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まりさん (8md9x4e2)2023/12/31 13:16 (No.87871)削除
626回投句一覧&選句

「年の暮」
還暦の子がすぐ帰る年の暮
手土産を品定めする年の暮
鳩時計の鎖を引きて年暮るる
年暮の洗濯槽の渦の中
留守宅の犬の遠吠え年の暮
歳晩や取っ手古びしエコバッグ
日溜りに雀のいない年の暮
よっこいしょと立つこと多い年の暮
歳晩の路掘り返し埋め返し
富士塚の頂にゐる年の暮

「林」
冬晴や屋敷を囲む杉林
山毛欅林の奥の金精月冴ゆる
地吹雪に衛兵めきし屋敷林
寒林の先祖の墓石陽をためて 
遠景に林立のビル冬夕焼
寒林に入りて哲学者となりぬ
母業は天職だろか冬林檎
寒林に我が墓銘碑や朱のはね字
木漏れ日や林道ほろり冬の蝶
夢幻へと昇る林道寒落暉

「あたたかいもの」
こんな夜は父子相伝の根深汁
納豆汁口すぼめ語る兄忌日
冬日向今年最後という研師
徒然の旅のアルバム日向ぼこ
ふる里は母の懐おでん酒
おでん煮えクシッと開ける缶ビール
四十路過ぎ身ごもる娘羽根布団
家苞の鯛焼紙袋の湿り
風呂吹きを煮る窓ガラス曇るまで
連続の深夜のドラマ葛湯吹く
返信
のんさん (8b8xe2bx)2024/1/7 10:52削除
第626回 選句

〇歳晩や取っ手古びしエコバッグ
「エコバッグ」沢山持っていても使いやすいのは限られるので、取っ手から傷んでくる事、共感しました。
 何気ない日常の一ページを切り取っています。

〇地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 地吹雪は経験がありませんが、雪国の厳しさを感じます。「衛兵」大きな屋敷林が浮かびました。

〇寒林に入りて哲学者となりぬ
 人の気配の無い林、「哲学者となりぬ」断定が良いです。

◎こんな夜は父子相伝の根深汁
 「こんな夜」が想像力を膨らませ、思いを広げています。

〇徒然の旅のアルバム日向ぼこ
 若い頃の旅のあれこれ、ほっとさせてくれる句です。
ふたばさん (8augfkle)2024/1/7 00:46削除
第626回選句

〇歳晩の路掘り返し埋め返し
 暮れになるといつも見られる光景ですね。予算を使い切るため?なんて考えてしまいます。

〇山毛欅林の奥の金精月冴ゆる
 きりっと締っている空気。冴えわたる月。こんな光景に出会ってみたいものです。

◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 雪国の厳しい暮らし。屋敷林を衛兵と捉えたところが、素晴らしいです。

○徒然の旅のアルバム日向ぼこ
 日向ぼこをしながら旅の思い出を繰っている。ゆったりとした幸せなひととき。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/1/6 20:04削除
◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 丹念に切り揃えられた屋敷の樹々が、雪を覆って地吹雪の中に立ち並んでいる。これを衛兵ととらえた
 感性が素晴らしい。
〇歳晩の路掘り返し埋め返し
 暮れの慌ただしい街の風景が詠まれている。
〇山毛欅林の奥の金精月冴ゆる
 金精は山毛欅林の奥に光っている冬の月。月の光が一入輝いて見える。
〇こんな夜は父子相伝の根深汁
 父子相伝に作者の思いが込められている。
〇風呂吹きを煮る窓ガラス曇るまで
 冬の厨の静かな時の移ろいが感じられます。
天馬さん (8wo186pe)2024/1/6 15:54削除
626選句

◎歳晩の路掘り返し埋め返し
当地の道路誘導員は大変。吹雪の中に立っているのを見ると、青赤の信号でいいのにと思いますが、規則でそうはいかないらしいです。
○こんな夜は父子相伝の根深汁
夫もその兄弟も料理が上手いですが、我が息子はからっきしです。残念。
○徒然の旅のアルバム日向ぼこ
取っておきたい写真はスマホに保存して、後は処分…と思いつつそのままになっています。
太郎さん (8oylunww)2024/1/6 12:51削除
麦っこ626選句
〇歳晩の路掘り返し埋め返し
◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 厳冬の大景が目に見えるようだ。上五は「や」で切ることも。中七・下五は魅力的な表現だが、「衛兵めきし」は議論の余地あり。
〇寒林の先祖の墓石陽をためて
〇寒林に入りて哲学者となりぬ
〇こんな夜は父子相伝の根深汁
ちこりんさん (8mmormpc)2024/1/5 12:06削除
626回 選句
○日溜りに雀のいない年の暮
いつもはあるべき場所にあるべきものがないというのは、単なる発見ではなく、作者の穏やかならぬ心情が伝わります。
鴉も見えぬ年末年始です。
ちょっと心配?

◎山毛欅林の奥の金精月冴ゆる
ブナ林は、既に葉を落とし、裸木となっているのでしょう。背景の月の輝きを金精(万物の魂の輝き?)と捉えた感性に惹かれました。

○地吹雪に衛兵めきし屋敷林
しっかと田の中の家を囲む屋敷林をみた事がありますが、激しい冬の最中、正に番兵となっているのでしょう。

○寒林に入りて哲学者となりぬ
四季のうち寒林ならではの発想かと思います。断定が効いています。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/1/5 08:03削除
626回投句一覧&選句

〇歳晩の路掘り返し埋め返し
掘り返し埋め返しフレーズに情景が見えてきます
〇遠景に林立のビル冬夕焼
林立のビルと冬夕焼けの対比
◎徒然の旅のアルバム日向ぼこ
旅の写真をみながら思いにふけている、今は旅もままならぬ。自分のような共感
〇連続の深夜のドラマ葛湯吹く
連続ドラマ、眠れぬ夜は深夜まで次回が気になりつつ。葛湯が温かい
まりさん (8md9x4e2)2024/1/3 15:36削除
626回選句

〇鳩時計の鎖を引きて年暮るる
手巻き式の鳩時計は錘のついた鎖を定期的に元に戻す必要があるのでしょう。「年暮るる」には幅がありそうですが、大晦日のこととしていただきました。

◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
積雪量よりも地吹雪の酷い地域らしい句。「に」だと因果関係がくっきりしすぎませんか。キレを入れたほうがいい気もしますが。
嘗て実家の屋敷林(林?囲い)は杉でした。分家されたという江戸時代の終わりか明治の初めごろに植えられたらしいかなりの大木で、風の強い日は、倒れたら家が潰されると怖かったのを覚えています。

