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のんさん (8b8xe2bx)2023/12/3 08:26 (No.83273)削除
第623回 麦っこお題

 季語    十二月
 文字    引
 当季雑詠

 よろしくお願いいたします。
返信
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/10 22:12削除
623回 投句
極月や電池の切れた腕時計
客引の声ほそぼそと年の暮
のんびりと枯葉のなぞる空の青
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/10 17:10削除
第623回 投句

午後という短き時間十二月
欲張った帰りが遠し大根引
ぴたと止む喧嘩弟風邪の熱
ふたばさん (8augfkle)2023/12/9 19:40削除
623回投句
読まぬまま平行移動十二月
谷津干潟犬に引かれて冬帽子
冬日射す錠剤一つ座布団に
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/9 18:19削除
623回投句
傘寿来て老いの自覚や十二月
夕暮れの割引値札師走かな
晴れ渡る空の海から白鳥来

まりさん (8md9x4e2)2023/12/8 22:13削除
623回投句

極月のひと粒欠けた北斗星 
母の手の漬物レシピ大根引く
鳥過る木の葉時雨の真只中
こがめさん (8atk17xs)2023/12/8 21:54削除
第623回麦っこ投句
筆ペンの穂先が切れる十二月

米笑う塩引鮭の茶漬飯

北風にがらがら回る風見鶏
不来方さん (8b8tdv36)2023/12/7 22:41削除
第623回投句

当て所なき旅の極まる十二月

引売りのブルマンの香や冬の雨

侘助よ一輪挿しの刑に処す
太郎さん (8aq3zcoi)2023/12/7 19:50削除
麦っこ623投句
極月のカッコウ鳴かす青信号
引率の若き保育士着膨れて
小春日を口笛吹いてデリバリー
天馬さん (8wo186pe)2023/12/7 17:17削除
623投句

十二月湯気たて家畜運搬車
引かるるを拒む種牛冬の霧
息白し一塊の放牧牛
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/5 17:03削除
623回投句
 板前の口数多き十二月
 引退の無き開業医冬ぬくし
 夕さりて冬薔薇の白冴え勝る
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/11/26 19:20 (No.82345)削除
621回投句一覧&選句

「勤労感謝の日」
コルク栓抜いて勤労感謝の日
リサイクルショップ勤労感謝の日
バス停のベンチ勤労感謝の日
無職二十年勤労感謝の日
蕎麦屋は二代目勤労感謝の日
骨太の家系勤労感謝の日
釣人の猫背勤労感謝の日
マナーモードのスマホ勤労感謝の日
職安も休み勤労感謝の日
植木刈る徒弟や勤労感謝の日

「立」
紅葉狩り立ち食い蕎麦の香る駅
それぞれに孤独の木立虎落笛
地下足袋の捉えし脚立冬手入れ
短日の長くなりそな立ち話
冬座敷孫逆立ちを見せに来る
立ち退きのコンビニ冬の大三角
立ち止まりまた立どまる冬満月
くだら野や立志伝みな夢の夢
傘立ての底に穴あり小夜時雨
枯木立等身大の影連れて

「祝」
健筆な祝儀袋や七五三
葱洗う真似ごと妻の誕生日
昭和より三代生きて日向ぼこ
蒸しあがる赤飯香る小六月
紅白の胸章リボン冬日和
寒暁に生まれて二十歳杯揃う
冬もみじ戦無き世に生きて喜寿
古希という歯応え冬雲ぽってり
介護ベット返す小春の部屋広し
大漁旗靡く勤労感謝の日
返信
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/9 18:58削除
622選句

◎寒北斗延長保育室灯る
遅くなるお迎えの母を待つ子、季語から時間帯も見えます。
〇冬の星富士の稜線より灯る
〇ひとりまたひとり瞬く冬の星
〇冬ざれの野辺逆光の斜陽館
〇山眠る細かなことに封をして

どれも景の見える素敵な句、好きな句です。選句遅くなりました「評」無しですみません
太郎さん (8aq3zcoi)2023/12/5 14:48削除
麦っこ621選句
「勤労感謝の日」
○釣人の猫背勤労感謝の日
「立」
◎立ち退きのコンビニ冬の大三角
 取り合わせ・構図がとてもよい。「立ち退き」は、もう一工夫ほしいか。
○傘立ての底に穴あり小夜時雨
「祝」
○蒸しあがる赤飯香る小六月
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/3 13:58削除
第621回 選句

〇無職二十年勤労感謝の日
 定年まで立派に勤めあげてからの二十年、頑張った自分へのご褒美と思いながらも、現役世代への感謝も感じます。
◎立ち退きのコンビニ冬の大三角
 今迄当たり前と思っていた灯が消えてしい、灯の消えた空には星の瞬きさえ見える。明と暗、変わる物と変わらぬ物、二つの対照が鮮やかです。
〇健筆な祝儀袋や七五三
 のし袋の文字にはいつも苦戦しています。「健筆」は一層心がこもります。
〇古希という歯応え冬雲ぽってり
 「冬雲ぽってり」70歳はまだまだこれからという年齢、気概を感じます。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/12/3 09:18削除
621回選句
 ◎立ち退きのコンビニ冬の大三角
  星空には四季を通じてロマンがある。澄み切った冬空の星座は殊に美しい。
  立ち退いたコンビニという、地上の些事との対比がいい。
 〇無職二十年勤労感謝の日
  無職二十年、長く働いてきた自分への賛辞とも受け取れます。
 〇古希という歯応え冬雲ぽってり
  ぽってりした冬雲だからこそ、めでたく感じるのだろうか。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/2 20:23削除
621回 選句
○立ち退きのコンビニ冬の大三角
日常の切り取りが自然体であり、心情も伝わります。
今年もまた、冬の大三角を探しています。

