麦船橋句会

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掲示板の主旨に反する投稿は掲載されません。掲載の是非は管理者が判断いたします。予めご了承願います。
不来方さん (8b8tdv36)2024/10/13 06:30 (No.118555)削除
第668回出題

題詠   案山子(傍題可)
文字詠  草
テーマ詠 「赤」から連想するもの
返信
まきえっとさん (8rypn25h)2024/10/20 17:17削除
麦っこ668回
案山子立つ世に三人のそっくりさん
藁草履吊るす土産屋木の実落つ
柿紅葉脚立に寄せる竹箒
太郎さん (8aq3zcoi)2024/10/20 10:23削除
麦っこ668投句
威厳ある案山子昭和の生き残り
浅草の夜や小上がりの今年酒
うから住む寒村烏瓜熟るる
のんさん (8b8xe2bx)2024/10/20 10:16削除
第668回 投句

起立の案山子減速の選挙カー
なだらかな丘は天まで草紅葉
秋闌けて還暦祝いのスニーカー
ちこりんさん (8mmormpc)2024/10/20 07:49削除
668回 投句

野晒しの案山子雲に乗りたがる

蛇笏忌やスンと息吐く銀の草

茱萸万朶路地に残りし子らの声
ハナハナさん (8wiupmvi)2024/10/19 19:51削除
668回投句

休む田へ残る案山子や一番星
岩肌を薄紅色に草紅葉
木漏れ日や秋蝶くぐる朱の鳥居
メイさん (9b18fqgg)2024/10/19 09:11削除
668回投句

案山子翁乾いてもまた濡れそぼり
草雲雀袴田さんに選挙権
唐辛子地獄の業火にも似たり
まりさん (8md9x4e2)2024/10/18 10:00削除
668回投句

眠たげな山や案山子の貌畳む
木洩れ日に居眠る羅漢時鳥草
片耳の林檎の兎「ぐりとぐら」
こがめさん (8atk17xs)2024/10/17 20:58削除
第668回麦っこ投句
ヘルメットの大谷案山子太き眉

四阿の屋根を彩る草紅葉

ロープウェイゆっくり登る紅葉山
不来方さん (8b8tdv36)2024/10/15 17:23削除
第668回投句

矍鑠と案山子翁立つ休耕田

草の実やひとり遊びの秘密基地

血の騒ぐ通りすがりの村祭
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/10/14 16:56削除
668回投句
 市の無線防災放送聞く案山子
 草の秀の揺るるにまかせ赤とんぼ
 まほろばを火の海にして曼殊沙華
返信10
まりさん (8md9x4e2)2024/10/20 10:13 (No.119280)削除
出題 お願いいたします。

10月20日  ハナハナ
10月27日  ちこりん
11月 3日  メイ
11月10日  こがめ
11月17日  天馬
11月24日  太郎
12月 1日  のん
12月 8日  ジュピター
12月15日  まきえっと
12月22日  不来方
12月29日  ハナハナ
返信
返信0
太郎さん (8aq3zcoi)2024/10/6 10:27 (No.117797)削除
麦っこ666 投句一覧
 選句をお願いします。

「小鳥来る」
おにぎりは鮭と梅干小鳥来る
ホスピスの無音の扉小鳥来る
小鳥来るD51座る屋根の上
小鳥来る下総成田の寺の簷
小鳥来る七十路坂の入口に
小鳥来る両手の窪に樋の水
消え残る踏絵のマリア小鳥来る
鳥渡る理想郷という岬
美しくアートなトイレ小鳥来る
「玉」
お手玉の綺麗な音す数珠の玉
けん玉の巧き少年秋うらら
ビー玉の藍に溶けこむ秋入日
雁渡し水晶玉の過去未来
玉子産み終えし秋鮭ほっちゃられ
産土の神のふところ龍の玉
秋うらら水玉模様のマタニティー
数珠玉や母若くして母となる
露の玉あのおとうとの孫自慢
「作品」
セザンヌの自画像桜紅葉散る
渦を巻くゴッホの苦悩星月夜
仮縫いの手作りドレス稲の秋
首長き花瓶に活けし濃竜胆
長月のレンブラントの夜の光
鈍色のオブジェの「無題」赤とんぼ
鼻高々と若冲の象秋風裡
浮かびては消ゆる言の葉星月夜
藍染の個展の案内秋浅し
返信
まりさん (8md9x4e2)2024/10/19 06:48削除
◎忘れ

太郎さんの選句が入り、私はどの句を頂いていたんだっけ?と再読しましたら、◎がありませんでした。
この頃ミスの多いこと。情けなし。訂正お願いします。
◎秋うらら水玉模様のマタニティー
太郎さん (923uhctl)2024/10/18 16:59削除
麦っこ666選句
「小鳥来る」
 ○消え残る踏絵のマリア小鳥来る
 当初は紙に描かれたイエスやマリアであったという。損傷が激しく材質が変えられたと聞く。今存在しているものはみな「消え残る」のであろう。「小鳥来る」が切ない。
 ◎鳥渡る理想郷という岬
 千葉県勝浦市にある鵜原理想郷は、やや小規模ながら岬とリアス式海岸の絶景ポイントがあり、千葉県にもこんなところがあったのかと思わせる。天気に恵まれれば、朝も昼も、黄昏時も最高の眺めと最高の空間が展開し、まさに房総のユートピアである。空ゆく渡り鳥もこの眺望に、長旅の疲れを癒やし慰めているだろう。 

「玉」
 ○産土の神のふところ龍の玉
 神苑の奥処に一群れの龍の髯が生えていて、叢の中に碧い竜の玉が見える。「神のふところ」は、身の引き締まるような、一方では神が懐かしいような気分である。
  龍の玉の一粒は、そんな気分が凝縮しているように思われる。

「作品」
 ○首長き花瓶に活けし濃竜胆
 首長き花瓶(鶴首)に、数本の濃竜胆を活けて床の間などに置くと、花野に出たような気分になる。「活けし」は、「活ける」と現在形で言うほうが臨場感が出ると思う。 