〇遠景に林立のビル冬夕焼
平凡ですが、こちらに住んでいると「冬夕焼」で連想する真っ先の景です。実は私も「ビルの林立」で作りました。

〇寒林に入りて哲学者となりぬ
これ以上そぎ落とすもののないピリリとした寒林の中で感じたもの。断定がいい。まあ、この哲学者はすぐにいつもの我にもどるですが…

〇こんな夜は父子相伝の根深汁
根深汁にも相伝の極意があるのでしょうか。「こんな夜」ともったいぶってさらに「相伝」の大袈裟感へ。楽しい。(ではないのかもしれませんが)

〇徒然の旅のアルバム日向ぼこ
一枚一枚丁寧に貼られてメモもある昔々の写真。おおむね幸せな人生だったという心境が感じられます。私も、おおむね運のいい人生だったとは思うのですが、昔の写真を見るのはちょっと重たい…かも。
それにしても、皆様、膨大なアルバムの処分どうしますか???
こがめさん (8atk17xs)2024/1/1 18:10削除
第626回麦っこ選句
◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
屋敷林の句を作ろうとしました。「衛兵めきし」の表現がいいなと思いました。
故郷の小さいころの実家の景を思い出しました。杉林が多かったのに杉花粉に負けなかったのが不思議です。

〇こんな夜は父子相伝の根深汁
〇ふる里は母の懐おでん酒
〇おでん煮えクシッと開ける缶ビール
〇家苞の鯛焼紙袋の湿り
〇風呂吹きを煮る窓ガラス曇るまで
上記五句はどの句も心が温まります。こんな幸せな景があるなんていいですね。そして続くことを願っています。

明けましておめでとう御座います。今年もよろしくお願いします。
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/31 23:25削除
第626回選句
◯歳晩の路掘り返し埋め返し
 都会では年初から今日大晦日まで建設機械をみない日はないほど、彼方此方で工事をやっていたような気がする。特に道路工事は同じようなことを繰り返して、税金の無駄遣いでは、と思いたくなるのは私ひとりではなかったので一安心(実際の工事内容はそれどれに理屈はあるのだろうが)「掘り返し埋め返し」のリフレインに共感。

◎地吹雪に衛兵めきし屋敷林
 ほとんど視界のない吹雪の中、わずかに屋敷林が見える。白と鼠色だけの世界。地吹雪の動きと音がリアルに迫って来る。「衛兵めきし」の比喩がとても効いている。

◯徒然の旅のアルバム日向ぼこ
 何といっても「徒然の旅」がいい。広辞苑の「徒然」には四つの意味が書かれているが、この旅は四つすべてを含んでいる気がする。季語「日向ぼこ」の為せるわざかもしれない。①つくづく物思いにふけること②することもなく退屈で、もの寂しいさま③長々と変わることなく続くさま④つくづく。つらつら。

◯風呂吹きを煮る窓ガラス曇るまで
◯連続の深夜のドラマ葛湯吹く
 「風呂吹き」や「葛湯吹く」という私にとって好きだが使いづらい季語。それに合う生活実感がないからであろう。前句は「窓ガラス曇るまで」という措辞が巧い。風呂吹きを煮た経験のない一読者にも丁寧な食生活ぶりがよく伝わって来る。後句はテレビドラマを殆どみない読み手にも、どんな深夜ドラマだろうか、という興味を惹かせる力が「葛湯吹く」にある。両句ともに季語が名脇役。

皆さん 元旦に選句一覧がアップされると思い込んでいましたが、お忙しいまりさんは今年の事は今年中に終わらせたかったのでしょう。令和5年ももう少しで終わろうとしています。佳いお正月をお迎えください。
返信10
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/24 08:23 (No.86948)削除
第626回出題

題詠 年の暮(傍題可)

文字詠 林

テーマ詠 あたたかいもの

寒波到来。
ご自愛の上佳い年末年始をお迎えください。
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/12/31 12:03削除
麦っこ626投句
還暦の子がすぐ帰る年の暮
山毛欅林の奥の金精月冴ゆる
家苞の鯛焼紙袋の湿り
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/30 19:41削除
第626回 投句

手土産を品定めする年の暮
遠景に林立のビル冬夕焼
風呂吹きを煮る窓ガラス曇るまで
ふたばさん (8augfkle)2023/12/30 16:43削除
626回投句

鳩時計の鎖を引きて年暮るる
寒林の先祖の墓石陽をためて 
連続の深夜のドラマ葛湯吹く
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/30 11:26削除
626回 投句

年暮の洗濯槽の渦の中
夢幻へと昇る林道寒落暉
徒然の旅のアルバム日向ぼこ
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/30 10:54削除
626投句
留守宅の犬の遠吠え年の暮
木漏れ日や林道ほろり冬の蝶
ふる里は母の懐おでん酒
天馬さん (8wo186pe)2023/12/29 11:39削除
626投句

歳晩や取っ手古びしエコバッグ
地吹雪に衛兵めきし屋敷林
おでん煮えクシッと開ける缶ビール
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/29 05:44削除
第626回投句(訂正)

日溜りに雀のいない年の暮

寒林に我が墓銘碑や朱のはね字

こんな夜は父子相伝の根深汁

多分今回が年内最後の書き込みかと。佳い年末年始をお迎え下さい。
こがめさん (8atk17xs)2023/12/28 21:54削除
第626回麦っこ投句
よっこいしょと立つこと多い年の暮

冬晴や屋敷を囲む杉林

納豆汁口すぼめ語る兄忌日
まりさん (8md9x4e2)2023/12/27 21:07削除
626回投句

歳晩の路掘り返し埋め返し
母業は天職だろか冬林檎
冬日向今年最後という研師

換気扇から始めた掃除も何とか進んでいます。
セスキ炭酸ソーダの存在を知ってからは、台所掃除は本当に楽になりました。
年末年始の仕事は無理をせずに手抜きで。
みなさまどうぞよいお年を!
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/26 09:39削除
626回投句
 富士塚の頂にゐる年の暮
 寒林に入りて哲学者となりぬ
 四十路過ぎ身ごもる娘羽根布団
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/12/24 19:17 (No.87030)削除
625回投句一覧&選句