◎冬もみじ戦無き世に生きて喜寿
戦後に生まれた者として、平和な日常の大切さを噛み締めています。先人への感謝を忘れず守り育てるべき平和を思います。

○紅白の胸章リボン冬日和
おめでとうの声や笑顔が浮かびますね。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/2 18:10削除
621回選句

◎無職二十年勤労感謝の日
定年して二十年辿る人生沢山の思いを感じます
〇骨太の家系勤労感謝の日
丈夫な体で働く家系かな勤労感謝の日でほっこり

〇立ち退きのコンビニ冬の大三角
〇立ち止まりまた立どまる冬満月

〇冬もみじ戦無き世に生きて喜寿
〇健筆な祝儀袋や七五三
どちらもめでたさを感じる素直に受け止めやれるお祝いの句ですね
天馬さん (8wo186pe)2023/12/2 11:20削除
621選句

○バス停のベンチ勤労感謝の日
様々な人を座らせるベンチとこの祝日の取り合わせにどこか惹かれました。
◎釣人の猫背勤労感謝の日
猫背が釣り人の来し方を表しています。
○立ち退きのコンビニ冬の大三角
深夜を煌々と灯していたコンビニの撤退、空の暗さがより伝わります。
○傘立ての底に穴あり小夜時雨
何気ない事実が俳句に昇華することが勉強になりました。
こがめさん (8atk17xs)2023/12/1 20:40削除
第621回麦っこ選句
〇無職二十年勤労感謝の日

〇釣人の猫背勤労感謝の日

◎傘立ての底に穴あり小夜時雨
焦点の絞り方がいいなと思いました。

〇昭和より三代生きて日向ぼこ
〇冬もみじ戦無き世に生きて喜寿
長命な方ですね。「戦無き世」で自然が豊かな場所で日向ぼこができるなんていいですよね。
まりさん (8md9x4e2)2023/11/28 21:40削除
621選句

〇バス停のベンチ勤労感謝の日
◎無職二十年勤労感謝の日
勤労感謝の日というお題にはえ~と思いましたが、10句並べるとかなり面白いと思いました。何でもありのばらばらなのに、それぞれにじんわりとしたものが感じられます。私たちは勤勉に働いてきたのですよね。私は早期退職なので20年以上無職ですが日々忙しい…。

○傘立ての底に穴あり小夜時雨
当たり前ですがいい雰囲気です。ごちゃごちゃ詰め込まずに肩の力の抜けたところが好き。先日の句会で「リキを入れすぎて句をダメにしている」と言われたのですが、自覚しているのに大きな句会ほど失敗します。俳句をいじり殺してしまいます。つまりわかっちゃいないということですネ。(麦っこにはリキが入りません)

○健筆な祝儀袋や七五三
〇紅白の胸章リボン冬日和
○古希という歯応え冬雲ぽってり
「祝」の句は、甘くなりがちで難しいですが、どういう形であれ「いいなあ・平和だなあ」とほっこりします。
「歯応え」は「手応え」では?と辞書を調べましたら「歯応え」には「手応え」の意味も含むのですね。あえて「歯応え」を使いたかった気持ちもわかる気がしますが。私にとって歯応えでも手応えでもない何かなのですよね。
不来方さん (8b8tdv36)2023/11/27 11:27削除
第621回選句

◯無職二十年勤労感謝の日
 勤労感謝の日はあと9音しかないので類想句になりやすいが、掲句は淡々と事実だけ語って季語のありがたみを引き立たせている。

◎釣人の猫背勤労感謝の日
 「猫背」がとてもいい。釣人の歩んで来た人生が色々想像出来る。真面目一筋に働いて来た方だろう。

◯ 立ち退きのコンビニ冬の大三角
 店仕舞いと星は好きな構図。使いにくい「冬の大三角」がピタリと嵌った。

◯ 冬もみじ戦無き世に生きて喜寿
 戦後78年なので、戦無き世と共に生まれて喜寿を迎えられたとは、とにかくおめでとうございます。

◯ 古希という歯応え冬雲ぽってり
 現代の古希は確かに掴みどころがないですね。「ぽってり」感満載の古希は人生の途中経過。しっかり人生を楽しみましょう。
返信10
天馬さん (8wo186pe)2023/11/26 08:23 (No.82271)削除
622お題

季語 : 冬の星
文字 : 館
雑詠
返信
のんさん (8b8xe2bx)2023/12/3 13:26削除
第622回 投句

瞬きに第九の余韻冬の星
出迎えは西洋館の聖樹の火
一面は爆撃の記事日向ぼこ
こがめさん (8atk17xs)2023/12/3 13:19削除
第622回麦っこ投句
頓挫する巨大クレーン冬の星

冬紅葉古城の型の美術館

夕暮れの焼芋香る農の庭
ちこりんさん (8mmormpc)2023/12/2 20:05削除
622回 投句

崎喰らう猛き波濤や寒北斗
冬ざれの野辺逆光の斜陽館
運不運引いては足して冬林檎
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/12/2 17:22削除
麦っこ622投句
急行を見送るホーム冬の星
シャンソンで包むホールや十二月
鈍くなる裏木戸の鍵暮れ早し


太郎さん (8oylunww)2023/12/2 10:13削除
麦っこ622投句
曾孫という怖きもの寒昴
木馬館昼席鯛焼半分こ
暁の鞍上鞍下白き息
天馬さん (8wo186pe)2023/11/30 15:16削除
622投句

寒北斗延長保育室灯る
最期までその人らしく冬館
山眠る細かなことに封をして
不来方さん (8b8tdv36)2023/11/30 08:47削除
第622回投句

冬の星富士の稜線より灯る

混凝土分厚し無言館寒し

朝まだき霜のこえ聞く鴉どち
まりさん (8md9x4e2)2023/11/28 21:42削除
622投句

ひとりまたひとり瞬く冬の星
冬館塒へ沈む鳥の声
冬の日を遠く診察室5番
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/11/28 09:44削除
622回投句