○鈍色のオブジェの「無題」赤とんぼ
 川村記念美術館が閉館もしくは小規模化移転を考えているという。モネやルノワール、シャガールやレンブラント、その他数多くの名画とともに、数多くのオブジェを鑑賞した。鉄やアルミの素材で作ったオブジェは、馴染むまでに時間がかかったが、今となっては懐かしい作品群である。季語「赤とんぼ」がぴったりである。
のんさん (8b8xe2bx)2024/10/13 22:22削除
第665回 選句
〇ホスピスの無音の扉小鳥来る
 ホスピスを訪ねた事はありませんが、たぶん静かな所、小鳥のさえずりは慰めになっていることでしょう。
〇玉子産み終えし秋鮭ほっちゃられ
 「ほっちゃられ」という何ともユニークな表現に惹かれました。産卵を終えた鮭は食べてもおいしくないのでしょうね。
〇秋うらら水玉模様のマタニティー
 とても幸せそうな妊婦さんが目に浮かびます。
◎渦を巻くゴッホの苦悩星月夜
 作品というテーマにこの句が、一番深くゴッホの絵を鑑賞し、表現していると思いました。
〇仮縫いの手作りドレス稲の秋
 今は既製服の時代ですが、自分で作るとはすごいです。仮縫いは大事、楽しい作業ですね。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/10/13 16:48削除
◎数珠玉や母若くして母となる
 二十歳そこそこで子をなした母を思う句だろうか。数珠玉で拵えた首輪かそれともお手玉が母の記憶につながる・
〇ホスピスの無音の扉小鳥来る
 音のしない施設の周囲にも、秋になると小鳥がやってきて人の心を和ませる。
〇雁渡し水晶玉の過去未来
 水晶玉には人生を占う不思議な力が秘められている。秋空に涼しい風が吹く頃になると、自分の過去未来を覗いてみたくなる。
〇浮かびては消ゆる言の葉星月夜
 星月夜に句作に耽っていると、次々に言葉が浮かんでは消えて行く。作者の至福のひと時か。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/10/13 11:36削除
666回  選句
○ホスピスの無音の扉小鳥来る

人の訪れも少なく、ひっそりと佇むホスピス。
小鳥があたたかい。

○秋うらら水玉模様のマタニティ

取り合わせ良く、幸福感が伝わります。水玉模様は草間彌生が有名ですが、何故か、たくましい生命力を感じます。

◎鼻高々と若冲の象秋風裡

象と鯨の屏風絵でしょうか。絵の中の象の鼻の躍動感と秋風の取り合わせもいいですね。
ふたばさん (8augfkle)2024/10/12 18:45削除
第666回選句

○おにぎりは鮭と梅干小鳥来る
 端的に述べていて、すとんと胸におちます。「鮭と梅干」私も大好きです。

◎ホスピスの無音の扉小鳥来る
 「無音の扉」が重く切ない。小鳥に救われます。

〇ビー玉の藍に溶けこむ秋入日
 映像に鮮やか。季語が効いています。

○数珠玉や母若くして母となる
 私の母も18で母になっています。ちなみに私は父が出征するときに生まれました。

○浮かびては消ゆる言の葉星月夜
 共感しました。メモしようと思っているうちに忘れてしまいます。麦っこのお題さえも…。
メイさん (9arghl9c)2024/10/12 12:59削除
〇おにぎりは鮭と梅干小鳥来る
お弁当を広げている光景が、すっきりと描かれています。

〇ホスピスの無音の扉小鳥来る
無音の扉がホスピスの存在を象徴しているよう。小鳥来るで日差しが感じられるのが嬉しい。

〇ビー玉の藍に溶けこむ秋入日
「藍に溶けこむ」が繊細で美しい。たくさんのビー玉と秋の入日の饗宴。

◎数珠玉や母若くして母となる
取り合せによってリアリティが生まれました。「母若くして」が示す時間の流れが、切なく美しい。

〇セザンヌの自画像桜紅葉散る
セザンヌの絵の光りと影、透明感と「桜紅葉散る」が共鳴しています。
こがめさん (8atk17xs)2024/10/10 20:32削除
第666回麦っこ選句
○おにぎりは鮭と梅干小鳥来る
おにぎりを食べている景ですね。とても気持ちよさそうに外で食べているのだろう。
「小鳥来る」の季語の使い方が参考になりました。

○ホスピスの無音の扉小鳥来る
「小鳥来る」でちょっと心が明るくなりました。

◎玉子産み終えし秋鮭ほっちゃられ
「ほっちゃられ」の表現がいいなと思います。かわいそうだけど現実です。

○数珠玉や母若くして母となる
お母さんは若い時に結婚してそして子育てをしたのだろう。私の母もそうでした。
「数珠玉」から母のことを重ねることで母との過ごした景が浮かんできます。

○仮縫いの手作りドレス稲の秋
手作りなんていいですね。愛情がこもっています。
まりさん (8md9x4e2)2024/10/10 15:31削除
666回選句

○おにぎりは鮭と梅干小鳥来る
この明るさが大好き。私もおにぎりは鮭と梅干ですし!

○消え残る踏絵のマリア小鳥来る
季語に救われます。美しい声の小鳥であってほしいです。

◇けん玉の巧き少年秋うらら
「巧き」とまとめると瞬時にわかる気になりますが、俳句的にはこれは描写(映像)ではなく説明。
欲をいえば映像となる具体が欲しい所ですがかなり難しい。
このまま置いておけばいつか言葉がおりてくるかもしれません。

◯ 数珠玉や母若くして母となる
季語がいいですね。私の母も父の出征中に18で母となりました。時代とは言え、どれだけ大変だったか…

○秋うらら水玉模様のマタニティー
ポップな明るさがすてき。読む方も幸せな気持ちになります。

○渦を巻くゴッホの苦悩星月夜
息子がなぜか「星月夜」のあの糸杉が好きで、ゴッホの絵本を買ってやったことがありました。あの渦は苦悩。絵の星月夜と目の前の星月夜との交差。

○浮かびては消ゆる言の葉星月夜
この言葉の逡巡は、全国大会吟行の部第一位につながりましたネ!
不来方さん (8b8tdv36)2024/10/8 16:15削除
第666日選句

◎ ホスピスの無音の扉小鳥来る
 誰も訪れないホスピス。小鳥が明るく且つ切ない。
◯玉子産み終えし秋鮭ほっちゃられ
この非情を「ほっちやられ」という諧謔語で客観的に描き切った。
◯ 雁渡し水晶玉の過去未来
「水晶玉」の抽象性をどう具象化させて読めるか。数千年の時空を超えた権力の象徴のような宝物(水晶玉)をこれまた時空を超えた「雁渡し」が吹き抜けてゆく。未来永劫変わらぬものを配して、人間の有限性を詠った句かと。深読み過ぎるだろうか。
◯ 数珠玉や母若くして母となる
作者も、若くして結婚し一家を成した亡きお母様も、子供の頃数珠玉をとって遊んだ。数珠玉を介して母を甦らせた魂の一句。
◯ 鈍色のオブジェの「無題」赤とんぼ
「無題」の斡旋で赤とんぼの動きが生き生きと伝わって来る。神の作り出した作品であるかのように。
返信10
まりさん (8md9x4e2)2024/9/30 08:39 (No.117322)削除
665回投句一覧&選句


揺さぶりをかけて引きたる二子芋
芋水車脇街道の鷺の川
対岸の生死ずるずる芋の蔓
里芋の孫子あまたの昭和かな (訂正)
出征の日々語らずに父芋の露
墓だけの残る故郷芋の秋
八頭の面構え良し抑え込む
芋の茎藁で三つ編み車庫の軒
芋の秋研ぎ師来る日の幟旗
芋を煮る厨に妻は老いてゆき
お岩木の麓の宿の芋の子汁


