かを待っている令婦人の姿に「待春」の趣を感じたのであろう。「令夫人」はよく目にするが、「令婦人」はあまりお目にかからない。「令」は、「よい」「りっぱな」「すぐれた」ほどの意かと思うので、姿のよい、落ち着いた御婦人を言うのであろう。
○春近し脱皮促す雨の音
 この数日、少々雨が降ってよいお湿りだと思うと、すぐに止んでしまう。今頃の雨は、寒さの中で、わずかに温もりと何やら春の匂いのようなものを感じさせてくれる。その雨音が、春を目前にして動物の成長を促しているという把握がこの句の「みそ」である。
天馬さん (8wo186pe)2024/2/4 12:07削除
630選句

◎海難碑背山は供花の寒椿
海を向く供養塔は多く、魚魂碑というものも見たことがあります。供花の椿が美しい。
○海原の懐深し冬落暉
○湯気上げる畑の黒土春隣
○春近し脱皮促す雨の音
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/2/4 10:01削除
630回投句一覧&選句

〇海難碑背山は供花の寒椿
供花の寒椿が悲しさと海難の惨さを感じます
〇海へ抛る貝殻ふたつ春隣
海へ抛られた貝殻ふたつはなぜでしょう、どんな思いなのでしょう春はもうすぐです。
〇海鳴りや鮟鱇嘆きの面構え
海鳴りと鮟鱇がなぜかピンときます,大洗の海の景を浮かびます。鮟鱇鍋は旬ですね
◎湯気上げる畑の黒土春隣
郷に居た頃の景を思い出しました、土が靄り温かみを感じます。そろそろ種まきの準備、里は動き出します。
〇足跡は鴉の絵文字春隣
鴉の足跡が絵文字に見える、確かに春よ来いですね。句材の目の付け所に感動
ふたばさん (8augfkle)2024/2/4 00:03削除
630回選句

◎肺胞まで寒の大気の仄青く
 身が縮こまるほどのキーンとした寒気。下五が言い得て妙です。

○海難碑背山は供花の寒椿
 海難碑を囲む真っ赤な寒椿を、供花と捉えたところに魅かれました。

○湯気上げる畑の黒土春隣
 肥沃な黒土。微かに堆肥のにおいもしてくるようです。

○春近し脱皮促す雨の音
 「脱皮促す」の措辞がお見事と思いました。まもなく植物たちが生き生きと活動する
 予感もしてきます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/2/3 17:06削除
630回選句
 ◎海難碑背山は供花の寒椿
  海難碑の後ろの山に咲く寒椿を供花と見立てた。静謐な思いが伝わる。
 〇大寒の縁なき人ら住む生家
  大寒に佇む生家に、今は全く見知らぬ人達が住んでいる。だが、懐かしいという作者の深い感慨が伝わってくる。
 〇海へ抛る貝殻ふたつ春隣
  ふたつの解釈が中々難しい。一つは作者自身、もう一つは作者にとってかけがえのない誰かのものだろうか。
 〇春近し脱皮促す雨の音
  樹々や草花の芽吹きは、まさに脱皮。それが春の雨によって促進されるというのだ。
こがめさん (8atk17xs)2024/2/3 07:08削除
第630麦っこ選句
○菜園に巡らす支柱寒の内
◎湯気上げる畑の黒土春隣
2句から野菜らを育てる季節の移り代わりが伝わってきます。「湯気上がる」の景から暖かくなっていよいよ作業をはじめよう、と農家の人が思っているように感じます。
「春隣」の季語がぴったしです。
○海難碑背山は供花の寒椿
海難碑の立っている場所の景が浮かんできます。寒椿を供花のようだと捉えた優しさが伝わってきます。

○足跡は鴉の絵文字春隣
足跡が「鴉の絵文字」かとびっくりしましたが、土がやわらかくなり、そして虫らをあさっている鴉の景が浮かんできます。「春隣」の季語があっています。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/2/2 20:06削除
630回 選句
◎肺胞まで寒の大気の仄青く
一読して「しんしんと肺青きまで海の旅」の句が浮かびました。肺胞まで言ったところが、リアル。澄んだ冷気が伝わります。
私の故郷の寒さは、まさにそんな感覚でした。鼻腔や胸が痛かったほど。
寒の大気は、寒気。冷気?天に取りながら、中七下五は整理出来そうかと?

○コンビニの深夜の明かり寒鴉
町外れのコンビニでしょうか。既に塒に帰ったはずの鴉が明かりの下で、餌を漁っているような景。鴉も温もりが欲しいのでしょう。

○湯気上げる畑の黒土春隣
畑の湯気は、冷たい空気の時に見えますので、寒晴れとか違う季語がいいかな?とも思いました。
馴染みある広々とした景に惹かれて頂きました。
まりさん (8md9x4e2)2024/1/30 22:19削除
630回選句

〇肺胞まで寒の大気の仄青く
寒の大気を例えれば確かに仄青。

〇海へ抛る貝殻ふたつ春隣
「ふたつ」に意味があるのでしょう。ちょっと甘い待春の気持ち。

○海原の懐深し冬落暉
「切れ」が効いています。「冬落暉」へスパッと飛んだことで、落暉の雄大な景が見えてきます。

◇待春の通学シューズ真新し
「待春の通学シューズ」とつなげたために、一番言いたかった「真新し」が添え物的になってしまいました。語順を変えて「真っ新の通学シューズ春隣」

◎湯気上げる畑の黒土春隣
大地の力強さ。もうすぐこういう季節。待ち遠しい。

〇春近し脱皮促す雨の音
植物はもちろん獣もそして人間も変化する春。春の雨は音も嬉しい。私たちも少しは変化せねば。
不来方さん (8b8tdv36)2024/1/29 16:21削除
第630回選句

◯ 肺胞まで寒の大気の仄青く
 北海道の知人から以前、寒晴の雪原に映る影は青いとか聞いたことがある。掲句は「肺胞まで」入って来る寒気が仄青い、と。経験したことのない世界だがリアリティを感じる。

◎黒々と太る里山寒落暉
 寒落暉と里山の影を句にしたことは何度もあるが「太る」の表現は全く思い浮かばない。この独自性にとても惹かれた。

◯ 海難碑背山は供花の寒椿
 供花の捉え方が見事。

◯海原の懐深し冬落暉
 とにかく「ウ」音の韻律がいい。大きな景も佳い。

◯ 湯気上げる畑の黒土春隣
 三寒四温の頃の四温の朝の畑の景。湯気が見えるようだ。
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