 寒星や海にせり出す製鉄所
 滾る湯の音に目覚める冬館
 名も金も無縁に生きて薬喰
返信9
太郎さん (8oylunww)2023/11/18 12:57 (No.80556)削除
麦っこ621出題 
◇季 語  勤労感謝の日
◇文 字  立
◇テーマ  祝
返信
のんさん (8b8xe2bx)2023/11/26 16:20削除
第621回 投句

コルク栓抜いて勤労感謝の日
短日の長くなりそな立ち話
冬もみじ戦無き世に生きて喜寿
ちこりんさん (8mmormpc)2023/11/25 19:25削除
621回 投句
リサイクルショップ勤労感謝の日
枯木立等身大の影連れて
古希という歯応え冬雲ぽってり
智美さん (8kfpafc0)2023/11/25 16:05削除
第621回  投句

バス停のベンチ勤労感謝の日
立ち止まりまた立どまる冬満月
介護ベット返す小春の部屋広し
太郎さん (8aq3zcoi)2023/11/24 15:27削除
麦っこ621投句
無職二十年勤労感謝の日
それぞれに孤独の木立虎落笛
大漁旗靡く勤労感謝の日
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/11/24 06:53削除
麦っこ621投句

蕎麦屋は二代目勤労感謝の日
傘立ての底に穴あり小夜時雨
蒸しあがる赤飯香る小六月
天馬さん (8wo186pe)2023/11/23 16:40削除
621投句

骨太の家系勤労感謝の日
地下足袋の捉えし脚立冬手入れ
紅白の胸章リボン冬日和
まりさん (8md9x4e2)2023/11/23 16:18削除
621回投句

釣人の猫背勤労感謝の日
立ち退きのコンビニ冬の大三角
寒暁に生まれて二十歳杯揃う
こがめさん (8atk17xs)2023/11/23 14:12削除
第621回麦っこ投句

マナーモードのスマホ勤労感謝の日

紅葉狩り立ち食い蕎麦の香る駅

健筆な祝儀袋や七五三
不来方さん (8b8tdv36)2023/11/22 11:08削除
第621回投句

職安も休み勤労感謝の日

くだら野や立志伝みな夢の夢

葱洗う真似ごと妻の誕生日
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/11/20 20:02削除
621回投句
 植木刈る徒弟や勤労感謝の日
 冬座敷孫逆立ちを見せに来る
 昭和より三代生きて日向ぼこ
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/11/20 09:16 (No.80875)削除
620回投句一覧&選句

「枯葉」
バス停の裸電球散る枯葉
日一日枯葉に埋もる村の黙
一葉ごと音色違えて枯葉かな
枯葉道大規模団地の高齢化
黙々と枯葉集める紺絣
一望の蓮田やからからと枯葉
枯葉舞う並木を走るサッカー部
山門も鳥居も枯葉走る中
枯葉愛すヴェルレーヌにはなれずとも
枯柏鳴るや高炉の消えた街

「子」
賑やかに椅子取りゲーム冬麗
切り貼りの花の増えたる白障子
熊の子の奥に母熊揺るる笹
冬うらら子に頼り切る電子機器
遊学の子の帰る夜の鯨鍋
山眠るイーハトーブの小さき椅子
榾爆ぜて山家に残る子守唄
城ヶ島へ天使の梯子白秋忌
子の遊び朴の枯葉は父の皿
一湾を囲む堤防冬帽子

「鳥」
寒鴉の眼と合う羅漢の目のやさし
内証を知り尽すやに寒鴉
冬晴れの国境の河白き鳥
初鴨を待つ野川の見守り隊
冬鴎吃水深く戻る船
朝刊の一面白鳥初飛来
小春日や子らの遊びを見る鴉
帆柱の傾く潮目冬かもめ
電源の届かぬ里や白鳥来
山鳩のかけあい焚火の爆ぜる音
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2023/11/26 16:15削除
麦っこ620選句
「子」
〇山眠るイーハトーブの小さき椅子
 「イーハトーブ 」は、 宮沢賢治の造語で、賢治の心の中にある理想郷をいう言葉である。岩手県内に国の指定名勝として「イギリス海岸」など6箇所の「イーハトーブの風景地」がある。それにこだわらなくとも、掲句の「イーハトーブの小さき椅子」は、たとえば渋民小学校の校庭に置かれた木椅子や丘の上の小さなレストランのテラスにある古びたストゥールなどを想定すればよかろう。そしてそこから見える、啄木が「ふるさとの山」と詠った岩手山や早池峰山の眠るが如き山容を懐かしんでいるのである。
〇榾爆ぜて山家に残る子守唄
 掲句のような景は、現代ではなかなか触れることのできない、言わば原風景のようなものだろう。私にも幼少の頃に似たような暮らしがあり、それが原体験となって今の物の見方・考え方の基礎になっていると思う。「残る子守唄」は、今ではあまり歌われない、古きよきものになってしまっているのだ。
〇一湾を囲む堤防冬帽子
 地方の漁港のある小湾を囲む目障りなくらい高い堤防。その一隅に冬帽子(の、多分女)が、周囲の風景に馴染まない姿で佇っている。風景も異様ならば、その点景としての人物も異様、要すれば見る者の心を落ち着かせない風景なのである。
「鳥」
◎冬晴れの国境の河白き鳥
 「国境」は、国内ならば常陸(茨城)と下総(千葉)の国境(県境)か。ならば冬晴れの青空の下に横たわる河は利根川である。「国境」と「河」をキーワードにして少し遠くに視線を飛ばせば、フランスのアルザス地方に思い当たる。そこに白鳥がいるかどうかはわからないが。
 「白き鳥」は、ハクチョウとは限らずサギかもしれない。とまれ「空の青海のあをにも染まずただよふ」という牧水の「白鳥(しらとり)」を想起した。掲句の句意も、牧水の歌の趣旨と同様に考えてよいのではないかと思う。
天馬さん (8wo186pe)2023/11/26 14:03削除
620選句