鰯雲波乱の予感デットボール
秋日濃し波立ち渡る九十九里
汀女忌や刺し子布巾の青海波
落日の芒の波や金銀に
小鳥来る街に溶け込む電波塔
鯔飛んで「たまや」「かぎや」の波止場かな
身に入むや岩鼻攻める波頭
沈黙のながき波紋や檸檬噛む
江の島や波紋を描く秋の風
長き夜の滲むネオンや傘の波
波風をたてるのが好き鵙の贄


台風の爪痕未だ陸羽東線
島洗う波音夜の鰯雲
渋翁の生誕の地を巡る秋
千畳敷はたての没日今年酒
胃に沁みる白粥の滋味露の宿
湯治湯や峠の宿の草紅葉
晩秋の巴里の下町旅かばん
連結のはやてこまちや秋日和
差出人不明の旅信二十日月
つれづれに紡ぐ旅愁や青葡萄
海神楽と聞けば待たるる秋の旅


まきえっとさんは欠席です。
今週末から「麦」全国大会のため琵琶湖へ。
大会参加のみなさま、できるだけ投句をしてからおでかけください。
とりまとめは太郎さんにおねがいしております。
よろしくお願いいたします。
返信
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/10/14 19:05削除
665回投句選句

〇芋を煮る厨に妻は老いてゆき
永く連れそわれた奥様を思う心が見えてきます
〇秋日濃し波立ち渡る九十九里
九十九里浜は砂漠のような広さを感じました、遠くに波立景が秋の深さを感じる素敵な景です
〇汀女忌や刺し子布巾の青海波
一針ごと丁寧に刺す根気のいる作業出来上がると素敵な味のある模様が青海波ですね
◎島洗う波音夜の鰯雲
初島を思い浮かべました、「夜の鰯雲」で波音に秋思している姿を感じます句の調べに感動

選句大変遅くなりました
太郎さん (8aq3zcoi)2024/10/13 11:58削除
麦っこ665選句
「芋」
○墓だけの残る故郷芋の秋
 久しぶりに故郷に帰ったら、うからやからや知人達がみな世を去って、墓だけが残っていた。その人達の住んでいた家も、かつ過ごした学校やいろいろな建物までも無くなるか建て替えられるかして、見る影もなかつたという魂の抜けたような寂しさである。

「波」
○汀女忌や刺し子布巾の青海波  
 刺子は、綿布を重ねて一針抜きに細かく縫ったもので、非常に手のかかる、丈夫なものである。その模様が古典的な青海波の文様であることから、その布を刺した人の人柄が偲ばれようというものである。折しも汀女忌、亡き母上のことを懐かしく思い出しているのだろうか。

「旅」
◎島洗う波音夜の鰯雲
 さほど大きくない島にいて、周囲に潮騒(あるいは海鳴り)を聞いているのだろう。または、小高い丘か岬鼻に立って、ぐるりの海岸を俯瞰し夜目に立ち渡る白波を見、波音を聞いているのかもしれない。月明かりか星明かりか、夜空にくっきりと鰯雲が見えて、大自然の中にいるという感覚を際立たせているのだ。
○差出人不明の旅信二十日月
 わたしのところへも、たまに、受取人と本文が書かれていて、差出人の名前などが書かれていない絵葉書がくることがある。文字の癖や内容から誰からのものか察しられることもあるが、わからないことも多い。二十日月は更待月で、もう半ば欠けて光もほのかになり寂しさがつのる。
天馬さん (9aki7mb4)2024/10/7 16:13削除
665選句

○出征の日々語らずに父芋の露
○芋を煮る厨に妻は老いてゆき
○小鳥来る街に溶け込む電波塔
○沈黙のながき波紋や檸檬噛む
◎島洗う波音夜の鰯雲
調べが良く、「夜の」の意外さにも惹かれました。

コメント少なくすみません。
のんさん (8b8xe2bx)2024/10/6 18:36削除
第665回 選句

〇芋を煮る厨に妻は老いてゆき
 芋を上手に煮る奥様なのでしょう。優しい眼差しを感じます。
〇秋日濃し波立ち渡る九十九里
 長々と続く九十九里浜の風と光と音が感じられます。
〇汀女忌や刺し子布巾の青海波
 良き母、良き妻であったであろう汀女さん、取合せの良い句です。
◎島洗う波音夜の鰯雲
 「夜の鰯雲」秋ならではの清浄な空気、島ならではの大きな空、立ち会えた感動が伝わって来ます。
〇差出人不明の旅信二十日月
 絵葉書でしょうか。多分あわてんぼうのあの人と、、、旅信、嬉しいものです
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/10/6 11:38削除
665回選句
◎汀女忌や刺し子布巾の青海波
 日常の些事をありのままに詠んだ汀女。青海波の措辞に、平穏な日々の暮らしが永遠に続くことを願う
 汀女の思いに心を寄せた句である。
〇芋の秋研ぎ師来る日の幟旗
 中七以降は過ぎし日の鮮明な記憶だろう。芋の秋という季語を具象化させている。
〇小鳥来る街に溶け込む電波塔
 電波塔という非日常的なものを街に溶け込むと詠んだところが巧い。
〇差出人不明の旅信二十日月
 差出人不明の人はごく親しい人か。二十日月に作者の待ちわびていた気持ちが窺える。
ふたばさん (8augfkle)2024/10/5 18:09削除
665回選句

〇墓だけの残る故郷芋の秋
 昔はみんなでよく芋を食べたものだった。今は誰もいない。時の流れが感じられる寂しい光景です。

○芋を煮る厨に妻は老いてゆき
 奥さまへの愛情がしみじみと伝わってきました。

○秋日濃し波立ち渡る九十九里
 九十九里に何度か行きましたが、いつも清々とした気持ちになります。波の動きがリアルに感じられます。

◎島洗う波音夜の鰯雲
 「夜の鰯雲」が魅力的。夜の空の明るさ寄せる波音など、その場に立っているような臨場感。 「島洗う」の
 措辞にも魅かれました。
メイさん (9ahiskth)2024/10/5 14:09削除
665回選句

〇対岸の生死ずるずる芋の蔓
「ずるずる」の音が、どうしようもない殺し合いの現実を象徴しています。
〇出征の日々語らずに父芋の露
語らない語れなかった日々に、芋の露が寄り添っているかのよう。
〇芋の秋研ぎ師来る日の幟旗
季語と幟旗の景が、生活の中で輝いています。

〇長き夜の滲むネオンや傘の波
雨の街中のちょっと疲れた雰囲気が、傘の波で具象化されていると思いました。
◎島洗う波音夜の鰯雲
「夜の」と限定したことで、島洗う波音も鰯雲も輝きだしました。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/10/3 13:16削除
665回 選句