「柚子湯」
潰さない約束ひとつして柚子湯
常連で賑わう時間冬至風呂
つい握り潰したくなる柚子湯かな
星屑を抱えて沈む柚子の風呂
仕舞湯の湯桶に拾う潰れ柚子
ハミングにゆるむ関節冬至風呂
柚子湯にと句会の前に配りたる
ドラム缶風呂に柚子足し星を足し
柚子湯して「ダニーボーイ」の調子よき
錆びついた大脳に喝冬至風呂

「着」
餅米洗うエプロン着ける新婚さん
着膨れて身ぬちに癌奴を飼い慣らす
青森発雪を着込むがごとき貨車
ちゃんちゃんこ着てかの歳の母となり
着信は三時間前ちゃんちゃんこ
着膨れて青春歌謡に酔う宴
着膨れの無言が叱る夕茜
廃線の終着駅や掛大根
着膨れて押し合う座席路線バス
着信アリ寒波住み込む北の宿

「雑詠」
初雪や哲学者めく道祖神
数え日の薬缶の湯気が立ち上る
交番のスチール机水仙花
風の夜のホットミルクと文庫本
ナンバーで呼ぶ診療や年惜しむ
献杯に続く乾杯年忘
丸形の赤いポストに注連飾り
過呼吸になりそう止まぬ止まぬ雪
妣ならばどうするかしら葛湯吹く
またあした手を振る少女寒夕焼
返信
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/12/31 11:06削除
麦っこ625選句
〇仕舞湯の湯桶に拾う潰れ柚子
〇初雪や哲学者めく道祖神
◎風の夜のホットミルクと文庫本
〇またあした手を振る少女寒夕焼
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/30 20:10削除
第625回 選句

〇星屑を抱えて沈む柚子の風呂
〇ドラム缶風呂に柚子足し星を足し
 二句共に柚子と星、私には無い発想でしたが、納得しました。
◎着膨れて身ぬちに癌奴を飼い慣らす
 「飼い慣らす」紆余曲折を経てこの心境にたどり着いたのでしょう。
〇交番のスチール机水仙花
 スチール机、全国共通なのでしょうか?言われてみれば近くの交番もスチール机です。
〇風の夜のホットミルクと文庫本
 風は木枯らしでしょうか、年が明けたらこんな豊かな時間を持ちたいです。
ふたばさん (8augfkle)2023/12/30 17:26削除
525回選句

〇星屑を抱えて沈む柚子の風呂 
○ドラム缶風呂に柚子足し星を足し
  「星屑を抱えて」「柚子足し星を足し」二句の素敵な措辞に魅かれました。詩的ですね。                 
◎着膨れて身ぬちに癌奴を飼い慣らす
 「飼い慣らす」と諦観するしか無い現実。胸に迫ってきました。
〇過呼吸になりそう止まぬ止まぬ雪
 雪国の厳しい生活。「止まぬ止まぬ雪」が効果的です。

*今年もお世話になりました。皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/30 12:25削除
525回選句
 ◎着膨れて身ぬちに癌奴を飼い慣らす
  人生を達観した姿が偲ばれます。
 〇星屑を抱えて沈む柚子の風呂
 〇ドラム缶風呂に柚子足し星を足し
  柚子湯という真冬の風情に、星空が加わり、ロマンチックな世界が広がる。
 〇風の夜のホットミルクと文庫本
  外は寒風が吹きすさんでいるが、家の中には心を癒される二物。
 〇過呼吸になりそう止まぬ止まぬ雪
  止まぬ止まぬのリフレイン、厳しい雪国ならではの実感。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/30 11:54削除
625回投句一覧&選句

〇星屑を抱えて沈む柚子の風呂
星屑は一年の思いでしょうか柚子湯ですべて癒されますね
〇ハミングにゆるむ関節冬至風呂
柚子の湯に関節が緩みハミングも出るのでしょう、癒されます
〇廃線の終着駅や掛大根
老齢化した廃線の地、沢山の思いを感じます。掛大根で郷を思わせます
◎交番のスチール机水仙花
スチール机の冷たさそこに置かれた水仙花、留守の交番なのでしょうか
ごだごだ物を言ってしまう私にはとても勉強になります。



ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/30 11:44削除
625回 選句
◎ドラム缶風呂に柚子足し星を足し
空一面降りそうな星。ドラム缶風呂は非日常。解放感に溢れた一句。

○廃線の終着駅や掛大根
寂しさの中に変わらぬ暮らしの温もりを感じます。

○過呼吸になりそう止まぬ止まぬ雪
過呼吸の斡旋が刺激的。
雪国の過酷な暮しが伝わります。
天馬さん (8wo186pe)2023/12/29 14:06削除
625選句

○つい握り潰したくなる柚子湯かな
そのままの表現が良いと思いました。
○星屑を抱えて沈む柚子の風呂
○ドラム缶風呂に柚子足し星を足し
柚子と星、よく合います。
○着膨れて身ぬちに癌奴を飼い慣らす
人間ドックでここ数年大腸が精密検査に。いつか…と覚悟しつつ過ごしています。
◎交番のスチール机水仙花
無機質と可憐な取り合わせに惹かれました。
まりさん (8md9x4e2)2023/12/27 12:46削除
625回選句


〇星屑を抱えて沈む柚子の風呂
〇ドラム缶風呂に柚子足し星を足し
なんてロマンチック!「星屑を抱えて」「星を足す」が何とも素敵です。そういえば、私はこんなロマンチックな句を作った記憶がありません。がさつだから…

○着膨れて身ぬちに癌奴を飼い慣らす
太郎さんにかなり珍しい字余りですが、「身ぬち」も「奴」も「を」もどうしても削れない言葉だったのでしょう。思い余る気持ち。

〇交番のスチール机水仙花
あるあるある。交番とスチール机のとりあわせになるほど。我が町の交番でもスチール机にこちらを向いて座っているおまわりさんが。

〇風の夜のホットミルクと文庫本
「風の夜」は言えそうでなかなか出てきません。モノだけのシンプルさがいい。

◎過呼吸になりそう止まぬ止まぬ雪
息がつけないような吹雪の記憶・恐ろしい程の大雪の記憶は遥か彼方ですが「過呼吸」がリアル。

〇妣ならばどうするかしら葛湯吹く
18歳以降、両親に相談した記憶はほとんどないのですが、日常のささいなことでこう思うことはありますね。
こがめさん (8atk17xs)2023/12/26 19:08削除
第625回麦っこ選句
〇ハミングにゆるむ関節冬至風呂
ご苦労様です。働いたあとか、運動したあとかな。健康な身体ですね。「ゆるむ関節」の表現があっています。