○枯柏鳴るや高炉の消えた街
○切り貼りの花の増えたる白障子
◎一湾を囲む堤防冬帽子
○冬鴎吃水深く戻る船
○帆柱の傾く潮目冬かもめ

コメントなしですみません。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/11/25 20:50削除
620回 選句
◎枯柏鳴るや高炉の消えた街
故郷は良質な砂鉄の取れた海辺の町でした。いつの間にか高炉が消え、タンカーも寄港しない街となり、寂れていきました。
そんな町の風景が鮮やかに浮かびます。

○山眠るイーハトーブの小さき椅子
賢治の理想郷とは?様々に想像してみます。貧しさの中にも心豊かに、そして共助に溢れている。そんな郷には、小さな木の椅子がさりげなく置かれている事でしょう。

○榾爆ぜて山家に残る子守歌
榾の爆ぜる音と火の匂い。懐かしく忘れがたい子守唄もまた。日本を感じさせてくれる一句ですね。
爆ぜるが効いています。
智美さん (8kfpafc0)2023/11/25 16:01削除
第620回  選句

◎枯柏鳴るや高炉の消えた街
 高炉の火を落し、人々も去り、静まり返った街を大きな柏の葉が転がる音も聞こえてきます。
 「鳴る」がいいです。映画のシーンに使えそう。どんな人物を立たせましょう・・。

◯山眠るイーハトーブの小さき椅子
 ここはやはり「小さき椅子」ですね。去年東北の縄文遺跡を何カ所も巡りました。
 そして改めて、岩手の遠野、賢治の世界を訪ねていない事を悔みました。

◯城ヶ島へ天使の梯子白秋忌
 半島の先の先、城ヶ島は天候が良く変わります。大海原に向かっての光の筋は見事でしょう。
 まりさん、城ヶ島の歌詞、有り難うございます。久しぶりに声に出して歌いましたよ。
 小学生の頃から歌ってましたが、「利休鼠の」って何だろうといつも思っていました。
 鼠の姿が浮かんでましたね、歌うたびに(笑)。

◯冬鴎吃水深く戻る船 
 吃水線も見えないくらいに大量の魚を積んで戻る船。
 陸で待つおかみさん達の歓びや、これから忙しくなる漁港の賑わいも感じられる。
 「冬鴎」が添えられて句が活き活きしてくるような感じがします。
のんさん (8b8xe2bx)2023/11/25 14:28削除
第620回 選句

◎枯柏鳴るや高炉の消えた街
 高炉の火が消え町全体の活気が消えてしまったのでしょう。すっかり寂れた町の様子が伺えます。

〇切り貼りの花の増えたる白障子
 今障子の無い生活なので、昔を思い出しました。「切り貼りの花」良く分かる表現です。

〇冬鴎吃水深く戻る船
 大漁の船の帰港、かもめが船の周りを舞っているようです。

〇帆柱の傾く潮目冬かもめ
 作者の立ち位置とそこからの海の色が良く見えます。きっと良く晴れた渡った日と思います。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/11/25 09:54削除
620回選句
 ◎一湾を囲む堤防冬帽子
  鳥瞰的な視点から、一気に冬帽子にズームイン。爽快感がある。
 〇枯葉道大規模団地の高齢化
  季節の移ろう中に、深刻な社会問題を捉えている。
 〇切り貼りの花の増えたる白障子
  昔はモノを大事にして暮らしてきたが、そんな暮らしの中に美しさがあった。
 〇榾爆ぜて山家に残る子守唄
  榾・山家・子守唄、いずれも郷愁を誘う風物です。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/11/24 08:57削除
620回投句一覧&選句

〇日一日枯葉に埋もる村の黙
枯葉の頃は日一日と寒くなり眠りに入ったような村の景

〇枯葉道大規模団地の高齢化
近くにある団地も高齢化、独り住まいが多くなりました

◎切り貼りの花の増えたる白障子
毎年暮れには障子の張替えをしますが切り貼りの増える様子でそろそろ張替えの頃
月日の経過を感じます

〇城ヶ島へ天使の梯子白秋忌
城ヶ島の景に白秋忌、白秋の詩が聞こえてきます。

〇帆柱の傾く潮目冬かもめ
潮目に帆柱らが傾く、目の付け所に感動

不来方さん有難うございます、確かに電波ですね気を付けます。
まりさん (8md9x4e2)2023/11/23 16:17削除
620回選句

〇枯柏鳴るや高炉の消えた街
文字数の関係もあるのでしょうが、枯葉鳴ると枯柏鳴るでは臨場感が違います。柏の大きな葉が大きな音を立てているのが伝わります。

〇榾爆ぜて山家に残る子守唄
誰にも口ずさんだ子守歌があるのではないでしょうか。これも季語の臨場感に惹かれました。「山眠る」などでは平凡に落ち着きすぎます。それもいいのですが…

〇城ヶ島へ天使の梯子白秋忌
「城ヶ島の雨」の作詞は白秋なので狙いすぎとも思いますが、「城ヶ島へ天使の梯子」は実際にも十分ありうる景なので素直に頂きました。雨あがり、夕焼け雲の切れ目からの天使の梯子だったのでしょうか。

雨はふるふる城ヶ島の磯に
利休鼠の雨がふる
雨は真珠か夜明けの霧か
それともわたしの忍び泣き

舟はゆくゆく通り矢のはなを
濡れて帆上げたぬしの舟

ええ 舟は櫓でやる
櫓は唄でやる
唄は船頭さんの心意気

雨はふるふる日はうす曇る
舟はゆくゆく帆がかすむ

◎帆柱の傾く潮目冬かもめ
潮目が効いています。素直で静かで。近場では湘南の海?こういう句には癒されます。
こがめさん (8atk17xs)2023/11/22 21:55削除
第620回麦っこ選句
〇枯葉道大規模団地の高齢化
時の移りかわりの早さを感じます。寂しさと頑張ってねといっているように感じます。