○芋の秋研ぎ師来る日の幟旗

地方の道の駅などに研ぎ師の来る日。秋の風景の一つてあり、土地の暮らしぶりを感じます。取り合わせがいいと思います。

○秋日濃し波立ち渡る九十九里

秋の夕日は一際強くて濃いと思います。九十九里の白波とのコントラストが美しい。

◎沈黙のながき波紋や檸檬噛む

ながきが少し気にはなりましたが、重たい部屋?の空気にあの檸檬の香りがさっとたつ設定がいい。ドラマを感じます。

○波風を立てるのが好き鵙の贄

鵙のあざとさ?と賢さが微妙に上五中七と響き合っているように思います。
季語が効いてますね。
こがめさん (8atk17xs)2024/10/2 20:36削除
第665回麦っこ選句
○墓だけの残る故郷芋の秋
「芋の秋」の季語から故郷の景が浮かんできます。故郷をとても大切におもっていても。。
寂しさが伝わってきます。

○芋を煮る厨に妻は老いてゆき
料理上手の奥さんを見守っているやさしさを感じます。

◎小鳥来る街に溶け込む電波塔
中七の「街に溶け込む」の表現が参考になりました。季語の使い方が参考になりました。

○差出人不明の旅信二十日月
ほんわかする句です。不明でもきっと誰だかわかっただろうな。季語の使い方が上記の句と一緒に参考になりました。
まりさん (8md9x4e2)2024/10/2 09:27削除
665回選句

〇墓だけの残る故郷芋の秋
〇 小鳥来る街に溶け込む電波塔
どちらも平凡な素材ですが季語の斡旋がいいと思いました。季語の選択は大切。いろいろな句を読んで勉強させていただいています。

◎汀女忌や刺し子布巾の青海波
今まで「汀女忌」を使うことはもちろん、頂くこともなかったのですが、この句にはついつい。
農閑期の冬、炬燵で編み物と刺し子布巾作りの母。丁寧な作品をいくつもらったことか。刺し子はもったいなくて使っていなかったのですが、母亡き後普段使いに。手によく馴染み本当に使い勝手がいいのです。縫い目が切れて模様が半分になっても使い続けました。麻の葉・菱・七宝つなぎ・花ざし・青海波・・・この句では「青海波」が、甘くなりがちな忌日俳句を締めていると思います。

◇晩秋の巴里の下町旅かばん
◇八頭の面構え良し抑え込む
下五が句を平凡にしてしまいもったいないなと。
「困った時の旅かばん」は安易。粘ってパリの情景にするかちょっと目先を変えるか。
「抑え込む」ここでは「自分の動作」を消したほうがいいと思います。風景やモノは自分の行動よりずっと偉大。
自分を出すことによって景に動きが出て生き生きすることもありますので一概には言えませんが、
「モノに語らせろ」と何度も何度も言われ続けてきました。永遠の課題です。

〇差出人不明の旅信二十日月
差出人不明の句は何度か見ていますが、「旅信」には、ありそ!と思いました。絵葉書なのに、表に名前を書いた気になってしまうことはありそうです。季語何でも合いそうなのは逆に難しいですね。
郵便料金が上がりましたね。切手と葉書、たくさん買い込みました。
不来方さん (8b8tdv36)2024/9/30 15:48削除
第665回選句

◯墓だけの残る故郷芋の秋 
 甘藷の採れる頃は何となく郷愁を覚える。その故郷も今は跡取りの絶えた家が殆どで墓だけが残っているばかり。日本の現在を象徴するような句。
◎芋を煮る厨に妻は老いてゆき
 「芋を煮る」は質素な暮しぶりの象徴。奥様への感謝の気持ちが滲み出ている。
◯ 汀女忌や刺し子布巾の青海波 
 良妻賢母で名高い中村汀女へのオマージュ。題の「波」の使い方が巧い。
◯ 小鳥来る街に溶け込む電波塔
 中堅都市ならどこにでもありそうな景色だが、見逃しやすい電波塔。小鳥とのハーモニーが佳い。
◯ 島洗う波音夜の鰯雲
 聴覚(波音だけの静寂感)と視覚(夜空を泳ぐモノクロの鰯雲の大景)の取合せで、しみじみとした旅情がよく伝わってくる。
返信11
ちこりんさん (8mmormpc)2024/10/8 18:34 (No.118080)削除
667回 お題

季語  蟷螂
文字  予
雑詠  自由
返信
天馬さん (9at66swm)2024/10/13 17:46削除
667投句

微動だにせぬ蟷螂の産卵期
予め聞いてはいたと酌む新酒
解体か震災遺構か小鳥来る
ちこりんさん (8mmormpc)2024/10/13 11:06削除
667回 投句
蟷螂の石と化すらむ草の海

色鳥や鹿島の森の神の予知

走り根の階の果て海冷ゆる
ふたばさん (8augfkle)2024/10/13 05:46削除
第667回 投句

欄干で何に威嚇やいぼむしり
体調に予定は未定秋の旅(訂正)
十月は母と姉の忌空を恋う
のんさん (8b8xe2bx)2024/10/12 22:28削除
第667回 投句

奪われたサドル蟷螂居座って
秋晴れて予約席より水平線
伐採の大樹秋空深くする
こがめさん (8atk17xs)2024/10/12 21:54削除
第667回麦っこ投句
葉に隠る緑美し子蟷螂

予報士の声も爽やか三連休

子ら走る拍手止まない運動会
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/10/12 21:39削除
第667麦っこ投句

蟷螂の光る眼玉や雨曇り
手馴れないネットの予約秋の宿
青信号肩の擦れ合い秋気澄む
まきえっとさん (8rypn25h)2024/10/12 21:24削除
第667回投句

茅葺の小さき山門枯蟷螂
小鳥来る予約必須の窓の席
渇水の現れる村暮の秋
メイさん (9arghl9c)2024/10/12 13:00削除
667回投句

鎌切は宇宙の子かな鎌磨く
鹿鳴くや暗号めいた予定表
稲の花「第九」練習始まれり
不来方さん (8b8tdv36)2024/10/12 05:40削除
第667回投句

蟷螂の横顔さみし子規に似て

秋刀魚焼く予定表にはなき客と

秋思ふと下り列車の通り過ぐ
まりさん (8md9x4e2)2024/10/10 15:33削除
667回投句

螳螂の威嚇の反り身光堂
雁の棹沖より晴れて来る予感
手の甲の青き血脈十三夜
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/10/9 21:53削除
667回投句
雄を食らひ虚空を拝むいぼむしり
柿熟るる伊予の段畑遠汽笛
魂を放ちて軽ろき捨案山子
太郎さん (911fickt)2024/10/9 14:30削除
麦っこ667投句
なんとなく気が急く朝の枯蟷螂
晩秋の真夜の海鳴り死の予感
秋風や八尾の朝の石畳
返信12
こがめさん (8atk17xs)2024/9/29 10:56 (No.117246)削除
第 666回麦っこ出題

季語   小鳥(傍題可) 

文字   玉

テーマ  作品
返信
のんさん (8b8xe2bx)2024/10/5 17:45削除
第666回投句

おにぎりは鮭と梅干小鳥来る
数珠玉や母若くして母となる
鼻高々と若冲の象秋風裡
メイさん (9ahiskth)2024/10/5 14:06削除
666回投句

美しくアートなトイレ小鳥来る
露の玉あのおとうとの孫自慢
仮縫いの手作りドレス稲の秋
ふたばさん (8augfkle)2024/10/5 10:42削除
第666回 投句