〇ドラム缶風呂に柚子足し星を足し
自然に囲まれてとても気持ちよさそうですね。とてもリズムがよいです。

〇風の夜のホットミルクと文庫本
読書をしている景が浮かんできます。気持ちがほっこりする本を読んでいるのかな。読書家ですね。

◎過呼吸になりそう止まぬ止まぬ雪
雪国の田舎の生活を思い出しました。雪が降り続き、そして吹雪になったように感じます。「止まぬ止まぬ」から雪が降り続き、「過呼吸になりそう」から吹雪の強さを感じます。
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/25 14:20削除
第625回選句

◯ハミングにゆるむ関節冬至風呂
 思わずハミングしたくなる共感の句。

◎ 着膨れて身ぬちに癌奴を飼い慣らす
 着膨れて飼い慣らすのが癌とは、何とも切ない諧謔味。「身ぬち」「癌奴」の措辞が味わい深い。

◯風の夜のホットミルクと文庫本
 風の強い寒夜の静かな読書生活。「文庫本」のさり気なさと「ホットミルク」のあたたかさの組合せがとてもいい。

◯過呼吸になりそう止まぬ止まぬ雪
 「過呼吸」の斡旋が見事。「止まぬ」のリフレインも効いている。

◯妣ならばどうするかしら葛湯吹く
 お母様は葛湯が好きだったのだろう。折に触れて母を思い出し、心の中で対話する優しさが滲み出た句。
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/12/29 21:37 (No.87641)削除
出題のお願い
よろしくお願いいたします。

12月31日  ちこりん
1月 7日  ハナハナ
1月14日  こがめ
1月21日  太郎
1月28日  天馬
2月 4日  ふたば
2月11日  のん
2月18日  ジュピター
2月25日  不来方
返信
返信0
まりさん (8md9x4e2)2023/12/17 22:43 (No.85865)削除
624回投句一覧&選句

「石蕗の花」
染付の唐子のつむり石蕗の花
石蕗の花訃報に安堵することも
庭園は江戸の石組み石蕗の花
石蕗は黄に海の苫屋の夜が明ける
外房の朝の荒波石蕗の花
爺と児と小さき公園石蕗日和
写経会の墨の匂いや石蕗の花
北限の陸前高田石蕗の花
不夜城のbarの一隅石蕗明り
釣人の正面に富士石蕗の花

「開」
開発の里山熊の被害出る
冬怒濤見渡す木之花開耶姫之宮
廃屋の次々凍てし開墾碑
開運のだるま千体12月
開店の八百屋大根山と積み
すぐ閉じる開かず踏切冬ざるる
箸袋開いて一句年忘 
更年期障害癒えて炉を開く
開かない施設の門扉冬薔薇
震災の疎開の跡地冬すみれ

「昭和」
母親の替わりの長姉雪うさぎ
末席は母の定位置榾火足す
かにかくに昭和は恋し変哲忌
御河童の少女の襟足空風
長火鉢灰を均すは祖母の役
年の瀬や「あゝ上野駅」口遊む
またひとり昭和一桁逝く小春
十六で嫁した母の史虎落笛
漬物に柚子の香母の割烹着
霜焼けや白き影引く傷痍兵
返信
太郎さん (8oylunww)2023/12/27 14:17削除
麦っこ624選句
◎北限の陸前高田石蕗の花
 かつて職場の旅行の途上陸前高田に立ち寄ったとき、一行の中のK君の父君が歓迎のご挨拶に見えた。謹厳実直そのものの風貌で満面笑みを湛え、素朴な語り口で町を案内してくれた姿が今も眼裏に残る。その一事からも陸前高田は忘れられない町になっている。
 石蕗の自生の北限は福島、栽培の北限は岩手、秋田辺りと聞く。大震災から十余年、まだ記憶に新しいこの地の寒風の中に咲く石蕗の黄が眼に痛い。
○開運のだるま千体12月
○開店の八百屋大根山と積み
○箸袋開いて一句年忘
○震災の疎開の跡地冬すみれ
○かにかくに昭和は恋し変哲忌
天馬さん (8wo186pe)2023/12/25 13:56削除
624選句

○石蕗の花訃報に安堵することも
ALSという難病で瞼でしか意思を伝えられない方の訃報に際し、もうしんどいことはないよと思ったこと思い出しています。
○不夜城のbarの一隅石蕗明り
当地にはない花ですが、Barとの取り合わせに惹かれました。
○箸袋開いて一句年忘 
俳句やる人のあるあるですね。雰囲気がよく伝わります。
◎十六で嫁した母の史虎落笛
私の母も早婚でそれを嘆くこともありましたが、両親は仲良かったので、それでよしとしてました。今更ですが、いろいろな話を聞けばよかったなぁと。
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/24 23:18削除
第624回 選句

〇石蕗の花訃報に安堵することも
 「訃報に安堵」この先もっと増えるであろう老老介護が頭を過りました。
〇末席は母の定位置榾火足す
 本当は座る暇も無く、いつも忙しく働いていたお母さまだったのでしょう。
〇またひとり昭和一桁逝く小春
 激動の時代を生き抜き、天寿を全うしたのでしょうか、季語が温かです。
◎十六で嫁した母の史虎落笛
 十六歳で嫁ぐという時代の嫁という立場、季語に苦労がしのばれます。
ふたばさん (8augfkle)2023/12/24 18:55削除
第624回選句

◎石蕗の花訃報に安堵することも
 亡くなった人、見送る人、双方を慮っている作者の心情が心に響きました。

〇写経会の墨の匂いや石蕗の花
 墨の匂いに、静寂さと緊張感が伝わってきました。石蕗の花がよく合っています。

〇震災の疎開の跡地冬すみれ
 あの震災から、春には13年を迎えます。冬の陽だまりに咲く冬すみれを見ながら、
 疎開していた人たちへ思いを馳せている。さり気ない季語が効いてると思います。
 
〇十六で嫁した母の史虎落笛
 虎落笛に、若くして嫁いだ母親の苦労が象徴されていると思いました。私の母は
 十七歳でした。共感の一句です。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/24 18:02削除
624選句