◎切り貼りの花の増えたる白障子
小さい穴だったりしたときは張り替えるより、いろいろな形の切り貼りを貼っていました。「花模様」の大小のを買ってきて貼っていたこともあります。

〇冬うらら子に頼り切る電子機器
羨ましいです。電子機器は便利ですがわからなくて大変です。若い人らに聞いたりしています。。。。。

〇小春日や子らの遊びを見る鴉
烏にいたずらをしない地域だろうな。烏も子等を見守り隊に感じます。
不来方さん (8jrlsjab)2023/11/20 11:43削除
第620回麦っこ

◎枯柏鳴るや高炉の消えた街
 今世紀に入ってから徐々に高炉の火が消えてゆく。そういう大きな産業構造の変化と風に揺れる枯柏の寂しい音とがとてもよく合っている。

◯榾爆ぜて山家に残る子守唄
◯山鳩のかけあい焚火の爆ぜる音
 二句とも時代の流れにとり残された山深い村の景でとにかく懐かしい。前句は素直に五木地方を思い浮かべる。いまもなお唄のとおりの寒村だろう。後句は、鳴き合う山鳩の声と焚火の爆ぜる音との共鳴が、逆におそろしいまでの静寂感を醸し出している。

◯一湾を囲む堤防冬帽子
 ドラマ仕立ての句で乏しい想像力を刺激される。冬の寂しい漁村の堤防をどんな人物(多分妙齢の女性)がどんな思いで歩いているのだろうか?冬帽子が孤独感を深めている。なおこの港は一湾を堤防が囲んでいるので、東日本震災の被災地かもしれない。

□電源の届かぬ里や白鳥来
 「電源」ではなく電波、例えば「Wi-Fiの届かぬ里や」なら白鳥の飛来とピッタリなような気がする。
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/11/13 09:40 (No.79754)削除
619回投句一覧&選句

「立冬」
視野に入る流木一本浜立冬
冬に入る玄関ドアの二重鍵
立冬や水平に拭く窓の果て
吾町の空き家彼方此方冬来る
勤行を了え立冬の香を聞く
立冬の薬湯賑わう山の宿
黒富士の空の朱鷺色冬来る
今朝冬の牛舎弦楽セレナーデ
冬立つや大仏さんはやや猫背

「発」
山寺へ増発バスの紅葉狩
林檎一つ吊り敏感な発条秤
聞き分けは発展途上七五三
原発の稼働する街鶴渡る
冬薔薇深紅巨人軍発祥地
黄落や新宿発の信濃行
山眠るひとりの駅の発車ベル
発揮するテニスのサーブ木守柿
葬の天の発光草の霜

「嬉しいこと}
風一陣からころ笑い出す枯葉
ひさびさに雀来て鳴く一茶の忌
真鴨二羽小さき川に帰りきぬ
オムライスふっくら冬のレストラン
終わりなき「六甲おろし」秋の果
小春日や揮毫の構え流れ出す
和服に靴跳ねる境内七五三
着膨れを落とさぬように宮参り
靴音に朝の鼓動や花八手
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/11/24 22:27削除
第619回  選句

◯勤行を了え立冬の香を聞く
 厳しいお勤めを終え清々しい立冬。その緊張感を解くように香が漂う。
 「聞く」・・だから、お勤めの後、ご自分でお香を点てたのでしょうかね・・。

◯原発の稼働する街鶴渡る
 原発を動かすという重い課題を持った街。鶴は変わりなく軽やかに舞い降りる。

◎久々に雀来て鳴く一茶の忌
 「来て鳴く」の動詞の重なりがいい。リズムも心地よい
ちこりんさん (8mmormpc)2023/11/24 17:00削除
619回 選句
○勤行を了え立冬の香を聞く
立冬の香は、様々な想像を掻き立てます。繊細な感覚を感じました。

◎冬薔薇深紅巨人軍発祥地
漢語は余り多用するなといわれますが、漢字ばかりの掲句からは景と心情が伝わります。淡々とした描写の中に深紅が効いている一句。

○真鴨二羽小さき川に帰りきぬ
小さな川に二羽の鴨。なのに嬉しいは胸いっぱいに広がります。
のんさん (8b8xe2bx)2023/11/20 19:42削除
第619回 選句
〇黒富士の空の朱鷺色冬来る
 朱鷺色の空に黒富士、綺麗な景色は何度見ても感動します。