小鳥来る両手の窪に樋の水
けん玉の巧き少年秋うらら
藍染の個展の案内秋浅し
こがめさん (8atk17xs)2024/10/2 20:49削除
第666回麦っこ投句
小鳥来るD51座る屋根の上

お手玉の綺麗な音す数珠の玉

首長き花瓶に活けし濃竜胆
ちこりんさん (8mmormpc)2024/10/2 15:29削除
666回 投句

消え残る踏絵のマリア小鳥来る

雁渡し水晶玉の過去未来

渦を巻くゴッホの苦悩星月夜
まりさん (8md9x4e2)2024/10/2 09:30削除
665回投句

ホスピスの無音の扉小鳥来る 
産土の神のふところ龍の玉
鈍色のオブジェの「無題」赤とんぼ
不来方さん (8b8tdv36)2024/9/30 22:51削除
第666回投句

小鳥来る七十路坂の入口に
ビー玉の藍に溶けこむ秋入日
浮かびては消ゆる言の葉星月夜
太郎さん (8aq3zcoi)2024/9/30 20:20削除
麦っこ666投句
小鳥来る下総成田の寺の簷
秋うらら水玉模様のマタニティー
セザンヌの自画像桜紅葉散る
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/30 16:30削除
666回投句
鳥渡る理想郷という岬
玉子産み終えし秋鮭ほっちゃられ
長月のレンブラントの夜の光
返信9
まりさん (8md9x4e2)2024/9/22 19:09 (No.116670)削除
664回投句一覧&選句

蜻蛉
風渡る深き山襞赤蜻蛉
歳月や蜻蛉忘れし指の先
残照の端から端を群とんぼ
赤蜻蛉見据えるブルーインパルス
指先より帽子の好きな赤とんぼ
湧水の途切れぬ水輪赤とんぼ
赤蜻蛉川を境に東京都
連れ蜻蛉堺田尾根の分水嶺
里山の既視感高く秋あかね
銀やんまひとり遊びの夕間暮れ
わたくしと替ってください赤とんぼ
「もういいかい」ふりむけば赤とんぼ


秋祭り看板の字は前衛書
爽やかに出前の寿司のガリ甘し
前列は手刈りの後のコンバイン
台風の前後の頭痛三日ほど
前菜の洒落た盛りつけ秋の声
藪漕ぎや進む前々(さきざき)秋あかね
食前の一錠今日の月のぼる
十六夜の門前町の古本屋
飛び入りの人前式や草雲雀
前置きの長い挨拶秋彼岸
跳ね太鼓響く蔵前鳥渡る
前略のあとの空白ピーナッツ

ペット
水換えて秋の目高の機嫌よし
老犬は家の大老胡桃の実
縁側のリスやしづかに月祀る
秋灯や犬の位牌の抱き茗荷
秋の朝出会う犬種のさまざまに
暗闇に爪を研ぐ猫十六夜
猫好きと犬好きが居て宵の秋
老犬の粗相の始末花野道
十五夜の膝に丸まり眠る猫
愛鳥の知らぬ大海秋の空
時を止めそうな老犬秋の雨
木槿垣したり顔して猫出づる
返信
太郎さん (8aq3zcoi)2024/10/4 20:27削除
麦っこ664選句
「蜻蛉」
◎残照の端から端を群とんぼ
遠景の夕焼を背景に、暮れ残る中空一杯を赤蜻蛉の群が右へ左へと飛び交う。そんな光景を利根河畔の自然公園で目撃したことがある。日没後の空に照り映える夕陽の光の中を群とんぼが移動する。「端から端を」に臨場感がある。特に「を」の働きに注目したい。
○「もういいかい」ふりむけば赤とんぼ
 破調の句だが童謡・童詩的な雰囲気のある魅力的な句てある。「もういいかい」の場面設定に多少違和感を感じる。「もういいよ」もありそうな気がする。
「前」
○十六夜の門前町の古本屋
 門前町のレトロな古本屋では、猫背の親爺が、いつ来るとも知れぬ客を待って、帳場に座っている。十六夜は満月のこともあるが、とまれ、丸い大きな月の下、参道へ続く古風な町並が展開するのは絵になる光景である。
○跳ね太鼓響く蔵前鳥渡る
 大相撲で、その日の弓取り式が終わると、打ち出しの拍子木が打たれ、同じタイミングで外に設置された櫓でも呼び出しが太鼓を叩く。これが跳ね太鼓で、相撲の興行が終わったことを周辺に知らせているのである。横網町の両国国技館の太鼓櫓で「テンテンバラバラ」と跳ね太鼓が鳴ると、大川を越えて蔵前のほうまで響くのだ。空を渡り鳥の隊列が飛んでゆく。
○前略のあとの空白ピーナッツ
 前略と書いてはたとペンが停まる。何を書こうとしているのか、どう書こうとしているのか、頭の中が空白で何も浮かんでこない。傍らにあるピーナッツを一粒摘まんでカリリと噛むが考えは浮かばず、手紙は、未遂のままで便箋を閉じることになりそうである。
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/10/2 08:01削除
664回選句

〇歳月や蜻蛉忘れし指の先
「この指とまれ」と遊びし頃なつかしさを感じます
◎「もういいかい」ふりむけば赤とんぼ
ほっこりする景ふりむいたら皆どこかに隠れ赤とんぼが、表現がすてき
〇食前の一錠今日の月のぼる
何気ない一日の始まり食前の薬は何の薬でしょう、私は食後沢山飲みます
〇老犬は家の大老胡桃の実
長いこと一緒に過ごしている愛犬でしょう家族となっている犬への愛情を感じます
天馬さん (9a8ioq5i)2024/10/1 13:56削除
664選句

○歳月や蜻蛉忘れし指の先
とんぼはそこら中飛んでいますが、そういえば何十年も触っていないなぁと。
○湧水の途切れぬ水輪赤とんぼ
近くに岩手山伏流水の湧水があり、まさにこの景です。
◎前略のあとの空白ピーナッツ
ピーナッツが妙に効いています。惹かれました。
○秋灯や犬の位牌の抱き茗荷
我が家の15歳の犬もそう遠くないうちに逝くと思います。弱ってからが、つくづく家族だなぁと実感しています。
ふたばさん (8augfkle)2024/9/30 11:24削除
第664回 選句

○残照の端から端を群とんぼ
 景が大きく、映像が鮮やかに浮かんできます。清々とした気持ちの良い句です。

◎「もういいかい」ふりむけば赤とんぼ
 懐かしく童心に返った気分になりました。端的で的確。参りました!