〇 石蕗は黄に海の苫屋の夜が明ける
海の苫屋は人気もなく閑、石蕗の花の黄色が優しく冬を迎える
〇 爺と児と小さき公園石蕗日和
手を引いて散歩の近所のお庭のような公園でしょうか、お爺さまの笑顔が見えます。
〇またひとり昭和一桁逝く小春
だんだん昭和一桁は高齢に長生きとはいえ消えてゆきます小春の明るさで救われます
◎十六で嫁した母の史虎落笛
私の母も十六で馬にのって鈴をならして嫁入りしたと聞きました、母を思い出しました。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/24 10:54削除
624回選句
 ◎またひとり昭和一桁逝く小春
  昭和一桁生まれは、卒寿付近の人。歳に不足はないが、逝去の報に接するとやはり淋しい。「小春」に救われる思い。
 〇末席は母の定位置榾火足す
 〇長火鉢灰を均すは祖母の役
  囲炉裏・長火鉢、その近くにいた母や祖母の姿。どれも懐かしい風景です。
 〇母親の替わりの長姉雪うさぎ
  母親は忙しいから、いつも長姉が弟妹の世話をしてくれた。一緒に雪うさぎを作った思い出が懐かしい。ゲームやスマホなどなかった時代。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/23 17:52削除
624回 選句
◎不夜城のbarの一隅石蕗明り
石蕗は、都会の路地裏にもよく咲いています。夜の世界に生きる人々にも温かく。取り合わせに惹かれました。

○開運のだるま千体十二月
高崎観音への参道が浮かびます。様々な祈願を込めて、新年へ。

○十六で嫁した母の史虎落笛
赤とんぼの歌の姉やも十五で嫁に。昭和は、そんな時代でもありましたね。
虎落笛は里山の景を想像させます。明るい季語だと、また違う心情が伝わるかとも。

○漬物に柚子の香母の割烹着
割烹着の句は頂いてしまいます。我が母の割烹着姿は、忘れられません。
柚子の香りの漬物は、冬の匂いがしますね。
まりさん (8md9x4e2)2023/12/23 09:50削除
624回選句

〇石蕗は黄に海の苫屋の夜が明ける
〇外房の朝の荒波石蕗の花
どちらも私には馴染みのない海辺の情感があります。が、やや冗長感も感じました。雰囲気が変わってしまうので良し悪しですが、「石蕗は黄に」は「石蕗の花」ではだめでしょうか。「外房」か「朝」のどちらかを削ることはできないでしょうか。

〇写経会の墨の匂いや石蕗の花
しんとしていて石蕗の花が合います。

〇末席は母の定位置榾火足す
実は私もほぼほぼ同じ句を作っておりました。あの時代の北国の女性は「昭和哀史」の中にいましたが、私の年代のころの母は、「今が一番幸せ」とよく言っていたのが救いです。

◎またひとり昭和一桁逝く小春
実感。現実。昭和一桁の方は頑張り屋で尊敬できる方ばかり。戦争前後の苦労を乗り越えた強さ。小春がほっとさせてくれます。

◇廃屋の次々凍てし開墾碑
これはどこで切るのでしょうか。「廃屋の次々凍てし/開墾碑」でしょうか。すると開墾碑が浮きませんか。「凍て」が廃屋と開墾碑の両方・村全体を覆う方が季語も生きてくる気がします。過酷な労働で開墾された村が廃村になってゆくのを詠みたい気持ちはわかりますが、廃屋か開墾碑のどちらかに焦点をあてた作り方もあると思います。もう少し温めて再挑戦を!そして「し」を使う時は慎重に。気になります。
こがめさん (8atk17xs)2023/12/21 20:29削除
第624回麦っこ選句
〇箸袋開いて一句年忘 
箸袋を折紙のように折っている方もいます。この句は箸袋に句を書いているのですね。凄いなと思います。素敵な忘年会だったのだろう。

◎母親の替わりの長姉雪うさぎ
なんで季語が「雪うさぎ」なのかなと思いました。母親替わりの姉のやさしさが伝わってきます。じっと見つめているのだろうな。

〇末席は母の定位置榾火足す
〇長火鉢灰を均すは祖母の役
どの句も 昭和の時代を思い出しました。母もそうだったな。
火鉢らで餅を焼いたり、焼芋、栗もと懐かしいです。
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/21 16:36削除
第624回麦っこ

◯石蕗の花訃報に安堵することも
 滅多にないがこういう訃報もある。石蕗の花にほっとする。

◯箸袋開いて一句年忘 
 酒を飲み過ぎると言葉も忘れるが、幹事がタイミングを見て箸袋に一句の袋廻しの余興を提案するのも粋な計らい。納め句座のあとの年忘れならなおさら。

◯震災の疎開の跡地冬すみれ
 疎開=戦争という固定観念があったので、「震災疎開」という言葉は知らなかった。色んな自治体で研究が進んでいるようだ。東日本大震災では実質的に疎開された方も多かっただろう。「冬すみれ」が合っている。

◯母親の替わりの長姉雪うさぎ
 昭和の句でありながら現代でも母子家庭や3人以上の子供のいる共稼ぎ世帯では通用しそうな光景である。

◎またひとり昭和一桁逝く小春
 昭和一桁ではないが身近な事実として共感の一句。小春で余計にしみじみとする。
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/12/17 19:41 (No.85821)削除
625回出題

季語 柚子湯 (傍題可)
文字 着
冬季雑詠
返信
天馬さん (8wo186pe)2023/12/24 18:25削除
625投句

潰さない約束ひとつして柚子湯
青森発雪を着込むがごとき貨車
過呼吸になりそう止まぬ止まぬ雪
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/24 11:58削除
第625回 投句

常連で賑わう時間冬至風呂
着信は三時間前ちゃんちゃんこ
妣ならばどうするかしら葛湯吹く
ふたばさん (8augfkle)2023/12/23 20:35削除
第625回投句

つい握り潰したくなる柚子湯かな
ちゃんちゃんこ着てかの歳の母となり
またあした手を振る少女寒夕焼
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/23 17:20削除
625回 投句

星屑を抱えて沈む柚子の風呂

着信アリ寒波住み込む北の宿

風の夜のホットミルクと文庫本
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/23 10:51削除
625 投句

仕舞湯の湯桶に拾う潰れ柚子
着膨れて押し合う座席路線バス
ナンバーで呼ぶ診療や年惜しむ
まりさん (8md9x4e2)2023/12/23 09:51削除
625回投句