〇原発の稼働する街鶴渡る
 原発の稼働、難しい問題ですが、鶴は淡々と目的地を目指しているのですね。

〇ひさびさに雀来て鳴く一茶の忌
 庭かベランダ、野原に餌が少なくなってきたのかもしれませんが、来てくれたのはやっぱり嬉しい事です。

◎真鴨二羽小さき川に帰りきぬ
 私の散歩コースにも鴨戻って来ました。二羽とは本当に小さな日常生活に溶け込んでいる川なのだと思いました。
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/11/19 16:45削除
麦っこ619選句
「立冬」
勤行を了え立冬の香を聞く
 〇(邦夫)ごく稀に、ほとんど気まぐれで佛前に心経を誦すことがあり、そんな時は何となく清々しい気分になったりする。そうして香を聞いたりすれば何やら高尚な気分になるであろう。かつて一時聞香に興味を持ったことがあり、香炉などの道具をそろえ、香木も何種類か持っているが、日常の暮らしに精神的なゆとりも無く、戸棚の奥深くしまったままである。
黒富士の空の朱鷺色冬来る
 ◎(邦夫)絵葉書のような句だが、やはりこうした大らかな叙景句が魅力的である。
「発」
冬薔薇真紅巨人軍発祥地
 〇(邦夫)現在の谷津バラ園は、私などの子どもの頃は、谷津遊園といい、遊具も揃い、海水浴や潮干狩りもできる遊園地であった。そのはるか昔、1930年代にアメリカの野球チームが来日し、これと対抗試合をするために日本の代表チームが結成され谷津遊園の球場で練習を始めた。のちにこれが東京巨人軍となるのである。
葬の天の発光草の霜
 〇(邦夫)「葬」は、「ソウ」としか読みようがないが、字義から無理に訓ずれば「はぶり」「とむらい」などの読みがあろうか。掲句は、句の調べから考えて「とむらい」と読むのがよいだろう。葬の朝の空にこもる光が、重い悲しみを秘めた人々の心にふりかかるのである。路傍の草を濡らして光る霜が葬りに集う人々の心情を代弁しているようである。
「嬉しいこと」
真鴨二羽小さき川に帰りきぬ
 〇(邦夫)晩秋から初冬にかけて渡ってきた鴨、ふつうは群をなして「鴨の陣」を組むのだが、季節が早いのと小さな川であるので、二羽なのであろう。こんな小さな川にも、季節が至れば飛来する鴨を迎えて喜んでいるのである。「帰りきぬ」にそんな気持ちが滲み出ている。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/11/19 09:41削除
◎ひさびさに雀来て鳴く一茶の忌
 昔はどこにでもいた雀だが、近年はあまり見かけない。雀が数羽鳴きながら飛びまわっている様は、心を和ませる。
 折しも、それが一茶の忌日となれば、感慨深いものがある。
〇冬に入る玄関ドアの二重鍵
 これから厳しい冬を迎えるという時の、緊張感のようなものが、二重鍵に読み取れます。
〇靴音に朝の鼓動や花八手
 早朝の靴音が、作者の心をときめかせる。初冬に咲く八手の花は力強さを感じさせる。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/11/18 08:09削除
619回投句一覧&選句

◎黒富士の空の朱鷺色冬来る
景が美しい、朱鷺色の空に冬の来たことを感じる
〇原発の稼働する街鶴渡る
忘れられないあの震災思い出します
〇山眠るひとりの駅の発車ベル
長野でこんな駅に出会いました、長閑な感じを受けます
〇風一陣からころ笑い出す枯葉
からころ笑い出す枯葉、上手い表現ですね
〇ひさびさに雀来て鳴く一茶の忌
雀の句はやはり一茶を思い出しますね、季語がぴったり
まりさん (8md9x4e2)2023/11/16 09:23削除
619回選句

◎勤行を了え立冬の香を聞く
勤行も香を聞くのもご自分ですよね?勤行中も香を焚いていたのに、終わってほっとした瞬間に香に気が付いたととったのですが、「聞く」ですから、勤行を終えてから香をというのかもしれません。

〇原発の稼働する街鶴渡る
原発の恩恵を頂いてはいるのですが、こんなにも恐ろしいものだとはあの日まで知りませんでした。「稼働する」が重い。

〇黄落や新宿発の信濃行
晩秋の新宿からすっかり冬の信濃へ。

〇葬の天の発光草の霜
中七、私は告別式の空の青さととりました。なぜか告別式の凍空を幾度も経験しておりますので。

〇小春日や揮毫の構え流れ出す
構えが流れるという意味が解らないのですが、体勢が崩れるということ?他の言葉を探すのもアリかなとは思うのですが、詠みたい瞬間を捉えていると思います。
こがめさん (8atk17xs)2023/11/15 22:39削除
第619回麦っこ選句
◎黒富士の空の朱鷺色冬来る
富士山の景をよく見ている日常なのかな。黒、朱鷺色の対比で季節の変化と自然の雄大さを感じます。

〇冬薔薇深紅巨人軍発祥地
谷津の薔薇園の近くに碑がありましたね。漢字だけでも句の型がいいなと思いました。

〇山眠るひとりの駅の発車ベル
故郷の駅を思い出しました。無人駅だけど「発車」と車掌さんが言っていました。

〇聞き分けは発展途上七五三
〇和服に靴跳ねる境内七五三
境内での子どもの様子が浮かんできます。そしておやごさんの子への願いと思いやり
と心の広さが伺えます。
不来方さん (8jrlsjab)2023/11/13 12:02削除
第619回選句

◯黒富士の空の朱鷺色冬来る
 立冬の暁の富士山の荘厳な姿が迫って来る。「黒」と「朱鷺色」の「対比」がとてもいい。
◯原発の稼働する街鶴渡る
 川内原発であろうか。有名な鶴の飛来地出水は近い。原発の上を鶴がわてって行く光景は何故か終末の美を思う。
◯葬の天の発光草の霜
 わかりやすい言葉で書かれていないが、冬雷の日の野辺の送りの想像した。「草の霜」が淋しい。
◎ひさびさに雀来て鳴く一茶の忌
 何れ絶滅危惧種に指定されそうな雀の声を久々に聞いた喜びがよく分かる。一茶と雀という定番の取合せを自然体で詠んで心に沁みる句。
◯小春日や揮毫の構え流れ出す
 書道のとこはよく知らないが、「流れ出す」の措辞が名人芸の「揮毫の構え」とピッタリのような気がする。折しも穏やかな「小春日」で作者の心地よさがよく伝わって来る。
返信9
まりさん (8md9x4e2)2023/11/6 08:55 (No.78466)削除
618回投句一覧&選句

「黄落」
黄落や将軍墓への長い段
校庭は昔のままに黄落期
黄落や道着の群の鬨の声
黄落や捨墓隠る杜の隅
黄落期馬搬の深き轍跡
黄落を湛える水面歩く歩く
黄落の鴨場や江戸の風渡る
黄落や公衆電話の消えた駅
黄落の外苑無口なる過客
黄落や豊後臼杵の摩崖仏