〇前略のあとの空白ピーナッツ
 思いあぐねての「空白」そこに「ピーナッツ」。巧みですね。

○老犬の粗相の始末花野道
 私は犬を飼ったことがありませんが、老犬のお世話は大変そうですね。愛犬家の友人から聞いています。
 粗相と花の道の対比。家族の一員として大切にしていることが伝わってきました。
のんさん (8b8xe2bx)2024/9/29 18:29削除
第664回 選句

〇歳月や蜻蛉忘れし指の先
 最後に蜻蛉を触ったのはいつだったのか定かではない。ただ指に命の感覚は今も消えない。「忘れし」は反語と読みました
◎「もういいかい」ふりむけば赤とんぼ
 自然の中に同化して遊んでいた幼き日々、「赤とんぼが減りましたね」がご近所さんとの会話に良く出ます
〇跳ね太鼓響く蔵前鳥渡る。
 蔵前は馴染の街、力士の名前の入った幟が翻る空、大らかで気持ちの晴れ晴れとする景です。
〇老犬は家の大老胡桃の実
 犬の観察眼は鋭い、まさに「大老」季語の存在感も良いなと思います。
〇秋灯や犬の位牌の抱き茗荷
 家族の一員、それだけに喪失感も大きいのでしょう。秋は物思う季節です。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/29 11:50削除
664回選句
◎残照の端から端を群とんぼ
 「日残りて昏るるに未だ遠し」(三屋清左衛門残実録)。残照には夕焼けや入り日などとは少し違った趣が感じられます。
〇前略のあとの空白ピーナッツ
 下五で作者の立ち位置、居住まいが鮮明になっています。
〇前置きの長い挨拶秋彼岸
 彼岸の祝日の行事かなにかでの長い挨拶。辟易すると同時に、秋気に浸ってしばし寛いでいる。
〇愛鳥の知らぬ大海秋の空
 籠の鳥に、この澄み切った秋空を思い切り飛ばせてやりたい。
ちこりんさん (8mmormpc)2024/9/29 11:11削除
664回 選句

○残照の端から端を赤とんぼ

気持ちの良い広々とした景。郷愁を誘う景でもあります。


○「もういいかい」ふりむけば赤とんぼ

心の動きが見えます。瞬間的な赤とんぼだからこそ、
一句としての良さ生まれたと思います。

◎前略のあとの空白ピーナッツ

書き出してはみたものの、ペンが進まず…躊躇いがみえます。相手の方や内容にも想像がふくらみます。
軽くピーナッツでしめたところがいいですね。

○秋灯や犬の位牌の抱き茗荷

大切な家族であるペットの位牌。秋の灯が優しい。
我が家の愛鳥の小さな石の墓にも、秋の風が。
メイさん (9a7roeyv)2024/9/28 18:18削除
664回選句
〇残照の端から端を群とんぼ
残照の中の群とんぼ、端から端をと動画を観ているようなダイナミックな景です。

〇食前の一錠今日の月のぼる
何気ない動作が、月のぼるによって静かに照らされているようです。
〇十六夜の門前町の古本屋
映画のワンシーンになりそうな景が、名詞だけで簡潔に描かれています。
〇跳ね太鼓響く蔵前鳥渡る
豊かな気分を運んでくれる句。「蔵前」だけで相撲の跳ね太鼓を連想させることができるのですね。

〇秋灯や犬の位牌の抱き茗荷
抱き茗荷の画像を見て、愛犬を悼む気持ちが伝わってきました。しみじみとした季語も調和しています。
◎愛鳥の知らぬ大海秋の空
籠の中の愛鳥には知り得ない大海、秋の空が心に沁みてきます。
こがめさん (8atk17xs)2024/9/25 20:55削除
第664回麦っこ選句
○歳月や蜻蛉忘れし指の先
○指先より帽子の好きな赤とんぼ
「 指の先」「指先」と表現が異なっていても指先に焦点を絞って表現していることが参考になりました。指先に停まってくれないかやってみましたが最近は止まらなくなってきたように感じます。

○台風の前後の頭痛三日ほど
○食前の一錠今日の月のぼる
自分の日常を表現されているように感じました。季語の取り合わせが参考になりました。

◎「もういいかい」ふりむけば赤とんぼ
いいな。。ふり向くと「赤とんぼ」がいたのか。赤とんぼにどんな思いがこめられているのかな。とてもロマンチックな景です。
まりさん (8md9x4e2)2024/9/25 13:15削除
664回選句

〇歳月や蜻蛉忘れし指の先
私の指先もすっかり忘れています。

〇残照の端から端を群とんぼ
懐かしい景です。こういう景を残して欲しい。

〇赤蜻蛉川を境に東京都
江戸川~ 涼しくなったから出かけてみます。電車20分&徒歩10分で土手につくのですから、御近所を散歩する感じです。

◎「もういいかい」ふりむけば赤とんぼ
明るさがいい!シンプルがいい!これ以上略するものが無いのに、景がくっきり浮かんできます。
その分、類想はあるかもしれませんが。

〇老犬は家の大老胡桃の実
季語が、天文などのように広がるものであれば私の◎だったと思います。なぜこの季語なのかなあ。
季語の選択によって句が大きく変わります。本末転倒は重々承知ですが、時間に余裕のあるときは、全く考えていなかった季語をぶつけてみたいと思うこの頃です。

〇秋灯や犬の位牌の抱き茗荷
家族同様の犬なので位牌にも家紋。そうか・・・そういう時代か・・・
不来方さん (8b8tdv36)2024/9/23 11:53削除
第664回選句

◎歳月や蜻蛉忘れし指の先
 子供の頃鬼やんまが指に止まったり、鬼やんまの眼に指を近づけてグルグル回したりした経験は世代を超えて共感出来る。中七下五の措辞はその両方とも言い止めている。「歳月や」の感慨もいい。

◯ 残照の端から端を群とんぼ
 大きな景。赤とんぼの唄の歌詞のその後を想像ささた。暮れ切る直前の映像が動画のように流れてくる。「端から端を」の効果。

◯ 前略のあとの空白ピーナッツ
 無季の句でも良いなぁ、と思っていたら「ピーナッツ」が何と秋の季語。「落花生」なら採れなかったかも。リズムと見た目の表記のイメージ。

◯ 老犬の粗相の始末花野道
 もう散歩も難しくなりつつある老犬を愛しむ気持ちがよく伝わってくる。卒寿の俳友が、先日19才の愛犬を看取った。その放心の顔は忘れられない。
返信11
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/21 20:49 (No.116472)削除
665回出題
季語   芋(傍題可) 
文字   波
テーマ  旅
返信
天馬さん (9a8ioq5i)2024/9/29 11:03削除
665投句

揺さぶりをかけて引きたる二子芋
汀女忌や刺し子布巾の青海波
連結のはやてこまちや秋日和
不来方さん (8jrlsjab)2024/9/29 10:31削除
第665回投句