ハミングにゆるむ関節冬至風呂
着膨れの無言が叱る夕茜
献杯に続く乾杯年忘
こがめさん (8atk17xs)2023/12/22 15:37削除
第625回麦っこ投句
柚子湯にと句会の前に配りたる

餅米洗うエプロン着ける新婚さん

丸形の赤いポストに注連飾り
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/22 08:13削除
第625回投句

ドラム缶風呂に柚子足し星を足し

廃線の終着駅や掛大根

初雪や哲学者めく道祖神
太郎さん (8oylunww)2023/12/20 11:38削除
麦っこ625投句
柚子湯して「ダニーボーイ」の調子よき
着膨れて身ぬちに癌奴を飼い慣らす
数え日の薬缶の湯気が立ち上る
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/19 20:41削除
625回投句
 錆びついた大脳に喝冬至風呂
 着膨れて青春歌謡に酔う宴
 交番のスチール机水仙花
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/12/11 10:08 (No.84584)削除
623回投句一覧&選句

「十二月」
極月や電池の切れた腕時計
午後という短き時間十二月
読まぬまま平行移動十二月
傘寿来て老いの自覚や十二月
極月のひと粒欠けた北斗星 
筆ペンの穂先が切れる十二月
当て所なき旅の極まる十二月
極月のカッコウ鳴かす青信号
十二月湯気たて家畜運搬車
板前の口数多き十二月

「引」
米笑う塩引鮭の茶漬飯
引率の若き保育士着膨れて
引かるるを拒む種牛冬の霧
谷津干潟犬に引かれて冬帽子
欲張った帰りが遠し大根引
引退の無き開業医冬ぬくし
母の手の漬物レシピ大根引く
引売りのブルマンの香や冬の雨
夕暮れの割引値札師走かな
客引の声ほそぼそと年の暮

「雑詠」
小春日を口笛吹いてデリバリー
息白し一塊の放牧牛
北風にがらがら回る風見鶏
侘助よ一輪挿しの刑に処す
ぴたと止む喧嘩弟風邪の熱
のんびりと枯葉のなぞる空の青
夕さりて冬薔薇の白冴え勝る
冬日射す錠剤一つ座布団に
晴れ渡る空の海から白鳥来
鳥過る木の葉時雨の真只中
返信
太郎さん (8oylunww)2023/12/20 12:21削除
麦っこ623選句
◎板前の口数多き十二月
○客引の声ほそぼそと年の暮
○息白し一塊の放牧牛
こがめさん (8atk17xs)2023/12/19 16:29削除
第623回選句

不来方さんご指摘とご指導ありがとうございます。助詞の使い方についてはいつも悩んでいます。今後ともいろいろなことをご指摘とご指導をお願いします。
ふたばさん (8augfkle)2023/12/17 22:07削除
623回選句

〇十二月湯気たて家畜運搬車
 寒い中運ばれていく家畜に哀れさを感じます。
〇米笑う塩引鮭の茶漬飯
 師走の忙しい時期にさらさらかきこむ茶漬飯。「米笑う」に実感がこもっています。
〇欲張った帰りが遠し大根引
 あるある、大いに共感しました。
◎息白し一塊の放牧牛 
 「一塊の放牧牛」の措辞に魅力を感じました。説得力があります。
まりさん (8md9x4e2)2023/12/17 20:33削除
623回選句

〇極月のカッコウ鳴かす青信号
極月が効いています。他の季語ではだめかも。
〇十二月湯気たて家畜運搬車
臨場感たっぷり。普段はすっかり忘れていますが「食用のための運搬」なのでしょうね。(本当にありがとうございます・・・)
◎息白し一塊の放牧牛
極寒の中に放牧されている牛。この息は牛の太い息なのでしょう。力のある事実・現実は、それだけで重量感があります。動詞など要らなくなります。
〇北風にがらがら回る風見鶏
この場合の「がらがら」は強風に回る風見鶏の雰囲気をよく出しています。
〇晴れ渡る空の海から白鳥来
真っ青に晴れた空は確かに「海」です。白鳥は空の海を渡って地の海へ。
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/17 16:54削除
第623回 選句

〇当て所なき旅の極まる十二月
 「当て所なき旅」先の見えぬ戦争や政治の腐敗などを思いました。来年は良い方向に進んで欲しいです。
〇極月のカッコウ鳴かす青信号
 「極月」という差し迫った言葉の響きが中七、下五を生かしています。
◎十二月湯気たて家畜運搬車
 事実を詠んでいるだけなのですが、運搬車の行き先を考えると複雑な気持ちになります。
〇引退の無き開業医冬ぬくし
 自分より年配の先生なのでしょう。温かな人柄が伝わって来ます。
天馬さん (8wo186pe)2023/12/17 11:54削除
623選句

○午後という短き時間十二月
ほんとに日暮れが早い。雪が降ると尚更です。
○極月のひと粒欠けた北斗星 
そういえば完全形ではない北斗星見ます。見慣れた景も俳句になること教えて貰いました。
○引率の若き保育士着膨れて
家の前が小さな公園なので、小春日和を選んで園児が来ることがあり賑やかです。
○欲張った帰りが遠し大根引
一日の労働量がよく伝わります。
◎母の手の漬物レシピ大根引く
受け継がれる丁寧な暮らしが伺えます。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/17 11:50削除
623回 選句
◎極月の一粒欠けた北斗星
中七の喪失感に惹かれて頂きました。星の瞬きにも憂いが感じられます。

○極月のカッコウ鳴かす青信号
季節外れのカッコウの電子音は、明るい音色か急かせる音か?
私には、年詰まる日々の心が少し和む音に聞こえます。

○引退の無き開業医冬ぬくし
近所には開業医が多い土地柄。かなりの高齢者もいるようです。冬ぬくしに感謝の思いも込められているかのようです。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/17 11:10削除
623回選句
 ◎息白し一塊の放牧牛
  厳しい冬に向かいつつある牧場の景。一塊が活きている。
 〇午後という短き時間十二月
  十二月の午後は一瞬にして暮れる感じ。その短い時間を惜しんでいるのだろう。
 〇極月のひと粒欠けた北斗星
  冬の北斗星は、より遠くに瞬いている。二等星のうちのどれか一つが欠けて見えたのだろう。
 〇引率の若き保育士着膨れて
  先生も寒さには勝てない。ほほえましい光景です。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/17 10:56削除
623回投句一覧&選句
〇午後という短き時間十二月
十二月の日々はあっという間の一日特に午後は夕方になるのが早く午後に目を付けたところに〇
〇引率の若き保育士着膨れて
保育士さんが園児を引き連れて散歩されている様子、園児も保育士も着ぶくれていることでしょう。
◎息白し一塊の放牧牛
厳冬の放牧ですね、季語で寒さを感じ一塊になる牛の様子、厳冬の地の景が見えてきます。
こがめさん (8atk17xs)2023/12/16 21:12削除
第623回麦っこ選句
〇十二月湯気たて家畜運搬車
〇引かるるを拒む種牛冬の霧
〇息白し一塊の放牧牛
実家でも牛を育てていたのでとても懐かしい景です。牛に焦点をあてている句と運搬車の景ですが生き物を暖かく見守っているように感じます。季節によって牛らの生きざまが違っているように感じます。