「雲」
雲梯でサルのものまね文化の日
打杭機の反響さやに鰯雲
せめぎ合う姫神山よ冬雲よ
雲速き日の反戦集会暮の秋
捨案山子雲の流れを刻みゐて
入港の汽笛のどやか鰯雲
残照の秋夕雲へ入る機影
金色の雲に隠るる後の月
乱雲の広がる湖面スワン来る
雲を成す将軍の松秋麗

「数字」
七十は若手たわわに柿すだれ
工房の三畳一間秋惜しむ
コスモスの数だけ風の吹きゐたる
銀杏ちるひらひら手話の十の指
一杯の離宮の御薄白秋忌
一杯の新酒の試飲蔵の町
一椀を呈す尼寺の白い萩
柿熟れて又三郎が駈けてくる
庭先で障子を洗う夫ひとり
全児童八人校庭は花野
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/11/24 22:03削除
第618回  選句

◯黄落期馬搬の深き轍跡
◎雲速き日の反戦集会暮の秋
 「雲速き日」が集会に参加する心のざわつきを暗示しているようです。
◯工房の三畳一間秋惜しむ
のんさん (8b8xe2bx)2023/11/12 20:25削除
第618回 選句

〇黄落期馬搬の深き轍跡
 民話か童話の一ページのようです。去っていった蹄の音が聞こえてくるようです。

〇残照の秋夕雲へ入る機影 
 我が家からも西側の基地に戻るヘリコプターが良く見えます。美しい表現に感心しました。

◎工房の三畳一間秋惜しむ
 何の工房でしょうか、伝統工芸品の実演販売とかを思いました。コツコツと一人で伝統を守り続けている職人さんが浮かびました。

〇銀杏ちるひらひら手話の十の指
 「十の指」まで言った事で、様子がより具体的になりました。
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/11/12 16:02削除
◎黄落の鴨場や江戸の風渡る
 鴨場は東京都内、千葉、埼玉などに残っているが、普段あまり馴染みのない場所だけに、江戸の風を感じたのかもしれない。
〇黄落や道着の群の鬨の声
 晩秋から初冬にかけての、澄み切った空気の流れのようなものが感じられます。
〇黄落期馬搬の深き轍跡
 田んぼの畦道さえも舗装されているような時代。その土地の住人にしか詠めない作品。
〇残照の秋夕雲へ入る機影
 美しい秋空の一片を切り取ったような句。
c
太郎さん (8aq3zcoi)2023/11/12 14:36削除
麦っこ618選句
「黄落」
〇黄落期馬搬の深き轍跡
 重機のかわりに馬が曳く荷の重さが「深き轍跡」に表れる。「轍跡」の「跡」は言わなくてもよい。「深轍」という言い方がある。
◎黄落の鴨場や江戸の風渡る
 鴨場には、江戸時代からの猟法やしきたりが残っているのだろう。「江戸の風渡る」がいい。
〇黄落や豊後臼杵の摩崖仏
 固有名詞が生きて、大景がありありと伝わる。

「雲」
〇残照の秋夕雲へ入る機影
 美しい景だが、叙述が少々もたついている。「残照の秋」には少し違和感があり、「残照」と「夕雲」にも重複感がある。

「数」
〇コスモスの数だけ風の吹きゐたる
 コスモスの花の数だけ風が吹いているという把握には共感する。「ゐたる」は少しゆるい表現のようだ。
〇銀杏ちるひらひら手話の十の指
 これも好題材だが、表現をもっと引き締めて立ち姿のよい句にしたい。「ひらひら」は、手話の十指を言うのだろうが、子の位置だと「銀杏散る」にもかかるように思われる。どっちつかずの宙ぶらりんは好ましくないと思う。
〇全児童八人校庭は花野
 校庭に花がたくさん植わっているとも、学校の周囲の花野がすべて校庭と思われるともとれるが、そのへんをかちっと表現できたらもっとよいと思う。
ちこりんさん (8mmormpc)2023/11/12 07:19削除
618回 選句
○黄落や豊後臼杵の磨崖仏
訪れたのは春先でしたが、黄落の臼杵は、秋の静けさが伝わります。

◎雲速き日の反戦集会暮の秋
上五に思いが投影され、共感。反戦の言葉が重い。

○せめぎ合う姫神山よ冬雲よ
冬に入る自然の変化が目に浮かびます。そこに暮らす人々の思いもまた。

○銀杏ちるひらひら手話の十の指
手話は銀杏からの連想でしょう。柔らかな感性。
こがめさん (8atk17xs)2023/11/10 11:24削除
第618回麦っこ選句

○黄落期馬搬の深き轍跡

○残照の秋夕雲へ入る機影

○コスモスの数だけ風の吹きゐたる

◎銀杏ちるひらひら手話の十の指
手話の様子が浮かんできます。「銀杏ちるひらひら」から指がしなやかで流暢に動いている様子が表現されています。
まりさん (8md9x4e2)2023/11/9 16:24削除
618回選句

〇黄落期馬搬の深き轍跡
たまたまテレビで、ずんぐりと逞しい脚の馬が丸太を曳いている遠野の馬搬を見ました。車を使うには山を壊して大きな道を作らねばならないが、馬搬なら樹々の間を馬が通ればいいのだと。しかし大変な作業です。継ぐ方はいるのでしょうか。

○黄落の鴨場や江戸の風渡る
私は歴史を残す場所での句は苦手で、ついつい別の角度を探してしまいます。江戸時代のものは多く残っていますが、江戸の風を感じる場はそう多くはありません。

○雲速き日の反戦集会暮の秋
実景だったのか悩んだ末の言葉なのかわかりませんが上五が気になりました。こういう場面での上五は難しいですが、私にはいい塩梅に感じられました。

◎残照の秋夕雲へ入る機影
私も同じような景は見ているのに、「飛行機」の4文字は使いにくいし「飛機」はあまり好きではないしと諦めていました。「機影」があったか!と。知らない言葉ではないのに出てきませんでした。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2023/11/9 07:21削除
618回選句