芋水車脇街道の鷺の川

沈黙のながき波紋や檸檬噛む

差出人不明の旅信二十日月
ちこりんさん (8mmormpc)2024/9/29 10:19削除
665回 投句

対岸の生死ずるずる芋の蔓

長き夜の滲むネオンや傘の波

つれづれに紡ぐ旅愁や青葡萄
ふたばさん (8augfkle)2024/9/29 08:05削除
第665回投句

里芋の孫子あまたの昭和かな (訂正)
落日の芒の波や金銀に
海神楽と聞けば待たるる秋の旅
のんさん (8b8xe2bx)2024/9/28 22:16削除
第665回 投句

出征の日々語らずに父芋の露
小鳥来る街に溶け込む電波塔
胃に沁みる白粥の滋味露の宿
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/9/28 19:27削除
第665回 麦っこ投句

墓だけの残る故郷芋の秋
江の島や波紋を描く秋の風
湯治湯や峠の宿の草紅葉
メイさん (9a7roeyv)2024/9/28 18:17削除
665回投句
八頭の面構え良し抑え込む
波風をたてるのが好き鵙の贄
晩秋の巴里の下町旅かばん
こがめさん (8atk17xs)2024/9/26 15:02削除
第665回麦っこ投句
芋の茎藁で三つ編み車庫の軒

鰯雲波乱の予感デットボール

台風の爪痕未だ陸羽東線
まりさん (8md9x4e2)2024/9/25 13:26削除
665回投句

芋の秋研ぎ師来る日の幟旗
身に入むや岩鼻攻める波頭
島洗う波音夜の鰯雲
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/24 10:50削除
665回投句
芋を煮る厨に妻は老いてゆき
鯔飛んで「たまや」「かぎや」の波止場かな
渋翁の生誕の地を巡る秋
太郎さん (923uhctl)2024/9/23 12:15削除
麦っこ665投句
お岩木の麓の宿の芋の子汁
秋日濃し波立ち渡る九十九里
千畳敷はたての没日今年酒
返信11
天馬さん (9a8ioq5i)2024/9/29 06:53 (No.117224)削除
665投句

揺さぶりをかけて引きたる二子芋
汀女忌や刺し子布巾の青海波
連結のはやてこまちや秋日和
返信
返信0
まりさん (8md9x4e2)2024/9/15 20:43 (No.115852)削除
663回投句一覧&選句

「秋の雲」
秋雲や旅に出でよと列車音
秋の雲老いたる象の足鎖
白線のなじまない土秋の雲
棟上げの餅撒く少女秋の雲
秋の雲来し方語り出す大樹
朝練の走る掛け声秋の雲
秋の雲柵を出ること無き羊
指圧師に散歩いいよと秋の雲
水底に眠る零戦秋の雲
りんしょうのもりのくまさん秋のくも
点滴の窓を流れる秋の雲
大空のかすかな愁い秋の雲

「井」
井戸あります塀に看板秋彼岸
秋日濃し一葉押しし井戸ポンプ
木の実降る賢治の井戸の重き蓋
天井無き厨に匂うさつま藷 
新豆腐たっぷり沈め井戸の水
秋めくや市井に古き洋食屋
天井を流れる木目小鳥来る
小鳥来る井戸をまっすぐ落ちる声
城の井にあまたの口碑ちちろ鳴く
井戸水と並ぶ県水いわし雲
天井に動く龍の眼はたた神
天井の星のシールや秋彼岸

「テーマ:野」
コスモスや心翔けゆく地平線
遠くからオーボエのソロ野路の秋
ハモニカの昭和の子ども秋野行く
本当の花野を探す余生かな
行き違う測量の声真葛原
一人旅行って見ようか野路の秋
穂芒の光り一筋風の道
野の草の名札新し土手の原
柔らかく花野に分け入りし成猫
秋草や「球技を禁ず企業庁」
綻びのきれいな縫い目大花野
奥多摩や野に湖に秋の声
返信
のんさん (8b8xe2bx)2024/9/22 19:09削除
第663回 選句

〇秋の雲来し方語り出す大樹
 沢山の人と時代を見て、若木から大樹へ、悠久の時間経過を感じます。
〇水底に眠る零戦秋の雲
 次第に澄み冷えてくる水、悲しみがつのります。
◎点滴の窓を流れる秋の雲
 多くを語らず、流れゆく雲への憧憬に心情が偲ばれます。
〇木の実降る賢治の井戸の重き蓋
 賢治の井戸は知らないのですが、季語が情景を想像させます。
〇天井に動く龍の眼はたた神
 何処に立っても睨んでいるようなお寺の龍の眼、眼が動いるとは発見です。
天馬さん (99z2foco)2024/9/22 17:19削除
663選句
◎水底に眠る零戦秋の雲
海の深さ秋空の深さが響き合います。
○点滴の窓を流れる秋の雲
犬の点滴1時間。長い。雲ばかり見てます。
○天井を流れる木目小鳥来る
○天井に動く龍の眼はたた神
井のお題で天井の句を考えてみましたが、上手くいきませんでした。勉強になりました。
ジュピターさん (8pymq0ud)2024/9/22 14:50削除
663回選句
 ◎木の実降る賢治の井戸の重き蓋
  下五は古びて滅多に開けられることのない井戸の蓋を、上五は賢治の井戸の在処を想像させる。
 〇秋の雲柵を出ること無き羊
  一生を柵の中で暮らす羊も、秋の大空の雲のように自由に駆け巡りたいというところだろうか。
 〇りんしょうのもりのくまさん秋のくも
  秋の雲に抱く自由でおおらかな気分が旨く表現されています。
 〇城の井にあまたの口碑ちちろ鳴く
  コオロギはこの井戸にかかわる数多の伝説を語り継いで鳴いているのか。
太郎さん (8aq3zcoi)2024/9/22 11:07削除
麦っこ663選句
「秋の雲」
◎水底に眠る零戦秋の雲
 零戦(零式艦上戦闘機)は、先の大戦以前から敗戦までの間、名機としての栄光をほしいままにし、戦時中は10000機以上が生産されたが、多くは撃墜され、特別攻撃に突入して海底に散り果て、現在、日本国内に残る機体は10機程度である。靖国神社遊就館、知覧特攻平和会館などで往時の雄姿を見ることができる。掲句は、未だ海底に眠る零戦に思いを馳せ、改めて悲劇を繰り返してはならぬという思いを強く心に抱いているのである。「秋の雲」という不易との対象が効果的である。
○りんしょうのもりのくまさん秋のくも
 仮名書きの効果か、大空を悠然と流れる雲の下、児童合唱団の透明な声が聞こえてくるようだ。が、「輪唱」までを仮名書きにするメリットとデメリットを再考したい。音読みする漢字熟語は、仮名書きに適さないようにも思われる。それでも、 「りんしょうの もりのくまさん あきのくも」と全て仮名で書く。あるいは「輪唱のもりのくまさん秋の雲 」と漢字を混ぜて書く、というようにいろいろ試みてみたいところである。
○点滴の窓を流れる秋の雲
 わたしも、昨年の早春から2ヶ月ほど入院し、点滴や透析の時間を窓から見える空の様子や、出窓に置かれた水耕の花を眺めていた。点滴の滴の落ちる間合いや雲が微速で移動する様子が、わずかに無聊を慰めてくれるのだ。
「井」
○秋めくや市井に古き洋食屋
 まだ夏だと思ううちに、巷にはいつか秋の気配が兆している。安めのメニューを掲げた洋食屋が、時には行列をつくるほどの定連で賑わう。古い街の古い店に善人たちが集まる食欲の秋というべきか。
○天井を流れる木目小鳥来る
 天井板は、杉の柾目などもいいが、板目の流水文のような模様も、長時間眺めていても見飽きない。そんな時に、渡ってきた小鳥の声が聞こえて、もうそんな季節になったかと喜んでいるのである。
 「小鳥来る音うれしさよ板びさし 蕪村」
ふたばさん (8augfkle)2024/9/22 01:11削除
663回選句