〇欲張った帰りが遠し大根引
◎母の手の漬物レシピ大根引く
季語の 「大根引」と「大根引く」は違う景が広がっているように感じますがどうなのだろうか。
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/11 14:07削除
削除訂正のパスワードが分からなくなったので今日の選句の一句目の鑑賞文の最後を少し直して再録します。いつもダラダラとすいません。

第623回選句

◯午後という短き時間十二月
 一読十二月の午後が短いのは当たり前だと思ったが、「午後という短き時間」の「という」に立ち止まった。一年の最後としての十二月、一生の晩年に差し掛かった十二月、そういう多面的な十二月を心に置いて午後=短き時間として読むと、忙しさと同時に儚い時間である十二月の午後がとても愛しく思えて来る。
不来方さん (8jrlsjab)2023/12/11 10:40削除
第623回選句

◯午後という短き時間十二月
 一読十二月の午後が短いのは当たり前だと思ったが、「午後という短き時間」の「という」に立ち止まった。一年の最後としての十二月、一生の晩年に差し掛かった十二月、そういう多面的な十二月を心に置いて午後=短き時間として読むと、忙しさと同時に大切な時間である午後がとても大事に思えて来る。

◯引かるるを拒む種牛冬の霧
 冬の山の牧場の天気は変わりやすい。急に霧が出てきて、方牧牛を牛舎に戻そうと引っ張っても牛たちはまだまだ牧野がいいのだろう、牧野に戻ろう戻ろうとする。そんな情景がありありと浮かんで来る。

◯引退の無き開業医冬ぬくし
 こう書かれてみると確かに開業医には定年はない。70代になるかならないかのだろう。村夫子然としたお医者さん象が見えてきて微笑ましい。季語が効いている。

◎息白し一塊の放牧牛
 厳寒の牧場。牧牛の一団が黙々と歩いている大景。「一塊」がいい。俳句は改めて何も言わないのが一番と、自戒させてくれる一句。

◯北風にがらがら回る風見鶏
 神戸異人館通りの写生句かもしれない。「か」音と「が」音を含めた濁音の調べが中々。俳句とは何か、に答えはなくとも、なによりも韻律が大事と勝手に思っている。そういう意味では「北風に」よりも「北風や」「北風の」の方がより韻律が整うような気がするが、「や」では逃げたような感じもして迷うところ。
返信12
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/9 16:51 (No.84313)削除
624回出題

 季語  石蕗の花
 文字  開
 テーマ 昭和
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/12/17 20:59削除
麦っこ624投句
染付の唐子のつむり石蕗の花
冬怒濤見渡す木之花開耶姫之宮
またひとり昭和一桁逝く小春
まりさん (8md9x4e2)2023/12/17 19:20削除
624回投句

石蕗の花訃報に安堵することも
箸袋開いて一句年忘 
十六で嫁した母の史虎落笛
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/17 16:21削除
第624回 投句
 
庭園は江戸の石組み石蕗の花
開店の八百屋大根山と積み
漬物に柚子の香母の割烹着
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/17 11:27削除
624回 投句
石蕗は黄に海の苫屋の夜が明ける
震災の疎開の跡地冬すみれ
霜焼けや白き影引く傷痍兵
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/17 10:23削除
624回投句

外房の朝の荒波石蕗の花
開かない施設の門扉冬薔薇
御河童の少女の襟足空風
ふたばさん (8augfkle)2023/12/16 22:19削除
第624回麦っこ投句

爺と児と小さき公園石蕗日和
開運のだるま千体12月
長火鉢灰を均すは祖母の役
こがめさん (8atk17xs)2023/12/16 21:16削除
第624回麦っこ投句

写経会の墨の匂いや石蕗の花

開発の里山熊の被害出る

年の瀬や「あゝ上野駅」口遊む
天馬さん (8wo186pe)2023/12/15 16:48削除
624投句

北限の陸前高田石蕗の花
廃屋の次々凍てし開墾碑
母親の替わりの長姉雪うさぎ
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/14 11:02削除
第624回投句

不夜城のbarの一隅石蕗明り

更年期障害癒えて炉を開く

末席は母の定位置榾火足す
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/12 10:06削除
624回投句

 釣人の正面に富士石蕗の花
 すぐ閉じる開かず踏切冬ざるる
 かにかくに昭和は恋し変哲忌
返信10
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/17 11:24 (No.85729)削除
624回 投句
石蕗は黄に海の苫屋の夜が明ける
震災の疎開の跡地冬すみれ
霜焼けや傷痍兵らの白き影
返信
返信0
まりさん (8md9x4e2)2023/12/3 22:14 (No.83450)削除
622回投句一覧&選句

「冬の星」
瞬きに第九の余韻冬の星
頓挫する巨大クレーン冬の星
崎喰らう猛き波濤や寒北斗
急行を見送るホーム冬の星
曾孫という怖きもの寒昴
寒北斗延長保育室灯る
冬の星富士の稜線より灯る
ひとりまたひとり瞬く冬の星
寒星や海にせり出す製鉄所

「館」
冬紅葉古城の型の美術館
木馬館昼席鯛焼半分こ
最期までその人らしく冬館
出迎えは西洋館の聖樹の火
滾る湯の音に目覚める冬館
冬館塒へ沈む鳥の声
混凝土分厚し無言館寒し
シャンソンで包むホールや十二月
冬ざれの野辺逆光の斜陽館

「雑詠」
朝まだき霜のこえ聞く鴉どち
冬の日を遠く診察室5番
名も金も無縁に生きて薬喰
鈍くなる裏木戸の鍵暮れ早し
暁の鞍上鞍下白き息
山眠る細かなことに封をして
一面は爆撃の記事日向ぼこ
夕暮れの焼芋香る農の庭
運不運引いては足して冬林檎
  