〇校庭は昔のままに黄落期
母校を訪ねると桜や銀杏が黄落時期、懐かしく思います。
〇黄落の鴨場や江戸の風渡る
「江戸の風渡る」でお台場をイメージしました。
〇雲速き日の反戦集会暮の秋
現在のウクライナが浮かび戦争は反対。
〇残照の秋夕雲へ入る機影
秋空にぽっかりと雲飛行機がその中へと、印象残った句。
〇コスモスの数だけ風の吹きゐたる
コスモスの咲き誇る広々とした景を感じます、一つ一つの花びらに風が撫でているよう。
銀杏ちるひらひら手話の十の指
◎銀杏のひらひらと散る様子と全部の指を動かし手話している様子何か響きあっているようで好きな句です。
天馬さん (8wo186pe)2023/11/7 11:54削除
618選句

○黄落の鴨場や江戸の風渡る
私には作れなあなぁと。惹かれます。
○黄落や公衆電話の消えた駅
昨日は渋民駅近くで熊の目撃情報があり、猟友会が見回っていました。スマホを持たない子供たちが迎えを頼むのに大切な電話で無くなったらほんとうに困る。掲句は都会のことかな…と。
○雲速き日の反戦集会暮の秋
労組OBとして集会に声を掛けられますが、何とも重い腰であること反省。
◎残照の秋夕雲へ入る機影
景が広々として、秋の名残も感じられ頂きました。

※ 不来方さん、馬搬は今もあります。木出しの遠野馬です。
不来方さん (8b8tdv36)2023/11/6 17:20削除
第618回麦っこ選句

◯黄落や道着の群の鬨の声
 折しも全日本剣道選手権で初めて広島県の方が優勝した。スポーツの秋。武道の稽古の声が高々と黄落期の道場周辺に響きわたる凛とした空気感がいい。

◯黄落期馬搬の深き轍跡
 今でも馬で木材を運搬しているかどうかはともかく、かつての馬搬道の轍に黄葉が散る様はさぞかし美しいことだろう。

◯黄落や公衆電話の消えた駅
 公衆電話は駅近でも段々見かけなくなった。黄落の寂しさと呼応し合っている。

□黄落や捨墓隠る杜の隅
 捨墓が歴史的にも現実としても切ない句材。黄落とも合っている。ただ「隠る」の終止形だと三段切れに近いかも。

◎雲速き日の反戦集会暮の秋
 七七五のリズムはすっと入って来た。10月21日の国際反戦デイでの小さな反戦集会であろうか。晩秋の雲の移ろいと反戦の志の高い人たちの思いとの対比が心に響く。

◯銀杏ちるひらひら手話の十の指
 両掛の「ひらひら」が効いていて、銀杏の散る様を説明している手話の人の手の動きがリアル。(何を説明しているかはこの句の鑑賞の本質ではない)
返信10
ハナハナさん (8wiupmvi)2023/11/23 23:04 (No.81782)削除
621投句

門柱に鴉勤労感謝の日
傘立の底の湿りや夕時雨
蒸し上がる赤飯の香小六月
返信
返信0
こがめさん (8atk17xs)2023/11/12 16:32 (No.79663)削除
第620回麦っこお題

620回 麦っこお題
季語   枯葉

文字   子

雑詠   鳥のこと
返信
智美さん (8kfpafc0)2023/11/20 07:19削除
第620回  投句

日一日枯葉に埋もる村の黙
榾爆ぜて山家に残る子守唄
小春日や子らの遊びを見る鴉
ちこりんさん (8mmormpc)2023/11/19 20:04削除
620回 投句
バス停の裸電球散る枯葉
一湾を囲む堤防冬帽子
帆柱の傾く潮目冬かもめ
天馬さん (8wo186pe)2023/11/19 18:03削除
620投句

一葉ごと音色違えて枯葉かな
熊の子の奥に母熊揺るる笹
朝刊の一面白鳥初飛来
のんさん (8b8xe2bx)2023/11/18 21:41削除
第620回 投句

枯葉道大規模団地の高齢化
冬うらら子に頼り切る電子機器
冬晴れの国境の河白き鳥
ハナハナさん (8wiupmvi)2023/11/18 20:03削除
黙々と枯葉集める紺絣
子の遊び朴の枯葉は父の皿
電源の届かぬ里や白鳥来
太郎さん (8oylunww)2023/11/18 13:43削除
麦っこ620投句
一望の蓮田やからからと枯葉
切り貼りの花の増えたる白障子
山鳩のかけあい焚火の爆ぜる音
こがめさん (8atk17xs)2023/11/17 22:06削除
第620回麦っこ投句
枯葉舞う並木を走るサッカー部

賑やかに椅子取りゲーム冬麗

初鴨を待つ野川の見守り隊
まりさん (8md9x4e2)2023/11/16 09:55削除
620回投句

山門も鳥居も枯葉走る中
山眠るイーハトーブの小さき椅子
冬鴎吃水深く戻る船
不来方さん (8b8tdv36)2023/11/15 08:38削除
第620回投句

枯葉愛すヴェルレーヌにはなれずとも

城ヶ島へ天使の梯子白秋忌

寒鴉の眼と合う羅漢の目のやさし
ジュピターさん (8pymq0ud)2023/11/13 17:44削除
620回投句

 枯柏鳴るや高炉の消えた街
 遊学の子の帰る夜の鯨鍋
 内証を知り尽すやに寒鴉
返信10
まりさん (8md9x4e2)2023/11/13 10:04 (No.79756)削除
出題をよろしくお願いいたします。

11月19日  太郎
11月26日  天馬
12月 3日  のん
12月10日  ジュピター
12月17日  智美
12月24日  不来方
12月31日  ちこりん
 1月 7日  ハナハナ
 1月14日  こがめ
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