○秋の雲老いたる象の足鎖
 秋の雲と象の姿が相まって哀愁を感じます。

◎秋の雲来し方語り出す大樹
 とても気持ちが豊かになる句です。雲と樹が対話しているような…。草原に立つ大樹、北海道の「ハルニレ」を
 思い出しました。

○水底に眠る零戦秋の雲
 淡々と描かれていますが、時が流れても決して忘れてはならない、というメッセージが感じられます。

○城の井にあまたの口碑ちちろ鳴く
 「あまたの口碑」ですから、いろいろあるのですね。興味深いです。 「口碑」という言葉を初めて知りました。
 辞書で調べて納得しました。 

○遠くからオーボエのソロ野路の秋
 「野路の秋」にふさわしい音色。いいですね。
メイさん (99x70xpa)2024/9/21 08:41削除
663回選句

〇秋の雲柵を出ること無き羊
羊たちは柵があることすら知らないかのように、淡々と草を食んでいる。
〇水底に眠る零戦秋の雲
水底に眠ったままの零戦の上を、秋の雲は流れ流れてゆくばかり。

〇秋めくや市井に古き洋食屋
「市井」はなかなか使いにくかったのですが、季語の中に市井の雰囲気を捉えています
〇天井を流れる木目小鳥来る
朝、こんなふうに目覚めたら優しい気持ちで一日を過ごせそうに思えます。

◎綻びのきれいな縫い目大花野 
綻びに針をあててきれいな縫い目が出来上がるとき、頭の中は秋の花々のパッチワークが展開しているかのよう。音韻の流れがうつくしい
ハナハナさん (8ws7lb4p)2024/9/20 22:56削除
663回投句選句


〇秋の雲老いたる象の足鎖
老いたる象の足鎖、ゆったり歩く象の動きが秋の雲と良いですね
◎水底に眠る零戦秋の雲
悲しい景です何年たっても傷跡は残ります
〇りんしょうのもりのくまさん秋のくも
もりのくまさんのメロディが聞こえてきますほっこりします
〇天井に動く龍の眼はたた神
〇穂芒の光り一筋風の道
こがめさん (8atk17xs)2024/9/19 20:17削除
第663回麦っこ選句
○水底に眠る零戦秋の雲
胸が締め付けられます。でも忘れていけない出来事で絶対に繰り返していけないと。

◎りんしょうのもりのくまさん秋のくも
とても明るい句です。歌声が聞こえてきそうです。季語の「秋のくも」で歌っている景が浮かんできます。平仮名の表記も魅力がありあます。

○城の井にあまたの口碑ちちろ鳴く
どんなできごとがあったのかな。せつなくなります。

○天井に動く龍の眼はたた神
天井の龍の目が動いて見えたのか。じっと見ている景が浮かんできます。

○行き違う測量の声真葛原
測量士さんの働いている場所が浮かんできます。そして一人でなく協力しながら作業している声が聞こえてきます。
まりさん (8md9x4e2)2024/9/19 17:35削除
663回選句

○りんしょうのもりのくまさん秋のくも
たのしい。ほっこり。ひらがなが効いています。

○点滴の窓を流れる秋の雲
ベットで点滴を受けていたら、高窓から秋の雲が見えた。自然で心に沁みる取り合わせです。ちょっと熱中症っぽかったのでしょうか。

〇小鳥来る井戸をまっすぐ落ちる声
「まっすぐ落ちる声」声の響きが底へ落ちてゆくように感じる、確かにそうかも。そうだった気がします。

◎城の井にあまたの口碑ちちろ鳴く
口碑・最初は誤変換かと思いました。スミマセン。辞書で調べてよかった!
「昔からの言い伝え・伝説」と。城の井戸ですから、苛め抜かれた女性が身投げしたとか、理不尽な理由で放り込まれたとか・・・。「ちちろ鳴く」とさりげなく締めたところがいいですね。

○天井に動く龍の眼はたた神
実は私も天井の龍で作ろうと思って苦吟していましたが、動く眼とはたた神に、ああやられたと思ってやめました。はたた神と来たか~なるほど。さすが。

〇遠くからオーボエのソロ野路の秋
オーボエのチョイスに惹かれました。秋は木管楽器が合います。ソロは要らないんじゃない?
ちこりんさん (8mmormpc)2024/9/19 11:29削除
663回 選句

○秋の雲老いたる象の足鎖

老たる象の歩みにゆったりと流れゆく雲。哀しみの中にも美しさを感じます。取り合わせ良き句と思います。

○棟上げの餅撒く少女秋の雲

懐かしい思い出と重なり、秋の清々しさを感じます。


◎城の井のあまたの口碑ちちろ鳴く

伝説を残す城の井戸。数々巡りました。城の歴史を語るような虫の音との取り合わせもいいですね。

○遠くからオーボエのソロ野路の秋

秋空に謳うオーボエ。ピッタリです。
不来方さん (8b8tdv36)2024/9/16 10:49削除
第663回麦っこ選句

◯ 秋の雲来し方語り出す大樹
 どんな大樹だろうか、と色々想像する。森などではなく、青空に向けてすくっと佇っている古木の大樹、例えば欅。メタセコイアでもいい。中七の言葉の力で頂いた。

◯ 水底に眠る零戦秋の雲
南シナ海には今もなお多くの零戦が眠っている。もう一度知覧に行きたくなった。

◎点滴の窓を流れる秋の雲
療養の心模様が窓外の秋の雲に託されてこころに響く。

◯ 天井の星のシールや秋彼岸
 一読、取合わせのギャップに戸惑った。逆に引き込まれてたのかも知れない。ニ読三読、この「星のシール」、、、亡くなった大事な人を偲ぶ(或いは大事な人が作った)シールだということに思い至った。季語に納得。

◯遠くからオーボエのソロ野路の秋
 グリーグの「朝」が聴こえて来そうな花野の一本道。かすかなオーボエの音だけが醸し出す空気感が佳い。

◯ 綻びのきれいな縫い目大花野
 句の視点、鳥が花野を俯瞰しているようで面白い。このような大花野は実景ではなく、作者の人生の花野のように思える。
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