智美さんは年末年始休暇で1月末まで休会の予定です。
ふたばさんは、多分今週から復帰。
みなさん、ご自分のご都合に合わせてゆるりとご参加ください。
ただ、
整理の関係がありますので、お休みの場合は日曜の夜までにご連絡
(この掲示板に直接か、メールで私に)いただければ助かります。
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/12/12 19:57削除
麦っこ622選句
「冬の星」
〇頓挫する巨大クレーン冬の星
〇急行を見送るホーム冬の星
◎寒北斗延長保育室灯る
 木枯し途絶えて冴ゆる空……。夕食の団欒を終えて静まりかえった地上……。
地平の上に柄を垂れる北斗のかすかな光と、延長保育の窓の暖色の灯りと……。
〇寒星や海にせり出す製鉄所
「館」
〇冬ざれの野辺逆光の斜陽館
天馬さん (8wo186pe)2023/12/11 16:00削除
622選句

◎頓挫する巨大クレーン冬の星
○寒星や海にせり出す製鉄所
○冬ざれの野辺逆光の斜陽館
○鈍くなる裏木戸の鍵暮れ早し

コメントなしですみません。
次回は早めを心がけます。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/10 21:02削除
622選句

◎寒北斗延長保育室灯る
遅くなるお迎えの母を待つ子、季語から時間帯も見えます。
〇冬の星富士の稜線より灯る
〇ひとりまたひとり瞬く冬の星
〇冬ざれの野辺逆光の斜陽館
〇山眠る細かなことに封をして

どれも景の見える素敵な句、好きな句です。選句遅くなりました「評」無しですみません
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/9 16:47削除
622回選句
 ◎冬ざれの野辺逆光の斜陽館
  太宰治の生家・斜陽館は豪邸であるが、冬ざれ、野辺、逆光という描写には太宰の生涯を暗示しているように思える。
 〇寒北斗延長保育室灯る
  延長保育室ですか。経験した人でなければ詠めない句ですね。
 〇一面は爆撃の記事日向ぼこ
  戦火は激しくなるばかり。平和な日々に感謝すると同時に、何もできない無力さを感じます。
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/9 12:29削除
第622回 選句

〇木馬館昼席鯛焼半分こ
 木馬館と鯛焼の取合せが良いです。この後は美味しい物を食べて帰るのでしょうか、楽しい一日です。

〇最期までその人らしく冬館
 季語からちょっと頑固な人かしらと思いましたが、「自分らしく」は理想です。

◎混凝土分厚し無言館寒し
 「混凝土」漢字にしたことで、片仮名では出せない冷え冷えとした重厚感を感じさせます。

〇冬の日を遠く診察室5番
 5番まであるのは大きな病院、長い時間待っているのかも知れません。置かれた状況だけですが心情が伝わります。
まりさん (8md9x4e2)2023/12/8 22:03削除
622回選句

○寒北斗延長保育室灯る
私も私の子供たちも延長保育に支えられてきました。50年前からつい最近まで。感謝しかありません。今思うと、夜7時まで保育園に預けていた自分にぞっとしますが、あの頃はそれが当たり前でした。

◎最期までその人らしく冬館
「冬館」をうまく使っていると思います。省略された人生も想像できます。

〇混凝土分厚し無言館寒し
漢字表記が効いています。省略が効いています。無言館はこれだけで伝わります。

〇一面は爆撃の記事日向ぼこ
連日、テレビのトップニュースと新聞の一面は爆撃の記事です。この残酷さは次世代に連鎖するのは明らか。辛すぎます。季語はやや安易かも。

○運不運引いては足して冬林檎
親ガチャから始まっていろんなガチャ(運)の中を生きてきました。結局とんとんが一番平和かもしれません。私は運のいい人生だった気がするのでこの先の運が気になります。先日弘前の林檎を食べました。おいしかった!
こがめさん (8atk17xs)2023/12/8 21:48削除
第622回麦っこ選句
〇寒北斗延長保育室灯る
保育士さんご苦労様そしておやごさんもご苦労様です。遅くまで働いているたいへんさを星がみまもっているように感じます。

〇木馬館昼席鯛焼半分こ
微笑ましいです。きっとお子さんと鯛焼きをわけて食べたのかな。

◎滾る湯の音に目覚める冬館
きっと雪国の温泉の旅館での出来事かな。

〇一面は爆撃の記事日向ぼこ
新聞をみている日と新聞の内容の対比。 作者の複雑な心情が伝わってきます。

〇冬の日を遠く診察室5番
診察を待つときの心情かな。「5番」からとても長く思っているように思います。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/8 19:06削除
622回 選句
◎ひとりまたひとり瞬く冬の星
瞬く星に亡くなられた方々を思っているのでしょうか。悲しみよりも星に見守られている感覚を覚えました。

○木馬館昼席鯛焼半分こ
浅草の大衆演劇場。季語の斡旋が上手くはまっています。半分こがホッコリ。

○名も金も無縁に生きて薬喰
薬喰という季語は馴染みが無かったのですが、いわゆる今でいうビジエ?
健康第一ですね。川柳的な軽みと可笑しみがいいですね。
不来方さん (8jrlsjab)2023/12/4 10:18削除
第622回選句

◯頓挫する巨大クレーン冬の星
 「頓挫する」という擬人化は何日も動いていないという意味だろう。そういう無機質な巨大クレーンと何ものも寄せつかないような「冬の星」との取合せがいい。現代社会の不安のようなものを感じる。

◯寒北斗延長保育室灯る
 少子高齢化とジェンダーフリーの時代の流れは今世紀最大の日本の構造変化かもしれない。共稼ぎが当り前で、保育園も延長がキーポイント。この句は、そういう構造変化を点景として見事に描き出している。

◯冬ざれの野辺逆光の斜陽館
 根雪の前の斜陽館の映像がよぎる。ただこの斜陽館は作者の心象風景のような気がする。

◯冬の日を遠く診察室5番
 遠く且つ弱い冬の日差しに診察を受ける病者の心細さがよく表現されている。「冬の日の」ではなく「冬の日を」が空間を広くしている。

◎一面は爆撃の記事日向ぼこ
 平和な日本と戦争状態の国の対比は、日本で俳句を書く者として逃れられないテーマだが、中々書けない。淡々として日常を書いて反戦に繋げる掲句のような手法が一番訴える力があるように思える。
返信9